985: 2009/05/20(水) 01:12:37 ID:meDzVlMw
一昨日、シャッキーニSSを書いたdBJDZ/Ivです。

986: 2009/05/20(水) 01:14:33 ID:meDzVlMw
「Giorno di pioggia」


ジリリリリリリリリリリ!!!

「んー……。朝かー」

目覚ましのけたたましい音で目が覚めた。だが、眠気は全然とれていない。昨日は夜遅くまでストライカーユニットの整備をしていたから、完全な寝不足だ。
そして、

「なんだ、今日は雨かー……」

厚い雲が空を覆いつくし、雨がシトシトと降り注いでいた。

「仕方ない。今日は中で過ごそっかな」


――Giorno di pioggia――


のんびりと着替え、歯を磨き、バルクホルンとじゃがいもを取り合った。

「さて、今から何をしようか」

整備は昨日たっぷりとやったし、流石にこの雨の中飛ぶ気にはなれない。
少佐や宮藤たちは訓練をしているようだが、一緒にやろうという気も起こらない。

「よし、ルッキーニと遊ぼう!」

ここ最近、ネウロイ達との戦いで忙しくて一緒に遊ぶ機会がなかなか無かったからな。今日くらい、おもいっきり楽しもう。

「で、あいつはどこにいるんだ?」

どこかを飛び回っているか、それともどこかで昼寝をしているか。少なくとも、これからこの足で探しに行かなければならない。

「ま、いつものことだ。探しに行くとしよう」

とりあえず、ルッキーニがよく寝るところを見て回ろう。
あたしは歩き出した。

987: 2009/05/20(水) 01:16:20 ID:meDzVlMw
だが。

「いーなーいー!」

ミーティングルーム、ブリーフィングルーム、食堂、お風呂、格納庫、ルッキーニの部屋、どこを探しても見つからない。
流石に外では寝てないとは思うが、一応探しに行った。でも、見つからなかった。

「うーん、おっかしーなー」

あたしがルッキーニを見つけられないなんて、なんというか、残念だ。
と、そこへハルトマンが通りかかった。

「お、ハルトマン!」
「あ、シャーリー。どしたの?」
「ルッキーニを見なかったか?」
「ルッキーニ? ルッキーニなら何十分か前にあたしの部屋の前を歩いてたよ」
「おお、そうか! ありがとな!」
「何かあったの?」
「いやー、今日は何もすることがないしルッキーニと遊んでやろうと思って探してるんだけどさ、なかなか見つからなかったんだよね」

そう言うと、ハルトマンはとてもうらやましそうな顔をした。

「いーなールッキーニは。トゥルーデなんて『1に訓練、2に訓練だ!!』って言って、なかなか遊んでくれないんだよねー」
「あはは、堅物らしいなぁ」
「そんじゃがんばってねー」
「おーう、ありがとな」

ハルトマンが去った後、あたしは宿舎に戻って探し始めた。

「おーい、ルッキーニー!」

だが、それでもルッキーニは見つからなかった。

「はあ、ほんとに何処行ったんだあいつ……」

988: 2009/05/20(水) 01:18:54 ID:meDzVlMw
他のみんなにも居場所を聞いてみたが、誰も知らないときた。
ひょっとして、管制塔にでも行っちゃったのだろうか。
それに、だんだんと眠くなってきた。
とりあえず、一旦部屋に戻ろう。そして、これからどうするかゆっくり考えよう。
あたしは、自分の部屋に向かった。

「……って」

ルッキーニは、ベッドの中に居た。

「な、なんだ、ここに居たんだ」

まさかあたしの部屋とは……盲点だった。

「うーん、シャーリー……ムニャムニャ」

毛布を抱きかかえ、気持ちよさそうに眠っている。
まるで天使のような寝顔。
よし、今日の予定は決まった。
うんうん、とうなずくと、ベッドに入った。

「おやすみ、ルッキーニ」

あたしも、ルッキーニと同じ世界へ旅立った。

989: 2009/05/20(水) 01:21:21 ID:meDzVlMw
――夕方。

「ムニャムニャ……うーん、あれ?」
「んー……お、起きたかルッキーニ」
「あ、おはよう、シャーリー」
「おはよう。しかし、いつの間にあたしのベッドに潜り込んでたんだ?」
「んーと、朝ご飯食べて、シャーリーの部屋に遊びに行って、いなかったからベッドでゴロゴロしてたら寝ちゃってた」
「あはは、そうだったのか。一緒に遊ぼうと思ってたんだけど、もうこんな時間だしなー。夕飯の準備でも手伝いに行くか?」
「うん! 今日のごはん何かなー」

ま、こんな日も悪くないかな。
あたしとルッキーニは、手を繋いで部屋を後にした。


――夜。

「急に呼び出すとは何事だ、エーリカ……ってなんだその格好は!?」
「一緒に寝ようと思って」
「……それと服を脱ぐことと何の関係がある」
「わたし、トゥルーデにかまってもらえないと氏んじゃう病にかかっちゃった」
「……そうか」
「なんで戻ろうとするの?」
「いや、お大事にな」
「……意気地なし」
「…………」
「わたしのこと、嫌いになっちゃったの?」
「そ、それはないぞ!!」
「…………」
「わ、わかった。でもせめて服は着てくれ」
「やった! えへへートゥルーデとお泊まりー」
「うわ! 抱きつくな!」

END

990: 2009/05/20(水) 01:22:39 ID:meDzVlMw
終わりです。
お粗末様でした。

引用: ストライクウィッチーズart25