306: 2014/10/14(火) 20:19:05.04 ID:qav7aP6X0
チョコットサイカイ


前回:艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【3】


307: 2014/10/14(火) 20:26:01.10 ID:qav7aP6X0
夜中の一時頃

ビスマルク「・・・提督は寝ちゃったかしら・・・?」

ビスマルク(色仕掛けってハニートラップのことだったのね)

ビスマルク(安請け合いするんじゃなかった)

ビスマルク「寝てるならいいんだけど・・・」ソーッ

提督「・・・」

ビスマルク「提督?」

提督「・・・」

ビスマルク「・・・寝てる?こんなところで突っ伏して寝てたら風邪引くわよ」

提督「・・・」

ビスマルク「はぁ・・・あら?パソコンもつけっぱなしじゃない」

ビスマルク「中覗いちゃうわよー」

提督「・・・」

ビスマルク「・・・ちょっとぐらいなら覗いてもいいわよね?」
Model Graphix ARCHIVES 艦隊これくしょん 「艦これ」2
308: 2014/10/14(火) 20:31:37.92 ID:qav7aP6X0
ビスマルク「・・・」カチッ

ビスマルク「壁紙はデフォルトなのね。あとは仕事の内容ばっかりね」

ビスマルク「何よ。何か秘密でもあると思ったのに。秘蔵フォルダとか」カチカチッ

ガチャ

ビスマルク「もう少しみよう」

響「何をしてるんだい?」

ビスマルク「・・・えっいえ、別に何もしてないわよ?」

響「人のパソコンを覗くなんて褒められたことじゃないね」

ビスマルク「えっとその・・・そうよ!色仕掛けするのに何か情報を・・・」

響「そんなの必要ないって。色仕掛けなら、基本的には司令官に効いてるし」

ビスマルク「そうなの?と言うより、あなたこそこんな夜にここになんの用?」

309: 2014/10/14(火) 20:35:22.16 ID:qav7aP6X0
響「司令官の部屋に行ったんだけど、加賀と金剛がスヤスヤ司令官のベッドで寝てたから」

響「こっちで寝てるんじゃないかと思ってね」

ビスマルク「そう」

響「案の定、寝てたね。毛布、持ってきてるんだ」

バサッ

ビスマルク「あなたって、いつも提督のこと気にかけてるわね」

響「勿論だよ。好きだからね」

ビスマルク「そう」

響「ああ、当然、恋の方のね」

ビスマルク「恥ずかしげもなくよく言えるわね」

響「恋するのは恥じることではないと思うけど」

ビスマルク「それはそうだけど」

310: 2014/10/14(火) 20:41:12.33 ID:qav7aP6X0
響「そうそう」カチッ

響「司令官の秘蔵フォルダはここにあるよ」

ビスマルク「・・・え?」

響「私も、覗いたことあるから」

ビスマルク「何が入ってるの?」

響「自分の目で確かめるか。司令官に聞いてみることだね」

ビスマルク「・・・」

提督「そんなに見たいなら見せてやってもいいぞ」

ビスマルク「うわっ!?」ビクッ

響「なんだ。起きてたんだ」

提督「こんな近くで話してたら起きもする。仮眠をとっていただけだしな」


311: 2014/10/14(火) 20:51:08.57 ID:qav7aP6X0
提督「見られて恥ずかしい物は入れてはいない」

響「簡単に言えば、表情豊かだった頃の司令官だね」

ビスマルク「・・・見てはみたいけど・・・」

ビスマルク「えっ、というか、提督が表情豊か?」

響「失礼だよ」

ビスマルク「いや、想像もつかないわよ」

響「まぁ、そうか」

ビスマルク「・・・やっぱりいいわ。私なんかより、金剛や加賀に見せてあげて」

響「興味ないのかい?」

ビスマルク「興味ないわけじゃないけど、どうせ見せるんだったら、提督に恋してる子に見せてあげたほうがいいでしょ?」

提督「・・・」

ビスマルク「色仕掛けなんて私の出来ることじゃなかったし、今日はこれで戻るわ。おやすみ、提督」

提督「ああ」

312: 2014/10/14(火) 20:59:37.77 ID:qav7aP6X0
響「・・・三日月には、いつ見せるんだい?」

提督「・・・今度の提督会議の帰りにあそこへ連れて行く」

響「そっか。完成しそう?」

提督「ああ、あと10羽ほどだ」

響「作っちゃう?」

提督「あとは、私一人でやるさ」

提督「私用で、これ以上お前たちに無理はさせられない」

響「私達は人間ではなく、敵を沈める兵器だ」

提督「お前たちの温もりは私の知っている人間の温もりだ」

提督「少なくとも、私はお前たちを兵器と言う道具として一生を終わらせはしない」

響「そうなるといいね」

提督「そうさせる。私が決めたことだ」

響「頑固だね」

提督「昔からだ」

313: 2014/10/14(火) 21:07:00.77 ID:qav7aP6X0
響「そう言えば、重要な手紙は呼んだのかい?」

提督「ああ、提督会議の日程の手紙だったよ」

響「もう一つは?」

提督「・・・」

響「いや、やめておこう。私が聞くには少し勇気がいりそうだ。それじゃ司令官」

響「おやすみ」チュッ

提督「耳にキスをするのはやめろ。娘と父親の年齢差だぞ」

提督「私にはその気はないといつも言っているだろう」

響「ふふ、年齢は関係ないさ」

響「相変わらず、焦ると口数が多くなるね」クスクス

提督「あまりからかうな。今日一日、結構辛かったんだぞ。我慢するの」

響「司令官になら、いつ襲われてもいいよ。改めておやすみ」

提督「ああ、おやすみ」

314: 2014/10/14(火) 21:19:35.17 ID:qav7aP6X0
そして金曜日

鈴谷「あー提督ぅー?今日ちょっと出かけたいから」

提督「そうか」

鈴谷「じゃあ出かけて来るね」

提督「ああ」

提督「さて、私と三日月も少し鎮守府を離れる。今日一日、頼んだぞ陸奥」

三日月「よ、よろしくお願いしますね」

陸奥「はいはい。私にまかせて。二人はのんびりしてくるといいわ」

提督「遊びに行くわけじゃないぞ」

陸奥「わかってるわよ。それじゃ、頑張ってね三日月ちゃん」

三日月「はい!」

提督「それでは、向かうとしよう」

320: 2014/10/16(木) 14:26:04.04 ID:2E3D2AtY0
陸奥「さて、提督も出かけちゃったし、私達も出来ることやっちゃいましょう」

雷「何か頼まれてるの?」

陸奥「掃除を頼まれてるのよ」

雷「掃除!気合入れてやるわよ!」

陸奥「やる気があるのはいいことね。それじゃあ人手が欲しいから皆に声をかけて来て」

雷「わかったわ!」ダッ

陸奥「・・・それにしても、提督ったら、あんな大荷物持ってどうしたのかしら?」

響「今日は特別な日だからね。偶然が重なったんだよ」

陸奥「ふーん・・・そっか。あなたも手伝ってくれるでしょ?掃除」

響「もちろん」

陸奥「じゃあ、お願いね」

321: 2014/10/16(木) 14:37:18.43 ID:2E3D2AtY0
提友の鎮守府にて

会議前

新人提督(以降:新人)「は、初めまして。今日はよろしくお願いします」ギクシャク

提友「初めまして新入りちゃんよろしく。そこまでかたくならなくて大丈夫だよ」

新人「ありがとうございます・・・ですが・・・」

K提督(以降:K)「・・・」

提督「・・・」

新人「何か雰囲気が怖いんですけど・・・」

提友「あいつらはいつもこんなだから。気にしなくて大丈夫。ちゃんと報告してくれればいいから」

新人「頑張ってみます」

提督「・・・そろそろ始めるぞ」

提友秘書艦「それでは、始めたいと思います。まずはお互いの進行具合を報告し合います」

322: 2014/10/16(木) 14:49:05.41 ID:2E3D2AtY0
三十分後

三日月「い、以上です」ペコッ

提督「上出来だ」

三日月「ありがとうございます」

提友「ふむ・・・やはりお前が一番か」

新人「すごい・・・私なんて全然進んでないのに・・・」

提督「まだ新人なのだ。焦ることはない」

K「いくら新人といえど、いつまでも同じところで足踏みしていてはダメだ」

新人「は、はい・・・」

提友「おいおい。あんまりビビらせんなよ」

K「にしても・・・また貧弱な秘書艦を連れているな。ええ?提督さんよ」

K秘書艦「・・・」

三日月「・・・」ピクッ

323: 2014/10/16(木) 15:04:58.27 ID:2E3D2AtY0
提督「お前がいつも言っていることじゃないか」

提督「秘書艦は言うことを聞けば誰でもいいと」

提友「新入りちゃんはどう思う?」

新人「へっ!?な、何がですか?」

提友「秘書艦はどういう子を自分の側に置いてる?俺は愛らしいからだけどなぁ」ギュッ

提友秘書艦「提督?人前で抱きつくのはやめましょうね」

新人「あはは・・・」

K「ああ、もちろんだ。その点、こちらの秘書艦は言うことをなんでも聞くものでね」

K「なぁ・・・?その通りだろ?」

K秘書艦「・・・はい」

提督「・・・会議を続けよう。次は?」

提友秘書艦「はい。次は・・・撃沈数、及び轟沈数についての報告ですね」

324: 2014/10/16(木) 15:14:41.95 ID:2E3D2AtY0
K「撃沈数は自分が一番だな。桁が違う」

提友「轟沈数もな。もう少し大切にしろ」

K「ふん。こいつらは所詮道具だろ?何を大切にしろって言うんだ?」

新人「作戦の進行具合は、提督さんが一番なのに・・・撃沈数は私より低い・・・?」

提友「意味もなくこいつと張り合うのはいい加減やめたらどうだ?」

K「張り合っている?冗談はよせ。上の連中の評価は断然自分の方が上だ」

提友「そりゃそうだろうな。上の連中は撃沈数にしか興味はない」

提友「それだから・・・」

提督「それなら一つ聞くが、それだけ撃沈、轟沈させて、戦いは少しはおさまったか?」

K「・・・帰るぞ。もう話す必要がない。所詮会議と銘打った報告会。行くぞ」

K秘書艦「はい」

325: 2014/10/16(木) 15:24:29.64 ID:2E3D2AtY0
新人「あ、あの・・・」

提督「すまないな。提督としてまだ新人なのにこのような場面に居合わせてしまって」ポンッ

新人「いえ・・・」

提督「三日月、行くぞ。今日は付き合ってもらう場所がある」

三日月「は、はい!」

提友「ちょっと俺と話してけよ」

提督「何か用か?」

提友「少し雰囲気が変わったか?」

提督「用がないなら帰るぞ」

提友「おいおい。仮にもお兄ちゃんに対してなんて態度だ」

提督「誰が兄貴だ」

三日月「えっ」
新人「えっ」
新人秘書艦「えっ」

327: 2014/10/16(木) 15:31:21.08 ID:2E3D2AtY0
三日月「ちょっと司令官一ついいですか?」

提督「どうした?」

三日月「えっ、この司令官さん・・・司令官のお兄さんなんですか・・・?」

提督「義理のな。ただの腐れ縁の友人だったんだがな」

提友「俺はまだ怒ってんだぞ?俺の可愛い妹を手篭にしやがって」

提督「私と妻の結婚式で嬉しくて号泣してたのは誰だったっけな?」

提友「うるせぇ!あれは妹の姿が可愛くてだなぁ!」

提友秘書艦「提督、そろそろ次の遠征組が帰ってくる頃ですよ」

提友「今行く。悪いな翔鶴」

提友「まったく、可愛くない義弟だ。そう言えば、お前の姉ちゃんが顔出さないって愚痴ってたぞ」

提督「そうか」

提友「顔出してやれよ。心配してたぞ」

提督「ああ、行くさ。そのうち」

提友「そんじゃ、俺はこれから遠征組を出迎えてやらなきゃいけないから、この間の約束、忘れんなよ」

329: 2014/10/16(木) 15:43:49.24 ID:2E3D2AtY0
提督「はぁ・・・あいつ、後で憶えておけ」

新人「えっと・・・」

提督「何度もすまない」

新人「いえ・・・なんか突然、色々な性格の方がいっぱいいてびっくりしました」

新人「提友さんみたいな軟派な人も居れば、勝てばいいって思うKさんみたいな人も」

新人「提督さんみたいな優しい人も・・・」

提督「・・・」

新人「私、初めてすぐに、訳も分からず轟沈させてしまった艦があって落ち込んでたんです」

新人「提督さんの成績を見て驚いちゃいました」

330: 2014/10/16(木) 15:53:33.36 ID:2E3D2AtY0
新人「轟沈数0、撃沈数2・・・このような戦場で、こうも命を大切に出来る人は中々居ないですよ」

新人「本当の意味で命を愛してる人に、初めて会った気がします」ニコッ

新人「それでは、私もこれで。行こう愛宕」

新人秘書艦「うふふー。あの提督さんに恋しちゃったー?」

新人「ちょっと!余計なこと言わないでよ!」

三日月「・・・」ムッ

提督「・・・さて、三日月、私達も行くか。少し買い物にも付き合ってもらうが、いいか?」

三日月「はい。司令官って、天然なんですね」

提督「何がだ?」

三日月「いえ、なんでもありません」

提督「そうか」

336: 2014/10/17(金) 06:14:05.80 ID:guV822T/0
駄菓子屋

提督「・・・」

三日月「ここは・・・?」

提督「どうも。まだ続けてたんですね」

駄菓子屋のお婆ちゃん(以降:駄菓子屋)「おや、久しぶりだねぇ。元気だったかい?」

駄菓子屋「あたしが生きてるうちは続けるよ」

提督「いきなり物騒なこと言わないでください」

駄菓子屋「まぁ、年も年だからねぇ・・・」

提督「三日月、食べたいと思った物を取っていいぞ」

三日月「えっ?」

提督「今日は緊張しただろ。それとも、何か欲しいものがあれば買ってやる」

三日月「えぇ?」

駄菓子屋「おや?娘さんかい?あの小僧に娘が出来たのかい?」

337: 2014/10/17(金) 06:21:50.61 ID:guV822T/0
提督「もうボケたんですか?前にも連れてきたでしょうに」

駄菓子屋「おお、そうだった。そうだった」

駄菓子屋「しかし、そんな子だったっけ?」

提督「ああ、他にも娘は居るんで」

駄菓子屋「なるほどのう・・・あたしの記憶では最初に連れて来た子がその子だった気がするんだけど・・・」

提督「やっぱりボケたんじゃないですか?」

駄菓子屋「失礼だのぅ・・・」

提督「この娘は初めてですよ」

駄菓子屋「そうか。それじゃあ、存分に買い物して行きなさい」

提督「はい」

338: 2014/10/17(金) 06:38:06.99 ID:guV822T/0
駄菓子屋「毎度有り。今は駄菓子屋に来る人なんて少ないからねぇ。いつもありがとうね」

提督「いえ、昔の恩返しだと思ってください」

駄菓子屋「そうかい」

三日月「・・・」

駄菓子屋「それじゃ、また来なさい。待ってるよ」

提督「ええ、また来ます。それでは」




三日月「・・・駄菓子屋の人とはどういう関係なんですか?」

提督「あの人は、私達が小さい頃に助けてくれた人だ」

三日月「私達?」

提督「今から行くところに答えがある。とりあえず向かおう」

三日月「はい・・・」

三日月(大量の駄菓子・・・どこへ行くんでしょう?)

339: 2014/10/17(金) 06:49:56.88 ID:guV822T/0
提督「お前は、それで良かったのか?」

三日月「はい。私はこれで大丈夫です」

提督「駄菓子じゃなくても、高くても好きな物を買ってやったのに」

三日月「麦チョコ美味しいです」

提督「そうか」

三日月「それで、今どこへ向かってるんですか?」

提督「私の大切な場所だ」

三日月「そうですか」

提督「そろそろ着くぞ。駄菓子屋から、近いんだ」

340: 2014/10/17(金) 07:01:28.35 ID:guV822T/0
ワーワー

提督「着いた」

三日月(沢山の子供・・・?)

子供達「あ!おじさんだ!」

提督「お前たち、元気だったか?」

子供達「おじさん!会いたかったよ!!」

提督「そうか。今日も買ってきてやったぞ」ナデナデ

子供達「おかし!?」

提督「ああ」

子供達「やったー!」ダキッ

???「おや、久しぶりだね。全然顔出さないから心配したよ」

提督「色々忙しかったからね。姉さんこそ、元気そうだ」

三日月「お姉さん!?」

341: 2014/10/17(金) 07:08:51.18 ID:guV822T/0
提督姉「えっ!?」

提督姉「ち、ちょっといい!?」ガシッ

三日月「は、はい!?」ビクッ

三日月(か、顔が近い・・・)

提督姉「・・・誘拐?」

提督「違う。この子も艦娘だ。前の弥生と同じだ」

提督姉「そう。びっくりした」

三日月「あの・・・説明が欲しいんですけど・・・」

提督「ああ、そうだったな。ここは、私達の両親が建てた孤児院なんだ」

342: 2014/10/17(金) 07:18:32.40 ID:guV822T/0
三日月「えーっと・・・」

提督「ああ、そうだ。これ、飾っておいてくれ」

提督姉「なにこれ」

提督「千羽鶴だ」

提督姉「作ったんだ」

提督「娘と約束したからな」

提督姉「もう居ないのに、だいぶ律儀なもんだな」

提督「そう言うな」

三日月「すみません!話が全然みえ・・・」

子供達「おじさんもお姉さんも遊んでー!」

三日月「えっあっちょっ」

子供達「お姉さーん」グイグイッ

三日月「腕を引っ張らないでってー!」

提督姉「うちの子達、あんたが連れてくる子には怖がらなくなってるよ」

提督「信用されて、嬉しいことだな」

343: 2014/10/17(金) 07:26:59.48 ID:guV822T/0
???「姉御ーなんの騒ぎー?」ギュッ

デブ猫「・・・」

提督姉「ああ、客人だ」

提督「・・・何してるんだお前」

鈴谷「ありゃ、提督じゃん。三日月ちゃんも一緒?」

提督「ああ、子供達に連れ去られたがな」

鈴谷「ニャンニャン」テシテシッ

デブ猫「・・・みゃ」

提督「相変わらずでかいな」サスサスッ

デブ猫「・・・」ゴロゴロ

鈴谷「提督!鈴谷の喉も撫でていいんだよ?」

提督姉「あんたも相変わらずだね」

鈴谷「鈴谷は提督のこと大好きだもんねー。ねー?」

デブ猫「ぶみゃ」

344: 2014/10/17(金) 07:38:55.11 ID:guV822T/0
鈴谷「おー千羽鶴出来たんだー」

提督「ああ」

提督姉「これ、子供達が届かない所に飾っといて」

鈴谷「はいはいー。メーちゃんここにいてね」

メー「・・・」スリスリッ

提督「・・・」ナデナデ

提督姉「あのバカや鈴谷ちゃんに聞いたよ。まだ笑顔見せたこないんだって?」

提督「ああ」

提督姉「いつまでも引きずってんのさ」

提督「・・・」

提督姉「昔の表情豊かなあんたの方があんたらしかったよ」

提督「昔の話だ。今、私に表情など必要ない。持ってちゃいけない」

提督姉「・・・つまらない意地ははらないほうがいい。この前響ちゃんが来たよ」

提督姉「あの子を・・・あんたの娘にそっくりなあの子のことも聞いてたよ」

提督「・・・あいつ・・・どこに出かけたのかと思ったら・・・」

345: 2014/10/17(金) 07:49:57.23 ID:guV822T/0
30分後

三日月「疲れました・・・」

提督姉「あはは、随分もみくちゃにされたね」

三日月「それで、話の続きなんですけど」

提督「さて、私も子供達と遊んでくるか」

三日月「あ!逃げないでくださいよ!」

提督「私から話したくはない。そいつから聞いてくれ」

提督姉「人に押し付けるとか男らしくないね」

提督「情けない話だが、この話をすると泣きそうになる」

提督「まともに話せる気がしないのでな。まかせたぞ」

提督姉「はいはい」

三日月「・・・いやならそう言ってくれればいいのに」

提督姉「話したいんだろうさ。特にあなたには」

三日月「えっ?」

提督姉「あいつの娘に、そっくりなのよ。あなた」

350: 2014/10/23(木) 20:03:40.03 ID:QzARxu+C0
三日月「私がですか?」

提督姉「ええ」

提督姉「響ちゃんから、大体の事は聞いてるよ」

三日月「結構前から、響ちゃんの事は知ってたんですか?」

提督姉「まぁね」

三日月「それでですけど、司令官の過去について・・・詳しく教えて頂けますか?」

三日月「司令官の表情を取り戻すため、少しでも司令官のことを知りたくて」

提督姉「本当にそれだけのため?」

三日月「う・・・」

提督姉「好き?あいつの事」

三日月「よくわかりません。見た目は怖いですけど、優しいですし」

提督姉「そっか」

三日月「大切な人、だとは思っています」

351: 2014/10/23(木) 20:24:39.81 ID:QzARxu+C0
提督姉「あいつの表情ね・・・何年も見てないなぁ」

提督姉「あいつの奥さんと娘、病気と事故で氏んじゃってるのよ」

三日月「えっ・・・」

提督姉「娘を産んでから少し経って、奥さんは氏んじゃって」

提督姉「娘さんも、元々体が弱くてね。あなたと同じ年の頃に」

提督姉「それからだった。あいつから表情全てが無くなったのは」

三日月「どうしてですか?」

提督姉「あいつの昔の写真、見たことある?」

三日月「いえ」

提督姉「んー・・・じゃあさ。三日月ちゃんは、どこから知りたい?」

三日月「それはどういう」

提督姉「あいつの過去。子供からの事なのか。それとも・・・」

三日月「・・・子供の頃からで、お願いします」

提督姉「そう。それじゃあ、話すけど・・・」

352: 2014/10/23(木) 20:43:12.63 ID:QzARxu+C0
三日月が説明を受けて居る頃の鎮守府

陸奥「・・・掃除終わっちゃったし暇ね・・・」

響「そうだね。ああ、お茶入ったよ」トッ

陸奥「あら、ありがとう」カチャ

陸奥「はぁ・・・」

陸奥「それにしても大丈夫かしら提督」

響「なにがだい?」

陸奥「上の人たちって撃沈数で評価を決めてるって噂じゃない」

響「らしいね」

陸奥「もうこの作戦立ててどのくらい経つ?そろそろまずい気がするのだけれど」

響「まずいんじゃないかな」

陸奥「・・・もし、提督が提督を降ろされたらどうする?」

響「それでも、司令官の指示が最優先。従うしかない」

陸奥「それが全てだと思う?」

響「私達の都合で、あの人を縛りたくはない」

陸奥「随分、割り切ってるのね」

353: 2014/10/23(木) 20:57:08.54 ID:QzARxu+C0
響「まぁ、そういうもんさ」

陸奥「そういうものかしら。そっか。私達じゃどうにもできないものね」

響「ああ」

ダダダダ・・・

バタン

暁「大変よ!!」

陸奥「どうしたのよ。いきなり開けたら驚くじゃない」

暁「そんなのんびりしてる場合じゃないわよ!!見張りの瑞鳳が南方棲戦を発見したのよ!」

響「南方棲戦が?」

陸奥「えっ?ここ鎮守府よ?こんな近くまで来るわけ・・・」

暁「そんなことないわよ!しかもまだこっちに近づいてきてるらしいのよ!」

陸奥「・・・わかったわ。すぐに向かう。艤装をつけて響もついてきて」

響「了解」

360: 2014/10/30(木) 05:20:58.83 ID:ioe7AYBq0
陸奥「瑞鳳、状況は?」

瑞鳳「はい!あちらの方角に情報で聞いた南方棲戦らしき影を発見しています!」

陸奥「・・・確かにそんな影ね。でも、どうして・・・?」

響「瑞鳳、双眼鏡は持っているかい?出来れば貸してほしい」

瑞鳳「はい!」ズイッ

響「・・・」ジーッ

陸奥「どう?」

響「・・・間違いない。あれは南方棲戦だ。こちらに向かってきている」

陸奥「随伴艦は?」

響「タ級二隻と護衛艦二隻」

陸奥「おかしな編成ね」

響「大体付く場所はわかった。そこに向かおう」

陸奥「そうね。瑞鳳、引き続き見張りを続けて」

瑞鳳「気をつけてくださいね!」

陸奥「ええ」
響「ああ」

361: 2014/10/30(木) 05:26:17.22 ID:ioe7AYBq0
南方棲戦「・・・」

長門「話を聞いて来てみれば、こんなところまで足を運ぶんだな」

タ級「・・・」

長門「だんまりか?」

長門(駆逐艦達の手前、変な姿を見せるわけにはいかないし・・・だが、怖い)ビクビク

長門(強気なだけで帰ってくれはしないだろうか)

皐月「長門さんやっちゃえー!」

卯月「うーちゃんの嘘が本当になったぴょん」

弥生「嘘から出た実・・・ロクなことにならない」

川内「長門さん!戦闘をするなら加勢するよ!!」

長門「お前はなぜここにいる・・・」

川内「なんとなく火薬の匂いがしたから!」キラキラ

長門「戦闘狂大概にしておけ」

362: 2014/10/30(木) 05:32:13.01 ID:ioe7AYBq0
南方棲戦「・・・」バシャッ

長門「な、なんだっ」ビクッ

南方棲戦「・・・」

陸奥「あら、お姫様がこんなところまでどうしたの?」

長門「陸奥!よかった・・・一人じゃ心細かったんだ」ボソッ

陸奥「たまにはカッコいいところ一人で見せなさいよ・・・」ボソッ

響「大丈夫?」

弥生「まだ被害はない・・・」

南方棲戦(以降:南姫)「・・・タ級」

タ級「はい・・・」グイッ

バシャッ

???「・・・」グッタリ

響「艦娘・・・?」

363: 2014/10/30(木) 05:40:31.23 ID:ioe7AYBq0
南姫「今朝・・・攻めてきた艦隊が動けないからと置いていった艦娘よ・・・」

弥生「・・・息はしている。でも、意識がない。早く手当しないと、氏んでしまう」

皐月「えぇ!?は、早くドックに連れて行かないと!」

陸奥「ええそうね。長門、この子を連れてドックへ」
長門「あ、ああ!任せろ!」

響「皐月は明石をドックへ」
皐月「了解ー!」ダッ

弥生「卯月は、鳳翔さんを呼んでドックへ。明石のサポートをさせてもらって」
卯月「わ、わかったぴょん!」ダッ

南姫「・・・」

陸奥「・・・それで?どういう風の吹き回しかしら」

タ級「あなた達の・・・」

南姫「あなた達の提督は・・・?」

響「私達の司令官に何か用か?」

南姫「会わせて欲しい・・・」

364: 2014/10/30(木) 05:47:40.30 ID:ioe7AYBq0
陸奥「あ、会いたい?」キョトン

南姫「・・・」コクッ

陸奥「・・・戦うつもりできたわけじゃないの?」

南姫「・・・」コクッ

陸奥「こっちに被害を出すつもりはない?」

タ級「しつこい・・・被害を出すつもりなら・・・もう少し離れたところから打っている・・・」

南姫「そうね・・・それに・・・負傷した艦を連れてきたりしない・・・」

陸奥「・・・はぁ、それもそうね。川内、響、弥生、武器を下ろしなさい」

川内「えー!戦いはなし!?」

陸奥「提督から言われてるでしょ。敵意がないなら、砲口は向けるなって」

川内「ちぇー」

弥生「・・・むう」

響「・・・」

365: 2014/10/30(木) 05:54:15.76 ID:ioe7AYBq0
陸奥「それで?」

南姫「・・・それは、あなた達の提督と直接話したいわね・・・」

陸奥「生憎だけど、今出かけてるのよね。居れば会ってくれただろうけど」

南姫「待つ・・・」

陸奥「えっ?」

南姫「提督が帰ってくるまで、待つ」

陸奥「・・・どう思う?」

響「いいんじゃない?その代わり、鎮守府に入れるのは南方棲戦姫、君だけだ」

南姫「・・・仕方ないわね・・・」

南姫「タ級、護衛ちゃん、待っててくれるかしら・・・?」

タ級「はい」

護衛「」コクッ

陸奥「何があったか知らないけど・・・まぁ、敵の本拠地で単身暴れる様なバカではないだろうから」

陸奥「でも、タ級達はうちの子達に監視させてもらうわよ?」

南姫「ええ・・・」

366: 2014/10/30(木) 06:02:27.05 ID:ioe7AYBq0
北上「というわけで、私達で監視させてもらうよ」

大井「何か妙な事したら、魚雷を迷わず打つから」ガキンッ

陸奥「お願いね。じゃあ、ついてきて」

陸奥「執務室で待ってもらうわ。勿論、私と響の監視付きだけど」

南姫「わかったわ・・・」

タ級「南方棲戦姫様、お気をつけて・・・」

雷「むー、司令官のことで色々ゴタゴタしてたのに・・・あれ・・・この子、どこかで見たような・・・」サワッ

護衛「」ブルルッ

雷「ああ、ごめんなさい!変なところ触っちゃった!?」

金剛加賀「・・・」ムスッ

大井「・・・なんかあの二人、すごく不機嫌なんですけど・・・」

北上「作戦失敗したんだって」

大井「なんのですか?」

北上「さぁねー」

367: 2014/10/30(木) 06:16:13.16 ID:ioe7AYBq0
孤児院

三日月「・・・す、すごい壮大な人生ですね」

提督姉「驚いた?」

三日月「ええ、司令官のお姉さんと司令官の血が繋がってないことが一番衝撃です」

提督姉「あれ、そこなんだ」

三日月「他にも驚くこともありましたが・・・」

三日月「ええっと、最初の方ちょっと忘れちゃいましたね。次から次へと新しい衝撃が多すぎて」

提督姉「確かにそうかもね。簡単に言うと、私とあいつはここの孤児院に来て」

提督姉「貰い手が見つからなかった私達を養子として育ててくれたのがここの孤児院の初代管理者で」

提督姉「つまり私達の義両親ね。それで学校とか通わせてもらって」

提督姉「そこで知り合ったあいつとその妹とも仲良くなって」

提督姉「妹とあいつはお互い惹かれあってくっついちゃったって話」

三日月「えっとそれで、奥さんがその妹さんで、事故で亡くなって・・・」

提督姉「何年かして、娘も病気で・・・ね」

三日月「はぁ・・・」

提督姉「あの千羽鶴も、娘が頼んでくれてって作ってたんだ。まぁ、間に合わなかったけど」

提督姉「それから、あいつから笑顔全般が消えたのは」

374: 2014/10/31(金) 20:30:11.06 ID:MAIqD0VT0
提督姉「まぁでも、こんな話聞いてタメになるかはわからないけどね」

提督姉「にしても、子供ってのはすごいよ」

三日月「どうしてですか?」

提督姉「見て。あいつはいつもここに来ると子供達に色々な話をするんだ」

提督姉「おとぎ話だったり、自分の体験談だったり」

提督姉「あいつの顔こそ無表情だけど、子供達は真剣にその話を聞いて、笑ったり驚いたりしてる」

提督姉「子供って、本当に優しい人をわかるんだよ。不思議と」フフッ

三日月「あ・・・」

三日月(この人もしかして・・・)

375: 2014/10/31(金) 20:38:10.57 ID:MAIqD0VT0
三日月「もしかして、あなたも司令官の事が好きなんですか?」

提督姉「・・・どうしてそう思う?」

三日月「私の身近にも、司令官が好きな人が何人かいるんです」

三日月「あなたの司令官を見る目は、その人たちと同じ目をしているんです」

提督姉「ふーん・・・三日月ちゃんはいい子だ」

三日月「えっ!?」

提督姉「人の目を真っ直ぐ見て話せる子はいい子の証だよ。悪い子は、人の目を見て話さない」

提督姉「真っ直ぐ見て話すから、目の変化がわかる」

三日月「・・・そうですか?」

提督姉「ああ」

三日月「ありがとうございます」

提督姉「私からも言いたいことがあったんだけど」

三日月「なんですか?」

376: 2014/10/31(金) 20:47:40.55 ID:MAIqD0VT0
提督姉「三日月ちゃん自信気づいてないから言うけど」

提督姉「あなたのあいつを見る目は、私達と同じ目をしてるよ」

三日月「・・・え?」

三日月「ええっ!?う、嘘・・・///ですよね・・・?」

提督姉「ふふ、女って怖いもんでさ。同じ人を好きな人が分かるんだ」

三日月「・・・考えたこともありませんでした」

三日月「ついこの間まで、司令官と一緒に居るのが苦痛だったんですけど」

三日月「司令官と一緒にいればいるほど、司令官のいいところが見えてくるんです」

三日月「勿論、悪いところもありましたけど・・・」

提督姉「愛ってのはそういうもんだよ」

三日月「恋ではないんですか?」

提督姉「恋と愛の違いなんて、大人になっていけば分かるもんだからね」

提督姉「今は恋に恋する年齢でいいんだよ」

三日月「・・・子供扱いですか」

提督姉「私から見たら鈴谷ちゃんも子供だから」

377: 2014/10/31(金) 20:54:17.99 ID:MAIqD0VT0
提督「話は終わったか」

三日月「ええ」

提督姉「ご苦労様。子供達もあんたの話を毎回楽しみにしてるからね」

提督「そうか」

三日月「司令官、このあとどうするんですか?」

提督「ん?そうだな。どこかいきたいところはあるか?」

鈴谷「あ!鈴谷カラオケいきたい!」

提督「いつから居たんだ」

鈴谷「提督のそうかあたりから」

提督「・・・三日月、話を聞いて、どうだった?」

三日月「はい?何がですか?」

提督「・・・いや、なんでもない」

三日月「司令官、後で聞きたい事があるので」

提督「ああ」

378: 2014/10/31(金) 21:06:04.22 ID:MAIqD0VT0
ブーン

三日月「あれ?あれって艦載機じゃないですか?」

鈴谷「彩雲だね。こっちに向かってくるよ」

提督「緊急か?」

ピラっ

三日月「よいしょ。手紙ですね」

提督「瑞鳳の彩雲だな」

鈴谷「よくわかったね。と言うか、瑞鳳ってここのこと知ってたっけ」

提督「瑞鳳の作った彩雲の癖があった。響辺りが方角だけ教えたんだろう」

提督「あいつは私の考えている事がお見通しらしい」

鈴谷「さすがだね・・・」

提督「中身は?」

三日月「ちょっと待ってください」

三日月「えーっと・・・『鎮守府に南方棲戦姫』だそうです」

379: 2014/10/31(金) 21:11:37.18 ID:MAIqD0VT0
三日月「・・・あれっ?」

鈴谷「急いで戻らないとやばいんじゃない?」

提督「・・・来たか。戻るぞ」

提督姉「もう帰るの?」

提督「ああ、また来る」

提督姉「そう。待ってるよ」

鈴谷「じゃあねメーちゃん」ナデナデ

メー「・・・みゃ」

三日月「それでは!急ぎましょう!」

提督姉「ああ」




提督姉「・・・本当に、あの子にそっくりね」ボソッ

子供達「先生!」

提督姉「ああ、ごめんよ。すぐ行く」

380: 2014/10/31(金) 21:17:28.78 ID:MAIqD0VT0
帰り道

鈴谷「やばっ。ちょっとそこの公園のトイレ行っていい?」

提督「ああ、公園のベンチで待ってる」

鈴谷「ごめんね!」ダッ

三日月「今日は立ちっぱなしで疲れましたね・・・」ポスッ

提督「飲み物を買ってくる」

三日月「あ、私も行きますよ!」

提督「すぐに戻ってくる。座っていろ」

三日月「はい・・・」

381: 2014/10/31(金) 21:25:20.16 ID:MAIqD0VT0
提督「ほら」スッ

三日月「ありがとうございます」

三日月「あの」

提督「なんだ」

三日月「先ほど、お聞きしたいと言ったじゃないですか」

提督「ああ、いいぞ。答えられることなら聞いてやる」

三日月「どうして、奥さんと娘さんが亡くしてから、表情を出さなくなったんですか?」

提督「随分、大胆になったな」

三日月「お二人を亡くしたショックで表情が出せないというのでしたらわからなくもないです」

三日月「ですが、司令官は表情を隠している様に見えます」

三日月「私の勝手な思い込みかもしれませんけど」

提督「・・・」

三日月「教えて、頂けますか?」ジッ

提督(私の目をジッと見つめる三日月の顔は、やはり、娘そのものだ)

提督「・・・ああ、教えてやる」

提督(昔から、娘のお願いには弱いんだ)

382: 2014/10/31(金) 21:34:25.49 ID:MAIqD0VT0
その頃の執務室

南姫「・・・」

陸奥「それにしても、元気そうじゃない。何度も戦ったのに」

南姫「あなたも、変わらないわね・・・」

響「最後に戦った時の司令官の手紙、読んだ?」

南姫「ええ・・・」

陸奥「・・・心配?」

南姫「・・・」

陸奥「あなた達にも、仲間意識っていうものがあるのね」

南姫「・・・」

バタン

皐月「聞いて聞いて!さっきの子、命に別状はないってさ!!」

陸奥「よかった・・・それじゃあ、看病を引き続きお願い」

皐月「了解ー!」

バタン

388: 2014/11/06(木) 11:06:32.29 ID:F9nHW5hL0
三番ドック

明石「随分派手にやられてますね」

鳳翔「ええ・・・」

明石「一命は取り留めましたが、数日眠ってるかもしれませんね」

鳳翔「出来ることだけでもやりましょう」

明石「そうですね。少し、用事があるのでお任せしますね」

鳳翔「はい。わかりました」ニコッ

389: 2014/11/06(木) 11:19:37.34 ID:F9nHW5hL0
鳳翔「・・・新しいタオルに変えますね」

パサッ

鳳翔「ん・・・この子、どこかで見たことが・・・」

???「・・・」スヤスヤ

鳳翔「・・・」ナデナデ

???「ん・・・」

鳳翔「・・・早く提督帰ってこないかしら・・・」

弥生「大丈夫?」

鳳翔「弥生ちゃん?今のところは安定してきてます」

弥生「そう。よかった」

鳳翔「心配でした?」

弥生「それもあるけど、少し確認がしたかったから」

鳳翔「え?」

390: 2014/11/06(木) 11:26:27.29 ID:F9nHW5hL0
弥生「その子の顔をよく確認したかった」

鳳翔「顔を確認して、どうなるの?」

弥生「弥生が知ってる子に見えたから」

鳳翔「・・・そうなの?」

弥生「うん」

鳳翔「あまり刺激しないようにお願いしますね」

弥生「大丈夫」

ボスッ

弥生「よいしょ・・・」

鳳翔(覆いかぶさって夜這いしてるみたいですね)ニコニコ

391: 2014/11/06(木) 11:33:33.72 ID:F9nHW5hL0
執務室

陸奥「何か食べる?」

南姫「え・・・?」

陸奥「今はお客さんだしね。お菓子やお茶でも出さないとね。響は?」

響「羊羹」

陸奥「じゃあ、アイスでも出しましょうか」

響「えっ」

陸奥「冗談よ。少し用意してくるから待ってて」

ガチャ

パタン

陸奥「・・・ふう」

長門「うーん・・・」ソワソワ

陸奥「長門、何してんの?」

長門「い、いや?鎮守府内に敵艦がいるから落ち着かないとか」

長門「連れ込まれた朝潮が心配とかそういうことではないぞ?」

陸奥「説明ありがとう」

392: 2014/11/06(木) 11:40:06.86 ID:F9nHW5hL0
陸奥「暇なら少し手伝って」

長門「何かするのか?」

陸奥「羊羹を切ってほしんだけど」

長門「・・・私も食べていいか?」

陸奥「一口だけよ」

長門「やった」

陸奥「私はお茶を作るから、長門は羊羹をお願い」

長門「均等にくれるかどうか分からないがやってみよう」

陸奥「安心して、期待してないから」

長門「そうか・・・」ショボーン

393: 2014/11/06(木) 11:55:23.68 ID:F9nHW5hL0
響「・・・」

南姫「・・・」

響「どうして、あの朝潮を助けたんだ?」

南姫「・・・あなた達と同じことをしただけよ・・・」

響「もしかしたら、私達の司令官がやっていたっていう確証もないのに?」

南姫「確証ならあった・・・」

響「・・・どういうこと?」

南姫「ここの鎮守府方面に送って居た子達は皆、大破止まりでほとんど戻ってきていたわ・・・」

南姫「不思議だとは思ったけど、あなた達が攻めてきてわかった・・・」

響「・・・そうか。ふふ、君達もしっかり仲間の数を把握してるんだね」

南姫「・・・」フイッ

響「ここまで来ると、司令官の言う通り、私達も、君達も、変わらないのかもしれないね」クスッ

394: 2014/11/06(木) 12:00:24.74 ID:F9nHW5hL0
陸奥「お待たせ。はい、羊羹よ」

南姫「・・・」

陸奥「毒とか入ってないから大丈夫よ・・・」

南姫「いや・・・どう食べればいいかわからなくて・・・」

響「考える必要はないよ。この棒でブスっと」ブスッ

響「それを口へパクッ」パクッ

響「美味しい」ドヤッ

陸奥「ま、まぁ、響の説明はどうかと思うけど、そんな感じよ」

南姫「・・・」パクッ

南姫「・・・」モグモグ

陸奥「あなた達の口にも合うかしら?」

南姫「・・・美味しい」

陸奥「それならよかった」

395: 2014/11/06(木) 12:07:16.39 ID:F9nHW5hL0
数十分後

長門「提督が帰ってきたぞ」

陸奥「そう?ありがとう長門」

長門「うむ。もっと褒めてもいいぞ」

提督「待たせた」

三日月(うわぁ、本当に居る)

南姫「待ってたわ・・・」

提督「私も待っていた。お前ら、少し席を外していてくれ」

陸奥「了解」

響「一人で大丈夫?」

提督「ああ」

長門「何かあったらすぐ呼ぶんだぞ?陸奥がすぐに助けに行くから」

陸奥「はぁ・・・」

三日月「長門さんじゃないんですね・・・」

396: 2014/11/06(木) 12:17:02.34 ID:F9nHW5hL0
提督「・・・さて、二人きりだ。話の用件は?」

南姫「あの子を・・・あなた達が鹵獲したあの子を返して欲しい」

提督「鹵獲は語弊がある。まぁ、悪い言い方をすれば鹵獲だが」

南姫「・・・」

提督「私達は保護をしたつもりだ。元々、お前達が見捨てた子を連れてきただけだからな」

南姫「それは・・・」

提督「ここにこうやって来たということは見捨てた事を後悔したんだろうが」

南姫「そんな御託はいい。あの子は無事なのかしら?」

南姫「もし無事でなければ・・・私達はすぐに帰るわ」

南姫「無事なら・・・すぐに連れて帰る」

提督「・・・」

南姫「・・・どうして、黙る?」

397: 2014/11/06(木) 12:17:45.28 ID:F9nHW5hL0
今回はこの辺で

一途で一生懸命なヒロインって素敵ですよね

艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【5】

引用: 艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】