207: 2014/06/13(金) 21:58:50.65 ID:4Wq2RwOAO
前回はこちら
――――こけし屋。
(付き合うと言った手前、一緒に楽しむべきなんだろうが……こけし見て、俺はどうすればいいんだ?)
「こけし、お嫌いですか?」
「好きか嫌いかと言われたら、好きだ。ただ、眺める趣味は正直言ってない」
「そうですか。私は初風になんとなく似てると言われてから、こけしを見ていると落ち着くようになりました」
「似てるから、落ち着くのか?」
「はい、自分がたくさんいるような気がして」
「普通は嫌だと思うんだがな、自分がこんなにたくさん居るっていうのは」
「これだけ居れば、あの子達をずっと見守っていられます」
「もう戦うこともないし、そんなに心配する必要も無いんじゃないか?」
「――長女だからなのでしょうか、何時まで経ってもあの子達から目を離せないんです。でも、私は一人しか居ませんから」
「それで、自分の代わりにこのこけしをって訳か」
「えぇ」
(足柄は渡されたら嫌がりそうだ……)
「提督も一つ、お持ちになって下さいませんか?」
「こけしって携帯するものじゃないと思うんだが……まぁ、鞄にでも入れておく」
「では、五つ購入してきますね」
「あぁ」
(妙高だと思えば……うん、こうやって眺めてるのも悪くないかもしれんな)
――――翌日。鎮守府、妙高型私室。
「はい、初風」
「ありがとうございます、妙高姉さん」
「那智も、はい」
「い、良いこけし、だな」
「足柄もちゃんと持っててね?」
(本当に妙高姉さんに見られてるみたい……ちょっと怖いわ)
「最後は羽黒ね、はい」
「あの、ちゃんと大事にするね?」
「コレで、少し安心することが出来そうです」
208: 2014/06/13(金) 21:59:21.77 ID:4Wq2RwOAO
――――同日深夜、妙高型私室。
「すぅ……すぅ……」
「こけし型深海棲艦だと……左舷、撃て……」
「うぅ……妙高姉さんが……妙高姉さんがいっぱい……お説教はやめてぇ……」
「くー……すー……」
「すぅ……すぅ……」
「こけし型深海棲艦だと……左舷、撃て……」
「うぅ……妙高姉さんが……妙高姉さんがいっぱい……お説教はやめてぇ……」
「くー……すー……」
210: 2014/06/14(土) 00:31:07.90 ID:iFmc4rKAO
――――提督執務室。
「てーとく! 今日はゴーヤが秘書艦でち!」
「あぁ、よろし――って何て格好してんだよお前!?」
「飛鷹さんからコレが“提督指定の下着”って聞いたでち。だから着てみたでち! どう、ゴーヤに似合う?」
(飛鷹め、しっかり夜に仕返ししていっただろうが……)
「そんな格好で仕事出来んから、何時もの水着か普通の服を着てこい」
「えー? 感想ぐらい言って欲しいよぉ……」
「ほぼ紐で大半が透けてる下着に感想なんか言えるか!」
「てーとくはノリが悪いでち……こうなったら強行突入でち!」
「おいコラ、何やって――バカ、そんなとこに頭を突っ込む奴があるか! 服が伸びるからやめろ!」
「んしょ、んしょ……ぷはぁ、服の中からこんにちはー!」
「こんにちはー、じゃねぇ! お前自分がどういう格好か分かっててやってんのか!?」
「てーとくがゴーヤに夢中になれるように密着しただけだよ? 格好とか気にしちゃダメでち」
「夢中以前に身動きが取れん」
「このままゴーヤと1日二人羽織りで過ごしてくだちぃ」
「コレじゃ二人羽織りにすらなってねぇよ……」
「二人羽織りが嫌なら、ゴーヤをこのまま食べてもいいよ?」
「チャンプルーにしてやろうか?」
「痛いのは嫌でち、優しくしてくだちぃ」
「とにかく服から出ろ、俺の服着せてやるから」
「てーとくの服!? 着たいでち! そのまま貰うでち!」
(やっと出てきたか……はぁ、もうこのインナーはダメだな)
「早く着せて欲しいでち。服はどこでちか?」
「コラ、下着姿でうろちょろするな! 窓際に行ったら誰かに見られるだろ!」
「てーとくのおっきな服、早くくだちぃ」
「分かった分かった。ほら、コレでも着とけ」
「分かった分かった。ほら、コレでも着とけ」
(やった! てーとくのシャツ、ゲットでち!)
「全く、朝からドッと疲れた……じゃあ仕事するぞ」
「はいでち!」
「――で、当然の様に抱き着いてるのは何でだ?」
「てーとくのやる気が出るようにしてるんだよ?」
「手伝えよ」
「ゴーヤを食べてくれたら手伝ってもいいでち」
「でち型でもなのね型でもいいからチャンプルー食わせろ」
「てーとくはつれないでち……ちょっと待っててくだちぃ、すぐ作ってくるから」
「あぁ……って待て、その格好で外に出んな!」
(ついでに皆に見せびらかしてくるでち!)
「てーとく! 今日はゴーヤが秘書艦でち!」
「あぁ、よろし――って何て格好してんだよお前!?」
「飛鷹さんからコレが“提督指定の下着”って聞いたでち。だから着てみたでち! どう、ゴーヤに似合う?」
(飛鷹め、しっかり夜に仕返ししていっただろうが……)
「そんな格好で仕事出来んから、何時もの水着か普通の服を着てこい」
「えー? 感想ぐらい言って欲しいよぉ……」
「ほぼ紐で大半が透けてる下着に感想なんか言えるか!」
「てーとくはノリが悪いでち……こうなったら強行突入でち!」
「おいコラ、何やって――バカ、そんなとこに頭を突っ込む奴があるか! 服が伸びるからやめろ!」
「んしょ、んしょ……ぷはぁ、服の中からこんにちはー!」
「こんにちはー、じゃねぇ! お前自分がどういう格好か分かっててやってんのか!?」
「てーとくがゴーヤに夢中になれるように密着しただけだよ? 格好とか気にしちゃダメでち」
「夢中以前に身動きが取れん」
「このままゴーヤと1日二人羽織りで過ごしてくだちぃ」
「コレじゃ二人羽織りにすらなってねぇよ……」
「二人羽織りが嫌なら、ゴーヤをこのまま食べてもいいよ?」
「チャンプルーにしてやろうか?」
「痛いのは嫌でち、優しくしてくだちぃ」
「とにかく服から出ろ、俺の服着せてやるから」
「てーとくの服!? 着たいでち! そのまま貰うでち!」
(やっと出てきたか……はぁ、もうこのインナーはダメだな)
「早く着せて欲しいでち。服はどこでちか?」
「コラ、下着姿でうろちょろするな! 窓際に行ったら誰かに見られるだろ!」
「てーとくのおっきな服、早くくだちぃ」
「分かった分かった。ほら、コレでも着とけ」
「分かった分かった。ほら、コレでも着とけ」
(やった! てーとくのシャツ、ゲットでち!)
「全く、朝からドッと疲れた……じゃあ仕事するぞ」
「はいでち!」
「――で、当然の様に抱き着いてるのは何でだ?」
「てーとくのやる気が出るようにしてるんだよ?」
「手伝えよ」
「ゴーヤを食べてくれたら手伝ってもいいでち」
「でち型でもなのね型でもいいからチャンプルー食わせろ」
「てーとくはつれないでち……ちょっと待っててくだちぃ、すぐ作ってくるから」
「あぁ……って待て、その格好で外に出んな!」
(ついでに皆に見せびらかしてくるでち!)
212: 2014/06/14(土) 00:58:03.78 ID:iFmc4rKAO
――――イムヤ、遠洋を旅行中。
(今日は何を撮ろうかしら……。あっあんなところに鯨が居る、ちょっと近付いてみよ)
「近くで見ると鯨ってやっぱり大きいわね……ん?」
「鯨さん、運んでくれてありがとうございます」
(上に艦娘が乗ってる!?)
――――鎮守府。
「何かどっかの海で目が覚めたらしいわ。でも、どこ行けばいいか分からなくってあちこちをさ迷ってたみたい。そしたら急に通りがかった鯨が背中に乗っけてくれて、私が居た場所まで運んでくれたらしいわ」
「すまん、意味が分からん」
「あっ、あの、お邪魔でしたら出ていきます」
「いや、居るのは構わない。歓迎もする。ただ、鯨と仲の良い艦娘とか聞いたことが無くてな……」
「わたしもびっくりしました。名前のお陰でしょうか?」
「まぁ、とにかくゆっくりしていってくれ。色々と分からない事があれば、そこのイムヤに聞くといい。頼んだぞ、イムヤ」
「えぇ、分かったわ」
「はい、よろしくお願いします」
――――新艦娘が選択可能になりました。
(今日は何を撮ろうかしら……。あっあんなところに鯨が居る、ちょっと近付いてみよ)
「近くで見ると鯨ってやっぱり大きいわね……ん?」
「鯨さん、運んでくれてありがとうございます」
(上に艦娘が乗ってる!?)
――――鎮守府。
「何かどっかの海で目が覚めたらしいわ。でも、どこ行けばいいか分からなくってあちこちをさ迷ってたみたい。そしたら急に通りがかった鯨が背中に乗っけてくれて、私が居た場所まで運んでくれたらしいわ」
「すまん、意味が分からん」
「あっ、あの、お邪魔でしたら出ていきます」
「いや、居るのは構わない。歓迎もする。ただ、鯨と仲の良い艦娘とか聞いたことが無くてな……」
「わたしもびっくりしました。名前のお陰でしょうか?」
「まぁ、とにかくゆっくりしていってくれ。色々と分からない事があれば、そこのイムヤに聞くといい。頼んだぞ、イムヤ」
「えぇ、分かったわ」
「はい、よろしくお願いします」
――――新艦娘が選択可能になりました。
215: 2014/06/14(土) 03:32:50.16 ID:iFmc4rKAO
――――提督執務室。
「邪魔するぞ!」
「どうした木曾、そんなに慌てて。別に秘書艦日だからって急ぐ必要は無いんだぞ?」
「いいからお前も来い、逃げるぞ!」
「どういうことだ? それに、いつものマントと服は――」
「ちょっと跳ぶから、しっかり掴まってろよ?」
「待て、ここ三階だし男が女にお姫様抱っこされるってどおっ!?」
――――鎮守府、中庭。
「――よし、流石に姉貴もここまでは追って来ないだろ。悪かったな、急に手荒なマネして」
「か、構わんが降ろしてくれ。幾らなんでもこの状態は示しがつかん」
「情けない声出してたクセに、今更何言ってんだよ」
「いきなり抱き抱えられて三階から跳ばれたら、誰でもびっくりするぞ」
「こっちだって、こんなヒラヒラした服で跳びたくなんかなかったさ」
「そういえば、たまに着てるのを見かけてたから特に気にしてなかったんだが、何でゴス口リファッションなんだ?」
「大井姉に最近着せられてるんだよ。全く、こういうことさせるのは北上姉だけにしてくれると有り難いんだが……」
「可愛いし、たまにはいいんじゃないか?」
「――そうか、お前はこういうのも好きなんだな」
「あぁ、結構良いと思う。普段の凛々しさも残しつつ女の子らしいって感じが出てるし、今の格好なら女だけじゃなくて、男からも声かけられるはずだ」
「別に有象無象はどうでもいい」
「有象無象とは酷い言い草だな。男より女の方が良いとでも言う気か?」
「そんなわけ無いだろ。俺はお前に女として見てもらえてさえいれば、それでいいってだけだ」
「こんな時までカッコイイってのは、ちょっと損かもな」
「何と言われようが俺は俺だ。そうだろ?」
「あぁ、無理に変わる必要は無いって言った責任は取るさ――ん?」
――――見付けた! 待ちなさい木曾、撮影がまだ終わって無いわ!
「やれやれ、しつこいな姉貴は……」
「――さっき格好悪いところ見せたし、次は俺の番だな?」
「どういう意味だ?」
「こういうことだよっ!」
(俺を抱き抱えて走る気か……たまにはありだな、こういうのも)
――――しっかり俺を掴んで離すなよ?
――――言われなくてもそのつもりだ。
――――ついでに提督も撮ってあげるから止まりなさいっ!
「邪魔するぞ!」
「どうした木曾、そんなに慌てて。別に秘書艦日だからって急ぐ必要は無いんだぞ?」
「いいからお前も来い、逃げるぞ!」
「どういうことだ? それに、いつものマントと服は――」
「ちょっと跳ぶから、しっかり掴まってろよ?」
「待て、ここ三階だし男が女にお姫様抱っこされるってどおっ!?」
――――鎮守府、中庭。
「――よし、流石に姉貴もここまでは追って来ないだろ。悪かったな、急に手荒なマネして」
「か、構わんが降ろしてくれ。幾らなんでもこの状態は示しがつかん」
「情けない声出してたクセに、今更何言ってんだよ」
「いきなり抱き抱えられて三階から跳ばれたら、誰でもびっくりするぞ」
「こっちだって、こんなヒラヒラした服で跳びたくなんかなかったさ」
「そういえば、たまに着てるのを見かけてたから特に気にしてなかったんだが、何でゴス口リファッションなんだ?」
「大井姉に最近着せられてるんだよ。全く、こういうことさせるのは北上姉だけにしてくれると有り難いんだが……」
「可愛いし、たまにはいいんじゃないか?」
「――そうか、お前はこういうのも好きなんだな」
「あぁ、結構良いと思う。普段の凛々しさも残しつつ女の子らしいって感じが出てるし、今の格好なら女だけじゃなくて、男からも声かけられるはずだ」
「別に有象無象はどうでもいい」
「有象無象とは酷い言い草だな。男より女の方が良いとでも言う気か?」
「そんなわけ無いだろ。俺はお前に女として見てもらえてさえいれば、それでいいってだけだ」
「こんな時までカッコイイってのは、ちょっと損かもな」
「何と言われようが俺は俺だ。そうだろ?」
「あぁ、無理に変わる必要は無いって言った責任は取るさ――ん?」
――――見付けた! 待ちなさい木曾、撮影がまだ終わって無いわ!
「やれやれ、しつこいな姉貴は……」
「――さっき格好悪いところ見せたし、次は俺の番だな?」
「どういう意味だ?」
「こういうことだよっ!」
(俺を抱き抱えて走る気か……たまにはありだな、こういうのも)
――――しっかり俺を掴んで離すなよ?
――――言われなくてもそのつもりだ。
――――ついでに提督も撮ってあげるから止まりなさいっ!
222: 2014/06/14(土) 12:14:53.78 ID:iFmc4rKAO
――――瑞鳳、私室。
「――ね? この脚、可愛いでしょ?」
「アア、ソウダナ」
(何百回目だ、このやり取り……)
「ねぇ提督、また九九艦爆増やしちゃダメ?」
「これ以上は流石にダメだ。祥鳳と相部屋のはずのところを、九九艦爆置くために一人部屋にしてやってるんだからな? 増やしたりなんかしたら、加賀にまた説教されるぞ」
「九九艦爆の脚、可愛いのになぁ……加賀さんも空母なんだから理解してくれてもいいのに」
「大事にしてはいても、眺めたりは普通しないだろ」
「可愛い物って、ずっと眺めていたくなるじゃない」
「まぁ、それは否定しない」
「――提督? 格納庫まさぐろうとしてない?」
「いや、そんなことはないぞ?」
「そっか、それならひゃわっ!?」
「足、いいよな」
「んぅっ、別に格納庫以外ならいつでも触っていいって訳じゃ、ないんだからね?」
「仕事してるんじゃないし、何かの邪魔してるわけでも無いから許せ。可愛いモノは眺めていたくなるんだろ?」
「私の足、好き?」
「ほっそりしててスベスベで好きだぞ」
「……また、一緒に温泉行かない?」
「温泉か、いいな。流石にこの何でもありそうな鎮守府でも温泉は湧いて無いしな」
「じゃあ次の秘書艦日、しっかり予約頼むわね」
「よし、混浴探すか」
「混浴は嫌、家族風呂にして。それと提督、いつまで触ってるつもり?」
「足好きだし、出来ればずっと」
「別にいいけど……どうかした?」
「無限ループする話を三時間聞かされてみろ、結構疲れる」
「でも、ちゃんと聞いてくれるじゃない」
「楽しそうに話してるのに、水を差す気にはならん」
「提督のそういうところが、私好きだよ」
「度が過ぎてるとかは抜きにして、ずっと一つのモノを大事に出来るお前のことが、俺も好きだ」
「……うん。好きに触ってて、いいよ」
「じゃあ遠慮なく足を」
「足だけ?……胸も、それなりに大きくなってきたと思わない?」
「それは誘ってると捉えるぞ」
「提督が足をずっと触るから、その……そういう気分になっちゃったのよ!――責任、取ってね?」
――――じゃあまずは話を聞かされた三時間分、瑞鳳の足を眺めるか。
――――ごめん、それは嫌。
「――ね? この脚、可愛いでしょ?」
「アア、ソウダナ」
(何百回目だ、このやり取り……)
「ねぇ提督、また九九艦爆増やしちゃダメ?」
「これ以上は流石にダメだ。祥鳳と相部屋のはずのところを、九九艦爆置くために一人部屋にしてやってるんだからな? 増やしたりなんかしたら、加賀にまた説教されるぞ」
「九九艦爆の脚、可愛いのになぁ……加賀さんも空母なんだから理解してくれてもいいのに」
「大事にしてはいても、眺めたりは普通しないだろ」
「可愛い物って、ずっと眺めていたくなるじゃない」
「まぁ、それは否定しない」
「――提督? 格納庫まさぐろうとしてない?」
「いや、そんなことはないぞ?」
「そっか、それならひゃわっ!?」
「足、いいよな」
「んぅっ、別に格納庫以外ならいつでも触っていいって訳じゃ、ないんだからね?」
「仕事してるんじゃないし、何かの邪魔してるわけでも無いから許せ。可愛いモノは眺めていたくなるんだろ?」
「私の足、好き?」
「ほっそりしててスベスベで好きだぞ」
「……また、一緒に温泉行かない?」
「温泉か、いいな。流石にこの何でもありそうな鎮守府でも温泉は湧いて無いしな」
「じゃあ次の秘書艦日、しっかり予約頼むわね」
「よし、混浴探すか」
「混浴は嫌、家族風呂にして。それと提督、いつまで触ってるつもり?」
「足好きだし、出来ればずっと」
「別にいいけど……どうかした?」
「無限ループする話を三時間聞かされてみろ、結構疲れる」
「でも、ちゃんと聞いてくれるじゃない」
「楽しそうに話してるのに、水を差す気にはならん」
「提督のそういうところが、私好きだよ」
「度が過ぎてるとかは抜きにして、ずっと一つのモノを大事に出来るお前のことが、俺も好きだ」
「……うん。好きに触ってて、いいよ」
「じゃあ遠慮なく足を」
「足だけ?……胸も、それなりに大きくなってきたと思わない?」
「それは誘ってると捉えるぞ」
「提督が足をずっと触るから、その……そういう気分になっちゃったのよ!――責任、取ってね?」
――――じゃあまずは話を聞かされた三時間分、瑞鳳の足を眺めるか。
――――ごめん、それは嫌。
224: 2014/06/14(土) 14:18:32.26 ID:iFmc4rKAO
――――利根型私室。
「姉さん、だし巻き玉子焼けましたよ」
「うむ、やはりコレが無くてはな」
「たくさん食べて下さいね」
「――うむ、今日も美味いぞ。しかし、毎食焼くのは大変ではないか?」
「私は姉さんが喜んでくれるなら、このぐらい苦でも何でもありません」
「そうか、吾輩は本当に良き妹を持ったな」
「利根姉さんの妹で、私も幸せですよ」
――――翌日。
「はい、出来ました」
「うむ」
――――翌々日。
「焼けましたよ」
「ちと昨日より大きいな」
――――三日後。
「頑張ってみました」
(更に大きくなっておる……)
――――四日後。
「はみ出したので、器を変えました」
「う、うむ……」
――――五日後。
「専用の焼き機を買ってきました」
「そ、そうか、大きくて便利そうじゃな」
――――六日後の朝。
「――大鳳、祥鳳、一緒に朝食をとらぬか?」
「どうかしたの? 急に朝食へ誘うなんて」
「私は構いませんが……利根さん、顔色が少し悪いですよ?」
「来れば分かる。――お主達、だし巻き玉子が好きだったな?」
「姉さん、だし巻き玉子焼けましたよ」
「うむ、やはりコレが無くてはな」
「たくさん食べて下さいね」
「――うむ、今日も美味いぞ。しかし、毎食焼くのは大変ではないか?」
「私は姉さんが喜んでくれるなら、このぐらい苦でも何でもありません」
「そうか、吾輩は本当に良き妹を持ったな」
「利根姉さんの妹で、私も幸せですよ」
――――翌日。
「はい、出来ました」
「うむ」
――――翌々日。
「焼けましたよ」
「ちと昨日より大きいな」
――――三日後。
「頑張ってみました」
(更に大きくなっておる……)
――――四日後。
「はみ出したので、器を変えました」
「う、うむ……」
――――五日後。
「専用の焼き機を買ってきました」
「そ、そうか、大きくて便利そうじゃな」
――――六日後の朝。
「――大鳳、祥鳳、一緒に朝食をとらぬか?」
「どうかしたの? 急に朝食へ誘うなんて」
「私は構いませんが……利根さん、顔色が少し悪いですよ?」
「来れば分かる。――お主達、だし巻き玉子が好きだったな?」
225: 2014/06/14(土) 14:19:45.27 ID:iFmc4rKAO
――――利根型私室、朝食中。
「はい、出来ましたよ利根姉さん。どうぞ、お二人も召し上がって下さい」
「うむ」
「……えぇ、頂くわ」
(だし巻き玉子って、こういう形で食卓に並ぶものだったかしら……?)
「……頂きます」
(大皿に塊が五つ、食べきれるんでしょうか……)
「量が足りなければまた焼いてきますので、仰って下さいね」
「じゅ、十分だからもう大丈夫だぞ、筑摩」
「えぇ、足りないということは恐らく無いわ」
「とりあえず、冷めないうちに食べましょう」
「――あっ、美味しいわね。間宮さんの作るだし巻き玉子の味だわ」
「間宮さんに作り方を教わったんです。姉さんの好物ですから」
「鳳翔さんのとはまた少し違っていて、とても美味しいです」
「喜んで頂けて何よりです。姉さんも、しっかり食べてくださいね?」
「分かっておる。残したりせぬから安心するのじゃ」
「ふふっ。毎日作っていますから、お二人もまた食べに来てください。たまにはこうして姉さん以外にも食べて貰えたら、少し嬉しいです」
(利根が呼んだ理由はコレね)
(幾ら好きな食べ物でも、この量を毎日は……)
「のぅ筑摩よ、無理はしなくていいんじゃぞ? 毎日同じ物では、お前も飽きてくるだろ」
「そうね、バランスも大事だと思うわ」
「偏りすぎると身体にも悪いですし……」
「――それなら、他にも姉さんの好物を間宮さんに教わってきますね? 姉さん、何がいいですか?」
「そうじゃな……筑前煮と粕汁、柳川が我輩は食べたいぞ」
「はい、では後で間宮さんのところに行ってきます」
(コレで利根も安心ね)
(料理自体はお上手ですし、利根さんにリクエストされて嬉しそうですから、もう心配無いですね)
「はい、出来ましたよ利根姉さん。どうぞ、お二人も召し上がって下さい」
「うむ」
「……えぇ、頂くわ」
(だし巻き玉子って、こういう形で食卓に並ぶものだったかしら……?)
「……頂きます」
(大皿に塊が五つ、食べきれるんでしょうか……)
「量が足りなければまた焼いてきますので、仰って下さいね」
「じゅ、十分だからもう大丈夫だぞ、筑摩」
「えぇ、足りないということは恐らく無いわ」
「とりあえず、冷めないうちに食べましょう」
「――あっ、美味しいわね。間宮さんの作るだし巻き玉子の味だわ」
「間宮さんに作り方を教わったんです。姉さんの好物ですから」
「鳳翔さんのとはまた少し違っていて、とても美味しいです」
「喜んで頂けて何よりです。姉さんも、しっかり食べてくださいね?」
「分かっておる。残したりせぬから安心するのじゃ」
「ふふっ。毎日作っていますから、お二人もまた食べに来てください。たまにはこうして姉さん以外にも食べて貰えたら、少し嬉しいです」
(利根が呼んだ理由はコレね)
(幾ら好きな食べ物でも、この量を毎日は……)
「のぅ筑摩よ、無理はしなくていいんじゃぞ? 毎日同じ物では、お前も飽きてくるだろ」
「そうね、バランスも大事だと思うわ」
「偏りすぎると身体にも悪いですし……」
「――それなら、他にも姉さんの好物を間宮さんに教わってきますね? 姉さん、何がいいですか?」
「そうじゃな……筑前煮と粕汁、柳川が我輩は食べたいぞ」
「はい、では後で間宮さんのところに行ってきます」
(コレで利根も安心ね)
(料理自体はお上手ですし、利根さんにリクエストされて嬉しそうですから、もう心配無いですね)
226: 2014/06/14(土) 14:22:01.05 ID:iFmc4rKAO
――――更に1週間後。
(く……苦しい……)
「姉さんの好物、また教えて下さいね? 間宮さんに教わってきますから」
「その前に筑摩、出来れば一品一品の量を減らしてくれると有り難いのだが……」
「あら、作りすぎていましたか? でしたら、次から少し量を控えるようにしますね」
(さ、最初から素直に言っておけば良かったのか……)
「姉さんが喜んでくれたら、私にはそれが一番の幸せです」
「――うむ、吾輩も筑摩が笑顔だと嬉しいぞ」
――――今日は久しぶりに、二人で何処かへ出掛けませんか?
――――そうじゃな、何処へ行くとするか……。
(く……苦しい……)
「姉さんの好物、また教えて下さいね? 間宮さんに教わってきますから」
「その前に筑摩、出来れば一品一品の量を減らしてくれると有り難いのだが……」
「あら、作りすぎていましたか? でしたら、次から少し量を控えるようにしますね」
(さ、最初から素直に言っておけば良かったのか……)
「姉さんが喜んでくれたら、私にはそれが一番の幸せです」
「――うむ、吾輩も筑摩が笑顔だと嬉しいぞ」
――――今日は久しぶりに、二人で何処かへ出掛けませんか?
――――そうじゃな、何処へ行くとするか……。
228: 2014/06/14(土) 20:05:17.08 ID:iFmc4rKAO
――――提督私室。
「んっ、ふぁ、あんっ、そこ、いい……」
「ただのマッサージで艶かしい声出すな」
「だって、んぅ、出ちゃうんだもの、あっ」
「我慢しろ、変な気分になるだろ」
「うふふ、指が滑って色々なところを事故で触っても、私は気にしないわよ」
「激痛が走るツボをイクに教えて貰ったから、そこを念入りにしてやろうか?」
「私が痛みで苦悶の表情を浮かべるのが見たいのかしらー?」
「そんな趣味は断じて無い」
「提督、手が止まっちゃってるわ」
「次は腰でいいのか?」
「えぇ、お尻をお願いねー」
「腰な、腰」
「んっ、はんっ、ちょっと、痛いけど、気持ち、良い」
(絶対にわざとだな)
「ツボがあるから、尻触るぞ」
「揉んでもい――痛っ!? ちょっと提督、やり過ぎじゃないかしらっ!?」
「足が疲れてるんだな、よっ!」
「あんっ! そこ、あまり強くされると、痛っ……」
(そういえばマッサージってやる順番あったよな……まぁいっか)
「次、足首から行くぞー」
「優しく、して……?」
(俺の理性に優しくしてくれ)
「昨日何してたんだよ、足パンパンだぞ」
「ちょっと四人でハイキングに行ってたの」
「摩耶と鳥海をダイエットに付き合わせるのも程々にしてやれ」
「二人とも良い子だし、怒ったりしないから大丈夫よ。置いていったら逆に怒られちゃうわ」
「それもそうか。太もも揉むぞ」
「んっ、ちゃんと、いつものボディーライン、あんっ、でしょ?」
「ずっと見てる訳じゃないからそんなものは分からん。ただ、俺の為にそういう努力をしてくれるのは嬉しく思ってる」
「うふふ、マッサージが終わったらいっぱいご奉仕してあげるわね?」
「多分マッサージ終わったら、全身ダルくてそれどころじゃないぞ」
「なら、提督がもっとご奉仕して下さる?」
「さっきまで人の理性にガンガン攻撃してきてたお礼をしていいってことだな」
「あらやだ、怖いわー」
「全然反省してないだろお前……」
――――提督、今日は私のボディーラインをしっかり覚えて下さいね?
――――そんな余裕があったらな。
「んっ、ふぁ、あんっ、そこ、いい……」
「ただのマッサージで艶かしい声出すな」
「だって、んぅ、出ちゃうんだもの、あっ」
「我慢しろ、変な気分になるだろ」
「うふふ、指が滑って色々なところを事故で触っても、私は気にしないわよ」
「激痛が走るツボをイクに教えて貰ったから、そこを念入りにしてやろうか?」
「私が痛みで苦悶の表情を浮かべるのが見たいのかしらー?」
「そんな趣味は断じて無い」
「提督、手が止まっちゃってるわ」
「次は腰でいいのか?」
「えぇ、お尻をお願いねー」
「腰な、腰」
「んっ、はんっ、ちょっと、痛いけど、気持ち、良い」
(絶対にわざとだな)
「ツボがあるから、尻触るぞ」
「揉んでもい――痛っ!? ちょっと提督、やり過ぎじゃないかしらっ!?」
「足が疲れてるんだな、よっ!」
「あんっ! そこ、あまり強くされると、痛っ……」
(そういえばマッサージってやる順番あったよな……まぁいっか)
「次、足首から行くぞー」
「優しく、して……?」
(俺の理性に優しくしてくれ)
「昨日何してたんだよ、足パンパンだぞ」
「ちょっと四人でハイキングに行ってたの」
「摩耶と鳥海をダイエットに付き合わせるのも程々にしてやれ」
「二人とも良い子だし、怒ったりしないから大丈夫よ。置いていったら逆に怒られちゃうわ」
「それもそうか。太もも揉むぞ」
「んっ、ちゃんと、いつものボディーライン、あんっ、でしょ?」
「ずっと見てる訳じゃないからそんなものは分からん。ただ、俺の為にそういう努力をしてくれるのは嬉しく思ってる」
「うふふ、マッサージが終わったらいっぱいご奉仕してあげるわね?」
「多分マッサージ終わったら、全身ダルくてそれどころじゃないぞ」
「なら、提督がもっとご奉仕して下さる?」
「さっきまで人の理性にガンガン攻撃してきてたお礼をしていいってことだな」
「あらやだ、怖いわー」
「全然反省してないだろお前……」
――――提督、今日は私のボディーラインをしっかり覚えて下さいね?
――――そんな余裕があったらな。
235: 2014/06/15(日) 02:21:49.58 ID:2k2olcOAO
――――第六駆逐隊、私室。
「響、クッキー焼いたので一緒に食べるのです」
「うん、食べようか」
「ベルーこの前頼まれてたCD買ってきてあげたわよ」
「スパシーバ」
「ベリュ、ちょっと荷物を部屋に入れるの手伝ってくれない?」
「了解、少し待ってくれ」
「美味しいですか?」
「うん、上に乗ってるジャムが甘酸っぱい。コレはいいな」
「ベル、ジュースを入れてあげるわ」
「スパシーバ」
「ベリューまだー?」
「手を拭いたら行く」
「電も手伝うのです」
「はい、ジュース。暁、私も手伝うわね」
「い、一人前のレディーなら、部屋に観葉植物を一つは置くべき、よね……」
「お、重いのです……」
「ベル、そこ持って」
「了解、信頼の名は伊達じゃない」
「響、クッキー焼いたので一緒に食べるのです」
「うん、食べようか」
「ベルーこの前頼まれてたCD買ってきてあげたわよ」
「スパシーバ」
「ベリュ、ちょっと荷物を部屋に入れるの手伝ってくれない?」
「了解、少し待ってくれ」
「美味しいですか?」
「うん、上に乗ってるジャムが甘酸っぱい。コレはいいな」
「ベル、ジュースを入れてあげるわ」
「スパシーバ」
「ベリューまだー?」
「手を拭いたら行く」
「電も手伝うのです」
「はい、ジュース。暁、私も手伝うわね」
「い、一人前のレディーなら、部屋に観葉植物を一つは置くべき、よね……」
「お、重いのです……」
「ベル、そこ持って」
「了解、信頼の名は伊達じゃない」
236: 2014/06/15(日) 02:22:19.37 ID:2k2olcOAO
――――風呂。
「皆、お願いがあるんだ」
「はい、シャンプーなのです」
「ありがとう電――ってそうじゃない」
「ベル、頭洗ってあげるわ」
「スパシーバ、シャンプーハットを着けてくれ」
「あっ雷ズルいわ。暁が一番お姉ちゃんなんだから、ベリュの身体は私が洗うわね」
「皆、気持ちは嬉しいんだが、まず一つお願いを聞いて欲しい」
「そんなに改まってどうしたのですか?」
「何か悩み事? ベルはいつも頑張ってるんだから、もーっと私に頼っていいのよ?」
「一人前のレディーとして、妹の悩みを聞くのは当然の義務よね」
「やっぱり呼び方を統一してくれないかな? 響でもベルでも、この際ベリュでもいいよ」
「電は響が一番しっくりくるのです」
「私はベルで慣れちゃったわ」
「私はちゃんとベリュニュイって呼べるけど、長いから短くしてるだけなんだから」
「すまない、響かベルにしてくれ」
「しょうがないわね、私も響って呼ぶわ」
「妹の意見に合わせてあげるのも、長女として当然のことよね」
「電はこれまで通りなのです」
「スパシーバ、これで少し気が楽になりそうだ。さぁ、身体を洗って早く出ようか」
「暁の出番ね。響、背中向けて」
「了解、あまり強く擦らないように頼む」
「じゃあ電は私が洗ってあげるわ」
「お願いするのです」
――――響、少し胸が大きくなってない?
――――そうかな? 自分では良く分からない。
――――電も私より大きくなってるわね。
――――はにゃあ!? つ、掴まないで欲しいのです……。
「皆、お願いがあるんだ」
「はい、シャンプーなのです」
「ありがとう電――ってそうじゃない」
「ベル、頭洗ってあげるわ」
「スパシーバ、シャンプーハットを着けてくれ」
「あっ雷ズルいわ。暁が一番お姉ちゃんなんだから、ベリュの身体は私が洗うわね」
「皆、気持ちは嬉しいんだが、まず一つお願いを聞いて欲しい」
「そんなに改まってどうしたのですか?」
「何か悩み事? ベルはいつも頑張ってるんだから、もーっと私に頼っていいのよ?」
「一人前のレディーとして、妹の悩みを聞くのは当然の義務よね」
「やっぱり呼び方を統一してくれないかな? 響でもベルでも、この際ベリュでもいいよ」
「電は響が一番しっくりくるのです」
「私はベルで慣れちゃったわ」
「私はちゃんとベリュニュイって呼べるけど、長いから短くしてるだけなんだから」
「すまない、響かベルにしてくれ」
「しょうがないわね、私も響って呼ぶわ」
「妹の意見に合わせてあげるのも、長女として当然のことよね」
「電はこれまで通りなのです」
「スパシーバ、これで少し気が楽になりそうだ。さぁ、身体を洗って早く出ようか」
「暁の出番ね。響、背中向けて」
「了解、あまり強く擦らないように頼む」
「じゃあ電は私が洗ってあげるわ」
「お願いするのです」
――――響、少し胸が大きくなってない?
――――そうかな? 自分では良く分からない。
――――電も私より大きくなってるわね。
――――はにゃあ!? つ、掴まないで欲しいのです……。
238: 2014/06/15(日) 05:07:59.02 ID:2k2olcOAO
――――工廠、地下。
「――ん? ここは……?」
「提督、おはようございます」
「ご気分はどうですか?」
「おはよう二人とも。身体が拘束されてるってこと以外は至って良好だ」
「それは何よりです。体調が悪いと支障が出るかもしれませんしね」
「でも、その時は私が修理しますから大丈夫です」
「全く話が見えてこないが、俺がピンチなのは分かった。誰かー! 助けてくれー!」
「無駄ですよ提督、ここは完全防音にしましたから」
「メカ夕張も外を見張ってくれてますから、誰も来ません」
「お前等目が怖い」
「じゃあ提督の改造、さっさと始めちゃいましょう」
「そうですね、あまり長く提督が不在だと不審がられちゃいますし」
「改造? 今改造って言ったか?」
「メカ妖精さん、改造パターンA」
「痛かったら手を上げて下さいね? 手を握っててあげますから」
「見た目は妖精さんなのに、物凄く禍々しく見えるぞコイツ等!」
「気のせいです」
「はーい、麻酔打ちますねー」
「待て、やめろ、起きたら俺はどうなってるんだ!?」
「カッコ良くなってます」
「ネオ提督になってます」
「拒否する! 命令だ! はーなーせー!」
「はい、ちょっとチクッとしますよ」
「絶対お前等……後で……せっ、きょう……」
「――ん? ここは……?」
「提督、おはようございます」
「ご気分はどうですか?」
「おはよう二人とも。身体が拘束されてるってこと以外は至って良好だ」
「それは何よりです。体調が悪いと支障が出るかもしれませんしね」
「でも、その時は私が修理しますから大丈夫です」
「全く話が見えてこないが、俺がピンチなのは分かった。誰かー! 助けてくれー!」
「無駄ですよ提督、ここは完全防音にしましたから」
「メカ夕張も外を見張ってくれてますから、誰も来ません」
「お前等目が怖い」
「じゃあ提督の改造、さっさと始めちゃいましょう」
「そうですね、あまり長く提督が不在だと不審がられちゃいますし」
「改造? 今改造って言ったか?」
「メカ妖精さん、改造パターンA」
「痛かったら手を上げて下さいね? 手を握っててあげますから」
「見た目は妖精さんなのに、物凄く禍々しく見えるぞコイツ等!」
「気のせいです」
「はーい、麻酔打ちますねー」
「待て、やめろ、起きたら俺はどうなってるんだ!?」
「カッコ良くなってます」
「ネオ提督になってます」
「拒否する! 命令だ! はーなーせー!」
「はい、ちょっとチクッとしますよ」
「絶対お前等……後で……せっ、きょう……」
239: 2014/06/15(日) 05:13:02.67 ID:2k2olcOAO
――――夜、提督私室。
「――はっ!?」
(アレは夢か? いや、感触はリアルだった……そうだ、鏡!)
「――何ともなって、ない、か……はぁ」
(あんな悪夢見るって、夕張と明石を心の底であんな奴等だと思ってんのかな……)
「とりあえず、水でも飲みに行くか」
――――ギュイィィィィン!
「・・・・・・は?」
『提督、目が覚めたみたいですね』
『今から改造内容について説明するので、動かないで下さい』
「おい、アレは夢じゃなかったのかよ。っていうか何で頭に声が響いてんだ」
『通信機を埋め込みました』
『安全ですから、大丈夫です。壊れたら私が直しますし』
「良く分かった。今すぐ元に戻せ」
『説明始めちゃいますね。足の裏はローラーになってますので、行きたい方向に重心を傾ければ自然に走れます』
『瞬間加速が凄いので、ぶつからないように注意して下さいね』
(話聞いてねぇし……)
『後、腕を握って猫手に――』
(こうか)
『しないで下さい。内蔵した機銃が発射されます』
「……もう遅い、壁が無くなった」
『威力実験は良好、と』
『壁はまた直しときます』
「俺の身体も元通りに治せ」
『続けますね? 目は意識すると八倍、十六倍、三十二倍まで拡大出来るように――』
(さらっと流しやがった……)
『……あっ』
「今度は何だ」
『あはは、通信ボタンと間違えて、起動スイッチ押しちゃったみたい……』
「何の起動スイッチだ? 自爆とか言うなよ?」
『百聞は一見に如かずです。窓の外、見てみて下さい』
「窓? 鎮守府全体に何か仕掛けて――」
――――シィレェエェェェ……。
「……雪、風?」
『対巨大決戦兵器、ユキカゼです。夢だったんですよ、こういうの作るの』
「何て物を作ってんだよ! ゴジラか何かか!」
――――シレエェェェェ?
(こっち向いた……?)
『その子、提督を認識すると飛び付くようにプログラムしましたから、注意して下さいね?』
「注意ってレベルの話じゃないし、今見付かったんだが」
『頑張って相手してあげて下さい、寂しがり屋ですから』
「――はっ!?」
(アレは夢か? いや、感触はリアルだった……そうだ、鏡!)
「――何ともなって、ない、か……はぁ」
(あんな悪夢見るって、夕張と明石を心の底であんな奴等だと思ってんのかな……)
「とりあえず、水でも飲みに行くか」
――――ギュイィィィィン!
「・・・・・・は?」
『提督、目が覚めたみたいですね』
『今から改造内容について説明するので、動かないで下さい』
「おい、アレは夢じゃなかったのかよ。っていうか何で頭に声が響いてんだ」
『通信機を埋め込みました』
『安全ですから、大丈夫です。壊れたら私が直しますし』
「良く分かった。今すぐ元に戻せ」
『説明始めちゃいますね。足の裏はローラーになってますので、行きたい方向に重心を傾ければ自然に走れます』
『瞬間加速が凄いので、ぶつからないように注意して下さいね』
(話聞いてねぇし……)
『後、腕を握って猫手に――』
(こうか)
『しないで下さい。内蔵した機銃が発射されます』
「……もう遅い、壁が無くなった」
『威力実験は良好、と』
『壁はまた直しときます』
「俺の身体も元通りに治せ」
『続けますね? 目は意識すると八倍、十六倍、三十二倍まで拡大出来るように――』
(さらっと流しやがった……)
『……あっ』
「今度は何だ」
『あはは、通信ボタンと間違えて、起動スイッチ押しちゃったみたい……』
「何の起動スイッチだ? 自爆とか言うなよ?」
『百聞は一見に如かずです。窓の外、見てみて下さい』
「窓? 鎮守府全体に何か仕掛けて――」
――――シィレェエェェェ……。
「……雪、風?」
『対巨大決戦兵器、ユキカゼです。夢だったんですよ、こういうの作るの』
「何て物を作ってんだよ! ゴジラか何かか!」
――――シレエェェェェ?
(こっち向いた……?)
『その子、提督を認識すると飛び付くようにプログラムしましたから、注意して下さいね?』
「注意ってレベルの話じゃないし、今見付かったんだが」
『頑張って相手してあげて下さい、寂しがり屋ですから』
240: 2014/06/15(日) 05:13:59.31 ID:2k2olcOAO
――――シレェェェェッ!
「あんなんに飛び付かれたら氏ぬわ!」
『仕方ありません。首の後ろに突起があるので押して下さい』
「コレか。よし、押したぞ」
『自爆スイッチです。バラバラになっちゃいますけど、ちゃんと直しますから』
「事態が好転しないどころか最悪になったじゃねぇか!」
『3、2、1』
「ちょっと待――」
――――朝、提督私室。
「自爆は嫌だっ!?――アレ? 生きてる? それに何か上に……」
「しれぇ……大、好き……すぅ……」
(そうか、昨日雪風を抱き締めながら寝たんだっけか)
「はぁ、酷い夢だった……」
「あんなんに飛び付かれたら氏ぬわ!」
『仕方ありません。首の後ろに突起があるので押して下さい』
「コレか。よし、押したぞ」
『自爆スイッチです。バラバラになっちゃいますけど、ちゃんと直しますから』
「事態が好転しないどころか最悪になったじゃねぇか!」
『3、2、1』
「ちょっと待――」
――――朝、提督私室。
「自爆は嫌だっ!?――アレ? 生きてる? それに何か上に……」
「しれぇ……大、好き……すぅ……」
(そうか、昨日雪風を抱き締めながら寝たんだっけか)
「はぁ、酷い夢だった……」
241: 2014/06/15(日) 05:15:43.02 ID:2k2olcOAO
――――昼、提督執務室。
「こんにちは、提督」
「お邪魔しますね」
「っ!? ゆ、夕張は秘書艦日だが、明石まで何で来たんだ?」
「ちょっと改造に来たんです」
「か、改造……?」
「提督の――」
「俺の改造はしなくていい!」
「持ってる通信機……はい?」
「通信、機?」
「ちょっと感度が悪そうだったので、夕張が秘書艦日なのに便乗して二人で改造しようかと」
「普段工廠に居るから、提督に急な連絡を取りたいときに通信機の感度が悪いと不便ですし」
「あぁ、そうか、頼む」
「提督の改造ってさっき仰ってましたけど、人間の――ましてや提督を改造なんて、流石にしたくないですからね?」
「修理も冗談ですから、本気にされると困っちゃいます」
「悪い。嫌な夢を見たせいで、ちょっと気が動転してるみたいだ」
「きっと疲れてるんですよ。息抜きに、メカ妖精さんの演奏会でも聞きます?」
「疲れの取れる栄養剤もありますよ。辛いならコレ、飲んで下さい」
「いや、大丈夫だ、気持ちだけ受け取っとく。二人とも、ありがとな」
――――そういえばその夢、どんな夢だったんですか?
――――出来れば改造してる間に、話して下さい。
――――すまん、思い出すと二人から逃げ出したくなるから、勘弁してくれ。
「こんにちは、提督」
「お邪魔しますね」
「っ!? ゆ、夕張は秘書艦日だが、明石まで何で来たんだ?」
「ちょっと改造に来たんです」
「か、改造……?」
「提督の――」
「俺の改造はしなくていい!」
「持ってる通信機……はい?」
「通信、機?」
「ちょっと感度が悪そうだったので、夕張が秘書艦日なのに便乗して二人で改造しようかと」
「普段工廠に居るから、提督に急な連絡を取りたいときに通信機の感度が悪いと不便ですし」
「あぁ、そうか、頼む」
「提督の改造ってさっき仰ってましたけど、人間の――ましてや提督を改造なんて、流石にしたくないですからね?」
「修理も冗談ですから、本気にされると困っちゃいます」
「悪い。嫌な夢を見たせいで、ちょっと気が動転してるみたいだ」
「きっと疲れてるんですよ。息抜きに、メカ妖精さんの演奏会でも聞きます?」
「疲れの取れる栄養剤もありますよ。辛いならコレ、飲んで下さい」
「いや、大丈夫だ、気持ちだけ受け取っとく。二人とも、ありがとな」
――――そういえばその夢、どんな夢だったんですか?
――――出来れば改造してる間に、話して下さい。
――――すまん、思い出すと二人から逃げ出したくなるから、勘弁してくれ。
245: 2014/06/15(日) 12:01:38.43 ID:2k2olcOAO
――――街中。
「どっか行きたいとこあるか?」
「特に無いわね」
「そうか、じゃあ適当にブラブラして気になった店に入るとしよう」
「それでいいわ」
「なぁ、山城」
「何?」
「和服もいいが、洋服も似合ってるぞ」
「そ、ありがと」
(……朝から二時間も姉様と悩んだ甲斐はあったわね)
「お前と二人で出かけるとか、前は考えもしなかったな」
「何? 私じゃ不満? そりゃあ姉様に比べたら、私は見劣りするかもしれないけど……」
「そんなこと一言も言ってないだろ。扶桑もお前もそれぞれの魅力を持ってるし、どっちが、とかいう話じゃないさ」
「ホント、口だけは達者よね。あーあ、姉妹揃って変な男に捕まっちゃうなんて、やっぱり私達不幸だわ」
「全然不幸に聞こえないな」
「悪い?」
「いや、幸せそうで何よりだ」
「当然でしょ、不幸姉妹なんてもう二度と呼ばれたくないし」
「どっか行きたいとこあるか?」
「特に無いわね」
「そうか、じゃあ適当にブラブラして気になった店に入るとしよう」
「それでいいわ」
「なぁ、山城」
「何?」
「和服もいいが、洋服も似合ってるぞ」
「そ、ありがと」
(……朝から二時間も姉様と悩んだ甲斐はあったわね)
「お前と二人で出かけるとか、前は考えもしなかったな」
「何? 私じゃ不満? そりゃあ姉様に比べたら、私は見劣りするかもしれないけど……」
「そんなこと一言も言ってないだろ。扶桑もお前もそれぞれの魅力を持ってるし、どっちが、とかいう話じゃないさ」
「ホント、口だけは達者よね。あーあ、姉妹揃って変な男に捕まっちゃうなんて、やっぱり私達不幸だわ」
「全然不幸に聞こえないな」
「悪い?」
「いや、幸せそうで何よりだ」
「当然でしょ、不幸姉妹なんてもう二度と呼ばれたくないし」
246: 2014/06/15(日) 12:02:13.11 ID:2k2olcOAO
「今じゃ美人姉妹って評判だしな」
「そう呼ばれるようになってから、姉様に近寄るゴミが増えて鬱陶しいわ」
「ゴミってなぁ……お前は嬉しくないのか?」
「今不幸なことがあるとしたらそれ、男に言い寄られたって嬉しくないし」
「一応俺も男なんだが」
「提督は別。むしろ近寄って来ないと姉様と二人で呪うわ」
「そりゃ怖いな、じゃあ距離をもっと縮めるために、腕組んで歩いてみないか?」
「組みたいなら、別にいいけど」
「組みたい」
「――はい、コレでいい?」
「あぁ、妬みの視線が集まってる気もするが、山城とこうして歩けるなら安いもんだ」
「腕組むぐらいで大袈裟過ぎよ」
「実際問題、俺の容姿じゃ不釣り合いとか聞こえてくると、ちょっと凹む時がある」
「……そう」
「自覚はしてるんだよ、そんなにカッコイイって訳じゃないしな」
「提督、ちょっとこっち向いて」
「なん――んっ!?」
「ちゅ……んむ、れろ……んぅ」
(見せ付けるようにキスとか、何考えてるんだ……?)
「はむ、んちゅ――ふぅ……どう、コレで少しは気にならなくなった?」
「どうって、いきなりキスしてきて何なんだよ」
「言ったでしょ、私は提督以外の男なんか興味ないって。下らない事気にしてる暇があったら、もっと私を幸せにする方法でも考えてよ」
「……そうする」
――――また気にしてたら、するから。
――――わざと気にしたくなるな。
「そう呼ばれるようになってから、姉様に近寄るゴミが増えて鬱陶しいわ」
「ゴミってなぁ……お前は嬉しくないのか?」
「今不幸なことがあるとしたらそれ、男に言い寄られたって嬉しくないし」
「一応俺も男なんだが」
「提督は別。むしろ近寄って来ないと姉様と二人で呪うわ」
「そりゃ怖いな、じゃあ距離をもっと縮めるために、腕組んで歩いてみないか?」
「組みたいなら、別にいいけど」
「組みたい」
「――はい、コレでいい?」
「あぁ、妬みの視線が集まってる気もするが、山城とこうして歩けるなら安いもんだ」
「腕組むぐらいで大袈裟過ぎよ」
「実際問題、俺の容姿じゃ不釣り合いとか聞こえてくると、ちょっと凹む時がある」
「……そう」
「自覚はしてるんだよ、そんなにカッコイイって訳じゃないしな」
「提督、ちょっとこっち向いて」
「なん――んっ!?」
「ちゅ……んむ、れろ……んぅ」
(見せ付けるようにキスとか、何考えてるんだ……?)
「はむ、んちゅ――ふぅ……どう、コレで少しは気にならなくなった?」
「どうって、いきなりキスしてきて何なんだよ」
「言ったでしょ、私は提督以外の男なんか興味ないって。下らない事気にしてる暇があったら、もっと私を幸せにする方法でも考えてよ」
「……そうする」
――――また気にしてたら、するから。
――――わざと気にしたくなるな。
248: 2014/06/15(日) 14:41:25.09 ID:2k2olcOAO
――――提督執務室。
「――お主、本気で言っておるのか?」
「賭けに負けたんだから、潔く従ってもらう」
「くっ、この外道め!」
「何とでも言え」
「何故だ、どうして吾輩がこのような目に合わねばならんのだ!」
「だから、負けたからだろ」
「あんなの反則ではないか!」
「カードを切るのも、配るのも、俺に任せたのはお前だ。確認してもう一度切らない方が悪い」
「提督としてのお主の誠実さを信用していたのだ。それだというのお主ときたら……」
「“提督”? “お主”? 利根、今日は何て俺を呼ぶ約束か忘れたか?」
「ぐぬぬ……ご、ご主人、様」
「よし、それでいい、今日はお主も提督も禁止だ。別にコスプレさせる趣味はないが、たまにはこういうのも良いもんだな。似合ってるぞ、その猫耳とメイド服」
「人をオモチャにして楽しむでない!」
「撫でてやるから怒るなよ」
「吾輩は愛玩動物ではないぞ」」
「よしよし」
「人をおちょくっとるのかおぬ――ご主人様は」
「可愛いぞ、利根」
「……頭を撫でるだけで、よいのか?」
「何が言いたいかさっぱり分からんな、ちゃんと口にしろ」
(此奴、とことん今日はこの姿勢を崩さぬつもりだな。付き合ってやるのはちと癪に障るが、背に腹は変えられぬか……)
「だ、抱き締めて、欲しいのじゃ」
「前からか? 後ろからか?」
「後ろからで頼む」
「ん、分かった。ほら、ここに座れ」
「うむ、邪魔するぞ――のぅ、提督」
「ご主人様な」
「もうそれはよいではないか、この格好だけで我慢するのじゃ」
「下に履かずに生活してた奴でも、それは恥ずかしいのか?」
「人を痴女扱いするでない、ちゃんと今は履いておる。――って何をスカート捲っとるのだこの馬鹿者っ!」
「コラ、暴れるな、ちゃんと履いてるか確認しただけだ」
「そのようなことは確認したければ夜伽で幾らでも――待て、今のは忘れろっ!」
「無理だな。前に晴嵐で追い掛けられた時の事も思い出してきたし、その腹いせもしてやる」
「提督、吾輩はちと急用を思い出した。今日の秘書艦業務はコレで終いにする」
「逃がすかよ」
「こ、こら、離すのじゃ。ひぅっ!? くっ、首筋に吸い付くでないっ!」
「――お主、本気で言っておるのか?」
「賭けに負けたんだから、潔く従ってもらう」
「くっ、この外道め!」
「何とでも言え」
「何故だ、どうして吾輩がこのような目に合わねばならんのだ!」
「だから、負けたからだろ」
「あんなの反則ではないか!」
「カードを切るのも、配るのも、俺に任せたのはお前だ。確認してもう一度切らない方が悪い」
「提督としてのお主の誠実さを信用していたのだ。それだというのお主ときたら……」
「“提督”? “お主”? 利根、今日は何て俺を呼ぶ約束か忘れたか?」
「ぐぬぬ……ご、ご主人、様」
「よし、それでいい、今日はお主も提督も禁止だ。別にコスプレさせる趣味はないが、たまにはこういうのも良いもんだな。似合ってるぞ、その猫耳とメイド服」
「人をオモチャにして楽しむでない!」
「撫でてやるから怒るなよ」
「吾輩は愛玩動物ではないぞ」」
「よしよし」
「人をおちょくっとるのかおぬ――ご主人様は」
「可愛いぞ、利根」
「……頭を撫でるだけで、よいのか?」
「何が言いたいかさっぱり分からんな、ちゃんと口にしろ」
(此奴、とことん今日はこの姿勢を崩さぬつもりだな。付き合ってやるのはちと癪に障るが、背に腹は変えられぬか……)
「だ、抱き締めて、欲しいのじゃ」
「前からか? 後ろからか?」
「後ろからで頼む」
「ん、分かった。ほら、ここに座れ」
「うむ、邪魔するぞ――のぅ、提督」
「ご主人様な」
「もうそれはよいではないか、この格好だけで我慢するのじゃ」
「下に履かずに生活してた奴でも、それは恥ずかしいのか?」
「人を痴女扱いするでない、ちゃんと今は履いておる。――って何をスカート捲っとるのだこの馬鹿者っ!」
「コラ、暴れるな、ちゃんと履いてるか確認しただけだ」
「そのようなことは確認したければ夜伽で幾らでも――待て、今のは忘れろっ!」
「無理だな。前に晴嵐で追い掛けられた時の事も思い出してきたし、その腹いせもしてやる」
「提督、吾輩はちと急用を思い出した。今日の秘書艦業務はコレで終いにする」
「逃がすかよ」
「こ、こら、離すのじゃ。ひぅっ!? くっ、首筋に吸い付くでないっ!」
249: 2014/06/15(日) 14:42:33.10 ID:2k2olcOAO
「じゃあ耳だな」
「やっ、やめ――」
「分かった」
「……何?」
「やめたぞ?」
「本当に、止めてしまうのか?」
「やめろって言われたからな」
「……つくづく今日のお主は意地が悪いぞ」
「さて、何の事やら」
「今日1日、吾輩はお主のモノだ。好きにしてくれて構わぬ」
「言ったからには責任持てよ?」
「……優しく、して欲しいのじゃ」
「意地が悪いらしいから保証は出来ないな」
「もうそのノリはいい加減やめんか。――愛しているぞ、提督」
「……あぁ、俺も愛してる」
――――脱がすなら着せた意味無かったな。
――――借り物を汚す訳にはいかんのじゃ。
「やっ、やめ――」
「分かった」
「……何?」
「やめたぞ?」
「本当に、止めてしまうのか?」
「やめろって言われたからな」
「……つくづく今日のお主は意地が悪いぞ」
「さて、何の事やら」
「今日1日、吾輩はお主のモノだ。好きにしてくれて構わぬ」
「言ったからには責任持てよ?」
「……優しく、して欲しいのじゃ」
「意地が悪いらしいから保証は出来ないな」
「もうそのノリはいい加減やめんか。――愛しているぞ、提督」
「……あぁ、俺も愛してる」
――――脱がすなら着せた意味無かったな。
――――借り物を汚す訳にはいかんのじゃ。
253: 2014/06/15(日) 15:55:49.68 ID:2k2olcOAO
――――夜、鎮守府内客用和室の縁側。
「花火、綺麗ね」
「鎮守府でやりたいって言った長門に礼言わないとな、消防の許可取るのに俺もかなり苦労させられたが……」
「駆逐艦の子達に間近で見せたいからって、張り切ってたもの」
「アイツの駆逐艦娘への愛情には恐れ入るよ」
「――ねぇ、提督」
「浴衣、似合ってるぞ」
「あら、ちょっとは女心を理解したのかしら?」
「もう誰かに気兼ねする必要もないしな、歯が浮くようなセリフだって言えるぞ」
「あなたにキザなセリフを言われたら、少し笑ってしまうかもしれないわ」
「お前なぁ……」
「うふふ、そんな怖い顔しないで、冗談、冗談よ」
「あの時、押し倒されてマジで焦ったんだからな」
「何時まで経っても煮え切らないあなたがいけなかったんじゃない。私が誘っても眉間に皺寄せて逃げるし、女としての自信無くしそうだったんだもの」
「だからって実力行使は無いだろ」
「……もうやめときましょうよ、この話は」
「……そうだな」
「私、あなたと出会えて本当に幸せよ。終戦まで生き残れたし、あの変な爆発も起きなくなった」
「俺はあの爆発、最後まで嫌いにはなれなったんだけどな」
「どうして? 私の素肌が露になるから?」
「お前等は俺を変Oかなんかだと誤解してないか?――アレがなけりゃ、陸奥がここに来ることは無かったからだよ」
「……あの爆発も、悪いことばかりじゃなかったってことね」
「引き合わせたのが爆発ってのもどうかとは思うがな」
「うふふ。確かに、ロマンチックな巡り合わせとは程遠いわ」
「でも、俺とお前達の巡り合わせなんて、大体そんなもんだ」
「提督と艦娘、だものね」
「今、幸せか?」
「えぇ、とっても」
「風、気持ち良いな」
「風鈴も良い音だわ」
「――今日は火遊び、するか?」
「い・や・よ」
「何で……って聞くまでもないか」
「あら、察してくれて嬉しいわ」
――――火遊びじゃないなら、いいよな?
――――えぇ、いいわよ。これからはあなたの理性を爆発させてあげるわね。
「花火、綺麗ね」
「鎮守府でやりたいって言った長門に礼言わないとな、消防の許可取るのに俺もかなり苦労させられたが……」
「駆逐艦の子達に間近で見せたいからって、張り切ってたもの」
「アイツの駆逐艦娘への愛情には恐れ入るよ」
「――ねぇ、提督」
「浴衣、似合ってるぞ」
「あら、ちょっとは女心を理解したのかしら?」
「もう誰かに気兼ねする必要もないしな、歯が浮くようなセリフだって言えるぞ」
「あなたにキザなセリフを言われたら、少し笑ってしまうかもしれないわ」
「お前なぁ……」
「うふふ、そんな怖い顔しないで、冗談、冗談よ」
「あの時、押し倒されてマジで焦ったんだからな」
「何時まで経っても煮え切らないあなたがいけなかったんじゃない。私が誘っても眉間に皺寄せて逃げるし、女としての自信無くしそうだったんだもの」
「だからって実力行使は無いだろ」
「……もうやめときましょうよ、この話は」
「……そうだな」
「私、あなたと出会えて本当に幸せよ。終戦まで生き残れたし、あの変な爆発も起きなくなった」
「俺はあの爆発、最後まで嫌いにはなれなったんだけどな」
「どうして? 私の素肌が露になるから?」
「お前等は俺を変Oかなんかだと誤解してないか?――アレがなけりゃ、陸奥がここに来ることは無かったからだよ」
「……あの爆発も、悪いことばかりじゃなかったってことね」
「引き合わせたのが爆発ってのもどうかとは思うがな」
「うふふ。確かに、ロマンチックな巡り合わせとは程遠いわ」
「でも、俺とお前達の巡り合わせなんて、大体そんなもんだ」
「提督と艦娘、だものね」
「今、幸せか?」
「えぇ、とっても」
「風、気持ち良いな」
「風鈴も良い音だわ」
「――今日は火遊び、するか?」
「い・や・よ」
「何で……って聞くまでもないか」
「あら、察してくれて嬉しいわ」
――――火遊びじゃないなら、いいよな?
――――えぇ、いいわよ。これからはあなたの理性を爆発させてあげるわね。
271: 2014/06/15(日) 23:14:36.43 ID:2k2olcOAO
タイトル間違えてた……
電『なかなか司令官が起きないのです』
投下します
電が食われます
電『なかなか司令官が起きないのです』
投下します
電が食われます
272: 2014/06/15(日) 23:16:49.52 ID:2k2olcOAO
――――提督私室。
(司令官の寝顔をずっと見ていられるのは、幸せなのです……。でも、そろそろ時間ですね)
「司令官、朝ですよ。起きて欲しいのです」
「んー……んっ」
「うにゅっ!?」
(司令官の胸の中、暖かくて、気持ち……はっ!? 寝ちゃいけないのです!)
「司令官、そろそろ執務室でお仕事を始めなきゃいけない時間なのです」
「ん……もち」
「お餅が食べたいのですか? でしたら朝食にお餅を用意しますね」
「スベスベ……もちもち……」
「はわわっ! 服の中に手を入れちゃダメなのです!」
「んー?……あむ」
「電はお餅じゃないですよっ!?」
「――餅じゃなくて肉?……あぁ、なんだ夢か……」
「うぅ……かなり痛かったのです……。司令官、顔を洗って来て下さい。お腹が空いてるならすぐに用意するのです」
「あー……うん……おはよ、電」
「お餅でいいですか?」
「凄いな電。ちょうど餅を食べる夢をさっきまで見てたから、欲しかったんだ」
「……電はお餅じゃないのです」
「ん? その首筋どうしたんだ? 赤くなってるぞ」
「司令官のせいなのです!」
「俺のせいっ!? すまん、寝てる間に何かしたのか……?」
「教えないのです。でも、反省はして欲しいのです」
「何だか良く分からんが、気を付ける」
――――(……キスマークに、見えなくもないのです)
――――(最後に肉かじってる感触がしたが、ひょっとして電を……?)
(司令官の寝顔をずっと見ていられるのは、幸せなのです……。でも、そろそろ時間ですね)
「司令官、朝ですよ。起きて欲しいのです」
「んー……んっ」
「うにゅっ!?」
(司令官の胸の中、暖かくて、気持ち……はっ!? 寝ちゃいけないのです!)
「司令官、そろそろ執務室でお仕事を始めなきゃいけない時間なのです」
「ん……もち」
「お餅が食べたいのですか? でしたら朝食にお餅を用意しますね」
「スベスベ……もちもち……」
「はわわっ! 服の中に手を入れちゃダメなのです!」
「んー?……あむ」
「電はお餅じゃないですよっ!?」
「――餅じゃなくて肉?……あぁ、なんだ夢か……」
「うぅ……かなり痛かったのです……。司令官、顔を洗って来て下さい。お腹が空いてるならすぐに用意するのです」
「あー……うん……おはよ、電」
「お餅でいいですか?」
「凄いな電。ちょうど餅を食べる夢をさっきまで見てたから、欲しかったんだ」
「……電はお餅じゃないのです」
「ん? その首筋どうしたんだ? 赤くなってるぞ」
「司令官のせいなのです!」
「俺のせいっ!? すまん、寝てる間に何かしたのか……?」
「教えないのです。でも、反省はして欲しいのです」
「何だか良く分からんが、気を付ける」
――――(……キスマークに、見えなくもないのです)
――――(最後に肉かじってる感触がしたが、ひょっとして電を……?)
291: 2014/06/17(火) 09:15:04.23 ID:zzhy2jRAO
・夕雲『巻雲が甘えてくれなくなった』、投下します
「先に言っておくであります。憲兵は働かないであります」
「先に言っておくであります。憲兵は働かないであります」
292: 2014/06/17(火) 09:16:58.63 ID:zzhy2jRAO
――――提督執務室。
「はぁ……」
「どうした、溜め息なんか吐いて」
「提督、ちょっと失礼しますね」
「むっ……?」
「このままで少し、話を聞いてくださらない?」
(横から頭を抱き抱えられると、書類が書けん……。まぁ、柔らかくてこうされると落ち着くし、暫く好きにさせてやろう)
「最近、巻雲が前みたいに甘えてくれなくなったの。それが少し寂しくて……」
(来た頃は“巻雲さん”ってさん付けして厳しめに接してたのに、今じゃすっかり別人だな)
「前はずっと私の後ろをカルガモの子供みたいについて回っていたのに、今は用事が無いと別行動も当たり前になってしまったわ」
(最初は張り切って失敗することもあったが、今ではアイツもすっかり一人前になったし、それも仕方無いか)
「頼もしくなった巻雲もそれはそれで見ていたくなるのだけど、やっぱり私としては寂しいの」
(そろそろ息が苦しいな、胸の感触から意識を遠ざけるのも限界だ……)
「――だ・か・ら、提督が今日は私に甘えてくださらない?」
(っ!? 引き寄せられて体勢が戻せないっ!?)
「提督、頷いてくださるなら解放してあげるわ」
「んー! んーんー!」
「あんっ、息がくすぐったい……頷いてくれたってことは、甘えてくださるのね?」
(何でもいいから早くしろ、酸欠になるっ!)
「快く了承してくださって嬉しいわ。はい、息をしっかりと整えてくださいね」
「っはぁ、はぁ、ふ――むぅっ!?」
――ちゅるっ、れろっ、はむ、ちゅうっ。
(コイツ、最初からディープキスが狙いか……)
「――うふふ、もっとして欲しいですか?」
「はぁ、はぁ……コレじゃ甘えてるのは、俺じゃなくてお前だろ」
「私の胸の中で落ち着いて、私の口と舌の感触にリラックスしていたでしょ?」
「うっ、それは、その、だな……」
「息が苦しくないように、次は優しく抱き締めてさしあげますね。それとも、キス?」
「――降参。ちょっと休憩するから抱き締めてくれ」
「はい、この夕雲にお任せくださいね」
――――(まさか駆逐艦娘に手玉に取られるとはな……)
――――(このまま押していけば、最後の一線を越えてくださるかしら?)
「はぁ……」
「どうした、溜め息なんか吐いて」
「提督、ちょっと失礼しますね」
「むっ……?」
「このままで少し、話を聞いてくださらない?」
(横から頭を抱き抱えられると、書類が書けん……。まぁ、柔らかくてこうされると落ち着くし、暫く好きにさせてやろう)
「最近、巻雲が前みたいに甘えてくれなくなったの。それが少し寂しくて……」
(来た頃は“巻雲さん”ってさん付けして厳しめに接してたのに、今じゃすっかり別人だな)
「前はずっと私の後ろをカルガモの子供みたいについて回っていたのに、今は用事が無いと別行動も当たり前になってしまったわ」
(最初は張り切って失敗することもあったが、今ではアイツもすっかり一人前になったし、それも仕方無いか)
「頼もしくなった巻雲もそれはそれで見ていたくなるのだけど、やっぱり私としては寂しいの」
(そろそろ息が苦しいな、胸の感触から意識を遠ざけるのも限界だ……)
「――だ・か・ら、提督が今日は私に甘えてくださらない?」
(っ!? 引き寄せられて体勢が戻せないっ!?)
「提督、頷いてくださるなら解放してあげるわ」
「んー! んーんー!」
「あんっ、息がくすぐったい……頷いてくれたってことは、甘えてくださるのね?」
(何でもいいから早くしろ、酸欠になるっ!)
「快く了承してくださって嬉しいわ。はい、息をしっかりと整えてくださいね」
「っはぁ、はぁ、ふ――むぅっ!?」
――ちゅるっ、れろっ、はむ、ちゅうっ。
(コイツ、最初からディープキスが狙いか……)
「――うふふ、もっとして欲しいですか?」
「はぁ、はぁ……コレじゃ甘えてるのは、俺じゃなくてお前だろ」
「私の胸の中で落ち着いて、私の口と舌の感触にリラックスしていたでしょ?」
「うっ、それは、その、だな……」
「息が苦しくないように、次は優しく抱き締めてさしあげますね。それとも、キス?」
「――降参。ちょっと休憩するから抱き締めてくれ」
「はい、この夕雲にお任せくださいね」
――――(まさか駆逐艦娘に手玉に取られるとはな……)
――――(このまま押していけば、最後の一線を越えてくださるかしら?)
293: 2014/06/17(火) 13:57:10.59 ID:zzhy2jRAO
・大和『口は災いの元』、投下します
294: 2014/06/17(火) 13:58:51.14 ID:zzhy2jRAO
――――街。
「その桜色の着物、似合ってるな」
「お褒め頂き、ありがとうございます」
「どうする? 宛もなくずっと歩いてたし、何処かで少し休むか?」
「大和はあなたと一緒なら、どれだけ歩いても疲れません」
「じゃあ俺が疲れたから、喫茶店にでも入ろう」
「えぇ、何処へなりとお付き合い致します」
――――喫茶店。
「すいません、サンドイッチとアイスコーヒー、それとアイスティー1つ」
「かしこまりました、少々お待ちください」
「何か食べなくて良かったのか?」
「帯をキツメにしているので、食事は鎮守府に戻ってからにします」
「そうなのか、あまり無理はするなよ?」
「はい、お気遣いありがとうございます。大和はその言葉だけで満たされます」
「――道場、引き受けてくれてありがとな」
「お礼を言いたかったのは大和の方です。皆さんのお役に立てるのなら、喜ばしい限りですから」
「お前を元帥から託された時を思い出すよ。“どうせ運用して頂けないのでしたら解体して下さい。”、が第一声だったか?」
「それはもう忘れて下さい。思い出しただけで、恥ずかしくて顔から火が出そうです」
「……結局、途中からはうちでも待機させることに決めたのは、悪かったと思ってる」
「謝らないで下さい。どんな不利な状況をも覆す為の六人、その一人に選んで頂いた事は、今でも誇りに思っています」
「俺の作戦でアイツ等を危険な目に合わせてしまった時、お前達が居てくれたお陰で誰も失わずに済んだ。感謝してもしきれないぐらい、感謝してるよ」
「“大和”の名は伊達ではありません。……それに、あなたの悲しむ顔など、皆決して見たくはなかったですから」
「……あぁ、本当にありがとう」
「その桜色の着物、似合ってるな」
「お褒め頂き、ありがとうございます」
「どうする? 宛もなくずっと歩いてたし、何処かで少し休むか?」
「大和はあなたと一緒なら、どれだけ歩いても疲れません」
「じゃあ俺が疲れたから、喫茶店にでも入ろう」
「えぇ、何処へなりとお付き合い致します」
――――喫茶店。
「すいません、サンドイッチとアイスコーヒー、それとアイスティー1つ」
「かしこまりました、少々お待ちください」
「何か食べなくて良かったのか?」
「帯をキツメにしているので、食事は鎮守府に戻ってからにします」
「そうなのか、あまり無理はするなよ?」
「はい、お気遣いありがとうございます。大和はその言葉だけで満たされます」
「――道場、引き受けてくれてありがとな」
「お礼を言いたかったのは大和の方です。皆さんのお役に立てるのなら、喜ばしい限りですから」
「お前を元帥から託された時を思い出すよ。“どうせ運用して頂けないのでしたら解体して下さい。”、が第一声だったか?」
「それはもう忘れて下さい。思い出しただけで、恥ずかしくて顔から火が出そうです」
「……結局、途中からはうちでも待機させることに決めたのは、悪かったと思ってる」
「謝らないで下さい。どんな不利な状況をも覆す為の六人、その一人に選んで頂いた事は、今でも誇りに思っています」
「俺の作戦でアイツ等を危険な目に合わせてしまった時、お前達が居てくれたお陰で誰も失わずに済んだ。感謝してもしきれないぐらい、感謝してるよ」
「“大和”の名は伊達ではありません。……それに、あなたの悲しむ顔など、皆決して見たくはなかったですから」
「……あぁ、本当にありがとう」
295: 2014/06/17(火) 14:01:57.10 ID:zzhy2jRAO
「この話はこれぐらいにして、次は大和とあなたの将来についての話を――?」
――綺麗だな、あの姉ちゃん。
――あんな気の弱そうな男には勿体無いよな。
「お待たせ致しました。アイスコーヒーとアイスティー、サンドイッチでございます。ごゆっくりお召し上がり下さい」
「なぁ大和、少しぐらいは食べた方が――大和?」
「はい? あっ、いえ、大丈夫ですからお気になさらず召し上がって下さい」
「分かった。じゃあ早めに戻って夕食にするか、これだけじゃ俺も足りないし」
「……実は少し、お腹が空いてきていました……」
「帯を少し緩めたらどうだ?」
「この帯、緩めると一気に崩れてしまうので」
「それじゃ無理だな……急いで食うから、ちょっと待ってろ」
「あまり急いで食べると身体に悪いですし、ゆっくりでいいですから」
「もがっ?」
「もうっ、口に詰め込みすぎですよ?」
――普通、女に食べさせずに一人で貪るように食うか?
――金無いんじゃねぇの?
「……提督、ちょっと席を外しますね」
「ん」
――――お客様、大変申し上げにくいのですが……お連れ様が他のお客様の頭を掴んで、引き摺りながら出ていってしまわれて……。
――――っ!?
――綺麗だな、あの姉ちゃん。
――あんな気の弱そうな男には勿体無いよな。
「お待たせ致しました。アイスコーヒーとアイスティー、サンドイッチでございます。ごゆっくりお召し上がり下さい」
「なぁ大和、少しぐらいは食べた方が――大和?」
「はい? あっ、いえ、大丈夫ですからお気になさらず召し上がって下さい」
「分かった。じゃあ早めに戻って夕食にするか、これだけじゃ俺も足りないし」
「……実は少し、お腹が空いてきていました……」
「帯を少し緩めたらどうだ?」
「この帯、緩めると一気に崩れてしまうので」
「それじゃ無理だな……急いで食うから、ちょっと待ってろ」
「あまり急いで食べると身体に悪いですし、ゆっくりでいいですから」
「もがっ?」
「もうっ、口に詰め込みすぎですよ?」
――普通、女に食べさせずに一人で貪るように食うか?
――金無いんじゃねぇの?
「……提督、ちょっと席を外しますね」
「ん」
――――お客様、大変申し上げにくいのですが……お連れ様が他のお客様の頭を掴んで、引き摺りながら出ていってしまわれて……。
――――っ!?
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