808: 2015/02/03(火) 03:49:45.59 ID:mU7v8MAM0
節分ネタ
前回はこちら
812: 2015/02/03(火) 04:34:57.36 ID:mU7v8MAM0
翔鶴、金剛、武蔵の三名了解です
817: 2015/02/03(火) 12:43:59.94 ID:mU7v8MAM0
セッツブーン。それは古来より伝わる伝統的な戦。オニーにマメをぶつけ領地から追い出し、フックーを招き入れるというもの。
毎年やってくるオニーの猛攻を防ぎ、数多くのフックーを招き入れた家にのみ、一年間の安寧が約束されるのである。
「オニー覚悟ー!」
「どういう認識をしているんだお前は。私は鬼ではないぞ」
「エイッ、エイッ」
「くっ、これは堪らん、出ていくとしよう……」
「何ヲシテイルノカシラ」
「鬼ヲ追イ出シテイルソウダ」
「リト、追イ出スノ?」
「人ガ勝手ニ“鬼級”トヤラニ分類シタダケジャナイ。今ハ“リト”ッテ呼ビ名モアルワ」
「意外ニ気ニ入ッテイルンダナ。マァ、私モ“クー”ト呼バレルノハ悪イ気ハシナイ」
――エイッ、エイッ。
――私は既に外に……いや、投げるのが楽しいのならば付き合おう。
――やあっ!
――ふんっ!
――あいたぁっ!? 投げ返すのってありなのっ!?
――良い機会だ、この長門が演習相手になってやろう。
――ホッポモ一緒ニヤル!
――フォイヤー! フォイヤー!
“鬼”が内に居てもいいじゃない、だって鎮守府だもの。
毎年やってくるオニーの猛攻を防ぎ、数多くのフックーを招き入れた家にのみ、一年間の安寧が約束されるのである。
「オニー覚悟ー!」
「どういう認識をしているんだお前は。私は鬼ではないぞ」
「エイッ、エイッ」
「くっ、これは堪らん、出ていくとしよう……」
「何ヲシテイルノカシラ」
「鬼ヲ追イ出シテイルソウダ」
「リト、追イ出スノ?」
「人ガ勝手ニ“鬼級”トヤラニ分類シタダケジャナイ。今ハ“リト”ッテ呼ビ名モアルワ」
「意外ニ気ニ入ッテイルンダナ。マァ、私モ“クー”ト呼バレルノハ悪イ気ハシナイ」
――エイッ、エイッ。
――私は既に外に……いや、投げるのが楽しいのならば付き合おう。
――やあっ!
――ふんっ!
――あいたぁっ!? 投げ返すのってありなのっ!?
――良い機会だ、この長門が演習相手になってやろう。
――ホッポモ一緒ニヤル!
――フォイヤー! フォイヤー!
“鬼”が内に居てもいいじゃない、だって鎮守府だもの。
821: 2015/02/03(火) 21:24:19.69 ID:mU7v8MAM0
「瑞鶴、今年の恵方は――」
「むぐっ?」
「……加賀さんに写真を」
「もがっ!? んーっ! んーっ!」
「瑞鶴、食べながら暴れるなんてはしたないわよ?」
「むぐぅ……」
「ふふっ、冗談だから安心して。じゃあ私も――」
「翔鶴、瑞鶴、少しいい……」
「「・・・・・・」」
「取り込み中のようね。後にしておきます」
「「――ん~~~~~~っ!?」」
「あら加賀、早かったですね」
「……」
「? どうしました?」
「同じ向きで、同じ持ち方で、同じ角度でこちらに……ふふっ」
(何だか楽しそうですね、何があったのか後で詳しく聞いてみましょうか)
暫く空母の間でネタにされました。
「むぐっ?」
「……加賀さんに写真を」
「もがっ!? んーっ! んーっ!」
「瑞鶴、食べながら暴れるなんてはしたないわよ?」
「むぐぅ……」
「ふふっ、冗談だから安心して。じゃあ私も――」
「翔鶴、瑞鶴、少しいい……」
「「・・・・・・」」
「取り込み中のようね。後にしておきます」
「「――ん~~~~~~っ!?」」
「あら加賀、早かったですね」
「……」
「? どうしました?」
「同じ向きで、同じ持ち方で、同じ角度でこちらに……ふふっ」
(何だか楽しそうですね、何があったのか後で詳しく聞いてみましょうか)
暫く空母の間でネタにされました。
822: 2015/02/03(火) 21:52:12.52 ID:mU7v8MAM0
「Hey比叡ー豆の準備はいいデスカー?」
「はい、お姉様!」
「榛名、メニューの追加はOK?」
「はい、大丈夫です」
「霧島、マイクチェックは出来てるネー?」
「完璧かと」
「じゃあ今日も喫茶『バーニングラブ』、オープンデース!」
「金剛お姉様、ご指名です!」
「了解ネー。Heyお客様ーこの豆を見事あそこに立ってる私に当てられたら豆乳ミルクティーをサービスデース。変なところを狙ったらNoなんだからネ!」
「――What? ここはそういうサービスはやってないネー。ぶつけられたいなら漣の店をオススメしマース」
※紳士以外のご来店は固くお断りしております。
「はい、お姉様!」
「榛名、メニューの追加はOK?」
「はい、大丈夫です」
「霧島、マイクチェックは出来てるネー?」
「完璧かと」
「じゃあ今日も喫茶『バーニングラブ』、オープンデース!」
「金剛お姉様、ご指名です!」
「了解ネー。Heyお客様ーこの豆を見事あそこに立ってる私に当てられたら豆乳ミルクティーをサービスデース。変なところを狙ったらNoなんだからネ!」
「――What? ここはそういうサービスはやってないネー。ぶつけられたいなら漣の店をオススメしマース」
※紳士以外のご来店は固くお断りしております。
823: 2015/02/03(火) 22:30:53.18 ID:mU7v8MAM0
「――なぁ大和、豆鉄砲という言葉があるのを知っているか?」
「えぇ、当然知っています」
「豆が立派に武器になることを、昔の者達も知っていたということだな、うむ」
「馬鹿な事を言っている暇があったら、穴を塞ぐのを手伝ってくれないかしら」
「大和型が二人揃って節分に壁の穴をパテで塞ぐ……平和とは残酷なものだ」
「この前九州旅行を満喫して、カステラを大量に買って帰ってきたのは誰でしたっけ?」
「それを半分食べちまったのは誰だい?」
「――鬼は外」
「――福は内」
「「全主砲一斉射!」」
すきま風が吹き抜ける風通しの良い部屋になりました。
「えぇ、当然知っています」
「豆が立派に武器になることを、昔の者達も知っていたということだな、うむ」
「馬鹿な事を言っている暇があったら、穴を塞ぐのを手伝ってくれないかしら」
「大和型が二人揃って節分に壁の穴をパテで塞ぐ……平和とは残酷なものだ」
「この前九州旅行を満喫して、カステラを大量に買って帰ってきたのは誰でしたっけ?」
「それを半分食べちまったのは誰だい?」
「――鬼は外」
「――福は内」
「「全主砲一斉射!」」
すきま風が吹き抜ける風通しの良い部屋になりました。
827: 2015/02/04(水) 00:18:13.88 ID:g6wEPzgf0
「ホント、詰めが甘いのね」
「全然当たらないっぽいー!」
「あの角度でも弾くか……だがこの難易度、悪くない」
「――命中させちゃいます!」
「甘いわっ!」
「はわわわっ!?」
「ふふっ、早くしないと節分終わっちゃうわよ?」
「よりによって初霜とか無理ゲーじゃね?」
「アレは、チート……」
「深雪スペシャル節分バージョンくらえー!」
「その程度じゃ当たらないわ」
「ちくしょー! 何なんだよその金棒!」
「妖精さん特製豆喰い金棒よ。撒き散らしたら勿体無いでしょ?」
「これ初霜、少しは手加減してやらぬか。節分にならぬであろう?」
「ご、ごめんなさい……改二になって能力も上がったから楽しくってつい……」
「子日は角を生やして怒ってる初春に当てちゃおっと。えいっ!」
「ほぅ、妾が鬼か……子日、覚悟は出来ておるのかえ?」
「は、初霜守ってー!」
「今日は鬼役だから、自分で頑張って」
「子日、大ピンチの日~!?」
結局、反射的に避けるか弾く初霜に当てられた艦娘は現れなかったそうな。
「全然当たらないっぽいー!」
「あの角度でも弾くか……だがこの難易度、悪くない」
「――命中させちゃいます!」
「甘いわっ!」
「はわわわっ!?」
「ふふっ、早くしないと節分終わっちゃうわよ?」
「よりによって初霜とか無理ゲーじゃね?」
「アレは、チート……」
「深雪スペシャル節分バージョンくらえー!」
「その程度じゃ当たらないわ」
「ちくしょー! 何なんだよその金棒!」
「妖精さん特製豆喰い金棒よ。撒き散らしたら勿体無いでしょ?」
「これ初霜、少しは手加減してやらぬか。節分にならぬであろう?」
「ご、ごめんなさい……改二になって能力も上がったから楽しくってつい……」
「子日は角を生やして怒ってる初春に当てちゃおっと。えいっ!」
「ほぅ、妾が鬼か……子日、覚悟は出来ておるのかえ?」
「は、初霜守ってー!」
「今日は鬼役だから、自分で頑張って」
「子日、大ピンチの日~!?」
結局、反射的に避けるか弾く初霜に当てられた艦娘は現れなかったそうな。
836: 2015/02/05(木) 03:13:34.02 ID:ck1BX+aW0
・瑞鶴Vs大鳳『幸運と不幸』 、投下します
837: 2015/02/05(木) 03:14:01.68 ID:ck1BX+aW0
――――演習場。
「加賀に挑むのはやめたの?」
「やめてないよ。大鳳とも一度全力でやってみたいと思っただけ」
「別に演習するのは一向に構わないんだけど、午後から浦風とご飯を食べに行く約束をしているの」
「つまり、長期戦は無理ってこと?」
「えぇ、悪いわね」
「それならすぐに始めてすぐに終わらせれば、何の問題もないでしょ?」
「そう簡単に貫けるほど、私の装甲は薄くないわよ?」
「やってみなけりゃ――分かんないわっ!」
――――元・幸運艦対元・不運艦、開始ス。
「加賀に挑むのはやめたの?」
「やめてないよ。大鳳とも一度全力でやってみたいと思っただけ」
「別に演習するのは一向に構わないんだけど、午後から浦風とご飯を食べに行く約束をしているの」
「つまり、長期戦は無理ってこと?」
「えぇ、悪いわね」
「それならすぐに始めてすぐに終わらせれば、何の問題もないでしょ?」
「そう簡単に貫けるほど、私の装甲は薄くないわよ?」
「やってみなけりゃ――分かんないわっ!」
――――元・幸運艦対元・不運艦、開始ス。
838: 2015/02/05(木) 03:14:29.43 ID:ck1BX+aW0
空母同士の戦いにおいて、一番重要視されるのは飛行甲板への攻撃だ。
第一次航空隊、第二次航空隊と分け、全機を一度に発艦させない場合、飛行甲板に一定の損害が出た時点で、新たに艦載機を飛ばすことも、着艦させることも出来なくなってしまう。
だが、装甲空母である大鳳だけはその範疇に無く、完全に大破しない限りは、独自のスタイルによって発着艦を可能としていた。
故に、空母同士の一騎討ちにおいて、大鳳は若干有利と言えた。
(艦戦を多目にして、全機撃墜からの攻撃? いえ、短期戦を狙うなら艦爆や艦攻を多目にしているはずだわ。それなら――)
「第一艦爆隊、全機発艦!」
対艦でありながら、対空の役割もこなす爆戦。その中の一つ、最も使い慣れたものを彼女は選んでいた。
「悪いけど、無様に負けて浦風に会いたくはないから必ず勝たせてもらうわ」
「後で慰めてもらえるんだから、負けてもいいんじゃない?」
挑発するような姿勢は崩さず、瑞鶴は艦攻と艦爆を発艦させていく。
元々加賀と勝負をする時も一瞬の攻防で決着が付くのが大半な為、彼女もそれに対応した艦載機を積んでいることがほとんどだ。
「艦戦はどうしたの?」
「ヤられる前にヤるからいらないっ!」
作戦も何もあったものではない発言に思えるが、瑞鶴の練度を考えると、大鳳からすれば厄介という他無かった。
(回避や対空は一切考えていないようね……)
七十を超える艦爆と艦攻。一度に飛ばす数を増やせば、それだけ一機一機の動きの精確さを欠いていくものの、ごり押すならば精細な動きは必要ない。
「全機目標大鳳、いっけぇー!」
(このまま防御に回ったら押し切られる、先に轟沈判定を取るしかないわ!)
一方の大鳳は数ではなく精確さで勝負を決めようと、艦爆隊のみを瑞鶴目掛けて突撃させる。
速度の大鳳、火力の瑞鶴。艦娘としての能力からすれば逆の戦術を選んだ二人の艦載機は、ほぼ同時に目標へと迫り、互いの姿が目視出来なくなる程の激しい攻撃を行うのだった。
第一次航空隊、第二次航空隊と分け、全機を一度に発艦させない場合、飛行甲板に一定の損害が出た時点で、新たに艦載機を飛ばすことも、着艦させることも出来なくなってしまう。
だが、装甲空母である大鳳だけはその範疇に無く、完全に大破しない限りは、独自のスタイルによって発着艦を可能としていた。
故に、空母同士の一騎討ちにおいて、大鳳は若干有利と言えた。
(艦戦を多目にして、全機撃墜からの攻撃? いえ、短期戦を狙うなら艦爆や艦攻を多目にしているはずだわ。それなら――)
「第一艦爆隊、全機発艦!」
対艦でありながら、対空の役割もこなす爆戦。その中の一つ、最も使い慣れたものを彼女は選んでいた。
「悪いけど、無様に負けて浦風に会いたくはないから必ず勝たせてもらうわ」
「後で慰めてもらえるんだから、負けてもいいんじゃない?」
挑発するような姿勢は崩さず、瑞鶴は艦攻と艦爆を発艦させていく。
元々加賀と勝負をする時も一瞬の攻防で決着が付くのが大半な為、彼女もそれに対応した艦載機を積んでいることがほとんどだ。
「艦戦はどうしたの?」
「ヤられる前にヤるからいらないっ!」
作戦も何もあったものではない発言に思えるが、瑞鶴の練度を考えると、大鳳からすれば厄介という他無かった。
(回避や対空は一切考えていないようね……)
七十を超える艦爆と艦攻。一度に飛ばす数を増やせば、それだけ一機一機の動きの精確さを欠いていくものの、ごり押すならば精細な動きは必要ない。
「全機目標大鳳、いっけぇー!」
(このまま防御に回ったら押し切られる、先に轟沈判定を取るしかないわ!)
一方の大鳳は数ではなく精確さで勝負を決めようと、艦爆隊のみを瑞鶴目掛けて突撃させる。
速度の大鳳、火力の瑞鶴。艦娘としての能力からすれば逆の戦術を選んだ二人の艦載機は、ほぼ同時に目標へと迫り、互いの姿が目視出来なくなる程の激しい攻撃を行うのだった。
839: 2015/02/05(木) 03:14:57.87 ID:ck1BX+aW0
「翔鶴さん、お互い大変じゃねぇ……」
「えぇ、たまに子供っぽくなっちゃうのよね、あの子ったら……」
――――瑞鶴の方が先に轟沈判定出てたはずよ!
――――大鳳が先! 絶対に先なんだから!
――――あのー、鈴谷お昼行きたいんですけどー?
瑞鶴対大鳳、両者同時に轟沈判定が出た為、引き分けとす。
「えぇ、たまに子供っぽくなっちゃうのよね、あの子ったら……」
――――瑞鶴の方が先に轟沈判定出てたはずよ!
――――大鳳が先! 絶対に先なんだから!
――――あのー、鈴谷お昼行きたいんですけどー?
瑞鶴対大鳳、両者同時に轟沈判定が出た為、引き分けとす。
865: 2015/02/05(木) 22:10:17.67 ID:ck1BX+aW0
・浦風&卯月『こら、あんまイタズラしちゃいけんよ?』
・島風&長波『連装砲ちゃん遊び』
・飛鷹『どこが晴れよ!』
・秋月『質素倹約』
・長良型『ハンデ』
・川内型『休日の過ごし方』
以上六本でお送りします
・島風&長波『連装砲ちゃん遊び』
・飛鷹『どこが晴れよ!』
・秋月『質素倹約』
・長良型『ハンデ』
・川内型『休日の過ごし方』
以上六本でお送りします
873: 2015/02/06(金) 23:54:06.34 ID:d3Wj4uzP0
・浦風&卯月『こら、あんまイタズラしちゃいけんよ?』 、投下します
普段怒らない子ほど
普段怒らない子ほど
874: 2015/02/06(金) 23:55:09.95 ID:d3Wj4uzP0
――――空母寮。
「タンスとツボの探索は基本だぴょん」
「ツボなんかありゃせんよ?」
「通じなくてもうーちゃんは挫けないでぇーっす。浦風は普段何してるぴょん?」
「そうじゃねぇ……姉さんと一日まったりしとんのが大半じゃ」
「ベッタリ過ぎて嫌になったりしないぴょん?」
「嫌じゃったら一緒の部屋にずっとなんか居らんよ。――こら、そこは姉さんの私物が入っとるから勝手に触っちゃいけんって」
「うーちゃんの探求心がここを探れと――ウヅキイイコダカラココミルノヤメル」
「?」
「うーちゃんのターンはまだ終わってないぴょん! 浦風の私物チェーック!」
「うちの私物調べても面白いもんは入っとりゃせんよ」
「アルバムにレシピノート、家計簿、裁縫セット、髪留め、救急箱、その他小物類……」
「ほら、面白くないじゃろ?」
「浦風が普段どう過ごしているかが良く分かったぴょん。手のかかる姉を持つと妹は大変だぴょん」
「イタズラっ子な妹を持つのも大変じゃと思うよ」
「うーちゃんはイタズラで皆を楽しませてるだけでぇーっす。ぷっぷくぷー」
「卯月も懲りんねぇ……」
「ウサギがこらしめられる話なんてうーちゃん知らないぴょん。ウサギは皆の人気者ぴょん」
「頭グリグリ」
「あーあーうーちゃんには何にも聞こえないっぴょ~ん!」
(霞ですら涙目で謝っとったし、加賀さんのアレに耐えられるんは、やっぱり赤城さんぐらいなんじゃなぁ……)
「気分転換に浦風の下着チェーック!」
「こら、そこは流石にいけんよ」
「うーちゃんもそういうのが気になるお年頃なんだぴょん」
「だからいけんって」
「よよよぉ? これは……」
「――卯月、うちはいけんって言ったよねぇ?」
――――浦風、魂が抜けたみたいな卯月とすれ違ったんだけど、何かあったの?
――――ちぃとイタズラが過ぎるから怒っただけじゃて、何も心配いらんよ。
――――あら、浦風でも怒ることあるのね。
――――姉さんはうちを仏か何かと勘違いしとらん?
「タンスとツボの探索は基本だぴょん」
「ツボなんかありゃせんよ?」
「通じなくてもうーちゃんは挫けないでぇーっす。浦風は普段何してるぴょん?」
「そうじゃねぇ……姉さんと一日まったりしとんのが大半じゃ」
「ベッタリ過ぎて嫌になったりしないぴょん?」
「嫌じゃったら一緒の部屋にずっとなんか居らんよ。――こら、そこは姉さんの私物が入っとるから勝手に触っちゃいけんって」
「うーちゃんの探求心がここを探れと――ウヅキイイコダカラココミルノヤメル」
「?」
「うーちゃんのターンはまだ終わってないぴょん! 浦風の私物チェーック!」
「うちの私物調べても面白いもんは入っとりゃせんよ」
「アルバムにレシピノート、家計簿、裁縫セット、髪留め、救急箱、その他小物類……」
「ほら、面白くないじゃろ?」
「浦風が普段どう過ごしているかが良く分かったぴょん。手のかかる姉を持つと妹は大変だぴょん」
「イタズラっ子な妹を持つのも大変じゃと思うよ」
「うーちゃんはイタズラで皆を楽しませてるだけでぇーっす。ぷっぷくぷー」
「卯月も懲りんねぇ……」
「ウサギがこらしめられる話なんてうーちゃん知らないぴょん。ウサギは皆の人気者ぴょん」
「頭グリグリ」
「あーあーうーちゃんには何にも聞こえないっぴょ~ん!」
(霞ですら涙目で謝っとったし、加賀さんのアレに耐えられるんは、やっぱり赤城さんぐらいなんじゃなぁ……)
「気分転換に浦風の下着チェーック!」
「こら、そこは流石にいけんよ」
「うーちゃんもそういうのが気になるお年頃なんだぴょん」
「だからいけんって」
「よよよぉ? これは……」
「――卯月、うちはいけんって言ったよねぇ?」
――――浦風、魂が抜けたみたいな卯月とすれ違ったんだけど、何かあったの?
――――ちぃとイタズラが過ぎるから怒っただけじゃて、何も心配いらんよ。
――――あら、浦風でも怒ることあるのね。
――――姉さんはうちを仏か何かと勘違いしとらん?
877: 2015/02/07(土) 08:25:11.08 ID:rtGpocF90
タイトル変更
・島風&長波『日頃の感謝を』、投下します
ハンドミキサーでやっちゃった
・島風&長波『日頃の感謝を』、投下します
ハンドミキサーでやっちゃった
878: 2015/02/07(土) 08:25:37.94 ID:rtGpocF90
――――島風用私室(寝具無し)。
「――それで? 保護者じゃなくてあたしに相談って何さ」
「長波って、お菓子作れる?」
「まぁ、それなりには作れるけど……」
「あのね、天津風と提督にあげるバレンタインのチョコを作りたいの。手伝って」
「お菓子作りならあたしじゃなくて、もっと教えるのが上手い奴に聞けばいいだろ」
「だっ、だってお願いするの恥ずかしいし……」
「あたしに頼むのは恥ずかしくないっての?」
「うん、だって長波だもん」
「――分かった、協力するよ。但し、全部自分で作らないと意味が無いし、うまく出来るかの保証はしないぞ?」
「うんっ! ありがとう長波!」
「こっ、こら、苦しいから飛び付くなって……」
「えへへー」
(――まっ、たまにはこういうのも悪くないか)
「――それで? 保護者じゃなくてあたしに相談って何さ」
「長波って、お菓子作れる?」
「まぁ、それなりには作れるけど……」
「あのね、天津風と提督にあげるバレンタインのチョコを作りたいの。手伝って」
「お菓子作りならあたしじゃなくて、もっと教えるのが上手い奴に聞けばいいだろ」
「だっ、だってお願いするの恥ずかしいし……」
「あたしに頼むのは恥ずかしくないっての?」
「うん、だって長波だもん」
「――分かった、協力するよ。但し、全部自分で作らないと意味が無いし、うまく出来るかの保証はしないぞ?」
「うんっ! ありがとう長波!」
「こっ、こら、苦しいから飛び付くなって……」
「えへへー」
(――まっ、たまにはこういうのも悪くないか)
879: 2015/02/07(土) 08:26:03.33 ID:rtGpocF90
「まずはこれを細かく――」
「連装砲ちゃん、ゴー!」
「ゴーじゃないだろバカ! 細かくしろとは言ったが木っ端微塵にしろとは言ってない!」
「えー? だってこの方が早いよ?」
「お菓子作りに早さは必要ないから、普通に包丁でやればいいんだよ」
「……長波、包丁ってどうやって使うの?」
「・・・・・・島風、ひょっとして料理したこと無いのか?」
「無いよ? 天津風か提督がいつも作ってくれてたもん」
(……甘やかし過ぎだぞ、あの二人)
「良く見とけよ? 包丁はこうやって握って、こう使うんだ」
「おぅっ!」
「痛いよ長波ぃ……」
(これ絆創膏だと天津風にバレるし、入渠させるか明石に頼まないとまずいな……)
「――ねぇ長波、料理作るのって大変なんだね」
「大変かもしんないけど、作って美味しそうに食べてもらえたら嬉しいもんだぜ」
「……うん。よーし、頑張るよー!」
「うわっ!? ほ、包丁振り上げたら危ないだろ!」
「あっ、ごめん」
――――あはははっ、長波の髪美味しそー!
――――こら! あたしの髪で遊ぶな!
――――かけっこするの? 負けないよっ!
――――走り回るとチョコが床に飛び散るからやめろってば! 後で一緒になって叱られるのはあたしはごめんだからな!
チョコまみれでお風呂。変な妄想をしたり覗いたりしたい方は、天龍に真っ二つにされるか龍田に串刺しにされるかお選びください。
「連装砲ちゃん、ゴー!」
「ゴーじゃないだろバカ! 細かくしろとは言ったが木っ端微塵にしろとは言ってない!」
「えー? だってこの方が早いよ?」
「お菓子作りに早さは必要ないから、普通に包丁でやればいいんだよ」
「……長波、包丁ってどうやって使うの?」
「・・・・・・島風、ひょっとして料理したこと無いのか?」
「無いよ? 天津風か提督がいつも作ってくれてたもん」
(……甘やかし過ぎだぞ、あの二人)
「良く見とけよ? 包丁はこうやって握って、こう使うんだ」
「おぅっ!」
「痛いよ長波ぃ……」
(これ絆創膏だと天津風にバレるし、入渠させるか明石に頼まないとまずいな……)
「――ねぇ長波、料理作るのって大変なんだね」
「大変かもしんないけど、作って美味しそうに食べてもらえたら嬉しいもんだぜ」
「……うん。よーし、頑張るよー!」
「うわっ!? ほ、包丁振り上げたら危ないだろ!」
「あっ、ごめん」
――――あはははっ、長波の髪美味しそー!
――――こら! あたしの髪で遊ぶな!
――――かけっこするの? 負けないよっ!
――――走り回るとチョコが床に飛び散るからやめろってば! 後で一緒になって叱られるのはあたしはごめんだからな!
チョコまみれでお風呂。変な妄想をしたり覗いたりしたい方は、天龍に真っ二つにされるか龍田に串刺しにされるかお選びください。
886: 2015/02/07(土) 20:26:26.39 ID:rtGpocF90
~小ネタ集~
「二度と浮上出来ないようにしてやる!」
「その台詞と広げた手はなんだ」
「提督さん、阿賀野と一緒にお昼寝しよ?」
(実際問題、寝心地良くてなかなか意識が浮上しないから困るんだよなぁ……)
「提督、お呼びでしょうか」
「あぁ、ちょっと浜風に聞き――何やってんだ……?」
「湯煎です」
「いや、それは見れば分かるんだが……ん? 頬にチョコ付いてるぞ」
「っ!?」
「あっバカ、手を離すなっ!」
「へっ? あっ、わわっ、きゃあっ!?」
(……風呂に入れんとダメだな)
「――アレ? 叢雲?」
「ふっ、吹雪!? いや、これは違うのよ、別にラッピングをどうしようか悩んでなんて……」
「ふーん? 叢雲もやっぱり司令官にはちゃんとあげたいんだ」
「……何よ、悪い?」
「去年みたいに私からが二つにならないように頑張ってね」
「うっさいわね! 普通に渡すわよ!」
「良い雨だね」
――こらー! 時雨ー!
――もうバカー! 服がチョコまみれっぽいー!
「チョコの雨、皆はお気に召さなかったのかな? 僕はとっても面白いけど」
その頃地上では、リトが溺れていた。
「二度と浮上出来ないようにしてやる!」
「その台詞と広げた手はなんだ」
「提督さん、阿賀野と一緒にお昼寝しよ?」
(実際問題、寝心地良くてなかなか意識が浮上しないから困るんだよなぁ……)
「提督、お呼びでしょうか」
「あぁ、ちょっと浜風に聞き――何やってんだ……?」
「湯煎です」
「いや、それは見れば分かるんだが……ん? 頬にチョコ付いてるぞ」
「っ!?」
「あっバカ、手を離すなっ!」
「へっ? あっ、わわっ、きゃあっ!?」
(……風呂に入れんとダメだな)
「――アレ? 叢雲?」
「ふっ、吹雪!? いや、これは違うのよ、別にラッピングをどうしようか悩んでなんて……」
「ふーん? 叢雲もやっぱり司令官にはちゃんとあげたいんだ」
「……何よ、悪い?」
「去年みたいに私からが二つにならないように頑張ってね」
「うっさいわね! 普通に渡すわよ!」
「良い雨だね」
――こらー! 時雨ー!
――もうバカー! 服がチョコまみれっぽいー!
「チョコの雨、皆はお気に召さなかったのかな? 僕はとっても面白いけど」
その頃地上では、リトが溺れていた。
888: 2015/02/08(日) 10:08:44.56 ID:APiJCSzQ0
――――提督執務室。
「――またか」
「またです」
「またみたいですね」
「しかも理由が異文化交流希望って何なんだ、学校か何かかここは……」
「学校というよりはアミューズメントパークね」
「鎮守府っぽくは無いですよね」
「まぁ理由はどうあれ今日既に来てるらしいから、二人も後で会っておいてくれ」
「「了解」」
(ビスマルクの来た時のイメージでは規律にかなり厳しいと思ってたんだが、プリンツに続いてこれだと認識を改めた方がいいのかもしれんな……)
(郷に入っては郷に従え、来たからにはユーも早く慣れないと……あそこは、食堂?)
――――喫茶“第七メイド隊”。
異文化交流の第一歩、難易度甲。ユーの運命や如何に。
「――またか」
「またです」
「またみたいですね」
「しかも理由が異文化交流希望って何なんだ、学校か何かかここは……」
「学校というよりはアミューズメントパークね」
「鎮守府っぽくは無いですよね」
「まぁ理由はどうあれ今日既に来てるらしいから、二人も後で会っておいてくれ」
「「了解」」
(ビスマルクの来た時のイメージでは規律にかなり厳しいと思ってたんだが、プリンツに続いてこれだと認識を改めた方がいいのかもしれんな……)
(郷に入っては郷に従え、来たからにはユーも早く慣れないと……あそこは、食堂?)
――――喫茶“第七メイド隊”。
異文化交流の第一歩、難易度甲。ユーの運命や如何に。
892: 2015/02/08(日) 18:01:29.00 ID:APiJCSzQ0
――――提督執務室。
「久しぶりですね、大淀」
「相変わらず鞭が似合いますね、香取」
「うふふ、教鞭と言ってもらわないと私が危ない人みたいじゃありませんか」
「それで? 大本営所属だったはずの貴女が何故ここに?」
「その大本営から提督の指導をしてくれ、と」
「――冗談を言うような性格ではなかったと記憶していますよ、香取」
「あら。ほほう、なるほど、あの大淀にもそういった表情が出来たのですか」
「……」
「うふふ、これからどうするかはここでじっくり考えるとしましょうか。それでは提督、よろしくお願いします」
「あぁ、ここでは好きに生活してもらって構わない。ただ、あまり派手に動くと血の気の多い奴も居るから、そこだけは注意してくれ」
「はい、そうさせていただきます」
(……暫くは、動向に注意が必要なようですね)
――――香取が着任しました。
「久しぶりですね、大淀」
「相変わらず鞭が似合いますね、香取」
「うふふ、教鞭と言ってもらわないと私が危ない人みたいじゃありませんか」
「それで? 大本営所属だったはずの貴女が何故ここに?」
「その大本営から提督の指導をしてくれ、と」
「――冗談を言うような性格ではなかったと記憶していますよ、香取」
「あら。ほほう、なるほど、あの大淀にもそういった表情が出来たのですか」
「……」
「うふふ、これからどうするかはここでじっくり考えるとしましょうか。それでは提督、よろしくお願いします」
「あぁ、ここでは好きに生活してもらって構わない。ただ、あまり派手に動くと血の気の多い奴も居るから、そこだけは注意してくれ」
「はい、そうさせていただきます」
(……暫くは、動向に注意が必要なようですね)
――――香取が着任しました。
895: 2015/02/09(月) 09:55:03.15 ID:UzlNWqzx0
・飛鷹『どこが晴れよ!』、投下します
時雨の天気予報(雨限定)
時雨の天気予報(雨限定)
896: 2015/02/09(月) 09:55:36.89 ID:UzlNWqzx0
――――喫茶店。
「何で店に入った途端やむのよ……」
「俺が知るか」
「天気予報、晴れだったわよね?」
「時雨曰く、“今日は髪が片方だけ跳ねるから時折雨だよ”、だそうだ」
「分かってたなら教えなさいよ」
「まさか本当に当たるとは思わなかったんでな」
「はぁ……髪も服も濡れるし、ついてないわ……」
「髪を前に下ろしたら貞子が出来る特典がついてる」
「お望みならやってあげましょうか? 呪ってあげるわよ、物理的に」
「――あまり身体を前に乗り出すと、濡れて強調されてるのが更に強調されるぞ」
「?……っ!?」
「雨のせいだから俺に非難の視線を向けるな、周りから見られる前には注意しただろ」
「変O」
「不可抗力だ」
「何で店に入った途端やむのよ……」
「俺が知るか」
「天気予報、晴れだったわよね?」
「時雨曰く、“今日は髪が片方だけ跳ねるから時折雨だよ”、だそうだ」
「分かってたなら教えなさいよ」
「まさか本当に当たるとは思わなかったんでな」
「はぁ……髪も服も濡れるし、ついてないわ……」
「髪を前に下ろしたら貞子が出来る特典がついてる」
「お望みならやってあげましょうか? 呪ってあげるわよ、物理的に」
「――あまり身体を前に乗り出すと、濡れて強調されてるのが更に強調されるぞ」
「?……っ!?」
「雨のせいだから俺に非難の視線を向けるな、周りから見られる前には注意しただろ」
「変O」
「不可抗力だ」
897: 2015/02/09(月) 09:56:02.85 ID:UzlNWqzx0
――――???
「――で、晴れたと思って店から出て十分でまた降るってどうなってるの? 提督、貴方本当に呪われてないわよね?」
「狐の嫁入りが重なっただけだろ」
「何で傘買わなかったのよ」
「ビニール傘は嫌って言いやがったのはどこの誰だ」
「あんなの使うぐらいなら濡れた方がマシ」
「その結果がここって方が酷いと思うぞ」
「いいじゃない、飲み物もあるし休めるし」
「……シャワー、とりあえず浴びてきたらどうだ? あるものは使わんと勿体無いし、風邪引かれるのは勘弁だしな」
「……そうね」
「――おい、何で腕を掴む」
「提督に風邪引かせたら私が怒られるじゃない」
「後で大丈夫だ」
「い・い・か・ら!」
(撤退は無理、と……外だと禁欲になるってのに、本当に勘弁してくれ……)
――――結局、ここで一日過ごしちゃったわね。
――――(……地獄だった)
――――さぁ、帰り……嘘、でしょ?
――――……走るぞ、飛鷹。
――――もうっ! 本当に何なのよ今日はぁぁぁっ!
「――で、晴れたと思って店から出て十分でまた降るってどうなってるの? 提督、貴方本当に呪われてないわよね?」
「狐の嫁入りが重なっただけだろ」
「何で傘買わなかったのよ」
「ビニール傘は嫌って言いやがったのはどこの誰だ」
「あんなの使うぐらいなら濡れた方がマシ」
「その結果がここって方が酷いと思うぞ」
「いいじゃない、飲み物もあるし休めるし」
「……シャワー、とりあえず浴びてきたらどうだ? あるものは使わんと勿体無いし、風邪引かれるのは勘弁だしな」
「……そうね」
「――おい、何で腕を掴む」
「提督に風邪引かせたら私が怒られるじゃない」
「後で大丈夫だ」
「い・い・か・ら!」
(撤退は無理、と……外だと禁欲になるってのに、本当に勘弁してくれ……)
――――結局、ここで一日過ごしちゃったわね。
――――(……地獄だった)
――――さぁ、帰り……嘘、でしょ?
――――……走るぞ、飛鷹。
――――もうっ! 本当に何なのよ今日はぁぁぁっ!
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