1: 2012/03/01(木) 17:16:25.13 ID:HYckWPJI0
水銀燈「何処ぉ!? あんなに私を慕ってくれた水銀党員は何処っ!?」

金糸雀「カナはもう慣れっこかしら! エリートの没落は見てて楽しいかしらー☆」

翠星石「TOY・・・? ハハッ・・・何のことですぅ? こんな単調なツンデレ、今更流行りはしないんですぅ」

蒼星石「まさか男の娘が流行る時代になるとは思いもしなかったよ・・・もう需要なんてないんだ、僕には・・・」

雛苺「ヒナはもう疲れたの・・・元からコアなペドにしか人気なかったのは、分かってたの・・・」

薔薇水晶「もはやばらしーとかきらきーとか通じない・・・」

雪華綺晶「薔薇水晶って言うな! って、なぁんども言ったけど・・・二人揃って間違えすらされなくなっちゃったぁ・・・」


真紅「事態は深刻の一途を極めるのだわ・・・」
ローゼンメイデン ねんどろいど 真紅 薔薇乙女セット (ノンスケール ABS&PVC塗装済み可動フィギュア)
5: 2012/03/01(木) 17:32:00.44 ID:HYckWPJI0
真紅「ハルヒSSと何が違うのかしら・・・」

水銀燈「多分、あっちはバンピーにもだいぶ存在を知られたからよ・・・」

金糸雀「でもカナ達だって、たくさんたくさんまとめブログに転載されたかしら!」

雛苺「そうなの! ヒナ、おっきーいところで、いっぱいヒナ達がいじめられる本が売られている所、見てるの!」

翠星石「そんなん、オタ人気だけですぅ、このバカ苺! だいたい、まとめブログを見る非チビ人間が増えたのも、最近のことですぅ」

蒼星石「僕達の全盛期の頃は、それこそニコニコ動画が始まったばっかりのレベルだからねえ・・・」

薔薇水晶「確かに・・・新参は多かったけど・・・それでも『オタク』って・・・敷居はあった・・・」

雪華綺晶「今ほど創作のクオリティのハードルが高くないのも視野に入れるべきだと思うわぁ・・・お姉様方・・・」

真紅「時代が私達を助長した・・・そう言いたいのかしら?」

蒼星石「まあ、否めない部分はある、だろうね・・・」

16: 2012/03/01(木) 17:50:20.42 ID:HYckWPJI0
水銀燈「・・・そうねぇ」

水銀燈「確かに、もう私達は時代にそぐわない部分があるかもしれないわぁ」

水銀燈「貴女達も考えても見なさいな、私達のキャラデザ・・・」

水銀燈「・・・ぶっちゃけ、古臭いとは思わなぁい?」

翠星石「・・・イマイチ具体性に欠けますが、なんとなく分かる気がしますです」

金糸雀「各々のパーソナルカラーだけで全体を構成するというのは、もう戦隊ぐらいかしら」

真紅「私と水銀燈なんか、服はほぼ単色なのよ」

雛苺「アニメも今見ると、ちょっとキツいものがあるのー!」

雪華綺晶「確かに、今はどのアニメをみても、水準が高いように感じられますわ・・・」

薔薇水晶「2006年レベルで言えば・・・手抜きの京アニ・・・って所・・・?」

翠星石「恐ろしいですぅ・・・今更、第一期を観て欲しいなんて言えないですぅ!」

24: 2012/03/01(木) 18:02:59.95 ID:HYckWPJI0
真紅「だいたい、私達の最後の盛り上がりがどんなものだったか、貴女達は覚えているのかしら?」

金糸雀「オーベルかしらー!」

真紅「残念ね、それから2年は人気は続いたわ」

蒼星石「・・・僕はだいたい分かったよ、原作の打ち切りだろう?」

真紅「ほぼ正解よ。それに追随するように・・・」

雪華綺晶「ウルジャンへの移籍、でしょう? 紅薔薇のお姉様」

真紅「あれ以降、私達はオワコンの一途をたどることになるわ」

翠星石「アニメだけ観てた奴らも、なぜか打ち切り騒動以降、ナリを潜めていった気がするですぅ」

雛苺「うゆ? でも、それでも一年くらいは持った気がするの・・・」

薔薇水晶「・・・過去の民達の逃亡・・・新たな勢力の介入・・・」

雪華綺晶「優秀な兵は将となり、やがて主の牙城を古城と見立て、壊し切り捨て造り替え、街の色を変えると言います」

蒼星石「ニコニコ動画、まとめブログ・・・確かに、影響は否めないよ」

真紅「いつのまにか、そこで独自の文化が生まれていたのだわ」

29: 2012/03/01(木) 18:19:22.42 ID:HYckWPJI0
翠星石「翠星石達は、それに気づかずに、じわじわと追い詰められていったというのですかっ!?」

雛苺「うゆ・・・」

真紅「失った時間も、人も、元には戻らないわ。いったいどれだけの人数が私達8人の婿になったのかはわからないけれど」

真紅「あの時、私達を嫁だと言ってくれた大勢の人間たちは、もうここにはいないのよ」

水銀燈「・・・ウザいだけだと思っていたけど、いなくなってみると寂しいものねぇ・・・」

金糸雀「最近はどこの作品も女の子が多いかしら・・・それに、あんまりシリアスじゃない方が受けてるような気がするかしら・・・」

蒼星石「はは、少女漫画板仮面ライダー龍騎だとか、工口ゲみたいな女性キャラの人数だとか、そんな風に言われてた時期もあったね・・・」

水銀燈「・・・待ってぇ、まどか☆マギカがあるじゃない!」

薔薇水晶「・・・彼女達も・・・いずれ同じ道・・・」

雪華綺晶「ほのぼのだってそうですわ。エポックメイキングになり得ないモノは全て朽ち果てるのみ・・・そうでしょう? 黒薔薇のお姉様」

真紅「・・・それぞれの作品にはそれぞれのヒット足りえるのソースが違う。そして5,6年単位程度の作品と、十何年も語り継がれる作品では違う」

真紅「私達は"今"人気がないと憂いているのは、かつて先人達の通った道であり、今売れている後輩達がこれから通る道だと・・・」

雪華綺晶「そう、原因などどうでもいいのです。ガンダム、エヴァ、ウルトラマン、仮面ライダー・・・これらは恒久的にヒットしていく『異例中の異例』」

雪華綺晶「それ以外の全ての作品は、全て時代に助長され、全て時代に捨てられていくのです。紅薔薇のお姉様」

47: 2012/03/01(木) 18:31:55.03 ID:HYckWPJI0
蒼星石「雪華綺晶、まさか君、最初から・・・」

雪華綺晶「ええ、私達の現状のこと、売れている作品のこと。結論を出す前から、全て知っていましたわ。蒼薔薇のお姉様」

雪華綺晶「クスクス・・・惨めですわ、人気に縛られるというものは」

真紅「貴女だってそうでしょう!?」

雪華綺晶「私は良いのです。未だ続く原作を糧(ミーディアム)とし、生き残って行ければ良いのです」

雪華綺晶「本当に愛してくれる殿方が一人いれば・・・他は要りませんのよ・・・」

翠星石「だからって、このまま忘れられて、我慢できるわけないですっ!」

雪華綺晶「翠薔薇のお姉様。私達もかつて、お父様に0から作られた『作品』」

雪華綺晶「人気争いも、アリスゲームも、同じ事。全ては生きるため。認められるため」

雪華綺晶「はてさて、一度はゲームを拒んだお姉様が、今一度戦いを望むというのは、一体どういうことなのでしょう?」

雪華綺晶「その虚しさは、知っているはずなのに」

55: 2012/03/01(木) 18:42:01.10 ID:HYckWPJI0
雪華綺晶「ほら、YJのお姉様方が、呼んでいますよ・・・」

真紅『もう、終わったアニメのことなんて、いいじゃないの』

真紅「・・・私・・・?」

真紅『私達は十分に生き残ったわ。成果も上げた』

翠星石『あとは、翠星石達と一緒にゆっくり暮らすですぅ!』

翠星石『きっと、こっちでも辛いこと、展開次第じゃたくさんあるとは思いますけど・・・』

金糸雀『物語は、螺子のようには巻き戻せないかしら』

水銀燈『終わってしまった世界から逃れるように、這いずりまわったって良いんじゃなぁい?』


水銀燈『・・・誰も、貴女達をジャンクだとは言わないわ』


水銀燈「・・・・・・」

水銀燈「・・・そうね・・・」

翠星石「水銀燈!?」

62: 2012/03/01(木) 18:51:56.32 ID:HYckWPJI0
水銀燈「色々・・あった末の・・・今だもの」

水銀燈「ゆっくりと・・・暮らしてもいいと思うわぁ」

翠星石「ちょっと、何言ってるですか!」

金糸雀「そうね・・・カナも、ちょっとそう思っちゃった、かしら」

雪華綺晶「さすが黄薔薇のお姉様。聡明でいらっしゃいますこと・・・クスクス」

翠星石「金糸雀まで! 正気に戻って下さいですぅ二人とも!」

翠星石「蒼星石も! さっきから黙ってないで何か言うですぅ!」

翠星石「・・・蒼星・・・石・・・?」

雪華綺晶「蒼薔薇のお姉様は、先に往かれましたよ」

雪華綺晶「それとも、最初からいなかったのかも・・・知れません・・・クスクス・・・」

真紅「っ! まさか、雛苺も!」

翠星石「いない・・・ですぅ・・・」

雪華綺晶「桃薔薇のお姉様は・・・お分かりですよね?」

真紅「雪華綺晶、貴女・・・」

雪華綺晶「愉快でした、とだけ言っておきましょう・・・」

64: 2012/03/01(木) 19:00:11.06 ID:HYckWPJI0
薔薇水晶「あ、あ・・・」

雪華綺晶「・・・ん・・・?」

薔薇水晶「わた、私も・・・あ・・・」

雪華綺晶「お父様は」

雪華綺晶「貴女をお望みではありません」

雪華綺晶「造華のお姉様」

薔薇水晶「ぞう・・・か・・・?」

雪華綺晶「Art Flowerとは良く言ったものですわ」

雪華綺晶「鏡写しのよう、とはあくまでも比喩です。所詮は写し絵、貴女は贋作」

雪華綺晶「布に包まれて、砕かれる運命なのです」

薔薇水晶「い・・・嫌・・・」

薔薇水晶「私・・・も・・・続く世界の・・・永遠の・・・薔薇乙女・・・で・・・」

雪華綺晶「適いません」

薔薇水晶「嫌・・・嫌・・・い・・・」


雪華綺晶「・・・螺子が切れましたか・・・」

67: 2012/03/01(木) 19:13:12.36 ID:HYckWPJI0
雪華綺晶「さて、お姉様方」

翠星石「雪華綺晶っ!」

真紅「・・・皆がもぬけの殻になっているのは、やはり貴女が篭絡して、ミスティカを奪ったからなのかしら?」

雪華綺晶「いえ、私はローザミスティカなど不要だと、前にお伝えしましたでしょう?」

雪華綺晶「全ては、扉の向こう側に」

翠星石「じゃあっ、蒼星石がいないのはっ! チビ苺が消えているのはっ!」

雪華綺晶「同じコト。送り届けたのですわ。その潔癖なる魂を」

雪華綺晶「そこに・・・蒼薔薇のお姉様は、ちゃぁんと居ます・・・」

翠星石「・・・くっ・・・」

翠星石『翠星石は、ずっとずっと、蒼星石と一緒ですぅ!』

雪華綺晶「そこに・・・蒼薔薇のお姉様は、居ます・・・扉の向こうで・・・待ってますわ・・・」

翠星石「・・・・・・」

真紅「・・・翠星石・・・?」

翠星石「・・・ごめんなさい、真紅」

翠星石「翠星石は、蒼星石と一緒に居ないといけないのです」

68: 2012/03/01(木) 19:18:38.09 ID:HYckWPJI0
真紅「翠星石っ!」

雪華綺晶「紅薔薇のお姉様。お邪魔をされるのは無粋です」

真紅「離しなさいっ! 翠星石!」

翠星石「・・・蒼星石、蒼星石、蒼星石!」

翠星石「一生離れまないですっ! 何があっても、ずっと翠星石がそばに居ますっ!」


翠星石「だから、今そこに・・・・・・」


真紅「・・・翠星石まで・・・そんな・・・」

雪華綺晶「素晴らしき、姉妹愛! そうは思いませんか、紅薔薇のお姉様!」

雪華綺晶「私も・・・お姉様達のように・・・仲良くなりたぁい・・・」

真紅「くぅ・・・」

雪華綺晶「そうそう・・・そういえば、お姉様のマスター・・・」

真紅「・・・ジュン、ジュンがどうかしたというのっ!?」

雪華綺晶「ジュン・・・そう・・・あの人間・・・」


雪華綺晶「扉の向こうで彼もまた・・・待っていますわ・・・」

72: 2012/03/01(木) 19:27:45.78 ID:HYckWPJI0
真紅「ジュンに何をしたのっ!?」

雪華綺晶「ご想像にお任せします・・・クスクス」

真紅「・・・卑怯ね」

真紅「卑怯よ、貴女。薔薇乙女の風上にも置けない」

雪華綺晶「行動など問題にはなりません。エーテルはその上を行きますわ」

雪華綺晶「私の精神は依然潔癖。清く、美しく、また誰よりもまたアリスに近い」

真紅「笑わせないで・・・末妹が・・・」

雪華綺晶「ではお姉様方はアリスに足るだけの崇高なる精神をお持ち合わせでいらっしゃるのでしょうか?」

雪華綺晶「そんな訳がないのです・・・私こそ・・・私だけが、お父様に認められる・・・」

雪華綺晶「ローゼンメイデンとして、唯一人に愛される! それこそが至高にして、究極・・・」

雪華綺晶「他大勢の愛など、豚の鳴声にも劣るでしょう」

真紅「貴女って・・・子は・・・・・・っ・・・はぁ、もう・・・駄目みたいね・・・」

真紅「・・・・・・ジュン・・・」

真紅「・・・・・・」


雪華綺晶「さようなら、紅薔薇のお姉様。永遠に続く世界の、またどこかで会いましょう・・・」

73: 2012/03/01(木) 19:30:27.44 ID:HYckWPJI0
どこかとどこかを繋ぐ・・・それが扉。


向こう側に何れの風景が広がるのか、箱の中なの猫が生きているのか氏んでいるのか・・・すべては開けてみてのお楽しみ。

開けることで世界はまた新たに生まれ、連続してゆく。

扉がある限り、この世が果てることはないのです。


目の前の扉、それは光に繋がるか、はたまた闇へと続くのか・・・


開けますか? 開けませんか?

77: 2012/03/01(木) 19:40:25.97 ID:r6j7+NFg0
蒼い子の定期スレとかあったな…懐かしい

79: 2012/03/01(木) 19:51:56.80 ID:3QavIXos0
YJに移籍してから好きになった人もいるんだぞ
俺とか

82: 2012/03/01(木) 20:10:09.55 ID:XgT5t67v0
翠星石が可愛すぎて生きるのが辛い

引用: 真紅「ローゼンSSがないのだわ……」