402: 2014/11/08(土) 11:29:43.22 ID:RUpgtEjJ0
チョットサイカイシマスヨ

前回:艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【4】


403: 2014/11/08(土) 11:37:39.24 ID:RUpgtEjJ0
提督「結論から言う。無事だ」

南姫「そう・・・それで、今はどこに?」

提督「四番ドックを閉鎖してそこで住まわせている。一応、この鎮守府内でも隠しているつもりだからな」

提督「あの子の事を知っているのは、お前と戦った六人だけだ。一年近く隠し通すのも辛かったが」

南姫「・・・どうして?」

提督「何がだ?」

南姫「どうして、隠す必要があるのかしら・・・?」

南姫「敵艦を鹵獲したことを報告すれば、十分な功績になるはずよ・・・」

提督「そうだな」

南姫「・・・あなたの考えがわからない」

提督「そうだな・・・もし、鹵獲したことを報告したらどうなる?」
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404: 2014/11/08(土) 11:49:02.15 ID:RUpgtEjJ0
南姫「・・・」

提督「大体想像つくだろう?お前達は私達にとっては謎の存在だ」

南姫「そうね・・・命はないでしょうね」

提督「そういうことだ」

南姫「・・・それでも、やっぱりあなたの考えがわからないわ」

南姫「あの時、私が大破して、逃げるのも辛かった時」

南姫「あなた達の艦隊は、私を撃沈できたはず」

南姫「それなのに、追撃をしてこず、挙句、敵艦を保護して今の今まで養った」

南姫「あなた達にメリットになることが一つもない・・・」

南姫「どうして?」

提督「誰かの命を犠牲にしてまで、勝ちたいとは思っていない」

南姫「そんな綺麗事・・・」

405: 2014/11/08(土) 11:59:45.02 ID:RUpgtEjJ0
提督「そうだな」

南姫「綺麗事で、何かを手に入れられる物なんて」

提督「それでいいんだ」

南姫「・・・?」

提督「綺麗事で何かを手に入れられるなら、それにこしたことはない」

提督「私以外にも、提督業をしている者は居る」

提督「もちろん、私とは別のやり方で業績を上げているものも居る」

提督「それぞれが自分のやり方でお前達と戦っているんだ」

提督「それでいいんだ」

南姫「は・・・?」

提督「まず綺麗事で戦いを終わらせようなんて奴はいない」

提督「誰もやらないから、私が実行に移している」

提督「ただ、それだけだ」

406: 2014/11/08(土) 12:06:29.01 ID:RUpgtEjJ0
南姫「・・・そんなじゃ、いつになっても上にはいけないわよ・・・」

提督「あいにく、上に行くのにはまったく興味がないんだ」

提督「この地位になったのも、成り行きだ」

南姫「・・・でも、感謝はしてる」

南姫「ありがとう、あの子を助けてくれて」

提督「・・・ああ」

南姫「お礼ついでに、私達はあなた達の艦隊を沈めるような事はしない」

南姫「ここに来る前に他の子とも相談してそう決めたわ」

提督「そんな気遣いは無用だ」

南姫「でも・・・」

提督「遠慮はするな。お前達が何故、船を襲うか・・・なんとなく理解はしているつもりだ」

南姫「えっ?」

提督「・・・寝てるところを騒がしくされて起されたら、イライラするからな」

南姫「・・・ええ」

407: 2014/11/08(土) 12:14:18.96 ID:RUpgtEjJ0
南姫「さて、くだらない話はこの辺にして、あわせてちょうだい」

提督「ああ、そうだな。待ちわびただろう」

南姫「ええ・・・」ニコッ

提督「・・・やっぱり女の子には笑顔が似合うな」

南姫「・・・えっ?」

提督「いや、こっちの話だ」

南姫「・・・?」

提督「・・・」

提督(三日月の泣き顔で落ち込んでたなんて・・・言えないな)




その頃、三日月と響

響「相談ってなに?」

三日月「えっと・・・響ちゃんに司令官の事で相談したいことがあって・・・」

響「・・・聞いたの?司令官の娘さんのこと」

三日月「・・・うん」

413: 2014/11/12(水) 12:58:03.95 ID:5q+BmsnV0
三日月「響ちゃんは、前から知ってたんだよね。私が、司令官の娘さんに似てるって」

響「うん。半年前程から」

三日月「そ、そんなに!?」

響「まぁ、私はこの鎮守府では二三を争うほどの古株だからね」

三日月「一二を争うなら聞いたことあるんですけど」

響「初代秘書艦は電」

三日月「初耳です。電ちゃんも秘書艦経験あったんだ・・・」

響「知ってるのは私と川内、雷くらいかな?」

響「二代目は私だから」

三日月「あの、突然の情報が多すぎるんですけど」

響「誰も最初の頃の話なんか聞かないからね」

414: 2014/11/12(水) 13:11:21.12 ID:5q+BmsnV0
響「それで?三日月は何がしたいの?」

三日月「うっ・・・」

響「何かしたいんだろう?私が協力出来るならしてあげよう」

響「三日月は、少し一人で悩む癖があるから」

三日月「望月ちゃんとか弥生姉さんにも何回も指摘されてます・・・はい・・・」

響「そうか」

三日月「その話は置いといて。響ちゃんは、司令官の表情を見たことはある?」

響「そうだなぁ・・・」

響「今の司令官の表情を見たこと・・・」

三日月「・・・見たいとは、思う?」

響「そりゃ」

三日月「私に協力してください!」

響「話が見えない。深呼吸をして落ち着こう」

415: 2014/11/12(水) 13:17:12.58 ID:5q+BmsnV0
三日月「すー・・・はぁー・・・」

三日月「うん・・・!」キリッ

三日月「私は、司令官の娘さんとして振舞ってみたいんです!」

響「やめといたほうがいいと思うな」

三日月「あれ!?」

響「もし、君が司令官の娘として振舞っても、意味がない。どうしてかわかる?」

三日月「えっと・・・どうして・・・?」

響「あの司令官のことだ。ちゃんと娘と君は別に見ている。ただ、重ねて見てるだけだ」

響「重ねて見ると言うのは少し違うか。ここが似てるとか、ここは違うとか」

響「比べているだけ」

三日月「で、でも!響ちゃん言ったよね!?私が一緒になってから、少し司令官が明るくなったって!」

響「はぁ・・・君は、まだよくわかってない」

三日月「なっ・・・!」

416: 2014/11/12(水) 13:25:22.35 ID:5q+BmsnV0
三日月「わ、私は・・・その・・・」

響「君は、司令官が好きなんだろう?」ジッ

三日月「好き・・・だと思う・・・」ポッ

響「私は、司令官を愛している」キリッ

響「そこで、君の好きと私の愛してるの違いはなんだと思う?」ズイッ

三日月「・・・っ」タジッ

響「その違いが分からなきゃ、話にならないね」スッ

三日月「あ、待っ・・・!」

響「何?」

三日月「ヒントは!?私、司令官のこと好きだって気付いたの今日だから」

三日月「その気持ちがよくわからないっていうか・・・その」

響「・・・で?」

三日月「えっと・・・ごめん・・・なんでもないよ」ニコッ

響「・・・どうして、そこまで焦っているんだい?」

417: 2014/11/12(水) 15:06:03.50 ID:5q+BmsnV0
三日月「・・・今日の報告会で聞いたんです。上の人達は、撃沈数しか見てないって」

三日月「それで、早くしなきゃって。早く、司令官に表情を取り戻してあげたいって」

響「司令官が、司令官を降ろされるかもって?」

三日月「今の現状では、いつそういう連絡が来るか・・・」

響「・・・それじゃあ、相談事は、一つじゃなかったわけだね」

三日月「うん、どうしたら、司令官をここに残せるか。相談したかったんです」

響「撃沈数を増やしたらいいんじゃない?」

三日月「それが出来れば苦労しないよ・・・。司令官の命令を無視するわけには・・・」

響「まぁ、司令官からの私達の評価は下がるだろうね」

響(その程度で下げるような司令官ではないだろうけど)

響(それよりも、ほとんど傷が無いのに撃沈したことに対して激怒しそうだけど)

三日月「本当は、協力はしてくれそうもないし・・・相談しないつもりだったんだけど・・・」


418: 2014/11/12(水) 18:37:16.58 ID:5q+BmsnV0
響(激怒した顔も見てみたいな)フフッ

三日月「それで響ちゃん」

響「・・・」

三日月「司令官をどうすれば説得すればいいかな」

響「・・・」ボーッ

三日月「響ちゃん・・・聞いてる?」

響「え、いや?今自分の世界に入ってた」シレッ

三日月「・・・うん。響ちゃんって、自由だよね」

響「そうかな?」テレッ

三日月「今のは悪い意味だよ」

420: 2014/11/12(水) 18:50:34.87 ID:5q+BmsnV0
響「そうか。で、説得のことなんだけど」

三日月(聞いてたんだ)

響「うーん・・・司令官は変なところで頑固だからなぁ」

三日月「そっか・・・」

響「でも、方法なんていくらでもあるだろう。手段さえ選ばなければ」

三日月「それって・・・」

響「私の言った言葉の意味がわかれば、方法はあるよ。いくらでも」

三日月「・・・考えてみます」

響「まずは考えてみることが肝心だよ。それじゃ」

ガチャ

パタン

響「・・・それで?盗み聞きとは、趣味が悪いね」

鈴谷「・・・いつから気付いてたの?」

響「最初からかな」

421: 2014/11/12(水) 19:10:03.92 ID:5q+BmsnV0
鈴谷「鈴谷も色々衝撃的な情報が多くて混乱してるんだけど」

響「ああ、鈴谷は知らなかったね」

鈴谷「三日月が提督の娘だなんて・・・」

響「ああ、私との娘だ」

鈴谷「いや、鈴谷とのでしょ?」

響「・・・やめよう。虚しいだけだ」

鈴谷「そうだね・・・娘さんに似てるんだね」

響「ああ、少し三日月が勘違いしているようだったが」

鈴谷「何?提督にとっては嬉しいことなんじゃないの?」

響「・・・そうかもしれないけど。あの人はクソ真面目なんだ」

鈴谷「それは知ってる」

響「だから、完全に娘として扱うのを戸惑ってる」

響「父親としてより司令官としての悩みがあるんだろうさ。私達に対して、最低限の礼儀だと思ってるから」

響「仮にも、人に指示を出す立場の人間だし」

鈴谷「・・・そうだよねぇ。提督、真面目すぎるのが欠点だよね」

422: 2014/11/12(水) 19:28:54.63 ID:5q+BmsnV0
響「まぁ、真面目すぎるところも、好きだが」

響「あの人の最大の欠点は、考えが極端すぎることだ」

響「・・・それで、鈴谷はどう思う?」

鈴谷「うーん・・・私はどうしようもないかなぁ。今のところは」

響「・・・鈴谷は、私の言ってた事の意味わかる?」

鈴谷「え?好きと愛してるの部分?」

響「うん」

鈴谷「いやぁ、全然」

響「はぁ」

鈴谷「でもさぁ。好きと愛してるって、人それぞれの違いじゃない?」

鈴谷「鈴谷は響みたいに難しいこと考えるのとか好きじゃないから、自分の好きに生きてるけど」

鈴谷「自然と愛に変わるんじゃない?」

響「・・・まぁ、そうかもしれないね」

鈴谷「前から思ってたけどさ。響は少し難しい方、ネガティブな方に考えすぎなんだよ」

響「鈴谷は少し考えたほうがいいよ」

鈴谷「やーだよ」ドヤッ

響「鈴谷らしいからいいと思うけど」

423: 2014/11/12(水) 19:31:11.88 ID:5q+BmsnV0
鈴谷「そう言えば、さっき提督がドックに向かってたけど」

響「話が終わったのかな」

鈴谷「なんの?」

響「いや、こっちの話」

鈴谷「そう?」

響「私もドックに向かう」

鈴谷「そっか。じゃあ、鈴谷は部屋に戻って少し寝るよ」

響「ああ、おやすみ」

424: 2014/11/12(水) 19:39:26.58 ID:5q+BmsnV0
四番ドック

南姫「ここに居るのね」

提督「ああ」

ガチャ

南姫「・・・」

提督「先ほど、無事であるとは言ったが、その」

提督「ずっと眠っているんだ」

提督「私達のお前達に対しての知識はほとんど持っていない」

提督「どうやったら目を覚ますかも検討がつかない」

提督「すまない」

南姫「・・・」ナデナデ

護衛艦「・・・」ピクッ

南姫「そうね・・・この子は無事、傷も全て治っているわ・・・」ギュッ

南姫「私はこの子を連れ帰って、目を覚まさせるわ。文句はないわよね?」

提督「ああ、そのために助けたんだ」

南姫「私はこれで帰るわ。また、会いましょう」

提督「見送らせてもらおう」

425: 2014/11/12(水) 19:43:57.26 ID:5q+BmsnV0
タ級「南方棲戦姫様」

南姫「帰るわよ」

雷「あら、司令官もお見送り」

提督「ああ」

護衛艦「・・・」

護衛「・・・」スリスリ

護「・・・」コンコン

護衛艦「・・・」ピクッ

タ級「・・・」

南姫「・・・ああ、提督さん」

提督「どうした」

南姫「この子を助けてくれたお礼に、一つだけ教えてあげるわ」

426: 2014/11/12(水) 19:53:13.15 ID:5q+BmsnV0
南姫「私達と戦って命を落としかけた子には、私達の呪いがかかるの」

提督「・・・」

南姫「気をつけて。あの子、私達になりかけてる」

南姫「ごめんなさいね。これは、私達にはどうしようもできないの」

南姫「好きでかけてるわけじゃないから」

提督「助かる方法はあるか?」

南姫「そうね・・・確証はないし、私には感情とかよくわからないけど」

南姫「負の感情・・・っていうの?こう、胸の所がモヤモヤする感じとかが、呪いを加速させるんじゃないかしら?」

南姫「私も、そういうときは、力があふれてくるの」

南姫「・・・ここにいた数時間、力が出なかったし」

提督「そうか」

南姫「・・・長話が過ぎたわね。それじゃあ、次会うのがいつになるかわからないけど」

提督「ああ、ありがとう」

南姫「行くわよ」バシャンッ

タ級「はい」バシャッ

427: 2014/11/12(水) 20:04:31.16 ID:5q+BmsnV0
提督「ご苦労だったなお前達、各自、部屋に戻っていっていいぞ」

金剛「stop!ちょっと待つネ!」

提督「なんだ」

金剛「なんで護衛艦のこと、私達に黙ってたんデスか?」

提督「上の連中に知られないためだ」

金剛「私達は信用できないんデスか?」

提督「そうじゃない。知る人数が増えれば、それだけ情報漏洩の危険があるからだ」

加賀「納得できませんし、感心できません」

提督「何がだ」

加賀「もし、あの護衛艦が鎮守府内で暴れたらどうするつもりだったんですか?」

加賀「油断した私達が、護衛艦に先手を取られたら大破では済まされません」

金剛「そうネ。私達は、知らない間に危険に晒されてたということになるヨ?」

雷「そうよ!大井さんや北上さんもおかしいと思うわよね!?」

雷「私おかしいと思うわ!どうして言ってくれなかったのよ!あの子の世話、私もしたかった!」

金剛「そういう話をしてるわけじゃないネ。雷は少しおとなしくしてるヨー」

432: 2014/11/19(水) 12:22:52.38 ID:h7rQK+H50
三番ドック

響「ん、二人共、司令官は来ていないか?」

鳳翔「いえ、こちらにはいらしてませんよ」

響(見送りにでも行ったのかな)

響「その子の容態は?」

弥生「今は落ち着いてる」

鳳翔「そうですね。もう少し様子は見るようですけど」

響「そっか」

弥生「響、少し気になることが」

響「なに?」

弥生「響は、この子に見覚えはない?」

響「・・・弥生は?」

弥生「ある」

響「弥生にあるなら、私にもあるだろう。この話は司令官と一緒にした方がいい」

響「私は司令官を探してくる」

433: 2014/11/19(水) 12:29:42.05 ID:h7rQK+H50
タッタッタッ

響(見送りに出ているのならここに居ると思うんだが・・・)

響「・・・居た」

金剛「提督!答えるデース!」

加賀「そうです。はっきりしてください」

提督「落ち着け」

響「・・・修羅場!」

北上「嬉しそうに言ってるところ悪いけど違うよ」

響「なんだ」

響「そうか」ポンッ

響「敵艦の保護を隠してた事を問い詰められてるんだな」

大井「察しが良すぎない?」

434: 2014/11/19(水) 12:45:46.97 ID:h7rQK+H50
提督「黙っていた事は謝る」

金剛「謝って済むなら憲兵さんは必要ないデース!」

加賀「そうね」

提督「・・・」

北上「朝からあの二人が機嫌悪いみたいでさー」

響「仕方ないだろう。二人は同じベッドで一夜を過ごしたんだから」

大井「その話詳しく」ドキドキ

金剛「人聞きの悪いことを言わないで欲しいデス!」
加賀「人聞きの悪いこと言わないで!」

響「ああ、司令官、少し話しておきたいことがあるんだけど」

提督「なんだ?」

響「南方棲戦姫達が連れてきた朝潮についてだ」

提督「どうした?」

響「見覚えがある朝潮だったから見て欲しいんだ」

提督「ああ、すぐに向かう」

435: 2014/11/19(水) 12:55:07.18 ID:h7rQK+H50
金剛「提督!こっちの話は終わってないデスよ!」

提督「後で間宮スイーツタダ券全員に配ってやる。それで手を打ってくれ」

金剛「そんなので騙される私達では・・・」

加賀「・・・わかりました。事情は説明してもらいますがそれで手を打ちましょう」ジュルッ

金剛「加賀っ!」

雷「加賀さんよだれよだれ!!」

加賀「あら」

提督「そういうことだ。大井も北上もご苦労だった」

北上「はいはいー」

大井「はい」

提督「行くぞ響」

提督「了解」

436: 2014/11/19(水) 13:14:51.25 ID:h7rQK+H50
再び三番ドック

提督「鳳翔」

鳳翔「て、提督!」ドキッ

弥生「司令官」

提督「鳳翔すまないな。ありがとう」

鳳翔「い、いえ・・・私は当然の事をしたまでですから・・・」ポッ

響「弥生」

弥生「ん、司令官」スッ

提督「・・・どれ」

朝潮「スー・・・スー・・・」

提督(だいぶ落ち着いているな)ナデ

提督(呪いがかかっていると聞いているが、見た目では判断出来ないな)

提督(それとも、服の下に変化が現れてるのか)

提督「ん?この傷は・・・?」

提督「いや、そんなはずはない」

437: 2014/11/19(水) 13:22:59.05 ID:h7rQK+H50
提督「・・・目を覚ましたら少し事情を聞く必要があるな」

提督「鳳翔、この子の体に何か異変はあったか?」

鳳翔「と、言いますと?」

提督「普通の艦娘には無いアザや傷だ。服の下になかったか?」

鳳翔「おかしなところは特にありませんでしたけど・・・?」

提督「そうか・・・」

鳳翔「ええっと・・・それが何か?」

提督「いや、なんでもない」

提督(まだ呪いが弱いのか?)

提督(いや、呪いの事はこの子が起きてから考えよう。それより、この子の二の腕のアザ・・・)

提督「・・・響、お前たちもこの子に見覚えがあると言ったな?」

響「ああ、弥生もそう言っていた」

弥生「うん」

提督「そうか・・・」

441: 2014/11/22(土) 15:53:14.87 ID:GHNZ7dF70
サイカイシマス


442: 2014/11/22(土) 16:04:19.12 ID:GHNZ7dF70
提督「目が覚ますまでは様子を見るか」

提督「鳳翔、悪いが目が覚めるまで陸奥と交代で様子を見てくれないか?」

鳳翔「わかりました」

提督「二人体制で様子を見てもらう」

提督「そうだな。鳳翔は最上と一緒に見てくれ」

提督「それと・・・服に隠れて見えない部分にも気を配ってくれ」

鳳翔「どういうことですか?」

提督「深海棲艦になるかも知れない。二人体制もそのためだ」

鳳翔「・・・もし、深海棲艦になったらどうしましょうか?」

提督「寝ている間は大丈夫だろう。もし、なってしまったらすぐに連絡をくれ」

提督「危なくなったら・・・その時は」

鳳翔「はい。わかりました」

443: 2014/11/22(土) 16:16:59.82 ID:GHNZ7dF70
提督「私の方から、陸奥達に伝えておく」

提督「響、弥生、行くぞ」

響弥生「了解」





提督「・・・響、あの傷に見覚えはあるか」

響「あるから、司令官を呼んだんだ」

弥生「あの傷は、あの司令官の秘書艦のものだった」

提督「いや、そんなはずはない。今日の提督会議で、あの子は出席していた」

提督「あの子が、沈めかけられたのは朝だと、南方棲戦姫が言っていた」

提督「おかしいだろう」

響「矛盾しているな。だけど」

提督「・・・考えても無駄だな。あの子の事は、あの子が起きてから全てを聞こう」

弥生「話せるのなら」

提督「今日はもう休め。明日に備えて」

響「これから何か用事はあるのかい?」

提督「特にはない」

弥生「なら、部屋に戻る」

提督「ああ」

444: 2014/11/22(土) 16:29:34.81 ID:GHNZ7dF70
真夜中

執務室前

三日月「・・・今日は色々ありすぎて疲れたなぁ・・・」ボソッ

三日月(今日は早めに・・・司令官に一言言って休もう)

コンコン

三日月「・・・あれ?」

ガチャッ

三日月「居ない・・・どこだろう?」

三日月(こんな時間だし、皆寝てるだろうなぁ・・・)チラッ

三日月「・・・今日も、月が綺麗・・・」

提督『今日は、月が綺麗だとは思わないか』

三日月「・・・」ドキドキ

三日月(今思うと、とてもロマンチックなセリフだったよね・・・)

三日月「・・・あれ・・・畑に居るのって・・・司令官?」

三日月「行ってみよう」タッ

445: 2014/11/22(土) 16:38:37.00 ID:GHNZ7dF70


三日月「はぁ・・・はぁ・・・」

三日月(誰かと一緒?)コソッ

提督「こんな時間まで畑仕事とは、働き者だな。電」

電「司令官さんほどじゃないのです」ブチッ

提督「あまり、夜中にやるのは感心しない。私の居ないところで一人でやってはいないだろうな?」

電「やってないのです!電も、約束はちゃんと守るのです!」

提督「・・・ああ、そうだな」

電「司令官さんが、約束を守っていてくれてるのに、電が守らないわけにはいかないのです」

提督「・・・」

電「あ、でも無理しないでって約束は破っているのです!」

提督「それは私の性分だ。勘弁してくれ」

446: 2014/11/22(土) 16:47:52.21 ID:GHNZ7dF70
電「・・・それで、今日はどうしたのですか?」

提督「・・・何がだ?」

電「今日は落ち込んでるみたいなのです」

提督「・・・お前には、敵わないな」

電「ふふふ、電にはお見通しなのです」ドヤッ

提督「今日はもう切り上げろ」

電「そうですね。よいしょ」スクッ

提督「・・・」

電「・・・定位置なのです」ポスッ

提督「おっと・・・」

電「司令官さんのお膝の上は安心するのです」




三日月(えっ?えっ?)オロオロ

三日月(二人はどういう関係?初代秘書艦だけって関係じゃないよねっ?)

三日月(・・・司令官の膝の上・・・どんな感じなんだろう)

447: 2014/11/22(土) 17:04:55.78 ID:GHNZ7dF70
提督「・・・」ギュウッ

電「ん・・・司令官さん・・・」

提督「すまん、電。少し、泣かせてくれ」

電「・・・司令官さんは、おっきな月がよく見える日はいつも甘えん坊になるのです」

提督「お前以外に、こんな顔、見せられん」

電「えへっ、信頼されてて嬉しいことなのです」

電「電に頼っていただけるのは嬉しいのですが」

提督「わかってる。お前が知っている通りだ。私には・・・」

電「電のわがままを聞いてくれているので、あまり言えないのです」

電「司令官さんには、難しいわがままだったのに・・・それを守ってくれてくれて」

提督「いや、命は大切なのは私も知っている」

提督「一番、理解してる」

電「・・・司令官さんの奥さんは・・・」

提督「やめてくれ。大きな月で、ただでさえ思い出す・・・だから」

電「ごめんなさいなのです・・・」

448: 2014/11/22(土) 17:18:09.54 ID:GHNZ7dF70
提督「私は・・・守れなかった・・・」ギュウッ

電「・・・っ」

提督「大切な人二人を・・・守れなかった・・・ぐっ」

電「司令官さん」

提督「・・・電だけが、私の事情、全てを知っているんだ」

提督「響ですら、全てを知っているわけではない」

電「何回も聞いているのです」

電「何回も聞いてあげるのです」

電「これくらいなら、非力な電にも出来ることなのです」

提督「・・・うぐっ・・・」ギュウッ

電「ちょっと苦しいのです・・・聞いてませんね・・・」



三日月(・・・初めて見る司令官の表情が泣き顔なんて・・・)

三日月(胸が締め付けられる・・・苦しいなぁ・・・)

458: 2014/11/25(火) 08:48:41.36 ID:8LiNz1YP0
提督「いつもすまない電」

電「今退くのです」

提督「お礼をしたい」

電「それじゃあ、いつものをお願いするのです」

提督「お前も好きだな・・・」

電「えへへ」

提督「どこだ?」

電「司令官さんのお好きなところに・・・なのです」

提督「そうか」

電「いつでもいいのです!」

提督「ああ、それじゃあ」

チュ

459: 2014/11/25(火) 08:57:33.75 ID:8LiNz1YP0
三日月「なっ!?」カァ

ガタッ

三日月「・・・っ!」ダッ

提督「・・・」

電「今、誰か居たのですか?」

提督「動物だろう」

電「そうなのでしょうか?」

提督「もう消灯時間は過ぎている。誰も見ていない」

電「うーん・・・」

電「それにしても、何度お願いしても、口にはしてくれないのですね」

提督「するわけがないだろう」

電「電はいつでもどんと来いなのです!」

提督「あまり私を困らせるな。その大胆な性格は誰に似たんだか・・・」

電「それじゃあ、シャワーを浴びて寝るのです」

提督「ああ。おやすみ」

電「おやすみなさいなのです」

461: 2014/11/25(火) 09:14:19.95 ID:8LiNz1YP0
翌朝

三日月「お、おはようございます。司令官」

提督「・・・ああ」

三日月(どうしよう・・・聞こうかな・・・聞かないほうがいいのかな・・・)ソワソワ

提督「・・・どうした」

三日月「はいっ!?な、何がですかっ!?」ビクッ

提督「落ち着きが無いようだが」

三日月「ええ、えっと・・・そのですね・・・」

三日月(もうどうにでもなっちゃえ!)キッ

三日月「司令官!昨日の夜に・・・!」

バタン

長門「提督!!保護された朝潮が目を覚ましたぞ!」

提督「そうか。すぐに向かう。行くぞ三日月、話は後で聞いてやる」

三日月「・・・はい」グッタリ

長門「ん?何かあったのか?」

三日月「いえ、なんでもないです・・・はぁ・・・」

三日月(どうしていつも邪魔が入るんだろう・・・)

長門「なんだ・・・?」キョトン

462: 2014/11/25(火) 09:28:16.16 ID:8LiNz1YP0
三番ドック

提督「目が覚めたというのは本当か?」

陸奥「早いわね。見ての通りよ。今、鳳翔が軽いものを作ってくれてるわ」

提督「そうか。大丈夫か?」

朝潮「あなたは・・・うっ!」ズキッ

提督「あまり無理をするな。休んでいるとはいえ、轟沈しかけたんだ」

提督「そのままで構わん」

朝潮「すみません・・・」

提督「具合はどうだ?」

朝潮「随分良くはなりました。ただ、少し体が重いです・・・」

提督「そうか・・・長門、鳳翔に頼んで間宮アイスも付けてもらえ」

長門「わ、わかった!」

朝潮「え・・・」キョトン

三日月「朝潮さん?どうかしたの?」

朝潮「え、あ、いえ・・・」

463: 2014/11/25(火) 10:03:15.48 ID:8LiNz1YP0
提督「何かは食えそうか?」

朝潮「はい・・・あまり食欲はないですが」

提督「食えるだけでいい。余ったら誰かが食う」

朝潮「・・・あの」

提督「どうした?」

朝潮「・・・いえ」

提督「・・・顔をよく見せてみろ」

朝潮「えっ」

提督「・・・目が変わってきているな」

朝潮「どういうことですか?」

提督「起きたばかりであまり言いたくはないが、それでも聞きたいか?」

提督「おそらく、ショックを受けるぞ」

朝潮「・・・はい。聞かせてください。朝潮の事でご迷惑をかけるわけには行きませんから」

提督「そうか・・・」

提督「教える前に聞きたいことがある。お前の提督は、誰だった?」

朝潮「朝潮の・・・司令官・・・は・・・」

464: 2014/11/25(火) 10:13:12.87 ID:8LiNz1YP0
朝潮「・・・K司令官です」

三日月「えっ!?」ガタッ

提督「やっぱりか・・・」

三日月「K司令官の秘書艦の朝潮さんは昨日の司令官会議に参加してましたよね?」

提督「ああ、おそらく新しい朝潮だったんだろう」

提督「朝潮、お前は、Kに見捨てられたんだ」

朝潮「それより、先ほどの話をして欲しいです」

提督「・・・お前は、相変わらず真面目だな」

提督「単刀直入に言う。お前は深海棲艦になりかけている」

朝潮「・・・はい」

提督「それで、お前にはいくつかの選択肢を与えたいと思う」

朝潮「なんですか?」

465: 2014/11/25(火) 10:27:39.94 ID:8LiNz1YP0
提督「一つ、Kの元へ戻るか」

提督「二つ、私達の元で共に戦うか」

提督「三つ、深海棲艦となって、あちらの味方になるか」

提督「四つ、深海棲艦となる前に、解体され、普通の女の子として生きていくか」

提督「他も、お前のやりたいようにさせてやろう」

提督「何をしたいか。どう進むかはお前次第だ」

提督「すぐに答えが出るとは思っていない。ゆっくり考えろ」

朝潮

朝潮「・・・難しいですね・・・今までの朝潮でしたら、迷わず司令官の元へと戻っていたと思います」

朝潮「ですが、朝潮が司令官の下で働き初めてから、結構な時間が経ちました」

朝潮「けれど、誰かに優しくされたのは初めてです。それで、どうしたらいいか・・・少し戸惑っています」

提督「お前は真面目だ。すごくな。だが、真面目だからこそ、一人で悩んで溜め込む癖がある」

提督「うちにも居るんだ。そう言う奴が何人か」

陸奥「全くよね」

三日月「」ギクッ

466: 2014/11/25(火) 10:36:56.13 ID:8LiNz1YP0
三日月(耳が痛い)

朝潮「・・・それでは、お願いです」

提督「どうしたか決まったのか?」

朝潮「朝潮は、ただ解体されて普通に戻るくらいなら、近代化改修で誰かの力になってから戻りたいです」

提督「そうか。あとは頃合いを見て・・・」

朝潮「今すぐでも構いません」

陸奥「本当に、それでいいの?」

朝潮「・・・はい。朝潮は、もう誰かの役に立てることはないので・・・」

提督「・・・わかった。すぐに手続きをしよう」

朝潮「ありがとうございます」

提督「予定が少し多いから、少し時間が空く。それでもいいな」

朝潮「はい」

提督(私としては、少しだけでもここで過ごして楽しく過ごせればと思ったんだが・・・)

提督(本人が選んだ道だ。尊重しよう)

467: 2014/11/25(火) 10:49:29.57 ID:8LiNz1YP0
提督「もし、近代化改修の時までに心替わりするようなら、その時は気軽に声をかけてくれ」

朝潮「はい」

提督「・・・それじゃあ陸奥、引き続き、看病を頼む」

陸奥「ねぇ、本当にこれでいいの」ボソッ

提督「朝潮は、ずっと奴の下で奴隷の様に働いていた」

提督「自分は命令されて、ただこなしていた奴隷に」

提督「これからの道くらい選ばせて野郎じゃないか」

陸奥「だからこそじゃない・・・あの子、自分のした選択が正しいのかわかってないわよ・・・」

提督「・・・人は誰しも、自分がした選択が正しいのかなんてわからないんだ。それで、未だに悩む奴だっている」

提督「・・・私だって」ボソッ

提督「いや、この話は終わりだ。行くぞ。三日月」

三日月「はい!」

陸奥「ちょっと!」

パタン

朝潮「・・・ごめんなさい。朝潮のせいで」

陸奥「いえ、気にしなくていいのよ。いつもこんな感じだから」

474: 2014/11/25(火) 23:57:53.58 ID:8LiNz1YP0
陸奥「自分で食べられる?」

朝潮「やってみます・・・あ」カチャン

陸奥「無理はしないで。食べられないなら食べさせてあげるから」

朝潮「・・・すみません、ご迷惑ばかり」

陸奥「いいのよ。気にしないで」

陸奥「さぁ、口を開けて。熱いから気をつけてね」

朝潮「あー・・・んっ」パクッ

陸奥「どう?」

朝潮「はい。おいしいです」

陸奥「そう。よかった。まぁ、鳳翔が作ってくれたんだけどね」

朝潮「・・・どうして、赤の他人の朝潮に、陸奥さんやあの人はここまでしてくれるんですか?」

陸奥「・・・知りたい?」

朝潮「はい」

陸奥「ふふ、簡単なことよ。助けたいから」

朝潮「えっ?」

475: 2014/11/26(水) 00:09:09.78 ID:VLnGilCm0
陸奥「助けたいから助けるの。自己満足かもしれいないけど」

朝潮「・・・」キョトン

陸奥「・・・なんで呆気に取られてるのよ」

朝潮「いえ、K司令官の時はそんな言葉、聞かなかったので・・・助けると言う言葉を」

陸奥「はぁ・・・提督から聞いていた以上にひどい人だったのね」

朝潮「K司令官は、私達に常にこう言っていました」

朝潮「行き先で大破し、動けなくなった艦は捨て置け。役立たずを我が鎮守府にはいらない」

朝潮「そう、言い聞かされました」

陸奥「ああ・・・だから、あなたが見捨てられたと言われたとき冷静だったのね」

朝潮「いつかは朝潮もそうなる・・・そう覚悟はしていました」

朝潮「・・・でも、不思議なんです」

陸奥「何が?」

朝潮「朝潮が居た鎮守府は、誰かを助けると言う考えはなかったのに」

朝潮「ここの鎮守府は、誰かを助ける為にと言う考えだと言うことが」

476: 2014/11/26(水) 00:32:12.04 ID:VLnGilCm0
朝潮「目指す場所は同じなのに、方法が真逆で・・・」

陸奥「そうね。特に、うちの提督は変わり者だから」

朝潮「K司令官と、あの人では、どちらが正しいのでしょう・・・」

陸奥「どっちが正しいのかなんて、結果が出るまでわからないらしいわよ」

陸奥「さっき、提督とそう言う話をちょこっとだけしたけどさ」

朝潮「・・・そうですね」

陸奥「あなたは少し、考える時間が必要だと思う」

朝潮「考える時間ですか?」

陸奥「難しく考える必要はないと思うけど」

陸奥「この鎮守府で、適当に過ごしてみるといいわ」

陸奥「誰かとおしゃべりしたり、遊んだり」

陸奥「話を聞く限りだと、あなたの鎮守府ではそういうのなかっただろうし」

陸奥「深海棲艦化も、あまり深く考えない方がいいわ」

陸奥「ここの鎮守府、それくらいで引くような子いないと思うわ。一部の怖がりな子を除いてだけど・・・」

ガチャ

長門「すまん。トイレに行っていて戻ってくるのが遅れた。ってうわぁ!」ビクゥッ

長門「目の色がおかしいぞっ!大丈夫か!?それともドッキリか!?」

陸奥「・・・ね?」

朝潮「あはは・・・」

477: 2014/11/26(水) 00:41:58.93 ID:VLnGilCm0
執務室

提督「それで、話とはなんだ?」

三日月「えっと・・・」

三日月「き、昨日の夜・・・司令官は何をしていたんですか?」ドキドキ

提督「・・・特に、何もしてないが?」

三日月「私、見ちゃったんですけど、電ちゃんと司令官が・・・その、逢引してるのを・・・///」

提督「・・・見てたのか?」

三日月「おでこにキ、キスするところまで・・・」

提督「・・・あの物音はお前の仕業だったのか・・・」

三日月「ごめんなさい・・・」

提督「いや・・・電とはそういう関係ではない。それだけは伝えておく」

三日月「あ、あんなことまでしてそういう関係じゃないって・・・さすがの私でも誤魔化されませんよ!」

提督「そういう関係ではない。それは本当だ」

三日月「・・・本当ですか・・・?」ウルッ

提督「やめてくれ。なんで泣きそうな顔してるんだ」

三日月「それは内緒です。女の子には秘密の一つや二つあるものです」

提督「・・・私は女の子だったのか?」

三日月「それはありえませんよ?」

提督「だろうな」

488: 2014/12/02(火) 12:22:56.38 ID:5cDkb/j90
提督「ああそうだ。少し急なんだが三日月」

三日月「はい?なんでしょうか」

提督「秘書艦を降りてもらいたい」

三日月「えっ」

三日月「私では何か不満でしたか・・・?」

提督「いや、そうじゃない。ただ、お前には少し特別な任務をして欲しい」

提督「おそらく、お前が適任だ」

三日月「・・・そうですか。少し残念です」

提督「任務を完了出来たら、また戻ってもらう」

三日月「私、頑張ります!」

提督「・・・ああ」

提督「あと、電を呼んできてくれ。少し、話がある」

三日月「・・・?」

489: 2014/12/02(火) 12:27:25.45 ID:5cDkb/j90
少し経って

電「話ってなんですか司令官さん」

提督「電、私の秘書艦を務めてくれ」

電「秘書艦ですか?でも・・・」

電「三日月ちゃんと一緒の方が・・・」

提督「三日月には話してある」

三日月「・・・」

三日月(電ちゃんと司令官を二人きりにして大丈夫なのかな・・・)

電「・・・わかったのです」

提督「・・・まだ話があるんだが・・・三日月、席を外してくれ」

三日月「あ、はい・・・では」

バタン

490: 2014/12/02(火) 12:38:31.46 ID:5cDkb/j90
提督「電、私はどうしたらいい」

電「どういうことなのですか?」

提督「朝潮の願い、近代化改修のことなんだが」

提督「工廠の奴らに聞いてみたんだ・・・出来るかと言う事を」

電「・・・ダメだったんですか」

提督「ああ、深海棲艦になりかけている艦娘は、近代化改修には使えないと」

提督「もし使って、その呪いが他の艦娘に移ったらいけないと」

提督「そんな危険があるかもしれないということらしい」

提督「・・・知っていたんだろ。電」

電「・・・」

提督「・・・この話はもう、やめよう。それより、朝潮の事を他の奴らにも教えておいてやろう」

提督「また、金剛や、加賀の様に突っ込まれたら、やっかいだ」

電「それより、三日月ちゃんはどんな任務につかせるんですか?」

提督「・・・朝潮のメンタルケアだ」

491: 2014/12/02(火) 12:47:05.33 ID:5cDkb/j90
提督「まだ、三日月にこのことは伝えていない」

電「そうなのですか」

提督「・・・電、ありがとう。そしてすまん」

提督「無知な振りをさせてしまって、本当にすまない」

提督「私の事を一番知っているのは、響や川内ではない。お前だというのに・・・」

電「電の事はいいのです。電は、司令官さんと一緒に居れるだけで嬉しいのです」

電「ですから、過去の事は、もう忘れましょう。司令官さんのお役に立てるだけでも、嬉しく思うのです」

電「出撃や、演習や遠征もあまりできませんから・・・」

提督「・・・ああ、そうだ。私は今週末、また出かける用があるんだ。その時は、まかせたぞ」

電「何かあるのですか?」

提督「私達の儀式みたいなもんさ」

提督「深海棲艦に対して、憎しみを増やす・・・な」

電「そうですか・・・わかりました」

492: 2014/12/02(火) 17:58:45.25 ID:5cDkb/j90
午後

提督「皆集まったな。紹介したい奴が居る」

提督「まだベッドから起き上がれないからここには居ないが、朝潮が私達の鎮守府に住むことになった」

提督「少し特殊な朝潮だが、仲良くしてやってくれ」

提督「それと、秘書艦を三日月から電に変わる」

金剛「この間の子デスか?」

提督「ああ、深海棲艦が連れてきた子だ」

提督「率直に言うと、深海棲艦になりかけて居る」

一同「えっ」

提督「が、あまり重要視しなくて気持ちが保てれば大丈夫だ。その保証はある」

利根「信用出来んな。聞けば、深海棲艦を庇っていたそうじゃの」

提督「深海棲艦化はしない。保証する」

加賀「証拠が欲しいですね」

提督「・・・証拠は・・・」

三日月「・・・あるんですか?」

提督「いや、ない・・・が、大丈夫だ」

494: 2014/12/02(火) 18:15:51.18 ID:5cDkb/j90
提督「話はこれまでだ。間宮スイーツタダ券を配るから、とりあえず並んでくれ」

提督「受け取ったら部屋で待機だ」

一同「やった」

鈴谷「えー?どういう風の吹き回しー?」

提督「日頃頑張ってくれているお前らへのご褒美だと思ってくれ。ほら」スッ

鈴谷「・・・なんか隠してる?」

提督「さぁな。次が待ってる」

響「・・・本当に配るのか。全員分」

提督「約束は守る。私の最低限のプライドだ」スッ

響「電と何かあったのかい?電が少し暗い顔をしていたが」

提督「いや、特にはない」

響「それならいいが」

加賀「・・・」スッ

提督「・・・よだれ拭け」スッ

赤城「もう、加賀ったらはしたない」ジュル

提督「お前の方がひどいぞ」

495: 2014/12/02(火) 18:32:30.81 ID:5cDkb/j90
提督「さて、全員居なくなったな。それでだが三日月」

三日月「はい」

提督「お前には、朝潮と共に過ごして欲しい」

三日月「はい?」

提督「朝潮の心を開いてやってくれ」

提督「少しずつでいい。それで、深海棲艦化は止まる」

三日月「・・・どうして、止める方法を知っているんですか?」

提督「・・・南方棲戦姫が言っていた通りだ」

三日月「深海棲艦達でも曖昧な事をなんで・・・」

提督「断言できるのかって?」

三日月「・・・はい」

提督「そうだな・・・なんとなくだ」

三日月「・・・本当に、それだけですか?」

提督「どういうことだ?」

496: 2014/12/02(火) 18:41:07.55 ID:5cDkb/j90
三日月「・・・いえ、やっぱりいいです。それでは、朝潮さんの所へ向かいます」

提督「・・・ああ、そうしてくれ」

三日月「・・・私だって」

三日月「・・・私だって、ただ司令官の側に居ただけじゃないんですよ・・・」ボソッ

提督「何か言ったか?」

三日月「電ちゃんとの事、許したわけじゃないですよって」

提督「そういう関係ではないと何度言ったら・・・」

三日月「そういうことじゃなくて!キスしたことに問題があるんです!」

提督「・・・手を出せ」

三日月「えっ?手、ですか?」

提督「・・・」ギュッ

チュ

三日月「なっ!?」ビクッ

提督「これで、許してくれ」

三日月「い、いきなり掌にキスって!?一言欲しかったです!///」

提督「すまない」

三日月「で、でも、許してあげます・・・次は許しませんから!」

497: 2014/12/02(火) 18:42:06.40 ID:5cDkb/j90
今回はこの辺で

今更ながら勘違いしてました

おでこへのキス⇒祝福

でしたね

厚意は頬でした

艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【6】

引用: 艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】