500: 2014/12/03(水) 01:22:31.95 ID:9umVlsTR0
ホンノチョットサイカイシマス


前回:艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【5】


501: 2014/12/03(水) 01:26:54.22 ID:9umVlsTR0
三番ドック

三日月「ということで、よろしくお願いします朝潮さん」

朝潮「」ポカーン

三日月「・・・どうしたんですか?」

朝潮「あの、暇なんですか?」

三日月「そういうわけでは・・・」

朝潮「誰か一人の為に一人を付きっきりで配備って、普通しないと思うんですけど」

三日月「まぁそうですね・・・私達の司令官は変わりものですから」

朝潮「ふふ、ここの鎮守府の人は、皆さんそう言うんですね」

朝潮「陸奥さんも同じこと言ってましたよ」ニコッ

三日月「事実だから・・・」
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502: 2014/12/03(水) 01:36:25.25 ID:9umVlsTR0
三日月「こんな事聞くのも失礼なんですけど・・・朝潮さんの鎮守府はどんな雰囲気だったんですか?」

朝潮「そうですね・・・朝潮の鎮守府は、皆無心で働いてましたね」

朝潮「ただ無心に、K司令官の指示に従って、淡々と全てをこなしてました」

朝潮「誰かと遊ぶとか、こうして話す事もしませんでした」

朝潮「無表情で、笑顔なんてありませんでした。泣き顔や苦しい顔なら何度も見てきましたけど」

三日月「どこかの鎮守府の司令官も、無表情で笑顔なんて見たことありませんよ」

朝潮「どこかって・・・」

三日月「・・・私達の司令官のことなんですけどね」

朝潮「そう言えば・・・話してる時も眉一つ動かしてませんでしたね」

三日月(泣き顔は、見たけど・・・)

朝潮「・・・」

三日月「・・・」

朝潮三日月(あまり話すことないなぁ・・・)

503: 2014/12/03(水) 01:45:46.18 ID:9umVlsTR0
三日月「・・・元居た鎮守府は、辛かったですか?」

朝潮「・・・さぁ、どうなんでしょう。辛かったんじゃないですか?」

三日月「疑問形なんですか」

朝潮「朝潮にとって、あれが当たり前だと思ってたので」

朝潮「ここに来てから、どれだけ環境が劣悪だったのかが理解できました」

三日月「でも、逃げ出さなかったんだよね」

朝潮「あれが当たり前だと、刷り込まれていたんでしょう」

朝潮「それでも逃げ出したいと思ったことはあります」

朝潮「ただ・・・折檻が怖かったです」

三日月「うぇ・・・折檻なんてあったんですか・・・」

朝潮「一つの部屋が折檻する部屋としてあって、そこから、命令違反や司令官に逆らった子達の悲鳴や泣き声が聞こえてきてました」

朝潮「朝潮自身、折檻を受けたことはなかったですけど・・・折檻部屋から出てきた子達は悲惨なものでしたね」

504: 2014/12/03(水) 01:51:23.33 ID:9umVlsTR0
朝潮「目の周りは真っ赤で、目に生気はありませんでした」

朝潮「それが怖くて、逆らうこともできませんでした」

三日月(エOチなことされたのかな・・・?」ドキドキ

朝潮「・・・もう一つ付け加えると、折檻するのは他の艦娘ですよ?」

三日月「えっ?あっ」

三日月「こ、声に出てた?」

朝潮「はい」クスッ

三日月「やだ・・・恥ずかしい・・・///」

朝潮「朝潮からすれば、あなた達の方が不思議です」

朝潮「ここまで自由にできるのに、あの司令官には従う」

朝潮「少しでも嫌なら断れそうなものですが」

朝潮「恐怖や、力で抑制されてるわけでもないのに」

朝潮「どうしてですか?」

505: 2014/12/03(水) 02:00:09.67 ID:9umVlsTR0
三日月「えーっと・・・司令官が好きだから・・・かな?」

三日月「なんとなくだけど」

朝潮「好き・・・?」

三日月「うん。もう少しわかりやすく言うと、信用できるから」

三日月「朝潮さんにとって、今、私がこうして朝潮さんと一緒に居ること自体不思議なんですよね?」

三日月「自分の側にいることはそこまで重要じゃないし、相手にする必要もないって」

朝潮「・・・はい。理解できません」

三日月「・・・少し前までの私だったら、朝潮さん同様、理解できなかったかもしれません」

三日月「司令官の事、よくわかってなかったですし、怖かったから」

三日月「でも、今はなんとなく理解できてます」

三日月「あの人は、見かけによらず優しすぎるんです」

三日月「心配性だし、誰かが支えていないと、すぐに崩れそうになるほど繊細で」

朝潮「えっ・・・余計理解できません」

三日月「あはは・・・まぁ、そうですよね」

506: 2014/12/03(水) 02:09:10.10 ID:9umVlsTR0
三日月「だけど、私達は信用してる。響ちゃんや、鈴谷さんも」

三日月「司令官の優しさは嘘じゃないから」

三日月「約束は絶対守る人だから」

三日月「それに・・・」カタッ

朝潮「それに・・・?」

三日月「人の相性を考えて組み合わせしてるんですよ」ギシッ

朝潮「相性?」

三日月「なんて言えばいいかな・・・そう!司令官は、私達をちゃんと見てくれてるんです」

三日月「私達一人一人の人間関係を把握してくれていて、その関係に応じた編成や、部屋割りを考えてくれています」

朝潮「ストーカー?」

三日月「うん。少し、マイナスに考えるのをやめるよう努力しましょう」

507: 2014/12/03(水) 02:18:36.97 ID:9umVlsTR0
三日月「ですから、司令官がどこに誰を配置しても、仕事を全うできるんです」

三日月「司令官の配置には、ちゃんとした意味があるって信用出来るから」

朝潮「意味・・・」

三日月「私を見込んで朝潮さんを任せてくれた司令官を信じて、私はここにいます」ギュッ

三日月「司令官も、私を信じてくれています」

三日月「それに・・・個人的にも、朝潮さんの事もっと知りたいですから」ニコッ

朝潮「三日月さん・・・」

三日月「呼び捨てでいいですよ朝潮さん」

朝潮「それなら、朝潮も、呼び捨てで呼んでください」

三日月「えへっ、これからよろしくね朝潮・・・ちゃん」

朝潮「はい、こちらこそ!三日月・・・ちゃん」

三日月「・・・やっぱり、呼び捨ては少し緊張するね・・・」

朝潮「うん・・・」

508: 2014/12/03(水) 02:23:23.46 ID:9umVlsTR0
三番ドック前

提督「・・・」

響「ふふ、予想以上の成果のようだね」

提督「響、か」

響「三日月の司令官のことをだいぶわかってきたようだし」

響「嬉しい限りだろう?」

提督「少し恥ずかしい気もするが・・・まぁ、そうだな」

響「心配性でこんなところまで様子見に来てストーカーかい?」ニヤニヤ

提督「ぐっ・・・」

響「冗談だよ。それより司令官」

提督「なんだ?」

響「ありがとう」

提督「・・・ああ」

響「あの事は、電も気にしてるから、誤魔化してくれたんだろう?」

提督「あれは私の作戦ミスだ。電に罪はないからな」

509: 2014/12/03(水) 02:32:59.08 ID:9umVlsTR0
響「でも、そろそろ隠し通すのも難しい」

響「電の出撃や遠征演習の回数を不思議に思っている人数が増えてきた」

提督「ふむ・・・だが、あれを知られて、電の進行具合が加速するやもしれん」

響「いや・・・一番怖いのは電が優しすぎるところだな」

提督「そうだな・・・まったく、誰に似たんだか」

響「ふむ。誰だろうな」ジーッ

提督「私をそんな目で見るな」

響「・・・いつかは、明かすんだろ?電が深海棲艦化している事は」

提督「ああ、私と、お前と本人しか知らない事だからな・・・」

提督「だからこそ、朝潮の深海棲艦化のことを断言出来たわけだが・・・」

響「止める方法ではあるが、治す方法ではなんだよね」

提督「・・・うむ、それより近代化改修の事、朝潮に話さなければな」

提督「早めに話して、ショックを軽減させてやろう」

516: 2014/12/04(木) 01:39:49.32 ID:PBMdovq40
提督「響頼んだぞ」ポンッ

響「小心者だな」

提督「すまん。私からだと言える自信はない」

響「なら仕方ない。伝えて置こう」

提督「そうしてくれ。私は職務に戻る」

響「了解」




響「さて、伝えるか」

517: 2014/12/04(木) 01:46:00.96 ID:PBMdovq40
響「やぁ朝潮。久しぶりだね」

朝潮「あーえっと・・・Верныйさん?でしたよね。お久しぶりです」

響「響でいいよ。みんなにはまだそう呼んでもらってる」

響「Верныйと言う名前も好きだけど」

三日月「どうしたの?」

響「司令官から言伝だ。朝潮、君を近代化改修に使うことができないらしい」

朝潮「えっ」

三日月「どういうこと?」

響「えっと・・・簡単に説明するとだな」





朝潮「なるほど・・・確かに、それではご迷惑をかけるかもしれませんね」

三日月「そんなリスクがある事すら気付かなかったね・・・」

響「近代化改修で去りたいなら、まずその深海棲艦の呪いを解かないといけない」

響「頑張ってみる?それとも、諦めて別の道へ行くか?」

朝潮「・・・少し、考えたいです」

響「うん。それがいい」

518: 2014/12/04(木) 01:50:43.18 ID:PBMdovq40
響「少しと言わず、とことん考えるんだね」

響「自分の気持ちが曲げられなくなるくらいに」

朝潮「・・・頑張ってみます」

響「頑張る必要はない。司令官は待ってくれる」

響「遊んで、時々考えて、疲れたらまた遊ぶ」

響「それくらいなら許してくれるさ。気張りすぎると、治るものも治らなくなるよ」

朝潮「・・・」

響「・・・三日月、少しいい?」

三日月「な、何?」

響「朝潮、少し三日月を借りていくけど、いいかい?」

朝潮「・・・」

響「・・・真面目だ。考え込んでる・・・。まぁ、すぐには無理か」

519: 2014/12/04(木) 02:20:32.48 ID:PBMdovq40
三番ドック前

響「少し話があるんだ」

三日月「アドバイス?」

響「まぁね。一つだけ、守って欲しいことがある」

響「これは朝潮にも言っておいて欲しい事なんだけど」

響「もし、寝れないときは、一緒に寝てやって欲しい」

響「朝潮は、辛いことがあっても隠すだろう。君と一緒さ」ツンツン

響「君たちは真面目なところも勝気なところも似ている」

響「それこそ、悩みを一人で抱え込むくせも」

三日月「うっ」

響「察して上げてとは言わないけど、相談できやすい環境を作ってあげて」

響「それだけでも、深海棲艦化は、止まるはず」

三日月「・・・どうして、響ちゃんはそんなに詳しいの?」

響「なんとなくだ」

525: 2014/12/05(金) 00:50:02.98 ID:oj2lapA20
響「まぁ、頼んだよ三日月」ポンッ

三日月「えっあ・・・はい」

響(とりあえず、司令官に報告したら部屋に戻ろう)




そしてその深夜

響の部屋

響「・・・」ペラッ

コンコン

響「ん?どうぞ」

ガチャ

電「お邪魔するのです」

響「どうしたんだ?もう日付が変わってるよ?」

電「響・・・お願いがあるのです・・・」

響「・・・また、寝付けないの?」

電「・・・」コクッ

526: 2014/12/05(金) 00:55:17.48 ID:oj2lapA20
響「そうか」パタッ

電「・・・」ギシッ

響「それじゃあ、一緒に寝てあげよう」ギッ

響「それにしても、毎回毎回私のところに来るけど」

響「暁や雷と同じ部屋なのだから、そっちに頼ってもいいんじゃないかな?」

電「・・・」フルフルッ

電「響じゃないと、ダメなのです・・・」

響「そうか。なら、仕方ないね」

電「膝枕、してもいいですか?」

響「いいよ。おいで」

電「それでは、お邪魔するのです・・・」トッ

527: 2014/12/05(金) 01:02:39.37 ID:oj2lapA20
響「相変わらず、電の髪はふわふわしてて気持ちがいいね」ナデナデ

電「響の髪もサラサラして気持ちいいのです」

響「ふふ、ありがとう」

電「えへへ・・・」

電「・・・」

響「・・・」

電「響・・・ずっと聞きたいことがあったのです」

響「ん?何だい?」

電「響にとって、電は必要な子なのでしょうか。それとも」

響「大切な妹だよ」

電「・・・あの日」

電「あの日にはもう、響は司令官が好きだったのですか?」

響「・・・さぁね。嫌いではなかったよ」

電「そう、なのですか・・・」

響「電はどうなんだ?」

電「・・・電は・・・」

528: 2014/12/05(金) 01:27:56.46 ID:oj2lapA20
電「・・・」

響「電?」

電「スー・・・」

響「ふむ。寝てしまったか」

響「また、増えてきたね・・・」

響(電は、呪われてからというもの。悪夢を見やすくなったと言っていた)

響(それで、不安だからと私と一緒に寝ることも少なくない)

響「・・・」ナデナデ

響「寝ている間に、悪夢を見せ、不安の種を育む呪い・・・なのかな」

響(轟沈したら、沈み行く中で、成長した不安の種が負の感情を増長させ)

響(目が覚めたときは・・・全てが変わっているのかな?)

電「響・・・大好きなのです・・・」ムニャ

響「・・・私もだ電」

電「・・・」スヤスヤ

532: 2014/12/09(火) 12:43:35.47 ID:eIxa5ope0
響「・・・」サワッ

電「ん・・・」

響(電の脇腹は相変わらず、ほんのり冷たい)

響(司令官に悪夢のことや、この色が変わった肌が冷たい事は電に口止めされていたんだっけな・・・)

響「いつまでも黙っているわけにはいかないだろ・・・」

響「司令官も大切だが・・・電、君も大切なんだ・・・」ボソッ

響「・・・一歩踏み出さないと・・・ね」

533: 2014/12/09(火) 12:50:00.94 ID:eIxa5ope0
翌朝

電「おはようなのです!司令官さん!」

提督「ん?ああ」

提督「今日は、やけに元気だな」

電「はいなのです!今日は絶好調なのです!」

響「おはよう。司令官。朝から悪いんだけど、少し、話があるんだ」

提督「ああ」

提督「今日は忙しいから、夜でもいいか?」

響「すぐに終わる。早めに耳に入れておきたいんだ」

響(もう遅すぎるくらいの情報だけど)

提督「・・・そうか。では、聞こうか?」

534: 2014/12/09(火) 12:59:17.93 ID:eIxa5ope0
数分後

電「ひ、響!どうして今更そんな・・・!?」

提督「・・・それは、いつからの話だ?」

響「結構前からだ。昨日も、一緒に寝た」

電「約束が違うのです!司令官さんには黙ってて欲しいと言ったはずなのです!!」

響「うん。そうだね」

提督「どうして、黙ってた?」

響「もちろん、話さないと約束したからだ」

響「だけど、悪夢を見る日数が少しずつ多くなっている。私だけでは手に負えない」

提督「そうか。では、電はどうして黙っていた?」

電「あぅ・・・その・・・」

響「・・・司令官」

提督「響、これは電から聞きたい。電自身の危機をどうして放置したかを」

響(ふむ、少し怒っているな)

535: 2014/12/09(火) 13:07:49.26 ID:eIxa5ope0
電「し、司令官さんの負担を減らしたかったのです・・・」

提督「・・・は?」

電「ただでさえ司令官さんは自分のお悩みや他の子達の相談で頭を使ってばかりなのです!」

電「だから、せめて電の事を気にかける負担を減らしたくて・・・」

電「本当にちょっとだけかもしれませんけど!それでも!」

電「司令官さん負担を減らしたかったのです!少しでも!」

電「少しでも・・・お役に立ちたかったのです・・・」ウルッ

提督「・・・はぁ・・・呆れてものも言えんな・・・」

響「・・・司令官、その言い方はあんまりじゃないか?電だって・・・」

提督「・・・電、私が、一度でも弱音を吐いたことがあるか?」

電「ぐすっ・・・あるのです」

響(バッサリだな)

提督「・・・言い方を変えよう。お前たちの事で、だ」

536: 2014/12/09(火) 13:15:41.64 ID:eIxa5ope0
提督「お前たちの悩みをどう解決するか。私は考え、常に頭を使っている」

提督「深刻な悩みから、くだらないものまで」

提督「だが、苦に思ったことは一度もない」

提督「お前たちの悩みを解決する事が、私の存在する役目だ」

電「・・・でも」

提督「確かに、無茶をすることだってある。徹夜して寝不足な時もある」

提督「だが、お前たちのためだと思うと、私は頑張れる」

提督「・・・臭い言葉を次々言うのは少々恥ずかしいな・・・」

響「・・・私達は、司令官の役に立てているのか?」

提督「何を言う。お前たちが無事で出撃や遠征から帰って来るだけで、少しでも元気になるんだ」

提督「それに、お前たちがいなければ、私はここにはいられないんだ」

提督「そうだろう?指揮する相手がいなければ、私は必要ないんだ」

537: 2014/12/09(火) 13:23:16.73 ID:eIxa5ope0
提督「もっとも、そんな世の中になればいいんだがな」

電「でも・・・電は出撃などはあまりさせてもらえないのです・・・」

提督「もし、出撃先で悪化したら困るだろ?私が」

提督「心配なんだ。それに、お前はお前の出来ることをやっている」

提督「お前が手入れしてくれるおかげで畑の野菜は美味い。鳳翔もいつも褒めている」

提督「それに・・・な」

提督「おそらく、この鎮守府で働いてくれているのはお前だ。それだけは、私が保証する」

電「そうなのですか・・・?電は、役立たずではないのですかっ!?」

提督「ああ・・・」

提督「だが、これだけは言っておく。悩みがあるならすぐに言ってくれ」

提督「お前たちの悩みを一緒に悩むのは私の仕事だ。だから抱え込むのはやめてくれ」ナデナデ

電「・・・はいなのです」ニコッ

響「・・・ふふ」

響(もっと早く、相談すれば良かったかな?)

538: 2014/12/09(火) 13:33:14.71 ID:eIxa5ope0
響「そういうことなら司令官。少し相談事なんだが」

提督「・・・なんだ?」

響「胸が大きくなるには、好きな人に揉まれるのが手っ取り早いと聞いたんだが」

提督「・・・」

響「・・・」

響「昨日、電のを触った感じ的に大きくなっていた」

電「い、いつ触ったのですか!?」

提督「・・・」

響「それでなんだが司令官」

提督「電同様、牛乳でも毎日飲むんだな」

響「・・・好きな人に」

提督「電、そろそろ仕事を始めるぞ」

電「はいなのです!」

響(ダメか)

539: 2014/12/09(火) 13:43:50.17 ID:eIxa5ope0
三番ドック

三日月「おはようございます朝潮ちゃん」

朝潮「おはようございます三日月ちゃん」

三日月「朝御飯持ってきたから一緒に食べませんか?」

朝潮「はい!喜んで」

望月「二人共堅すぎ!もっと砕けた感じで話せばいいのに」

三日月「も、望月ちゃん!?いつの間に?」

望月「いやー一応面識あるみたいだし挨拶だけでもーと思ってさー」

朝潮「望月さん。お久しぶりです」

望月「よっ」

望月「あはは、呼び捨てでいいよー。さん付けとかすげー居心地悪いからさぁ」

望月「というわけで、なんとなく二人と気の合いそうな子連れてきといたよ」

朝潮「えっ?」

540: 2014/12/09(火) 13:59:49.31 ID:eIxa5ope0
鈴谷「はいはいー入って入ってー」

初霜「ちょっと押さないでってば!な、何?どうしてドックなんかに・・・」

望月「うちのもう一人の真面目な黒髪ちゃんです」

初霜「あ、もしかして、あなたが朝潮さんですね!初めまして!」

朝潮「初めまして・・・えっと・・・」

初霜「私は初霜って言うの」

三日月「そう言えば、あんまり話したことなかったなぁ・・・」

初霜「あまり会わないものね。でも、ゆっくり話してみたかったんだ」

朝潮「・・・」


鈴谷「いやー似てるねぇ」

望月「似たもの同士だねぇ」

鈴谷「正統派な真面目と負けず嫌いな真面目と元気っ娘な真面目だね」

望月「あはは、黒髪ロングの駆逐艦は真面目揃いだなぁ」

長波「ん?こんなところで何してんだ?」

望月「前言撤回」

546: 2014/12/10(水) 21:59:53.06 ID:34goaT0k0
木曾「朝潮が居るのはここだったか?」

朝潮「はい?えっと・・・」

木曾「木曾だ。まぁ、呼び捨てで構わないぞ」

望月「あれ、今日はマントとかしてないんだね」

木曾「ああ、非番だからな。それにしても、本当に目の色が変わってるんだな」

木曾「どうだ?見られるのが嫌なら俺の眼帯をやろうか?」

朝潮「えっ・・・でも」

木曾「安心しろ。新品だ」

朝潮「いえ、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」

木曾「そうか。菊月は喜んでくれたんだがな」




長月「どうした?その眼帯」

菊月「これは外すことはできん。皆に伝染ると厄介な代物なのでな・・・」

菊月「こうして封印している」

長月「・・・ものもらいか」

菊月「・・・うん」

547: 2014/12/10(水) 22:05:03.32 ID:34goaT0k0
木曾「さて、朝潮」

朝潮「はい?」

木曾「歩けそうか?」

朝潮「・・・どうでしょう」

木曾「無理はしなくていい」

木曾「ここで一緒に過ごすことになるんだ。鎮守府内の案内をしようかと思ったんだが」

朝潮「そうなんですか?それじゃあ・・・」バサッ

三日月「無理しなくていいからね?もう少し体休めても・・・」

朝潮「きっと大丈夫ですよ。リハビリにもなりますから・・・」

朝潮「・・・よっと・・・」グッ

朝潮「あ・・・」フラッ

木曾「おっと・・・大丈夫か?」ギュッ

朝潮「あ、ありがとうございます」

鈴谷「さりげなく抱きとめる辺りがイケメンだね」

望月「そうだね」

初霜「ちょっと羨ましい・・・」

548: 2014/12/10(水) 22:09:24.32 ID:34goaT0k0
木曾「歩くのは少し無理そうだな・・・」

朝潮「すみません・・・」

木曾「おんぶするか」

朝潮「えっ!?」

木曾「・・・しょっと」

朝潮「えっ!わっ!ちょっと!いいですってば!重いでしょうし!」

木曾「全然重くねーよ。軽い軽い」

朝潮「ですが・・・このまま出るのは恥ずかしいと言うかその・・・」

木曾「そうか・・・じゃあ、ベッドに下ろすぞ」

朝潮「あ・・・でも・・・その・・・」

木曾「ん?どうした」

朝潮「と、トイレにだけ、連れてってもらえませんか・・・?」

木曾「・・・ああ、いいぞ。しっかりつかまってろよ」

549: 2014/12/10(水) 22:14:19.04 ID:34goaT0k0
鈴谷「ありゃ、行っちゃったね」

望月「まぁ、いいんじゃない?」

三日月「あはは・・・数日、体動かせなかったから余計だよね」

初霜「その間、トイレってどうしてたの?」

三日月「えっ?もちろん私が処理してたんだけど?」

鈴谷「さりげなくすごいこと言ってるね」ボソッ

初霜「ね」ボソッ

望月「三日月姉ってちゃっかりすごいことしてるよね」

三日月「え?なんで?」

鈴谷「あはは、朝潮ちゃん恥ずかしかっただろうね」

望月「緊急事態だったし仕方ないよ」

三日月「え?」キョトン

550: 2014/12/10(水) 22:20:29.00 ID:34goaT0k0
三日月を筆頭に

皆が接することにより

徐々に朝潮が心を開いていった

そして週末

提督「ふぅ・・・」ボーッ

提督「電、あとは頼んだ。私は出かけてくる」

電「だ、大丈夫なのですか?すごい熱なのです」ピタッ

提督「ああ、大丈夫だ」

響「無理は体に悪いよ。もうすでに手遅れみたいだけど」

提督「これくらいなら大丈夫だ」

提督「出撃の予定もある。電の指示に従ってくれ」

陸奥「はいはい」

提督「それではな」

551: 2014/12/10(水) 22:26:22.09 ID:34goaT0k0
川内型の部屋

金剛「今日は提督の帰りが遅い日デス」

加賀「最近色々なことがあって作戦が取れない状況でしたので、再び案を練りましょう」

雷「でもやれることはやったわよ?どうするの?」

金剛「サプラーイズを決行しマス」

利根「提督が帰って来る前に色々な準備が必要じゃな。しかし何をしようか」

川内「ふあーぁ・・・今日はやめといた方がいいんじゃないかな?」

加賀「どうして?」

川内「今日の提督、調子悪そうだったよ?」

利根「そんなことより、布団から出たらどうじゃ?」

川内「私の部屋でやるのが悪いの。私は眠いから寝るけど、あんまり騒がないでね」

川内「それと、今日やるのはおすすめできないから」

川内「それだけ言っとく。それじゃあおやすみ」

加賀「どういう意味かしら?」

雷「でも、今日体調悪そうだったのは本当よ?響と電も言ってたもの」

金剛「んーなかなかチャンスが来ないデスね・・・」

556: 2014/12/11(木) 18:43:47.51 ID:rMRuTP5g0
ガチャ

響「寝てる・・・川内、今日は出撃の予定あっただろう」

川内「あれ?そうだっけ」

響「電が呼んでいる。加賀もだ」

加賀「提督がいないのに?」

響「電が司令官の仕事を任されたからね」

響「それより、司令官に何かするつもりなのかい?」

金剛「oh・・・察しが良すぎるね・・・」

響「今日はダメだよ。司令官は熱が出ているようだったから」

雷「それで、辛そうだった?」

響「司令官は大丈夫だと言っていたが、痩せ我慢だろうな」

響「さて、そろそろ時間だ。もう他の四人は集まっている」

加賀「仕方ないわね・・・」

川内「・・・」

557: 2014/12/11(木) 18:49:48.09 ID:rMRuTP5g0
電「今日は司令官がいないので慎重にお願いするのです」

霧島「ええ、それじゃあ行くわよ」

大井「気が乗らないわね」

北上「まぁまぁ」

磯風「・・・」

加賀(提督の顔を見れないのは寂しいものね)

川内「夜戦するよね?」

霧島「慎重にって言ってるのにそれはないでしょ?」

川内「だよねー」

558: 2014/12/11(木) 18:56:54.05 ID:rMRuTP5g0
電「えっと・・・皆さんが出撃に行ってる間に、鳳翔さんと買い物に行ってくるのです」

響「私も付き合おうか?」

電「お願いできるのですか?」

響「いいよ。今日は特に用事ないから」

電「えへへ、ありがとうなのです。今日は色々買うものがあるので二人じゃ心細かったのです」

響「ああ、なら早めに行くのかい?」

電「鳳翔さんが少しやることがあると言っていたのでそのあとに」

電「それまで畑のお手入れでもしてくるのです」

響「そうか。それじゃあ私は少し鎮守府の見回りでもしてくる」

響「行くときになったら呼んでくれ」

電「はいなのです!」

559: 2014/12/11(木) 19:04:42.04 ID:rMRuTP5g0
講習の会場

提友「よう。遅かったな」

提督「出るときに少し響に絡まれてな」

新人「提督さん!こんにちは!」

提督「ああ」

提友「ところで今日の講習はなんだ?」

提督「さぁな」

新人「いつもはどのような講習をしているんですか?」

提友「くだらないことばっかりだよ」

提督「いつもお前寝てるだろ」

提友「まぁな」

新人「最低ですね」

提友「ひどい」

提督「そろそろ時間だ」

560: 2014/12/11(木) 19:14:54.70 ID:rMRuTP5g0
講習中

新人(客船が一隻、深海棲艦達に沈められてる映像を見てるだけ)

新人(時折映像を止めて、説明している人が居るけど)

新人(正直、この講習になんの意味があるかわからない)

新人「・・・」チラッ

提督「・・・」

新人(こんな講習も真面目に聞いている提督さん素敵だなぁ・・・)ポッ

提友「グー・・・」

新人「はぁ・・・なんで提督さんの隣じゃないんだろ・・・」

新人「この男は案の定寝てるし・・・」

561: 2014/12/11(木) 19:21:56.97 ID:rMRuTP5g0
一時間後

講習の終わり

提督「・・・」

新人「お疲れ様です提督さん!」

新人(ちょっと大胆に上着のボタンを外して谷間アピール!ちょっと恥ずかしいけど)

提督「・・・ボタンはきちんと閉めろ」グイッ

新人「あっ」

提督「ただでさえ、男ばかりなのだからな」

提督「・・・私は、早めに帰らねばならん。それではな」

新人「・・・あ、ありがとうございます・・・」

提友「んー!よく寝た」

新人「・・・」ポーッ

提友「どうした?」

新人「提督さんに胸のボタン閉めてもらっちゃいました!」パァ

提友「何やってんだ」

562: 2014/12/11(木) 19:29:25.09 ID:rMRuTP5g0
新人「あんなことナチュラルにできるなんて・・・」

提友「・・・俺がやったらセクハラなんだろ?」

新人「ビンタものですね」

提友「そうかい・・・ところで、あいつ様子おかしくなかったか?」

新人「そうですか?いつもどおりかっこよかったですけど」

提友「んー?どこか様子がおかしかったような・・・そう言えば、今日の講習なんだった?」

新人「覚えてないんですか?覚えてないですよね」

提友「おうよ!」

新人「そんな自信満々に言う事じゃないです」

新人「えーっとですね・・・一隻の客船が深海棲艦達の攻撃で沈んだ映像を見せられただけですね」

提友「客船・・・深海棲艦の攻撃・・・?」

提友「・・・もしかして」

新人「どうしたんですか?バカみたいな顔して」

提友「お前、俺のこと嫌いだろ」

新人「好きではないです」

563: 2014/12/11(木) 19:40:28.25 ID:rMRuTP5g0
提友「・・・まぁ考えても無駄だな」

新人「はぁ・・・。うわぁ・・・雨降り始めましたよ」

提友「あいつ、傘持ってたか?」

新人「持ってませんでしたね・・・大丈夫ですかね」

提友「俺も傘忘れたんだよなぁ」

新人「私も持ってきてませんよ」

提友「あれ、出入り口のところに居るのって・・・」

新人「愛宕と翔鶴さん?」

提友「傘、持ってきてくれたみたいだな」

新人「帰りますか」

提友「ああ、そうしよう」

564: 2014/12/11(木) 19:51:15.93 ID:rMRuTP5g0
翔鶴「もう、朝から雨の予報が出てたのに傘も持たずに行ってしまうんですから」

提友「ああ、悪い悪い」

翔鶴「どうぞ」

提友「いや、一本でいいよ。相合傘なんて魅力的だろ?」

翔鶴「もう・・・肩が濡れてしまいますよ」

提友「構わんさ」

提友「ああ・・・そうだ。帰り道、ちょっとタバコ買ってもいいか?」

提友「公園も寄って行こう」

翔鶴「・・・どうしたんですか?」

提友「いや、特に理由はない」

565: 2014/12/11(木) 19:57:52.44 ID:rMRuTP5g0
公園

提友「あそこのベンチに座ろう」

翔鶴「でも、お尻が濡れちゃいますよ?」

提友「よっと」ヌギッ

バシャッ

翔鶴「あの・・・上着が・・・」

提友「いいんだよ。女のケツを濡らすのはウォシュレットと男のアレだけで十分だ」

翔鶴「・・・」

提友「っと・・・」

シュボッ

翔鶴「・・・普段、タバコなんか吸わないのに、何があったんですか?」

提友「なんだ。よくわかってるじゃないか」

翔鶴「あなたの秘書官になってから、ずっとあなたの側にいたんです。それくらいわかりますよ」

566: 2014/12/11(木) 20:24:31.08 ID:rMRuTP5g0
提友「ふぅー・・・ちょっとな」

提友「・・・友人の力になれないのが悲しくてな」

翔鶴「そうですか」

提友「あいつは俺の事をたくさん助けてくれた。それの恩返しも出来ないんだ」

提友「俺は見ての通り女好きだ。だから、たくさんの女に騙されてきた」

提友「そのたびに慰めてくれた。突き放した言い方だったがな」クシャッ

提友「女を信用出来なくはなったけどな」

翔鶴「・・・」

提友「・・・さて、そろそろ行くか」

提友「悪いな。時間をとらせたな」

翔鶴「いえ、提督のためなら」

提友「そうか・・・」

翔鶴「その、握りつぶしたタバコは・・・」

提友「タバコを吸うのは、辛い時だけだからな・・・いらない」ポイッ

翔鶴「それがいいです。健康に悪いですから」

提友「それに、吸うなら女の匂いの方がいい」

翔鶴「もう!」

567: 2014/12/11(木) 20:32:36.84 ID:rMRuTP5g0
執務室

提督「・・・これは、どういうことだ?」

大井「・・・」

磯風「・・・」

北上「あの、提督、これはね」

川内(タイミングが悪かったね・・・まさか提督が戻ってくるとはね)

加賀(大井、磯風が大破・・・そして、そのまま進撃した)

霧島(これは大目玉よね)

川内「大井と磯風が、旗艦である霧島の話を聞かずに特攻、それを追いかけて進撃する形になった」

提督「それは、本当だな?」

大井「・・・はい」

磯風「ああ」

568: 2014/12/11(木) 20:56:51.30 ID:rMRuTP5g0
提督「何故そんな無茶をした。間違ったら沈んでいたのかもしれないんだぞ」

大井「そんなこと・・・わかってるわよ・・・」

磯風「・・・」

提督「応急処理要員を居るにしてもこんな無茶するなら、それなりの理由があるんだろうな?」

大井「提督が・・・提督が悪いんですよ!」

大井「提督が・・・提督業を辞めさせられるかもしれないのにジッとなんかしてられなかったの!!」

提督「ふざけるな!!」

バン!!

一同「っ!」ビクッ

提督「私の為に命を粗末にしようとするな!!」

大井「て、提督の為じゃない!私の為よ!!」

大井「私はあなたの下以外で働きたくないのよ!!」

569: 2014/12/11(木) 21:02:44.53 ID:rMRuTP5g0
磯風「磯風も同じだ。磯風達だけじゃない。ほとんどの艦娘がそう思っているはずだ」

提督「・・・そんな理由で、命を捨てるような事をしていいと思っているのか?」

大井「私は・・・っ!」

提督「・・・」

大井「もう・・・いいです・・・」タッ

北上「あっ!大井っち!」

磯風「はぁ・・・わからず屋にも程がある。どれだけの艦娘に慕われているか。自覚したほうがいいな」

磯風「では」

北上「ちょっと!?」

川内「それじゃ、私は部屋で寝るね」

提督「・・・もう下がれ。部屋で待機しろ」

570: 2014/12/11(木) 21:07:07.77 ID:rMRuTP5g0
北上「ちょっと提督?いくらなんでも・・・」

提督「いいから、下がれ」

北上「話を聞いてくれてもいいんじゃないの?」

提督「下がれと言っている・・・」

霧島「司令」

加賀「提督」

提督「下がれっ!!」

三人「っ!」ビクッ

北上「・・・少し、見損なったよ。提督」タッ

霧島「・・・はい」

加賀「・・・提督」

571: 2014/12/11(木) 21:14:02.30 ID:rMRuTP5g0
提督「ああ・・・加賀、あの二人に入渠するよう言っておいてくれ」

加賀「・・・あの」

提督「何も言うな。早く下がってくれ」

加賀「・・・はい」

提督「・・・」フラッ



金剛「oh・・・今日の提督、機嫌が悪すぎマスね・・・」

雷「様子がおかしくない・・・?」

利根「明らかにおかしいな」

摩耶「い、今すごい怒鳴り声が聞こえたんだけど・・・」

ドサっ

雷「司令官!!」

金剛「提督が倒れまシタ!!誰かドクター!!」

利根「摩耶!医者に連絡するんじゃ!!吾輩達は提督を部屋に運び込むぞ!!」

摩耶「お、おう!」

金剛「イヤー!」

575: 2014/12/13(土) 21:14:34.07 ID:+aVTDfcf0
サイカイシマス

576: 2014/12/13(土) 21:22:28.15 ID:+aVTDfcf0
『ごめん。私にはやっぱり我慢できない』

『二人の子供が助けられるなら・・・私は自分を』

『あなたを、愛していた』





提督(体が重い・・・うっ・・・)

提督「ん・・・」

卯月「落書きするピョン!」

文月「えへへー変な顔にしちゃえー」

???「おうガキ共、いたずらしてんじゃねーよ」

卯月「うわっやばい!逃げるピョン」

文月「ひー!」

???「ったく・・・」

577: 2014/12/13(土) 21:29:18.63 ID:+aVTDfcf0
???「はぁ・・・なんであたしがこんな事しなきゃならねーんだよ・・・」

提督「・・・摩耶か?」

摩耶「うおっ!びっくりした・・・目ぇ覚ましたのか」

提督「ぐっ・・・」

摩耶「おいおい、無茶すんな」

提督「私は・・・何をしていた」

摩耶「出撃から帰ってきた連中を戻したあとぶっ倒れた」

提督「そうか・・・それで、この頭の包帯は?」

摩耶「来た医者がつけてった」

摩耶「頭を怪我してるようだったんで手当をしてやって置いたぞってニヤニヤしながら」

提督「ああ、誰だかわかった・・・昔から私の事を見てくれている医者だ」

578: 2014/12/13(土) 21:35:13.39 ID:+aVTDfcf0
提督「それにしても、お前が私の看病とはな・・・」

摩耶「あたしだって嫌だっつーの・・・ただ」

摩耶「あんたが丸一日寝てる間に大変だったんだからな」

提督「一日も寝ていたか」

摩耶「あんたに変なことしないあたしが適任だとさ」

提督「・・・何かあったのか?」

摩耶「数人ほど、目を覚まさないからとあんたにキスしようとした輩が出てきたから」

摩耶「お姫様のキスで呪いが解かれるかも知れない!つって」

提督「・・・」

摩耶「腹減ってんだろ。リンゴくらいなら切ってやれるぞ」

提督「・・・大丈夫か?」

摩耶「馬鹿にしてんのか」

579: 2014/12/13(土) 21:42:53.62 ID:+aVTDfcf0
摩耶「・・・」シャリシャリ

摩耶「まぁ・・・話は聞いたぞ。大井と磯風に怒鳴りつけたんだってな」

提督「ああ・・・」

摩耶「あの二人も悪気があったわけじゃねーと思うぞ」

提督「わかっている。今からでも、謝りに行きたいんだが」

提督「それは、無理なんだろ」

摩耶「ご明察。他の連中から安静にさせとけと言われてる」

提督「・・・」

摩耶「あんたに悪気がないってのも、理解してる」

摩耶「大井と磯風の言い分はあたしも同意だ」

摩耶「あたしはあんたの下以外で働きたくわねぇ。怖いとか言う感情もあるけどな」

摩耶「それ以上に優しいってのは知ってるし」

摩耶「怖いから、あんたを理解出来ない奴があたし含めて大半が思ってることだよ」

摩耶「でも、役に立ちたいとは思ってる。皆そう言ってる」

摩耶「それだけは言っておくぞ」

摩耶「まぁ、あたしは思ってないけどな!」

580: 2014/12/13(土) 21:48:42.72 ID:+aVTDfcf0
摩耶「ほらよ。剥けたぜ」

提督「・・・お前、包丁の使い方出来るんだな」

摩耶「あたしだって努力してんだ」

摩耶「といっても、いざという時にリンゴぐらい剥けないと嫁の貰い手ないぞって言われて頑張ってるだけなんだけどな」

提督「高雄にか?」

摩耶「おう」

提督「・・・結婚したいのか?」

摩耶「まだ先の話だろ?相手もいねーし。綺麗なウェディングドレスは着てみたい・・・かなぁ?ぐらいにしか思ってないけど」

提督「お前も、女の子だったんだな」

摩耶「うっせーよ!悪いかよ!」

提督「怒るな。ただ、可愛いなと思っただけだ」ニコッ

摩耶「なっ・・・!」キュンッ

摩耶「熱があっておかしくなってんじゃねーかっ!?///」

提督「いつも通りだ」

摩耶(柄にも無くときめいちまったじゃねーか!!)

581: 2014/12/13(土) 21:54:17.36 ID:+aVTDfcf0
摩耶「そ、そんなことより!どうして、普段、表情なんか隠してんだ?」

摩耶「今の笑顔・・・すゲー魅力的だったのに・・・」ボソッ

提督「・・・熱が上がって少し辛くなってきた。少し寝たい」

摩耶「・・・ああ、そうしろ。一応、目が覚めたと他の連中に言っておくからな」

提督「そうしてくれ」

摩耶(なんか辛いことでもあったのか?これ以上追求するのも野暮ってもんかな・・・)



廊下

摩耶「・・・」ボーッ

摩耶(くそが!!提督の笑顔が頭から離れねぇ!!!)ガンガン

三日月「ちょっ!いきなり壁に頭を打ち付けてどうしたんですか!?」

朝潮「ストップですストップ!」

摩耶「大丈夫だ!今ちょっと混乱してるだけだ!!」

三日月「一緒に抑えて朝潮!」

朝潮「うん!」

582: 2014/12/13(土) 21:58:34.87 ID:+aVTDfcf0
提督「嫌な・・・夢を見た」

提督「忘れよう・・・」

提督(色々な見舞い品が来てるな・・・)

青葉「青葉!参上!」

提督「ノックぐらいしろ」

青葉「提友さんからお見舞いです」

提督「なんだ?」

青葉「メロンが二つなんですけど・・・その二つがブラジャーに入ってました」

青葉「これってどういう・・・」

提督「・・・気にするな。あいつはそういうやつだ」

青葉「はぁ・・・」

青葉(と、装いつつ定期隠しカメラ回収!今回は期待します!スクープになりますよ!)

583: 2014/12/13(土) 22:03:18.81 ID:+aVTDfcf0
提督「・・・」

青葉「そう言えば、K司令官だったかな?が来てましたね」

提督「何をしに?」

青葉「また後日来ると言っていました」

提督「・・・」

提督(今度は何を企んでいる・・・?)

青葉「・・・」

青葉(何か考え込んでいるうちに回収回収・・・)

青葉「それでは私はこれで」

提督「ああ」

588: 2014/12/16(火) 11:29:54.73 ID:ZUcrF0f80
響「司令官、よかった。目を覚ましたんだね」

提督「響か」

響「そう言えばさっき、摩耶を三日月と朝潮が押さえつけてたけど、何かあった?」

提督「・・・いや?」

響「そう」

提督「それより、青葉から聞いたんだが、Kの奴がきたらしいな」

響「ああ、来てたよ。昨日のことだから、もしかしたら今日また来るかもね」

響「そのときはどうする?」

提督「・・・通して構わんが、極力、朝潮には会わせるな。声も聞かせてはいけない」

提督「難しいかもしれないが、頼むぞ」

提督「それと・・・出来る限り、初霜と三日月、どちらかを朝潮の側に居させてやれ」

響「了解」

589: 2014/12/16(火) 11:35:38.51 ID:ZUcrF0f80
提督「もう一つ聞いて欲しいことがある。大井と、磯風を呼んではくれないか?」

提督「私から出向く方がいいんだが」

響「安静」

提督「お前たちが動かさしてはくれなさそうだからな・・・」

響「わかった・・・でも、謝ったってそう簡単には行かないと思うよ」

響「謝った所で、納得出来る理由がないと、誰も聞き入れはしないだろう」

提督「・・・納得させる理由はない・・・」

提督「申し訳ないが、これは私のエゴだ」

響「・・・私も知らないことかい?」

提督「ああ・・・私の妻の事だ」

響「そう・・・いつか、聞かせてもらえたらいいな」

提督「・・・どうしても今知りたいと思うのなら、電に聞けばいい」

提督「あの子なら、知っている」

590: 2014/12/16(火) 11:40:56.60 ID:ZUcrF0f80
響「司令官、私はあなたが考えている事がよくわからない」

提督「すまない」

響「でも、最初の頃に、たった一度だけ見せてくれた笑顔に、嘘はないと思ってる」

響「だから、信じてる」

響「・・・それじゃ、二人を呼んでくるよ」

提督「・・・お前の前で笑顔を見せたことなんてあったか?」

響「私の前では・・・ないかな」

提督「そうか」

響「うん、それじゃ」

提督「ああ」

591: 2014/12/16(火) 11:54:19.07 ID:ZUcrF0f80
提督「昨日・・・だったか。怒鳴ってすまなかった」

大井「・・・」

磯風「・・・」

提督「どうして怒鳴ってしまったか・・・言い訳はしない」

提督「お前たちが命令違反したところで、私は無事に帰ってきてくれさえすればそれでいい」

提督「そう思っている」

磯風「納得いかない。それならば、敵を沈める事を抑制される意味がわからない」

提督「・・・それは、すまないが、私のエゴによるものだ」

磯風「エゴだとっ!?ふざけるのもいい加減にしろ!!」

磯風「磯風達は兵器だ!戦う事でしか役に立てない兵器なんだぞ!」

磯風「戦いで功績を上げられないのなら、生きている価値がない!」

磯風「敵艦を沈めて、仲間を守って、それで勝ってこそ、生きてる価値があるんだ!」

磯風「そんなことも忘れたのか・・・司令」

大井「・・・敵艦を沈めてはいけない・・・そう、提督は言っていましたね」

大井「どうしてですか?」

592: 2014/12/16(火) 12:02:11.98 ID:ZUcrF0f80
提督「・・・納得出来る理由ではないぞ」

大井「それでも、聞かせてください」

提督「そうか。では話そう」

提督「その前に、磯風」

磯風「なんだ」

提督「お前たちは兵器ではない。私の娘だ」

磯風「司令の娘になった覚えはないぞ」

提督「私が勝手にそう思っているだけだ。娘達には、幸せになって欲しい」

提督「だから、兵器なんて言葉はもう使うな」

磯風「なぜだ」

提督「心を持った兵器は、存在しない」

提督「感情を持った兵器は、存在しない」

提督「一緒に居るだけで心が温まる兵器は、存在しない」

磯風「・・・ふん」

593: 2014/12/16(火) 12:11:00.65 ID:ZUcrF0f80
提督「それでは、理由を話す」

提督「といっても、そう難しいことではない」

提督「・・・私の妻は事故で氏んだ」

提督「ニュースや雑誌の情報によると、深海棲艦によって、船底に大きな穴を作られた船が沈んだ」

提督「その時、妻も一緒に船と・・・」

提督「だから、敵艦であろうと、沈むと言う事自体、認めたくないんだ」

提督「深海棲艦だって生きているはずだ」

大井「おかしくないですか?何故それでしたら、余計、敵を全滅を考えると思います」

大井「私だったらかもしれませんけど」

提督「・・・その時、私と妻は新婚旅行へと言っていた。娘は姉さんに預けて」

提督「姉さんに新婚旅行ぐらい行けと言われ半ば強引だったが」

磯風「・・・司令も、その船に乗っていたということか?」

提督「ああ・・・私が助かった理由は簡単だ。救命ボートと救助が来てたからだ」

提督「だが、何せ客船だ。乗客も多い」

提督「妻は、間に合わず助からなかったんだ」

594: 2014/12/16(火) 12:20:43.42 ID:ZUcrF0f80
提督「私とともにボートに一度は乗ったものの。二人の子供と引き換えに妻は一人、沈みゆく船にまた乗った」

提督「・・・昨日、講習会で見せられた映像は、その時のものだった」

提督「乗客の誰かが撮影したものらしい」

提督「それをあたかも深海棲艦が沈めた様にニュースや新聞の記事は書かれ、講習会では教えられた」

磯風「あたかも・・・だと?」

大井「どういうことですか?」

提督「その沈没の原因は、深海棲艦達ではない」

提督「深海棲艦達は遠目にこちらを見ているだけだった」

提督「デッキに出て深海棲艦の動きをこの目で見ていた。間違いない」

大井「・・・」

磯風「・・・」

提督「沈む事で消える命は、これ以上は増やしたくないんだ」

提督「それが、理由の一つだ」

大井「一つじゃないんですか?」

提督「ああ・・・もう一つは・・・」

595: 2014/12/16(火) 12:21:12.58 ID:ZUcrF0f80

引用: 艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】