1: 2012/05/03(木) 15:44:23.56 ID:1njS1tUM0
あかり「こんにちはーっと、みんな今日は何して遊ぼっか」

結衣「やああかり、お茶入ってるから良かったらどうぞ」

あかり「わぁい、結衣ちゃんありがとう!」

あかり「……ぇへへ、結衣ちゃんのお茶も美味しいよぉ」

あかり「あちち……」

結衣「ふふ、あかりはいつまで経っても子供らしくてかわいいな」

あかり「そうかなぁ、あかりも早く結衣ちゃんみたいに大人っぽくなりたいな~」

結衣「無理して背伸びする必要は無いよ、それがあかりのいいところなんだから」

あかり「ふふふ、……今日ね櫻子ちゃんと向日葵ちゃんが話してて気になったんだけど」

結衣「ん、ファッションとかお菓子の話かな」ズズッ

あかり「大人のキスってなぁに、結衣ちゃん?」

結衣「……ぶはっ、げほ、げほ!!」

4: 2012/05/03(木) 15:47:21.59 ID:1njS1tUM0
結衣「ぶはっ、けほ、けほっ!」

あかり「結衣ちゃんそんなに咳き込んで大丈夫!?」

結衣「き、気管にお茶入ったけほっ、けほ!」

あかり「よしよし、すぐ良くなるからね~」ポンポン

結衣「……はぁはぁ、ふぅ」

あかり「ふふ、結衣ちゃんがそんなに動揺するなんて珍しいよね」

結衣「そ、そりゃあ動揺もするだろ!」

結衣「だってあの無垢で真っ白でウブなあかりが……」

結衣「大人のき、キスとか言うから……!」ゴニョゴニョ

あかり「へっ?」

6: 2012/05/03(木) 15:52:44.87 ID:1njS1tUM0
あかり「えっと、最後なんて言ったか聞こえなかったけど」

結衣「な、何回も言うような言葉じゃないし……」

あかり「そんなにもじもじしちゃってらしくないよ~結衣ちゃん」

結衣「うるさい!……あーもう変な汗かいた」パタパタ

あかり「ぇへへ、最近暖かくなってきたもんね」

結衣「そうだな、大人の人もみんな暑そうに腕まくりしてるからな」

あかり「ん、大人……」

結衣「あ、ああ!いまお茶淹れてくるからねあかり!!」

あかり「わーい、あかり結衣ちゃんのお茶も大好き~」

結衣「ほっ……」

9: 2012/05/03(木) 15:57:19.09 ID:1njS1tUM0
あかり「あれ、なにか結衣ちゃんに聞きたいことがあったんだけど」

あかり「う~んなんだったかなぁ……」

あかり「大人、大人、この言葉がみょうに引っかかるよぉ」

結衣「お待たせあかり、今日は暑いしお茶はぬるめにしておいたから」

あかり「ありがとう結衣ちゃん!」

あかり「……結衣ちゃんは気配りが出来て大人だね」ニコッ

結衣「ふふ、あかりだってみんなのこと第一に考えてるだろ?」

結衣「私以上に気配りができる優しい子じゃないか、あかりは」

あかり「そうかなぁ……」ズズッ

11: 2012/05/03(木) 16:03:28.40 ID:1njS1tUM0
あかり「……」ジッ

結衣「ど、どうしたの私の体をじーっと見て」

あかり「はぁ、年齢が一つ違うだけでこんなに違うのかなぁって……」

あかり「京子ちゃんは何だかんだ言って大人っぽいし、お姉さんだし」

結衣「そうだな、根はしっかり者だからね京子は」

あかり「結衣ちゃんだって一人暮らししちゃってるし……」

あかり「雰囲気もクールでカッコイイし、いかにも大人って感じ」

結衣「そ、そう?なんか照れちゃうかも」

あかり「そ、それにお胸にも谷間が出来てるし……」ゴニョゴニョ

結衣「な゛っ!?」

14: 2012/05/03(木) 16:13:22.51 ID:1njS1tUM0
結衣「いきなり何言ってるんだよあかり!」

あかり「だってそうだよね、さすがに向日葵ちゃんまでとはいかないけど……」

あかり「……結衣ちゃんばっかりずるいよぉ」ジッ

結衣「そ、そんな目で見るな……」

結衣「だいたい胸の大きさと大人になるのは関係ないだろ?」

あかり「そうかなぁ、結衣ちゃんはもう大人だと思うけど」

結衣「うーん、さっきからやたらその言葉にこだわるね」

あかり「だって櫻子ちゃんと向日葵ちゃんはもう大人なのに……」

あかり「あかりはまだ子供なんだよ?」グスッ

17: 2012/05/03(木) 16:22:22.88 ID:1njS1tUM0
結衣「あかり、どうしてその2人が大人だって言えるの?」

結衣「大室さんや古谷さんは、確かに生徒会でバリバリ働いているしっかり者だけど」

結衣「あかりだって2人に負けないくらいお利口でいい子じゃないか?」

あかり「だ、だって、だってぇ……えぐっ……」グスッ

結衣「ああ、大丈夫だよ」

結衣「私がしっかりお話を聞いてあげるから、だから泣かないであかり」

あかり「ふぇっ、えぐっ、ゆ、結衣ちゃ~ん……」ギュッ

結衣「よしよし、なにも泣くこともないだろ?」ナデナデ

結衣「あかりが泣いてるとこっちも辛くなってくるからさ……」

18: 2012/05/03(木) 16:28:18.82 ID:1njS1tUM0
あかり「ゆ、結衣ちゃんありがとう……」クシクシ

結衣「ううん、それより痕になっちゃうからあまりこすらないの」

結衣「ほら、私のハンカチでよければ」

あかり「あ、ぇへへ……」

結衣「落ち着いたらでいいからね、なにがあったのか話すのは」

あかり「あかりはもう大丈夫だよ、ありがとう結衣ちゃん!」ニコッ

結衣「ん、やっぱりあかりは笑ってたほうが素敵だよ」

あかり「ぇへへ~褒めても何も出ませんぜおやびん」

結衣「ふふ、なんだよそのキャラ」ナデナデ

19: 2012/05/03(木) 16:31:38.89 ID:1njS1tUM0
結衣「それじゃ今日あったことを話してもらおうかな」

結衣「もしかしたらあかりの悩みを一緒に解決できるかもしれないし」

あかり「……結衣ちゃん、本当にありがとう」ホロリ

結衣「ふふ、早くしないと日が暮れちゃうよあかり」

あかり「あ、えっとね今日のお昼休みに櫻子ちゃんと向日葵ちゃんが……」

結衣「ふむ……」

21: 2012/05/03(木) 16:37:09.67 ID:1njS1tUM0
~お昼の回想~

向日葵「ほら櫻子、口にケチャップが付いてますわよ」フキフキ

櫻子「おっといけないいけない、へへサンキュー」

櫻子「……」

向日葵「な、なんですの、私の顔をじっと見て」

櫻子「……き、昨日やったキスみたいに取ってくれれば良かったのに」

櫻子「なんだっけ、大人のキスとかいうの」

向日葵「こ、このお馬鹿!!!」ガツン

櫻子「ふぎゃっ!?」

ちなつ「……ったく、この百合夫婦は毎回毎回」

あかり「……大人のキス?」

25: 2012/05/03(木) 16:42:12.76 ID:1njS1tUM0
あかり「ねえねえ櫻子ちゃん、大人のキスって……」

櫻子「ありゃりゃ、あかりちゃんはまだ知らないんだ」

櫻子「私と向日葵はしちゃったからもう大人ってことだよん」

向日葵「……あぁ、なんですのこの仕打ちは!」シクシク

ちなつ「諦めなよ、口でも塞がない限り喋り続けるよ櫻子ちゃんは」ニヤニヤ

あかり「お、大人のキスをすれば大人になれるの!?」

櫻子「そうそう……」

櫻子「ふふん、なんならあかりちゃんとしてあげようか?」ニコッ

あかり「えっ……えぇ!!」

向日葵「そ、そんなの絶対にダメよこの馬鹿櫻子ッ!!!」

26: 2012/05/03(木) 16:48:58.07 ID:1njS1tUM0
櫻子「なんだようるさいなぁ、減るもんじゃないしいいだろー」

向日葵「そ、そういう問題じゃなくて……!」

向日葵「櫻子は私と、その、それをしましたでしょうが……」ゴニョゴニョ

櫻子「大人のキス?」

櫻子「あれはすごかったな、私の舌と向日葵の舌が――」

向日葵「いやああああああああああああああああ!!」ガツン

櫻子「ふぎゃっ!?」

ちなつ「やれやれ、お昼からのろけなんて胸焼けしちゃうよ」

あかり「さ、櫻子ちゃんしっかりして!」

櫻子「お星さまキラキラしてる~……」

28: 2012/05/03(木) 17:02:14.87 ID:1njS1tUM0
向日葵「赤座さん、吉川さんこのことは絶対に秘密で……」

あかり「櫻子ちゃんと向日葵ちゃんが大人のキスをしたってお話し?」

ちなつ「いまさらって感じもするけどね、2人の場合」

向日葵「た、たまたまですから、ほんとに」

ちなつ「たまたま舌が絡まる状況って……」

あかり「舌が絡まる?」

ちなつ「ん、あかりちゃんは子供だからまだ知らなくていい事だからね」ナデナデ

あかり「あ、あかりは子供なんかじゃないよぉ!!」

ちなつ「ふふふ、背伸びしちゃって可愛いなぁあかりちゃんは」

31: 2012/05/03(木) 17:10:12.28 ID:1njS1tUM0
あかり「むむむ……ちなつちゃんのいじわる」

向日葵「赤座さんは他にお喋りするような人ではありませんし……」

ちなつ「ふふふ、いいお話し聞いちゃった」

ちなつ「まさか2人がそこまで進んでるなんてね~」ニコッ

向日葵「……吉川さんに知られたのは不味いですわね」ブツブツ

ちなつ「向日葵ちゃん、駅前にケーキのバイキングが新しく出来たんだって」

向日葵「はぁ……分かりました、それで手を打ちます」

ちなつ「いや奢りじゃなくていいから、その時の状況を詳しく……」

向日葵「そんなの恥の上塗りですわ!!」

あかり「うぅぅ、あかりだけ置いてけぼりな感じだよぉ……」

33: 2012/05/03(木) 17:18:22.36 ID:1njS1tUM0
あかり「……ってことが今日のお昼にあったの」

結衣「お、大室さんと古谷さんがそんなことを」ゴクッ

あかり「だからね、みんなとどこか溝を感じちゃって……」

あかり「話題に入れなくて、1人だけ子供みたいな感じで」

あかり「ゆ、結衣ちゃ~ん……」ジワッ

結衣「う~ん、まいったな……」

あかり「あかりも大人になりたいよぉ、置いてけぼりは嫌だよ~!」

結衣「というか、大人のキスがなんなのか知らないんだよねあかりは」

あかり「……うん」

35: 2012/05/03(木) 17:24:01.72 ID:1njS1tUM0
あかり「普通のキスではない特別な何か……かな」

結衣「ずいぶんと抽象的だね、まぁ間違ってはないんだろうけど」

結衣「まずそこから説明する必要があるみたいだね」

あかり「大人のキス……」

あかり「ぇへへ、あかりもそれをすれば大人になれるのかな~」

結衣「な、なんか恥ずかしいないざ説明するとなると」

あかり「……あ、結衣ちゃんはもうしたことあるんだよね?」

結衣「えっ、えぇ!?」

39: 2012/05/03(木) 17:31:20.27 ID:1njS1tUM0
あかり「大人の結衣ちゃんだから、もうとっくに――」

結衣「わ、私はそんなのしたことないって!!」

あかり「あれ結衣ちゃんはしたことないんだ、じゃあまだ子供なんだね」ニコッ

結衣「むむ……」

あかり「ぇへへ、良かった~仲間がいて!」

結衣「というかその2人が進みすぎなんだって、ほんとに」

あかり「そうなんだぁ……」

あかり「でも意外だなぁ結衣ちゃんがお子様だったなんて」プニプニ

結衣「……ほっぺプニプニするのやめろ」

41: 2012/05/03(木) 17:39:16.10 ID:1njS1tUM0
結衣「あかりに子ども扱いされると、なんかしゃくに障る……」

あかり「結衣ちゃん、そろそろ説明してもらってもいいかな?」

結衣「え、えっと、そのだから……」

あかり「うんうんっ!」

結衣「普通のキスは唇と唇を重ねるよね?」

結衣「まぁ、あかりはちなつちゃんとキスしてたからそれくらい分かるか」

あかり「……」

あかり「あ、あれは事故だよ、うんきっとそう……」

結衣「ずいぶんとやつれた顔になったな、どうしたんだろう」



43: 2012/05/03(木) 17:45:02.71 ID:1njS1tUM0
結衣「あかり、具合が悪かったらムリしなくてもいいからな」

あかり「ううん、大丈夫だよ続けて結衣ちゃん」ニコッ

結衣「ん、大人のキスっていうのはね……」

あかり「うんうんっ!」

結衣「あー……だからその、さ」

結衣「例えばあかりと私がキスするとするだろ?」

あかり「え、えぇ!?」

結衣「あ、いや、そのな、嫌だったら違う誰かとでもいいんだ!」アセアセ

あかり「う、ううん、ちょっとびっくりしただけだから……」

44: 2012/05/03(木) 17:51:18.74 ID:1njS1tUM0
結衣「こほん、だからそのお互いの唇を重ねた状態で……」

あかり「あ、あかりと結衣ちゃんが?」

結衣「いや、だから想像の話だからな、本気にするなよ?」

あかり「……」ドキドキ

結衣「だ、だから、大人のキスっていうのは……」

結衣「私の舌とあかりの舌を絡ませるようなキスのことを言うんだよ!!」

あかり「へ、へぇ~、あかりと結衣ちゃんの舌を……」

あかり「……」

あかり「えええええええええええええええええええええええええええ!?」オダンゴポロッ

48: 2012/05/03(木) 17:57:04.05 ID:1njS1tUM0
結衣「お、おいあかりお団子取れてるって……」スッ

あかり「あ、はひ、ありがと結衣ちゃん……」

あかり「ぇへへ、ちょっと油断すると取れちゃうんだよねコレ」

あかり「……よっと、これでどうかな結衣ちゃん?」

結衣「あ、ああいつもの可愛いあかりだよ」

あかり「ふふふ、ありがとう結衣ちゃん!」

結衣(お団子が取れたことにはツッコまないほうがいいんだろうな)

50: 2012/05/03(木) 18:02:20.64 ID:1njS1tUM0
結衣「以上であかりが知りたがっていた大人のキスの説明を終わります」

結衣「ご静聴ありがとうございました」ペコッ

あかり「え、えっとちょっと質問があります」

結衣「ん、どうぞあかりさん」

あかり「結衣ちゃんはあかりと大人のキスをしたいんですか……?」

結衣「は、はぁ!?」

結衣「と、唐突になんだよその質問は!!」

あかり「だ、だってそうだよね……?」

あかり「別に無理してあかりと結衣ちゃんのペアで考える必要がないもん……」

結衣「あ、う、ぐぐぐ……」カァー

53: 2012/05/03(木) 18:07:43.84 ID:1njS1tUM0
結衣「その、目の前にいる人間だったらイメージしやすいんじゃないかと思って……」

あかり「そ、そっかぁ、確かに一理あるね」

あかり「やっぱり結衣ちゃんは優しいなぁ、ぇへへ」

結衣「……ふ、深い意味は本当にないからな?」

あかり「ううん、今からちょっとイメージしてみるね」

結衣「……何をだよ」

あかり「あ、あかりと結衣ちゃんが大人のキスをしているところ」

結衣「な゛っ!?」

あかり「キス、キス、舌と舌を絡ませる……」モンモン

結衣「ちょ、ちょっと待て帰ってこいあかり!!」

56: 2012/05/03(木) 18:13:08.36 ID:1njS1tUM0
あかり「んっ、はぁ……ゆ、いひゃん……」

結衣「わーわーわーわー!!!」

あかり「ちょっと結衣ちゃん静かにしてよぉ、集中できないから」

あかり「静かにしてないと、めっ、だよ?」

結衣「うるさい……目の前に本人がいるのに妄想は止めてくれ」

結衣「あ、あかりは私とするのに抵抗は無いの?」

あかり「えっとね、いまチューしてみたんだけど……」

あかり「な、なんか悪くなかったかも……」モジモジ

結衣「あ、そ……」

60: 2012/05/03(木) 18:22:00.42 ID:1njS1tUM0
あかり「結衣ちゃんあのね、妄想でチューしてみて不満が2つあったんだけど」

結衣「な、なんだよ……」

あかり「あかりと結衣ちゃんは身長差があるよね?」

結衣「そうかな、まぁあるといえばあるのかな」

あかり「それであかりが背伸びしてたから、そこは思いやりが欲しいなぁ」

結衣「分かった、それじゃ私がちょっとかがめばいいのかな」

あかり「うんうんっ!」

あかり「ぇへへ、やっぱり結衣ちゃんがあかりをリードしてたなぁ~」

結衣「……何かがかおかしいよね、この会話」

63: 2012/05/03(木) 18:33:34.82 ID:1njS1tUM0
あかり「それでもう一つの不満っていうのは、息が続かないんだけど……」

あかり「ゆ、結衣ちゃんってばあかりのことガシって捕まえて離さないから……」

結衣「……もうツッコミは入れないよ」

結衣「力強く抱きしめられた方が私は嬉しいけどね」

あかり「あ、確かにそうかも……」

結衣「ふふ、息が続かないなら鼻で吸えばいいだろ?」ナデナデ

あかり「あ、そっか、そうだよね!」

あかり「……すーはーすーはー、ぇへへおっちょこちょいだなぁあかり」

結衣「さてと、京子とちなつちゃんお休みだし今日は帰ろうかな」

あかり「ちょ、ちょっと結衣ちゃん帰っちゃうの!?」

65: 2012/05/03(木) 18:41:04.32 ID:1njS1tUM0
結衣「なんでだよ、もう説明は終わったしいいだろ?」

あかり「そ、そうじゃなくて……」

結衣「そうじゃなくて?」

あかり「結衣ちゃんはこのまま子供のままでいいの?」

結衣「むむむ……」

あかり「あ、あかりは嫌だもん、早く大人になりたいよぉ……」グスッ

結衣「って言ってもなぁ、具体的に何をすればいいのやら」

あかり「だから……」ギュッ

あかり「あかりと大人のキスして一緒に大人になろう、結衣ちゃん?」

69: 2012/05/03(木) 18:49:46.19 ID:1njS1tUM0
結衣「……え、えっと、正気かあかり?」

あかり「あかりは本気だよ、だってもう置いてけぼりは嫌だもん」

結衣「……あかりに大切なこと言ってなかったな」

結衣「大人のキスっていうのは、お互いを好きじゃないとしてはいけないことなんだ」

あかり「じゃ、じゃあ櫻子ちゃんと向日葵ちゃんは……」

結衣「うん、大室さんと古谷さんは両想いだからいいんだ」

結衣「お互いの愛を確かめ合うための儀式みたいなものなんだよ、大人のキスって」

結衣「だから私たちみたいに、大人になりたいからっていう動機だけじゃ……」

あかり「ゆ、結衣ちゃん……」ジワッ

70: 2012/05/03(木) 18:59:29.65 ID:1njS1tUM0
あかり「あかりは結衣ちゃんのこと大好きだよ?」

あかり「だってねこうやって、ぎゅーってしてると落ち着くもん……」ギュッ

あかり「結衣ちゃんとお話しするのも楽しいし、オムライスも大好きだし!」

結衣「……あかりの言う好きはさ、恋愛的な意味じゃないんだよ」ナデナデ

結衣「友達や幼なじみとしての好きってだけで、友情の延長なんだ」

あかり「……」

結衣「……そんなにしょんぼりしないでよ、いつもみたいに笑ってあかり」

結衣「時間が解決してくれる、あかりならきっと素敵な大人になれるからさ」

あかり「……そっか、結衣ちゃんはあかりのことが嫌いなんだね」

結衣「むっ……」

72: 2012/05/03(木) 19:05:54.32 ID:1njS1tUM0
あかり「それならそこまで毛嫌いする理由が片付くもんね」

結衣「あーもう……」

結衣「そんな言い方ズルいだろ、それじゃ私が悪役じゃないか」

あかり「そ、それじゃあしてくれるの?大人のキス!」

結衣「……あとで初めての大人のキスを返してよぉとか言うなよ?」

あかり「ううん、絶対にそんなこと言わないから」ニコッ

結衣「まぁ、それならいいのか……な?」

あかり「結衣ちゃ~ん、早く早く!」

結衣「ムードとかあるだろ普通は……」

75: 2012/05/03(木) 19:11:41.36 ID:1njS1tUM0
結衣「言っておくけど、私もそんなキスなんて全然したことないし……」

あかり「ぇへへ、あかりもお互いさまだよぉ~」

結衣「……」グイッ

あかり「ぎゅむっ!?」

結衣「……ほんと可愛くなったな、あかり」

あかり「えっ、えっ……」

結衣「私なんかとキスしたいって言ってくれてありがとう、嬉しいよ」ギュッ

あかり「あ、あぅ……」ドキドキ

結衣「恥ずかしいから目を閉じて、怖くないから」

あかり「は、はひっ!」

結衣「……」

ちゅっ

80: 2012/05/03(木) 19:19:59.79 ID:1njS1tUM0
ちゅっ

あかり「ふぁ……」

あかり(結衣ちゃんの唇柔らかいなぁ、あかりのはどうなんだろう)

ちゅーっ

あかり「んっ、ふぁ……んむ……!」

あかり(ゆ、結衣ちゃんの舌が、あかりのお口に……)

あかり(結衣ちゃん、結衣ちゃん……)

ちゅっ ちゅっ ちゅー

あかり「ふぁ、ぅ……やぁ……」

あかり(舌吸われて、あたまがぴりぴりするよぉ)

83: 2012/05/03(木) 19:25:58.34 ID:1njS1tUM0
結衣「……ぷはっ」

あかり「あ、はぁ、ふぅ……」ギュッ

結衣「あ、あかり、絶対にこっちの顔見るなよ……」

あかり「こ、こっちも絶対に見ないでね……」

結あか「耳まで顔が真っ赤だから、熱いくらいに」

結衣「……同じセリフ喋るなよ」

あかり「ぇへへ、結衣ちゃんが真似っこしたんだもん」

結衣「……うるさい」ギュッ

あかり「ぶわっ、っと……結衣ちゃんぎゅーってする力強すぎるよぉ」

結衣「妄想でもそんな感じだったろ、だからいいの」ギュッ

あかり「ん、しばらくこのままがいいな……」

85: 2012/05/03(木) 19:31:05.33 ID:1njS1tUM0
結衣「……好きなのかはまだ分からないな、あかりのこと」

あかり「あかりもまだよく分からないや、ぇへへ」

結衣「でもさ、さっきからずーっとドキドキしてるんだ心臓が」ギュッ

あかり「うん、聞こえるようるさいくらいに」

結衣「あかりのも聞こえる、バクバクしてるね」

あかり「……こんなこと滅多にないのに」

あかり「不思議だね、結衣ちゃん」

結衣「……うん」ギュッ

あかり「……ん、ぇへへ」

88: 2012/05/03(木) 19:36:28.43 ID:1njS1tUM0
~帰り道~

あかり「桜も散っちゃったね、寂しいなぁ……」

あかり「寂しいから手を繋いでいいかな、結衣ちゃん?」

結衣「ぷっ、なんだよ素直に手を繋ごうでいいのにさ」ギュッ

あかり「ぇへへ、素直じゃないのはお互いさまかな~」

結衣「……ふふ、もうこれで大人なのかな私たちは」

あかり「なんかあまり実感が湧かないよね?」

結衣「まぁそんなもんだよ、急激に何かが変わったら苦労しないって」

あかり「でもね、今日起きたことは忘れられそうにないかも」ニコッ

結衣「……ああ、そうだな」

89: 2012/05/03(木) 19:41:04.42 ID:1njS1tUM0
結衣「それじゃ私はこっちの道だから、ばいばいあかり」

あかり「……えっとね、あかりは結衣ちゃんのことが好きだよ?」

あかり「ゆ、結衣ちゃんは?」

結衣「今さら何言ってるんだよ、嫌いならキスなんてするか」

あかり「それは分かってるけど好きって……」

結衣「……ほら、あかりほっぺに何か付いてるよ」

あかり「あ、うそ、恥ずかしいなぁ……」

結衣「大好きに決まってるだろ、鈍すぎるよあかりは」チュッ

あかり「あ……!」

結衣「ばいばい、また明日ねあかり」ニコッ

あかり「うん、ばいばい結衣ちゃんっ!」ニコッ

おしまい!

93: 2012/05/03(木) 19:42:34.55 ID:o81xdXqM0
乙!
あっさり風味の結あかごちそうさま

引用: あかり「結衣ちゃん、大人のキスってなぁに?」 結衣「えっ……」