1: 2009/01/14(水) 16:47:53.66 ID:g9Cz93qQ0
真紅「なるほど・・・こういうトリックだったのね。さすがだわ、くんくん」

翠星石「ふふん、まったく子供騙しです。どこが面白いんですかね?」

雛苺「くんくん!くんくーん!なのー!」

JUM(お前もハマってんじゃねーかよ、この性悪人形)

真紅「惚れ惚れするのだわ・・・」



来週もよろしくんくん!
ローゼンメイデン BIGアクリルスタンド Bloom ver./真紅
2: 2009/01/14(水) 16:50:25.91 ID:g9Cz93qQ0
真紅「くんくん冴えてるわよくんくん・・・」

翠星石「いまから5分は【くんくん冴えてるわよくんくん】タイムです。何を話しかけても無駄ですよ」

JUM「知ってるよ。僕は2階に戻ってるよ」

真紅「くんくんハアハア」

雛苺「真紅がうるさいのー・・・」


JUM「ふう、勉強も楽じゃないな・・・」

ガチャ

真紅「あらJUM。部屋に戻ってたの」

JUM「ああ。・・・お前、またくんくん見るのか?」

真紅「今日はくんくんを見まくると心に誓ったのだわ。DVD、DVD・・・」

3: 2009/01/14(水) 16:53:26.87 ID:g9Cz93qQ0
JUM「よく飽きないよな・・・ホントに」

真紅「あったわ。これをリビングに・・・!!!」

真紅「あ、あ、ああああぁぁぁぁぁ!!!」

JUM「ん?どうしたんだ?」

真紅「JUM!これは一体どういう事なの!?」

JUM「なにってくんくんのDVDじゃないか」

真紅「パッケージ!表紙!だわだわだわ!!」

JUM「おちつけ!・・・ってこれは?」

真紅「くんくんが居なくなってるのだわ!」

6: 2009/01/14(水) 16:55:43.97 ID:g9Cz93qQ0
翠星石「だから翠星石は知らんです!いい加減にするですよ、真紅!」

雛苺「ヒナも知らないの。そんなに器用じゃないのよー」

真紅「ホントに?」

翠・雛(コクコク)

JUM「じゃあ誰が一体こんな事を?」

翠星石「水銀燈じゃないんですか?真紅の嫌がることをピンポイントに狙ってくるのはアンチクショウだけですよ」

真紅「話を聞いてみるのだわ・・・!」

水銀燈「フフ、とうとう宝くじを買っちゃったわぁ。これで億万長者に・・・あら?」

水銀燈「あそこにあるのは愛しのヤクルト!いただきま-す!!」

8: 2009/01/14(水) 16:58:37.77 ID:g9Cz93qQ0
真紅「『ワイアード』の罠だわッ!」

水銀燈「あッ!・・・これは、手に!ワイヤーが!釣られるッ!!」

真紅「ウィンウィンウィンウィン」

水銀燈「キャアアアアア!?!?」

ドサッ!

水銀燈「い、痛いわぁ・・・ん?なによアナタ達。相変わらずのアホ面ねぇ」

翠星石「ヤクルトに釣られたやつに言われたくねぇです」

雛苺「愛しのヤクルトwwwwww」

水銀燈「ちょっと、この手に刺さってるやつを外しなさいよ!」

10: 2009/01/14(水) 17:01:59.42 ID:g9Cz93qQ0
真紅「シュウギントォォ・・・!!」

水銀燈「キャ!・・・真紅ぅ?」

翠星石「ちょっと今軽い錯乱状態でして」

雛苺「手に負えないのー」

――――・・・

水銀燈「私は何もしてないわよぉ。そこまでして遊びたくもない」

真紅「そう・・・ありがとう」

水銀燈「不思議ねぇ、パッケージから消えるなんて」

翠星石「一体誰の仕業なんでしょうかね?」

11: 2009/01/14(水) 17:04:15.57 ID:g9Cz93qQ0
JUM「さあな。真紅、くんくんのDVDでも見て落ち着けよ。そもそもそれが目的だったんだろ?」

真紅「そうね。・・・そうするわ」

ガチャ

雛苺「ヒナもヒナもー!」

JUM「奇妙な話もあるもんだな」

翠星石「どーせひょっこり戻ってくるですぅ」

水銀燈「そんな家出したみたいに・・・」

JUM「家出かよ!アホくさ・・・」

【速報】世界中からヒーローが消える!

JUM「はぁ?」

13: 2009/01/14(水) 17:08:21.98 ID:g9Cz93qQ0
翠星石「なにがですか?」

JUM「いや、このトップニュース見てみろよ」

水銀燈「世界中からヒーローが・・・何よこれぇ?」

本日現地時間午後11時、日本の傑作劇画ヒーロー『ケンシロウ』が『ラオウ』と呼ばれる悪役ヒーローを東京西新宿で倒しました・・・

翠星石「わわわ!この写真すげえです!街が滅茶苦茶ですぅ!」

水銀燈「戦争でもあったのぉ?いくらドールズでもここまでやらないわよ」

JUM「ケンシロウ・・・ラオウ・・・。こいつらは北斗の拳のキャラじゃないのか!?」

水銀燈「北斗の拳?」

翠星石「翠星石知ってるです。確か漫画ですよね?」

JUM「ああ。僕もよく読んだことはないけどな」

14: 2009/01/14(水) 17:11:44.40 ID:g9Cz93qQ0
水銀燈「これもしかして嘘のニュースじゃないのぉ?エイプリルフールにありがちじゃない」

JUM「4月じゃねーよ。動画があるな、再生」

不思議な事に、ケンシロウとラオウの戦いは録画ができませんでした。カメラが動かないのです!実に奇妙な今回の騒動・・・

翠星石「すげえですね・・・人間二人がここまでやるなんて」

水銀燈「ホントにドッキリじゃないの!?」

JUM「ああ。何処もこの【ファンタジーヒーロー事件】の話題で持ちきりのようだな」

数時間前にアメリカのフ口リダで始まったとされる一連の現象は、
テーマパークやアニメ作品にとどまらずあらゆる芸術作品に対して影響が広まってる模様です!
自体はある意味どんな戦争よりも深刻ですッ!
ただの業界や著作権だけの問題ではありません!
全人類の『遺産』が!……『心の宝』が!失くなっていくということなのですッ!

16: 2009/01/14(水) 17:14:39.62 ID:g9Cz93qQ0
JUM「これは・・・!」

水銀燈「何が起ころうとしてるの!いや、何が起こってるのぉ!?」

翠星石「二人共、さっきのくんくんも・・・これのせいじゃあないんですか?」

JUM「だろうな。世界中が、か。どういう事だ?」

水銀燈「もう少し情報を集めてみましょう。何か分かるかもしれないわよぉ」

JUM「ああ」


真紅「これも!これも!これも!」

雛苺「どういうことなの??くんくんが!くんくんのキャラクターがッ!」

真紅「全て『消えてる』のだわ!おかしい!」

雛苺「うにゅう・・・これじゃくんくんが見れないの・・・」

18: 2009/01/14(水) 17:17:59.57 ID:g9Cz93qQ0
真紅「一体どういう事なの!?くんくんくんくん!!!!」

雛苺「真紅がこわいのー。落ち着くのよ!ヒナが紅茶を淹れてあげるの!」

真紅「・・・お願いするわ」

JUM「これは・・・想像よりはるかにヤバそうだ」

キャラクターの中には市民を殺傷するものもいるらしく
その被害と犠牲者の状況は把握しきれていません・・・

翠星石「誰かが殺されてる・・・!危ないですね」

水銀燈「アメリカのフ口リダから世界中に・・・ってよぉ」

JUM「これはもしかしてドールズの誰かの仕業なのか!?」

22: 2009/01/14(水) 17:20:42.70 ID:g9Cz93qQ0
水銀燈「まさか。大体ドールズは人間を不幸にする存在じゃないわぁ」

翠星石「全くですぅ。今は誰がやった!じゃなくてどうするか、ですよ!!」

JUM「ああ、対策を練らないとな。家の中でキャラクターに殺されたら話にならない」

翠星石「殺されるはちょっとあんまりじゃないですか?」

水銀燈「おバカさぁん。そんなこと言ってるやつが殺されちゃうのよぉ」

JUM「引っかかるんだ」

翠星石「え?」

水銀燈「私も。何かに引っかかるのよぉ」

これは原作ストーリー通りの出来事であると目撃者は証言しておりますが・・・

JUM「ストーリー通り。・・・どうしたもんかね?」


雛苺「うにゅ?あなたは誰なのー??」

???「・・・私?」

23: 2009/01/14(水) 17:23:54.23 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「私は可哀想な灰かぶり。シンデレラって灰かぶりって意味なの。あなた、知ってた?」

雛苺「あなた・・・シンデレラなのー!?本物なの!?!?」

シンデレラ「勿論よ。なんでこうなったのかは分からないんだけどね」

雛苺「すごいのー!うわーい、シンデレラなのー!!」

ズズズズズ・・・

シンデレラ「・・・」

25: 2009/01/14(水) 17:28:52.41 ID:g9Cz93qQ0
真紅「雛苺?何処に居るの?」

雛苺『真紅ぅー!こっちにきて!シンデレラなのー!!』

真紅「雛苺・・・!貴女、何者!?」

シンデレラ「この家には喋るお人形さんがいっぱい・・・信じられない」

真紅「質問に答えなさい!」

雛苺「・・・」

真紅「雛苺?ここにいたのね。この人は一体誰?」

雛苺「ヒナ、紅茶を淹れてくるの」

真紅「え?雛苺?」

26: 2009/01/14(水) 17:32:03.37 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「私は灰かぶりのシンデレラ。知らない人はいないはずよ?」

雛苺『え・・・?ヒナがもう一人?今のヒナは一体誰なの??』

雛苺「・・・」

真紅「シンデレラ?リビングまで来て頂戴。話をきかせてもらうのだわ」

シンデレラ「ええ。お話しましょう」

雛苺『真紅!真紅!?ヒナの声聞こえないの!?!?』

雛苺「紅茶を淹れるのは難しいのー・・・」

シンデレラ(分離した・・・可愛そうに)

雛苺『誰も反応してくれないのー・・・』

28: 2009/01/14(水) 17:35:15.98 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「それはアナタが『精神』だからよ、雛苺」

雛苺『精神?何の話なの??』

シンデレラ「アナタ、私の事好きだったでしょう?体と精神が分離してるのが何よりの証拠」

雛苺『そりゃあシンデレラの話は大好きなのー!』

シンデレラ「自分の好きなキャラクターを見てしまうと体が精神から分離してしまう。そしてその事に体も精神も気づくことはない。
今回はたまたま気付けたから運が良かったわね」

雛苺『それじゃあ今のヒナは『精神』ってことなの?』

シンデレラ「そう。アナタが望んでたファンタジーの世界への扉なの。アナタはその扉を開いてしまった・・・
これが自由人の狂想曲・・・『ボヘミアン・ラプソディー』」

雛苺『何を言ってるの?ファンタジーの世界なんてヒナは望んでないのよ・・・』

シンデレラ「ホントにそうかしら?」

29: 2009/01/14(水) 17:38:45.86 ID:g9Cz93qQ0
雛苺「真紅ー、紅茶できたのー!」

真紅「頂くわ。貴女も早く来なさい」

シンデレラ「ああ、紅茶が飲めるなんていつ以来だったっけ・・・?」

雛苺『真紅!真紅!真紅!不人気!・・・気付いてくれないのー・・・』



JUM「結局なんて情報無かったな」

水銀燈「仕方無いといえば仕方ないわぁ。世界中がパニック状態なのよ」

翠星石「これってこのままなら世界が滅んじゃいそうです・・・」

JUM「怖いこと言うなよ・・・シャレにならない」

30: 2009/01/14(水) 17:44:34.42 ID:g9Cz93qQ0
ガチャ

水銀燈「・・・あらぁ?ドアがひとりでに開いたわねぇ」

翠星石「真紅ですか?雛苺ですか?」

雛苺『う・・・うにゅうううう~~』

JUM「どうしたんだ、雛苺?」

雛苺『!!JUM、ヒナが見えるの!?』

JUM「はぁ、何馬鹿なこといってるんだよ。見えるに決まってるだろ」

翠星石「JUM・・・?何をブツブツ喋ってるですか?」

水銀燈「独り言だなんて気味が悪いわぁ・・・」

JUM「え?いやここに雛苺がいるじゃないか」

32: 2009/01/14(水) 17:48:24.95 ID:g9Cz93qQ0
雛苺『JUM、大変なのよ!ヒナの話を聞いてほしいの!!』

JUM「・・・どうしたんだ?」

水銀燈「貴女のミーディアム、ジャンクになっちゃったんじゃないのぉ?」

翠星石「ここまでひどいなんて翠星石知らなかったですよ。のりになんて言えばいいですか・・・」



真紅「『ボヘミアン・ラプソディー』信じられない話だわ」

シンデレラ「アナタ達のような動くお人形さんがいるのに童話のキャラクターがでないのは理不尽じゃないの?」

真紅「それとこれとは話が別よ。雛苺、テレビをつけて頂戴」

雛苺「はいなの!」

世界中から大量のキャラクターが消えてしまったファンタジーヒーロー事件。
原因は未だに不明であり、今後もキャラクターが消失していくものと考えられます・・・

33: 2009/01/14(水) 17:52:05.31 ID:g9Cz93qQ0
真紅「・・・何てことなの」

シンデレラ「まあ、あの意地悪なクソアマ共から離れられたのは嬉しいわ。あんなのと一緒にいるだけで寿命が縮まっちゃう」

雛苺「うわー!真紅、このシンデレラの絵本!」

真紅「キャラクターが消えてる!くんくんと一緒だわ・・・」

シンデレラ「だから言ったでしょう?恐らくそのくんくんとやらも実体化してるはずよ?」

真紅「くんくんが!?この家にいるの!?!?」

シンデレラ「この家にいるとは限らないわ。世界中のどこかにいるはずよ」

真紅「世界中・・・残念ね」

雛苺「ヒナも会いたかったのー・・・」

34: 2009/01/14(水) 17:55:23.68 ID:g9Cz93qQ0
雛苺『かくかくしかじか・・・なのー』

JUM「シンデレラ、体と精神が分離・・・なら今お前は翠星石と水銀燈に見えてないから精神ってことか?」

雛苺『多分そうなの。真紅もヒナの事見えてなかったのー』

水銀燈「独り言はいい加減にやめなさい。不安な気持ちになるわぁ」

翠星石「JUM、疲れてるんじゃあねえですか??たまには休息でもとって・・・」

JUM「うるさい!ここに雛苺の精神が居る。二人とも見えるか?」

水銀燈「・・・何も見えないわよぉ」

翠星石「同じくです」

雛苺『うにゅ~・・・』

35: 2009/01/14(水) 17:59:34.48 ID:g9Cz93qQ0
JUM「一階に行こう。何か分かるかもしれない」

ガチャ

雛苺『いくのー!』

水銀燈「あ、待ちなさぁい」

翠星石「翠星石も行くですぅ!待ちやがれです!」

雛苺『はやく、はやく!』

JUM「はやいって・・・ん?」

水銀燈「何やってんのよぉ・・・って?アラ・・・」

翠星石「これは・・・ガラスの靴ですか?何でこんなものが??」

36: 2009/01/14(水) 18:02:15.93 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「・・・!」

真紅「?」

雛苺「どうしたの?」

シンデレラ「姉たちが来てる!」

雛苺「あー!知ってるの!意地悪な義理の姉の事なのー!」

真紅「それが何でマズいの?」

シンデレラ「物語は全てストーリー通りに進むの・・・そう、全てはストーリー通りに・・・」

シンデレラ(このままじゃ、あの子も危ないわね。私はあくまで精神を分離させたきっかけにすぎないけど)

37: 2009/01/14(水) 18:05:40.24 ID:g9Cz93qQ0
UM「ガラスの靴・・・シンデレラのアレか。何か関係があるのか?」

雛苺『わからないのー・・・』

コツ・・・コツ・・・コツ・・・

水銀燈「何の音ぉ?」

翠星石「誰かいるですか?真紅?雛苺??」



???「私には靴が合わなかった」

???「あのクソッタレ灰かぶりに王子様をとられてしまうじゃない!」

38: 2009/01/14(水) 18:09:43.54 ID:g9Cz93qQ0
翠星石「攻撃してくるですか!?」

JUM「やばい!こいつらはヤバいぞッ!」

雛苺『こ・・・こないでなのぉー!苺わだちッ!』

ビシィッ!

水銀燈「え!何もないとこから苺わだちが!?」

翠星石「もしかして本当に雛苺がそこに!?」

雛苺『だからさっきから言ってるの!このパープリンどもが!』

JUM「いいぞ!苺わだちで押さえ込んだ!」

40: 2009/01/14(水) 18:14:58.57 ID:g9Cz93qQ0
長女「なによこれ!・・・わだち?」

次女「凄いわねぇ・・・そんなことが出来る人形をもってたら王子様が振り向いてくれるかも」

雛苺『イヤに余裕があるのね・・・このまま縛っといてあげるの』

次女「人形さん、あなたは勘違いをしてるんじゃない?」

長女「足を切り落とすのは私じゃない。妹でもない」

翠星石「こいつら、何を言ってるですか・・・」

姉妹「足を切り落とすのはアナタなの!ストーリーには逆らえないッ!」

翠星石「ストーリー?なぁーにいってんですかこのババァどもは」

長女「だれがババァよ!」

41: 2009/01/14(水) 18:17:11.90 ID:g9Cz93qQ0
雛苺『ごちゃごちゃうるさいの!うううーー!!!』

ヨロッ

雛苺『あ、あら?』

JUM「!!雛苺、足元にさっきのナイフがぁぁーーー!!」






ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!

42: 2009/01/14(水) 18:20:46.65 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「!今の悲鳴は・・・」

雛苺「悲鳴?」

真紅「何も聞こえないけれど?」

シンデレラ「・・・最初に言っておくけど、私は行かない。あの姉たちに近づかない」

雛苺「何を言ってるの?」

シンデレラ「もう遅いのよ。雛苺の精神が襲われている」

真紅「雛苺はここにいるじゃない。デタラメはやめて頂戴」

雛苺「ヒナはここに居るの!」

44: 2009/01/14(水) 18:26:11.04 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「精神の方がストーリーに引きずり込まれてる」

雛苺「??」



雛苺『ヒナの足・・・あ、あ、足が!かかとが!あああああああああああ!!!』

JUM「うおぉぉぉ!?雛苺ぉぉーーー!?!?」

長女「痛そう・・・右足のかかとが綺麗に切れちゃってる。まるで意思でも持ってるみたいね、あのナイフ」

次女「あれじゃ歩けないんじゃないの?かかとが無いんじゃないねぇ」

雛苺『JUM!痛い!痛いのぉぉ・・・!!』

45: 2009/01/14(水) 18:29:54.05 ID:g9Cz93qQ0
水銀燈「どうしたの!?」

翠星石「ババアども!JUMに何かしたですか!?」

次女「ババアじゃないって。私たちは何もしてないわよ。雛苺・・・だっけ?その子の精神が傷を負ったのよ」

長女「かかとがなくなちゃって可哀想。でもこれで靴が合うんじゃない?」

JUM「おまえら!今すぐやめろ!雛苺が苦しんでるだろ!!」

長女「無駄よ・・・」

次女「もう遅いのよ。『ボヘミアン・ラプソディー』は止められない」

48: 2009/01/14(水) 18:36:45.80 ID:g9Cz93qQ0
雛苺『・・・どうなっちゃうの?ヒナの足、もう元に戻らないの・・・??』

JUM「・・・雛苺、お前何を持ってるんだ!?」

雛苺『・・・これは、ナイフ!?い、いや・・・!!』

長女「私たちは自ら足を切り落としたのよ。つまり・・・」

JUM「雛苺自ら足を切り落とすって事なのかッ!?答えろぉぉぉーーーーー!!」

ズブズブズブ・・・

雛苺『ああああああああああああああ!痛いのおおおおぉぉぉぉぉぉーーーー!!』


長女「今度はつま先。痛そう・・・」

次女「氏ぬことは無いけれどね、そういうストーリーだし。でも氏ぬほど痛いわよ」

長女「そっちの方が苦痛ね。どうしようもないけれど」

49: 2009/01/14(水) 18:42:12.55 ID:g9Cz93qQ0
真紅「あなた、いつまでそこに居るつもり?」

シンデレラ「さあ。私は特にすることもないけれど、早く雛苺の精神を助けに行った方がいいんじゃないの?」

雛苺「だからヒナはここに居るの!!」

???「その娘の言う通りですよ!」

シンデレラ「??」

真紅「そ、その声は・・・!!!」

雛苺「この声を知っているッ!なの!」

くんくん「紳士淑女の皆さんお待たせ致しました、くんくん探偵です。くんくん!」

ズズズ・・・

54: 2009/01/14(水) 18:52:00.20 ID:g9Cz93qQ0
痛い、痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃーーーーー!!

真紅『今の声・・・雛苺!?せっかく目の前にくんくんが居るっていうのに!!』

くんくん「言ってる場合じゃないですよ!・・・えーと」

真紅『私は真紅、誇り高いローゼンメイデンの第5ドールだわ!』

くんくん「真紅君、今その娘の精神が襲われているのです。このままじゃどうなってしまうのか分かりません」


雛苺「あれ?」

真紅「どうしたの、雛苺」

雛苺「さっきまでいたくんくんがいなくなっちゃったのー」

真紅「何言ってるのよ貴女・・・シンデレラだけで一杯一杯なのに」

シンデレラ(どうやら体の方はくんくんとやらが見えてないようね。)

55: 2009/01/14(水) 18:57:51.93 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「『ボヘミアン・ラプソディー』はストーリー通りに進行する。このままじゃお嬢さんの精神が危ない!
心が壊れてしまうかもしれないです!くんくん!」

真紅『・・・くんくん、どうすればいいのかしら?』



JUM「雛苺、大丈夫か!?しっかりしろ!!」

雛苺『あ・・・JUM・・・痛い、痛いの・・・』

長女「あら、わだちが消えちゃった。もう壊れかけてるじゃない」

次女「仕方ないわ、足が殆ど無いんだもの。見た目的にも、精神的にもきてるのよ」

翠星石「JUM、状況が把握できないですぅ・・・」

水銀燈「でもそこの二人が自由になったみたいよぉ。何が起こってるんだか・・・」

58: 2009/01/14(水) 19:04:45.21 ID:g9Cz93qQ0
長女「ほら、雛苺ちゃん。まだ左足のつま先が残ってるわよ。」

雛苺『も・・・許してぇ・・・』

JUM「近づくなといってるだろぉぉーーーー!!オメーらッ!!」

次女「なら貴方・・・JUM君だっけ?手にもってるナイフはなに?雛苺ちゃんにあげる気じゃないの??」

JUM「え?・・・い、いつの間に!?うわああああ!」

長女「だめよ、壁に投げちゃ。雛苺ちゃんにあげて、ね?」

JUM(ヤバい!ストーリー通り!もう止められないのかッ!?
このままじゃ雛苺が!雛苺の心が壊れちまう!!)

59: 2009/01/14(水) 19:08:46.44 ID:g9Cz93qQ0
真紅『オラァッ!!』

ドゴォッ!

JUM「え?」

くんくん「それでいいんだ、真紅君!その二人を近づけちゃいけない!」

真紅『雛苺!大丈夫!?』

JUM「真紅!と・・・くんくん!?」

くんくん「真紅君!その二人を消滅させるんだ!彼女を救うにはそれしかないんだ!」

真紅『わたしはあくまでくんくんによって分離した。シンデレラのストーリーとは無関係なのだわ!!』

61: 2009/01/14(水) 19:12:20.32 ID:g9Cz93qQ0
翠星石「何が起こってるですか!?・・・ん」

???「・・・」

翠星石「・・・あれは?」

ズズズズ・・・



長女「近づくんじゃないわよ!もう少しでストーリー通りなのに!」

次女「邪魔をするんじゃぁないッ!『ボヘミアン・ラプソディー』は誰にも邪魔をさせないッ!」

真紅『黙りなさい・・・バラバラに解体してあげるのだわッ!消えなさいッ!!』

姉妹「ち、近寄るなぁ!チクショオオオオオオオオォォォォォ!!!」

63: 2009/01/14(水) 19:17:24.27 ID:g9Cz93qQ0
真紅『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!』

姉妹「ヤッダーバァァーーー!!!」

真紅『オラアアアァァァァァ!!!』



雛苺「ハッ!・・・元に戻ったの!!」

シンデレラ「あなた、大丈夫だったの!?」

雛苺「足が元に戻ってるの!う・・・うぅ・・・怖かったの・・・!!」

真紅「何をやってるの雛苺。紅茶を入れて頂戴」

雛苺「・・・ハイなの」

64: 2009/01/14(水) 19:22:25.01 ID:g9Cz93qQ0
真紅『雛苺!?』

JUM「消えた・・・?」

くんくん「どうやらこの姉妹が精神を体に戻したようですね、くんくん!」

長女「もう、ゆるして・・・!」

翠星石『うるせえです!トイレに閉じ込めておくです』

姉妹「イデデェーー!!」

バタン!ガチャ!

翠星石『ざまあみろです!』



JUM「トイレには入れなくなった・・・」

65: 2009/01/14(水) 19:26:28.20 ID:g9Cz93qQ0
JUM「一旦雛苺の様子を見にいこう。リビングだったよな?」

真紅『ええ。大丈夫かしら・・・??』

水銀燈「ちょっと、誰と話してるのぉ?アナタ」

JUM「いいから、ほらみんな行くぞ」

一同『は~い!』

くんくん(この翠星石って娘・・・)

水銀燈「くんくん、間近で見たら意外と可愛くないわねぇ」



82: 2009/01/14(水) 20:39:37.89 ID:g9Cz93qQ0
JUM「雛苺!」

雛苺「JUM!みんな!ほら、足があるのー!!」

シンデレラ「よかったじゃあないの・・・」

翠星石「おまえら、どこに行ってたんですか?」



水銀燈「・・・あれ、あなたいつからリビングにいたのぉ??」

翠星石『・・・え?翠星石がもう一人?』

真紅『翠星石!?』

くんくん「やっぱり・・・精神が分離してる!」

83: 2009/01/14(水) 20:43:53.82 ID:g9Cz93qQ0
翠星石『へ?精神??』

くんくん「お嬢さん、何か心当たりはありませんか!?アナタは今、精神と体が分離してるのです!」

雛苺「まだ誰かがいるの!?翠星石は一体誰を見たの!?」

翠星石『ええ?たしか・・・』

???「そりゃあ私たちの事だろう」

真紅『誰ッ!?出てくるのだわ!!』



白雪姫「私たちを知らない人はいない・・・」

王子「でも私の性癖を知らない人は多いんじゃないかな・・・フフフ」

84: 2009/01/14(水) 20:48:35.03 ID:g9Cz93qQ0
真紅『もしかして!?』

水銀燈「これもヒーローファンタジー事件と何か関係があるのぉ?」

王子「実は私、氏体愛好家なんだ・・・白雪姫の氏体目当てで小人から譲り受けたんだけどね。フフ・・・」

白雪姫「まあ!王子様ったらイケない人ッ!」

シンデレラ「白雪姫・・・でもこの二人が結ばれているってことは」

JUM「物語はお終いじゃないのか?」

くんくん「いえ、どうやら完結してないようです!翠星石君、君の格好を見たまえ!」

85: 2009/01/14(水) 20:54:30.46 ID:g9Cz93qQ0
翠星石「へ?うわわわ、何ですかこの格好は!」

真紅『あら、急にきらびやかに』

JUM「ちょっとダサいような・・・」

くんくん「くーんくーんwwwwwwwwwおっと、失礼」

翠星石『お前ら覚えてろですぅ・・・この格好は?』

白雪姫「意地悪な継母・・・あの方の最期、知ってる?」

真紅『最期の描写?なにかあったかしら?』

JUM「たしか雷に打たれて崖から・・・」

くんくん「まさか!」

87: 2009/01/14(水) 20:59:37.68 ID:g9Cz93qQ0
王子「ハズレだ。あの継母は、私たちの結婚披露宴で最期を遂げる」

白雪姫「真っ赤に焼けた靴を履かされて氏ぬまで踊り続けるの。いい気味だわ」

水銀燈「へぇ・・・それは知らなかったわぁ」

翠星石『で、それとこれといったい何の関係があるんですか?』

雛苺「翠星石!マズいの!」

シンデレラ「全てはストーリー通り!殺される!」

くんくん「聞いたことはあります。初期のグリム童話ですか・・・翠星石君、逃げるんです!」

くんくん「あなたの足元には!それがある!真っ赤に焼けた靴があるッ!」

真紅『ストーリー通り!殺されるッ!!』

88: 2009/01/14(水) 21:01:11.96 ID:g9Cz93qQ0
>シンデレラ「全てはストーリー通り!殺される!」

>真紅『ストーリー通り!殺されるッ!!』

つまり挟み撃ちの形になるな・・・
チェックが甘かった

89: 2009/01/14(水) 21:05:12.25 ID:g9Cz93qQ0
翠星石『へ・・・へへん、だぁれがこんなもの履くもんですか!』

白雪姫「諦めなさい。もう決まった事なの」

王子「君は継母役なんだ。継母は罰を受けるべきだ」

JUM「早く逃げろ!翠星石ぃぃーーー!!」

雛苺「こっちなのよ!早く!」

スカッ・・・

雛苺「あ、もうヒナは精神じゃなかったの・・・」

真紅『仕方ないわね、翠星石!nのフィールドへ!』

翠星石『わかったですぅ。・・・何か納得いかねえです』

バタン!

90: 2009/01/14(水) 21:09:20.37 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「いただけませんね、淑女を頃すとは貴族のすることじゃありませんよ?」

白雪姫「仕方がないじゃない・・・そういうストーリーだから」

王子「貴方も実は諦めてるんじゃないですか?ええと・・・」

くんくん「くんくん探偵です。くんくんとお呼び下さい」



真紅『nのフィールドが開かない!』

翠星石『逃げられないですか!?』

真紅『ええ。私たちが精神だからなのか、白雪姫のせいか・・・!』

雛苺「水銀燈、こっちにきてなの!真紅と翠星石も!」

91: 2009/01/14(水) 21:14:57.95 ID:g9Cz93qQ0
真紅「ちょっと、引っ張らないで」

翠星石「いてえです!このチビチビ!!」

水銀燈「何よぉ一体・・・」

真紅『雛苺!それに私の体も!』

翠星石『翠星石の体もいるですぅ!』

真紅「nのフィールドを開けって?」

翠星石「てめぇでやれです」

雛苺「いいから早くなの!このままじゃ翠星石が氏んじゃうのよ!!」

紅・翠・銀「はぁ???」

雛苺「いいから早くなの!ハリー!!」

92: 2009/01/14(水) 21:22:56.61 ID:g9Cz93qQ0
――――・・・

真紅「ダメだわ。開かない」

翠星石「不思議な事もあるんですねぇ」

水銀燈「私もダメねぇ。まるで意地でもこの家に閉じ込めようとしてるみたい」

真紅『冗談じゃないのだわ・・・こうなりゃ家の外に逃げるわよ!』

翠星石『真紅・・・何かが奇妙です。窓・・・!!』

真紅『そうよ、窓から逃げればいいのだわ!』

94: 2009/01/14(水) 21:27:53.08 ID:g9Cz93qQ0
ガラッ!

翠星石『これは!・・・パーティー会場ですか?』

真紅『さっき言ってた結婚披露宴!どうしても貴女を頃すつもりらしいわね』

翠星石『ふざけんなです!玄関、次は玄関です!!』

真紅『・・・ダメだと思うわ。nのフィールドもダメ、窓もダメ・・・逃げられない』

翠星石『どうすればいいんですか?翠星石、ここでリタイアですか・・・?』

雛苺「そんな事はさせないの!どうにかしてこの状況を乗り切るのよ!」

95: 2009/01/14(水) 21:31:58.47 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「お願いです。どうか翠星石君の精神を体にもどしてやってくれないでしょうか・・・」

白雪姫「それはかなえられないわ。継母の氏は願ってもないこと」

王子「意地でも継母を頃します。そして私たちはハッピーエンドを向かえる・・・邪魔はさせない」

くんくん「何て悲しいことを仰るんですか・・・」

白雪姫「うるさいわよ、くんくん探偵さん。あなたが私たちのストーリーに入ることは許されない」

くんくん「・・・それはそうです。だが、ストーリーに入ることはできなくても」

くんくん「時間を稼ぐくらいはできる!私が実体化した意味を見出してみせましょう!くんくん!」

バタン

白雪姫「どうなるのかしらね・・・??」

96: 2009/01/14(水) 21:34:40.08 ID:g9Cz93qQ0
翠星石『とりあえずJUMの部屋に逃げるです!』

真紅『・・・まって、翠星石!!』

翠星石『え?』

JUM「だめだ!僕の部屋も披露宴会場につながってる!」

雛苺「そんな・・・!!どうしようもないの?」

真紅『のりの部屋!・・・ダメだわ』

JUM「翠星石・・・足元に気をつけろ。靴を履いてしまったら氏んじまうぞ!」

翠星石『うわッ!いつの間にあるんですかぁ!?』

98: 2009/01/14(水) 21:40:25.90 ID:g9Cz93qQ0
JUM「雛苺の時のナイフと一緒だ!まるで意思を持ってるかのように移動してくる」

真紅『ローズテイル!』

ボシュウ!

真紅『ダメね、燃え尽きちゃうわ』

翠星石『スィドリーム!・・・あれ?』

雛苺「人工精霊は体の方についてるみたいなの」

翠星石『ああ、いざというときに使えないやつです!』

スィドリーム「・・・」

翠星石「スィドリーム、何ソワソワしてるですか。邪魔ですよ」

101: 2009/01/14(水) 21:45:59.46 ID:g9Cz93qQ0
翠星石『・・・もう逃げられないんですね』

真紅『翠星石、そういう事は言わないの』

JUM「別の逃げ道を探そう。必ずどこかに抜け道があるはずだ」

雛苺「ベリーベル!抜け道を探してくるの!」

ベリーベル「!」

翠星石『無駄なんですよ』

JUM「翠星石!」

102: 2009/01/14(水) 21:51:23.23 ID:g9Cz93qQ0
翠星石『別にもう翠星石に付き合う必要はないです。迷惑かけてすまんかったです」

JUM「翠星石?何を言ってるんだ」

翠星石『もう迷惑はかけられないです!』

真紅『何をやってるの翠星石!その足は動かさないで頂戴!』

翠星石『白雪姫!望み通りになってやるです!ザマアミロォ!』

雛苺「早まっちゃダメなの!苺わだちぃぃ!!」

ビシィ!

翠星石『はなせですぅ!!』

103: 2009/01/14(水) 21:56:07.14 ID:g9Cz93qQ0
真紅『このままじゃ翠星石がまいっちゃうわね』

JUM「どうにもならないのか!?このボヘミアン・ラプソディは!!」

雛苺「アリスゲームより危険なのー・・・」

くんくん「みなさん、大丈夫ですか!?」

真紅「くんくん!?白雪姫達は?」

くんくん「しりません・・・が、あのお二人は何が何でも翠星石君を頃すおつもりです」

JUM「クソッ!!」

104: 2009/01/14(水) 22:01:46.42 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「あのお二人は継母を頃すことで目的を完遂させようとしています。
もう私たちには止められないと・・・」

翠星石『だから言ったです!翠星石が氏ぬしかないんです!』

くんくん「・・・いえ、それは違いますよ」

JUM「どういうことだ?」

真紅『あくまで翠星石以外を頃してもあの二人はストーリー通りと認識する・・・かも。って事?』

くんくん「そんな感じです。くんくん!」

翠星石『だからって・・・じゃあ誰が犠牲になるんですか!?滅多なこというんじゃねえです!!』



くんくん「私が犠牲になればいいんですよ」

107: 2009/01/14(水) 22:08:39.26 ID:g9Cz93qQ0
雛苺「何を言ってるの!?そんなのダメなの!」

真紅『そうよ・・・誰かが犠牲になるんじゃなくて、みんなが助かるように頑張るのよ!くんくん!』

くんくん「翠星石君はもうしばらく縛っておいてください。すみません」

翠星石『くんくん!』

JUM「おい・・・やめろよ!ダメだ!お前が氏んだらどうなるんだ!?」

くんくん「どうもこうも・・・2度と戻って来ません。魂さえもどこにいくかわかりません」

111: 2009/01/14(水) 22:16:59.73 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「しかし、私は何の因果かこの世界に実体化した。しかしいつかは消えるでしょう。
それなら今!翠星石くんを救うことが!私がこの世界に存在していたという証になるのです!」

JUM「だが、それならみんなくんくんが見れなくなるじゃないか!」

真紅『くんくんがいない日常なんて・・・考えられないのだわ!』

雛苺「くんくん・・・いやなの・・・!」

翠星石(こいつら・・・翠星石のこと嫌いなんですかねぇ)

くんくん「大丈夫、私はくんくんであってくんくんじゃないのですから」




真紅『え?』

113: 2009/01/14(水) 22:23:07.67 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「思い当たらないですか・・・雛苺君?」

雛苺「え・・・ヒナ?」

真紅『くんくんがくんくんじゃないくんくん・・・!』

JUM「落ち着け!この腐れ脳ミソがァーー!!」

くんくん「オリジナルの私と比べて・・・私は何かないですか?」

真紅『・・・そういえば、確かにくんくんにしては何か違和感があるのだわ』

雛苺「もしかして、ヒナがお絵描きしたくんくん!?」

JUM「成程・・・くんくんとは別物として認識されたってわけか」

114: 2009/01/14(水) 22:27:54.35 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「少しの間でしたが・・・あなたたちと出会えて、そして救える。
生きてた意味、存在していた意味を・・・あなたたちで証明してみます」

翠星石『くんくん!』

真紅『くんくん・・・!』

JUM「うぅぅ・・・スマン、くんくん・・・!!」

雛苺「くんくぅぅーーーん!」

くんくん「さようなら、みなさん!くんくん!」




ドジュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!!

116: 2009/01/14(水) 22:32:19.17 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?!?」

真紅『くんくぅぅん!!ああ!JUM!!助けなきゃ』

JUM「・・・僕には無理だ」

翠星石『ああ!くんくんの体が!』

くんくん「これ・・・で・・・いいんです・・・これで・・・!!」

JUM「雛苺、お前が救ってやるんだ!」

雛苺「ヒ、ヒナが・・・??」

118: 2009/01/14(水) 22:36:06.67 ID:g9Cz93qQ0
JUM「雛苺、このくんくんはお前のヒーローなんだ!ならばストーリーくらいあるだろ!」

真紅『そういうことね・・・雛苺!』

翠星石『早くするです!くんくんが氏んじゃう前に!』

雛苺「わかったの!・・・くんくんは!ヒナのくんくんは!」

くんくん「ひ・・・雛苺君・・!!」

――――・・・

白雪姫「静かになったわね、王子様」

王子様「翠星石・・・だっけ?あの子がストーリー通りに氏んじゃったのかな?」

119: 2009/01/14(水) 22:40:28.31 ID:g9Cz93qQ0
白雪姫「これで私たちはめでたくハッピーエンド」

王子様「ああ。永遠の幸せだ・・・白雪姫」

水銀燈「なんか静かになったわねぇ」

真紅「雛苺ったら、なんで物置に閉じ込めるのよ!」

翠星石「戻ってきたらボコボコにしてやるですぅ!」

白雪姫「さあ、終幕の時間ね・・・!!」





くんくん「終幕にはまだ早いですよ、お二方・・・!くんくん!」

121: 2009/01/14(水) 22:48:15.75 ID:g9Cz93qQ0
王子「くんくん探偵、結局止められなかったんですね」

白雪姫「でもそのおかげで物語は終わったの。終わった物語を覆すのは不可能よ」

くんくん「まだ物語は終わってないんですよ・・・ねえ、翠星石君?」

翠星石『全くですよ・・・!この下衆ヤロウども!!』

白雪姫「!?」

王子「なんで生きてるんだ!キサマァァァァーーーー!!!」

真紅『さあね、ストーリーでも必氏に思い出したらどうなの?』

雛苺「ヒナのストーリー通りなのよ。知らないでしょう?ヒナのヒーロー・・・」

くんくん「くんくん探偵とは私の事さ!」

122: 2009/01/14(水) 22:54:02.51 ID:g9Cz93qQ0
雛苺「ヒナのくんくんは白雪姫のストーリーを自在に操ることができるの!」

真紅『そう。あなたたちのストーリーは無かったことになるの』

翠星石『人を陥れようとしてなにが永遠の幸せですか!よく言うです』

くんくん「それじゃあ白雪姫のストーリーを改変しましょうか!くんくん!」

白雪姫「ひ・・・!」

王子「まって、まってくれ!ストーリー通りに事を進めたかっただけなんだ!」

くんくん「もう待つのは飽きたんです。・・・そうですねぇ・・・」

雛苺「二人共ボコボコにされて、悲痛の思いのままエンド!
そしてさっさと物語のなかに還っちゃうってのはどうなの??」

翠星石『いいですねぇ・・・・』

127: 2009/01/14(水) 23:13:01.01 ID:g9Cz93qQ0
さるくらったwwwwwwwwwwww

雛苺「くーんくーん!!」

くんくん「分かりました。創造主には逆らえません」

真紅『覚悟は良い?』

翠星石『腕がなるですよぉー!』

雛苺「ヒナも、ヒナもー!」

くんくん「【ストーリーを書き換える】!物語は改変されました、皆さん!」

白雪姫「い・・いや・・・!」

王子「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

128: 2009/01/14(水) 23:18:15.49 ID:g9Cz93qQ0
真紅『だわだわだわだわだわだわだわだわ!!!』

翠星石『ウオシャァァァァァァァァァァァァ!!』

雛苺「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ!!」

くんくん「ブッ壊すッ!」ガオン!

白雪姫「GYAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」

王子「体が!崩れる!うおおおおおおおおおお!!!!」

くんくん「戻るんです!童話のなかに!!」

ギャンギャンギャンギャンギャンギャン!!!

――――・・・

133: 2009/01/14(水) 23:21:48.63 ID:g9Cz93qQ0
――――・・・

翠星石「ハッ!」

真紅「どうしたの、翠星石?」

翠星石「元に戻れたですぅ!おーい、雛苺!!」

ガチャガチャ・・・

雛苺「はいはーい、今開けるの!」

くんくん「これで私の役目はおしまいですね」

真紅『雛苺が書いたとはいえくんくんはくんくんだわ』

JUM「ああ・・・助かったよ」

くんくん「いえ、お礼は雛苺君に言ってください。私はストーリー通りに動いただけです。くんくん!」

134: 2009/01/14(水) 23:25:26.15 ID:g9Cz93qQ0
シンデレラ「私は空気だったけど、無事で何よりね」

雛苺「くんくーん!」

翠星石「くんくん!無事で良かったですぅ!」

真紅「・・・??」

水銀燈「アナタ、見えないの?」

真紅「ええ。何をやってるの??」

水銀燈「わからいでか」

くんくん「みなさん、無事でしたか!」

137: 2009/01/14(水) 23:28:57.32 ID:g9Cz93qQ0
雛苺「くんくんもシンデレラも遊ぶのー!ヒナのヒーローなの!」

真紅『どうでもいいけど、そろそろ体にもどしてくれない?私はくんくんで分離したの』

雛苺「あ、はーいなのー!」

ズキュン!

真紅「・・・戻れたわ。ありがとう、くんくん」

くんくん「お安い御用です!」

JUM「ドッと疲れたな・・・」

雛苺「それじゃあ改めて、遊ぶのー!!」



シンデレラ「そういう訳にも行かないみたいね・・・」

くんくん「ええ・・・時間ですね」

140: 2009/01/14(水) 23:33:11.08 ID:g9Cz93qQ0
雛苺「え・・・何を言ってるの?」

翠星石「くんくんとシンデレラの体が!」

水銀燈「消えていく!?」

ギャンギャンギャン!!

くんくん「どうやら『ボヘミアン・ラプソディ』が解除されるようですね」

シンデレラ「私たちはここまで。お話のなかに戻るの」

雛苺「い、いやなの!まだ遊んでないの!」

真紅「雛苺・・・」

雛苺「もっと一緒にいたいの!ダメ、帰っちゃダメなのーー!!」

141: 2009/01/14(水) 23:37:10.59 ID:g9Cz93qQ0
くんくん「雛苺君、いや・・・マスター」

雛苺「!!」

くんくん「貴女が書いてくれたから私は生まれた。そして貴女達を救うことができた。
それだけで私は幸せです・・・くんくん!」

シンデレラ「氏ぬわけじゃないのよ、雛苺。また会えるわ。話の中に、いつまでも・・・」

雛苺「う・・・うぅ・・・!!」

シンデレラ「さようなら!」

くんくん「お元気で!くんくん!!」

ギャンギャンギャンギャンギャンギャンギャン!!



雛苺「うぇぇ・・・うわぁぁぁぁん・・・!!」

142: 2009/01/14(水) 23:41:10.94 ID:g9Cz93qQ0
――――・・・

突然全ては元に戻りました
事件はあっけなさすぎる結末を迎えました・・・

雛苺「・・・あったの、これなのよ・・・」

真紅「これがさっきのくんくん・・・」

水銀燈「いつもの落書きじゃないのぉ」

翠星石「なんでこれがくんくんになるんですかぁ??」

JUM「それだけ思いを込めた描いたんだろ、雛苺?」

雛苺「うん・・・そうなの。くんくんはヒナのヒーローなのよ・・・」

143: 2009/01/14(水) 23:48:23.40 ID:g9Cz93qQ0
真紅「あら、DVDのくんくんも戻ってるのだわ」

翠星石「絵本のシンデレラも戻ってるですぅ!」

水銀燈「一件落着ってとこねぇ」

JUM「じゃあ早速くんくんでも見たらどうだ?それが目的だったんだろ??」

真紅「そう言えばそうだったわね。JUM、紅茶を淹れて頂戴」

翠星石「早くするですぅ!」

JUM「何だと!?僕だってさっきまで大変だったんだぞ!!」

ワーワーギャーギャー・・!!!

雛苺「ありがとうなの・・・くんくん、シンデレラ」


なお、「ピノキオ」だけが復活してこないという情報が・・・
今入ってきた情報ですが、「白雪姫」のラストもおかしくなっているという事です・・・

おしまい

145: 2009/01/14(水) 23:49:27.34 ID:Sw7xIywY0

150: 2009/01/14(水) 23:53:02.36 ID:g9Cz93qQ0
最後の方が駆け足になった。申し訳ない!
翠星石試練編も着々書きため中・・・

引用: 真紅「くんくんが消えた・・・!?」