93: 2014/09/11(木) 00:59:27.44 ID:9nP0sC54o
百合注意で一つ投稿させていただきます
94: 2014/09/11(木) 01:00:57.03 ID:9nP0sC54o
雪風のしれぇは女の方です。まだ学校に通っているような年齢なのに、立派に艦隊を指揮して多くの戦果をあげてこられました。
お顔もとても綺麗で凛々しく、大きくなれるのだとしたらしれぇのようになりたいと雪風を含め駆逐艦のみんなの憧れを集めています。
そんな提督の欠点を言うなら少しだけ嫉妬深いところがあげられるでしょう。
補給を受けた雪風が、「幸運の女神のキスを感じちゃいます」と言ったときのことです。
しれぇはその綺麗なお顔を不機嫌そうに歪めると、雪風を引き寄せて頬にキスをしてきたのです。
突然のことで混乱する雪風にしれぇは「女神だろうが私の雪風に勝手にキスするのは許さない」と言いました。
要するに女神様のキスをご自分のキスで上書きしたということです。
そんな子供っぽいところもあるのだと少しだけしれぇの素が見えた気がして嬉しく思うのと共に、キスされた頬がすごく熱かったのを覚えています。
幸運の女神のキスなんて何度も言っていましたが、本当にキスをされたのはそのときがはじめてでした。
ほんのりあたたかく、そして濡れた柔らかな唇の感触はとても心地よくて、ほんの少し触るだけのような短い間でしたけど、雪風はしれぇのキスの虜になってしまったのです。
お顔もとても綺麗で凛々しく、大きくなれるのだとしたらしれぇのようになりたいと雪風を含め駆逐艦のみんなの憧れを集めています。
そんな提督の欠点を言うなら少しだけ嫉妬深いところがあげられるでしょう。
補給を受けた雪風が、「幸運の女神のキスを感じちゃいます」と言ったときのことです。
しれぇはその綺麗なお顔を不機嫌そうに歪めると、雪風を引き寄せて頬にキスをしてきたのです。
突然のことで混乱する雪風にしれぇは「女神だろうが私の雪風に勝手にキスするのは許さない」と言いました。
要するに女神様のキスをご自分のキスで上書きしたということです。
そんな子供っぽいところもあるのだと少しだけしれぇの素が見えた気がして嬉しく思うのと共に、キスされた頬がすごく熱かったのを覚えています。
幸運の女神のキスなんて何度も言っていましたが、本当にキスをされたのはそのときがはじめてでした。
ほんのりあたたかく、そして濡れた柔らかな唇の感触はとても心地よくて、ほんの少し触るだけのような短い間でしたけど、雪風はしれぇのキスの虜になってしまったのです。
95: 2014/09/11(木) 01:02:52.06 ID:9nP0sC54o
とはいえ、キスしてくださいとおねだりすることなんてはずかしくてできません。
だから時々、しれぇと二人きりのときに適当な理由をつけて「幸運の女神のキスを感じちゃいます」と言うようにしました。
そうするとしれぇはまた不機嫌な顔で雪風を引き寄せて頬にキスしてくれました。
幸運の女神をだしに使うなんてだめだ、もう止めようと言う度に考えていたのですが、しれぇの唇が頬に当たるとどうしようもなく嬉しくてまた言ってしまいます。
しれぇもきっと雪風の魂胆なんてお見通しなのでしょう。それでもキスしてくださるのは、雪風を落胆させて士気が低下するのを防ぐためなのでしょうか。
それを嫌だと思うのは、雪風に特別な想いを持ってくださっているのだと思うのは、おこがましいということはわかっています。
けれど雪風の中の分不相応な想いは、しれぇにキスされるごとにその大きさを増していくばかりで。
もし他の誰かが雪風と同じことを言えばしれぇはキスしてあげるんだろう、なんて想像すると胸がはりさけそうで。
ある種すがるような想いで雪風はしれぇにキスをねだっていました。
だから時々、しれぇと二人きりのときに適当な理由をつけて「幸運の女神のキスを感じちゃいます」と言うようにしました。
そうするとしれぇはまた不機嫌な顔で雪風を引き寄せて頬にキスしてくれました。
幸運の女神をだしに使うなんてだめだ、もう止めようと言う度に考えていたのですが、しれぇの唇が頬に当たるとどうしようもなく嬉しくてまた言ってしまいます。
しれぇもきっと雪風の魂胆なんてお見通しなのでしょう。それでもキスしてくださるのは、雪風を落胆させて士気が低下するのを防ぐためなのでしょうか。
それを嫌だと思うのは、雪風に特別な想いを持ってくださっているのだと思うのは、おこがましいということはわかっています。
けれど雪風の中の分不相応な想いは、しれぇにキスされるごとにその大きさを増していくばかりで。
もし他の誰かが雪風と同じことを言えばしれぇはキスしてあげるんだろう、なんて想像すると胸がはりさけそうで。
ある種すがるような想いで雪風はしれぇにキスをねだっていました。
96: 2014/09/11(木) 01:04:53.09 ID:9nP0sC54o
そんなある日のことです。
秘書艦を任された雪風が執務室を訪れると、しれぇは椅子に座ったまま眠っていらっしゃいました。
ここのところ激務で碌におやすみする時間も取れていなかったので無理からぬことでした。
雪風はしれぇを起こさないように執務をすることにしました。せめて少しでもしれぇの負担を和らげてさしあげたかったのです。
けれど執務にはあまり身が入りませんでした。すぐそばで眠っていらっしゃるしれぇのことがどうしても気になりました。
いつもどこか張りつめた雰囲気を放っていらっしゃるしれぇですが、耳心地のいい寝息を立てて眠るその姿はとても無防備でした。
そんなしれぇに見惚れていた雪風ですが、ふと思いつきます。今までしれぇからキスされたことはあっても、雪風からキスをしたことはなかったということを。
そして、しれぇがキスをしてくださるときはいつも不機嫌な顔をしていらしたことを。
秘書艦を任された雪風が執務室を訪れると、しれぇは椅子に座ったまま眠っていらっしゃいました。
ここのところ激務で碌におやすみする時間も取れていなかったので無理からぬことでした。
雪風はしれぇを起こさないように執務をすることにしました。せめて少しでもしれぇの負担を和らげてさしあげたかったのです。
けれど執務にはあまり身が入りませんでした。すぐそばで眠っていらっしゃるしれぇのことがどうしても気になりました。
いつもどこか張りつめた雰囲気を放っていらっしゃるしれぇですが、耳心地のいい寝息を立てて眠るその姿はとても無防備でした。
そんなしれぇに見惚れていた雪風ですが、ふと思いつきます。今までしれぇからキスされたことはあっても、雪風からキスをしたことはなかったということを。
そして、しれぇがキスをしてくださるときはいつも不機嫌な顔をしていらしたことを。
97: 2014/09/11(木) 01:07:39.19 ID:9nP0sC54o
嫉妬心からの行為なのですから当たり前のことです。
しかし、雪風はしれぇの笑顔も大好きでした。
あまり感情を見せない方なのでめったに見れるものではありませんでしたが、たまに微笑んでくださったときはキスをされるのと同じくらい嬉しく思っていました。
雪風はしれぇに笑顔を見せてほしかった。だから雪風はしれぇにキスすることにしました。
キスはとても心地のいいものです。今まで雪風が与えてもらってきた心地よさを、今度はしれぇにもあげたかった。
眠っていますけどきっとその感触だけで少しは幸せな気持ちになってもらえると考えたんです。
起こしてしまうかもしれないけどとしれぇに近づき、その頬にキスしようとした雪風ですが、すんでのところで止まってしまいました。
頬へのキスでは雪風がしれぇのキスを感じられない。浅ましくもしれぇのキスの虜になっていた雪風は、頬へのキスでは不満だったのです。
ならどうするのか。しれぇの唇にキスすれば雪風もしれぇのキスを感じられます。
しかし、雪風はしれぇの笑顔も大好きでした。
あまり感情を見せない方なのでめったに見れるものではありませんでしたが、たまに微笑んでくださったときはキスをされるのと同じくらい嬉しく思っていました。
雪風はしれぇに笑顔を見せてほしかった。だから雪風はしれぇにキスすることにしました。
キスはとても心地のいいものです。今まで雪風が与えてもらってきた心地よさを、今度はしれぇにもあげたかった。
眠っていますけどきっとその感触だけで少しは幸せな気持ちになってもらえると考えたんです。
起こしてしまうかもしれないけどとしれぇに近づき、その頬にキスしようとした雪風ですが、すんでのところで止まってしまいました。
頬へのキスでは雪風がしれぇのキスを感じられない。浅ましくもしれぇのキスの虜になっていた雪風は、頬へのキスでは不満だったのです。
ならどうするのか。しれぇの唇にキスすれば雪風もしれぇのキスを感じられます。
98: 2014/09/11(木) 01:08:57.09 ID:9nP0sC54o
それは雪風の中のよくない感情の暴走だったことは自覚していました。でも、雪風には自分が止められませんでした。
雪風のしれぇへの想いはもうそれだけ深まってしまっていたのです。
頬に寄せた顔を逸らしてしれぇの顔と向き合いました。小さな寝息を立てるその唇を見て、雪風は思わず唾を飲み込みました。
目を閉じて顔を近づけます。きっとそのときの雪風は顔は真っ赤で唇はとがらせていて、たこみたいな滑稽な顔をしていたでしょう。
もう少しで唇が触れ合う。しれぇの寝息が顔にかかるくらい近づいたところで、雪風はまたも動きを止めてしまいました。
良心の呵責に耐えきれなかったわけではなく、ただ恥ずかしかったから。
ここまでしておいて最後の一歩を踏み出す勇気が出せなかったのです。
どれくらいそのまま震えていたでしょう。結局雪風はしれぇにキスすることを諦めました。
情けないと心で自分の臆病さをけなして雪風は固く閉じていた目を開けました。
しれぇと目が合いました。
雪風のしれぇへの想いはもうそれだけ深まってしまっていたのです。
頬に寄せた顔を逸らしてしれぇの顔と向き合いました。小さな寝息を立てるその唇を見て、雪風は思わず唾を飲み込みました。
目を閉じて顔を近づけます。きっとそのときの雪風は顔は真っ赤で唇はとがらせていて、たこみたいな滑稽な顔をしていたでしょう。
もう少しで唇が触れ合う。しれぇの寝息が顔にかかるくらい近づいたところで、雪風はまたも動きを止めてしまいました。
良心の呵責に耐えきれなかったわけではなく、ただ恥ずかしかったから。
ここまでしておいて最後の一歩を踏み出す勇気が出せなかったのです。
どれくらいそのまま震えていたでしょう。結局雪風はしれぇにキスすることを諦めました。
情けないと心で自分の臆病さをけなして雪風は固く閉じていた目を開けました。
しれぇと目が合いました。
99: 2014/09/11(木) 01:10:11.21 ID:9nP0sC54o
咄嗟に声も出せず驚くばかりの雪風を、しれぇは一言、「いくじなし」となじりました。
そして雪風の頬を両手で包むとそのまま雪風の頭を引き寄せ、ご自分の唇と雪風の唇を重ねたのです。
唇に感じるしれぇのキスは頬に受けるものよりも何倍も心地よくて、気持ちよかった。
雪風のものと混じり合い、額をなでるしれぇの前髪のくすぐったさ。ほのかに香るしれぇのにおいは、雪風のものと同じシャンプーのにおい。
しれぇの瞳に映る雪風の目が驚愕から恍惚のものへと変わりました。
いつもの痕も残らないほんの触るような短い時間ではなく、息が苦しくなるくらい長い時間が経って、ようやくしれぇは雪風から唇を離しました。
力が抜けて思わず倒れこみそうになった雪風をしれぇは胸で抱きとめてくれます。
雪風はしれぇの腕の中で荒い息を吐きながら、現状を把握しようとしようとしましたが、キスの余韻で上手く回らない頭ではかないませんでした。
呼吸を整え腕の中からしれぇを見上げます。雪風はこれほど動揺しているのに、しれぇはいつもと変わらぬ凛々しいお顔。
でも、ほんのちょっぴり頬に朱が差していました。
そして雪風の頬を両手で包むとそのまま雪風の頭を引き寄せ、ご自分の唇と雪風の唇を重ねたのです。
唇に感じるしれぇのキスは頬に受けるものよりも何倍も心地よくて、気持ちよかった。
雪風のものと混じり合い、額をなでるしれぇの前髪のくすぐったさ。ほのかに香るしれぇのにおいは、雪風のものと同じシャンプーのにおい。
しれぇの瞳に映る雪風の目が驚愕から恍惚のものへと変わりました。
いつもの痕も残らないほんの触るような短い時間ではなく、息が苦しくなるくらい長い時間が経って、ようやくしれぇは雪風から唇を離しました。
力が抜けて思わず倒れこみそうになった雪風をしれぇは胸で抱きとめてくれます。
雪風はしれぇの腕の中で荒い息を吐きながら、現状を把握しようとしようとしましたが、キスの余韻で上手く回らない頭ではかないませんでした。
呼吸を整え腕の中からしれぇを見上げます。雪風はこれほど動揺しているのに、しれぇはいつもと変わらぬ凛々しいお顔。
でも、ほんのちょっぴり頬に朱が差していました。
100: 2014/09/11(木) 01:11:43.92 ID:9nP0sC54o
「私は好きでもない女の子に何度もキスするほど軽い女じゃない」
そう言ってしれぇは雪風の髪を撫でてくれました。雪風の自意識過剰でなければ、愛おしそうに。
はじめは言われた言葉が理解できず、しばらくして働きはじめた脳がそれを理解すると、雪風は炉に火がついたかのように身体が熱くなるのを感じました。
「雪風はどうなの」としれぇは雪風を見降ろして聞いてきました。
雪風は好きでもない女の人にキスをしようとするのかということでしょうか?
「雪風は、雪風も好きな人にしかキス、しません」
たったそれだけの言葉を紡ぐのに、一度出撃したくらい疲労しつつ雪風は答えました。
しれぇは「そう」と呟くと、「けど私はまだ雪風からキスしてもらってないのだけれど」と言いました。
そうです。結局雪風は自分からしれぇにキスしていませんでした。
そう言ってしれぇは雪風の髪を撫でてくれました。雪風の自意識過剰でなければ、愛おしそうに。
はじめは言われた言葉が理解できず、しばらくして働きはじめた脳がそれを理解すると、雪風は炉に火がついたかのように身体が熱くなるのを感じました。
「雪風はどうなの」としれぇは雪風を見降ろして聞いてきました。
雪風は好きでもない女の人にキスをしようとするのかということでしょうか?
「雪風は、雪風も好きな人にしかキス、しません」
たったそれだけの言葉を紡ぐのに、一度出撃したくらい疲労しつつ雪風は答えました。
しれぇは「そう」と呟くと、「けど私はまだ雪風からキスしてもらってないのだけれど」と言いました。
そうです。結局雪風は自分からしれぇにキスしていませんでした。
101: 2014/09/11(木) 01:13:23.68 ID:9nP0sC54o
「幸運の女神の――」
気が動転して言いかけた言葉を飲みこみました。
しれぇの頬の赤みが増していたからです。きっとしれぇもはずかしいんでしょう。
それでも雪風を待ってくれているんです。だから、雪風も伝えなきゃいけません。
雪風の想い。雪風がしれぇに感じてほしいこと。
「雪風のキス、感じてください」
ためらいがちなその言葉を聞いて、提督はただ静かに頷いてくれました。
はずかしさと嬉しさがごちゃ混ぜになったよくわからない感情から身体を震わせながら、それでもしっかりと重ねた唇。
受け入れてくれたしれぇの目にはやっぱりとろんとした雪風の目が映っていて。
きっと雪風の目にも同じしれぇの目が映っていたのでしょう。
気が動転して言いかけた言葉を飲みこみました。
しれぇの頬の赤みが増していたからです。きっとしれぇもはずかしいんでしょう。
それでも雪風を待ってくれているんです。だから、雪風も伝えなきゃいけません。
雪風の想い。雪風がしれぇに感じてほしいこと。
「雪風のキス、感じてください」
ためらいがちなその言葉を聞いて、提督はただ静かに頷いてくれました。
はずかしさと嬉しさがごちゃ混ぜになったよくわからない感情から身体を震わせながら、それでもしっかりと重ねた唇。
受け入れてくれたしれぇの目にはやっぱりとろんとした雪風の目が映っていて。
きっと雪風の目にも同じしれぇの目が映っていたのでしょう。
102: 2014/09/11(木) 01:16:54.29 ID:9nP0sC54o
以上です
エディタで書いてると行頭あけとかけっこうずれるね
ほんとうはこういうのオムニバスで書いてくスレ立てたいけど忙しいから無理なんだよなぁ
誰かやってくれないかなぁ
エディタで書いてると行頭あけとかけっこうずれるね
ほんとうはこういうのオムニバスで書いてくスレ立てたいけど忙しいから無理なんだよなぁ
誰かやってくれないかなぁ
引用: 艦これSS投稿スレ3隻目
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります