669: 2013/11/19(火) 23:02:58 ID:oEVJo4q2

【ジョジョ】-ニューヨークのジョナサン-【中編】



カーズ「レンズ_!なるほど…よく考えたな小僧…!」シュウウゥ…

肩の傷口が徐々に塞がる。

…しかし治りが遅い。

波紋ではなく'あの'太陽の力を直に当てられたからか!

シーザー「対柱の男用の技だ…わざわざこの場所に来て正解だったッ!この場所はこのシャボンレンズと相性がいい!」ギャオッ!

シーザーから放たれたシャボンレンズが部屋に侵入してくる!

カーズ(考えるのだ…所詮は光…壁などで隔てれば容易く遮断出来る)
ジョジョの奇妙な冒険 第9部 ザ・ジョジョランズ 5 (ジャンプコミックスDIGITAL)
670: 2013/11/19(火) 23:23:40 ID:oEVJo4q2
カーズ(問題は…どうやって奴に近づくか、だ…)カシュ…

流法を発動して身構える。

カーズ(身体全体を覆う程の刃は行動を阻害する。しかも陽光を確実に防げるとは限らない)

レンズがカーズを取り巻き滞空する。

カーズ(ならば動きを予測し必要最小限の部分で流法を使用すればいい…)

外穴近くのレンズから光が放たれ部屋内のレンズに光を与えていく。

カーズ(簡単な事だ_)

671: 2013/11/20(水) 00:25:25 ID:ILdTMGqY
ギュラアアアァッ!

カーズがいる場所に眩い光が集中する!

パチンッパチンッ

シーザー「そこか!」

左側の通路に光を飛ばす!

シュンッ!

輝彩滑刀で反射させて光から身体を護る!

カーズ(ふむ…)

672: 2013/11/20(水) 00:36:46 ID:ILdTMGqY
再び壁の中に隠れるカーズ。

カーズ(シャボン玉で位置を探知しているのか…)

辺りに漂っていた小さなシャボン玉。

側を通っただけですぐ割れる脆いシャボン玉だ。

奴はそのシャボン玉が割れたかどうかでこちらの位置を掴んでいる。

カーズ(ワムウの予想は間違っていなかったということだな…)

673: 2013/11/21(木) 00:27:45 ID:ZrQecKn.
シーザー(やはりこの技は強力だ!現時点で俺が使える技の中で一番奴らに効く技だ!)

シャボンレンズを更に辺りにばら撒く。

これで奴が何処から出てきても攻撃出来る!

それと同時に脆いシャボン玉もばら撒く。

通常のシャボンに波紋を少し混ぜただけのものだ。

これが割れた時は何かが通って割れたということだ。

抜かりはない。

674: 2013/11/21(木) 00:36:03 ID:ZrQecKn.
シャボンレンズが飛んでくるのが見える。

カーズ(ワムウは俺が陽光を防ぐ術がないから苦戦するといった)

カーズ(確かにその通りだ。このカーズの流法ではあの陽光を'防げない')

カーズ(だが別の使い道が出来るのだよシーザーよ…)カシュ…

シャボンがない空間に出て輝彩滑刀を構えるカーズ。

ザシュアッ!

675: 2013/11/21(木) 22:26:32 ID:ZrQecKn.
シーザー「!」

探知した!

シャボンの波紋が消える感覚!

左側通路からだ!

シーザー「太陽の光を喰らえ!」

ビシュウ!

光が通路を照らす!

ビリィッ!

シーザー「…!?」

676: 2013/11/21(木) 22:31:39 ID:ZrQecKn.
何故だ。

背後からも探知したぞ…?

シーザー「くそ!」ビシュアッ!

左側通路を向いているのだから気配は右側通路からするということだ。

だがここは太陽の光の入り口!

光は何回でも照射できる!

シーザー「カーズ!また身代わりなどという卑劣な手を使ったのだろうが貴様の行動は手に取るようにわかる!」

左右側にレンズからレンズへと光を集中させる!

677: 2013/11/21(木) 22:53:18 ID:ZrQecKn.
シーザー「攻守において氏角なし!そのまま燃え尽きてしまえッ!」

ドス

キュイーン_

頭の中でとても高い音が鳴り響く。

なんだ?

カーズの仕業か?

ジワ…

腹部が突然暖かくなる。

何故だ?

あ…

678: 2013/11/21(木) 23:41:12 ID:ZrQecKn.
あ…'紅い'…

これは血…

誰のだ_?



俺の_?

682: 2013/11/22(金) 21:58:35 ID:T1Vmp0yw
腹部に何か鋭い物が刺さっている。

これは…手…?

指の部分が鋭い刃になった手が突き刺さっている。

ドスッ

今度は後ろから…

感覚が麻痺していて何処に刺さっているのかわからない。

684: 2013/11/22(金) 22:07:38 ID:T1Vmp0yw
一階階段付近_

ジョナサン「ロギンズ師範代!大丈夫ですか!?」コオォォ!

ロギンズの胸に両手を置いて波紋を流す。

ロギンズ「う…」

息を吹き返すロギンズ。

腹の傷も血が出る事はなくなった。

心臓がある胸の部分に波紋を流す事によって急激に生命活動を活発にすることができる。

体の隅々にまで波紋を巡らせて治癒させる事も出来る部分なのだ。

685: 2013/11/22(金) 22:24:37 ID:T1Vmp0yw
リサリサ「ジョジョ。行くわよ」

ジョナサン「し、しかしまだ傷が…」

リサリサ「戦えない者に余力を使う必要はないわ」ザ…ザ…

階段を登っていくリサリサ。

ジョナサン「ではシーザーは!」

ピタ…

リサリサの足が止まる。

686: 2013/11/22(金) 22:34:28 ID:T1Vmp0yw
ジョナサン「貴女を慕い、尊敬していたシーザーを放っとくのですか!?」

ダイアー「…」

リサリサ「…えぇ。シーザーなら心配ありません。彼なら必ず生き残るでしょう」

嘘だ。

シーザーの実力を否定したのではない。

'今言った'リサリサの'言葉'が嘘なのだ。

ジョナサン「何故見てもいないのに断言出来るんですかリサリサ先生…!」

リサリサ「…」

リサリサはこちらに背を向けている。

688: 2013/11/24(日) 18:11:39 ID:yHMWyvD2
ロギンズ「シーザーは…!この階の奥の通路に入っていっ…た…!」

咳き込みながら話すロギンズ。

ジョナサン「奥の通路ですね…?そこにシーザーが…」

ロギンズ「俺の事は…いい。何とか歩けそうだ…」

ジョナサン「すみませんリサリサ先生…!僕はシーザーを放っとく訳にはいかない!」ダッ!

奥への入り口に向かって走るジョナサン。

リサリサ「…」

リサリサは口を開かない。

689: 2013/11/24(日) 19:15:09 ID:yHMWyvD2
ダイアー「…止めなくて…よかったのか?」

ジョナサンの背中を見送る。

リサリサ「いいのです。例え止めたとしてもジョジョの性格なら構わず行ってしまうでしょう」

リサリサ「それに…」

リサリサの頬を涙が伝う。

リサリサ「これ以上あの子と話していると私の決意も揺らぐから…!」

ダイアー「…」

リサリサ「我々は赤石を守らねばなりません…」

リサリサ「誰が…命を落とそうとも…!」

690: 2013/11/25(月) 00:02:36 ID:mKZqCsQ.
再び階段を登り始める。

悲しい女性だ。

自らも重大な戦力であるが故に勝手な行動をすることが許されない…

いや…

'リサリサ自身'が悲しみ立ち止まる事を許さないのだろう。

まだカーズはシーザーの所にいる。

その間にワムウを倒すというのだろう…

ダイアー(リサリサの背中が…泣いている…)

691: 2013/11/25(月) 00:23:31 ID:mKZqCsQ.
_

シーザー「…ッ!ッ!」

ピシュウッ

残り少ない力を振り絞ってレンズで陽光をカーズに撃ちだす。

カーズ「その陽光を待っていたのだ…」カシンッ!

カーズの体を半透明な刃が囲う。

カーズの身体を陽光が包み込む!

692: 2013/11/25(月) 22:11:57 ID:mKZqCsQ.
シーザー「…!!」

カーズ「'やった!これでカーズを始末できた!…とでも考えていたか?」シュウゥ…モゴ…

カーズの切り落とされてなくなった左足と右足の根元の部分が蠢く。

シーザー「…!?」

何故だ_

陽光を浴びているのに_

これではまるで_

694: 2013/11/25(月) 22:21:36 ID:mKZqCsQ.
カーズ「どうした?酷く動揺しているぞ小僧…」モゴァ!

切断した部位に肉が迫り出し、どんどん元の形に戻っていく。

シーザー「ば…かな…!」ドクドク…

陽光は柱の男達にとって「毒」ではなかったのか!?

そしてみるみるうちに元の体型に戻っていく。

カーズ「ふぅ~…貴様を倒す為に切り落とした足が貴様の技によって元通りになるとはなぁ~…?」

695: 2013/11/25(月) 22:27:18 ID:mKZqCsQ.
シーザー「切り落とした…足…だって…!?」

カーズ「何を不思議がっているのだシーザー君」ヒタ…ヒタ…

動けないシーザーに近づくカーズ。

シーザー(な、なんだ…!?身体が動かない…!出血のせいではない…!徐々に身体の自由が奪われているような…!)

カーズ「それはお前がよく知っているだろう?さっきも見てたじゃないか俺の両脚を…」ヒタ…

シーザーの後方に立つ。

696: 2013/11/25(月) 22:39:00 ID:mKZqCsQ.
カーズ「さっき貴様に撃ち込んだものはなァ…」

カーズ「
俺の脚だ


_!

カーズ「随分と陽光で小さくなってしまったがなぁ…まぁ充分だろう」

カーズ「簡単にいうとだ…陽光は確かに我々にとって「毒」だ。だが古くからこんな言葉があるだろう?『毒をもって毒を制す』…と」

カーズ「'毒を制す'為にお前の技を少し利用させて貰ったわけだ…だが真に制すには赤石が必要だがな…まあ何はともあれ楽しむ事が出来たよシーザー…」ポン…

シーザーの背中に手をつく。

カーズ「これはその礼だ…」

698: 2013/11/26(火) 22:40:15 ID:djrZyGlE
ビシュアッ!

シーザー「が…!!」

シーザーの背中から刃が突き出す。

カーズ「一度我が肉体から離れた脚だが…俺は自由に動かせられるのだよ」ス…

ザグゥッ_

カーズ「貴様の身体に入り込んだ我が両脚の輝彩滑刀は貴様の身体を蝕み…」

ドシュッ_

カーズ「貴様の身体を内側からボロボロにしてしまったわけだよ…」

グシュッ_

700: 2013/11/26(火) 23:00:20 ID:djrZyGlE
カーズ「どうだァ…?内側から突き出す刃の感想はァ?」

ザリッ_

カーズ「俺が触れた部分から順に刃は飛び出していく…」

グチ_

カーズ「さて…もう全部突き出した所だろうなァ」

カーズ「ハハハハァ!なんだその姿はァ!?まるで落ち葉が突き刺さって取れないでいるハリネズミのようだァハハハハァァァ!!」

「」

カーズ「クハハハハ!ハァ…」

カーズ「そろそろ貴様に飽きた…頃すか」カシュ!

カーズ「もう生きているかどうかもわからないがなァ…フフフ」ザッザッ

701: 2013/11/26(火) 23:58:09 ID:djrZyGlE
首を垂れるシーザー。

その姿に生気を感じる事は出来ない。

カーズ「これでエシディシも浮かばれるだろう…貴様の血で清めてやる…」ザッザッ

ザッ_

立ち尽くすシーザーの目の前に立つ。

カーズ「ゾクゾクするぞ?貴様の首を刎ねる所を想像するとな…」

カーズの輝彩滑刀がシーザーの首に近づき…

704: 2013/11/27(水) 22:38:33 ID:0TmdsDd.
ガシィッ!

カーズ「!?」

驚愕するカーズ!

こ、この小僧…まだ動けるのか!?

ゆっくりとカーズに組み付くシーザーの腕!

カーズ「貴様…離せッ!!」

鋭い蹴りを放つ。

ドバァッ!

弾かれただと!?

705: 2013/11/27(水) 23:09:17 ID:0TmdsDd.
ブワアアアアア!

凄まじい波紋がシーザーを包み込む!

カーズ「こいつ…一体何処にこんな力を!?」

見るとシーザーの肌の表面の様子がおかしい。

表皮が剥がれていく…!

カーズ「こいつまさか!無理矢理体内から波紋エネルギーを引きずり出しているのか!」

シーザー「お…れも…」ゴオオオォ!

カーズ「!?」

706: 2013/11/27(水) 23:19:34 ID:0TmdsDd.
シーザー「何も…しないで氏ぬのは…ッ!ゴオオオォ!

カーズを掴む力が強くなる!

カーズ「ぐう!?」ジュウウ!

シーザーの手の下でカーズの皮膚が焼かれていく!

シーザー「御先祖に…!申し訳なくて…ッ!」ジュクッ!ジュクッ!

シーザーの顔から血が吹き出す!

シーザー「あの世に…ッ行けない…ぜ…ッ!!」ブワワワワワ!

シーザーの身体の至る所からシャボン玉が作り出されていく_

707: 2013/11/27(水) 23:50:11 ID:0TmdsDd.
カーズ「何をする気か知らんがまずいッ!!」シュラアァ!

激しく発光する刃!

ズバンッ!

シーザーの腕を切り落とす!

シーザー「せめて…!貴様だけは…!!」ゴワワワワワ!

カーズに向かって飛ぶシーザー!

カーズ「チィッ!」バシュッ!

708: 2013/11/27(水) 23:57:56 ID:0TmdsDd.
バシュ_

シーザーの身体が徐々にシャボン玉に変わっていく_

限界を超えて波紋を作り出し、身体中を巡る血液の流れをあえて乱し、爆発させて無理矢理シャボン玉を作ったのだ_

それも大量の_

今のシーザーの姿が見えなくなるほど_

ジョナサン「…ッ!!」

そこにとうとう二人の居場所を突き止めたジョナサンが辿り着く_

710: 2013/11/29(金) 21:43:56 ID:K8xLyOzg
ジョナサン「こ…これは!?」

通路の一箇所に赤い'何かが'漂っている。

ジョナサン「なんなんだ…?これは…」

警戒するジョナサン。

カーズが何かしたのだろうか…?

警戒しながら少しずつ距離を詰めていくジョナサン。

711: 2013/11/29(金) 22:32:12 ID:K8xLyOzg
フワフワ…

赤い何かの塊から一つの丸いものが宙に浮き、ジョナサンの元へと漂ってくる。

ジョナサン「…」

警戒するジョナサンだったが何故かこの何かに対して特別な感情が込み上げてくる。

シャボン玉だ。

赤いシャボン玉_

赤い_

712: 2013/11/29(金) 22:36:25 ID:K8xLyOzg
両手で持とうとする。

バリバリバリッ!

ジョナサン「…!シーザー…ッ!?」

シャボン玉を通して波紋エネルギーがジョナサンの身体に流れてくる!

そしてこの波紋の感覚_

紛れもなくシーザーのそれだった_

ジョナサン「あぁ…あ…!」

714: 2013/11/30(土) 11:20:32 ID:xEtTJu4s
シャボンを掴む指に力がこもる。

バチン_

奥のほうの赤い塊から音が聞こえる。

バチンバチンバチンバチンッ!

あれも…シャボン玉…

そしてとうとうジョナサンが包み込んでいるシャボン玉だけになってしまった…

ジョナサン「シ…シーザー…ッ!」

手の中のシャボン玉が震える。

715: 2013/11/30(土) 11:28:50 ID:xEtTJu4s
バチン_

手の中で静かに割れるシャボン玉。

そして中から彼のバンダナが…

ジョナサン「シーザー…君はここで…ッ」

ジョナサン「ここで…!」

ジョナサンの瞳から涙が零れ落ちる。

ジョナサン「あ…あああ…」

それはもはやジョナサンの意思に関係なく流れ落ちている。

ジョナサンにはどうすることもできなかった_

716: 2013/11/30(土) 11:38:06 ID:xEtTJu4s
ジョナサン「シィィザアアアァァァ!!!」

通路をジョナサンの悲痛な叫びが駆け巡る。

ジョナサン「ああぁぁぁ_!」ポロ…ポロ…

だがしかしもう彼は帰ってこない_

その現実に対してジョナサンは_

ただ泣いた_



To Be Continued_

720: 2013/12/01(日) 23:12:45 ID:Xf0OGN36


まさか…奴があんな行動に出るとは思わなかった…!

ズヌウゥゥ…

壁を伝わり一気に'あの'部屋まで戻る。

完全勝利…苦労もせず汗もかかずに奴を蹂躙する予定が…!

まさか…

まさかこんな…ッ!

721: 2013/12/01(日) 23:21:02 ID:Xf0OGN36
カーズ「…ハッ!…ハッ!」ダラダラダラ…

'恐怖'を感じるとは!

カーズ「ええい!クソがッ!手間取らせおって!」

勝利を手にし、奴を頃したのに…!

'敗北感'が込み上げてくる!

カーズ「それに波紋を食らうとは!さすがは捨て身の攻撃といった所か!」シュウゥ…

波紋の痛みを感じる。

722: 2013/12/02(月) 00:30:31 ID:JXG2MRd2
カーズ「気に食わんが…最後の最後まで攻撃を加えようとするその意思…」

カーズ「 認めよう…! 」

「カ、カーズ様…大丈夫ですか?」ノソノソ…

部屋の前に着く。

カーズ「…問題はない」

扉前の吸血鬼の額に指を翳す。

「カ…カーズ様…?」

カーズ「'これでな…'」

723: 2013/12/02(月) 00:35:34 ID:JXG2MRd2
吸血鬼の額に突き刺すッ!

ズギュンッ!ズギュンッ!

「カ…ッ!アッ…!」

体の傷が癒えてくる。

カーズ「FUUUUUUUU…」

「A…」

ギュルッ!

最後に指先から圧縮した脳みそを取り込む。

カーズの傷は完全に癒えたッ!

724: 2013/12/02(月) 00:45:50 ID:JXG2MRd2
カーズ「やはりただの人間を喰らうよりは'肥えさせた'方がよいな…」

部屋に入り、隅に転がる石仮面の山を見る。

「カーズ様…いかがでしたか…?」

カーズ「ワムウ…」

扉を開けた真正面。

部屋の中の台の上にワムウは鎮座していた。

カーズ「やはりお前の'戦闘者としてのカン'は外れる事はないようだ…お前の言う通り'苦戦'した所だ…」

ワムウ「出過ぎた事を申しました…何なりと罰をお与えください…」

こうべを垂れるワムウ。

カーズ「いや…それでこそお前を信用出来るものよ…頼もしい限りだぞワムウよ」

ワムウ「有り難きお言葉…」

725: 2013/12/03(火) 00:13:02 ID:4F4h8/Z.
カーズ「奴らがここに来るのも時間の問題か…」



ワムウ「カーズ様…」

…ゴゴ

カーズ「…わかっておる」

空気が変わった_

シャボン玉の小僧のような敵意ではなく…

ゴゴゴゴ…

圧倒的な殺意が!

ゴゴゴゴゴゴッ!

726: 2013/12/03(火) 00:20:36 ID:4F4h8/Z.
バゴォンッ!

大きな音を立てて扉が破壊され、一匹の吸血鬼がカーズに向かって吹っ飛ばされる!

カーズ「きたか…」パシュンッ

「KUA…」ズパァッ!

切り裂かれた吸血鬼はカーズの真後ろに飛んでいき、壁にめり込んだ!

そして煙の中に影二つ。

リサリサとダイアーだ!

727: 2013/12/03(火) 00:25:04 ID:4F4h8/Z.
カーズ「ほう…感じるぞ?貴様らの殺気を…」

カーズ「大事な弟子を失って心中穏やかではあるまい…どうした?怒らないのかァ?」

静かではあるがゾッとするような低い声で語るカーズ。

リサリサ「…」

カーズ「ふ…まあよい。貴様ら!こいつらを八つ裂きに…」

リサリサ「してもいいのかしら?」

728: 2013/12/03(火) 00:30:35 ID:4F4h8/Z.
カーズ「…なんだと?」ピタ…

まさかこの場合に及んで命乞いなどするというのか?

いやまさかな…そんな気があるならわざわざこの場に乗り込んで来ない筈だ…。

カーズ「…どういう意味だ?」

このまま頃してやるのもいいが…'何か'仕組んだのかもしれぬ。

残りの二人の波紋戦士がいないのも気にはなる…。

リサリサ「さあどうする?私達を頃す?それとも…」

カーズ「…話してみるがいい」

リサリサ「…」ニヤリ

リサリサは不敵な笑みを浮かべた。

730: 2013/12/03(火) 22:44:51 ID:4F4h8/Z.
_

ロギンズ「…はっ!」パチ

ロギンズ「…どうやら…気絶してしまったようだ」

ジョナサンやリサリサ、ダイアーがそれぞれ歩み始めた後、ロギンズは体に鞭を打って加勢しに行こうとした。

しかしやはり激戦後、直ぐに気を失ってしまったのだ。

傷は治せても失った血までは治せないのだ。

731: 2013/12/03(火) 22:50:14 ID:4F4h8/Z.
ガチャ…

ふと気付く。

ここはあの廃ホテルではない?

ここは…

「気付かれましたか…」

ロギンズ「う…」

シーザー…?

ロギンズ「ジョナサンが間に合ったのか…よかった…」

「ロギンズ師範代?」

ロギンズ「…!」

違う。

シーザーではない。

ジョナサンがいた。

732: 2013/12/03(火) 22:57:42 ID:4F4h8/Z.
ロギンズ「ジョナサン…?」

ジョナサン「すいませんロギンズ師範代。これから赤石をリサリサ先生に届けなくてはならないんです」

赤石…ここはサンモリッツのホテルか!

ロギンズ「赤石を…?」

ジョナサン「はい。どうやらリサリサ先生はカーズ達に赤石を賭ける事によって有利な立場にしようとしています」

ジョナサン「では僕はこれで…安静にしておいてください…」

ロギンズ「…」

バタンッ

赤石を賭けるか…リサリサも思い切った賭けをしたな…

それにしても…何故ジョナサンの姿がシーザーに見えてしまったのだ…?

734: 2013/12/04(水) 00:05:39 ID:PzB8x1pI
ジョナサン「…」

あの写真は…

何故リサリサ先生がエリナおばあちゃんの写真を…。

そしてあの赤ちゃんは一体…

それにストレイツォまで…

一体リサリサ先生は何者なんだ_

738: 2013/12/05(木) 00:21:06 ID:pId8omOg
ピッツベルリナ山_古の闘技場_

ジョナサン「リサリサ先生!ダイアーさん!」ザッ

とうとう辿り着いた戦場。

どうやら決闘場所はカーズ達によって決められたようだ。

リサリサ「…」

ジョナサンが持っている物に気付く。

ダイアー(…いよいよ話す時が来たのか)

リサリサ「…これを見たのですねジョジョ」

頷くジョナサン。

リサリサ「…いいでしょう。話さねばなりません。その写真の全てを_!」

739: 2013/12/05(木) 00:26:32 ID:pId8omOg


リサリサ「_これが真実…」

ジョナサン「…」

ダイアー(リサリサ…'まだ'明かす時ではないということなのか)

闘技場で揺らめく炎を見つめるダイアー。

ダイアー(もし事実を知ってしまってはリサリサ自身に危機が迫った時、ジョナサンは身を呈して彼女を守りに行くだろう)

ダイアー(…いや、ジョナサンの性格なら例え事実を知らなくても…。少しでもジョナサンが冷静にいられるように隠しているのか…)

炎の色が一瞬血の色に映る。

740: 2013/12/05(木) 00:32:35 ID:pId8omOg
ジョナサン(リサリサ先生…貴方も過酷な道を…なんて悲しい人なんだ_)

リサリサ「話は以上です。そろそろ始まるようです」

ウオオオオオオオオォ!!!

雷の様な爆音が闘技場に響き渡る。

この場にいる吸血鬼共の歓声だ。

こんな中で闘っても大丈夫なのだろうか…

リサリサ「心配ないわジョジョ」

ジョナサンの考えを見抜くリサリサ。

リサリサ「いざという時にはここにいるダイアーが吸血鬼の相手をしてくれます。貴方は闘いに専念しなさい」

ジョナサン「…はい!」

741: 2013/12/05(木) 00:43:13 ID:pId8omOg
歩き始めるジョナサン達。

向こう側からカーズ達が歩いてくる。

ジョナサン「…」

カーズ「よくぞ逃げずにここに来たな…褒めてやろうではないか」

ジョナサン「…ッ」ギリッ!

こいつがシーザーを…!

ダイアー『落ち着けジョナサン…』

カーズ「おぉっとそんなに焦るな…物事には順序というものがある。貴様とここで闘うのもいいがそれではここに来た意味がない…」

カーズ「条件を飲んだのだ…此方のルールに従って貰うぞ…?」

リサリサ「これではっきりするわ…生き残るのが我々人類か、闇の一族か…」

ドオオォォz_ン!

743: 2013/12/06(金) 00:25:32 ID:iZgjy.jY
円形の闘技場_

その真ん中にある火が灯されている大きな台座を大勢の吸血鬼が必氏に動かしている。

カーズ「…」

まさか騎馬戦を拒むとはな…

どうやらあの小僧とはサシで闘いたいようだな…

ワムウよッ!

744: 2013/12/06(金) 00:30:55 ID:iZgjy.jY
台座が退かされ、闘技場の中央には広大な舞台が出来上がる。

「ひゃはははは!」

その中央を取り巻く部分に油を捲く。

そしてその吸血鬼の中を歩く二人の姿。

「ワムウ様ァァァ!そんな小僧一捻りでぶち頃してくだせぇよぉぉ!!」ギャハハハハハ!

「てめぇみたいな野郎がワムウ様に勝てるわけねぇだろぉがよぉ!なんなら俺が今頃してやろうか?」ブハハハハハ!

ジョナサン「…」

ワムウ「…」

745: 2013/12/06(金) 00:33:58 ID:iZgjy.jY
ジョナサンには何も聞こえていない。

ただ風の音だけが聞こえてくる。

とても静かだ_

そして何故か心が湧き踊るような感覚…

「いよいよここまで来れた」と_

746: 2013/12/06(金) 00:40:04 ID:iZgjy.jY
感じる。

以前出会った時とは比べ物にならない程強く逞しく!奴はこのワムウのと同じ地に立っている。

あの時見逃した羊が狼になって帰ってこようとは…

ワムウ「フフ…なんと強力に成長したものよ」

あの時の状態でさえこの体に傷を付けた才能。

「待った甲斐があったッ!」とワムウは思った。

749: 2013/12/08(日) 00:04:34 ID:U.wnLrpk
カーズ「出揃ったか…このような催し物を見るのも久しぶりだな…」

リサリサ「ならしっかりと見ているがいいわ。これが最後の決闘なのだから」

カーズ「ふははは!中々面白い事を言う。この試合が終われば次は貴様らの出番だぞ…?貴様らこそよく見ておくがいい…」

ダイアー「…」

カーズ「俺の相手は…お前か」

リサリサ「いいえ私よ」

カーズ「貴様のような女が俺の相手だと…!?これは傑作だ。後ろにいるその男のほうが強そうだがな」

リサリサ「見た目で判断しているのなら痛い目を見るわ。そうやすやすと長生きはしていない」

カーズ「ふん…まあいい(長生き…?)そろそろ試合だ…貴様らの教え子が無残に引きちぎられりのをよく見ておくがいい…」

750: 2013/12/08(日) 00:11:35 ID:U.wnLrpk
「カーズ様!準備完了いたしました!後は点火だけです!」

カーズ「うむ。では始めるか…」

高台に立つカーズ。

カーズ「…ではこれより!ジョナサン・ワムウ対ジョジョの対決を執り行うッ!」

「ウオオオォッ!!」

カーズ「ルールなどはない!ただ単純に相手を殺せばよい!」

「ウオオオォッ!!やっちまぇー!!」

「ワムウ様ー!!」

「同胞の仇をー!!」

751: 2013/12/08(日) 00:53:43 ID:U.wnLrpk
ドドドドドドドドド

ジョナサン「コオオオォ…!」バヒュウウゥ…!

独特の構えをとり、波紋を全身に緩やかに広めていく。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

ワムウ「…ッ」ドヒュウゥ!

ワムウの体から風が吹き荒れ、舞台のチリを吹き飛ばしていく。

752: 2013/12/08(日) 10:55:58 ID:3j64098M
カーズ「50歳とかwwwwwwガキwwwwww」

エシディシ「だよなwwwwwwwwwww」

DIO「そうそうwwwwwwwwww」

カ・エ「お前がいうな」

DIO「え」

755: 2013/12/08(日) 23:32:16 ID:U.wnLrpk
カーズ「両者準備は万端のようだな…横槍、手助け無しの真剣勝負というやつだな…」

ワムウを見て呟くカーズ。

あんなに気迫を漲らせたワムウを止める事はできまい。

カーズ「よし…試合…」ス…

手を振り上げる。

カーズ「開始ィィィィッ!!」

バァァァァンッ!

756: 2013/12/08(日) 23:37:37 ID:U.wnLrpk
ゴォォアッ!

銅鑼の音を業火が掻き消した!

その業火はジョナサンのいる舞台を中心に闘技場全域に広がっていった!

「ヒュー!!ここまで熱気が伝わってくるとはなァァ!」

「苦労して油蒔いたからなァ。そりゃあすげぇ炎ってもんよ」

757: 2013/12/08(日) 23:44:56 ID:U.wnLrpk
ダッ!

ジョナサンが先に仕掛ける!

走りながら足に波紋を流し、そして拳を包む。

ザッ!ザッ!ザァ!ザァオ!

徐々にジョナサンが踏みつける足から波紋が地面に流れ、土色の地面を波紋の光が塗りつぶしていく。

ワムウ「…!」

ワムウは動かない。

そのワムウに向かって物凄い速度で近づくジョナサン。

波紋の力で跳躍力を増幅しているのだ!

758: 2013/12/08(日) 23:53:27 ID:U.wnLrpk
ジョナサン「オオォ!」

ジョナサンの拳を山吹色の波紋が包み込み、ワムウに向かって突き出す!

ブワァァ!

目の前にあった筈のワムウの身体が消え、拳が何も無い空間を通過する。

ジョナサン「!」

上だ!

ジョナサンの頭上にワムウがいた!

リサリサ「足から風を噴出させて空に浮いた…!それもあんなに速く!」

カーズ「奴は風のワムウの異名を持つ男だ…それくらいの事は容易い。そして風を利用することで足に力を込めずに空に浮き、そこから様々な部位に力を込めて攻撃出来る」

759: 2013/12/09(月) 00:03:41 ID:T1b9iri.
ワムウ「ヌウゥ!「ガゴンッ!

ワムウの片腕がジョナサンの頭上から降り降ろされる!

カーズ「足に力を込めて飛ぶなら余程高く飛ばねば込めた力は足に残ったままだ…直ぐには力を攻撃には変換できん…」

カーズ「しかし!風を利用したなら別!身体の何処にも力が入っておらぬいわば0からどのようにも力を込められる!何処からくるかわからぬ攻撃を果たして防げるか!」

ジョナサン「うおぉ!」ズドン!

両腕を上に掲げ、山吹色の波紋を集めて受け止める!

グンッ!

ジョナサンの身体が沈み込む!

そこにワムウのもう片方の腕が迫る!

760: 2013/12/09(月) 22:21:28 ID:T1b9iri.
ジョナサン「コオオォォ!」ヴン!

ワムウの腕が迫る腹の部分に山吹色の波紋を集中させる。

ワムウ「SIAAッ!」ドゴッ!

ワムウの腕がジョナサンの腹に突き刺さる!

バチィッ!

カーズ「なに!」

リサリサ「ジョジョも再戦するまでの間無駄に過ごしてきたわけではない!既に彼は一人前の波紋戦士!」

761: 2013/12/09(月) 22:27:33 ID:T1b9iri.
ジョナサン「うおおぉ!」ガッ!

腕を弾かれて体制が崩れたワムウを掴み、地面に叩きつける!

ワムウ「ぬう!?」ドシャアッ

凄まじい力…!

このワムウの身体を地に叩きつけるとは!

キィィィィン!

甲高い音が聞こえる。

ワムウの目の前にはジョナサンの拳が!

ドゴン!

762: 2013/12/10(火) 00:40:44 ID:EqLQESd2
衝撃で巻き上がる土埃。

ジョナサン「…!」

煙がある一定方向に向かって流れていく。

ワムウ「FUUU…!」ブゥオオォ!

ワムウの風だ!

ワムウの突き出された両腕から風が_!

ワムウ「 神 砂 嵐 ッ ! 」

ゴォォアアッ!

765: 2013/12/11(水) 22:26:15 ID:KpR2t1dg
リサリサ(ジョジョ…!)

カーズ「ワムウは肉体を自在に変化させられる…奴の一撃をそれで防がれたのだろう」

カーズ「終わったな…ワムウの神砂嵐を至近距離で喰らい、無事だったものはいない」

カーズ「よくて瀕氏…いや運が'悪くて'瀕氏…かな。ハハハ…」パチンッ

タタタ…

一人の吸血鬼がグラスを持ってくる。

766: 2013/12/11(水) 22:33:52 ID:KpR2t1dg
「あの炎の中では何がどうなったんだ!?」

「馬鹿野郎!ワムウ様があの小僧をぶち頃してくれてるんだよ!」

トクトクトク…

グラスに真紅の液体が注がれる。

カーズ「…」クイ…

舞台の上で神砂嵐に弾き飛ばされたジョナサンが地面に叩きつけられる。

リサリサとカーズがいる場所は舞台が上から見える高い位置にある。

そして二人の様子もよくわかる。

767: 2013/12/11(水) 23:01:01 ID:KpR2t1dg
ワムウが地面に背をつけ腕を突き出し、ジョナサンは地面に横たわっている。

カーズ「…ふぅ~正しく勝利の美酒という物だな」

グラスを空にしてカーズは息を吐く。

カーズ「どう足掻こうが小僧が不利なのは明らかだ…早くもこの勝負、決着がついたな」

リサリサ「それはどうかしら?」

カーズ「ん…?」

768: 2013/12/12(木) 22:29:37 ID:G.sutNKI
カーズ「!」

_

ワムウ「ヌウアァッ!!」シュウゥ…

悶えるワムウ!

地につけた背からは煙が立ち上っていた。

ワムウ「一体いつ波紋を…!?」

ワムウ「…ハッ!」

ゆっくりと立ち上がりジョナサンの方を見る。

769: 2013/12/12(木) 22:40:50 ID:G.sutNKI
ジョナサン「く…!」

傷付きながらもゆっくりと身体を起こすジョナサン。

ワムウ「ジョジョ…!貴様まさか…!」

ジョナサン「はぁ…はぁ…あらかじめ神砂嵐を出す事はわかっていた…!わかっているなら対処は出来る!」

ワムウ「…なんという奴だ…我が神砂嵐の恐ろしさを知ってもなお!俺に攻撃を加えるとは…!」

ブワアアアア!

ジョナサン「恐ろしいさ。だが僕はその恐怖を乗り越える!」コオオォォ!

ジョナサンを腕をゆっくり回し、波紋を操る。

ジョナサン「思考その2…'恐怖を我が物としろ!その時…呼吸はみだれない!'」シュウゥゥン…!

770: 2013/12/12(木) 23:17:50 ID:G.sutNKI
_

リサリサ「ワムウの神砂嵐を受ける少し前に地面を殴ったジョジョはその拳に纏った波紋を地面に流し込む」

リサリサ「その波紋でワムウの背中を焼き、自分は神砂嵐を受ける瞬間に足に波紋を集め、地面の波紋と反発させて後方に飛んだ!ジョジョ!攻撃と防御を一度に行うとは!」

カーズ「ワムウ…自慢の神砂嵐を少なからず防がれたというのに奴の表情は憤怒に狂っていない…」

カーズ「以前までの奴なら激昂するはず…!ワムウめ…あの小僧に感化されたとでもいうのか!」

772: 2013/12/14(土) 23:39:28 ID:XF2dbodY
_

ワムウ「いいだろう…ジョナサン・ジョースター…。このワムウにとって強者こそ友であり尊敬するもの!我が必殺の奥義を乗り越えようとするお前のその勇気!お前と戦える事を誇りに思うぞ…」

賛美の言葉を告げるワムウ。

ジョナサン(ワムウの体から風が…!吹き上げてる!)

明らかにいつもと風の出方が違う!

ワムウの表皮を突き破って出ているのだ!

773: 2013/12/14(土) 23:45:55 ID:XF2dbodY
ワムウ「俺はこれまで'望まぬ戦い'をしてきた…」ゴォア!

ワムウの身体から風が吹き荒れ、ジョナサンの視界を一時的に封じる!

ジョナサン「く!」

直ぐに目を開けるジョナサンだが目の前に近づくはワムウの拳!

ゴガァ!

打ち上げられるジョナサン!

ジョナサン「が…!」

ワムウ「仇打ちを望む者…命を奪いに来る者…弱き者…!」

775: 2013/12/15(日) 00:04:02 ID:/kZYhmJs
打ち上げられたジョナサンにワムウの回し蹴りが迫る!

ジョナサン「_はあぁぁっ!」グアッ!

渾身の力でワムウを蹴り飛ばす!

ワムウ「_ッ!」

仰け反るワムウ、そこにジョナサンのラッシュが迫る!

ジョナサン「うおおぉ!」ブワアアアア!

バギィァァ!

波紋で固めたジョナサンの拳をワムウは風のスクリューを纏い相頃する!

ワムウ「…この戦いはいままでにないほどこのワムウの胸を躍らせるぞ!ジョジョ!」

776: 2013/12/15(日) 00:21:45 ID:/kZYhmJs
ワムウの突きをジョナサンは肘で軌道をずらし

ジョナサン「せやッ!」シュッ!

ドッ!

ジョナサンの足蹴をワムウは膝で受け止める!

ジョナサンは風の刃で、ワムウは山吹色の波紋で徐々に傷をつけていく!

ジョナサン「僕も…貴方に生かしてもらい戦える事を誇りに思う!」キィーン!

拳に山吹色の波紋を限界まで貯め、ワムウに打ち出す!

ワムウ「RUOOOOOO!」ビシュルルル!

ワムウも風を拳に集め、ジョナサンに打ち出す!

風の密度が恐ろしく濃く、ワムウの拳が見えなくなるほどのものだった!

779: 2013/12/15(日) 22:54:58 ID:/kZYhmJs
_

舞台を取り囲む炎が大きく揺れる。

「すげぇ衝撃だ…おい!もう少し近くで見ようぜ!」

「K…A…」ボタボタ…

「ひ、ひい!?」

ダイアー「…」

「て、てめぇ!俺たちに手を出すつもりなッ!?」ガッ

ダイアー「出来るだけ敵兵は潰しておきたくてな…」

グシュ_

780: 2013/12/16(月) 22:26:13 ID:B8DzvRQ6
_

バリバリバリバリッ!!

風と波紋が激しくぶつかり合っている!

カーズ「…」

カーズの目から見ても互角のぶつかり合い…

勝負の行方に不安を感じるカーズ。

何故_?

それは奴が_

ワムウが「戦闘者」として'あまりにも'純粋'過ぎるからだ!

781: 2013/12/16(月) 22:34:20 ID:B8DzvRQ6
リサリサ「ジョジョの波紋…明らかにエネルギーが増している…」

リサリサ「ワムウの風と渡り合えるほどに…!」

リサリサ「…」

リサリサ「…ッ」


リサリサ(シーザー…あの技をジョジョに…)ポロ…

783: 2013/12/18(水) 22:16:05 ID:e95J5eRM
_

バキイイィーzン!

ガキィィィーzン!

風と波紋がぶつかり合って奇妙な音が響く!

ガァァンッ!

ジョナサンの拳を受けた衝撃を利用して炎の淵に移動するワムウ!

ジョナサン「!」

そしてワムウは!

ワムウ「闘技_」

あろうことか'炎の壁'に向かって腕を突き出した!

784: 2013/12/18(水) 22:26:29 ID:e95J5eRM
ワムウ「神砂嵐ッ!」

炎の壁に打ち出される風の暴力!

ゴワアアアア!

風は炎を巻き込み火の嵐を生む!

ジョナサン「なんて業火だ…!」

ワムウ「ヌウゥゥンッ!」ゴゴ…

ワムウはゆっくりと炎嵐をこちら側に動かしてくる!

ゴガォッ!

地の石ころは宙に舞い、炎に包まれる!

786: 2013/12/19(木) 23:00:12 ID:LO0oDp6A
迫る炎の嵐を前にジョナサンは考えた!

どうすればいいんだ_と!

ふとジョナサンは思いついた。

炎を使えるのならエシディシのように炎を冠する事も出来た筈…

だがワムウは「風のワムウ」だ。

ワムウが極め、行使出来るのは風だけなのだ。

ジョナサン「これに賭けるしかない!」

788: 2013/12/19(木) 23:15:52 ID:LO0oDp6A
ジョナサン「_!」

ワムウ「俺が炎を上手く扱えない事に気付き炎の中を突っ込んでくると予想していた…」シュルルルッ

荒れ狂う業火の狭間_

ジョナサンの視界には踊り狂う炎嵐が裂け、その切れ目からワムウが見える。

そのワムウの背から多数の管が飛び出している。

その管に空気が吸い込まれている。

ジョナサン「目くらまし…か!」

ワムウ「目くらましにしては多少の犠牲を被ったがな…そうでもしなければお前にこの技を当てられまい…」ドシュルルルッ

789: 2013/12/20(金) 22:18:22 ID:e4gosIzw
_

カーズ「…!」ヒタ…

カーズの顔から汗が滴り落ちる。

カーズ「ワ、ワムウ…止すのだ…!」

リサリサ(カーズのこの様子…ワムウがどのような技を出すか知っている…!)

リサリサ(しかしこの焦りよう…ただの技ではない…?まるで爆弾を抱えて特攻する家族を見るような…)

リサリサ(まさか…!)

リサリサ「ジョジョッ!!」

カーズ「辞めるのだワムウッ!!」

792: 2013/12/21(土) 22:30:39 ID:23Qoi8Qc
_

ワムウ「最終流法_」

ジョナサン「…」

ジョナサンにはワムウの額の角に風が吸い込まれていくのがはっきりみえた。

ビリ…ビリ…!

空気が震える。

肌の表面が空気の振動を感じとる。

「この技は恐ろしい技だッ!」ジョナサンはそう思った。

足が竦む。

しかし引けない。

793: 2013/12/21(土) 22:32:30 ID:23Qoi8Qc
ここで引いたら命は助かるかもしれない。

だが確実に僕は彼に…

ワムウに…

'負ける'

それだけが頭に浮かんでくるのだ。

794: 2013/12/21(土) 22:35:19 ID:23Qoi8Qc
ジョナサン「ハアァァァ…」コオォォォ

波紋の呼吸をする。

ただ強く練るのではない。

落ち着いて_

静かに_

柱から水が流れ落ち、地面に吸い込まれていくように_

ジョナサンを中心に波紋エネルギーを地面に広げていく_

795: 2013/12/21(土) 23:06:04 ID:23Qoi8Qc
オオォォォ_ン

地面を'波'が走る。

まるで雫が落ちた水面のように…

ワムウ「このワムウの奥義を前にして引かぬか!流石だジョジョッ!そうでなくては面白くない!」ギュルギュルギュル!

圧縮した空気が爆発しようとする!

ギュンッ!

だがワムウはそれを許さない。

ワムウは更に風を圧縮し、留めた!

熱を帯びる風。

もはや風ではない別の何かにも見える!

796: 2013/12/22(日) 22:13:53 ID:s/B1dNMo
ジョナサン「風が…'見える'!」

それほどまでに圧縮された風。

それを前に身構える。

ジョナサンは自分に言い聞かせた。

常識で考えてはいけないと_

この距離だから届かないだろう

近づいて攻撃してくる

など、常識に囚われた考え方を捨てた。

身体が反応する本能に従って行動するのだ…!

797: 2013/12/22(日) 22:16:42 ID:s/B1dNMo
ズガァンッ!

ジョナサンの背後の地が抉れた!

屈んでいたジョナサンには当たらない。

悪寒がする、ゾッとする、冷や汗が滴る

だが今は考えている暇はない。

感じなければ!

ワムウの風の動きを!

直ぐに横に飛ぶ!

798: 2013/12/22(日) 22:23:06 ID:s/B1dNMo
バシュ!

先ほどまでジョナサンが居た場所に向かって一筋の切れ込みが造られる!

その切れ込みはワムウの居る場所から一直線に伸びている!

ワムウの角から放たれた風のムチが地を斬ったのだ!

ジョナサン「伝われ!波紋ッ!」バシュン!

拳を地に打ち付け、波紋を流す!

あらかじめ流れていた波紋によって勢いを増し、凄まじい速さでワムウに向かっていく!

800: 2013/12/25(水) 22:37:46 ID:dTmL3jfE
バシュンッ!

しかし波紋が流れる地面ごと風のメスで切り取られてしまう!

ワムウ「このワムウに氏角はない…この技は神砂嵐と違って視界を遮らない。そして俺が見たものに正確に攻撃を加えられる…」ドシュルルル!

ジョナサン「…!」ヒュッ

必氏に風のムチを除けるジョジョ。

801: 2013/12/25(水) 22:42:43 ID:dTmL3jfE
_

カーズ「く…ワムウ…このままでは貴様は負けるぞ…!」

カーズには見える。

最終流法を使ったワムウの身体にヒビが入っていくのを!

カーズ「あの小僧が逃げに徹すれば貴様は自分自身の技で自滅することになる…!わかっているのかワムウよ…!」

リサリサ「わかっている筈よ。あの柱の男は…」

カーズ「なんだと…?」

リサリサ「逃げに徹すれば自滅する、ということを…だけどそれ以上の事をワムウはわかっている…」

リサリサ「'ジョジョは逃げも隠れもしない'ということを!」

802: 2013/12/25(水) 23:04:04 ID:dTmL3jfE
_

ワムウ(ぬう…!思ってたよりも反動が大きいな…!決着をつけねばなるまい…)

額から風を噴出、ムチを形作り螺旋を描く。

ギャルルルル!

ジョナサン「…これしかない!」コオォ!

ブオオォーz_

両腕に一気に波紋を集め地面を叩き放出!

波紋色は山吹色!

807: 2013/12/27(金) 22:49:41 ID:VBTL9aZE
ワムウの方向に向かって走る山吹色の波紋!

その波紋は先ほどまでの波紋と違い、大きく!そして輝いていた!

ワムウ「中々のエネルギーだ…しかし届かなくては意味などない!」ピシュッ!

ムチが波紋が流れる地面を裂く!

ジョナサン「うおおおぉ!」バシュンッバシュンッ!

激しく移動しながら何度も波紋を地に流すジョナサン!

808: 2013/12/27(金) 22:55:48 ID:VBTL9aZE
流れる山吹色の波紋を纏う地はワムウの風の刃によって宙を舞い、或いは裂かれる。

ワムウ「…今か!」ドシュルルル!

波紋を切り裂きそのままジョナサンに向かって風の槍を突きつける!

ワムウの風は真っ直ぐにジョナサンへと向かっていく!

それは恐ろしいほどの速さで飛んでいく!

ジョナサン「ふん!」バチィ!

809: 2013/12/27(金) 23:03:48 ID:VBTL9aZE
跳ぶジョナサン!

ワムウの風の槍は外れて炎の土台に突き刺さる!

ジョナサン「これならいける!」

空高く跳んだジョナサンはワムウを見据えて叫ぶ!

ワムウ「甘いな…渾楔颯は我が肉体に限界が訪れるまでなら何度でも作りだせるぞ!」ピシュル!

新たに額から空気を圧縮した風が覗く。

このままワムウに向かっていけば結果は明らかだ!

810: 2013/12/28(土) 22:28:37 ID:YSPWraM2
額の角を中心に風を操り、宙のジョナサンを狙う。

ワムウ「…」ピシュルッ!

ジョナサンめがけて飛ぶ風の槍!

ヒュバァァァ!

限界まで圧縮された風と波紋がぶつかり奇妙な音が鳴り響く。

波紋で固めていたとしてもワムウが操る風には負ける

風を捌くジョナサンの腕には切り傷が!

811: 2013/12/28(土) 22:32:39 ID:YSPWraM2
堪らず地に落ちるジョナサン。

ワムウ「考えが甘かったなジョジョ…俺の技から逃げられると思っていたのか!」ドシュルルル!

地を這うワムウの風!

今度はまるで蛇のように地を這ってジョナサンに襲いかかる!

波紋を集めるジョナサン!

荒れ狂うワムウの嵐をどう躱すのか!

812: 2013/12/28(土) 22:38:20 ID:YSPWraM2
バチッバチッ

ワムウ「ぬ?」

バチッ!バチッ!

何かが弾ける音が聞こえる。

風が荒れ狂うジョナサンの方からだ。

ワムウ「…!」ドシュルルッ!

ワムウは気付いた!

今ジョナサンがいる'位置'が何なのかを!

819: 2014/01/03(金) 22:36:56 ID:FjOsZXL.
なんと!先程斬り裂いた地面の破片が波紋を帯びてスパークしているではないか!

ジョナサン「この地面を!」バチバチバチ!

片足に波紋を巡らせ地を踏む!

ダンッ!

バチィッ!

宙に舞う地面の破片達!

それは大小様々な破片!

ジョナサンが波紋を地面に流し混んでいた地面の破片だ!

820: 2014/01/03(金) 22:40:49 ID:FjOsZXL.
ジョナサン「ハァッ!」バッ!

自身も宙に跳び、ワムウの攻撃を躱す!

ワムウ「ぬう!?」ドシュルル!

ワムウに向かって飛んでくる石のつぶて!

グシュ!

それは波紋を帯びていた!

821: 2014/01/03(金) 22:48:23 ID:FjOsZXL.
ジョナサン「オリャアッ!」バチンッ!

ジョナサンは!宙に舞う自身の周りにある地面の欠片をワムウに向かって撃ちだしていたのだ!

たかが石の欠片でワムウに傷をつけるつもりか?

違う!

ただの石の欠片ではない!

欠片は今!波紋を帯びている!

その波紋を帯びた欠片を波紋を纏ったジョナサンの拳で撃ちだす事で波紋同士を反発!威力の底上げをしていた!

ワムウ「ぬぅぐく!!」グシュ!ドシュ!

身体に埋め込まれていく欠片!

823: 2014/01/04(土) 22:44:42 ID:ugaKqxjs
ワムウ(防御に転じなければッ!!)ピシュルル!

風の槍は結束を失いただの風へと四散する。

だがワムウは刃を失ったものの強固な鎧を手に入れた!

バシュッ!バシュッ!

風のプロテクターによって弾かれる波紋の弾丸!

ワムウ自身も自身の奥義、渾楔颯の為の空気供給管を併用してのこの防護風…

風のプロテクターには不滅の信頼を寄せている!

824: 2014/01/04(土) 22:55:09 ID:ugaKqxjs
ジョナサン「やはり防御したかワムウ!」

周囲に丁度良い大きさの破片があることを確認する。

ジョナサン「今こそ貴方を'乗り越えて'みせる!」キュイィィン!

足に限界まで波紋を集中させる。

フォォォォン…

波紋の純度が高まる!

その足で波紋を帯びた破片と接触させ、波紋を一点集中!

ジョナサン「波紋を集め、反発…爆発させる!」

ドオオォォーz_ン!

825: 2014/01/04(土) 23:01:51 ID:ugaKqxjs
凄まじい音を立ててジョナサンがワムウに向かって突っ込んでいく!

その手は凄まじい輝きを放ち、漆黒を照らす!

ワムウ「来るかジョジョ!!」ブワアアアァ!

風のプロテクターを最大活用して構えるワムウ!

引く事は無い。

ただ構えるだけ!

それが自身の’風'に対する自信とジョジョに対する覚悟!

弾丸のような速さで迫るジョナサンを前にしてワムウは微動だにしない!

'乗り越える'か_!

'打ち砕く'か_!

826: 2014/01/05(日) 18:15:27 ID:z7JYDDps
ズバァァァァァン!!

吹き荒れる暴風!

「ああああ!?」

「ワ、ワムウ様!」

カーズ「…!」

リサリサ「ジョジョ…!」

風は周囲の炎を吹き消し、煙を巻き上げる。

舞台の様子は見えない。

誰にも_

827: 2014/01/05(日) 18:25:06 ID:z7JYDDps
_

『フ…フフフ…流石だジョナサン・ジョースター…』

『まさかこれほどまでの'戦士'になるとはな…』ヒュウウゥ…

「…」

たちこめる砂埃の中、一部分だけ風の流れが周囲と違い外界との接触を絶っていた。

「僕がここまで強くなれたのも貴方のおかげです…貴方があの時僕を…」

巨漢は腹に突き刺さった腕を引き抜く。

ブシィィィィ!

血が吹き出し宙を赤く染めるが直ぐに風に吹き飛ばされる。

巨漢の身体から血と同時に風が漏れているのだ。

828: 2014/01/05(日) 18:33:51 ID:z7JYDDps
つまりもうその男の命の灯火は消える事を意味していた。

『自分の性に従ったまでの事…心からお前の成長を見れてよかったと思っている…』

「…」

『悔いはない…俺はお前と出会う為に何万年も彷徨っていたのかもしれぬ…』

「貴方とは…'違う出会い方'をしたかった…」

『ふ…さらばだ…』シュウウゥ…


ワムウ『ジョ…ジョ…』

830: 2014/01/05(日) 18:43:52 ID:z7JYDDps
_

「煙が晴れていくぞ!」

「どうなったんだ一体!?」

まだ薄く残る砂埃から一筋の風が吹き抜けてジョナサンの姿が現れる。

「な…!」

カーズ「…」ガシッ!

宙を走る風を掴むカーズ。

その様子を後ろから見るリサリサ。

リサリサ「…」

カーズ「次は我々の番だ。覚悟するがよい」ザッ…ザッ…

ダイアー「いよいよだな…」

いつの間にか背後にいたダイアーなリサリサに話しかける。

リサリサ「ジョジョはワムウに勝ちました。彼の師としてこれ以上の喜びはありません。次は私が応える番です」

カーズの後を追うリサリサ。

ダイアーには舞台から此方に歩いてくるジョナサンが決闘前より大きく見えた。

837: 2014/01/06(月) 22:22:40 ID:zYELf9CI
カーズ「…」



「ひっ!お、お父さん…!?」

ワムウ「…ッ」ピタ…

「ううう…ひっぐっ…」

ワムウ「…」クル…

ザッ…ザッ…ザッ…

「…あ…」ビシュ!

ブシィィィィ…

ワムウ「ぬ!?」バッ!

「ガ…ァァ…!」ボタボタッ

ワムウ「カ…」

ワムウ「カーズ様!」

少年の首を刃で貫き振り上げるカーズを見上げるワムウ。

838: 2014/01/06(月) 22:28:17 ID:zYELf9CI
カーズ「ワムウよ…貴様はやはり甘い…波紋戦士の子を逃せば必ずや我々の害になるというのに…」

ワムウ「し、しかし!」

カーズ「しかし、なんだ…?」

ワムウ「…ッ」

ワムウには答えが見つからない。

カーズ「…ワムウよ、これは正当防衛なのだよ。我々は此奴らに脅かされているのだ…。あらかじめ毒を持ち、そして撒き散らすとわかっている花の芽をそのまま放置するか…?しないだろう?」

ワムウ「…はい」

カーズ「見逃さず刈り取るのだ…このようにッ!」ズガッ!

ズバァンッ_

地に落ちる頭

ワムウはその落ちた場所から広がる紅い液体から目を離す事が出来なかった…

839: 2014/01/06(月) 22:38:27 ID:zYELf9CI
_

情、覚悟、相手に対する礼儀…

くだらんな…

ワムウよ…

貴様はその感情さえ'克服'していれば奴には負けず、命を落とさなかった…

この戦で奴らを頃し!赤石を手に入れる事がワムウとエシディシに対してのせめてもの手向け!

なんとしてでも現実のものにしてみせよう…

カーズ「女よ。次の試合…始めから全力で勝負に臨んでやる」

そのためには…

リサリサ「…!?」

カーズ「貴様ら波紋戦士はどうしても正々堂々…この手で決着をつけたくなった!」

どんな手段も使うぞ…ジョジョよ…

To Be Continued_

843: 2014/01/08(水) 22:52:21 ID:3wWqv0zM
カーズ「ふふふ…」

カーズはおもむろに倒れているリサリサの足に手を伸ばす。

「グピャアアアアァ!」ジュウウゥ!

何故か吸血鬼の数が減っていたので容易くカーズとリサリサがいる闘技場の真下まで来ることができた。

ジョナサン「…」ドドドドド

カーズ「…」

真下にいるジョナサンに気付くカーズ。

'これから'するカーズの行動でジョナサンの心はどうにもなる。

恐らくサシで戦う場合もっとも危険な状態になるだろう。

ジョナサン・ジョースターの'本気'を目の当たりにするだろう。

844: 2014/01/09(木) 01:19:08 ID:jKmNkbNM
カーズ「ウィンウィンウィン…ウィンウィンウィンウィン…」

しかしカーズはリサリサの足を持ち、不可解な擬音を呟きながら脚の表面に指を滑らせる。

ジョナサン「…!」プッツーz_ン

あえてだ。

あえて今の様な行為をしている。

奴の頭を沸騰させるためにだ…。

自分の師なるものがこのような扱いをされて黙っていられるかな?

ましてやあの小僧なら…

段々と脚を滑る指が胴の方に_

バンッ!!

847: 2014/01/09(木) 22:08:33 ID:jKmNkbNM
カーズ「!」

体が硬直するカーズ。

音がした方向から凄まじい敵意を感じる。

ゆっくりと視線を上げると…

ジョナサン「カーズ…その女性から手を離せ…」

ドドドドドドドドドド

カーズ「…ふッ」

ザグゥッ!

なんとカーズはリサリサの足に刃を突き刺した!

バキィ!

カーズ「ぬぅ!?」

背後に向かって殴り飛ばされるカーズ!

ジョナサンが一瞬で間合いを詰めてカーズをぶん殴ったのだ!

848: 2014/01/09(木) 22:23:51 ID:jKmNkbNM
ドグン!

柱に叩きつけられるカーズ。

カーズ「奴め…いつの間に俺の前に!?」グシュウウゥ…

頬を痛みが襲う。

何故カーズほどの者がジョナサンを安安と近付けてしまったのか!?

ジョナサン「リサリサ先生…」

彼女を抱き起こし傷の具合をみるジョナサン。

ジョナサン「…なんとかなりそうだ…」

バシィ!

カーズの刃を除け、腕を掴む。

カーズ「な!?」

ジョナサン「…お前は許さない!」グググ!

腕に力がこもる!

カーズ「な、何故俺の行動がわかり、捉えられるのだ!?」

ジョナサン「わからないのか!」ガシィ!

849: 2014/01/09(木) 22:55:50 ID:jKmNkbNM
ジョナサン「ワムウという偉大な戦士と戦い、'認められ'、乗り越えた僕にお前の小細工は通用しない!」

カーズ「黙れ小童がぁ!」

掴まれている部分から刃を出しジョナサンの手を貫く!

カーズ「貴様はこれで逃れられんぞ!貴様をこれからジワジワと痛めつけてくれよう!ハハハハハ!!」

ジョナサン「…」フ…

真下に向かってカーズを掴み落ちるジョナサン。

カーズ「なんだと!?」

予想外の行動!

ジョナサン「お前が'この場所'にいると彼女に危険がまとわりつく!ならば!貴様を下に引きずり落とせば彼女は助かる!」ガシッ!

カーズ「ぬううああ!貴様ァ!他者の為だけに何故そのように命を投げられるのだ!!」

カーズは腕から刃を突き出しジョナサンの腕目掛けて振り下ろす!

カーズの問いをジョナサンはごく平然と、当たり前の事で応える。

ジョナサン「僕は…'僕は人間だから'だァァァ!!」ゴワアアアア!

850: 2014/01/10(金) 21:52:02 ID:ZfBxWBDo
共に落下していくジョナサンにしがみつき己の流法、輝彩滑刀を使用。

ジョナサンの体を無数の刃が貫く!

カーズ「ふ…」ニヤリ…

だがジョナサンの顔は苦痛に歪んではいない!

刃はジョナサンに食いついているのにだ!

ジョナサン「カーズ…!お前は今ッ!重大なミスを犯した!」グイン!

空中での体勢が変わりジョナサンが上、カーズが下になる!

カーズ「き、貴様!まさか!」

851: 2014/01/10(金) 22:07:09 ID:ZfBxWBDo
ジョナサン「そうだ!今の貴様は!鎧を纏い重装したも同然!当然僕よりも重い!」

ジョナサン「この落下の力を合わせて貴様に一撃を加えてやる!」ブワアアアアア!

突然カーズの刃がジョナサンから外れる!

見るとカーズの刃は先っぽがジョナサンの波紋によって溶けている!

カーズ「貴様!ワザと輝彩滑刀を使わせたなぁ!?」シュウウウ

刃に残った波紋は少しずつカーズの体へと昇っていく!

ジョナサン「おおおおお!」

カーズ「く!!」

853: 2014/01/11(土) 21:59:12 ID:3J.1SYLg
ゲシッ!

カーズ「!?」

ジョナサンは波紋をカーズの体表に流して自分はその波紋と脚の反発力を利用して高台の闘技場に戻った!

カーズ「これは…?」

身体を纏う波紋を見るカーズ。

何のつもりだジョジョ…?

この程度の波紋、身体を撫でるだけで大した痛手にもならん。

命惜しさに逃げたのか?

しかし下を見てカーズは理解した!

ジョナサンの行動の意味を!

カーズ「KUAAAAAA!?」

眼科に広がる突き出した水晶の棘!

ジョナサンはこれを利用したのだ!

854: 2014/01/11(土) 22:15:47 ID:3J.1SYLg
「AAAAAA…!」

ザグゥッ!

_!!

下の方でカーズの断末魔が聞こえる。

しかし今は関係無い。

一刻も早くリサリサ先生の手当てをしなくては…

「用意をするのだぁぁぁぁぁ!!我が軍の誇りを結集させて作り出した新兵器でえぇぇぇぇ!我らがトドメをさすうぅぅあああ!」

心強い助っ人もいる。

なんとかなりそうだ…

855: 2014/01/11(土) 22:24:46 ID:3J.1SYLg
スピードワゴン「お久しぶりですダイアーさん」

ダイアー「…友の無礼、詫びさせてくれ…」

ダイアー「謝ったところで許しようがない話だが…」

スピードワゴン「…彼もまた怖かったのでしょう…。日々迫り、そして確実に訪れるであろう氏に…彼を非難する気はありませんよ…」

ダイアー「…すまない」

スピードワゴン「…ジョジョはあの事を知っているのですか?」

ダイアー「…」

スピードワゴン「そうですか…そろそろ話ておかねばなりませぬな…」

スピードワゴン「'真実を'…」

857: 2014/01/12(日) 22:00:49 ID:mYU05hAE
シュトロハイム「我が軍の対吸血鬼、柱の男最終兵器イィィィィ!特大紫外線照射装置イィィィィをおおおお!カーズに向かって発射アアアァァ!」ビシ!

ジョナサン「…」

事前にカーズの体表に纏わせていた波紋の膜…水晶によって貫かれた際にその傷跡から波紋が伝わるように考えて蹴り落としたが…もう少し抵抗するかと思っていた…

ジョナサン「少し呆気なかったような気もするが…」

スモーキー「どうしたんだいジョジョ?なんかしけた顔してるけどよー?」

ジョナサン「え?」

スモーキー「やっと決着が付くんだからもう少し嬉しそうにしなよ!」

ジョナサン「…何かが気がかりなんだ…」

スモーキー「気がかり?」

858: 2014/01/12(日) 22:07:57 ID:mYU05hAE
ジョナサン「何か重要な事を見落としているような…」

狼狽しているジョナサンの目の前でドイツ軍によるカーズへの終止符が打たれようとしている!

シュトロハイム「よし!照射しろぉぉぉぉぉ!」

「イエッサーァァァァァ!」

ジョナサン「リサリサ先生…シーザーの仇が今打たれようとしています…」

介抱されているリサリサを見る。

ジョナサン「…」

ジョナサン「…!」

ジョナサン「シュトロハイムさん!その装置を_!」

カーズがいる方向から悲鳴にも似た叫び声が聞こえる。

シュトロハイム「いかん!紫外線照射装置停_」

859: 2014/01/12(日) 22:33:10 ID:mYU05hAE
光に包まれるカーズ。

柱の男を知る者ならここで勝利を確信するだろう。

つい先程までのジョナサンもそうだ。

確信にはないにしろ予測はあった。

シュトロハイム達と自分ら波紋戦士達によって柱の男の最後の一人、カーズを消滅させるという未来、ビジョンを思い描いていた。

しかし直前_

例えば蛹から蝶へと姿を変える場面_

その蛹にひびが入る時の様な直前に_

ジョナサンは気付いた。

自分の'気がかり'の意味を_

リサリサを見て気付いた

どこを?

首_

首もと_?

ない_

861: 2014/01/13(月) 21:27:55 ID:H0I/sSdc
石が_

赤石が_

いつ先生は無くしていた?

カーズと戦った時にはあった。



'もし'だ


リサリサ先生から赤石を奪い取っていたとしたら_

もし今のカーズが_

’仮面'を被っていたら_?

ダッ!

スピードワゴン「ジョジョ!?」

止めなければ_

最後の柱の男を_

ブワアアアアア!

ジョナサンが作る山吹色の波紋はカーズを包み込む光に呑まれ、霞んでいった_

862: 2014/01/13(月) 21:40:13 ID:H0I/sSdc
_イタリア ヴォルガノ島_

ゴボ…

ボゴ…

「_!_ョ!!」

「!ァハ_ァ!」

それが_

意識も定かではないジョナサンが何度目かに思い描いた走馬灯だった。

呼吸が_

出来ない_

痛みはない

ただ身体が動かない

力を振り絞って身体を起こそうとするも僅かに身体が揺れるだけ

うつ伏せで倒れる自身の身体と地面の隙間には何か細い糸が引いている

864: 2014/01/13(月) 22:10:51 ID:H0I/sSdc
地面の熱で皮膚と岩がくっ付いている

火口のすぐそばだから熱がすごいんだ

昔、本で見た事がある

こんな形で訪れる事になるなんてね

'こんな'状態なのにジョナサンの頭は冷静だった

やれる事は全てやったつもりだからだ。

目の前の'災厄'に対して_

カーズ「波・紋・かぁ~?やはり面白い力だこの呼吸法はぁ~!貴様の様な虫ケラを葬るには丁度いい能力だと思わんかぁ~?」ビシビシビシ!

シュトロハイム「ジョ…ジョジョォォォ!!」

シュトロハイムは今、身に危険が迫っている。

目の前で憎き敵であるジョナサンの胸な風穴を開けたカーズは次にシュトロハイムへと標的を変えたのだ。

出来る事ならこの身体でカーズを火口に押し出し、プロテクターを纏うカーズをプロテクターごと手榴弾で吹っ飛ばし溶岩で消し去りたく思った。

しかしその行動も無に帰すだろう。

奴は『神』になった。

867: 2014/01/14(火) 22:23:56 ID:y8sjnaAQ
実に気分が良い。

最高の気分だ。

あのカラクリ男の身体を構築するネジ一本の表面まで見える!

視力も桁違いになった。

もちろん視力だけではない。

今は腕や羽からだが…慣れればこの身体の髪の毛一本からでも生命を作り出せそうだ!

素晴らしいぞ赤石よ!

このカーズは今!全ての種を超える絶対者になった!

868: 2014/01/14(火) 22:39:57 ID:y8sjnaAQ
カーズ「どれカラクリ軍人よ。貴様はもう助からん。しかし喜べ!貴様はこのカーズの記念すべきモルモットになるのだぁ~~!!」モコモコ…

カーズの肩が異常に膨れ上がり脈動する!

シュトロハイム「モ…モルモット…だと?」

カーズ「そぉだぁわかるだろう?貴様らもよく実験動物を扱うだろう~?それと同じだ…」ザッ

シュトロハイム「…ッ!」

カーズ「このカーズは究極生命体になってから間もない…まだわからぬ点もある。だからこそ知るのだよ~。実際に'やってみて'な…」ザッ

カーズが一歩近づくごとに言葉の意味、カーズの発言の意味がわかり青ざめてくるシュトロハイム。

カーズ「恐怖することはない…寧ろ光栄だろう~?このカーズの役に立てるのだからなぁ~?」ザッ!

869: 2014/01/14(火) 23:06:53 ID:y8sjnaAQ
シュトロハイム「くそッ…!万事休すか…!」

今のシュトロハイムには’足がない'。

そして装備も_

腕を飛ばそうにも無駄に終わる

最初の一回はまぐれのようなものだ

今撃ったとしても'無駄'に終わるだろう…

シュトロハイム「しかし!」

カーズを究極化させた我々が何もしない訳にはいかない!

ここで動かずは軍人の恥!

動く上半身をカーズに向き直し、右腕をカーズに向ける。

カーズ「またそのような玩具か…最初は少し驚いたがもう通用はしないぞ?無駄な事はやめるがよい」ニヤ…

シュトロハイム「これはケジメだ…せめて一矢向くいてみせよう…!」

カーズ「ふ~…そのような行いこそ「天に唾を吐く」というものだ…」

立ち止まるカーズ。

871: 2014/01/15(水) 23:05:47 ID:gDSGa5W6
「…」

虚ろな目でカーズとシュトロハイムを見つめるジョナサン。

その瞳に光はない。

その瞳の前をシャボン玉が通る。

「…」

「…!」

シャボン玉が来た方向を見るとなんとカーズの手元からシャボンが出ているではないか!

カーズ「面白い趣向を思い付いたぞ…'あの'小僧の技で貴様を葬ってやろうではないか~!」ゴボボボ!

手にまるで石鹸を持っているようにシャボン玉を作り出すカーズ!

「…ッ」

ジョナサン「…ッ!」グアッ

ドドドドドドド

872: 2014/01/15(水) 23:14:57 ID:gDSGa5W6
シュトロハイム「…ア…!?」

仰天するシュトロハイム!

もう既にたちあがれまいと思っていたジョナサンが今!カーズの背後に佇んでいる!

カーズ「_ッ」ビク_

カーズは驚愕した!

彼は今!「怯えた!」

究極生命体になり、生態系の頂点に立つ者である自分が怯えたのだ!

ただならぬ気配を感じ振り返るとそこにいた!

ジョナサン・ジョースターが!

この男が今自分に恐怖を感じさせたのか!?

いや!そんな筈はない!

今や胸に風穴が空き、氏にかけの男!

カーズはつい先ほど抱いた感情を否定した!

873: 2014/01/15(水) 23:20:19 ID:gDSGa5W6
カーズ「…驚いたぞジョジョォ…まさかまだそんな傷を負って生きているとはなぁ~」

ジョナサン「…めろ」

カーズ「あぁん?」

ジョナサン「'彼の技'を使うのをやめろと言ったんだ…ッ!」

カーズ「彼の技ぁ…?あの小僧の事か…俺がどう使おうが関係はあるまい…既にシンデイルのだからなぁ~?」

ジョナサン「_」プッツーz_ン

切れた_



僕の中で決定的な何かが

切れた_

877: 2014/01/16(木) 22:36:02 ID:ML4A/ZpA
ジョナサン「ウアアアアアア!!」

カーズに向かって走りだすジョナサン!

カーズ「このカスが…激昂するんじゃあない…!」バババババ!

カーズの右腕が七色に光だし、ジョナサンに向かって突き出される!

シュトロハイム「いかん!ジョジョ!奴のその能力は今余りにも危険すぎる!触れるんじゃあない!」

そう!今のカーズが駆使する波紋は既にジョナサン、リサリサのそれとは比べ物にならない!

もしその右腕で殴られれば、あっという間に皮膚が'溶けて'しまうだろう!

878: 2014/01/16(木) 22:49:22 ID:ML4A/ZpA
ガシィ!

シュトロハイム「!!」

なんとジョナサンは自らその右腕を掴んだ!

カーズ「…!」

異変に気付くカーズ。

'痛い'のだ。

究極化した肉体で作り出した波紋を集めた右腕が。

痛みを感じる。

ジジ…ジ…

なんだ_?

バリ…

右腕と奴の手から_


バチバチバチ!

音が_!

879: 2014/01/16(木) 22:59:56 ID:ML4A/ZpA
ドパァッ!

肩から翼を生やしジョナサンの頭上に一枚の羽を落とす。

キシャァァ!

忽ち羽はピラニアに'生まれ変わり'ジョナサン目掛けて降り注ぐ!

ガシィ!

空いている左手でピラニアを掴むジョナサン!

するとピラニアの身体が溶解し、ドロドロになって地面に落ち、煙を上げる!

シュトロハイム「これは!」

シュトロハイム「同じだ!カーズのあの波紋と!!」

ギリギリギリ!

カーズ「…ッ!ジョジョォ…貴様何故それ程の波紋を使えるようになったのだ…!」バチバチバチ!

激しくスパークする両者の腕!

ジョナサン「そんな事どうでもいいだろう…貴様は僕が倒すのだから!」コオオオォ!

ボゴン!

ジョナサンの首から走る波紋の雷がカーズを掴む手に達した時!カーズの右腕は爆発した!

883: 2014/01/17(金) 22:55:26 ID:g6J2RN4o
カーズ「UGAAAAA!?」ボタッボタッ

堪らず後ずさりしジョナサンから距離をとる。

カーズ「ぬぬ…やはりおかしい…!短時間の間に何故それ程まで力が増しているのだ…!」

フゥゥウウン!

ジョナサンの胸に波紋が集まり一層強くなってからまた胸を中心に波紋が広がっていく!

カーズ「!貴様まさか!」ビクッ!

カーズは気付いた!

ジョナサンが急激に強くなった理由を!

カーズ「人の身でありながら究極生命体になった我に傷を負わすとは…!」

884: 2014/01/17(金) 23:02:40 ID:g6J2RN4o
シュルルル!

ジョナサン「!?」

先程吹き飛ばした腕を植物に変化させジョナサンの足を絡め取り自由を奪う!

カーズ「貴様のその秘密!それはァ!」ズザッ!

あっという間にジョナサンに近づき懐に忍び込む!

ジョナサン「オオォ!」

腕を振り下ろすジョナサン!

その腕は虹色に輝いていた!

885: 2014/01/17(金) 23:11:04 ID:g6J2RN4o
ギュチュイ!

その腕を蛸足と化したカーズの左手が締め付ける!

カーズ「NUAAAAA!」ズバァ!

ジョナサンの胸に手を突き入れるカーズ。

グシュウ!

カーズ「AAAAAAA!」

熱い!

まるであの窪みの中の溶岩のようだ!

ジョナサン「ガアアアアアア!!」ズチィ!

胸に突き刺さったカーズの腕を捩じ切りカーズの顔に向かって拳を打ち出す!

カーズ「だがやはり!」

ガシィ!バリィ!

肩から生えた腕でその拳を捕まえる!

888: 2014/01/19(日) 21:27:34 ID:rBAx22Sw
ジョナサンの拳とそれを包むカーズの手に激痛が走る。

カーズ「貴様…」



カーズ「'人間を超えて'しまったな?」

889: 2014/01/19(日) 21:36:32 ID:rBAx22Sw
ジョナサン「…!」

グシャア!

ジョナサンの拳が握り潰される!

シュトロハイム「あぁッ!?」

粉々になったジョナサンの右手から覗く白い骨。

そして胸の風穴から漏れる赤い光!

エイジャの赤石だ!

カーズ「吸血鬼でもない生身の人間が何故今の俺と対等に戦えるかようやく分かったぞ…!」

シュトロハイム「赤石を取り込むだと…!?そんな事をしたら…!」

ジョナサン「分かっていますシュトロハイムさん!」

シュトロハイム「!」

ジョナサン「今のカーズに対抗出来る手段はこれしかない…だがこの方法は諸刃の剣。使えば僕の身体がどうなるかはわからない…」

ジョナサン「だけど!この場でなにもしないで氏ぬよりはずっと良いッ!!」

891: 2014/01/19(日) 21:46:12 ID:rBAx22Sw
カーズ「中々面白い事を言うじゃないかジョジョォ…今までそんな事をした奴は貴様が初めてだ…」

ジョナサン「…ッ!」ドグン!

カーズ「だが辛かろう…強力なエネルギーを持つ赤石をそのまま体内に取り込むのは…」

カーズが空けた傷穴がどんどん塞がっていく!

そしてジョナサンの右手から骨がポロポロ抜け落ち新たな骨がその下から顔を覗かせる!

ジョナサン「グ…ア…!!」

カーズ「便利だなァその再生力…。最も、貴様からすれば凄まじい激痛が走っているだろうが…」

カーズ「なんなら取ってやろうか?その赤石を…まぁ~どっちにしろ貴様は氏ぬがなァッ!」

894: 2014/01/20(月) 22:49:52 ID:FlXBkziU
波紋を集めたカーズの突きが迫る!

その突きを完治した手の甲で受け止める!

ガチィ!

ジョナサン「ああ…もちろん取るさ…お前を倒した後にッ!」

カーズはまだ気付いていない。

ジョナサンは波紋の達人!

カーズは元柱の男!

この仕組みを利用したのだ!

895: 2014/01/20(月) 23:04:00 ID:FlXBkziU
カーズの蛸足が絡みつく腕にも'ある'波紋を巡らせる。

手の甲にも_

カーズ「威勢だけは良いようだが…完全生命と化した俺をどうやって頃すつもりだァ~?」

蛸足を力強く掴む。

カーズ「共に溶岩に落ちるか!?それもいいが~結果は見えているがなァ~」

そう!結果は見えている!

最初にこの火山に来てカーズが地中から出て来た時点で!

一体どうするつもりなのだジョジョ!

今は動けぬ我が身が恨めしく感じる!

シュトロハイム「クソォォ!」ダンッ!

896: 2014/01/20(月) 23:28:04 ID:FlXBkziU
ジョナサン「シュトロハイムさん」

名を呼ばれハッと顔を上げる。

ジョナサン「貴方のおかげで吸血鬼達は壊滅させられました。ありがとうございます」コオオオォ

カーズ「…?」

シュトロハイム「し、しかし我々の所為でカーズが…!」

カーズ「そぉ~だ感謝しているぞ軍人よ。貴様のおかげで俺は究極生命へと進化できたのだよォ~」

シュトロハイム「く…!」

ジョナサン「大丈夫です」

ジョナサン「倒す事は出来なくとも…僕が何とかしてみせます」

シュトロハイム「ジョジョ…?」

902: 2014/01/21(火) 22:15:09 ID:UjSU0e7k
ズチィ!

蛸足をジョナサンから引き剥がそうとするカーズ!

しかし離れない!

なんだこの力は!?

カーズ「ジョジョォ!貴様一体何をする気だ!?」

カーズは絶叫した!

完全無欠となったカーズを前に!このどうしようもない状況なのに!

ジョナサンは'笑って'いるのだ_

その安らかな微笑みにカーズは恐怖した!

だから今もがいているッ!

903: 2014/01/21(火) 22:31:27 ID:UjSU0e7k
逃れられない!

カーズは知らなかった!

波紋には色々な性質がある事を!

山吹色、緋色、青緑、銀色、生命磁気、深仙脈の波紋_

長く波紋を行使すればやがて知るであろうそれらの波紋もまだ波紋を使ったばかりのカーズにはわからない!

そして今カーズは蛸足、腕だけでなく全身が動かなくなった!

何故だ!?

これは圧倒的波紋エネルギーを操るジョナサンの'生命磁気'の波紋によるものだ!

今ッ!カーズは様々な生物を作り出せる!その生物一体一体は自然界に生きるそれと全く同じ!

そして多数の生物の力を行使できるカーズは様々な生命の力を借りて逃れようとしている!

蛸、肩から中途半端に迫り出している鳥の初列風切、足から頭を生やしたピラニア!それらの力を使い逃れようとしているが生命の力を使う毎に鈍くなっていた!

これは生物が出す生命磁気をジョナサンが暴走させているからだ!

905: 2014/01/21(火) 22:54:00 ID:UjSU0e7k
「神」となった男の思わぬ弱点だった_

カーズ「貴様ァァァ!一体…!何を!」ギギギギ!

身体が軋み上がる。

さらに!赤石を取り込み波紋の力を何倍にも増幅させたジョナサンの波紋は思わぬ奇跡を生み出す!

カーズ「UGOGGGGGGG!?」

カーズの足から上に向かってどんどんと石化していくではないか!

ジョナサン「この赤石まで使ったんだ…貴様のその力…」コオオオォ!

カーズの手を掴んだジョナサンの手が'真っ白'に変色する!

ジョナサン「その力を世の中に放つ訳にはいかない!」ブワアアアアアア!

カーズ「AAAAGYAAAAA!!」ピシピシピシィッ!

シュトロハイム「カーズがあああぁ!カーズがどんどん地面の石と同化してゆくううぅ!!」

極限まで増幅され、強化された波紋はカーズの神経をも狂わせ、自身に岩や鉱物と同化させたのだ!

908: 2014/01/23(木) 22:21:05 ID:oW6Kh3ls
カーズが先ほどまで考えていた事は'身を守る事'。

そして今!自身の体はその意思を尊重し、様々な鉱物が集まった土壌と同化を始めたのだ!

カーズ「動…けぬ…!体…がァ!」ゴゴゴゴゴ!

しかしそれはカーズが今実行したいと考えている行動ではない。

ジョナサンの波紋はカーズの思考と反射の線を歪めてしまったのだ!

シュトロハイム「カーズの足が!足が地面に吸い込まれていくぞぉ!?」

そして次に身体が起こした行動はジョナサンから'遠ざかる事'。

それもただ遠ざかるのではない。

'ジョナサン'が来れない場所へと遠ざかる事だ!

909: 2014/01/23(木) 22:30:47 ID:oW6Kh3ls
結果カーズの身体は地中深くまで潜る選択をした!

カーズ「な_何故_俺はこんな_望んでいな_い!」ガガガガ

喉の奥から徐々に鉱物化していくカーズ。

望んでいない?

違うッ!

全ては己が描いた願望なのだ!

呪うべきは今の自身の身体!

究極生命体となった肉体を呪うしかないだろう!

今のカーズに出来ない事は何も無い!

少なくとも今の人類が思い描く不可能な事は全て出来るだろう!

910: 2014/01/23(木) 22:43:46 ID:oW6Kh3ls
皮肉な事だ_

もし赤石を使わなければ'現在の様な'状況は起きなかった_

そしてその状況を起こるきっかけも赤石_

エイジャの赤石で手にした力はエイジャの赤石によって崩れ去るのだ_

下半身が完全に地中に取り込まれた今、ジョナサンの白色化した手がカーズに触れた。

ビシィ!

913: 2014/01/24(金) 22:05:21 ID:LqaFO.Q6
グジュッ

すると瞬く間にカーズの上半身がジョナサンの手に吸い付き下半身から切り離された。

「_'__」

もう既に言葉を口に出す事も出来ないほど鉱物と同化したカーズ。

白色化していない手で叩いてみる。

キンッキンッ

聞いたこともない音を立てる。

今のカーズをどうにか出来るのは'この手'しかないようだ。

ジョナサン「シュトロハイムさん」

シュトロハイム「ど、どうした!?」

今のこの力でカーズを封印する_

倒す事が出来ないならせめてその行動を封じるしかない。

ジョナサン「…お願いがあります」

そう呟く頃、カーズの下半身は完全に地中に埋まっていた_

914: 2014/01/24(金) 22:20:45 ID:LqaFO.Q6
_

シュトロハイム「なんだとぉ!?'その'手を使ってカーズを封印するだとぉ!?」

ジョナサン「はい。勝手ながらシュトロハイムさんには後の事を任せたいのです」

カーズを封印する手段とは!

カーズの下半身が眠るこの島から対極の位置にある海の底にこの上半身を沈めるという方法だ!

ただ沈めただけではいつ復活するかわからない!

だからジョナサンは保険をかけた!

ジョナサン「この'恐ろしい'手と赤石をカーズの上半身に埋め込んで切り離し、カーズの神経を永久に狂わせます」

ジョナサン「シュトロハイムさんには…皆の事を頼みたいのです_」

そう。

赤石を切り離しすということは今のジョナサンが氏ぬかもしれないという事なのだ。

胸に空いた傷跡は完治したとはいえまだ赤石はジョナサンの身体のさらに深くに存在している。

無事切り離せるかも問題だ。

915: 2014/01/24(金) 22:42:31 ID:LqaFO.Q6
シュトロハイム「…しかしジョジョ!このまま放っておいても大丈夫なのではないか!?奴の半身はこの地の地下深くまで墜ちていった事だし今残る半身をこの地球の裏側の海に捨てるだけでよかろう!お前がわざわざそんな危険を犯さなくても!」

確かにその通りではある。

もはやこの状態のカーズが復活する確率は低い。

例え鉱物化を解除してもいる場は深海、そして半身は地球の裏側。

だが_

ジョナサン「僕はこいつを許す事が出来ない…祖父の氏因である石仮面を作り出し、友人を頃し、師騙し殺そうとした_そして復活の可能性が1%でも少なくなるならその行動をした方がいい…」

そして手を見つめる。

ジョナサン「…何より僕は人の理を超えた力を持ってしまっています。もし生き残れたとしても人の道を踏み外しながら生きたくは無いんです」

シュトロハイム「…」

胸に手を当てるジョナサン。

ジョナサン「僕は_」



ジョナサン「人として生き、そして氏んでいきたい 」

919: 2014/01/25(土) 22:36:50 ID:UUsYWYK.
ズグゥアッ

ジョナサン「ウグァアアアアアアア!!!」ドグンッドグンッ

胸に手を突き刺し赤石を引き抜こうとする!

グググググ!

真っ白となった腕は例え血にまみれようとも白く輝くことを辞めない!その光景にシュトロハイムは畏怖した!

ジョナサンに対してではない!

このまま赤石を取り出さなかったらと思うと_

グバァッ!

更に輝きを増す腕!

ジョナサンがどうやら赤石を掴んだようだ!

920: 2014/01/25(土) 22:42:11 ID:UUsYWYK.
シュトロハイム「く!」ダッ!

脚の修復を終え、火口から外に向かって走り出すシュトロハイム!

これでここにいる'生き物'はジョナサンだけになってしまった_

グチュルルル!

赤石を目に見えるところまで引っ張り出した!

しかし!

ジョジョの肉体が赤石を手放す事を拒んだ!

心臓周辺の血管がなんと!赤石に向かって飛び出し!ジョジョの赤石を握る手に纏わり付いたのだ!

ジョナサン「グググググゥッ!」

そのままゆっくりと今は動かぬカーズの元に向かうジョジョ!

ザッ!

いよいよここまで来た!

921: 2014/01/25(土) 22:50:13 ID:UUsYWYK.
ジョナサン「ハアーッ!ハアーッ!」スッ

おかしい_

いくら赤石の力とはいえ僕のこの身体_

グチリュルル!

まるで別の意思が備わっているように_

ゴォアアッ!

ジョナサン「!」

赤石を握る手が掴まれる!

シュトロハイムさんか!?

いや_

彼は今この場にいない_

ならこの手は_



「 ジョォォジョォアォァォ!! 」

922: 2014/01/25(土) 22:59:55 ID:UUsYWYK.
ジョナサン「カ…カーズッ!!」

なんとそこには!ジョナサンの手に握られる赤石をどうにかして取り出そうとするカーズの姿ッ!

しかしカーズは今鉱物化している!

ジョナサンの手を引っ張っているのはジョナサンのひびから出た「何か」だ!

「セキセキォアォァォ!セキセキオオオォ!!!」

ジョナサン「ウアアアアア!!!」

ジョナサンは恐怖した!

'これ'はもはやカーズではない!

カーズの意思を持った魔物だ!

このまま赤石'だけ'がヤツに渡れば_

赤石だけでは駄目なのだ!

この’手'もヤツの頭に埋め込まなくては!

924: 2014/01/25(土) 23:11:35 ID:UUsYWYK.
赤石を今のジョナサンの手で包み込み、カーズの頭に埋め込む事で切り離したジョナサンの手から流れる波紋は赤石によって永久にカーズの頭を狂わせられる!

しかしカーズが赤石だけを取り込めばそのまままた肉体が復活してしまう!

ジョナサン「オオオォ!!」

グチュンッ!

カーズの頭のひび割れに向かって赤石を包み込んだ手は減り込む!

「AAAAAGAAAAAAYAAAA!」

後はこの手を…!

切断するだけ…!

925: 2014/01/25(土) 23:16:44 ID:UUsYWYK.
しかし!

ギチィィィィ!

ジョナサンの左手に血管が巻き付き腕を拘束する!

ジョナサン「な!?」

やはりおかしい!

まさか_

最初に胸に風穴を開けられたあの時_!

この身体にカーズが何かをしたのか!?

ジョナサン「ぬあああああ!波紋が!伝わらない!?」ブワアアア!

この血管はジョナサンのもの!

仕掛けをしたのはカーズだとしてもその血管はジョナサンの一部なのだ!

故に波紋が…通じない!

赤石の周辺に有った血管だからか!?

「OOOOOOO!!」

早く…手を…切らなければ…

926: 2014/01/25(土) 23:24:01 ID:UUsYWYK.
カーズの頭に手を突き刺しているのに…!

後は手を切り落とし、ヤツの頭に残すだけなのに!

動けない…!!

「ジョジョオオオオォ!!ヤツを封じる波紋を込めろオオオォ!」

ジョナサン「…!」

反射的にその声に従い手に過剰な生命エネルギーを集める!

「UGOAAAAAA!」

「そのままジッとしているんだジョジョオオオオォ!」ブン!

視界に映る影。

飛行機に積んであった斧と…酷い油切れを起こした機械の音_

ズバンッ!

ジョナサン「ありがとう…」

シュトロハイムさん…

929: 2014/01/26(日) 22:25:45 ID:emtFsoL2
_数ヶ月後

I sleep here Caesar Antonio Zeppeli

シーザー A ツェペリ
ここに眠る

その傍らにもう一つの墓碑が_

Sleep here Jonathan Joe star

ジョナサンジョースター
ここに眠る

「彼は我々を救い、神は彼らを救うであろう。どうか彼らに安らかな眠りを与えたまえ_」

スモーキー「…」

降り注ぐ雨はいつもより冷たく、朝方射し込んでいた太陽の光はいつもより弱々しかった。

ロギンズ「…」

師範代もジョナサンの波紋の応急処置もあり、今は問題なく動ける。

メッシーナ師範代の墓も此方にしたらどうだという提案もあった。

しかし我々が日々を過ごし、笑い、努力したあの島の全貌が見える場所に埋葬する事にした。

930: 2014/01/26(日) 22:35:01 ID:emtFsoL2
エリナ「…」

そして最後にエリナ婆さんが花を墓碑に花を添えた。

エリナさんの事はスピードワゴンさんから聞いた。

今一番辛いのは彼女の筈だ。

しかし彼女は泣いていない。

その彼女を前に僕達が泣く事は出来なかった。

リサリサ先生も…

シーザーという愛弟子を、ジョナサンという息子を亡くしてしまった。

スモーキー「…ッ」

…神は本当にいるのだろうか

もしいるとしたら何故これ程までの悲しみを彼女らに与えるのか?

やり場のない怒り、そして悲しみが込み上げてくる。

ゴオオォ…

935: 2014/01/28(火) 22:23:24 ID:r488nUgY
スモーキー「…?」

ゴオオォォォッ

何の音だ?

キキーッ!

スモーキー「!」

黒い車が道の端に止まっている。

誰の車だろう?

「…夫は'別の道から'来ますので私はここで結構です」

バタン

そう言い車から降りる女性。

一見するとお淑やかに見える女性はゆっくりと此方に向かって歩き、リサリサ、ダイアー、ロギンズを見ると泥跳ねも気にせず走り出してきた!

936: 2014/01/28(火) 22:32:13 ID:r488nUgY
スージーQ「お久しぶりです皆さん~!」

ロギンズ「スージーQか…いつになくご機嫌だな」

後後わかった事だが今日のこの日までずっとスージーQは塞ぎ込んでいたらしい。

ダイアー「それにしても遅かったじゃないか。どうしたんだ一体?「

スージーQ「実はですね!」


スージーQ「ジョナサン・ジョースターが今日帰ってくるんです!」

「「「な!?」」」

スピードワゴン「何だってぇ!?」

ゴオオオオォッ

937: 2014/01/28(火) 22:36:07 ID:r488nUgY
エリナ「ジョジョが…?生きている!?」

スージーQ「はい!皆さんの所に手紙は来てなかったんですか?」

スピードワゴン「いや…全く…」

スージーQ「あれ?」

ゴオオオオォッ!

墓地の遥か上空を飛行機が走る!

先程から何回も近づいているようだが…

一体何の為だろうか?

940: 2014/01/29(水) 22:28:25 ID:RCiQ17Lo
_

「さあ!飛ぶのだジョジョよ!ここは戦場ではない!心配するな!」

ジョナサン「は、はい!」

飛行機のドアから顔を出すジョナサン。

やっと帰れるんだ…皆の場所へ…

シュトロハイム「改めて礼を言うぞジョジョッ!'あれ'を誰にも気付かれずに沈めるのはちと骨が折れたが…お前のおかげで世界は救われたのだ!」

ジョナサン「…はい!」

ジョナサン「シュトロハイムさんこそ…ありがとうございました」ス…

右手を翳すジョナサン。

一見すると普通の手だが実は機械仕掛の手_

ドイツ軍の(謎の)技術によりぱっと見わからない程の義手を作って貰った。

941: 2014/01/29(水) 22:46:41 ID:RCiQ17Lo
シュトロハイム「それくらい安いものだ…また何かあれば我々を頼ってくれたまえ!」ビシッ

ジョナサンに向かって敬礼のポーズを取る。

ジョナサン「…」ニコ…

ジョナサンもそれに応じる。

バッ!

勢いよく飛び出すジョナサン!

シュトロハイム「…さらばだッ!ジョナサン・ジョースター!」

我が祖国、ドイツを脅かす存在から国を守る為ッ!シュトロハイムは戦地に赴くのだった_

944: 2014/01/30(木) 22:10:24 ID:iiFiL3zY
_

ここまで色んな事があった_

かつての波紋戦士ストレイツォ

スピードワゴン爺さんの生存報告

柱の男のサンタナ

親友シーザーとの出会い

目覚める柱の三強人

波紋の修行

祖父を知る男、ダイアーさんと出会い

炎のエシディシの襲撃

カーズとの赤石防衛戦

かけがえのない友を失い

風のワムウに認められ

945: 2014/01/30(木) 22:21:10 ID:iiFiL3zY
究極生命体となったカーズと戦い

エイジャの赤石に助けられ

カーズを海の底へと封印した_

まだ争いが絶えないこの時代…カーズを封印した時の事はシュトロハイムさんと僕の秘密_

だが…いずれ話したいと思う

争いが亡くなった平和な世界で…

祖父ジョセフ・ジョースターと_

我が父ジョージ・ジョースターⅡ世_

そして僕の血を受け継ぐ子供達に_


パラシュートを使い地上に降り立つジョナサンを迎えたのはたくさんの涙_

そして涙と同じ数の笑顔だった_

947: 2014/01/30(木) 22:51:29 ID:iiFiL3zY
ジョナサン・ジョースター
全てを終え、そしてリサリサが実の母だと知る。スージーQの積極的なアプローチに気づかずにいたが、ある日を境に男女の仲となる。その後はスージーQと共に祖父が生きた地を訪れ彼の生きた証を辿った。

リサリサ
本名 エリザベス・ジョースター
ジョナサンに全てを打ち明けた後、ジョナサン達を食事に誘いジョナサンのテーブルマナーに対し「波紋の修行より先にすべき修行があった」と自覚する。後にハリウッド映画の脚本家と再婚。

ロバート・E・O・スピードワゴン
紫外線装置の小型化に成功した技術力、財力の関係でドイツ軍に協力を強要されるもそれを拒む。しかし全ての事情を知るシュトロハイムとは親交が続いた。89歳に心臓発作でこの世を去る。生涯独り身だった。

958: 2014/01/31(金) 23:27:26 ID:Vb8Ya9yY
エリナ・ジョースター
夫ジョセフの'ある'願いを聞き入れてくれたダイアーに心からの感謝の言葉を伝える。最後は孫とその家族、友人達に見守られながら81年の生涯を静かに閉じた。ジョセフが'ある'男と最後に戦った際の'真相'は彼女とダイアーしか知らない_

スモーキー・ブラウン
ジョナサン達との交流、影響を受けて財布スリから足を洗う。「俺もジョナサンみたいな男になりたい!」とリサリサに頼み込んだ所、地獄昇柱を紹介されるが辞退した。後にジョージア初の黒人市長となる。

ルドル・フォン・シュトロハイム
サンタナのデータを基準に作り出された肉体を用いて数々の戦場の兵士に恐れられた。ついた通り名が(ドイツを支える)柱の男ッ!しかし原因不明の事態により1943年のスターリングラード戦線で誇り高きドイツ軍人として名誉ある戦氏を遂げた。彼は氏ぬまでカーズの行方について口外しなかった。

959: 2014/01/31(金) 23:45:14 ID:Vb8Ya9yY
ダイアー
エリナに'ある'真実を告げ石仮面が消え去った世界を過ごす。「もうこの世に吸血鬼が生まれる事はない…これでやっと…」と呟き皆の前から姿を消す。最後の最後にジョナサンにある技を伝授したようだ_



誰もいなくなった墓場_

そこにある一つの墓碑_

その墓碑は他の墓碑とは違う特別な細工が施されていた_

刻まれた名前の上部にステンドグラスで作られた丸い虹色のシャボン玉のデザイン_

毎年毎年ある日になると必ず花が添えられているという_



今日もシャボン玉は鮮やかに輝いている

968: 2014/02/01(土) 23:10:49 ID:DSgBmrNA
運命とはわからないものだ_

あるものは変えられない絶対の物、という

あるものは運命とは乗り越える物、という

運命とは最初から決定付けられた物だともいう

しかしこの運命が

もしこの運命というものが

少しでも'ズレて'いたら_

969: 2014/02/01(土) 23:20:07 ID:DSgBmrNA
カーズ「ふははははぁ!赤石をついに手に入れた!女!貴様の役目はもう終わりだ~!氏ねッ!」ザキィッ!

ガシッ

カーズ「なに…!?」

「てめぇ…」

カーズ「…なんだその男は…先程まで'いなかった筈'!?」



「 てめぇは俺を怒らせた…! 」

970: 2014/02/01(土) 23:45:13 ID:DSgBmrNA
エシディシ「な、なんだ!?腕がッ!?」

「痛むんすか?何せ他人の腕だからなぁーッ。バチでも当たったんじゃあねーのかァ?」

エシディシ「ぐうああ!?」ブチンッ!

エシディシ「ぐうう!氏体の…腕が!?」

「やっぱ'元に'戻した方が良いよなぁーッ。バチも当たらねーんだからよー!」

エシディシ「貴様…!」

エシディシ「一体何をしたァ!?」

971: 2014/02/02(日) 22:43:05 ID:f9ApYb5g
弾き飛ばされるリス!

カーズ「まさか貴様も…!?」

「だからやめたほうがいいと言ったんだ…僕もある程度お前と同じ事が出来る…」

ガシィ!

カーズ「なるほど…ただの人間ではないということか…」

リスを変形させた腕を付けたか…

だがもうあの手には’注いで'いる…!

「命を与え…生み出す…それが僕の能力だ…!」

まだ奴は気づいてはいない…'それを'利用するしかないな…

972: 2014/02/02(日) 23:02:11 ID:f9ApYb5g
サンタナ「どけぃ!貴様に構っている暇などない!」グオァ!

「く…単純なパワーなら奴が上…だけど…」

ガァン!

井戸に吹っ飛ばされる身体

「その力でも私の糸を切り離せはしない!」シュルル…!

背中で蠢く紐!

井戸には水がある…

そして奴は私の身体より上にいる…

「ここで決着をつけるッ!」

この勝負、私の勝ちだ!

973: 2014/02/02(日) 23:10:49 ID:f9ApYb5g
「なんでだろう…この場所で馬に乗るという事に…運命を感じる…」

ワムウ「勝負はこのフィールドを駆け巡りながら行うものだ…それが我らが行う騎馬戦…」

「あぁ…わかった…」

この試練を乗り越えれば…僕は'ゼロ'になれる気がする…!

フィールドを見渡す

この戦いを通して僕も…成長してみせる。

君に誓うよ…シーザー…

バンダナを腕に巻き姿勢を整える。

カーズ「始めろォッ!

馬は走り出す

'ゴール'に向かって…

974: 2014/02/02(日) 23:16:04 ID:f9ApYb5g
「泡…俺と同じ…」

シーザー「何顔ジロジロ見てんだ…なにか言いたい事でもあるのか?」

「……」

「じゃあ一ついいか?」

シーザー「なんだよ?」



「俺は…」



「 誰なんだ? 」

975: 2014/02/02(日) 23:24:03 ID:f9ApYb5g
これらは可能性の一つ_

我々が知らない世界の話しである_

父を失い石仮面によって人生を歪められ奇妙な友人と共に'氏に'そして長い歳月を得て'生き'た男の違う人生を描いた物が長い間話した今回の物語_

本当かどうかは誰も知らない_

あるのかないのかさえ_

それが_

ジョジョの奇妙な冒険だ_


-ニューヨークのジョナサン-

976: 2014/02/02(日) 23:27:51 ID:f9ApYb5g
以上で今回の話を終わらせて頂きやす!グダクダですみませんでした!一日3レスとかやばいっすよね!無茶苦茶な展開だったのですがあれでも凄い考えた結果ッ!許してくださいや!今まで長い間お付き合い頂きありがとうございました!それしか言う言葉が見つからないッ!

引用: -ニューヨークのジョナサン-