187: 2014/09/21(日) 22:33:09.91 ID:23p5aTMC0
数レスお借りします
よーしパパ涼風ちゃん短編投下しちゃうぞー

188: 2014/09/21(日) 22:34:01.11 ID:23p5aTMC0
★かまってちゃん涼風


提督、最近あたいにかまってくれないなぁ。

忘れられちゃってるのかな?

・・・うーん。

おんなじ白露型のみんなは結構かまってもらってるのに・・・。

なんか、ちょっとずるい。

「なあ、五月雨。」

あたいは、正面で白飯を頬張る姉貴に問いかけてみる。

ここは朝の食堂。

今は、ふたりで朝飯を食べている最中だ。

「むぐ?なんですか、涼風。」

ほっぺたを膨らませて答える五月雨。

ちょっと小動物ちっくで、たまらなく愛らしい。

「なんでも相談していいんですよ?」

むんっ、と胸を張る五月雨。

ちょっと頼りないかなぁ。

・・・まぁ、いいか。

「えっとだね・・・」

あたいは、自分が構ってもらえなくなったことを姉に相談してみた。


――――
劇場版 艦これ
189: 2014/09/21(日) 22:35:11.35 ID:23p5aTMC0
「そうですねえ・・・。」

五月雨は顎に指を当てて考えると、にっこりと答える。

「やっぱり、戦果を挙げてアピールするとか。」

「そうは言ってもなぁ。あたいら、燃費も性能も中途半端だし・・・。」

「あはは・・・。確かに、最近みんな強くなってますからねえ。」

苦笑。

「それじゃ、秘書として頑張ってみるとか。」

「あたい最近、秘書にすらしてもらえないんだけど・・・。」

五月雨は最古参だから、結構秘書もやってるんだよね。

あたいももっとやらせてほしいんだい!

「えっと、お色気アピール?」

「あたいらにお色気なんて足りてると思う?」

「・・・だよねー。」

「はあ・・・村雨とか夕立みたいに、発育してればなぁ。」

「それは私も同感です。提督ったら、スOベなんですから。」

むすーっ。

五月雨は頬を膨らませながら、食卓の隅の醤油に手を伸ばした。

それを手に取ると、五月雨は自分の目玉焼きに――

あっ。

「ちょっ!それ、フタ緩んでない?」

「え?」

どぼどぼどぼ。

190: 2014/09/21(日) 22:36:00.95 ID:23p5aTMC0
「・・・。」

「・・・あちゃー。」

「・・・っ」

五月雨はしばし硬直すると、だんだん涙目になってきて・・・。

「いやああーー!私の目玉焼きぃー・・・。」

「わーっ!あたいの半分あげるから、ね!?」

「い、いいの・・・?」

醤油の海が広がるお皿。

うるうると上目遣いで見上げてくる・・・一応、姉。

いつものドジが、発揮された一幕だった。

まあ、このように。

ちょっぴり・・・いや、かなりどうしようもないドジッ娘の姉だけど・・・。

あたいとしては、少しだけあのドジッぷりが羨ましいと思うこともある。

だって、あれのお陰で提督に気に入って貰えてるし!

いっつも見守って貰えてるし!

ね、ずるいでしょ?


――――

191: 2014/09/21(日) 22:37:20.98 ID:23p5aTMC0
そんなこんなで朝食をつついていると、入り口の辺りに提督の姿が見えた。

「あ、提督。ちわっす!」

「おう。」

提督は艦むすたちで賑わう食堂を見渡すと、あたい達の傍にやってくる。

「食堂、混んでるなぁ。相席いいか?」

「ぜんぜんいいよ。座った座った!」

あたいは、ばんばんと自分の横の椅子を叩きながらそう言った。

久々の会話に、少しだけ心が躍っている。

「すまんな。」

「いいのいいの!どうせ五月雨と二人きりだったしさ。五月雨もいいでしょ?」

「あ、はい。提督でしたらいつでも歓迎です。」

そして、提督はちょうどあたいの隣、五月雨と対面の席に腰掛けた。

ぼちぼち、ちょっかいをかけてみるかな。

「あれ?そういえば、提督と話すのって結構久しぶりな気がするよ。」

「そうか?」

「うん。夏頃に、浦風と間違えてあたいにロックをかけようとして以来かな。」

「え?・・・そんなになるか?」

「なるよ、なるなる。」

やっぱり、あんまり覚えてもらってないなぁ。

「もー、たまには構ってくれよう。」

わざとらしく、じたばたとごねてみせる。

「わ、悪かったよ・・・。な?」

そう言って、提督はあたいの頭をグシグシしてきた。

「うひゃーっ」

あ、気持ち良・・・じゃなくて!

「もう!髪くしゃくしゃにしないでくれよぉ。」

提督とお話すると、いっつもうまく丸め込まれちゃうなぁ・・・。


――――

192: 2014/09/21(日) 22:38:21.03 ID:23p5aTMC0
「うふふ・・・。」

「どうしたんだよ、五月雨?」

五月雨は、あたいと提督の間で視線を往復させつつ苦笑している。

「涼風、なんだかんだでちゃんと仲良くやれてるじゃないですか。」

「そーかなぁ?」

「うん。提督も、なんだか楽しそうですよ?」

「……」

「ホ、ホントに?」

「ほんとです。私の前でも、あんな顔は中々見せてくれませんから。」

「――ですよね、提督?」

「……」

五月雨の問いかけに、提督は目を伏せてしまう。

「もう、こんな時に限って照れるんですから・・・。」

どうやらあれは、照れているらしかった。

「う、うるせっ。」

提督は、ちょっと大きな声で返してくる。

そっか、照れてるんだ。

それって、あたいのこともちゃんと見てくれるようになったってことかな?

・・・だったらいいなぁ。

「いつか、もっとあたいに夢中にさせてあげるからねっ?」

言いつつ、あたいは提督の肩にこてん、と頭を預けてみたのだった。


――――――
――――
<おわり>

193: 2014/09/21(日) 23:10:14.76 ID:5wJVtE4AO
涼風放置してる自分としては胸が痛い

194: 2014/09/21(日) 23:48:02.01 ID:bWNFrLoao
乙です

引用: 艦これSS投稿スレ3隻目