601: 2015/01/20(火) 09:14:00.99 ID:4m7Hu88t0
・吹雪改二『成長』、投下します

前回はこちら


602: 2015/01/20(火) 09:14:28.66 ID:4m7Hu88t0
 外からは明るくはしゃぐ駆逐艦娘の声や、砲撃音、怒鳴り声が聞こえてくる陽気な昼下がり。改二になったことを執務室に報告に来た吹雪は、急な事態に目を白黒させていた。

(改二になってすぐに来たからシャワーとか浴びてないし汗臭かったり燃料とかの臭いしないかな最近食べ過ぎてたしお腹回りとか大丈夫かなって司令官の息が首筋に当たってる~!?)

「――吹雪」

「ひゃ、ひゃいっ!?」

「改二になっても、全然変わってないな」

「っ……期待外れ、でしたか……?」

 緊張で強張っていた吹雪の身体を、今度は不安が縛り付ける。提督が何かしらの変化を求めていたのだとしたら、それに応えるだけの変化が自分にあったとは、彼女には到底思えなかった。
 その感情の機微を察して、彼は吹雪を抱く手の力を強める。

「悪い、言い方がまずかった」

「司令、官?」

「背が伸びても、改二になっても、吹雪は吹雪だなと思ったんだ」

「それだと、私がいつまでたっても成長してないみたいです……」

「成長は……してると思うぞ、うん、色々と」

 非難がましい声をあげる吹雪に、声を上擦らせながら提督はフォローを入れる。実際、肩越しに見える胸部装甲や太股に感じるふっくらとした感触は、肉体面の成長を感じさせた。

「確かにあまり目立った性能の向上も無いですし、待機組の人には逆立ちしても勝てないし、料理はまだたまに失敗するし、お腹回りも――」

「待て、後半関係無いぞ。それにウェストは気にするほどじゃない」

「お、お腹は触っちゃダメですー!」

 コロコロと表情を変える吹雪。根が真面目で、少し抜けていて、頑張り屋で、とても優しい少女――ではなく、女性だ。

「――吹雪は、そのままで居てくれ」

「司令官って、ふくよかな女性が好みのタイプだったんですか……?」

「どこをどう聞いたらそうなる、腹摘まむぞ」

「だからお腹はダーメーでーすー!」

 頬を膨らませて抗議する、もう見馴れた、それでいて飽きない初期艦の横顔。その横顔を眺めながら、今までに何度も胸の中で言葉にしていたものが、提督の口から溢れ落ちた。




――――お前が初期艦で、本当に良かった。
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 艦娘型録
609: 2015/01/20(火) 23:31:11.84 ID:4m7Hu88t0
・那珂ちゃん&ぬいぬい『・・・沈め!』、投下します

ジャングルはいつも那珂のちぬい

610: 2015/01/20(火) 23:31:37.78 ID:4m7Hu88t0
――――???

「ここで、こう……難しいわね」

「あっ、ぬいぬいちゃん。何やってるのー?」

「あっ・・・沈め!」

 不知火のめくりからの手刀、miss!!

「ぬいぬいちゃん、その照れたり恥ずかしかったりした時についつい攻撃しちゃう癖は治した方がいいと思うなー」

「~~っ!?」

 那珂ちゃんのデコピン、Critical Hit!!

 不知火は蹲り、涙目で立ち上がることが出来ない!

「それで、何してたの?」

「れ、練習を……」

「練習?」

 ――『皆、ありがとー!』

(――これってもしかして、那珂ちゃんとってもラッキー?)

611: 2015/01/20(火) 23:32:05.55 ID:4m7Hu88t0
「ぬいぬいちゃん! まずは笑顔の練習だよ!」

「笑顔……こう、ですか?」

 不知火の作り笑い攻撃!

 那珂ちゃんはアイドルスマイルで受け流しに成功!

「えーっとぉー、ぬいぬいちゃん、それだとちょっと見た人がちょっと驚いちゃうなー」

「不知火の笑顔に、何か落ち度でも……?」

「不敵な笑みって言葉がすっごく似合うと思うよ、さっきのぬいぬいちゃんの笑顔」

「やはり、不知火には無理なのでしょうか……」

「大丈夫だよ、ぬいぬいちゃん! 那珂ちゃんが絶対ぬいぬいちゃんスマイルを完成させてみせるから!」

「――はい、ご指導ご鞭撻、よろしくです」

612: 2015/01/20(火) 23:32:35.06 ID:4m7Hu88t0
「自分の大好きな人の顔を思い浮かべて!」

「……」

(ぬいぬいちゃん、提督の前でも基本無表情なんだー……)




「テヘペロスマイルー」

「てへぺろ」

「――よし、次いってみよー」

「不知火のてへぺろに、何か落ち度でも……?」

「ペ口リと食べられそうな雰囲気の眼力をテヘペロスマイルで発揮しちゃダメかなー」




「笑顔を顔のパーツ毎に完成させてみよー」

「ここをこうして、ここを、こう――どうでしょうか」

「うん、ジャングルでお腹の中に人を飼ってる女の子の笑顔にすっごく似てるね!」




「こちょこちょこちょこちょ~」

「あの、これが笑顔にどう繋がるのでしょうか?」

「ぬいぬいちゃんにはこちょぐり効かなかったかー……」

613: 2015/01/20(火) 23:33:01.85 ID:4m7Hu88t0
――――三日後。

「――で、ぎこちなくはあるが笑顔らしきものを作れるようになったと」

「那珂ちゃんの鎮守府オールスターライブへの道の第一歩だよ!」

「何て事考えてんだよお前は……」

「司令」

「ん? どうした不知火」

「いつかは満面の笑みというものをお見せできるよう、これからも日々鋭意努力します」

「あー……まぁ、無理しない程度にやれ。努力するというなら止めはしない」

「はい」




――――陽炎は知ってるのか? 不知火の笑顔修行。

 ――――あぁアレ? 知ってるけど何?

――――寝ぼけた不知火。

 ――――たまに笑ってるわね。

――――……自覚してないと笑うんだよな、アイツ。

 ――――今度スマホで撮ってみて、撮れたら送るわ。

――――頼んだ。

633: 2015/01/21(水) 17:22:51.78 ID:+RW8bvdw0
――――工廠。

(艦載機イッパイ……レップウ、アルカモ……)

 少しずつ生活圏が人里(鎮守府)に近付いてきた北方棲姫。今日は偶然見付けた工廠の中にある艦載機保管所に遊びに来たようです。

「ゼロ……テンザン……スイセイ……レップウ!」

 早速お目当てのオモチャを見付けました。嬉しそうに駆け寄ります。

「――めっ! ダメでしょ、勝手にここへ入ったら」

「ッ!?」

 おっと、運悪く整備に来た飛龍に見付かってしまいました。まだまだ警戒心が強い北方棲姫、自分の艦載機を飛ばして威嚇します。

(参ったなぁ、怪我させたら長門がうるさそうだし……)




「――それ、飛ばしたいの?」

634: 2015/01/21(水) 17:23:17.56 ID:+RW8bvdw0
――――工廠横、実験スペース。

「ここでなら好きに飛ばしてもいいってさ」

「イイ、ノ?」

「流石に市街地とかに飛ばしたら撃墜するけど、この付近ならいいわよ」

「……」

 烈風を抱えた北方棲姫。長門に続き飛龍にも優しくされ、戸惑っています。
 ここより遠くの海で目を覚まし、ここに来るまでにたくさんの辛い目に遭いました。
 でも、ツリーの星は綺麗で、ご飯は温かく、冷たく閉ざした心を溶かし――そして、思い出させます。




(――タノシイ、ウミ)

635: 2015/01/21(水) 17:23:44.99 ID:+RW8bvdw0
――――提督執務室。

「――艦載機の整備が必要無くなった?」

「空母の方々全員がそう仰ってましたし、本当に必要無くなったみたいです」

「まぁ助かるには助かるが、お前的にはどうなんだ?」

「ぶっちゃけちゃうと、管理の手間が省けて大助かりですね」

「……メカ弄りも程々にな」

「はーい」




――――オ菓子、オイテケ。

 ――――はいはい、艦載機の整備ご苦労様。

――――飛龍、今日モレップウ飛バシタイ!

 ――――じゃあ今日は蒼龍と三人でアクロバット飛行やろっか。

――――ヤル!

 ――――(無事馴染めたか……さて、警備に戻るとしよう)




 北方棲姫のほっぽちゃんが艦載機保管所に住み着きました。

650: 2015/01/21(水) 21:13:58.28 ID:+RW8bvdw0
・飛鷹『酔った勢い』

・翔鶴『瑞鶴の1日』

・鳥海&摩耶『以前のまま』

・19『色々な艦娘をマッサージなのね』

・弥生&早霜『……』

・古鷹&青葉『誤解』

以上六本でお送りします

また次受け付ける時は考えます…

652: 2015/01/22(木) 00:17:23.78 ID:l5+SF6iI0
・飛鷹『酔った勢い』 、投下します

鳳翔さんのお店に鯛を抱えた男の像が増えました

653: 2015/01/22(木) 00:17:54.42 ID:l5+SF6iI0
――――居酒屋鳳翔。

「――はい、作っておきましたよ」

「すいません、鳳翔さん……」

「いえ、いいんですよ。私も色々な料理を作るのは楽しいですから」

「これを頼んだのは飛鷹なんだろ? 何で俺が付き合う必要があるんだ?」

「あら、私のお店に来るのはお嫌ですか?」

「そういう意味じゃないから包丁を持ちながらこっちを向くな、意図してなくても背筋が凍る」

「ふふっ、全く説明せずに連れてきたんですね」

「……例え酒の席とはいえ、約束しちゃったものは守るべきだし」

「とりあえず、何を隠しているかは後で聞き出すとして、食うか」

「はい、どうぞ」

「……いただきます」

「――鯛を使った似た様な料理を食べたことはあるが、これはまた少し違う味わいがあるな」

「好き嫌いはあるかもしれませんが、発酵させる類いのお料理よりは食べやすいと思いますよ」

「……」

「飛鷹、食べないのか? お前が食べたいって言い出したんだろ」

「……食べるわよ、食べればいいんでしょ!」

「(鳳翔、何でコイツ機嫌悪そうなんだ?)」

「(彼女、少しこういう料理苦手なんです)」

「(なら、何で食べたいなんて言い出したんだ……?)」

「――あっ、意外と食べれるかも」

「お酒、出しましょうか?」

「これに合いそうなの、お願いします」

「はい、すぐに出しますね」

「食わず嫌いはいかんぞ、お嬢様」

「いいでしょ、ちゃんと食べたんだから」

「それで、わざわざ俺を連れてきてまで食べさせたかった理由は何だ?」

「――七草粥」

「七草粥?」

「そ、七草粥。それと似たようなものよ」

「……どういう経緯でそういう話になったか聞きたいところだな」

「絶対に嫌」




――――風邪、引いたら怒るわよ。

 ――――努力はしてみる。

654: 2015/01/22(木) 10:25:05.67 ID:l5+SF6iI0
※アニメのネタバレが含まれます、ご注意下さい




「海に沈んだら髪が痛んじゃう! なーんちゃって――あら? 睦月ちゃん?」

「如月ちゃんが轟沈……如月ちゃんが轟沈……」

「睦月ちゃん!?」

「目からハイライトが消えてるっぽい!?」

「脚本書いた奴は誰だクマー!」

「素直に出てきたら許してやるにゃ」

「今回から脚本は外部委託だし私は無関係よ!?」

「那珂ちゃん的にもーちょっと暗いのはNGかな」

「見付かるようなドジ踏まないし」

「全員の練度が相当低くないと、こんな事態には……」

「望月、落ち着いて……」

「出番だけでもダルいってのに、何だよあの雑な轟沈!」

「あの予告だと私が空気読めて無さすぎデース!」

「全機撃墜を確認しないとかあり得ませんってばー!」

(私のアレの話は出なさそうねー)

(アレって、何なのでしょうか?)

「とりあえず、このブルーベリーを食べて皆落ち着くといいよ」

「北上さん、はいあーん」

「あーん」

「ブルーベリーを食べたのに、何で当てらんないのかしら」

「電、口の横についてるわよ?」

「あっ、ホントなのです……」

655: 2015/01/22(木) 10:25:32.69 ID:l5+SF6iI0
「芝居とはいえ、轟沈は避けるべきでは?」

「……過去のトラウマは乗り越えんといかんし、いつ誰が沈んでもおかしくなかったのは事実だ」

「長門さんはどこに?」

「陸奥と部屋に籠っておる。芝居とはいえ、自分の指揮の元で“駆逐艦”が沈むのはあやつにはちと酷な話じゃ」

「“艦”としても、“艦娘”としても、未だ完全には癒えない傷を抱えてる奴がうちには多い。この際全部吐き出させて、どうにかするのもいいかもしれん……とも思ったんだが、これはどうも良い影響は与えそうに無いな」

「――提督ならば、どうされましたか?」

「秘書艦に現場指揮を完全に任せて、あんな作戦をやらせるようなことはない。出撃した艦隊と通信が出来ない状況下であれば話は別だが、可能ならば提督が指揮して然るべきであり、長門に連合艦隊旗艦の経験があったとしてもさせていいものじゃない。艦隊編成や索敵にも問題がありすぎる、“艦娘”を“艦”として運用したにしてもお粗末という他無い」

667: 2015/01/23(金) 00:20:18.38 ID:ruan858s0
・翔鶴『瑞鶴との1日』 、投下します

とが抜けてた

668: 2015/01/23(金) 00:20:44.66 ID:ruan858s0
――――翔鶴型私室。

「瑞鶴、朝よ」

「んぅ……しょーかくねぇ、あとごふん……」

(もうっ、最近寒いからってなかなか起きないんだから……あっ、良いことを思い付いたわ)

「――あら加賀さん、瑞鶴に何か御用ですか?」

「かっ、加賀さん!? これはその何ていうか寒いから怠けてるとかそういうのじゃ――あれ? 加賀さんは?」

「おはよう、瑞鶴。朝御飯出来てるわよ」

「……翔鶴姉ぇ、その起こし方卑怯」

「普通に起こしても起きない瑞鶴が悪いんじゃない。ほら、顔を洗ってきて」

「はーい」




「今日のお昼は何が食べたい?」

「赤城さんがこの前連れてってくれたお店で食べたアレ、翔鶴姉ぇ作れる?」

「そうねぇ……材料は分かるし、試しに作ってみましょうか」

「やったー!」

「じゃあ鳳翔さんのところから卵とキャベツ、間宮さんに豚肉と粉を分けて貰ってきてもらえる?」

「翔鶴姉ぇは?」

「一応念のために作り方を知ってそうな二人に話を聞いてくるわ。どうせ作るなら美味しい物を食べたいでしょ?」

「うん、じゃあ行ってくるね」

「急いで卵を割っちゃダメよー?」

669: 2015/01/23(金) 00:21:11.30 ID:ruan858s0
「――もうそろそろかしら?」

「翔鶴姉ぇ、失敗しないでよ?」

「大丈夫よ瑞鶴、私も料理上手な方々には劣るけどそれなりに料理は――あっ」

「……二つに割れたよ、翔鶴姉ぇ」

「……フライ返しだと返すのが難しいのね、きっと」




「そういえば、翔鶴姉ぇって何で提督さんとケッコンカッコカリしたの?」

「――最初はね、瑞鶴を取られた気がして凄く憎かったの」

「うん、出会い頭に加賀さんと一戦交えたのは後にも先にも翔鶴姉ぇだけだからよく覚えてるよ」

「だって、あの時は加賀さんとも凄く親しそうにしてたし……」

「それでそれで?」

「あの後、落ち着いてから詳しい事情を説明されて、それからも時々提督や加賀さんに貴女がここに来てからどんな風だったかを聞いていたの」

「か、加賀さんは私のことを何て言ってたの……?」

「一貫して“手間のかかる子”って言ってたわ」

(口癖みたいになってるもんなー、アレ……)

「それでね、色々と話を聞いているうちに気付いたの。瑞鶴が二人を慕った理由と、二人と話すのを徐々に楽しんでいた自分自身に」

「加賀さんはすっごく厳しいし、提督さんも少しダメなところもあるけど、どっちも凄く良い人だもん」

「ふふっ、そうね。私と一緒に出掛けてるのに他の女性に目をやったり、蒼龍さんや第六駆逐隊の皆が行った場所に行こうとしたら露骨に避けようとしたり……」

「翔鶴姉ぇ、久しぶりに黒いの出てるから落ち着いて」

「あらやだ、ごめんなさい瑞鶴」

(特注品じゃなかったら握ってるあのマグカップ、割れてたんだろうなぁ……)

「――あっ、もうこんな時間。今から作ると中途半端だし、夕飯は間宮さんのところで食べましょうか」

「うん、賛成ー」




――――翔鶴、どうやった? うまく焼けたん?

 ――――え、えぇ……初めてにしては、多分……。

――――牛肉で焼いてもいけるから、今度試してみるとえぇよ。

 ――――(……焼くの、練習しようかしら)

678: 2015/01/24(土) 00:01:42.91 ID:ufUb6CfM0
――――鎮守府。

「二人とも、寒さに強いのね。それほど着込んでもないのに平気そうだし」

「高雄姉さんと愛宕姉さんに比べたら、確かに寒さには強いですね」

「あの二人が寒がりなんだよ」

「羨ましいわ、少し出るのにもちゃんと防寒しないと私には寒くて堪らないもの」

「私達なんかより薄着な方も居ますし、暑さ寒さの感覚も人それぞれですから」

「武蔵の姉御は冬でもサラシ一枚で平気で歩いてるしよ」

「確かにアレは見てるだけでも寒くなるわね……」

「でも、お陰で寒くても好きに服が着れるのは嬉しいです」

「年がら年中服に悩まなくてもいいってのは、確かに楽だよな」

「姉さんの場合、一緒に出掛ける相手が司令官さんの時しか服に関して悩みませんよね」

「別に悩んでねぇし、むしろ一番適当に――」

「その時の様子、こっそり撮影してありますよ」

「それは気になるわ、今見れるかしら」

「おまっ、バカ、鳥海っ!」

「へー、摩耶もこんな顔するのね」

「この時はずっと、スカートにするかホットパンツにするか悩んでました」

「クソがっ! 今すぐ消せ!」

「高雄姉さんと愛宕姉さんも、この動画持ってますよ?」

「なっ……悪いかよ、アタシが着る服で悩んだら」

「ふふっ、誰も悪いなんて言ってないわ――?」

 ――時津風、今日は何をしましょうか?

 ――とにかく外だよ外外~。

「……駆逐艦の子達も何人か、年がら年中薄着よね」

「こ、子供は風の子と言いますし……」

「流石にアタシ等も、あんな布みたいなの一枚でこの時期に外には出たくねぇな」




――――ウザい、こっち見んな。

 ――――断る。

――――ウザいっつってんだろ!

 ――――(今日は鳥海のコーディネートって言ってたな、グッジョブだ)

680: 2015/01/24(土) 12:33:36.88 ID:ufUb6CfM0
――――演習場。

「たっめしっ撃ち~たっめしっ撃ち~」

「足柄、気持ちは分からないでもないが、程々にしておけよ?」

「だって、久しぶりにみなぎってきてるんですもの」

(最近はすっかり大人しくなっていたが、“飢えた狼”は健在の様だな)

「試し撃ちが終わったら今日はカツカレーね。いっぱい揚げなきゃ」

「今夜ばかりは、私も司令官と一杯飲みたいものだ」

「那智姉さんは改二になってどんな感じ?」

「自分ではよく分からないのだが、凛々しくなったと皆が口を揃えて言ってくる」

「そう言われると確かにそうかも、今の那智姉さん、テレビで見た宝塚の男役みたい」

「それは喜んでいい表現なのか?」

「カッコいいって事だから、私は良いと思うわ!」

(……後で司令官にも聞いてみるとしよう)




――――那智姉さん、そういえば提督と夜戦ってよく聞くけど、アレはどういう意味なの?

 ――――……直接聞いてみたらどうだ? 私はそれについてはあまり話したくない。

――――? 何だかよく分からないけど、改二になった記念にしたいって言ってみるわ!

 ――――(司令官、悪いが自分でなんとかしてくれ)

689: 2015/01/24(土) 22:34:18.80 ID:ufUb6CfM0
・19『色々な艦娘をマッサージなのね』、投下します

690: 2015/01/24(土) 22:34:44.91 ID:ufUb6CfM0
――――鎮守府マッサージ店、魚雷屋。

「うぁ~気持ち良い~」

「秋雲、駆逐艦としてこのこり方はどうかと思うの」

「アタシだって好きで肩をこんなにガッチガチにしてるわけじゃないって。でも、描いてたら自然とこるんだよねー」

「ちゃんと座ったままでいいからストレッチするの。そしたらマシになるのね」

「ぅあ~い」

「秋雲、ちょ~っと痛いかもしれないけど、我慢するの」

「へ? ちょっ、いだだだだだっ!?」

「たまには目も休ませてあげなきゃダメなのね」

(目、目の奥に突き抜けるような痛みが……)

「はい、後は仕上げをしたら終わりなの、またのご来店をお待ちしてるのね」

「あ……あい……」




 次はマッサージネタを描こう、そう心に決めながら蕩ける秋雲であった。

691: 2015/01/24(土) 22:35:12.13 ID:ufUb6CfM0
「千歳さんも結構肩が凝ってるの」

「そうなのよ、姿勢と寝方が悪いのかしら」

「千歳さんの場合、それだけじゃないと思うのね」

「あっ、そこ、気持ち良い……」

「ここを~こうなのね」

「んっ……千代田が私の腕を枕にしてるから、特に左側がこりやすいみたいなの」

「千代田さん、腕枕で寝てるの?」

「えぇ、冬場はお互い暖かいし、結構良いのよ?」

(……色々凄い絵になってそうなのね)

「ついでに下半身も一緒にやっちゃうの」

「足はそこまででも――んぅっ!?」

「気付いてないだけで、結構足にも疲れが溜まってるのね」

「そこ、お尻は、ダメっ……」

「ここにツボがあるから、くすぐったくても我慢して欲しいのね」

「違うの、そうじゃ……んっ……」

(いひひっ、千歳さんはここが弱点みたいなの)

「あっ……んふぅ……」




 イクのスナイパー魂がたぎりました。

692: 2015/01/24(土) 22:35:39.10 ID:ufUb6CfM0
「千代田さんはどこがこってるの?」

「首と肩かな」

「千歳さんもだけど、肩は絶対に“それ”のせいなのね」

「し、仕方無いじゃない。私も好きで大きくなったんじゃないもの」

「イクは悪いとは一言も言ってないの。それに、イクもどっちかっていうとそっち側なのね」

「泳ぎにくくないの?」

「潜水艦を舐めちゃダメなの。背泳ぎと潜水は得意中の得意なの!」

「……視線、気にならない?」

「……気にしたら負けなの」

「後、膝枕すると胸が邪魔でていと――お姉に耳かきとかがやりにくかったり」

(わざと太股と挟んでからかうのも楽しいと思うのね)




 持つ者の悩み、浮き袋二つ。

693: 2015/01/24(土) 22:36:05.51 ID:ufUb6CfM0
「祥鳳さんは、また腕全般でいいの?」

「えぇ、この前新調した弓の調子を確かめていたらやり過ぎてしまって……」

「じゃあ早速始めるの」

「はい、お願いします」

「まずは肩甲骨周りから徐々にほぐしていくのね」

「――ふぅ……最近は、たまに瑞鳳も揉んでくれたりするんです」

「瑞鳳さんは弓道場は手伝ったりしないの?」

「あの子は艦載機一筋だから……」

「瑞鳳さんの九九艦爆と玉子焼きに傾ける情熱は、凄まじいものがあると思うの」

「傾け過ぎてる面もあるとは思いますけど、自慢の妹です」

「ちょーっと前失礼するの」

「っ……あっ……んっ……んぅ……」

「胸の付け根の辺りも丹念にほぐさないとダメなの」

(変な声が漏れて……でも、気持ち良い……)




 体温も上がって、血行がとても良くなりました。

694: 2015/01/24(土) 22:36:33.03 ID:ufUb6CfM0
「足つぼマッサージにも負けない、多分」

「じゃあ始めるの」

「っ!……っ!?~~っ!?!?」

「いひひ、どーお? 痛い?」

「お、朧はまだまだ、やれっ……やれ……」

「ギブアップならいつでもしていいのね」

「負け、ないっ……!」

「じゃあ続けるの」

(蟹が一匹、蟹が二匹、蟹が三匹……)

(朧の負けず嫌いは筋金入りなのね)

「朧ちゃん、無理はしないでね」

「な……何も……言えねぇ……」

「一人だけ……何で平気なのよ……」

(潮にだって……朧は、負けない……!)




 一切痛がらない潮に、我慢比べでは勝てませんでした。

695: 2015/01/24(土) 22:37:01.99 ID:ufUb6CfM0
「摩耶さんがここに来るなんて珍しいのね」

「ちょっと姉貴達のダイエットに付き合ってたらやり過ぎちまってよ」

「どこをマッサージすればいいの?」

「足頼む」

「了解なの!」

「――おー……結構気持ち良いもんだな」

「摩耶さん、すっごく足が綺麗に手入れされてるの」

「別に何もしてねぇよ」

「モチモチスベスベなの」

「アタシを褒めても何も出ねぇぞ?」

「あっ、ここに無駄毛があるの」

「あぁ? どこだよ? すぐに抜くから教えろ」

「いひひっ、冗談なのね」

「……はめやがったな、クソが」

「ほらほら、マッサージはまだ途中なの、うつ伏せになってくれなきゃ出来ないのね」

「次に変なこと言いやがったらぶっ飛ばすかんな」

「そういう物騒なこと言うとーこうなの」

「いででででっ!? 何しやがんだっ!」

「イクはマッサージしかしてないの」

「さっきと全然違うだろ!」

「マッサージはマッサージ、なのね。いひひっ」




 翌日、そこには元気に姉とエクササイズする摩耶の姿が。

696: 2015/01/24(土) 22:37:27.95 ID:ufUb6CfM0
「――で、何で俺がお前のマッサージをするんだ?」

「イクだって毎日マッサージしてたら身体が疲れちゃうのね」

「電に頼めばいいだろ」

「提督に、イクはして欲しいの」

「……分かった。但し――」




――――ゴーヤに続いてイクも提督の服をゲットなのね!

 ――――全く、マッサージして欲しいって奴がスク水で来るなよな……。

――――スク水なら手が滑っても言い訳が出来るの。

 ――――いらんことに気を使わんでいい。

698: 2015/01/25(日) 23:40:25.47 ID:7Nw3LEuO0
体調が大破しました

バケツは無いので入渠してきます

699: 2015/01/25(日) 23:43:58.44 ID:vLDwt47oo
お大事にー



引用: 【艦これ】大鳳「浦風が可愛い鎮守府」提督「多分一応は鎮守府」