807: 2014/10/20(月) 13:30:40.00 ID:OZHGWe6+O


前回はこちら

・雪風&初霜『当たらない艦娘と絶対防御の艦娘』

・第十六駆逐隊『首と煙突とげっ歯類』

・雷『え?』

・秋雲『ヤバイ眠い氏ぬ』

・榛名『はい、榛名はだいじょばないです』

以上5本でお送りします

809: 2014/10/22(水) 00:56:16.33 ID:DzEXkhqD0
・雪風&初霜『当たらない艦娘と絶対防御の艦娘』、投下します

初霜の弱点はジェットコースター

810: 2014/10/22(水) 00:56:51.95 ID:DzEXkhqD0
――――演習場。

「撃ちます!」

「そんな攻撃、痛くも痒くも無いわ。撃てー!」

「雪風には当たりません!」

「以前の様に一切被弾しないという事はなくなったって聞いたわよ!」

「まだ、まだ大丈夫です!」

「前々から貴女の戦い方は危なくてハラハラさせられていたの。良い機会だから直してあげる!」

「初霜は被弾し過ぎです! 護衛される側が心配になっちゃいます!」

「全て防ぐから大丈夫よ!」

「なら、雪風も全部避けます!」

「もういい加減昔の事を引き摺るのはやめなさい!」

「初霜は自分が傷付いたら皆が悲しむのに気付いてませんっ!」

「守る為には多少の怪我はやむを得ないわ!」

「初霜は分からず屋です!」

「雪風だってそうじゃない!」

「意地っ張り!」

「怖がり!」

「頑固!」

「そっちこそ!」

「鈍感!」

「ハムスター!」

「ハムスターは可愛いです!」

「知ってるわ!」

――――三十分後、駆逐艦寮前。

「全く、喧嘩して疲れ果てて寝ちゃうとか勘弁して欲しいわ」

「お互い手のかかる妹を持つと大変じゃな」

「理由がお互いを心配してとか、ホントにもう……」

「平和になった今だからこそ、全力でぶつけられる思いもあるというものよ」

「程度ってもんがあるでしょ、程度ってもんが」

「この可愛らしい寝顔に免じて、許してやれ」

「はぁ……ホント、幸せそうな寝顔ね」

「そういう陽炎は優しい姉の顔じゃな」

「うっさい!」




――――初霜、一緒にジェットコースターに乗りたいです!

 ――――私はジェットコースターはちょっと……。

――――明石さん、二人です!

 ――――雪風、話を聞いてちょうだい。私は本当にこのジェットコースターだけは――。

――――出発です!

 ――――き……きゃあぁぁぁぁっ!? 止めてぇぇぇぇっ! 下ろしてぇぇぇっ!
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録
812: 2014/10/22(水) 20:53:34.30 ID:DzEXkhqD0
・第十六駆逐隊『首と煙突とげっ歯類』、投下します

813: 2014/10/22(水) 20:54:07.38 ID:DzEXkhqD0
――――鎮守府、某所。

「時津風、この本面白いです」

「そうだねーいいかもいいかも」

「そうね、面白いわね、特にこの“首が取れる艦娘”とか、ね」

「“顔が煙突の艦娘”も中々いいんじゃない?」

(まだだ、まだ慌てるような時間じゃ――)

「秋雲、この鎮守府の壁をかじってるのは誰でしょうか?」

「まさか時津風と雪風、なんてことは無いよねー?」

(詰んだー!?)

「別に描くなとは言わないわ。でもね、描くならもう少し正確に描くべきだと思わない?」

「秋雲の首、取れる?」

「取れない、かなー?」

「煙突が顔の艦娘、見たことある?」

「無い、かな……?」

「毛むくじゃらで鎮守府をかじる艦娘、居る?」

「居ない、です……」

「描き直して」

「はーい……」

――――数日後。

「で、出来た……三徹とかマジ無理、爆睡しよ……」

「時津風、雪風達が漫画になってます!」

「うん、嬉しい嬉しい」

(『妙〇姉さんが見てる』、リクエスト通りね)

(『姉妹艦は居ないけど天〇風さえ居れば関係無いよね』、注文通りだわ)

「……? 時津風、雪風が時津風とチューしてます」

「ありゃホントだ。何で――」

「ストップ! 二人とも読むのやめなさい!」

「あーきーぐーもー?」

「じ、ジャンル指定は無かったじゃん!?」

「よりにもよって一番ダメな組み合わせでそういうの描いてどうするのよ!」

「私と初風のみたいな仲良しほのぼの系に何でしなかったの!」

「描きたいと思った時、既に手は描き始めているもんなのさ!」

「「描き直し!」」

「うえぇ……もう寝かせてぇ……」

814: 2014/10/22(水) 20:56:16.67 ID:DzEXkhqD0
――――最初からあの子もコレ描いてるって言えば良かったのに……。

 ――――良い出来ね、今度は島風と連装砲ちゃんと連装砲くんと描いてもらおうかしら。

――――時津風、部屋に貼りましょう!

 ――――うんうん、しれーにも見せようよ。




 雪風を囲んで立つ四人のイラストが部屋に飾られるようになりました。

817: 2014/10/23(木) 21:04:55.82 ID:MknWV/sH0
――――提督執務室。

「司令官、今、何て言ったの……?」

「だから、今日は俺の身の回りのことはしなくていいって言ったんだ」

「あの、私、何かしちゃった……?」

「雷、何か勘違いしてないか? って俺の言い方も悪かったな。たまには世話される側とする側を逆にしようってことだ」

「今日は司令官が私の為に色々してくれる、ってこと?」

「あぁ、だからして欲しいことがあ――」

「間宮さんのアイスが食べたい!」

「おわっ!? わ、分かった、後で頼んどく」

「後、ビスマルクさんのパンと金剛さんの紅茶と鳳翔さんの――」

「待て、そんなに一遍に言われても無理だ」

「えー? 司令官が何でもしてくれるって言ったんじゃない」

「何でもとは言っとらん!」

「……じゃあ、頭、撫でて欲しい」

「……あぁ」

「後、ギュッてしてくれる?」

「ん、分かった」

「……司令官」

「んー?」

「呼んでみただけ」

「そうか」

「……ねぇ、司令官」

「何だ?」

「これからも、頼ってくれる?」

「お前達に頼らないと明日の飯すら危ういぞ、俺は」

「雷を、必要としてくれる?」

「居なくなったら草の根分けても探し出すぐらいに必要だ」

「私が居なくなったら、加賀さんが居なくなった時みたいに落ち込んでくれる?」

「お、落ち込んでなんか無かったぞ?……まぁ、誰かが居ないってのは二度と御免ではあるがな」

「……えへへ、やっぱり司令官は私が居ないとダメね」

「そう思うなら、もう少し俺に日頃から身の回りのことやらせてくれないか?」

「そんなのダメよ、私が居るからには不自由なんてさせないわ」

「いや、着替えから歯磨きまでやろうとするのはいくらなんでもだな……」

「私が秘書艦の日は、司令官にはずっとずーっともーっと頼ってもらうからね?」

(……まぁ、雷が幸せならいいか)




――――ダメ人間、ヒモ、ハリボ提督、どれがいいですか?

 ――――突き刺さるからやめろ、仕事はちゃんとしてるだろ。

――――いっそ私が全部……。

 ――――だから仕事を奪おうとするな!

818: 2014/10/23(木) 23:12:02.65 ID:MknWV/sH0
――――深夜、金剛型私室。

「金剛、紅茶ガ飲ミタイワ」

「リト、飲みに来るのはいいけどさー、時間を考えなヨ……」

「ブレックファストダッタカシラ、アレニシテチョウダイ」

「話を聞いて欲しいネー……」

「スコーンモ、オ願イネ」

「Oh……比叡! 榛名! 霧島! wake-up!」

「ね、寝てませんよっ!?……アレ、まだ三時……?」

「はるなは……がんもどきでだいじょーぶで……すぅ……」

「んぅ……眼鏡……」

「紅茶、早クシテチョウダイナ」

「こうなったら皆で真夜中のTea timeデース。早く起きるネー」

「ブリオッシュトカイウノモ、食ベテミタイワ」




 金剛の紅茶が気に入った様です。

819: 2014/10/24(金) 08:50:54.68 ID:PCL1DjBC0
・秋雲『ヤバイ眠い氏ぬ』、投下します

コミケに詳しく(行った事)ないから当日の中の様子とかあまり書けないということに気付いた

リクエストにしっかり応えられなくて申し訳ないです……

820: 2014/10/24(金) 08:51:32.38 ID:PCL1DjBC0
――――夕雲型私室。

「栄養ドリンク貰って来たよー」

「サンキュー清霜、そこ置いといて」

「夕雲姉さん、コレは一体……」

「早霜、まずはベタから覚えましょうか」

「ふぇーん、眠いよぉ……」

「寝たら額に肉って書くかんね」

「せっかく手伝ってあげてるのに何よ、秋雲のバカー!」

「じゃれてる暇があったら手を動かせ、やらんなら私は寝るぞ」

「やる! やるから長波様お願いします! 背景後八ページだから!」

「八ページ!? 何でさっきより三ページも増えてるんだよ!」

「か、数え間違い?」

「……この借りは絶対に返してもらうぜ?」

「あ、あはははは……はい」

 ――早朝。

「お――終わったー!」

「も、もうダメー……」

「あら、机に寝たらインクが顔に付いちゃうわ。ベッドに行きましょうね」

「……すぅ」

「……くぅ」

「やれやれ、早霜と清霜をベッドに運んだら私も寝る。秋雲、次からは計画ってやつを立てておけよ?」

「りょーかーい。――あっ、当日の売り子とファンネルもよろしくー」

「そっちは他を当たれ、私は行かないからな」

「えー? そんなこと言わずに付き合ってよ長波ー」

「い・や・だ!」




――――ってわけで提督、手伝ってくんない?

 ――――今回のタイトルは?

――――『俺の駆逐艦がこんなに可愛いわけがない!』

 ――――断るに決まってるだろうがアホ!

824: 2014/10/24(金) 18:59:30.69 ID:PCL1DjBC0
――――工廠。

「新たな力に目覚めました!」

「ニュー明石さんは何が出来るの?」

「はい、色々な兵装を強化出来ます!」

「……戦い終わってるし、ここにあるの強化したら危ないんじゃない?」

「……そんな気はしてます」

「ほ、ほら、清霜ちゃんとか喜んでくれると思うわよ?」

「そうですね、多分今頃皆さんのところに提督から通達が――」

「ねぇ明石さん、私の単装砲もっと強化してくれるの?」

「艦載機は強化出来るのかしら」

「電ももっと強くなりたいのです」

(アカンこれ……)

(妖精さんの作ったオーパーツをどうしろと……)




 ニュー明石は包丁を万能包丁に改修するようになりました。

827: 2014/10/25(土) 21:39:42.59 ID:vcXiR+fy0
・榛名『はい、榛名はだいじょばないです』、投下します

榛名はリトの犠牲となったのだ

828: 2014/10/25(土) 21:40:15.86 ID:vcXiR+fy0
――――提督執務室。

 ――いたっ……。

「ん?」

 ――提督、榛名です。失礼します。

「おはよう榛名。今ドアに頭ぶつけなかったか?」

「あの、恥ずかしいので聞かなかった事にして下さい……」

「そうしてやりたいところだが……目の下の隈、一目で分かるほど酷いぞ」

「それが……最近毎晩の様にリトちゃんが紅茶を真夜中に飲みに来るので、寝る時間が……」

「そういえば、ヲーちゃんと違って夜行性らしいな。ちょっとこっちで話をしておいてやる。それじゃ身が持たんだろ」

「お心遣い、ありがとうございます」

「――しかしまぁ、その状態じゃ仕事はキツそうだな。部屋で休むか?」

「いえ、榛名は大丈夫です。お気になさらず何なりと仰って下さい」

(左右に頭が絶えず揺れてる時点で、絶対に大丈夫じゃないと思うんだが……)

「だったらホットココアを二人分頼む」

「はい、すぐにお作りしまっ!?」

(足の小指打ったか……早々に何とか休ませんといかんな)

(提督の前だから我慢……我慢……でも、やっぱり痛いです……)

 ――十分後。

「……」

(榛名が船漕いでる姿なんか見るの初めてだな)

「――はっ!? 榛名は、まだ大丈夫……」

「いや、明らかに大丈夫じゃないだろ。仮眠してていいぞ、後で起こしてやるから」

「そんな、大事な秘書艦を務めているのに、仮眠する訳には……」

「来て早々に一緒に昼寝しようと言い出すのも居るぐらいだ。ちょっと仮眠するぐらい気にしなくていい」

「……では、お言葉に甘えさせて頂くことにしますね」

「――別にいいんだが、どうして俺の膝を枕にしてるんだ?」

「枕が無かったものですから」

「クッションがそこにある」

「榛名には見えません」

「裸の王様的な何かなのかアレは」

「……ここが、いいんです」

「……さっさと寝ろ」

「はい、お休みなさい、提督」

「あぁ、お休み」




――――(――ダメだ、気になって集中出来ん)

 ――――榛名は……亀が良いと思います……。

――――(何の夢見てるんだ……?)

 ――――はい……キリンより良いです……。

――――(キリンより亀? 訳が分からん……)

836: 2014/10/25(土) 22:24:13.31 ID:vcXiR+fy0
・鳥海『食べ過ぎに注意食べ過ぎに注意……』

・駆逐艦一番艦s『一番長女らしいのは誰か』

・扶桑改二『山城、はしゃぎ過ぎよ?』

・熊野『エステはまだ出来ませんの?』

・浦風&金剛『昔話してたら物陰から視線が』

844: 2014/10/27(月) 08:28:21.38 ID:2euuvRs50
・鳥海『食べ過ぎに注意食べ過ぎに注意……』、投下します

ヘ屋って日本昔話にあったのを思い出した

845: 2014/10/27(月) 08:28:51.11 ID:2euuvRs50
――――鎮守府中庭。

「出来たぞー」

「欲しい人はこっちに来て下さいね」

 ――ガスには注意しないと……。

 ――ふーん……ヤキイモってあぁやって作るのね。

 ――やっぱ秋はコレだよねーねぇ大井っち。

 ――はい、北上さん。

「ワラワラと来たな……」

「司令官さん、私が渡していきますから中から出していってくれますか?」

「了解」

 ――焼キ芋ッテ何ナノ?

 ――読んで字の如くデース。

 ――焼キ芋味ノオ菓子、コノ前食ベタ。

 ――お菓子とは全然違うから楽しみにしててね、ヲーちゃん。

「火傷には気を付けろよー」

「軍手もいっぱいあります」

 ――配・布・完・了。

「ふぅ……ようやく配り終わった」

「司令官さん、どうぞ」

「ん、鳥海も早く食え、冷めるぞ」

「はい、いただきます」

「それにしても急に焼き芋がしたいって言い出すなんて、そんなに食べたかったのか?」

「……焼き芋屋さんから買ってきた焼き芋、姉さん達が私の分残すの忘れて全部食べちゃったんです」

(あぁ、道理で高雄達が来ない訳だ……)

「司令官さんは焼き芋、お好きですか?」

「まぁそこそこには、な」

「甘くてホクホクしてて美味しいですよね」

「――鳥海、口の横」

「?……っ!?」

「それだけ美味しそうに食べてくれるなら、今度また焼いてみるか。貴重なモノも見れたしな」

「恥ずかしいので、あまりからかわないで下さい……」

「ほら、もう一個残ってるから食べていいぞ」

「……いただきます」

(――さて、鳥海が食べ終わったら仕事に戻るか)




――――司令官さん、ちょっと用事があるので失礼しますね。

 ――――あぁ、分かった。

――――じゃあ行ってきます、すぐに戻りますから。

 ――――(……俺も今のうちにスッキリしてくるか)

846: 2014/10/28(火) 13:22:27.30 ID:VEzsDsVD0
・駆逐艦一番艦s『一番長女らしいのは誰か』、投下します

“一番艦”だから

847: 2014/10/28(火) 13:23:01.37 ID:VEzsDsVD0
――――鎮守府、会議室。

「今日集まってもらった理由は皆分かってる?」

「はいはーい! 白露が駆逐艦の中で一番お姉さんっぽいってことだよね?」

「一人前のレディーであるこの暁が、一番お姉さんだってことを再認識してもらうために決まってるじゃない」

「おりょ? 一番は睦月だよ?」

「お茶が入りましたー」

「うむ、綾波の茶は美味しいのぅ」

「姉らしいとは、具体的にどういうことを指すのでしょうか?」

「頼りがいがあるとかじゃないのー?」

「包容力も大事だと思うわ」

「妹達に頼られるってことなら私だよね」

「吹雪、議長が冗談言っちゃダメだよー?」

「じょ、冗談じゃないもん!」

「頼りがいがあって面倒見がいい、やっぱり暁ね」

「睦月的には暁ちゃんは一番無いと思うのね」

「初春ちゃん、お代わりいりますかー?」

「有り難く頂戴させてもらうとするかのぅ」

「陽炎は今回の話題に興味無いの?」

「私が一番妹多いし、苦労してる姉ってことなら迷わず手を挙げるわよ?」

「あ、あはは……僕はマックスだけだしビスマルクも居るから苦労は全然してないかな」

「私も少しずつ妹達がこの鎮守府に集まってきて大変だわ」

「秋雲そっちに入り浸ってるけど元気してる?」

「えぇ、毎日漫画とイラスト描きながら巻雲と仲良くしてるわよ」

「睦月なの!」

「暁よ!」

「白露いっちばーん!」

「皆話聞いてよー……」

「吹雪ちゃんもお茶飲むー?」

「うん、ありがとう綾波」

「妹の考えている事が分からない私は相応しくないですね……」

「霰のことか? あやつの思考は提督も分からぬと言っておったし、仕方無かろうて」

「……」




――――会議室で正座? 何でそうなったんだ?

 ――――島風が扉の外でうずくまっていて、天津風が鬼のような形相で入っていったそうです。

――――(保護者ナンバーワンなら天津風だな……)

 ――――今頃はかけっこナンバーワンを決めている頃かと。

――――やる前から勝負決まってるだろ、それ。

852: 2014/10/29(水) 09:02:58.37 ID:P831hbSR0
・『駆逐艦一番艦会議・改』、投下します

あまりに救いが無いオチにし過ぎたので

853: 2014/10/29(水) 09:03:30.77 ID:P831hbSR0
――――会議室。

「えーっと、駆逐艦一番艦会議・改を始めたいと思います。今回は自分と違う型の駆逐艦を妹にするなら誰がいいかを聞かせてね」

「やっぱり島風は天津風なの? あの子、ほとんど貴女にベッタリだし」

「うーん、天津風は妹って感じじゃないし、私は妹にするなら卯月がいい。だって楽しそうだもん!」

「睦月、妹ご指名されてるわよー?」

「一緒にイタズラして弥生にパンチされるのがオチかにゃ?」

「妾は磯波や潮が良い。茶を飲みながら二人でゆったり出来そうじゃからのぅ」

「僕は時雨か皐月かな、親近感があるし」

「暁はねー……」

「暁にはしっかりした妹が適任だと思います。うちの霞とかはどうでしょうか?」

「い、妹にするなら望月がいいわ!」

(手はかからないし、勝手に自分で何でもするタイプ選んだんだろうなぁ……)

「私は初霜がいいな、五月雨のドジから守ってくれそうだし……」

「切実だね、白露のは……」

「吹雪はどうなのー?」

「春雨ちゃんとかかな、私をいじらないでいてくれそうだし」

「吹雪のも、何か切実……」

「私は叢雲がいいですねー直ぐに敷波と探しに探しに来てくれそうです」

「私は曙でしょうか、霞や満潮の様な妹が居ると、どうしても放って置けない気持ちになります」

「睦月は電ちゃんがいいかにゃ? 妹達も喜ぶと思うのね」

「陽炎と夕雲はどう?」

「私? 私は長波ね、アイツ面倒見良いし」

「夕雲は霰がいいわ、あの子もダルダルの長袖似合いそうだもの」

「――試しに、皆一日妹交換してみる?」




――――島風と卯月が天津風と弥生から説教、叢雲と敷波が綾波の捜索中、初霜が五月雨の後頭部への一撃で大破、以上です。

 ――――初霜ですら防げなかったのか。

――――殺気や予備動作などが無いので動きが読めないそうです。

 ――――第六感レベルでないと無理なんだな……。

855: 2014/10/30(木) 12:03:52.37 ID:S1KOJVFR0
・扶桑改二『山城、はしゃぎ過ぎよ?』、投下します

856: 2014/10/30(木) 12:04:27.31 ID:S1KOJVFR0
――――提督執務室。

「姉さまが改二よ改二! ちょっと提督聞いてるの!?」

「おち……おちつ……やま……」

「山城、落ち着いて。そんなに揺さぶったら提督が氏んじゃうわ」

「あら、ごめんなさい」

「んがっ!?」

「どうせなら私は山城と一緒が良かったのだけれど……」

「いいんです、姉さまがなれただけで私は満足です」

「いててて……まぁ何にせよ、これでまたうちの戦力が強化された訳だ。深海棲艦とは違う別の脅威がまた突然現れないとも言い切れん。その時はよろしく頼む」

「えぇ、任せて。伊勢や日向にもこれで絶対に遅れは取らないわ」

(対抗意識、未だに持ってたのか……)

「あっ、今夜は姉さまの改二記念をするから提督も強制参加です」

「山城、無理強いはダメよ?……でも、提督が祝ってくれないなんて不幸かもしれないわ」

「言われなくても行くから、不幸言うのやめろ」

「ふふ、久しぶりに使ったわね」

「あー姉さまだけ改二にして妹は放置する提督が居て不幸だわー」

「さっきと言ってることが違うし言いたかっただけだろお前……」

「でも、少しだけ本当に不幸なこともあるのよ?」

「何かあったのか?」

「羽黒も言っていたのだけれど、少し馴染むまで力の制御が難しくて……部屋のドア、取れてしまったの」

「うちの鎮守府は毎日どこか壊れてるから気にするな、明石には少し悪い気もするが……」

「後、壁に手をついたらヒビが入ってしまったし、転がってきたボールを投げたら時雨達が吹き飛んでしまったの……」

「すまん、馴染むまではなるべく部屋に居てもらえると有り難い」

「大丈夫よ、ここの皆は頑丈だもの」

「いや、俺と壁とかはそこまで頑丈じゃないからな?」

「陸奥の爆発に巻き込まれて無事だった提督なら大丈夫だと、私は信じています」

「自分でも何で生きてたのか謎だから勘弁してくれ……」

「それでは提督、夜は食堂の方に来てくださいね」

「来ないと主砲を執務室に撃つわよ?」

「ちゃんと行くから安心しろ」

「――提督」

「何だ?」

「今日も、とても空が青いですよ」

「……そうか」




――――提督が私の注いだお酒を飲んでくれない……やっぱりまだ不幸なのね。

 ――――扶桑、それは椅子だ。

――――ねぇ山城、そう思わない?

 ――――姉さま、それは陸奥です。

863: 2014/11/01(土) 22:29:44.75 ID:9SBFvpXK0
・熊野『エステはまだ出来ませんの?』、投下します

神戸生まれの庶民な重巡

864: 2014/11/01(土) 22:31:24.83 ID:9SBFvpXK0
――――提督執務室。

「エステに行きたきゃ街に行け」

「そんなお金ありませんわ。鈴谷との共有お菓子に入浴剤、シャンプー、トリートメント、石鹸、化粧水に乳液、その他諸々に遊興費、月々結構バカになりませんのよ?」

「鈴谷と二人で警備してる分で、少し多めに渡してあるはずだが?」

「いざというときの為に、警備で増えた額分は鈴谷と貯金してますの」

(ちょっと前まで世間知らずなお嬢様だったのに、いつの間にやらしっかりしたもんだな……)

「――提督は、美容に気を付けない女性の方が好みですの?」

「ナチュラルメイクや基礎化粧品を使う程度なら女性として普通だが、顔面工事な厚化粧や必要以上のケアは正直あまり好かん」

「エステぐらいでしたら、普通の範疇ではなくって?」

「うちの鎮守府に、わざわざエステに通う必要のある奴が居るとは思えんがな」

「より美しく、綺麗になりたいと思うのは女性として当然のことですわ」

「熊野は今のままで十分綺麗だろ」

「そのようなことを仰っても、私は諦めませんわよ?」

「どんだけエステ作りたいんだよお前は……」

「……せんの」

「?」

「大してケアもしてないのに、鈴谷の方が肌が綺麗だなんて許せませんの!」

「仲良い癖に、たまに変なとこで張り合うよなお前等」

「たまにメイク落とさずに寝たりしますのよ!? それなのにあんな綺麗な肌だなんて……って何してますの?」

「ふむ……見ても触っても俺には違いが分からんな」

「気軽に触ると、高くつきますわよ」

「トッ〇でいいか?」

「ちょっと安すぎませんこと?」

「じゃあフ〇ンもつけてやる」

「何でお菓子で済まそうとしてますの……」

「いや、鈴谷からチマチマ食べてる姿が可愛いって聞いたもんでな」

「私は普通に食べているだけですわ」

「――そこにあるけど、食べるか?」




――――(両手で持って食べるんだな……)

 ――――やっぱりイチゴ味が一番ですわね。

――――バン〇ーテンのミルクココアもあるけど、飲むか?

 ――――あら、気が利いてますのね。

――――(完全に庶民だな)

867: 2014/11/02(日) 22:13:14.95 ID:YVgVZOeO0
ちょっとタイトル変更

・浦風&金剛『姉が三人』、投下します

どうせ
みんな
シスコン

868: 2014/11/02(日) 22:15:12.38 ID:YVgVZOeO0
――――金剛型私室。

「浦風、ドーナツがあるから食べていいヨー」

「金剛姉さん、何で膝にうちを乗せるんじゃ?」

「私の妹達は流石に膝に乗せられないデース……」

「あそこで比叡さんが挙手しとるよ?」

「見なかったことにしマース」

 ――金剛姉様を浦風に取られました……。

 ――膝に乗るのは駆逐艦の子達じゃないとちょっと厳しいと思います……。

「最近はどうデス?」

「大鳳姉さんと料理作ったり、水族館行ったり、毎日楽しくやっとるよ」

「ちょっと大鳳が羨ましいネー……」

「今度は金剛姉さんともお出かけしてみたいんじゃ」

「ンー、やっぱり浦風は良い子デース」

「それにしてもこのドーナツ、美味しいねぇ」

「実はそれ、私の手作りネー」

「金剛姉さんが作ったんか? 凄いんじゃ!」

「お菓子作りは得意な方デース。他にも食べたいのがあれば作ってあげるヨー?」

「じゃあ次はうちも一緒に作れるもんがえぇなぁ」

「だったらアップルパイとかどうデス?」

「えぇねぇ、次来るのが楽しみじゃ」

「私はいつでもwelcomeネー」

「あんまりこっちに来すぎると大鳳姉さんが拗ねてしまうけぇ……」

「気にすること無いデース。大鳳はちょっと浦風にベッタリし過ぎネ」

「金剛姉さんだって、人のこと言えんと思うよ?」

「何の話デス?」

「比叡さん達の好きなお菓子や紅茶を毎日用意しとるし、三人を見る目が凄く優しいんじゃ」

「ワタシ、ニホンゴムツカシクテワカリマセーン」

「誤魔化し方が雑過ぎじゃ金剛姉さん」

「……当然よ、大切な私の妹達なんだから」

「やっぱり、二人ともそっくりじゃ」

「――そういえば、浦風の本当のSisterは何て言ってるネ?」

「陽炎姉さんなら、手間がかからないから勝手にしてくれた方が楽でいいって言っとるよ?」

「Oh……」

「でも、部屋に行ったらちゃんとうちの場所も用意されとるし、相談にも乗ってくれるんじゃ」

「……ここの鎮守府は基本皆シスコンってことだと思いマース」

「――アレ? 窓の外に今大鳳姉さんが居た気がしたんじゃが……」

(……ここ、二階よね?)

869: 2014/11/02(日) 22:15:38.89 ID:YVgVZOeO0
――――間宮さん! ドーナツの作り方を教えて下さい!

 ――――あらまぁ急にどうしたの大鳳さん。

――――このままじゃ……このままじゃ金剛に負けてしまうんです!

 ――――何だか良く分かりませんけど、いいですよ。

――――(絶対に、絶対に浦風は渡さないわ!)

877: 2014/11/02(日) 23:17:30.79 ID:YVgVZOeO0
・飛鷹『何で持ってるの?』

・明石&榛名『クレーンがどうかしましたか?』

・ヲーちゃん&リト『天敵』

・鳳翔『お店、どうしようかしら』

・伊良湖『ハロウィン用のお菓子を作らないと』

以上五本でお送りします

881: 2014/11/04(火) 11:13:12.50 ID:MQxfXC0v0
・飛鷹『何で持ってるの?』、投下します

レコードはあるけど聞く為のものがない

そして電の人ならぬ飛鷹の人も居るっぽい?

882: 2014/11/04(火) 11:13:55.29 ID:MQxfXC0v0
――――提督私室。

「レコード聞くのなんて久々だな」

「そもそも何でレコード聞ける機材持ってるのよ」

「親父が昔聞いてたんだよ。それで、ここに来るとき何枚かもらうついでにコレも買ったって訳だ」

「へぇー……老けた趣味」

「聞きたいって言い出したのお前だろ」

「私はたまたまレコードが聞ける喫茶店で興味を持っただけよ、提督と一緒にしないでくれる?」

「興味持つ時点で変わらんと思うがな……」

「何か言った?」

「いや、何も。それで、どういうのが聞きたいんだ?」

「クラシックなら何でもいいわよ」

「『猫踏んじゃった』とかか?」

「皆に提督のお気に入りは『猫踏んじゃった』だって言い触らされたいの?」

「やめろ、駆逐艦が押し寄せて来て演奏する未来しか見えん」

「それで、オススメは?」

「ここにはそんなに数が無いからな……『新世界より』か『ツァラトゥストラはかく語りき』ぐらいだ」

「何だかハチが好きそうな題名ね……『新世界より』にして」

「ん、分かった」

「提督はこの曲好きなの?」

「いや、特に深い思い入れは無い。聞いた回数が多かったから持ってきた」

「ふーん……ねぇ、隣座っていい?」

「生憎とこのソファーは一人用……って人の話聞けよ」

「素敵な音楽を聞きながら、隣には素敵な女、何か不満でもあるわけ?」

「普通そういうこと自分で言うか?」

「十二単の恨み、忘れたとは言わせないわよ」

「最終的に月に帰るような奴のマネするのが悪い」

「アレ、先に言い出したの提督の方だっ――?」

「……音、盛大に変だったな」

「レコードだとこういうことって珍しくないの?」

「いや、保存状態が良ければここまで酷くはならん。ずっとほったらかしだったからな……」

「物を大事に出来ないとか最低ね」

「優先順位がレコードより高いものが圧倒的に多かったんだから仕方無いだろ」

「レコードの妖精に何時か襲われるんじゃない?」

「安眠妨害されそうな妖精だな」

「それは迷惑ね、私も寝られないし」




――――で、何で急に演歌に変えたんだ?

 ――――日本酒持ってきたの。

――――それならワイン持ってこいよ……。

 ――――しょうがないじゃない、無かったんだから。

887: 2014/11/05(水) 19:15:15.34 ID:qm+sWnNF0
・明石&榛名『クレーンがどうかしましたか?』

逆に考えるんだ、自分がクレーンを操縦しちゃえばいいやって

888: 2014/11/05(水) 19:15:50.04 ID:qm+sWnNF0
――――鎮守府危険区域(通称明石ゾーン)。

「こんにちは、明石さん」

「榛名さん? どうしたんですか、また何か壊れちゃいましたか?」

「今日はそういった用ではなくて、明石さんのお仕事の見学に来たんです」

「け、見学……?」

「はい。……もしかして、榛名が居るとご迷惑でしょうか?」

「そういう訳じゃないんですけど……見てても、特に面白いことはありませんよ?」

「そんなことはありませんっ!」

「ひゃわっ!? うわっ、とっ、とっ、と……ふぅ」

「ご、ごめんなさい、急に大声を出してしまって……」

「いえ、ちょっと驚いただけですから」

(危うく工廠の屋根が吹き飛ぶところでしたけど……)

「榛名、昼夜を問わず動いているクレーンにロマンを感じるんです。あんな風になりたいなって」

(クレーンに……なりたい?)

「――明石さんの艤装、榛名にも扱えたりするのでしょうか?」

「それはちょっと難しいかと……」

「そうですか……残念です」

「は、榛名さんはもう十分頑張っていると思いますよ?」

「そんな、榛名なんてまだまだです」

「今は裏方だった私が目立ってますけど、いざ戦うとなったらこの艤装じゃお役に立てないですし……」

「逆に言えば、今の榛名がお役に立てることは限られてしまっています」

「こ、金剛さんとカフェやるって聞きましたけど?」

「はい、榛名のシフトは月・水・金です」

(シフト制なんだ……)

「でも、曜日祝日台風を問わず、三百六十五日二十四時間榛名は頑張りたいんです!」

「私もこのクレーンもそんなには頑張ってないんですけど」

「明石さん、何かお手伝い出来ることはありませんか? 主にクレーンに関することで」

「えーっとぉー……そこまで仰るんでしたら、重機の操縦覚えてみます?」

「良いのですか!? 榛名、感激です!」

(――私の負担も減るし、コレで良かった……のかな?)




――――提督! 榛名、クレーンが操作出来るようになりました!

 ――――そうか、凄い――ん? クレーン……?

――――はい、これからは鎮守府の修理や工事を明石さんと榛名で頑張りますね!

 ――――あ、あぁ、頑張ってくれ。

893: 2014/11/06(木) 17:28:19.94 ID:8geym36x0
・ヲーちゃん&リト『天敵』、投下します

子猫を運ぶ要領

894: 2014/11/06(木) 17:30:36.58 ID:8geym36x0
――――ヲーちゃんの部屋。

「久シブリネ」

「……?」

「ドウシテ、首ヲ傾ゲテイルノカシラ?」

「貴女、誰ダッケ」

「離島棲鬼ヨ! リ・ト・ウ・セ・イ・キ!」

「ヲ、知ッテル。深海棲艦ジョーク」

「……ココニ馴染ンデルワネ、ヲ級」

「オ菓子イッパイ食ベラレテ、優シイ人達イッパイ。不満ガ無イ」

「ソウ、私ハココニ居ルト生キタ心地ガシナイワ」

「リト、ヒトツ気ニナッテル事、聞イテイイ?」

「エェ、ドウゾ」

「――何デ、ていとくニクワエラレテイルノ?」

「スコーンヲアゲタラ懐イタノヨ。移動ハ楽ニナッタノダケド、涎デ汚レルノガ問題ダワ……」

 ――にゃー。

「アッ」

「チョット急ニ離シタラァァァァァッ!?」

 ――にゃ?

(イ……痛イ……)

「リト、大丈夫?」

「コ、コノグライ何テコトハナイワ」

「ヲ、流石鬼級」

「……痛イモノハ痛イニ決マッテルジャナイ」

 ――にゃー。

「チョットていとく! 私ヲ落トスナンテドウイウツモリ!」

 ――にゃ……。

「ていとく、運ンデクレタダケ、怒ッタラ可哀想」

「貴女モ同ジ様ニ運バレタラ分カルワ。ソンナ事言ッテラレナイワヨ」

895: 2014/11/06(木) 17:31:09.50 ID:8geym36x0
「私ハ潮カ長門カ赤城ガ大体運ンデクレルカラ、問題ナイ」

「……何デ! 私ハ! 猫ナノヨ!」

 ――にゃーお。

「背中、乗セテモラエバイイノニ」

「コノ子、何故カクワエタガルノ」

「非常食トミナサレテル?」

「冗談デモヤメテ、今ノ大キサダト本当ニソウナリカネナイワ。タダデサエなのノ方ハ甘噛ミトハイエ噛ンデキテ生キタ心地ガシナイノニ……」

「――なの、来タヨ?」

「ッ!?」

 ――みゃー。

「ア、アッチ行キナサイ! シッ! シッ!」

 ――みゃーん。

「コラ、舐メルノヲヤメナサイ、ザラザラシテテ痛イノヨ!」

「リト、懐カレテル、良カッタネ」

「良イ訳無イデショ!」

 ――みゃーおぅ。

「頭、擦リ付ケテル」

「……モウ、好キニシテ」




――――(……あの二人、ねんどろいど化出来ないかしら?)

 ――――あっ加賀さん、なのとてーとく見なかったですか?

――――二匹なら中でリトと戯れているわ。

 ――――ありがとなのです。

897: 2014/11/07(金) 19:44:21.69 ID:6BIyMMrk0
・鳳翔『お店、どうしようかしら』、投下します

898: 2014/11/07(金) 19:45:03.20 ID:6BIyMMrk0
――――居酒屋鳳翔。

「いやー外冷え込んできて寒いのなんのって、鳳翔、熱燗!」

 ――はーい。

(アレ? なんや今声が……)

「よい、しょっと――いらっしゃい、龍驤」

「……は?」

「どうしたの? そんな珍しいモノでも見た様な顔して」

「ちょい待ってな、原因も理由も分かってんねやけど、いざ直面するとやっぱあかんわ」

「?」

「――鳳翔ちっちゃ!」

「そうなの。台がないと色々届かなくて大変だわ」

「ほっほぉー、昨日はお楽しみやったっちゅう訳やな? そこんところ詳しく――」

「龍驤、私の飲んだ分も伝票につけておくわね。一番高いのどれだったかしら……」

「待ちぃやそこのウワバミ、待ち、待って、ホンマにアカンで!?」

「ふふ、冗談よ。でも、そういう話は好きじゃないからやめてちょうだい」

「うちもそんな好きやないし、さっきのは社交辞令みたいなもんやんか。――にしても、アンタがちっちゃいと何や調子狂うわ」

「私も調子が狂って大変よ。お野菜を抜くのに苦労したし、お鍋を運ぼうとしたら意外に重くって……」

「店休むなり手伝ってもらうなりしたら良かったんちゃうの?」

「お店を開けてないと落ち着かないし、私の趣味でやってるここを手伝ってもらう訳にもいかないわ」

「鳳翔がそれでいいならうちは別にえぇけど、怪我でもしたら皆心配するで?」

「あら、皆が来てくれるなら怪我するのも良いかもしれないわね」

「アホ、怪我なんかせんでも呼んだら大抵の奴が来るわ。まぁわざわざ呼ばんでも鳳翔がちっちゃなったって聞いたらわんさか来るやろうけどな」

「ふふ、そんなにお客さんが来たらこの姿だと大変で困っちゃうわ」

「嬉しそうな顔して何言うてんねん。……店、もう少し近くに建て替えてもらったらえぇやんか」

「それじゃ来た子達がゆっくり出来ないでしょ? ここは離れてるからいいのよ」

「――客来んと寂しいって愚痴こぼしたん、うちは忘れてへんで?」

「でも、そういう時は龍驤が来てくれるって言ってなかったかしら?」

「……熱燗、もう一本」

「ふふ、はーい」




――――うん、しょっと。

 ――――鳳翔さん、私がやります。

――――いいのよ加賀、座ってて。

 ――――いえ、私が。

――――(加賀が子供に気遣ってるみたいで新鮮やな)

899: 2014/11/07(金) 22:03:06.98 ID:NOc95Ga30
おつでち


引用: 【艦これ】提督「鎮守府として色々不味いことになった」