96: 2013/01/15(火) 21:06:17.55 ID:CKufpbUs0
―――
最初から:モバP「あー、今年も帰省楽しかったなー。早く帰って仕事しなきゃ」

前回:ちひろ「意識不明重体ドッキリ!」モバP「諸星きらり編」


P「ようやく解放されました」

ちひろ「お疲れ様です」

P「なんか、腕に違和感あるんですけど、気のせいですよね?」

ちひろ「ぱっと見てなんか腕が凹んでるように見えるけど、気のせいでしょうね」

P「……」

ちひろ「……」

P「もうやめませんか? こんな不毛なこと……」

ちひろ「いや、続けます」

P「……何が貴女をそこまで突き動かすんですか……!!」

ちひろ「さて、なんでしょうねえ。ところでプロデューサーさん」

P「はい?」

ちひろ「ご要望、ありますか?」

P「……出来れば、実害の無さそうな子で」

ちひろ「了解しました」

104: 2013/01/15(火) 21:12:04.56 ID:CKufpbUs0
ちひろ「~~~~♪ ~~~~~~♪」

P「……で、誰になりそうですか?」

ちひろ「ここはちょっと、これを使わせていただこうかと」

P「これ、って……俺の仕事用の携帯、ですか?」

ちひろ「はい! これで電話かけてきた回数が50回くらいの子にメール送ってみようかなぁと」

P「100回、って……一人で50回電話かけてきたのが居るんですか!?」

ちひろ「多い子だと一人で200回くらいかけてきてますよー」

P「うわぁ……なんだろう……今から嫌な予感が……」

ちひろ「よし、出来た! 送信!!」

P「で、誰なんです? まあ、だいたい見当付きますけど……」

ちひろ「……」

          すっ……

          【宛先:輿水 幸子
           件名:プロデューサーさんが
           本文:幸子ちゃんの名前をうわ言で呼んでるの
               ○×病院に来て                 】

P「……えっ、幸子?」
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 第3巻 [DVD]
108: 2013/01/15(火) 21:17:14.09 ID:CKufpbUs0
ちひろ「あれ、意外そうですね」

P「いや、そういうキャラじゃないでしょ、あいつ」

ちひろ「見た目じゃわからないもんなんですよ、女の子って言うのはー……あ、返信来た」

P「はぁ……じゃあ俺、部屋に戻ってますね……」

ちひろ「いや、ちょっと待ってください、プロデューサーさん!」

P「どうしました?」

ちひろ「これ、これ!!」

          【送り主:輿水 幸子
           件名:Re:プロデューサーさんが
           本文:いやです                 】

ちひろ「拒否です」

P「……」

ちひろ「拒否です」

P「言わないでください、見えてますから」

ちひろ「たった4文字です、しかも拒否です」

P「い、いわな、言わないで……心が、心が折れるからぁ……!!」

117: 2013/01/15(火) 21:24:34.51 ID:CKufpbUs0
ちひろ「とりあえず、私、幸子ちゃんに電話してきますね。
     拒否されたけど、ひっかけると決めた手前、まずは呼びださないといけませんから。拒否されたけど」

P「……やめてぇ……許してぇ……!」

ちひろ「じゃあ、プロデューサーさん、念のために横になっててくださいねー」

P「……もうやだ……」

―――

              trrrrrrr  trrrrrr

              trrrrrrr  trrrrrr

                                pi!

幸子{……なんですか}

ちひろ「あの、幸子ちゃん……さっきのメールの件だけど……」

幸子{いやです}

ちひろ「……なんで嫌なの? プロデューサーさん、幸子ちゃんの名前、ずっと呼んでるのに……」

幸子{……どうせ、千川さんのことだから、ボクをドッキリにでもハメようとかそんなこと考えてるんでしょう? お見通しですよ}

ちひろ「えっ」

126: 2013/01/15(火) 21:33:14.18 ID:CKufpbUs0
幸子{そうだ、そうに決まってる……そうじゃなきゃおかしいですもん!
    あんな、ダンプにはねられてもそのまま平然と歩きだしそうな人が、か、か、階段から落ちたくらいで、意識がない、なんて!!!}

ちひろ「幸子ちゃん……辛いのは分かるけど……でもね」

幸子{ありえません! あの人に限ってそんなこと、絶対にないです、い、い、言い切れますもん!!}

ちひろ「お願い、幸子ちゃん……今、プロデューサーさんの力になってあげられるのは、幸子ちゃんだけなの……」

幸子{……}

幸子{……です、か……}

ちひろ「へ……?」

幸子{……認めなきゃ、いけないじゃないですか……}

ちひろ「……」

幸子{そっちに行っちゃったら!!! プロデューサーさん、プロデューサーさんが、もう、起きないかもしれないって!!!
    ずっと、起きないかも、起き、グスッ、起きないかもしれないって!! 認めなきゃいけないじゃないですか!!!}

ちひろ「……幸子ちゃん……」

幸子{プロデューサーさんは、事故になんかあってないんです!! 電話に出られないのだって、どうせまた警察に任意同行されてるだけとかで!!!
    こうやって、じ、事務所で、グスッ、事務所で待ってたら!!! 『おはよう幸子』って!!! 『さっさと仕事行くぞ』って、いつもみたいに、のこのこ来るはずです!!!}

ちひろ「……」

幸子{……来る、はずなんです……来るに、決まって……ヒグッ……}

132: 2013/01/15(火) 21:43:11.99 ID:CKufpbUs0
ちひろ「……」

幸子{……騒いじゃって、ごめんなさい……でも、ボク、行けません}

ちひろ「そう……それで、後悔しないのね?」

幸子{……}

ちひろ「貴女がそこに居るのを止める権利なんて、私にはないでしょうけど……これだけは言っておくわね。
     確かにプロデューサーさんは貴女の名前を呼んだわ。他の誰でもない、貴女の名前を」

幸子{……ッ……}

ちひろ「……それじゃあ、お疲れ様。幸子ちゃん……」

幸子{……卑怯です……千川さんは、卑怯者です……}

幸子{そんなこと言われたら、行かないわけにはいかないじゃないですかぁ……!!}

                  プツッ!    ツ―――…… ツ―――……

ちひろ「……」

ちひろ「……生憎、卑怯もらっきょうも大好物ですから♪」

              がちゃっ

ちひろ「プロデューサーさーん、幸子ちゃん来ますよー!」

P「本当ですか!? それ嘘だったら本当に再起不能になりますよ!? 信じますからね!?」

144: 2013/01/15(火) 21:52:33.69 ID:CKufpbUs0
―――

             がちゃっ……

幸子「……」

P「……」

幸子「なに、やってるんですか」

P「……」

幸子「カワイイボクが来たのに、なにノンキに寝っ転がってるんですか」

P「……」

幸子「もうとっくに仕事の時間なのに、なんでまだ寝てるんですか……!」   ポロポロ

P「……」

幸子「で、でも、今日は特別に、許してあげますよ!! 慈悲深いボクに感謝してくださいねっ!
    感謝したら、さっさと起きて、お礼の一つでも言ってくださいよ!! カワイイボクを待たせる気ですか!!」   ポロポロ

P「……」

幸子「……なんで」

P「……」

幸子「なんで、何も言ってくれないんですか……プロデューサーさん……?」  ポロポロ   ポロポロ

151: 2013/01/15(火) 22:01:14.81 ID:CKufpbUs0
幸子「……グスッ……」

                 ごしごし!!

幸子「なんですか、今度は天国に行って、天使でも連れてくるつもりですか!」

P「……」

幸子「天使のアイドルなんて言ったって誰も信じませんよ。プロデューサーさんは筋金入りのおバカさんですね!」

P「……」

幸子「……それに、言っときますけど、天国に行ったって、ボクよりカワイイ天使なんて居ませんよ?」  ポロポロ

P「……」

幸子「だから、無駄なことはやめて、さっさと帰ってきてくださいよ……」  ポロポロ

P「……」

幸子「……ボクのプロデューサーさんは、貴方しかいないって、言ったじゃないですかぁ……」  ポロポロ

                     pipipi!

P「……ち、こ……」

幸子「へ……?」

P「……さ……ち……こ……」

155: 2013/01/15(火) 22:09:42.46 ID:CKufpbUs0
幸子「……こんな状況で、ホントに名前なんて呼ばないでくださいよ……」   ポロポロ

P「……幸、子……」

幸子「……喜んでいいのか、悲しんでいいのか、分かんないじゃないですかぁ……」   ポロポロ

P「……」

幸子「そんなことも、グスッ、わからない、なんて、本当に、プロデューサーは、ボクが、いないと、駄目ですね!」  ポロポロ

P「……」

幸子「……だ、黙らないで、くださいよ……!! 名前、呼んでもいいから……!!」   ポロポロ

P「……」

幸子「プロデューサーさんなら、ヒグッ、許しますから! カワイイボクの名前、呼ぶの、グスッ、呼んで、ヒッ、呼んでくださいよぉ!」  ポロポロ

           コンコン! コン! コンコン!

P「幸子ォァ!!!」

幸子「ひぃえぇっ!?」

             がばっ

                      ぎゅーっ!!!

幸子「え、えっ、えっ!?」

160: 2013/01/15(火) 22:16:45.40 ID:CKufpbUs0
P「幸子ぉ!? おお、幸子!!!」

幸子「えっ……えっ!? プロデューサー、さん……!?」

P「クソッ、ミカエルちゃんの勧誘失敗した!! 天使系アイドル、絶対売れると思ったのに!!!」

幸子「プロデューサーさん……プロデューサーさん!!!」  ポロポロ

P「ん、なに泣いてんだ、お前」

幸子「な、なっ、泣いてなんか、ない、ですよ!!! ボクが泣くなんてありえないじゃないですか!
    寝起き早々、寝ぼけたこと、グスッ、言わないでくださいよ、プロデューサーさん!!!」   ポロポロ

P「お、そうか」

幸子「まったく、本当に、気が効かない、人、グスッ、人ですね!!! 起きるなら起きるで、もう少し、もう少し早く……!!」   ポロポロ

                 ぎゅーっ!!!

P「幸子」

幸子「ぐすっ……はい?」  ポロポロ

P「ただいま」

幸子「……ッ、お、遅いですよ、プロデューサーさん! ボクを、ボクをどれだけ、ま、待たせれば!!」   ポロポロ

P「そうかそうか」

         ぽんぽん

165: 2013/01/15(火) 22:22:00.21 ID:CKufpbUs0
P「ところでだ、幸子」

        ごしごし

幸子「ん……なんですか?」

P「お前、あれ、読めるか?」

幸子「なんです? ボクに迷惑かけずに自分で読めば……」

          【  ド ッ キ リ  大☆成☆功 】

幸子「……」

P「なぁ、読んでくれよ」

幸子「……あ、ああああああ」

         わなわなわなわな……

P「お、どうした幸子? また泣いてるのか?」

ちひろ「あら、大変! ほら、プロデューサーさん、胸貸してあげないと」

P「そうだな、よしこい幸子!!!」

               ドグチァッ!!!

P「ウゲェ―――ッ!!!」

187: 2013/01/15(火) 22:33:38.69 ID:CKufpbUs0
―――

P「まさかあんな追い詰められた正義超人みたいな声が出るとは思いませんでした」

ちひろ「すごかったですね、どこからあんな声出たんですか?」

P「ちょっと研究してみますよ」

ちひろ「出せるようになったら教えてください……さて」

P「……まだ、やるんですか?」

ちひろ「えっ、やらないんですか?」

P「正直、顔、腕、腹とかなりのダメージ立て続けに喰らっててすでに満身創痍なんですよね」

ちひろ「そろそろ本当に入院しますか? なんちゃって♪」

P「洒落になんないです」

ちひろ「ジョークですよ、ジョーク!」

P「洒落になんないです」

ちひろ「それじゃあ次は、誰にしましょうかね?」

P「えっ、今の話の流れでまだやるんですか? 俺暗に『やりたくない』って伝えましたよね!?」




引用: モバP「あー、今年も帰省楽しかったなー。早く帰って仕事しなきゃ」