1: 2009/03/12(木) 18:25:17.20 ID:j35VfLAs0
ヒート真紅「CPUに長時間高負荷をかけるのはやめなさい、ジュン。」

ジュン「だ、だって、リンクをたどっていったらブラウザが次々に開いて操作できなくなっちゃったんだ」

真「それはブラウザクラッシャーよ。ブラクラと略して呼ばれているものなの。」

ジ「ブ、ブラクラ・・・双子のユニットのこと?」

真「それはフリフラ、FLIP-FLAPなのだわ」

3: 2009/03/12(木) 18:28:26.80 ID:9bzOvyiuO
予想してたスレとちゃう!

4: 2009/03/12(木) 18:32:35.99 ID:j35VfLAs0
真「連続して大量のブラウザを立ち上げることで他の処理にCPUを使わせないことでパソコンをフリーズさせるものなの」

ジ「悪質ないたずらか」

真「そう。でも今のパソコンはその程度で熱暴走することは・・・」

ジ「どうせ僕のパソコンはシーラカンスみたいなものですよ」

真「逆に言えば大事に使っているということよ。長く使えば愛着がわくものだわ。」

ジ「確かに・・・相棒みたいなものだしな・・・」

7: 2009/03/12(木) 18:39:41.72 ID:j35VfLAs0
真「誰かに壊されたりしたらどう思うかしら?」

ジ「・・・許せないな」

真「ふふふ・・・無意識のうちにそうやって愛着がわくものなの。優しい心のジュンなら当然ね」

ジ「そうかな・・・/////」

真「私たちドールも同じ。その愛着や愛情があってこそ存在できるものなの。だから優しくするのよ」

ジ「わかったよ// ・・・今日の真紅はどうしちゃっだ?」

8: 2009/03/12(木) 18:43:09.39 ID:j35VfLAs0
真「それよりも、早く負荷を下げないといけないわ。Alt+F4を押しっぱなしにするのよ」

ジ「え?だってフリーズしてるし・・・」

真「うまくいけばそれで少し戻ってくるかもしれないわ」

ジ「わかった。やってみる!」

9: 2009/03/12(木) 18:49:45.73 ID:j35VfLAs0
ジ「あ、少し反応した!」

真「今のうちにCtrl+Alt+Delでタスクマネージャーを立ち上げるのよ。」

ジ「なんとか再起動に持ち込むんだね」

真「プロセスを頃し続けることもできるけど、埒が明かないことの方が多いわ。素直に再起動するほうが得策よ」

ジ「わかった。・・・・・なんとか再起動の指示ができたよ!」



ジ「ふう・・・シャットダウンに時間がかかったけど、何とか再起動できた。よかったぁ・・・。」

真「リンクを軽率に踏んではいけないのだわ。これで理解したわね?」

ジ「うん・・・ネットの世界になれていたつもりだけど、これからは気をつけるようにするよ。」

真「そうね、生半可な知識がある時が一番危険よ。注意深いくらいがいいわ。」

11: 2009/03/12(木) 18:57:35.26 ID:j35VfLAs0
ジ「それにしても、真紅がパソコンに詳しいとは知らなかったな。そんな素振りは全然見せなかったじゃないか。」

真「能ある鷹は爪を隠すっていう言葉があるのよ。それにジュンが聞いてこなかったから答える機会がなかったのよ。」

ジ「ちぇっ、間違ってたこととか笑ってたんだろ・・・(ムクー)」

真「一方的に教えるだけでは成長しないもの。経験が一番の勉強なのよ、ふふふ」

12: 2009/03/12(木) 19:04:41.67 ID:j35VfLAs0
真「のどが渇いたわね。ジュン、紅茶を入れて頂戴。」

ジ「はいはい、わかりました。」

真「返事は1回よ」

ジ「へーい」



ジ「お嬢様、お待たせしました。」

真「あら、どうしたのその呼び方。悪い気分じゃなくってよ。」

ジ「今、ドラマで執事が出ているのがあってね。真似してみたんだ。」

真「そうなの。でも下僕が執事のようでは落ち着かないわね」

22: 2009/03/12(木) 19:41:57.35 ID:j35VfLAs0
真「そういえばあのパソコンのCPUは?」

ジ「Pentium IIIの1GHzだったかな。」

真「ペン3の1GHz・・・メモリはどれくらい積んでいるのかしら?」

ジ「確か・・・256Mだったはずだ」

真「それでXP上でいくつもアプリケーションを走らせるのは負荷が大きいし、メモリも足りないのだわ。」

24: 2009/03/12(木) 19:51:34.64 ID:j35VfLAs0
真「Pentium 4に比べれば、CPUの放熱量は大したことがないから、もっと冷却能力を上げて、メモリを512MB以上にしておけば改善できるはずね。」

ジ「買いかえると高いし、一から組むのも時間的にも厳しいから、真紅の言う策がベターだね。」

真「紅茶を飲み終わったら、パーツを買いに行くのよ。」

ジ「善は急げってことか。」

真「その通りよ。このままじゃヒートシンクがかわいそうよ。なんとなく他人事じゃないの。」

ジ「シンク、だけにねw」

27: 2009/03/12(木) 19:58:53.38 ID:j35VfLAs0
【休日の秋葉原】

ジ「あれ、今は歩行者天国じゃないんだ・・・」

真「あれだけネットにかじりついているのに情報弱者なのだわ・・・」

ジ「なんか行った?」

真「いいえ、なんでもないわ。それより、いくつかお店を覗いてみるのよ。」

ジ(やけに真紅が馴染んでいるのは気のせいかな・・・?)

29: 2009/03/12(木) 20:09:02.25 ID:j35VfLAs0
ジ(実は真紅も高性能のCPUで動いてたりして・・・)

真「私をアンドロイドみたいに考えないで頂戴。」

ジ「!!」(さすがにこんなことはコンピュータには無理だよね・・・)

真「当然なのだわ」

ジ「すみません・・・」

真「まずは冷却パーツを探しましょう」

ジ「置いてある場所を聞いてみるよ」

31: 2009/03/12(木) 20:29:24.58 ID:j35VfLAs0
ジ「いろんなパーツがあるんだね」

真「冷却にはいくつか方法があって、1つは空冷といってファンで空気を送って循環させて熱を奪うことによるもの、
  もう1つは水冷といって、ヒートシンクなどに水を通すチューブを配置して、常に水を循環させることで熱を奪うことによるものがあるの。
  2つを組み合わせることもよく見られるわ。水と言っても特殊なもので、普通の水ではないのだわ。」

シ「へぇ~そうなんだ。メリット・デメリットはどうなってるの?」

真「空冷はほぼファンを配置することになるのでファンの音が付いて回ることになるわ。でも一番効率よく、手軽にできる手段だわ。
  水冷は循環させるポンプなどが必要だから、必然的に場所をとることになるの。また一旦温まると冷めにくいのもデメリットね。
  ファンを配置しないから静寂性は高くなることが多いわ」

33: 2009/03/12(木) 20:38:39.51 ID:j35VfLAs0
ジ「なにを重要視するかで使い分けるんだね。」

真「そうね。マザーボードやその他のパーツの寿命を決めると言っても過言ではないから、大事なところよ。」

ジ「で、あのパソコンにはどうしたらいいかな?」

真「ジュン、ファンの音や振動って気になる?」

ジ「いや、あまり気にしないかな。」

真「なら、スタンダードに空冷を選択するわ。多少音が大きくなってしまうけど、冷却能力がより高いものを選びましょう。
  もちろん、今使っている筐体の中に納められる(取り付けられる)というのが前提なのは当然ね。」

ジ「ちゃんと大きさやネジとかは確認してきたから、合う奴を探せばいいんだね!」

真「その通りよ、ジュン。えらいわ。」

35: 2009/03/12(木) 20:53:35.80 ID:j35VfLAs0
真「このあたりがよさそうだわ。」

ジ「よし次はメモリだね」

真「メモリは海外メーカーのものから日本のメーカーのものまで千差万別だけど、相性問題が出やすいものなの。
  安いからいいと言うものでもないから、十分情報を集めて吟味しないといけないのだわ。」

ジ「あ、このジャンク品って奴がすごい安いのはなんで?」

真「メモリはハードディスクやCPUに比べて割と持つものなの。だから壊れたパソコンなどから回収して、
  動作に問題がないものをジャンク品として再度流通されるのよ。水銀燈みたいなジャンクとは違って性能は問題ないのよ」

ジ「上手くいけば安く性能アップ出来るんだね」

真「その分、保証などは当然ないから、よく考えるべきよ。上手く使えたらラッキー位に思うことね。」


真「これにしましょう。あの基盤には2枚させるから512MBを2枚挿して1024MBにしておけばXPは快適に動くわ。」

ジ「じゃあ買ってくるよ。」

36: 2009/03/12(木) 21:03:29.45 ID:j35VfLAs0
水「あらぁ、誰がジャンクなのかしらぁ?」

ジ「ちょwwwwww水銀燈wwwwwww」

真「あら、こんなところで何をしてるの水銀燈。」

水「真紅に答える必要なんてないわぁ。それより、ジャンク呼ばわりとはいい御身分ねぇ」

真「あら、聞いていたのね。ジャンクパーツの説明をしてただけよ。そんなにジャンクって言葉が好きなのね」

水「どうやらここで氏にたいようねぇ」

??「あーなんかが飛んでるぞー!!!」

??「本当だ!」パシャッパシャッパシャッパシャッ

??「かわいい子だフヒヒヒヒヒヒ」

水「きゃああああああああああああああああああああああむさ苦しいいいいいいい」

真「ジュン、今のうちに逃げるのだわ」

ジ(水銀燈・・・生きて帰れよ・・・)

39: 2009/03/12(木) 21:11:56.39 ID:j35VfLAs0
ジ「水銀燈・・・大丈夫かな・・・?」

真「心配しなくても大丈夫よ。それよりも明日の新聞が大騒ぎにならないか心配だわ。」

真(私なら絶対耐えられないわ・・・あの臭さと気持ち悪さ・・・)



ジ「さて、帰ってきたし、早速取り付けようか!」

真「ジュン、その前にまずドアノブに触れておきなさい。」

ジ「・・・ドアノブ?」 バシッッッ

ジ「痛っ!!!!」

真「静電気は精密機器には大敵なの。こうやって予め放電しておいてから、静電気防止作業手袋などをしてから作業に当たるのよ。」

ジ「勉強になるなぁ」

42: 2009/03/12(木) 21:15:44.15 ID:j35VfLAs0
ジ「静電気と蒼星石って似てるよね」

真「似てないのだわ」

44: 2009/03/12(木) 21:26:57.65 ID:j35VfLAs0
ジ「う・・・このメモリがうまくはまらない・・・」

真「多少力を入れる場面はあるけど、入れ過ぎてはだめよ。とても壊れやすいものなの。」

カチッ

ジ「ふう・・・なんとかはまってくれたよ。あとはファンも付けてっと」

真「せっかく開けたのだから、中の埃も掃除しておきましょう。埃も大敵だわ。
  掃除機で大まかに埃を吸って、エアダスターで細かい隙間の埃を飛ばすといいわ。」

ジ「ヒートシンクの埃もきっちり取ったよ」

真「埃がたまると放熱効率が落ちてCPUが熱いままになってしまうのだわ。」

ジ「よし、これで大丈夫かな!」

真「きれいになったわね、ジュン。起動させてみましょう」

47: 2009/03/12(木) 21:37:54.96 ID:j35VfLAs0
ブゥゥゥゥン・・・・

真「どうやら、相性も問題ないみたいね。すんなりいかないことの方が多いから、今回はラッキーだったわ。」

ジ「あ~前に比べて本当に調子がいいよ!これは快適だ。」ニコニコ

真(久しぶりにいい笑顔なのだわ)

真「これでヒート真紅も熱過ぎることはないでしょうね」

ジ「地球にも優しくだね!」

真「パソコンも調子よくなったのだから、紅茶を入れて頂戴。」

ジ「えーいまいいところなんだよぉ」

真「下僕が主人の命令に背くのは許されないのだわ」ピシピシ

ジ「はいはい、わかりました」

真「返事は1回よ、ジュン」

ジ「すみませんでしたっと」


ジ「はい、おまたせ・・・ってうわああああ!」ガチャーーン

真「ちょっ・・・あ!熱い!熱過ぎるのだわわわわわぁ!」

fin

49: 2009/03/12(木) 21:41:46.73 ID:cJOT8fAA0
なんかきれいな終わり方だw

56: 2009/03/12(木) 22:04:56.93 ID:/RjEIXE7O
ローゼンで学ぶパソコン講座だったな
面白かったよ

引用: ヒート真紅「熱い!熱過ぎるのだわ!」