696: 2013/01/16(水) 18:03:19.37 ID:hEuXwz8y0
―――
最初から:モバP「あー、今年も帰省楽しかったなー。早く帰って仕事しなきゃ」

前回:ちひろ「意識不明重体ドッキリを始めた理由・・・ですか?」


P「それで、次は誰にするんです?」

ちひろ「次も変化球で行きますか」

P「変化球、っていうのは?」

ちひろ「あ、プロデューサーさん、黙ってくれます? 今から電話かけるので」

P「えっ、ごめんなさい……」

             pipopapopipipi!

P「……」

         trrrrrrrr!     trrrrrrrrr!

ちひろ「……」

                         pi!

ちひろ「あ、もしもし……私、アイドル事務所『シンデレラ・コーポレーション』の千川です。
     はい……はい、お世話になっています……はい……」

P(この姿勢の低さ、メールじゃなくて家電か……? と、いうことは、携帯持ってないメンバーか……)

ちひろ「はい……それで、お嬢さんに少しお話が……はい、よろしくお願いします」

P(さて、誰が来るかな)
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 第3巻 [DVD]
701: 2013/01/16(水) 18:09:52.36 ID:hEuXwz8y0
―――

P(結局教えてもらえなかったな……誰なんだ一体……)

        がちゃっ

P(お、来たか……)

                ぽひっぽひっぽひっぽひっ

P「……」

仁奈「プロデューサー、おはよーごぜーます!!」

P「……」

ちひろ「それじゃあ仁奈ちゃん、私はお母さんたちと話してるから、プロデューサーさんの方、お願いね」

仁奈「任せやがってくだせー!!」

                         キィ……  バタン

P「……」

仁奈「プロデューサー! お久しぶりでごぜーます!! プロデューサーが事務所にこないから、仁奈の方から来ちゃいました!!」

P「……」

仁奈「もう! 折角仁奈が来たっていうのに、プロデューサーはそーとーお寝坊さんでやがりますね」

707: 2013/01/16(水) 18:19:07.81 ID:hEuXwz8y0
仁奈「あんまり寝てばっかりだと、牛さんになっちまいますよー」

               ぺしぺし

P「……」

仁奈「プロデューサーが牛になっちまうと、雫おねーさんと仁奈とプロデューサーでキグルミ牛さん一家に……いいかもしれませんね!」

P「……」

仁奈「むむむ、どうしちまったんですか、プロデューサー?」

                ぺしぺし

仁奈「……だめですか……だったら!」

                 ぐにぐに

仁奈「ふっふっふ、これ以上変な顔にされたくなかったら、さっさと起きるのが一番でやがりますよ~?」

P「……」

仁奈「……起きねーですねえ……あ……もしかしてプロデューサー、クマの気持ちになって一人で冬眠ごっこしてやがるんですか?
    ふっふっふ、やっぱり、プロデューサーはクマみたいな格好してるから、いつかは冬眠するんじゃないかって思ってたんです!」

                      もぞもぞ

仁奈「仕方ねーから、今日は仁奈も一緒に冬眠ごっこしてあげますよ! えへへー♪」

P「……」

709: 2013/01/16(水) 18:28:24.83 ID:hEuXwz8y0
仁奈「……」

P(もしかして、仁奈……『意識不明の重体』とか『昏睡状態』とかの意味がそもそも分かってないのか?)

仁奈「……んー……ぽかぽかで、気持ちいいですねぇ……♪」

P(今の俺はただぐっすり寝てるだけ、としか思ってないんだろうな……仁奈の奴……
  これはさすがに、ちひろさんの作戦負けだな……よかったよかった)

          がちゃっ

P(ん?)

ちひろ「仁奈ちゃん……あら? 仁奈ちゃん?」

仁奈「……」

ちひろ「仁奈ちゃん、どこに行ったのかしら……あら?」

仁奈「……ふっふっふ、ちひろおねーさん、かくれんぼです! 仁奈がどこに居るか当ててみてくだせー!
    プロデューサーは仁奈がここに居るって教えちゃめーっ! ですよ!」

P「……」

ちひろ「なんだ、そこにいたのね……ほら、出てきて」

仁奈「わわわ、見つかっちまいました!! プロデューサー、助けてくだせー!」

P「……」

713: 2013/01/16(水) 18:38:25.03 ID:hEuXwz8y0
仁奈「……むー……今日のプロデューサーは寝てばっかでつまんねーです!」

ちひろ「……仁奈ちゃん……」

P「……」

仁奈「顔引っ張っても、叩いても起きねーなんて、そーとー疲れてたんでしょうねぇ。
    仁奈、今日はジャマしないようにお家に帰ります!」

ちひろ「……違うのよ、仁奈ちゃん……」

仁奈「へ?」

ちひろ「……もう、グスッ……もう、ね……プロデューサーさんはね……起きないかも、知れないの……!」   ポロポロ

P「……」

仁奈「起きねーんですか? まったく、仁奈も一人で起きられるのに、プロデューサーはダメダメですね」

ちひろ「……プロデューサーさんね、仁奈ちゃん……これから、ずっと眠ってるかもしれないの……」

仁奈「……えっ?」

ちひろ「……プロデューサーさん……これから一回もね、起きないかもしれないの……明日も、明後日も、来週も、その次も、一か月後も、一年後も、ずっと……」  ポロポロ

仁奈「……一回も……?」

ちひろ「……グスッ……そう、ずっと、ずっと、眠ってるかも、しれないの……!」  ポロポロ

P(うわぁ……最悪なことし始めやがった……)

723: 2013/01/16(水) 18:46:10.27 ID:hEuXwz8y0
仁奈「そ、そんなはずねーですよ!! だって、杏おねーさんとかもいーっぱい寝てるけど、きちんと起きてますよ!?」

ちひろ「……」  ポロポロ

仁奈「そ、それに、プロデューサーは、クマの気持ちになって、冬眠してるだけかもしれねーですし!
    仁奈、雫おねーさんに聞いたんです! クマは、冬眠っていって、冬の間ずーっと寝てるって……」

ちひろ「……仁奈ちゃん!」  ポロポロ

                ぎゅーっ!!

仁奈「……っ!」

ちひろ「プロデューサーさん、ずっと仁奈ちゃんのこと呼んでたの……
     眠ったままで、動くことも、喋ることもできないけど、仁奈ちゃんの名前を、ずっと呼んでたの……!」  ポロポロ

仁奈「……」

ちひろ「お願い……傍に居てあげて……!! それが、プロデューサーさんのためでも、仁奈ちゃんのためでもあるから……!!」  ポロポロ

仁奈「……ちひろ、おねーさん……」

―――

―――

P「……」

仁奈「……」

726: 2013/01/16(水) 18:56:39.43 ID:hEuXwz8y0
仁奈「……嘘、ですよね?」

P「……」

仁奈「冬眠、してるんですよね? これからずっと起きねーなんて、そんなの、おかしーですもんね?」

P「……」

仁奈「……」

P「……」

仁奈「……これからずっと起きねーなんて、そんなの、仁奈、いやです……」

P「……」

仁奈「だって、だって! 今日着てきた新しいキグルミも見てほしいし! 学校のこととか、お仕事のこととか、プロデューサーとお話したいことだっていっぱいあるし!
    それに、それに、仁奈のこととか、プロデューサーのこととか、キグルミのこととか、お話したいこと、いっぱいあって!!」

P「……」

仁奈「グスッ……やー、ですよぉ……」

P「……」

仁奈「起きないなんて、やーですよぉ……グスッ……起きて、くだせー、プロデューサー……!」   ポロポロ

P「……」

仁奈「ぷろでゅーさー……ぷろでゅーさー……!!!」  ポロポロ

730: 2013/01/16(水) 19:05:08.61 ID:hEuXwz8y0
          pipipi!

P「仁……奈……」

仁奈「っ!!」

P「……仁、奈……」

仁奈「……っ!!!」
                    ぽひぽひぽひぽひ!
                                    がちゃっ!
仁奈「ちひろおねーさん!!」

ちひろ「……なぁに、仁奈ちゃん?」

仁奈「プロデューサー、やっぱり起きねーなんてねーですよ!!
    だって、今、仁奈の名前呼びやがりましたもん!! きっと、すぐ起きるはずなんです!!」

ちひろ「……」

仁奈「すぐ起きるはずなんですよ! ちょっとお寝坊なだけで、すぐ起きるんです!! 見ててくだせー!!」

              ぽひぽひぽひぽひ!
                                  ゆさゆさ!

仁奈「ほら、プロデューサー、もうお昼でやがりますよ! さっさと起きねーと、お昼ご飯、食べられねーですよ!!」

ちひろ「……仁奈ちゃん……」

仁奈「ほら……起きねーと、ダメですよぉ……! お昼ご飯、食べられないし……お仕事も、できないし……仁奈、仁奈が、寂しくて氏んじゃいますよぉ……!!」  ポロポロ

733: 2013/01/16(水) 19:15:25.00 ID:hEuXwz8y0
ちひろ「……」

仁奈「……仁奈、一緒に居るの、嬉しくて、好きだから、グスッ、プロデューサーが起きねーと、さ、寂しくて、氏んじゃいますよぉ……!
    早く、早く起きてくだせー……グスッ……起き、起きるの、分かって、ヒグッ……」  ポロポロ

P「……」

仁奈「わ、かって……グスッ、わ、ぁ、ぁぁぁぁ……ああああぁぁぁぁぁ……」   ポロポロポロポロ

P「……」

仁奈「やだぁぁぁぁ……こ、こ、ヒッ、こん、や、あっ、ぁぁぁぁあああああ!!!! ぐしゅっ、や、グスッ、や、だぁぁぁぁあああ!!!」  ポロポロポロポロ

ちひろ「……」

                     コンコン! コン! コンコン!

P「……」

         がばっ!            ぎゅーっ!!!

仁奈「……ッ、ぁ……ぁっ……」   ポロポロポロポロ

P「仁奈、おはよう」

仁奈「ぷ、ぷろりゅーさぁ……!!! ぷろでゅ、さ、起きな、お、起き……っ!」  ポロポロポロポロ

P「うん、大丈夫。ちゃんと起きたから」

              ぽんぽん       なでなで

738: 2013/01/16(水) 19:21:48.46 ID:hEuXwz8y0
―――

仁奈「……すぅ……すぅ……」

P「泣き疲れて寝ちゃいましたね」

ちひろ「いやぁ、すっごくゾクゾクしましたね!」

P「お前精神状態おかしいよ……」

ちひろ「仁奈ちゃんまだ○年生だから、もしかしたら説明しても伝わらないかもって思ってたんですけど……
     意外と何とかなるもんですね!! これなら他の最年少組も……」

P「最年少組はやめてください、罪悪感で俺の胃が持ちません」

ちひろ「ちぇっ」

P「……ところで、一ついいですか、ちひろさん?」

ちひろ「はい、なんでしょう?」

P「『ドッキリ』については、仁奈にどう説明するつもりですか?」

ちひろ「……」

P「……」

ちひろ「じゃあはい、次行きましょう、次!! 仁奈ちゃん、別のベッドで寝かせてきますねー!」

P「……はぁ……」

742: 2013/01/16(水) 19:26:57.92 ID:hEuXwz8y0
ちひろ「さーて、それじゃあ気合い入れていきましょう!!」

P「……」

ちひろ「次のターゲット、誰にします?」

P「……もう、誰でもいいです。なんか、誰に当たっても嫌な予感しかしないんで……」

ちひろ「じゃあまたまたランダムで、えーいっ!」



引用: モバP「あー、今年も帰省楽しかったなー。早く帰って仕事しなきゃ」