706: 2015/01/03(土) 01:30:44.36 ID:JWQEWi9G0
サイカイシマス

前回:艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【7】


707: 2015/01/03(土) 01:34:06.82 ID:JWQEWi9G0
提督「すまない」

摩耶「いや、別にいいけどよ。ちょっと冷めちまったぜ?」

提督「大丈夫だ。鳳翔の料理は冷めても美味い」

摩耶「そうかもしれないけどよー」

提督「電達はどうした?」

摩耶「響は部屋に戻って寝てる。電は少し用事があるとかでどこかへ行った」

提督「そうか。御飯ありがとう。休んでてもいいぞ」

摩耶「本当に体の方は大丈夫なんだろうな?」

提督「また倒れるなんて事はしない。安心してくれ」

摩耶「ならいいけど。無理したら気絶させてでも寝てもらうって・・・」

摩耶「三日月が言ってたぞ」

提督「物騒だな」
Model Graphix ARCHIVES 艦隊これくしょん 「艦これ」2
708: 2015/01/03(土) 01:47:00.77 ID:JWQEWi9G0
提督「さて・・・腹ごなしもしたし、そろそろ戻ってくる時間だな」

バタン!

19「イク、帰還したのね!」

8「はち、ただいま戻りました」

提督「二人共ご苦労様。私個人の依頼を押し付けてすまないな」

8「お体の方は大丈夫ですか?電さんから聞きましたよ」

提督「ああ、大丈夫だ。それより、情報は?」

19「結構大変だったのね。水中カメラなんて使ったことないから」

提督「すまないな。少しキツかっただろう」

19「正直言うと、体に負担がかかったの。もう少し深かったらやばかったのね」

8「これがその写真です。どうぞ」

提督「・・・うむ、ありがとう。これで、あの子達のせいじゃないと確信が持てた」

提督「ご苦労様。後で報酬を払う。それまで、体をゆっくり休めること。いいな?」

19「はいなのね!」

8「イク、先に行っていてもらえますか?」

19「?了解なのね」

709: 2015/01/03(土) 01:54:29.51 ID:JWQEWi9G0
8「長らく鎮守府を開けてしまいましたね」

提督「そうだな。発見まで時間がかかっただろう」

8「はい。ですが、提督の記憶通り、大体の場所を探したら沈んでいましたよ」

提督「思い出したくもない記憶だな。私が乗っていた船は、ほとんどが回収されずに沈んでいる」

提督「深海棲艦が近くに居るから危険という理由でな」

8「至るところは崩れていはいましたが、ほぼ形は残っていました」

提督「・・・それで」

8「その・・・遺体の方は見つかりませんでした」

提督「・・・だろうな・・・もう何年も前の話だ。肉は魚達についばまれ」

提督「骨は埋まっただろう」

8「力になれず、申し訳ありません・・・」

提督「いや、いい。私の妻や、残った乗客の遺体は最初から期待していない」

710: 2015/01/03(土) 01:59:37.68 ID:JWQEWi9G0
8「・・・そう言えば、別に動いているイムヤやゴーヤ達は?」

提督「奴の鎮守府付近で潜伏している」

8「奴・・・というと、あの計画がついに出来るんですね」

提督「ああ、絶好の機会だ」

提督「お前にも何度か偵察させているからな。あの鎮守府の現状を把握しているだろう」

8「はい・・・正直、見ていられませんでした」

提督「あの鎮守府の艦娘達は、私達が助け出す」

提督「例え、私がダメになろうとも」

8「・・・」

8(提督と、あの鎮守府の子達・・・どちらを取ると言われれば提督を取りたい)

8(やる気を出している提督を裏切りたくないですね)

提督「・・・」ポンッ

提督「全てが終わったら、好きな本をいくらでも買ってやる。それが、お前が出した報酬だったな」ナデナデ

8「楽しみにしてますね」ニコッ

711: 2015/01/03(土) 02:05:19.61 ID:JWQEWi9G0
ガチャ

青葉「あら?久しぶりですねはっちゃん!」

8「お久しぶりです青葉ちゃん」

提督「どうした青葉」

青葉「司令官から頼まれた物、持ってきました」

提督「もうか?」

青葉「前々から少しだけ整理していたので、おそらく重要だろうと思うものをピックアップしてきました」

青葉「あとは司令官自身が確認してまとめて欲しいです」

提督「そうか。仕事が早いな。もう一つの方は?」

青葉「これから取り掛かります。任せてください!」

提督「ふむ・・・これなら、イムヤとゴーヤの報告次第で証拠が揃うな」

8「手際がいいですね」

提督「人の長所をどう使うかが、私の役目だからな」

提督「だがまぁ、長所は短所にもなる。青葉みたいに、取材の事での手際は評価するが」

提督「周りが見えなくなったりするからな」

青葉「あはは・・・面目ない・・・」

712: 2015/01/03(土) 02:10:14.78 ID:JWQEWi9G0
提督「青葉は引き続き任務。はちは体を休めておけ」

8「はい」

ガチャ

青葉「了解です!青葉に任せてください!」ダッ

バタン

提督「・・・どうせ提督業を下ろされるなら」

提督「K、お前も一緒に下ろさせてやる」





響「・・・」

電「響!どうしたのですか?司令官さんの部屋の前で・・・」

響「いや、何でもない」

電「顔色が悪いのです!」

響「大丈夫だよ・・・」

電「でも・・・!」

響「大丈夫だって言ってるだろ・・・!?」

電「っ!?ご、ごめんなのです」

響「いや・・・こっちこそすまない。休んでくるよ」

713: 2015/01/03(土) 02:14:48.95 ID:JWQEWi9G0
電「・・・明らかに様子がおかしいのです」

コンコン

電「司令官さん、居ますか?」

ガチャ

提督「どうした?」

電「これを・・・栄養ドリンクなのです」

提督「ああ、すまない。心配かけているな」

電「いえ!それより、響の様子がおかしいのですが・・・」

提督「わかっている。青葉に探るように依頼した」

電「・・・司令官さんは、響の事を信頼できないのですか?」

提督「今の響は信頼できないな・・・今のあいつは、私を信頼していない」

提督「私を信頼していない奴を信頼するほど、私は愚かではない」

714: 2015/01/03(土) 02:17:51.13 ID:JWQEWi9G0
鎮守府出入り口

響「・・・」フラッ

鳳翔「響ちゃん?大丈夫ですか?」

響「ああ、大丈夫。少し寝不足なだけだよ」

鳳翔「それじゃあいけないわ。はい」

鳳翔「今、朝御飯に間に合わなかった子の為におにぎりを配っているんです。どうぞ食べてください」ニコッ

響「・・・ああ、ありがとう」

鳳翔「どこかにお出かけですか?」

響「ちょっとね」

鳳翔「お気をつけて」ニコッ

響「うん・・・」

719: 2015/01/04(日) 01:06:51.16 ID:2zmwm0L40
サイカイシマス

720: 2015/01/04(日) 01:11:52.72 ID:2zmwm0L40
午後

鈴谷「で?提督どうすんの?」

提督「ん?なにがだ?」

鈴谷「電ちゃんから聞いたよやばいんだって?」

提督「なんのことだ?」

提督(電のやつ・・・ゲロったな)

鈴谷「言っておくけど、電ちゃんに無理やり吐かせたのは鈴谷だから」

鈴谷「息が出来なくなるまでくすぐってあげた」

提督「えげつないことするな」

鈴谷「それで、提督の事だから辞めさせられるなら道連れにーって思ってるんじゃないかなぁと」

提督「・・・」

鈴谷「図星だね」

722: 2015/01/04(日) 01:16:57.53 ID:2zmwm0L40
提督「ならどうした?止めるか?」

鈴谷「止めても無駄なんでしょ?だったら、出来る限り協力する」

鈴谷「提督にならいつでも会いに行くしね。どこに居ても」

提督「・・・ふむ。しかし・・・なぁ」

鈴谷「やっぱりやることない?」

提督「以前に、こんな時の為にと証拠は集めたからな」

提督「あいつの鎮守府の環境は、艦娘のお前たちにとってひどいものだ」

鈴谷「そうかもね」

提督「青葉に頼んで色々してもらった」

提督「その資料はここにまとまってる。それに、今はイムヤとゴーヤが偵察をしている」

提督「戻ってきてその報告も一緒にしたら、今週末には決戦だ」

鈴谷「見せて」

提督「断る」

723: 2015/01/04(日) 01:20:40.36 ID:2zmwm0L40
鈴谷「ケチ」ギシッ

提督「知らなくてもいい事だからな」

鈴谷「ところで、もう体大丈夫なんでしょ?」

提督「まぁな・・・ベッドにいつまでも居るわけにもいかんが監視の目が厳しくてな」

提督「三日月に見つかると大目玉を食らう」

鈴谷「本当に三日月ちゃんの言うことは聞くんだね」

提督「・・・すまん」

鈴谷「いいよ。知ってるから」

コンコン

提督「ん?いいぞ」

鳳翔「失礼します。少し遅くなりましたがお昼はいかがですか?」

提督「ああ、もらうよ」

724: 2015/01/04(日) 01:27:30.98 ID:2zmwm0L40
鳳翔「そういえば・・・響ちゃんが出かけていたんですが、どこへ向かったかわかりますか?」

提督「ん?外出することなど聞いていないぞ。許可もしていない」

鳳翔「えっ」

鈴谷「えー・・・まずいんじゃない?最近響ちゃんの様子おかしかったっしょ?」

提督「気づいてたか・・・」

鈴谷「そりゃあね。気丈に振舞ってるけど、どこか寂しそうな顔をしてたし」

提督「お前、意外と人の表情を見ているな」

提督「響の異変に気付いてるのは私と電くらいかと思ったが」

鈴谷「まぁね。わかりにくい人の顔見てればそれくらいわかるって」

提督「・・・誰の事だ?」

鈴谷「さて、誰だろうね」

725: 2015/01/04(日) 01:30:26.87 ID:2zmwm0L40
K鎮守府

K「ふむ・・・なるほど、証人もやはり大事だな」

???「そうかもね」

K「憲兵の奴に証人も許可されている」

K「そこでだ、君に頼みがある」ギッ

???「何?」

K「これを、朝潮に渡して欲しい」スッ

???「これは?」

K「俺が吹き込んだ説得の言葉だ。それを朝潮に渡して聞かせて欲しいんだ」

???「・・・」

726: 2015/01/04(日) 01:36:47.47 ID:2zmwm0L40
???「だが、本当に来てくれるのか?」

K「あの様子なら大丈夫。俺の教育はまだ抜けきっていない」

K「俺の声で少しでも揺さぶれば、また元に戻る。幸せになる資格なんて艦娘には無い」

K「戦うことだけを考えればいいんだ」

???「そう」

K「でも、俺は君の事は信頼しているよ」

K「期待しているよ。その名前が嘘にならない様に頼んだよ。Верный」

響「・・・Да」

K「はは、いい子だ」ナデナデ

K(ククク・・・朝潮、壊れるまで俺の計画に協力してもらうぞ)

響「・・・」

727: 2015/01/04(日) 01:42:26.06 ID:2zmwm0L40
そして夜

168「以上が偵察の結果になります!」

58「なります!」

提督「ご苦労様。褒美は全て終わってからだ。部屋に戻ってもいいぞ」

168「わかりました」

58「はいでち!」

提督「ふむ・・・やはり、現状は変わっていないようだな」

提督「これならこの資料でも・・・」

『どこに行ってたのですか!?』

『無断外出はダメっていつも言ってるのです!!』

提督「・・・電の怒鳴り声・・・様子を見に行くか」

728: 2015/01/04(日) 01:46:05.89 ID:2zmwm0L40
響「君には関係ないだろう?」

電「関係あるのです!」

電「勝手に居なくなられたら不安になるのです!心配するのです!」

提督「どうした?」

響「司令官・・・」

電「司令官さんも怒って欲しいのです!」

提督「まったく話が見えないんだが」

電「響が何も言わずに外出していたんです!」

響「無事に帰ってきたんだ。それでいいだろ」

電「良くないのです!!」

提督「最近、勝手な行動が目立つな。どうした?」

響「・・・どうもしないさ。ただ、用事が多いだけ」

729: 2015/01/04(日) 01:52:08.97 ID:2zmwm0L40
提督「それでも、待機命令を無視した挙句、上司の許可もなく出かけるのは感心しない」

響「・・・」

提督「・・・何が不満だ」

響「別に、不満があるわけじゃない」

提督「・・・それじゃあ・・・」

響「司令官に何がわかる!!」

電「っ!」ビクッ

提督「・・・」

響「・・・ごめん。少し疲れているんだ。休ませてもらうよ」タッ

電「・・・ひ、響がおかしくなったのです・・・」ウルッ

提督「大丈夫。たまにはそういう事もある・・・」

提督(しかし、あの響が大声を出すんなんてな)

提督(・・・そういえば、いつもより響のスカートが長かったのは気のせいか?)

730: 2015/01/04(日) 01:59:11.08 ID:2zmwm0L40
三日月「さっき響の怒鳴り声が聞こえたんですけど、どうしたんですか!?」

雷「大丈夫!?響の電の声が聞こえたんだけど!」

暁「どうしたの!?何があったの!?」

電「ひぐっ・・・えぐっ・・・」

提督「暁!雷!電を頼む。泣き止むまで側にいてくれるだけでいい」

提督「電、安心しろ。あとは、時間が解決してくれる」

電「ぐす・・・はいなのです・・・」

雷「大丈夫?どうかしたの?」

電「なんでもないのです・・・」

暁「あ、暁のハンカチ使って?」スッ

電「ありがとうなのです・・・」

731: 2015/01/04(日) 02:02:00.05 ID:2zmwm0L40
三日月「どうかしたんですか?」

提督「いや、響の様子がおかしくてな」

三日月「そういえばそうですね」

提督「朝潮はどうした?」

三日月「今は初霜と一緒に若葉ちゃん達と一緒に遊んでます」

提督「そうか。ならちょうどいい」

提督「響のスカートの中を確認してこい」

三日月「えっ」

提督「あいつのスカートの丈が長くなっている気がした。それこそ、Верныйの前の丈以上に」

提督「何かを隠しているに違いない。だから、探りを入れて来い」

三日月「何故そう思うのか。聞かせてもらえますか?」

732: 2015/01/04(日) 02:08:18.65 ID:2zmwm0L40
提督「あいつも、電同様に深海棲艦化しているかもしれない」

提督「電を引きずってでも助けたあの日、鎮守府に戻ってきた響にはすでに意識はなかった」

提督「ただ、力の限り、無意識に電を助けていた」

提督「私が声をかけたら、その場に電と共に倒れたんだ」

提督「その時にはすでに、電と同じ痣がどこかにあったのかもしれん」

提督「改装前だったからな。もしかしたら消えているかもしれない」

三日月「わかりました。強引にでも確認してきます」

提督「気をつけろ。お前と比べたら響は強い」

三日月「負けん気なら強いですから」

提督「お前らしい。では、頼んだぞ」

提督(青葉に頼んだのは響の行動記録のみ)

提督(身体的なものは頼んでいない。青葉も気が回らんだろう)

提督「しかし、もし深海棲艦化しているとしたらどうする・・・?」

733: 2015/01/04(日) 02:17:18.17 ID:2zmwm0L40
響の部屋

響「はぁ・・・はぁ・・・」

響(胸が締め付けられる。悪夢を見ている時と一緒だ)

響「はぁ・・・やってしまった・・・」

響「さらに信頼がなくなってしまう・・・」

響「・・・苦しい」

バタン!

三日月「響!」

響「み、三日月・・・ノックぐらいしたらどう・・・」

ガシッ

響「だっ!?な、何故スカートを掴む!?」

三日月「めくるためよ!」

響「めくる理由を教えて」

三日月「いいから下半身を見せて!」

響「・・・変Oか?」

734: 2015/01/04(日) 02:24:44.96 ID:2zmwm0L40
三日月「えいっ!」

バサっ

響「み、見るなっ!!」バチッ

三日月「っ!」

響「あ・・・ご、ごめんよ。叩くつもりはなかったんだ・・・でも」

三日月「叩かれたぐらいでくじける私じゃない!」キッ

響「・・・わかった。こっちが折れるよ」

響「はぁ・・・君に諦めろっていう方が大変そうだからね」

三日月「・・・こっちこそ、頼まれたこととはいえ、強引にしてごめんなさい」

響「隠していた私が悪いんだ。全て話す」スッ

三日月「・・・っ!?」

響「この通り、私もなっている。それも、かなりの進行具合だ」

735: 2015/01/04(日) 02:32:46.32 ID:2zmwm0L40
響「・・・司令官には内緒にしていてくれ」

三日月「嫌です。全部言うよ」

響「・・・そうか・・・そうだよね・・・」

三日月「響も大切な仲間だし、友達だもの。司令官の力を借りて助けたい」

響「・・・」

三日月「多分、私一人じゃどうしようもないから」

三日月「それじゃあ、一緒に来て報告しよ?」

響「・・・嫌だ。私は司令官に合わせる顔が無い」

三日月「そっか。じゃあ少し落ち着いたらでいいよ。先に司令官の耳に入れておくから」

響「ごめんよ。ありがとう」

三日月「それじゃ、私は司令官の所に行くね」

響「・・・ああ」

響(そうか・・・一人で悩んで、バカみたいだな・・・)

『その名前が嘘にならない様に頼んだよ。Верный』

響「うっ・・・」ズキッ

響(ああ、そうだ・・・これを朝潮に聞かせないといけないんだった・・・)ギュッ

742: 2015/01/04(日) 22:20:11.52 ID:2zmwm0L40
三日月「・・・という事です」

提督「最悪の事態だな」

提督(電が治った原因もわからない今、響にどう声をかければいいかなんて思いつかない)

三日月「どうしますか?」

提督「今は様子を見るしかない」

提督「どうやって治すかもわからない。何が原因で進行しているのかわからない」

提督「それでも行動がおかしければ、監視を置いてこの鎮守府内で軟禁するしかあるまい」

提督「言い方は悪いがな」

三日月「電ちゃんにもそういう処置をしたんですよね」

提督「ああ」

三日月「・・・」

提督「・・・三日月」

三日月「はい?なんですか?」

743: 2015/01/04(日) 22:24:42.70 ID:2zmwm0L40
提督「・・・いや、なんでもない」

三日月「またそれですか?」ムッ

提督「からかっているわけではない。ただ・・・な」

提督「そうだ。お願いが一つだけあるんだ」

三日月「なんでしょうか」

提督「あー・・・」

提督(何を伝えたいか自分でもわからなくなっているな)

提督(どうしたものか)

三日月「・・・司令官?」

提督「・・・いや、やっぱりなんでもない」

三日月「そればっかりじゃないですか!」

提督「本当にすまない。どうしても言葉にならないんだ」

744: 2015/01/04(日) 22:34:21.74 ID:2zmwm0L40
霧島「どうも司令、随分仲がよろしいわね」

提督「霧島か。どうした?」

霧島「解析が終わったのでご報告に」

提督「もう終わったのか?」

霧島「ずっと調べてましたからね」

霧島「結果だけ言えば、今の電は深海棲艦化する心配はないようですね」

提督「そうか。よかった」

霧島「確実な根拠があるわけじゃないけど、もしかしたら隠れてるだけかもしれないし」

提督「そうか。警戒をするに越したことはないが、少しでも肩の荷が下りたな」

霧島「ところで、聞いたわよ」

提督「何をだ?」

霧島「潜水艦たちをKの鎮守府にスパイさせたそうじゃない」

提督「誰から聞いた?ゴーヤか」

霧島「ご明察。それで、気になることを聞いたんだけど」

745: 2015/01/04(日) 22:43:17.65 ID:2zmwm0L40
霧島「その鎮守府に響が出入りしてる所を見たらしいのよ」

提督「響がか?」

霧島「見間違いじゃないのと聞いたんだけど、イムヤもゴーヤも見間違いはないと言っていたわ」

霧島「あの響が裏切る事をすると思わないし、あの二人が嘘をついているとは思えない」

霧島「本当は伝えることもないかなとは思ったんだけど」

提督「いや、ありがとう」

霧島「もし、響が裏切ることをしているとしたら、あなたはどうするの?」

提督「さぁな。その時その時で判断するしかないだろう」

霧島「ふふ、そうね。そういう仕事だものね司令は」

霧島「でもあなたはそれが出来る人間だから」

霧島「それだけ、じゃあね」

提督「・・・ああ」

746: 2015/01/04(日) 22:50:22.82 ID:2zmwm0L40
提督「三日月、朝潮につけ」

三日月「へっ?」

提督「もしもの事を考えるんだ。もし響があちら側についているとしたらだ」

提督「ここの鎮守府を自由に歩ける。つまり」

三日月「朝潮に簡単に近付けますね・・・あ!」

提督「そうだ。響に警戒しろ。裏切っていないのが幸いなんだがな」

三日月「司令官は響を信じてないんですか?」

提督「今は、信じていない」

三日月「・・・そうですか。わかりました。今は、司令官を信じます」

三日月「もし、響が裏切ってないなら、そのときは」

提督「ああ、誠意を込めて土下座でもなんでもしてやろう」

三日月「・・・はい。では」

747: 2015/01/04(日) 22:57:19.64 ID:2zmwm0L40
その頃、畑にて

朝潮「えっと・・・響ちゃん?何か用?二人きりで話したいって・・・」

響「・・・」フラッ

朝潮「えっ・・・」タジッ

響「そう怯えなくても大丈夫だよ」ガシッ

響「悪いようにはしない。これを聞いて欲しいだけなんだ」ピッ

朝潮「これって・・・ひっ!?」ビクッ

響「よく聞いて・・・私がこうしたことも、全て言ってはいけないよ」

響「私はこの鎮守府でも古株だ。誰も、君の言うことは信じない」

響「狼少年になりたくないなら・・・黙っていることが一番だよ」

朝潮「やだ・・・!やだやだ・・・!聞きたくないよ・・・!」ウルウル

響「・・・よく聞いて、思い出すんだ・・・」

748: 2015/01/04(日) 23:02:42.02 ID:2zmwm0L40
初霜達の部屋

バタン

三日月「はぁはぁ・・・」

初霜「びっくりしたぁ・・・どうしたの三日月?」

三日月「あ、朝潮は!?」

若葉「朝潮か?朝潮なら誰かに呼び出されてたぞ?」

三日月「誰!?」

初霜「誰だかはわからないけど・・・」

三日月「どこに行ったかはわかる!?」

若葉「畑・・・と言う単語は聞こえたぞ」

三日月「畑!?ありがとう若葉!」

若葉「あ、ああ」

バタン

若葉「何があったんだ?」

初霜「・・・なんか深刻だったね」

749: 2015/01/04(日) 23:11:32.98 ID:2zmwm0L40


三日月「朝潮!?」

朝潮「・・・」

三日月「朝潮!大丈夫!?」

朝潮「大丈夫・・・」

三日月「よかった・・・」

朝潮「・・・」

三日月「本当に大丈夫?」

朝潮「うん。大丈夫だよ。少しぼーっとしただけ」

三日月「そっか・・・」

朝潮「うん・・・」

三日月(目の周りも赤いし、鼻も赤くなってる)

三日月(明らかに何かあったよね)

三日月「今まで誰かと居たの?」

朝潮「い、いや・・・いやぁっ!!」

750: 2015/01/04(日) 23:20:02.14 ID:2zmwm0L40
朝潮「ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・!」

三日月「朝潮!どうしたの朝潮!」ギュッ

三日月(明らかにおかしい!司令官に伝えないといけないけど)

三日月(こんな状態の朝潮置いてはいけないし・・・)

三日月「あ、あれ・・・!島風ちゃん!!」

島風「おうっ!?突然どうしたの!?三日月!」

島風「ってあれ!?朝潮もどうしたの!?」

三日月「説明は後でするから、司令官を呼んできてくれない!?」

島風「よ、よくわからないけど島風に任せて!」

三日月「ありがとう!」

朝潮「やだぁ・・・!やだぁ・・・!!」

三日月「大丈夫だから!誰も朝潮をいじめないから!」ギュウッ

751: 2015/01/04(日) 23:29:16.04 ID:2zmwm0L40
提督「朝潮はどうした?」

三日月「わからないんです・・・誰と一緒に居たのか聞いたら、突然・・・」

朝潮「うう・・・うっ・・・」

提督「朝潮・・・大丈夫か?何があった」ナデナデ

朝潮「K司令官が・・・!ふっ!ひくっ!」

提督「落ち着いてからでいい。島風、水を持ってきてくれないか?」

島風「はいはいー!島風にお任せー!!」

提督(またK絡みか・・・今度は何を企んでいる・・・)

三日月「よしよし・・・大丈夫、大丈夫だよ・・・」ナデナデ

朝潮「んぐっ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

752: 2015/01/04(日) 23:42:37.49 ID:2zmwm0L40
朝潮「はぁ・・・ごめんなさい。朝潮、また・・・」

提督「気にするな。何があった。話す余裕がないならそれでいい」

朝潮「いえ・・・話します。実は・・・」





提督「そうか・・・。お前を証言者としてその場に出させるつもりなのか」

三日月「それは意味があるんですか?」

提督「もちろんだ。本人が、Kを司令官だと証言し、そして、朝潮が私に無理やり連れてこられたと証言すれば」

提督「私は立派な誘拐犯だ。犯罪者にされるだろう」

提督「そうなれば、提督業が続けられるかという騒ぎではなくなる」

三日月「そっか・・・だから」

朝潮「朝潮は・・・今の司令官はあなただと思っています。自分で居心地がいいからここにいるんです」

753: 2015/01/04(日) 23:49:37.49 ID:2zmwm0L40
三日月「朝潮だってこういってます!証言者で全てが決まるなら勝ち目はないはずです!」

提督「・・・あいつを目の前にして、ちゃんとその言葉が出せるか?」

朝潮「・・・それは・・・」

提督「きつい言い方だが、声だけ聞いて過呼吸や泣き出してしまうんだ」

提督「目の前にしてあいつの不利になる事を言えるとは思えん」

提督「・・・だが、それでもいい」

朝潮「えっ?」

提督「無理して、私を助けようとしなくていい。たまには、自分が楽な方に逃げても構わん」

朝潮「・・・」

三日月「・・・」

提督「この話は終わりだ。それで、誰からそのKの言葉を聞かされた?」

朝潮「・・・」

754: 2015/01/04(日) 23:54:50.49 ID:2zmwm0L40
朝潮「響ちゃん・・・」

提督「・・・響・・・か」

三日月「響・・・」

朝潮「嘘じゃないんです!でも・・・信じてもらえませんよね・・・」

提督「いや、今はお前を信じよう」

三日月「どうするんですか?」

提督「放っておけ」

三日月「ですけど、響は裏切りしている事になるんですよ?」

提督「いい、放っておけ」

三日月「・・・」

提督「今、あいつを刺激するのは良くない。それだけは言える」

三日月「はい・・・従いますよ」ムスッ

提督「・・・すまんな」

755: 2015/01/05(月) 00:05:20.36 ID:LKLAh83C0
その後、特に進展もせず提督会議前日

青葉「これが響ちゃんの生活態度です」

提督「・・・」

青葉「あまり元気がないですね」

青葉「というより、疲れてますね」

提督「まぁ・・・な」

青葉「無茶は禁物ですよ」

提督「わかってはいるんだが」

青葉「あれから、響ちゃんはあまり部屋を出ることがなくなりましたね」

提督「・・・」

青葉「夜な夜な、夢でうなされることも多々あったようです」

青葉「響ちゃんだけではなく、朝潮ちゃんも」

提督「電と一緒だな・・・」

756: 2015/01/05(月) 00:19:41.26 ID:LKLAh83C0
提督「そうだ。青葉、明日の朝、出かける前に全員に集まってもらう」

青葉「みんなに伝えればいいんですね?」

提督「ああ、大事な話があるからな」

青葉「了解です」

提督「報酬は後で払おう。勿論必ず払う」

青葉「はい。それでは」

提督「ああ・・・」

提督(・・・結局、私は最後の最後まで、提督らしいことがあいつらにしてやれなかったな)キイッ

提督(私がここから立ち去る時は、皆笑顔でされるといいなぁとは思ったんだが)

提督「世の中・・・うまくいかないものだな」

提督「・・・また、自分の大切な人を守れないのか・・・」

提督「・・・はぁ」

三日月「ため息を吐くと、幸せが逃げちゃいますよ」

提督「・・・ため息は、幸せじゃない時に出るもんだ」

762: 2015/01/06(火) 11:41:15.62 ID:LIh+kENh0
提督「三日月、あれから朝潮の様子はどうだ?」

三日月「はい、また自分の殻に閉じこもってしまいましたね・・・」

三日月「話してくれるには話してくれますが、前ほど笑顔が消えた気がします」

三日月「一緒になって時間はたっていませんがそう感じます」

提督「・・・目の様子はどうだった?」

三日月「少し大きくなってましたね。ガーゼをすれば見えなくなる程度ですが」

提督「そうか。三日月は朝潮のケアを優先で頼む」

三日月「はい。響の方はどうしましょう?」

提督「姉妹艦の三人に任せてある。ただ、顔も出してくれないらしく、四苦八苦してるようだが」

三日月「・・・そうですか」

三日月「それより司令官、私に隠してることありませんか?」

提督「・・・いや?」

763: 2015/01/06(火) 11:52:09.75 ID:LIh+kENh0
三日月「嘘つかないでください!」

提督「どうして嘘だと思う?」

三日月「なんとなくです」

提督「・・・根拠もないのに嘘だと言うのか」

三日月「あ、あんまり恥ずかしくて言いたくはないんですけど」

三日月「秘書艦になってから一緒にいる時間が増えて」

三日月「その間、司令官を見て来たんです。響や電ちゃんほど司令官の事は知らないけど」

三日月「嘘をついているときの司令官はとってもわかりやすいんですよ」

提督「・・・」

三日月「すぐ困ったような顔をしてるんですから」

提督「・・・やっぱりお前には勝てん」

提督「私もお前と長い時間一緒に居てわかったことがある」

提督「お前は、噛み付いたら離さないな。自分が満足するまでな」

764: 2015/01/06(火) 12:03:03.38 ID:LIh+kENh0
提督「・・・だが、このことは明日話そう」

提督「私が出かける前に、みんなの前で」

提督「・・・」ナデナデ

三日月「・・・最近、突然撫でますね」

提督「可愛いからな」

三日月「なんか、あんまり嬉しくないです」ムスッ

提督「そうか。それはすまんな」

三日月「・・・明日、司令官として、ちゃんと帰ってきてくださいね」

提督「私も、このままここを去るのは心残りが多いからな。まぁ、なんとかなるさ」ポンッ

三日月「・・・今の勝率は?」

提督「三割程度だな」

三日月「適当言ってますね」

提督「まぁな」

765: 2015/01/06(火) 12:13:35.73 ID:LIh+kENh0
金剛「うーん・・・」

利根「うーむ・・・」

加賀「なんか、この鎮守府全体が暗くなり始めたわね」

金剛「そうなんデス。もう、提督の喜怒哀楽とか考えてる暇もなくなってきまシタ」

加賀「原因は・・・」

雷「・・・」ズーン

初霜「・・・」ズーン

利根「・・・響と、せっかく元気になりかけた朝潮じゃろうな・・・」

金剛「暗い雰囲気は苦手デス」

利根「うむ・・・難しいところじゃな」

加賀「たった三人が暗いなるのだけでこうなるなんて驚きね」

利根「それだけ、三人の影響力があったんじゃろ」

766: 2015/01/06(火) 12:27:41.62 ID:LIh+kENh0
利根「一人が暗くなって、その周りも暗くなって・・・悪循環じゃな」

雷「響の顔を二日くらい見てない」

初霜「朝潮の嘘の笑顔しか見れてない」

金剛「二人がそんなんでどうするの!?」

雷「そうだけど、やっぱり不安よ。響があんなになるなんて・・・」

初霜「せっかく、仲良くなれたのになぁ・・・」

金剛「確かに、響は意外・・・あんだけ気丈な子がああなってしまうんデスから」

雷「んー・・・よし!私が落ち込んでても仕方ないし!また響のところに行ってくる」

雷「やっぱり頭で考えるのは苦手!響が居ないと始まんないわ」

初霜「・・・私ももう少し頑張ってみようかな」

金剛「切り替えが早いネ」

利根「女心と秋の空と言うじゃろ」

加賀「もう、秋も近づいてますね」

767: 2015/01/06(火) 12:45:03.67 ID:LIh+kENh0
三番ドック

三日月「朝潮、調子はどう?」

朝潮「はい、今のところ大丈夫です」

三日月「・・・朝潮、明日大丈夫?」

朝潮「・・・わかりません。できるだけのことはしたいと思います」

朝潮「少しでも、司令官の有利になるように」

三日月「・・・司令官って、どっちの?」

朝潮「・・・それは」

三日月「司令官も言ってたけど、無理はしなくていいんだよ。朝潮が楽な方を選んでも」

三日月「自分の気持ちを隠してはダメ。私が言えた義理じゃないけど」

三日月「朝潮も、司令官も、響も」

768: 2015/01/06(火) 12:59:40.34 ID:LIh+kENh0
三日月「もし、勇気が足りないって言うなら、司令官に頼んで、朝潮の側にいる」

朝潮「・・・」

三日月「司令官の為でもあるけど、朝潮の幸せの為にも」

三日月「司令官がここに残ってくれれば、私の為にもなるし」

三日月「その・・・私が得することしかないけど、朝潮は朝潮の為になるように考えて」

三日月「私も、自分より、朝潮の言葉を優先したい。幸せを優先したい」

朝潮「三日月・・・」

三日月「朝潮があっちにつくなら、それでもいい」

朝潮「うん・・・一緒に来てくれれば、嬉しい・・・!」

三日月「じゃあ決まりね!まぁ・・・明日のことは明日しかわからないけど、今日はゆっくり休んで」

三日月「不安で心細いんだったら、一緒に居るよ。悪夢も見てるみたいだし」

朝潮「うん。それじゃあ・・・今日は、一緒に寝てくれるかな?」

三日月「喜んで!」

769: 2015/01/06(火) 13:06:39.25 ID:LIh+kENh0
響の部屋前

電「・・・響、聞いているのですか?」

電「明日、司令官さんが司令官さんで無くなるかもしれないのですよ?」

電「響は、司令官さんのこと、本当に好きなのですよね?」

電「だったら、出てきて、司令官さんを支えるべきなのです」

電「そうでもしないと・・・」

響『・・・』

暁「電、ずっとここに居ても仕方ないわよ。響は話を聞く気なんて一つもないわ」

暁「悔しいけど、暁達にはどうしようもないのよ」

電「暁は戻ってもいいのです。電はずっとここにいるのです」

暁「電・・・あんたが責任感じることないじゃない」

電「・・・そんなんじゃないのです・・・」

770: 2015/01/06(火) 13:13:47.75 ID:LIh+kENh0
電「電は、響に元気になって欲しいから」

暁「・・・そう。おにぎりだけでも、持ってくるわね。響の分と電の分」

電「ありがとうなのです」

雷「やっ!暁、戻ってきたわよ。電はずっとそこに座りっぱなしなの?」ボソッ

暁「そうなのよ・・・なんとか言ってあげて・・・あの子の体が持たないわ」

雷「好きなようにさせればいいじゃない。だって・・・あー、いやなんでもないわ」

暁「なによ。暁に隠し事かしら?」グニー

雷「あはつきいはい。ほっへいはい」

雷「ほっぺたいったー・・・良くもやったわね」

暁「お姉ちゃんに隠し事するからよ」

雷「響の方がお姉ちゃんっぽいわよ」

暁「なんですって!」グニー

雷「いはいっへ!!」

電「あはは・・・暁と雷は仲がいいのです」

暁「勿論、暁が仲良くしてあげてるもの!お姉ちゃんだし!」

雷「なんか引っかかる言い方ね!」

771: 2015/01/06(火) 13:21:03.49 ID:LIh+kENh0
雷「まぁ、この際、暁のことはいいわ」

雷「響、聞いてる!?」

響『・・・』

雷「私、明日の司令官についていくことにしたから!」

電「許可はもらったのですか?」

雷「ううん?勿論無断よ!だから他言無用ね!」

暁「自分勝手すぎるでしょ!?」

雷「響が動かないなら、私達が動くわよ」

暁「私達?」

雷「・・・なんとなくだけど、私以外にも同じ事を考えてる子は居ると思う。だから」

雷「響は私達を信じて、ゆっくりしてね。それだけ、じゃあね!」グイッ

電「えOちょっ、なんで電の手を引っ張るのですかっ!?」

雷「いつまでもここに居たって変わんないわ。作戦会議しましょ。どうせ電も同じこと考えてんでしょ?」

電「バレてたのです!」

暁「ちょっちょっと待ちなさいよ!」

響(・・・信じる・・・か・・・)

772: 2015/01/06(火) 13:27:00.27 ID:LIh+kENh0
翌日

提督「皆に集まってもらったのは皆に謝りたいことがあるからだ」

提督「お前達に会えるのは最後かもしれないからな。私の顔のせいで怖がらせてしまってすまん」

提督「それからあ、私はお前達全員に平等に接してきたつもりだ」

提督「しかし、途中から、お前達を平等ではなくなってしまった」

提督「やはり、実の娘に似ていると、どうしても甘くなってしまった」

提督「そのことを深く詫びたい。本当にすまなかった」

提督「・・・三日月、こっちにこい」

三日月「えっ・・・」

提督「いいから」

三日月「は、はい・・・」

ザワザワ・・・

773: 2015/01/06(火) 13:33:37.46 ID:LIh+kENh0
提督「そして、その不平等は、ここに来ても消すことは出来なかった」スッ

三日月「司令官・・・これって・・・」

明石(あれって・・・)

提督「・・・お前達全員に幸せになってもらいたいと、私は心から願っている」

提督「三日月には、特に・・・」

提督「三日月へ、私からの気持ちだ」

三日月「これって・・・指輪・・・ですよね?でもどうして二つ・・・」

提督「・・・いい男見つけて、幸せになってくれ。三日月」ニコッ

提督「・・・」ナデナデ

三日月「しれ・・・か・・・」ウルッ

提督「さて、そろそろ時間だ。私は出かけるぞ。それから、お前達、私か新しい提督が来るまで、待機だぞ」

提督「わかったな?それではな。朝潮と三日月は少し経ってから出発するように」

774: 2015/01/06(火) 13:43:37.96 ID:LIh+kENh0
金剛「・・・スマイルが見たいとは思っていましたけど・・・」

利根「うむ・・・」

加賀「確かに素敵ではあったけど」

金剛「私はあんなに寂しそうなスマイル見たくなかったデス」

利根「そうじゃな・・・」

加賀「このまま、終わりたくないわ」

北上「大井っち・・・って、聞く意味ないか」

大井「北上さん・・・もですよね」

北上「まぁね」

磯風「・・・浜風」

浜風「・・・まだ罰受けてる最中じゃない。また提督の命令を無視するの?」

磯風「あとは任せたぞ」

浜風「・・・仕方がないわね。ともかく、その髪型だけは何とかしたら?」

磯風「言うな!このツインテールは罰だからどうしようもないだろう!」

磯風「くっ・・・磯風には似合わない髪型で過ごすのはすごく恥ずかしいんだぞ・・・!」カァァァ

浜風(真面目なのか不真面目なのかよくわからないわね)

779: 2015/01/06(火) 21:05:43.22 ID:LIh+kENh0
提友鎮守府

提友「・・・よう」

提督「連絡ぐらい、来てるだろ」

提友「まぁな・・・どうせ、ガセか何かだろ。とうとう踏み出したんだなKのやつ」

提督「らしいな」

提友「他人事だなおい」

新人「提督さん!体調の方は大丈夫ですか?」

提督「ん?ああ、大丈夫だ」

新人「それなら良かったです」

提督「今日は、大きな作戦を話すみたいだな。ちゃんと集中しろよ」

提友「・・・そういえば、なんでお前秘書艦連れてないんだ?」

提督「すぐにわかる」

新人「・・・?」

780: 2015/01/06(火) 21:17:40.50 ID:LIh+kENh0
少したって

憲兵「・・・以上が今作戦の内容だ。普段は俺達が説明することは滅多にないんだが」

憲兵「このあと、休憩を挟んでやりたいことがある」

K「・・・」

新人「やりたいこととは?」

憲兵「提督殿の誘拐疑惑が上がっている」

憲兵「それを、確かめたい」

新人「なっ・・・」

憲兵「これより20分ほどの休憩を挟む。その間に証人もつくだろう・・・ではな」

提友「・・・正直なところどうなんだ?」

提督「さぁな」

782: 2015/01/06(火) 21:35:18.00 ID:LIh+kENh0
休憩に入って十分後

朝潮「・・・来ちゃったね」

三日月「そうだね」

提友「お、三日月ちゃん。相変わらず可愛いね」

三日月「もう、突然何ですか?からかわないでください」

提友「だって俺の妹に似てるもんでなぁ」ナデナデ

提友「そっちは・・・あーもしかして証人って」

朝潮「・・・」コクッ

三日月「・・・あの、朝潮、結構いっぱいいっぱいなので・・・」

提友「そっか。ごめんな止めちゃって」

朝潮「いえ・・・」

提友「・・・三日月、お前にこれをプレゼントだ」

三日月「これは・・・?」

提友「じゃあな。いざという時に使ってくれ」

783: 2015/01/06(火) 21:44:22.81 ID:LIh+kENh0
K「・・・」

朝潮「ひっ・・・!!」ビクッ

三日月「大丈夫・・・私がついてるから・・・」

K「・・・」

カツカツ・・・

カッ

K「・・・朝潮・・・期待しているぞ」ボソッ

朝潮「はっ・・・はっ・・・!」

K「ふふふ・・・」

K(あの様子なら、私に振りになることは言わないだろう)

三日月「朝潮、冷静になって、朝潮は一人じゃない」

三日月「あなたがどんな答えを出そうと、私は朝潮の味方だよ」

朝潮「ふう・・・ふう・・・うん・・・ありがとう」

784: 2015/01/06(火) 21:53:13.47 ID:LIh+kENh0
憲兵「さて、そろそろ時間だな」

憲兵「提督殿、前に」

提督「・・・」スッ

憲兵「あなたがK殿の朝潮を誘拐したと疑いがかけられている。まぁあなたの事だ。どうせ黙秘だろう」

提督「よくわかっているな」

憲兵「なら、K殿の証拠提示を行ってもらう」

K「では、まず証拠の定義、及び余罪も多々紹介させてもらおう」

提督「・・・余罪だと?」

K「俺の出す証拠は、俺の朝潮の特徴と証人による言葉だ。では、始めさせてもらう」

K「っと、その前に、余罪についてだが・・・」

K「提督殿は我々の敵である深海棲艦をかばったと言う話がある」

提友(こいつならやりかねないな)

新人(この人ならやりかねない)

785: 2015/01/06(火) 22:00:03.48 ID:LIh+kENh0
憲兵「ほう?敵をかばった事を報告されているなら問題ないが」

憲兵「そんな報告は一度もないな・・・」

憲兵「で?それを確信させることは?」

K「提督殿の右腕と言っても過言ではない。この子からのタレコミだ」

響「・・・」

提督「・・・」

提友「なっ・・・!?響!お前、こいつを・・・!?」

新人「えっ!?ど、どういうことですか!?まったく状況が読めないんですけど・・・」

響「・・・」

提督「認めよう。深海棲艦をかばったことはある。だが、こちらに損害は一つもない」

K(簡単に認めるだと・・・?どういうことだ)

憲兵「ふむ・・・なるほど。深海棲艦をかばったことはあるんだな。それに対しての処罰は後々」

響(裏切ってしまった。司令官を・・・だが)

786: 2015/01/06(火) 22:04:24.92 ID:LIh+kENh0
K「誘拐についての証拠はこれだけある。それと・・・証人の言葉だ。入れ」

朝潮「・・・」ドキドキ

三日月「・・・」キッ

憲兵「その目のガーゼはどうした?」

朝潮「えっと、これは・・・その・・・」

三日月「これはものもらいです。すみません、この子あがちゃってるみたいで・・・私も同行させてもらいました」

憲兵「それは構わないが、そうか。ものもらいなら仕方ない」

K(くっ・・・やはりついてきたか・・・)

憲兵「ふむ。では、朝潮本人に聞きたいことがあるんだが、大丈夫か?」

朝潮「は、はい!なんでも聞いてください!」

憲兵「なら、単刀直入に聞こう。君の提督は、どっちだ?」

朝潮「え・・・それは・・・」

提督「・・・」

K「・・・」ジロッ

787: 2015/01/06(火) 22:10:16.15 ID:LIh+kENh0
朝潮(怖い・・・体の震えが止まらない)

朝潮(司令官と言いたいけど・・・あの人の姿を見てるだけで・・・体が・・・)

朝潮(頭で分かっていても・・・言葉が・・・)

ギュッ

朝潮(手を・・・誰かに握られた・・・)

三日月「・・・」ジッ

朝潮「三日月・・・」

三日月「・・・」ジッ

ギュウッ

朝潮「・・・うん・・・そうだよね」

提督『お前の楽な方を選ぶんだ』

三日月『私はなにがあっても朝潮の味方だよ』

朝潮(朝潮はもう一人じゃない・・・朝潮は、もう逃げちゃいけない!)

朝潮「朝潮の司令官は!最初から司令官ただ一人です」ビシッ

788: 2015/01/06(火) 22:15:08.47 ID:LIh+kENh0
三日月「・・・!」パァ

K「なっ・・・」

憲兵「君の司令官は提督殿・・・そうなるか?」

朝潮「はい!」

K「あ、ありえない!その腕のキズは俺の鎮守府で付いたものだ!脅迫されているだけだ!」

K「そうなんだろう!?」

提督(朝潮・・・)

K「俺が嘘を言っていると言うのかお前!」

朝潮「あなたとは初対面です!」

K「貴様・・・!?」

響「・・・」

響(朝潮は自分の殻を、恐怖を打ち砕いた。それなのに私は・・・)

K「そ、そうだ!朝潮、お前は深海棲艦化しているらしいな!」

K「これもこの子から聞いている!そのガーゼで隠しているんだろう!?」

789: 2015/01/06(火) 22:19:16.42 ID:LIh+kENh0
K「さぁ外して見せてみろ!」バッ

三日月「なっ!?」

朝潮「きゃあ!!」

K「ほら見ろ!目が白く・・・ない・・・!?」

提督「・・・!」

朝潮「あ・・・!ものもらい治った・・・」

提督(冷静な発言だだ・・・いいぞ朝潮)

三日月「よかったね」ニコッ

K「嘘をついたな響ぃ!!」

響「私は嘘などついていない」

憲兵「となると、嘘をついたのはK殿となるか・・・」

提督「さて、ここからは私の番か。K鎮守府の内情を訴えたい」

提督「さぁ見ろ。証拠ならたくさんあるぞ」バサバサッ

K「き、貴様ぁぁぁぁ!!!ハメやがったな!!!」

790: 2015/01/06(火) 22:26:23.84 ID:LIh+kENh0
提督「響が裏切ったのは私は知らなかった。勿論信頼していたからな」

響「・・・っ!?そんな!私のことは信頼していないと言っていたではないか!」

提督「・・・響、私はお前は信頼している。ずっと前からそう言っているだろう」

提督「お前は私を信頼してる。そうだったな?」

響「う・・・」

提督「その信頼は本物だと思っていた。だが、最近のお前は私を避けて居た」

提督「お前は私を信頼していないと悟った。だから私も信頼していなかった」

提督「信頼されているなら、それ相応に信頼する。それが私のポリシーだ」

提督「言っている事矛盾していることはわかってる。だが理解は出来ると思う」

提督「お前は信頼されていないと思い込んで、こんな事したんだろう。Kの信頼しているという言葉につられて」

響「なんだ・・・はは、私の一人相撲だったのか・・・すまない司令官・・・」ウルッ

提友「翔鶴」

翔鶴「はい。響ちゃん、ハンカチ使ってください」ソッ

響「ありがとう・・・」

K「茶番だ!!こんなもの!!」

提督「さぁ、憲兵殿、その資料に目を通してください」

791: 2015/01/06(火) 22:26:54.89 ID:LIh+kENh0

引用: 艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】