223: 2015/04/05(日) 22:25:40.02 ID:L8VJfKVro


最初から:P「765院に就職した」1週目
前回:P「765院に就職した」4週目

翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

225: 2015/04/05(日) 22:34:42.55 ID:L8VJfKVro
事務室

P「律子」

律子「Pさんですか。用件はなんですか?」

P「そうだな……」


1 特にない
2 貴音について
3 美希について
4 響について
5 真について
6 千早について
ファミソン8BIT☆アイドルマスター01 [高槻やよい/双海亜美・真美]
228: 2015/04/05(日) 23:06:51.95 ID:L8VJfKVro
P「千早について訊きたいことがあるんだけど」

律子「千早ですか?」

P「ああ。どうして千早が失声症だって教えてくれなかったんだ?」

律子「ははあ、小鳥さんあたりから聞きましたか? 察するに、あまりにも相手にしてもらえないから小鳥さんを頼ったってところですかね?」

P「……まあ、そうだ」

律子「いえ、大した理由はありませんよ。失声症だと知らない方が積極的に関わろうとするかもしれないと思ったので教えなかっただけです」

P「積極的に関わろうとしたって、相手が声を出せないなら意味がないじゃないか」

律子「そうでもないと思うんですよね……私、あの子は声を出せないだけなんじゃなくて、出そうともしていないんだと思うんです」

P「出そうとしていない?」

律子「ええ。千早は、もう何年も失声症のままなんですけど、実は失声症ってのはそんなに長く続くものじゃないんですよ」

P「そうなのか?」

律子「まあ個人差はありますが、大体長くて一年程度だそうです」

P「じゃあ、失声症はもう治ってるのに声を出していないってことか?」

律子「それは分かりません。治ってるのかもしれないし、そうでないのかもしれません。もしかしたら、治ったそばからまた発症しているのかも……」

律子「いずれにせよ、千早はまだ過去の事件を引きずっているんですよ。だから、本当の意味で千早を治そうと思ったら、それをなんとかすることが必要だと思うんです」

P「そんなこと言ったって、いったいどうすればいいんだ? 千早は、俺のことを見るとどこかに行ってしまうから話すらできないぞ?」

律子「そうですか……それは困りましたね……うーん」

律子「……ちょっと思い付きませんね。次に会う時までに考えておきます」

229: 2015/04/05(日) 23:07:18.79 ID:L8VJfKVro
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

232: 2015/04/05(日) 23:27:48.44 ID:L8VJfKVro
外庭

春香「Pさんは、どうしてここで働こうと思ったんですか?」

P「あー……俺、大学卒業したのに就職できなくてさ……ある日、街をふらふらしてたら院長に出会って、ここに誘われたんだよ」

春香「へえ、そうなんですか……」

春香「……いつまでですか?」

P「え?」

春香「いつまで、ここで働く予定なんですか? 次の仕事が見つかったら、すぐにでも辞めちゃうんですか?」

P「……実を言うと、まだ決めてない。でも、そうだとしても先の話だ。とりあえず家を探さないといけないし……少なくとも今年度はここにいると思う」

春香「そうですか……」

P「ああ、だから安心してくれ」

春香「…………」

P「おっと、そろそろ行かないと……またな、春香」

春香「………………せんよ」

P「? なんか言ったか?」

春香「いえ、なんでもありません。また来て下さいね」

233: 2015/04/05(日) 23:28:34.13 ID:L8VJfKVro
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

236: 2015/04/06(月) 00:02:38.23 ID:VfZGaQclo
中庭

P「この前見た、土が剥き出しの所に行ってみようかな」

しばらくして……


P「……ん? なんだこれ。マンホールの蓋みたいだな……」

P(よくわからないが、下水道に通じているのかな?)

カタッ

P「!?」ビクッ

ズズズ……

「ふぅ」ヒョコッ

P(あ、穴から女の子が出てきた……)

「……ひぅ!?」ビクッ

P(気づかれたか)

P「え、えっと……こんにちは?」

「あ……こ……こんにちはっ!」シュポッ

P「引っ込んだ……こんにちはって、別れの挨拶だったっけ」

P「…………」

P「とりあえず、戻しておいてあげるか……」ズズズ……

239: 2015/04/06(月) 00:06:17.76 ID:VfZGaQclo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

242: 2015/04/06(月) 00:39:31.83 ID:VfZGaQclo
中庭

P「前のはいったいなんだったんだろう……ん?」

「…………」

P(穴から、この前の女の子が顔を出してこっちを見ている……)

「……あ、あの……」

P「えっと、なにかな?」

「こ、この前は、逃げたりしてごめんなさい……」

P「ああ、別にいいよ。それより、君の名前を教えてくれないかな」

雪歩「えっと、私、萩原雪歩って言います」

P「そっか。俺はここの職員のP。よろしく、雪歩ちゃん」

雪歩「あ、はい……よ、よろしくお願いしますぅ」

P(……ちょっと怯えられてる?)

雪歩「そ、それじゃ、また……」

ズズズ……ゴトン


P「……結局この穴はなんなのか訊きそびれちゃったな」

243: 2015/04/06(月) 00:40:20.99 ID:VfZGaQclo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

246: 2015/04/06(月) 00:56:04.29 ID:VfZGaQclo
中庭

P「やあ、雪歩ちゃん」

雪歩「こ、こんにちは……Pさん」

P(また穴から顔だけ出してる……)

P「……ちょっと訊いていい? その穴はいったいなんなのかな?」

雪歩「あ、えっと、これは……私のお父さんが作ってくれたんです」

P「え? 雪歩ちゃんのお父さんはここの職員なの?」

雪歩「ち、違います……」

P「……ここの職員じゃないのに、ここで穴を掘ったの?」

雪歩「あ、掘ったのはたぶん、お弟子さん達ですぅ……」

P(お弟子さん? なんだそりゃ)

雪歩「お弟子さん達が、私のために……わ、私の……」

雪歩「……うぅ……わ、私なんかのために穴を開けちゃって……ご、ごめんなさい!」シュポッ


P「えっ」


P「…………」


P「…………」ズズズ……

247: 2015/04/06(月) 00:56:31.38 ID:VfZGaQclo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

251: 2015/04/06(月) 20:18:50.52 ID:VfZGaQclo
美希の部屋

コンコン
ガチャ

P「……あれ? いない?」

P(どこに行ったんだろう……前みたいに廊下をうろついているのかな?)

美希「…………」スッ

P「!?」ビクッ

美希「…………」ボフッ

P(お、驚いた……突然後ろから隣を通りすぎていくなんて思わなかった)

美希「…………」

P「……ねえ、美希ちゃん」

美希「…………」

P(寝てるのか……)

美希「…………」

P「…………」

P(……美希ちゃんにとっては、寝ている時が……いや、寝ている時だけが、幸せなんだろうか……)

252: 2015/04/06(月) 20:19:17.17 ID:VfZGaQclo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

254: 2015/04/06(月) 20:44:30.86 ID:VfZGaQclo
事務室

P「律子ー……は、いないのか」

P(忙しいんだろうなぁ、パソコンがつけっぱなしだ……まあ、大した画面でもないから問題ないけど)

律子「あれ、Pさん?」

P「おっ、律子か。ちょうどよかった」



1 今度飲みにいかないか
2 貴音について訊きたいんだけど
3 美希について訊きたいんだけど
4 響について訊きたいんだけど
5 真について訊きたいんだけど
6 千早について訊きたいんだけど
7 雪歩について訊きたいんだけど

256: 2015/04/06(月) 21:34:36.45 ID:VfZGaQclo
P「美希ちゃんについて訊きたいんだけど」

律子「なんですか?」

P「あの子、ちゃんと食事とかしてるのか?」

律子「……一応、してはいます。美希はたしかにずっと寝てはいますが、食事や排泄の時は目を覚ますんですよ」

P「そうなのか? ……でも、なんだか痩せていってないか?」

律子「どんなに食事をさせたところで、ほぼ一日中寝たきりでいれば当然筋肉が落ちます……そしてなにより問題なのが……彼女自身に、生きる目的がないことです」

P「生きる目的?」

律子「ええ。生きる目的がないので、彼女はほとんど活動しません。ただの入院患者とは訳が違いますよ。筋力は低下し、そのうち歩くことさえ困難になるかもしれません」

P「……それでも、動かなければ?」

律子「……医者でもないのに、滅多なことは言えませんよ」

P「…………」

律子「……できることなら、私だってなんとかしてあげたいんですけどね……」

P「…………」

P(生きる目的……か)

257: 2015/04/06(月) 21:35:02.83 ID:VfZGaQclo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

261: 2015/04/06(月) 22:56:24.78 ID:VfZGaQclo
事務室

小鳥「あら、Pさん。何かご用ですか?」

P「そうですね……」

1 小鳥について話をする
2 律子について話をする
3 美希について話をする
4 亜美について話をする
5 あずさについて話をする
6 春香について話をする
7 響について話をする
8 貴音について話をする
9 千早について話をする
10 真について話をする
11 やよいについて話をする
12 雪歩について話をする

263: 2015/04/06(月) 23:31:29.21 ID:VfZGaQclo
P「律子って、忙しそうですよね」

小鳥「…………」カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

P「違います。別に音無さんが暇そうだって言ってる訳じゃないです」

小鳥「まあ、実際律子さんは忙しいですよ。事務仕事もしながらみんなの面倒も見てますし」

P「音無さんもじゃないですか」

小鳥「いえ、私は最近はあまりしてないんですよ……その代わり事務や清掃をさせてもらってますけど」

P「へー」

小鳥「へーってなんですかへーって」

P「いえ別に深い意味は……ところで、律子ってどうしてここで働いてるんですか?」

小鳥「なんで私に訊くんですか。そんなの本人から聞けばいいじゃないですか」

P「訊いてみたんですけど、はぐらかされちゃいまして」

小鳥「本人が答えたがらないことを私が言うわけにはいきませんよ」

P「そうですか」

小鳥「……ま、ひとつだけ言っておくなら、律子さんは自分の意思でここにいるってことですかね」

P「自分の意思で……」


小鳥「ちなみに私も自分の意思でここにいるんですよ」

P「そうですか」

264: 2015/04/06(月) 23:31:55.44 ID:VfZGaQclo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

266: 2015/04/06(月) 23:45:41.61 ID:VfZGaQclo
事務室

P「律子ー」

律子「はい?」


1 今度一緒に飯食べに行かない?
2 貴音について訊きたいんだけど
3 美希について訊きたいんだけど
4 響について訊きたいんだけど
5 真について訊きたいんだけど
6 千早について訊きたいんだけど
7 雪歩について訊きたいんだけど

268: 2015/04/07(火) 00:00:41.25 ID:rfeC9JJJo
P「あのさ、雪歩が使ってる穴って、どういう理由で作られたんだ?」

律子「あー、あれですか。えっと、雪歩がここにいる理由ってもう知ってますかね?」

P「いや、知らないな」

律子「そうですか……そことちょっと関係があるんですよね」

P「そうなのか?」

律子「はい。まあざっくり説明しますと、雪歩が穴に入るのが好きなんですよ。それで、雪歩の父親がどうしてもと頼むんで、作ることを許可したんです。色々してくれた上に、工事費は向こうが全面負担してくれましたしね」

P「へえ……じゃあ、あの中庭の穴は雪歩の病室に通じているのか」

律子「…………」

P「え、なんで黙るの」

律子「……ここだけの話、あの穴は施設のあちこちに通じてるんです。蟻の巣みたいに」

P「えっ!?」

律子「他の人には内緒ですよ? とくに、小さい子達が勝手に入ったりすると困るんで……まあ、一応そうと知ってなければ見つけられないようにカモフラージュはされてるんですけどね」

P「なんか怖いな……」

律子「ちなみに、事情を知ってる人の中には、あの穴をユキホールと呼んでいる人達がいるそうですよ」

P(ユキホール……不思議な響きだ)

269: 2015/04/07(火) 00:01:07.76 ID:rfeC9JJJo
翌日

P「さて、どうしようかな」

1 うろつく(中庭、屋上、食堂、医務室、図書室、外庭、運動場、動物保護施設から選択)

2 誰かに会いに行く(春香、響、真、やよい、雪歩、貴音、あずさ、美希、亜美、律子、小鳥から選択)

272: 2015/04/07(火) 00:06:28.55 ID:rfeC9JJJo
事務室

P「律子ー」

律子「はい?」


1 今度一緒に映画見に行かないか?
2 貴音について訊きたいんだけど
3 美希について訊きたいんだけど
4 響について訊きたいんだけど
5 真について訊きたいんだけど
6 千早について訊きたいんだけど

276: 2015/04/08(水) 01:16:47.56 ID:Vwr7Ywd0o
P「千早の件、何か思いついた?」

律子「あ! そうでした、時間がある時に話そうと思ってたのに、すっかり忘れちゃってましたよ」

P「つまり、何か思いついたのか?」

律子「ええ。ま、何もしないよりはましだろうって程度の案ですけどね」

P「なんでもいい、聞かせてくれ」

律子「Pさん、千早と一緒に街に出てみてくれませんか?」

P「……どういうことだ?」

律子「えっとですね……今の状況って、千早にとって良くないと思うんですよ」

律子「自力で立ち直るような感じでもない以上、誰かのサポートが必要なのに……私達は忙しくてあまり役に立てませんし、千早自身、友達を作るようなタイプでもありません」

P「まあ、そうだな……」

律子「だから、ここはいっそ治療のためだとか適当な理由をつけて、多少強引でもいいので千早といっしょに過ごしてみるんです」

律子「せめてリフレッシュぐらいさせてあげられれば、あの子が前に進む手助けになると思うんですけど……どうですかね?」

P「ふむ……」


1 いいと思う
2 それはどうかな

279: 2015/04/08(水) 01:30:07.67 ID:Vwr7Ywd0o
P「いいと思う。今のままじゃ、ろくに話もできないからな」

律子「そうですか。じゃあ、お願いします」

P「ああ……でも、俺が街に行ってる間、他の子達の相手ができないな」

律子「大丈夫ですよ。別に毎日朝から晩までってわけでもないですし、そもそもちょっと前まではPさん抜きでやってきてたんですから」

P「……ま、そうだな。じゃあ、えっと……」

律子「ええ。千早には私の方から話しておきます」

P「悪いな、ありがとう」

律子「それはこっちの台詞ですよ。Pさんが来てくれたおかげで、私達みんな助かってるんですから」

P「そんなに大したこともしてないけどな……」

律子「すごいことをしてる人は、大抵そう言うんですよ」

P「765院に就職した」6週目

引用: P「765院に就職した」