802: 2015/01/07(水) 21:04:26.66 ID:+KF8JlZ20

803: 2015/01/07(水) 21:12:59.14 ID:+KF8JlZ20
憲兵「ふむ・・・しかし、ここまでよく証拠を集めたもんだな」

提督「こう言ってはなんだが、スパイを送り込んだことがあるからな」

憲兵「許されることでは無いぞ」

提督「知っている。ただ、こいつの部下達である艦娘達を助けるためなら」

提督「どんなに汚い手でも使うぞ。私は」

憲兵「あなたの部下ではないんだぞ?」

提督「そうだな。だが、私の部下と約束したんでな」

提督「それに、私がそういう事を無視できるわけがない」

憲兵「・・・相変わらずだな」

提督「さっきから、私の事を知っているようだが、お前は私と初対面だろう?」

憲兵「・・・続けよう」
Model Graphix ARCHIVES 艦隊これくしょん 「艦これ」2
804: 2015/01/07(水) 21:22:35.02 ID:+KF8JlZ20
憲兵「国の宝である艦娘達を大切にしないのは大罪である。それは、提督になる前に説明されているはず」

憲兵「それは知っているだろ?」

K「・・・知っている」

憲兵「もう、言い逃れするつもりはないんだな?」

K「するつもりもない。俺の提督人生もこれで終わりだ」

K「俺の全てをつぎ込んだ提督人生も、終わりなんだ」

K「もう、犯罪者になってもいいくらいの気持ちだ」

K「頃してやるぞ。貴様」

提督「これ以上、罪を重ねるのか」

提友「・・・」

K「どちらにしよ。私の人生は終わりだ。だったら、貴様も道連れにしてでも・・・」カチンッ

K「護身用に持っていたナイフが人頃しの道具になるとはな!」ダッ

三日月「司令官!危ない!」バッ

805: 2015/01/07(水) 21:28:38.56 ID:+KF8JlZ20
K「邪魔だどけ!」ドンッ

三日月「うっ・・・!」

朝潮「三日月!」

提督「・・・!」

K「氏ね・・・!」

バチン

K「なっ・・・ナイフが・・・ぐっ!」

提督「貴様・・・俺の部下に何をした!!」

提友「あ、やばい。あいつキレてる」

新人「えっ!?ちょ、止めないんですか!?」

新人「それにKさんはどうしてあんなにも提督さんに嫌悪感を抱いているんですか!?」

提友「さぁな・・・自分の成績を新人の時のあいつにさっさと抜かれたからじゃね?」

新人「そんなことですか!?」

提友「Kとの面識は元からなかったぞ・・・俺達にはな」

806: 2015/01/07(水) 21:39:32.91 ID:+KF8JlZ20
提督「俺の部下に何をしたと聞いている」ギリギリ

K「かっ・・・は、離せ・・・がっ・・・!」

三日月「し、司令官!」

朝潮「司令官!そんなに首を絞めたら・・・!」

提友「あーあー・・・本当にあいつは部下の事になると周りが見えなくなる奴だな」

新人「そんな冷静にしている場合ですか!?今、提督さんが人頃しになりそうなんですよ!?」

提友「残念ながら俺には止められないぞ。俺にはな」

新人「えっ・・・」

バタン

電「司令官さん!それ以上はいけないのです」

雷「そうよ!そんな奴の為に司令官がそれ以上する必要ないわ!」

金剛「そうネ!提督はこんなところでそんなことしたらダメデス!」

利根「そうじゃぞ!」

加賀「提督がいないと気分が落ち込みます」

北上「さりげなく告白してるね加賀さん」

加賀「そ、そんなんじゃないわ」

807: 2015/01/07(水) 21:50:41.09 ID:+KF8JlZ20
提督「お前ら・・・!待機命令を出したはずだぞ?どうしてここにいる」

ドサっ

K「かはっ・・・!ゲホ・・・!」

電「それは・・・」

大井「提督が心配だったからに決まってるじゃないですか!」

明石「うひゃーすごい事になってましたね」

提督「・・・命拾いしたなK」

憲兵「・・・愛されてるな」

憲兵「さて、今回のことは上の方から俺に一任されている」

憲兵「憲兵に入りたての俺にな」

憲兵「これがどういうことかわかるか?K殿」

K「・・・どういうことだ?」

808: 2015/01/07(水) 21:56:25.26 ID:+KF8JlZ20
憲兵「このあたりの鎮守府は重要視されていないという事だ」

憲兵「つまり、期待されていないという事」

K「な・・・」

憲兵「無駄だったんだよ。君の頑張りは」

憲兵「上に評価されてるなんて思っていたなんて、馬鹿みたいだな」

K「・・・」

憲兵「さて、殺人未遂に自分の艦隊を大切にしなかった罰」

憲兵「まぁ、提督は続けられないだろうな。期待しておけ」

憲兵「提督殿は・・・深海棲艦をかばった事を報告しなかった罪として一週間ほどの謹慎になると思う」

提督「それはおかしいだろう。私もこいつを殺そうとしたんだぞ?」

憲兵「俺には正当防衛にしか見えなかったな」

提督「・・・」

809: 2015/01/07(水) 22:01:08.44 ID:+KF8JlZ20
憲兵「さて、行くぞK」

K「離せ!あいつにはまだ仕返ししていない!貴様だけは許さんぞ!」

憲兵「いい加減にしろよ。これ以上罪を重ねたいか?」

K「どうでもいい!いくらでも氏んでやるさ!こいつを殺せるならな!」

憲兵「・・・うるさい」

ドスっ

K「う・・・」

憲兵「あー重い」

憲兵「提督殿はこいつに何をしたんだ?」

提督「・・・さぁな。こいつの初恋の人を見頃しにしたぐらいか」

提督「私の妻をな・・・」

憲兵「・・・そうか」

810: 2015/01/07(水) 22:07:33.11 ID:+KF8JlZ20
憲兵「仕事に私情を挟むのは俺は嫌だったんだが・・・一回きりだけだ」

憲兵「これで、あのときの恩は返しましたよ」

提督「あの時?」

憲兵「あの時に恐怖で気絶していた俺の妹があなたに恋していると聞いて、少し運命を感じてます」

憲兵「あなたの笑顔に俺は救われた。親に捨てられた俺と妹をあなたたち夫婦は助けてくれた」

憲兵「あとで、奥さんのお墓、教えてくださいよ。骨は埋まってないでしょうが」

提督「まさかお前・・・」

憲兵「それでは、今日は解散。そのうち連絡が行くと思います」

憲兵「ここらの鎮守府は作戦には参加できないと伝えておく」

811: 2015/01/07(水) 22:11:02.89 ID:+KF8JlZ20
提友「お前の兄貴だったんだな」

新人「なんでわかったんですか?」

提友「・・・お前の鈍感さも大概だな」

新人「えっ」

提友「さて、解散らしいから早く出て行ってくれ。俺も少し用事がある」

提友「翔鶴から幸せの匂いを嗅ぐ仕事が残っている」

翔鶴「それは仕事にしなくていいんですよ」

提督「そうか。大勢で邪魔したな」

提督「三日月、大丈夫か?」

三日月「尻餅ついたぐらいなので大丈夫です・・・」

提督「そうか・・・私の為に無茶はしないでくれ」

三日月「司令官こそ、私達の為にあまり無茶しないでください」

提督「・・・すまん。帰るとしよう。私達の鎮守府へ」

812: 2015/01/07(水) 22:15:04.99 ID:+KF8JlZ20
響「・・・」

朝潮「・・・」

提督「お前ら、待機命令破ったからあとで罰を与えるぞ」

磯風「やはり追加か・・・この際なんでもこい」

大井「ただでさえ北上さんと同じ部屋で寝れない罰受けてるのに・・・」

提督「響、朝潮、どうした?帰るぞ」

響「・・・私は、帰れない」

朝潮「朝潮も帰れません」

提督「・・・どうしてだ?」

響「私は、司令官を裏切った。裏切り者がのうのうと司令官の鎮守府には戻れない」

朝潮「・・・朝潮が原因でこんな騒ぎになっているんです。朝潮がいなければこんなことには・・・」

提督「まさかと思うが、ずっとそんなことを考えていたんじゃないだろうな?」

響「・・・」

朝潮「・・・」

813: 2015/01/07(水) 22:18:38.28 ID:+KF8JlZ20
響(ずっと司令官には信頼されていると思って従ってきた)

響(司令官が好きなのは今も変わらないけど、もう顔向け出来ない)

響(せっかく築いてきた信頼を自分で失くした)

響(一度失った信頼を取り戻すのはすごく大変なのはわかってる)

響(だからこそ・・・もう、司令官の下にいるなんて事出来ない)

響「司令官」

提督「・・・」

響「私は司令官が大好きだ・・・だから、約束してくれ。鎮守府に戻ったら、私を解体して欲しい」

814: 2015/01/07(水) 22:23:23.20 ID:+KF8JlZ20
朝潮(響ちゃん・・・)

朝潮(せっかく深海棲艦化が収まったのに、この人たちと一緒に居るなんて)

朝潮(厚かましい事出来るわけない。司令官にあそこまでさせて)

朝潮(流石にわがままがすぎるから・・・一緒に戦いたいと思ったけど・・・)

朝潮「朝潮も、お願いします。解体してください」

朝潮(これでいいんだよね・・・朝潮は元々、居てはいけない子だったんだよね)

響(これでいいんだ・・・。私の役目はもう終わった)

朝潮(短い間だったけど、すごく幸せだった)

響(司令官と一緒に過ごせて、幸せだった)

朝潮響「今までありがとうございました。司令官」

827: 2015/01/08(木) 21:11:29.59 ID:6J8PBDwg0
提督「・・・そうか。三日月、痣チェック」

三日月「はい」

響「ちょっと待って。ここでスカートをめくる気?」

三日月「安心して。潜り込むだけ」ゴソッ

響「それも恥ずかしいけど」

三日月「脱がすよ」

響「えっ」

三日月「ニーソだから」

響「そういうことじゃなくてだな」

三日月「よいしょ」スッ

響「ちょっ」

829: 2015/01/08(木) 21:22:47.00 ID:6J8PBDwg0
三日月「ふう・・・痣、確認できませんでした」

響「ひどい辱めを受けた」

三日月「顔色一つ変えていないのに?」

提督「やはりな」

響「え・・・」

提督「解体されたいと言ったな。本心か?」

朝潮「・・・朝潮は・・・」

提督「・・・いいかお前達、裏切ったことは確かに悪いことだ」

提督「信頼を失うことになる」

提督「だが、結果として、多くの心を助けたことになったんだ」

響「裏切ったことは変わりない」

朝潮「原因になった事に変わりはないんです」

提督「私はお前達の上司だ。わかるな?」

830: 2015/01/08(木) 21:29:11.73 ID:6J8PBDwg0
提督「お前達の上司である以上、後先を考えなければならん」

提督「私が後先を考えて、そして、部下のお前達が目先の手柄を取り行く」

提督「それでいいんだ。私は、お前達の為に作戦を考える」

提督「それにお前達は従って目先の手柄を取る。失敗は仕方ない」

提督「最終的に成功すれば、私はそれで満足だ」

提督「今回の件については確かに裏切りはでかい」

提督「でも、その裏切りのでかさがこちらに味方したおかげであいつの嘘が露呈した」

提督「一度嘘がバレればその後は何も信じてもらえないからな」

提督「響は自分の得になることを先に選んだんだ。私は間違った事をしたとは思っていない」

提督「朝潮にしても同じだ。原因はどうあれ、それがきっかけでこうなった」

提督「それでいい。私からすれば、結果が全てだ」

朝潮「・・・どうして、そんなに優しくできるんですか・・・」ウルッ

831: 2015/01/08(木) 21:33:44.25 ID:6J8PBDwg0
提督「これは優しさではない。仕事としての考えだ」

提督「お前達のコンディションを整えるのは私の仕事」

提督「お前達はそのコンディションで出来ることをして」

提督「結果を報告してくれればいい」

提督「失敗だろうが裏切りだろうが事の原因だろうが、私からしたらどうでもいい」

提督「・・・長々と話して悪い。一言で済ませれば、お前達は私の鎮守府に必要なんだ」

提督「結果が出せる奴らには、特にいてほしいからな」

朝潮「・・・」

響「・・・」

提督「・・・どうだ?」

提督「正直、すごく恥ずかしいんだが・・・」

電「司令官さん耳が赤いのです」

提督「余計な口を挟むのはこの口か」グニッ

電「いはいのへす」

832: 2015/01/08(木) 21:37:08.35 ID:6J8PBDwg0
朝潮「朝潮は・・・」

三日月「朝潮がこれからも一緒にいてくれるなら、私は嬉しいな」

初霜「私も三日月と同じ気持ちかなぁ」

三日月「いつから居たの?」

初霜「ずっとこの鎮守府の初春と話してた」

朝潮「・・・朝潮、やはり司令官の下でお役に立ちたいです!」

朝潮「初霜や三日月達と一緒に戦いたい!」

提督「・・・ああ、歓迎するぞ」

三日月「これからもよろしくね朝潮!」ギュッ

初霜「よろしく!」

朝潮「うん!」

833: 2015/01/08(木) 21:40:17.07 ID:6J8PBDwg0
提督「さて、話は決まった。帰るぞ皆」

響「私は納得してない!」

響「一度失った信頼を取り戻すなんて・・・もうできる気がしない」

響「司令官だってそう簡単に信頼なんて・・・」

提督「・・・本当にそう思ってるのか?」

響「・・・」

提督「お前に出来た痣が失くなったのがなりよりの証拠だと思うんだが」

響「私も気も知らないでよく言えるね。私はここから動かないぞ」

提督「・・・はぁ・・・頑固者だな」

カツカツ・・・

響「な、なんだ?」

提督「意地でも連れ帰る。捕まってろよ」

響「えっ」

834: 2015/01/08(木) 21:44:24.50 ID:6J8PBDwg0
提督「よっと」ヒョイッ

響「なっ!?」

提督「おう皆帰るぞー」

電「お姫様だっこなのです。羨ましいのです」

三日月「私もしてほしいなぁ・・・」

提督「長居して悪かったな」

提友「俺の鎮守府でいつまでもイチャイチャすんな」

提督「すまん。それじゃあな」

提友「おう」



新人「羨ましかったです」

提友「・・・あいつは本当に上に立つべき人間だな」

提友「部下思いで、その部下からも好かれる奴だ」

提友「やっぱりあいつは、こういう職が向いてるな」

新人「・・・それにしても、兄さん偉くなったなぁ」

提友「ん?お前の兄さんなんてどこかに居たの?」

新人「さっきの憲兵さん」

提友「マジで?」

新人「はい」

835: 2015/01/08(木) 21:48:45.80 ID:6J8PBDwg0
帰り道

響「し、司令官!流石にこれは恥ずかしい・・・」カァァ

提督「ん、責めるのは恥ずかしくないけど責められるのは苦手か?」

提督「ははっ照れてる所なんて滅多に見ないから可愛さ倍増だな」

響(笑顔の司令官が近い・・・)

響「司令官おかしいぞ!どうしたんだ!」

提督「もうなんかバカらしくなってきたんだ。お前達と一緒に居ると」

提督「表情を隠してた自分がバカみたいでな」

提督「明石や霧島に言われた通りだ。表情を隠してた意味がない」

提督「お前達が罰を恐れずに待機命令を無視してまで来てくれて確信した」

提督「大切に思われてるだな。私」

836: 2015/01/08(木) 21:52:17.78 ID:6J8PBDwg0
提督「大切な人を守れなかった罪悪感から、幸せになる権利などないと思っていたが」

提督「これじゃあ幸せから逃げられないじゃないか」ニコニコ

響「・・・っ!!」カァァァ

電「響の顔が真っ赤なのです!」

響「やめろ見るな!」

提督「ははは!照れろ照れろ」

提督「さてと、お前達、待機命令を無視した罰を与えるぞ」

一同「げっ」

提督「荷物持ちだ。どうせ一週間謹慎で何も出来ないんだ。今日はたくさん買い物するぞ」

提督「主に食料だがな」

837: 2015/01/08(木) 21:57:56.34 ID:6J8PBDwg0
響「し、司令官・・・そろそろ下ろしてくれないか・・・」

提督「ん?私の下でちゃんと働くか?」

響「働くからぁ・・・」

提督「よしわかった。下ろしてやろう」

響「はぁ・・・」ペタン

響「足に力が入らない・・・」

提督「ちょうど電話したかったんだ。腕も疲れたしな」ピッ

三日月「響大丈夫?」

響「ちょっと立てないかもしれない・・・」

三日月「・・・」ペチペチ

響「羨ましいのはわかったから優しく叩くのはやめてくれ」

提督「鳳翔か?明日バーベキューを実施するから、倉庫の奥の方にセットがあるはずなんだが・・・」

提督「わからない?だったら川内を叩き起せ。あいつなら知ってる。久しぶりに私も料理すると言えば飛び起きるだろう」

提督「ああ、明日のバーベキュー楽しみにしておけ」

838: 2015/01/08(木) 22:05:19.59 ID:6J8PBDwg0
提督「という事だ。皆、今からバーベキューをする肉やら野菜やらを買いに行くぞ」

提督「みんなでやるからかなりの量を買うが、罰だからな」

電「司令官さんの!」

響「手料理!」

三日月「二人共よだれ出てる・・・」

提督「鳳翔が来るまで私が料理を作っていたからな。健康管理も兼ねて」

提督「私の料理を食べたことあるのは電と響と川内くらいか?」

明石「あ、私もおすそわけで食べた事あります。すごく美味しかった記憶しかないです」

響「鳳翔の料理も美味しいが、司令官の料理の方が格別なんだ」

三日月(途端に元気になった・・・そんなに美味しいんだ・・・)

金剛「・・・なんか、私達が頑張って笑顔にさせようとしてたのがバカらしくなりマシタ」

利根「そうじゃな・・・」

加賀「ですが」

提督「ほら行くぞ!っと、その前に銀行に金をおろしに行かないとな!」

加賀「そんなこともどうでも良くなりますね」ニコッ

利根「うむ!それよりバーベキューが楽しみじゃのう!」

金剛「イエー!!荷物ならいくらでも持つヨ提督ー!」

843: 2015/01/10(土) 20:32:58.78 ID:544eKo320
サイカイシマス


844: 2015/01/10(土) 20:35:58.22 ID:544eKo320
その頃の鎮守府

鳳翔「川内さん?ちょっとよろしいですか?」

川内「んあー・・・何?眠いんだけど」

鳳翔「倉庫にバーベキューセットがあるって聞いたんですけど、どこにあるかわかりますか?」

川内「場所は知ってるけど・・・眠い。と言うか、なんで突然?」

鳳翔「提督が明日バーベキューをやると言っていたので」

川内「・・・提督が作るって?」

鳳翔「はい」

川内「ん、わかった。案内するよ」スッ

鳳翔(提督の言ったとおり・・・)

845: 2015/01/10(土) 20:42:25.56 ID:544eKo320
倉庫にて

川内「えーっと確か・・・よっ」

川内「提督の手作りって言ってたから結構重いんだよねぇ」

鳳翔「大きいですね」

川内「よし・・・あれ?」

鳳翔「どうしたんですか?」

川内「なんか、見たことあるような・・・」

鳳翔「あら・・・そういえば、提督がちょっと前に何個か減ってるって言ってたのを思い出しましたね」

川内「こんなところに」

川内「まぁ、これは提督が帰ってきてからでいいか」

川内「そういえば炭どうするんだろう」

鳳翔(川内さんがすごく積極的)

846: 2015/01/10(土) 20:47:34.91 ID:544eKo320
数時間後

提督「すまんな。遅くなった」

川内「おかえり提督!それでさ、セット出しといたんだけど・・・」

提督「ああ、ありがとう」ニコッ

鳳翔「」ドキッ

提督「ん?一年近く放置してたはずだが、なんか綺麗だな」

提督「掃除してくれたのか?」

川内「いやーそれがさ・・・この子がこのセットに住み着いてたみたいで」

川内「手入れしてたみたいなんだ」

提督「・・・この子?」

川内「ほら、出てきて」

847: 2015/01/10(土) 20:59:10.27 ID:544eKo320
妖精「」チョコン

提督「・・・高速建造材の妖精じゃないか。勝手に居なくなったと思ったら」

川内「なんか、大事にされてそうなものだったから居心地良かったんだって」

提督「そうか」

妖精「」グッ

提督「何?焼く事に関しては任せろって?」

妖精「」シャキン

提督「それでやるのはいいが、火力はある程度抑えろよ?」

妖精「」ビシッ

提督「焼く人手が増えるのは嬉しい。頼んだぞ」

金剛「提督・・・はぁはぁ・・・は、速いデス・・・」

提督「やっと来たな。頑張ったな」

848: 2015/01/10(土) 21:03:58.70 ID:544eKo320
三日月「い、いくらなんでも買い過ぎでは・・・?」

提督「人数も多いし、大食らいも何人もいるからな」

提督「それより川内、電や響達はまだ帰ってきてないか?」

川内「え?まだ帰ってきてないよ」

提督「ふむ・・・ではまた出かけてくるとしよう」

三日月「えっ!まだ何か買いに行くんですかっ!?」

提督「お前達は休んでいいぞ。ああ、鳳翔の指示に従って肉はちゃんと冷蔵庫にしまっておけ」

提督「酒を買ってこないといけないからな。酒好き集めて買ってくる」

提督「野菜班の電と魚介班の響が戻ってきたら連絡くれ」

提督「隼鷹とか誘って行ってくるから」

提督「それと、今日の事は後に連絡する。それじゃあな」

849: 2015/01/10(土) 21:12:28.48 ID:544eKo320
夜中

提督「さすが電と響だな。いいもんを買って来ている」

提督「疲れて寝てしまったようだがな」

提督「さて、下ごしらえが大変だがやるか」

鳳翔「何かお手伝いさせてください」

木曾「俺も手伝ってやろう」

提督「お前料理できるのか?」

木曾「舐めるな。これでも人並みには作れるぞ。いざ嫁になるときにできなかったら恥ずかしいもんな」

提督「お前もそういう事考えるんだな」

木曾「心外だな。俺だって女だからな」

摩耶「しょうがねぇからあたしも手伝ってやるよ」

弥生「弥生も・・・手伝う」

提督「助かるが、無理はするなよ。それと鳳翔」

鳳翔「はい?」

提督「休んでいろ。たまには料理しない日があってもいいだろう?私達に任せろ」

鳳翔「ですが・・・」

提督「命令だ」ニコッ

鳳翔「・・・では、お言葉に甘えさせてもらいます」

850: 2015/01/10(土) 21:27:41.79 ID:544eKo320
提督「今日は徹夜だ。眠くなったら寝ていいぞ」

木曾「大丈夫だ。最後まで付き合うぜ」

摩耶「あたしは眠くなったら寝るぞ。遠慮なくな!」

提督「よし、それじゃあはじめるか」

提督「さっさと済ませるぞ。下ごしらえが終わっても、やることはたくさんあるからな」

木曾「おうよ!」
摩耶「おう!」
弥生「・・・がってん」

霧島「・・・元気ね・・・」

提督「ん?どうした霧島?」

霧島「喉が渇いたから飲み物をと思ったんだけど」

提督「フルーツジュースならすぐにでも出してやれるが」

霧島「あら?明日のためのじゃないの?」

提督「まかないでもあるから大丈夫だ。それに、飲んでも無くならないほど作れるぞ」

霧島「そう?じゃあ一杯もらおうかしら」

851: 2015/01/10(土) 21:34:56.43 ID:544eKo320
翌朝

提督「よし・・・後は次々作っていくしかあるまい。ご苦労だったな」

木曾「ああ・・・疲れたな・・・」

木曾(と言うか。俺より料理上手くてなんかイラつく)

摩耶「ああ、眠い」

摩耶(・・・手際が良すぎてついていくのがやっとだった)

弥生「終わった・・・いえい」

提督「よく頑張ったな。少し休んでおけ。私はこれから炭に火をつけなくちゃいけないからな」

提督「出来れば、全員起こしておいてくれると助かる」

弥生「了解」

提督「いい返事だ」ニコッ

852: 2015/01/10(土) 21:42:42.52 ID:544eKo320
パチ・・・パチパチ

提督「・・・多いから炭に火をつけるのもやっとだな・・・」

三日月「司令官。お客さんですよ」

提督「誰だ?こんな朝早くから」

憲兵「すみませんね。朝早く」

憲兵「と言うか。今から何する気ですか?」

提督「バーベキューだ。鎮守府みんなで」

憲兵「はぁ・・・謹慎中なんですからあんまり派手な事はしないでくださいよ」

提督「堅いこと言うなよ」

憲兵「まぁ、いいですけど」

憲兵「今日は、色々報告したいことがあるのと、少しあなたと話したかったんですよ」

憲兵「あなたに折り入って頼みたい事もあるので」

提督「火を起こしながらでもいいなら聞くぞ」

853: 2015/01/10(土) 21:52:48.32 ID:544eKo320
憲兵「簡単に言えば、あなたへの謹慎はそのまま問題なかったんですけど、Kの処罰は度を越えているから上で話し合うみたいです」

憲兵「まぁ、よくやったとは言われましたね」

提督「ほう」

憲兵「それと、K鎮守府に居た子達なんですけど、確認しに行ったら」

憲兵「ほぼ機械の様に無表情で生きているのかすら心配になるぐらいでしたね」

提督「ひどかっただろう」

憲兵「新しい提督を配属しようにも、あのままじゃいうことを聞くのかどうかも怪しいですし」

憲兵「何より、新人の提督がやっていけないんじゃないかと思いまして」

提督「だろうな」

憲兵「そこで、あなたに頼みたい事があってですね」

憲兵「K鎮守府の子達を、元気づけて欲しいんです。朝潮を元に戻したように」

提督「気付いてたか。朝潮がKの部下だと」

憲兵「まぁ、薄々は。証拠があり過ぎてむしろどうあなたの部下だと思えばいいのかわかりませんでしたね」

憲兵「結局、朝潮本人があなたを自分の提督だと言ったので乗っからせてもらいましたがね」

提督「ふふ、ひどい奴だな。私情を挟みまくってるではないか」

憲兵「お互い様でしょう」

854: 2015/01/10(土) 22:02:45.80 ID:544eKo320
提督「それより、いいのか?私が再教育しても」

憲兵「何か問題でも?」

提督「私が育てると、待機命令すら守れないじゃじゃ馬にしかならないぞ?」

憲兵「それぐらいがいいんじゃないですか。そっちの方が、俺は楽しいと思いますよ」

提督「はは、否定はしない。まぁ、いつでも連れてこい。こっちの連中には私から説明しておく」

提督「にしても、でかくなったな。あの新人、お前の妹だったんだな」

憲兵「ええ、あの時気絶してた奴ですがね」

提督「事故に対しての記憶がなかったみたいだが?」

憲兵「あの事故の記憶だけ、なくなっているみたいなんです」

憲兵「まぁ、思い出さなくてもいいので放っておいてますが」

提督「自分の本能でトラウマの記憶を抑える事もあるらしいからな」

提督「ああ、そろそろいい具合だ。どうだ?お前も一緒にやってくか?」

憲兵「いえ、他にも色々と用事があるので」

提督「そうか。残念だ。では、暇がまたゆっくり話そう」

憲兵「はい。それでは、K鎮守府の子をここに連れてくるときは連絡します」

提督「ああ、待ってる」

859: 2015/01/13(火) 00:07:08.07 ID:Yff5bBky0
提督「ああ、そうだ」

憲兵「はい?」

提督「お前には言っておこうと思うんだが、うちの部下は、三人ほど深海棲艦化していた」

提督「完治はしていると思うが、私もKと同罪だな」

憲兵「それを俺に話してどうするんですか?」

提督「いや?お前が上に報告してもいいし、そのままほっといてもいい」

提督「報告すれば、お前の評価は上がるだろうな」

憲兵「・・・」

提督「まぁ、好きにすればいいさ」

憲兵「そんなんだから、出世できないんですよ」

提督「出世に興味はないからな」

憲兵「ふふ、だからこそ、年下に好かれるんでしょうけど・・・それでは俺はこれで」

提督「ああ」

860: 2015/01/13(火) 00:22:14.42 ID:Yff5bBky0
数十分後

響「司令官、皆起き出したよ」

提督「来たか。バーベキューらしい串焼きはもう焼けて、もう食えるぞ。妖精も中々いい仕事してるからな」

妖精「」ドヤッ

提督「魚介もそろそろ焼き始めるが、どうだ。まずは飲み物か?」

提督「響がいい魚介を買ってきてくれたからな。さすが響だ」ナデナデ

響「・・・」カァァ

提督「サラダもあるぞ。なんでも食え」

鈴谷「はいはーい!鈴谷、喉渇いたー!」

隼鷹「まずビールだろビール!」

提督「缶ビールやら酒関連はそこのクーラーボックスに入ってるから好きなの取れ」

提督「ジュースが飲みたければそこのウォータージャグに色々入ってるから飲め」

提督「今日はジャンジャン食って騒げ!言っておくが今日だけだからな」

鈴谷「提督ー!提督はお酒飲まないのー?」

提督「ああ、少ししたら飲むさ。人数が人数だからな。後からは食いたきゃ自分で焼いて食ってくれ」

提督「それじゃあ、食い始めるか!」

861: 2015/01/13(火) 00:43:41.42 ID:Yff5bBky0
木曾「美味い!手伝った甲斐があったもんだ!」ガツッ

天龍「うめぇな・・・提督ってこんなうめぇもん作れたんか・・・」バクッ

隼鷹「いやーいいねぇこの味付け、たまらなく癖になるな。串物はこう引き抜いて食うのも風情があっていいねぇ」

熊野「ナイフとフォークはないんですの・・・?」

鈴谷「そうじゃなくてこうやって食べるんだよー熊野」グイッ

熊野「野蛮な食べ方ですわ・・・でも、鈴谷似合いますわね」

鈴谷「ワイルドっしょ?」

提督「熊野、フォークとナイフあるぞ」スッ

熊野「あら・・・ありがとうございます」

鈴谷「ちょっと提督!熊野にワイルドな食べ方させたかったのに!」

提督「そう言うな」

菊月(あの食べ方かっこいいな・・・)ガッ

菊月「あちっ」

長月「無茶するな。熱いの苦手だろう」モクモク

菊月「ぐう・・・」ヒリヒリ

862: 2015/01/13(火) 00:56:10.52 ID:Yff5bBky0
数時間後

提督「・・・だいぶ食ったな」

電「司令官さん。お客さんなのです」

提督「ん?今度は誰だ?」タッ

電「あ!鎮守府の出入り口じゃないのです。あっちなのです!」

提督「あっち?あっちは海だぞ?」

ザバッ

南方棲戦姫「・・・」ジーッ

提督「・・・確かにお客さんだな」

電「お客さんなのです」

南方棲戦姫「・・・お腹、減ったわ」

提督「美味い匂いに誘われたな。これでも食うか?串焼きだが」スッ

飛行場姫「・・・」ジーッ
装甲空母姫「・・・」ジーッ
戦艦棲姫「・・・」ジーッ

南方棲戦姫「・・・仲間、話したら、行きたいって」

提督「団体さんだったか。一緒に食ってくか?食物なら、食いきれないほど買ってきてるからな」

863: 2015/01/13(火) 01:14:05.28 ID:Yff5bBky0
加賀「・・・」パクッ
装甲空母姫「・・・」パクッ

陸奥「これも食べる?何食べても、美味しいわよ」
戦艦棲姫「ん・・・」

青葉「あ、記念に写真とっていいですか?」
飛行場姫「いいわよ・・・」

提督「・・・気に入ったみたいでよかった。うちの部下とも仲良くなっているようだな」

南方棲戦姫「・・・よかった。ここなら・・・打ち解けられると思ったわ・・・」

南方棲戦姫「・・・それより・・・顔が・・・コロコロ変わるようになったわね・・・」

提督「ああ、肩の重荷が下りたからな」

南方棲戦姫「そう・・・そっちの方が、魅力的よ」

提督「ああ、ありがとう」

金剛「提督!他の子にデレデレしてだらしないヨ!」

提督「褒められたら仕方がないだろ・・・」

金剛「褒める事ならいくらでも褒められるヨ?」

提督「ありがたみがなくなるからやめなさい」

864: 2015/01/13(火) 01:29:11.28 ID:Yff5bBky0
バーベキューは夜まで続いた

そして

南方棲戦姫「今日は・・・ありがとう・・・」

提督「ああ、うまかったか?」

深海棲艦達「」コクッ

提督「なら、よかった。これから、気軽に遊びに来てくれ」

南方棲戦姫「ええ・・・それじゃ。これからも、戦うかもしれないけど・・・」

提督「その時は、お手柔らかにな」スッ

南方棲戦姫「・・・ええ、こっちからも・・・頼むわ」ギュッ

提督「・・・」ニコッ

南方棲戦姫「・・・」ニコッ

バシャ

陸奥「・・・前来たときも思ったけど、悪い子達じゃないわよね」

提督「そうだな。もしかしたら、一緒に過ごせる日が来るかもしれないな。出来れば、そうなって欲しいものだ」

865: 2015/01/13(火) 01:40:47.39 ID:Yff5bBky0
提督「さて・・・だいぶ散らかったな。片付けるぞ」

提督「金網を洗うのは少し手間がかかるが、任せられるか?鉄板は重いから長門に任せてあるが」

雷「任せて!私にかかればちょちょいのちょいよ!」

暁「暁も手伝うわ!大人のレディとして、これくらいの事出来なきゃね!」

提督「そうか。ならば、私は炭の始末と本体を片付けるとしよう」

霧島「手伝う?」

提督「ありがたい」

霧島「前のおにぎりのお礼だと思って」

提督「そうか。いいことはしておくもんだな」

霧島「・・・そういえば、そろそろ秘書艦変えたりしないの?」

提督「そうだな・・・そのうち考えるさ」

霧島「・・・なんなら、私が秘書艦になってもいいわよ?」

提督「一度、秘書艦経験が長く続いた者にはあまりさせない様にしてるんだ。電は特例だったけど」

霧島「残念ね。仕方ないことだけど」

提督「ああ、いつになるかわからんが、その時は頼む」

霧島「ええ」

866: 2015/01/13(火) 01:50:37.94 ID:Yff5bBky0
提督「・・・爆睡してる奴はその相部屋してる奴に運んでもらえ」

長月「まったく・・・カッコつけて酒なんか飲むからこうなるんだ」

菊月「うう・・・ぎぼぢわるい・・・」

隼鷹「ヒャッハー・・・」グゥ

瑞鳳「ああもうお酒臭い・・・」

加賀「赤城さん、戻りますよ」

赤城「えへへ・・・お腹一杯・・・」グゥ

鈴谷「でへへー熊野は可愛いなぁ!」スリスリ

熊野「鬱陶しいですわ!やめなさい!」ペシッ

響「・・・まったく、暁は無理に大人ぶりたがりすぎ・・・」

暁「頭いったーい・・・」

電「しっかり立つのです」

暁「もー無理ー、おんぶ」

雷「世話がかかるお姉ちゃんねぇ・・・」

867: 2015/01/13(火) 01:59:49.10 ID:Yff5bBky0
提督「今日はご苦労だったな」

青葉「司令官!スパイしたときみたいな報酬、お願いしますね!」

提督「ああ、体が煙いかもしれないから、しっかり洗濯と自分の体を洗うように」

木曾「了解。俺達は部屋にもどるが、提督はどうするんだ?」

提督「今日は張り切りすぎて疲れた。少し残って一人で飲むさ」

木曾「そうか。もう秋も近いし寒くなるだろうから、風邪だけは引くなよ」

提督「ああ、わかってるよ」

響「おやすみ司令官」

提督「ああ、おやすみ」

868: 2015/01/13(火) 02:12:17.53 ID:Yff5bBky0
提督「・・・終わってみると、やはりあっという間だな・・・」

提督「色々考えて、計画立てて、作戦して、ふと思い返せば、全てが終わっている」

提督「ん・・・はぁ・・・年を取ると、寂しさが溢れそうになるな・・・」

提督(これからどうしようか。Kの所の子達を再教育か。少し骨が折れそうだが、なんとかなるだろう)

提督(しかし、まだ響と朝潮のメンタルケアもある・・・朝潮は三日月や初霜に任せておけばなんとかなるだろう)

提督(響の方は、本人が問題だからな・・・不安にさせないよう、私も気を付けなければ)

提督「・・・酒なんて久しぶりだな。飲んで嫌なことを忘れようと思ったが、酔わんし美味いとは思わん」

提督「はぁ・・・」

タッ

提督「ん?」

???「防波堤から足を投げ出して、寂しそうな顔でどうしたんですか?」

提督「ああ・・・少し、寂しくなってな」クッ

???「・・・横、座ってもいいですか」

提督「いいぞ。私の横でよければな・・・っと、そうだ」バサッ

???「上着、汚れちゃいますよ?」

提督「構わん。お前のスカートが汚れる方が問題だからな」

877: 2015/01/17(土) 11:35:51.11 ID:7D8AecQ90
???「少しだけ肌寒いので、私が羽織らせてもらいます」

提督「・・・お前がそれでいいならそれでもいいが・・・」

???「・・・司令官の匂いがします」

提督「加齢臭だろうなぁ。臭かったら敷いて座れ」

???「いえそんな・・・心地のいい匂いです」

提督「・・・そうか」

???「もし、臭いって言われたらどうしたんですか?」

提督「ちょっと落ち込んだな」

???「あはは・・・なら言わなきゃいいのに・・・」

提督「それより、今日は楽しかったか?あまりお前を見かけなかったが」

???「はい楽しかったです。途中抜けちゃいましたけど・・・」

提督「そうか。なら、よかった。三日月が喜んでくれたみたいで」

878: 2015/01/17(土) 11:42:52.38 ID:7D8AecQ90
三日月「・・・」

提督「・・・」

三日月「あの」
提督「なぁ」

三日月「あ・・・司令官からどうぞ」

提督「・・・じゃあ聞きたいんだが、お前は今幸せか?」

三日月「え?あーそうですね・・・よくわかりません」

三日月「幸せかどうかはわかりませんが、司令官とこうして話せるのは嬉しいですね」

提督「・・・そうか。なら、よかった」

提督「三日月はなんだ?」

三日月「・・・四つほど、聞きたいことがあるんですけど」

提督「なんだ?」

三日月「深海棲艦化の事をまず聞きたかったんです」

提督「どういうことだ?」

879: 2015/01/17(土) 11:55:09.22 ID:7D8AecQ90
三日月「司令官は何かわかったんじゃないですか?」

三日月「響の深海棲艦化が治って居たときも、やっぱりと言っていましたし」

提督「ああ・・・朝潮の件でなんとなく、わかっただけだ」

三日月「どういうことですか?」

提督「私の推測だが、深海棲艦化は、沈みかけた時の大きな負の感情に呪いが根付く」

提督「恐怖だったり不安だったり」

提督「元となった不安や恐怖を餌に他の不安までも増長させ深海棲艦へと近づけさせる」

提督「・・・朝潮は、Kの奴に恐怖していた」

提督「だが、あの時朝潮は、お前の力を借りて、その恐怖に打ち勝った。そして自信をつけた」

提督「だから深海棲艦化が失くなった。そう考えれば、電が治った理由も、響が治った理由も説明がつく」

提督「電は沈んだ時、役に立てなかった事を悔やんだ。そして、帰ってきてしまったからそれが新たな不安になった」

提督「響もそうだ。任務失敗、その上沈みかけて信頼が失くなったと不安になった」

提督「電も響も、その不安を取り除いたらあっさり消えた」

提督「簡単なことだったんだ」

880: 2015/01/17(土) 11:58:53.12 ID:7D8AecQ90
提督「呪いの根が張った負の感情を取り除かず、ただ小さな不安ばかり解決しても」

提督「いつまでも残っている呪いが増長させて成長する。それこそ、雑草のように」

提督「元から断つ必要があっただけなんだ」

三日月「・・・なるほど・・・」

提督「あくまで推測だ。本当の事じゃない」

三日月「でも、それだったら辻褄が合いますね」

提督「・・・いや、響のだけはどうしても納得出来ない節もある」

提督「あいつの不安は、言葉だけではどうしようもなかった。なのにどうして消えたのか」

三日月「それは、簡単なことですよ」

提督「何?」

三日月「それより、二つ目の質問です」

提督「なんだ?」

881: 2015/01/17(土) 12:05:14.69 ID:7D8AecQ90
三日月「どうして深海棲艦達が船を沈めた事にされたんですか?」

三日月「潜水艦さん達に船を見てきてもらったんですよね」

提督「ああ、あの壊れ方は、明らかに内側からの破壊によるものだ」

提督「どう考えても、外側から壊れるようなものではない」

提督「自爆テロか・・・もしくは事故か」

三日月「でもどうして・・・」

提督「上が一般市民からの募金を集めるためだ」

提督「ただでさえ莫大な金がかかるこの職業、資金難だったんだろうな」

提督「一般市民を騙して自分の懐に入れているわけではなく、私達に予算として渡されている手前」

提督「何も言えんのだが」

提督「まぁ、一人ぐらいは懐に入れている奴は居るだろうがな」

提督「客船を沈められ、一般市民に危害が及ぶと言えば、自分が大事な奴は募金をするだろう」

882: 2015/01/17(土) 12:12:17.24 ID:7D8AecQ90
三日月「それでは三つ目。敵である深海棲艦達にあそこまで優しくできるんですか?」

提督「深海棲艦化を目の当たりにした以上、あいつらも元は艦娘だったんだろう」

提督「不安、恐怖を抱えて沈んだ。それを癒せぬまま深海棲艦し、深海棲艦になったら、私達に沈められ」

提督「呪いが沈む恐怖を増長させ、その恐怖に新たな呪いが根を張る」

提督「・・・悪循環をした結果なんだろう」

提督「あいつらからの攻撃を仕掛けてくることはない」

提督「一部に至っては来るなと言ってくる」

提督「あいつらはもう、沈みたくないんだろうさ。戦いも出来る限り避けたいんだろう」

三日月「・・・」

提督「敵が攻撃してくる。迎え撃たなければまた沈められる」

提督「それが私達に攻撃をしてくる理由だ・・・と私は思っている」

883: 2015/01/17(土) 12:19:56.38 ID:7D8AecQ90
提督「おそらく、一番の被害者はあいつらだ」

提督「こんな考えしてる奴なんて、どこの鎮守府探しても私だけだろうな」

提督「電とも約束しているが、助けられる命は、私も助けたい」

提督「・・・それが、あの難しい命令の理由でもある・・・」

三日月「・・・命令については、私も賛成でした。戦いである以上、誰かが命を落とすのは仕方なのないことですが」

三日月「出来るだけ助けたいのは・・・皆同じ気持ちだと思います」

三日月「司令官についてきてる皆は」

提督「・・・ああ、そうだな。私は幸せ者だよ」

三日月「・・・やっと幸せから逃げることをやめたんですね」

提督「お前達は私を幸せにしてくれている。今度は、私がお前達を幸せにする番だ」

提督「私を慕ってついてきてくれるお前達には・・・幸せになって欲しいからな」

三日月「はい・・・それでは、最後の質問です」

提督「いいぞ。なんでも聞いてくれ」

三日月「・・・どうして、嘘をつくんですか」

888: 2015/01/19(月) 02:19:25.94 ID:BEY2V0tG0
提督「・・・」

三日月「司令官を好きな人たちなら、薄々気づいていると思います」

三日月「本当は、私達の幸せを望んでない」

提督「・・・そんなことは」

三日月「いえ、思っています」

提督「む・・・証明できるのか?」

三日月「証明は、出来ません。けど、司令官が嘘を言っている時、少しだけ、視線を外します」

提督「・・・」

三日月「口を酸っぱくして幸せになって欲しいと言っているときは、必ず合わせていた目線を少しだけずらす」

三日月「だから」

提督「そう・・・なのか?」

三日月「・・・はい」

提督「そうか・・・」

三日月「否定は・・・しないんですか?」

提督「否定はしない・・・」

889: 2015/01/19(月) 02:27:25.06 ID:BEY2V0tG0
三日月「どうして・・・ですか?幸せになることは、悪いことですか?」

提督「悪いことではない。ただ・・・」

提督「いや、知る必要はない」

提督「知る必要は、ないんだ・・・」

三日月「・・・司令官、これを」スッ

提督「これは・・・指輪」

三日月「お返しします」

提督「お前にあげたものだ好きに使え」

三日月「お返しします」

提督「しかし」

三日月「私には必要ないので」

提督「どうしてだ?」

三日月「司令官が、私達の幸せを望んでいないのなら、これは私が持つべきものではないので」

三日月「それでは」スッ

三日月「司令官と一緒に居ることも、おそらく出来ませんから・・・」ボソッ

提督「・・・待て」

890: 2015/01/19(月) 02:40:34.14 ID:BEY2V0tG0
三日月「・・・なんですか?」

提督「いや・・・その・・・なんだ・・・誤解なんだ」

三日月「・・・」

提督「誤解じゃなくてだな。幸せにはなって欲しいんだ。それは本心だ」

提督「だが、そのためにはやはり、幸せにはなって欲しくない」

提督「手に入れて欲しくない」

提督「・・・難しい事を言っているがそうなんだ。つまり」

三日月「・・・だから幸せになって欲しくないと?」

三日月「今の司令官は、矛盾した事ばかり。訳がわかりません」

提督「・・・ああ、そうだな。すまん。ただ、これだけは知ってほしい。幸せになって欲しいのは本当だ」

提督「頭がこんがらってきた・・・ちょっと待ってくれ」

三日月「・・・簡単な事を聞きます」

提督「なんだ」

三日月「私は、あなたの側に居てもいいということですか?」

提督「ああ」

スッ

三日月「それじゃあ、ここできっちり理由を話してもらえますか?」

提督「・・・わかった。話そう。本当に、お前のような負けず嫌いには勝てんな・・・」

891: 2015/01/19(月) 02:52:22.01 ID:BEY2V0tG0
提督「・・・考えれば簡単な事だ。お前たちに、大切な人を失う絶望を知って欲しくない」

三日月「大切な人って・・・」

提督「大切な人は友人でも恋人でも仕事仲間でもいい。そんな人を失う悲しさを知って欲しくない」

提督「私は、二回もその悲しさを体験した。妻の時と、娘の時だ」

提督「妻の時は、娘が居たから耐えられた」

提督「だが、娘の時は、本当に立ち直るのに時間がかかった」

提督「立ち直れしたが、辛くて辛くて、今だに大きな月が出るときは涙がこみ上げてくる」

提督「二人が居なくなってしまった時にも同じような月が出ていた」

提督「・・・そうなんだ。本当にその時の事を思い出しただけで・・・ぐっ」

三日月「・・・司令官」サスサス

提督「すまない・・・」

三日月「つまり、司令官は、トラウマを克服できない情けない自分と、幸せから逃げてたんですね」

三日月「そんなの自分勝手です」

提督「だが、電や朝潮、響は克服出来た。それなのに私は・・・」

892: 2015/01/19(月) 03:04:13.84 ID:BEY2V0tG0
三日月「そんなのどうだっていいじゃないですか」

提督「何・・・?お前に、私の気持ちが理解できるのか?」

提督「どんなに辛かったのか!わからんだろうが!」

三日月「わかりませんよ!司令官は何も言ってくれないじゃないですか!」

三日月「皆には悩み事はなんでも言えって言っておいて!」

三日月「自分は自分の悩みを抱え込んで!」ジワァ

提督「う・・・」

三日月「それに・・・それに・・・」

三日月「司令官が昨日、指輪を渡してくれたとき、どれだけ悲しかったか」

三日月「その時、もし、このまま司令官に会えなくなったらって思ったら・・・」

三日月「泣くの我慢したんですよ!」

三日月「幸せを失う事がどれだけ辛いかなんて、感じ方は人それぞれですだと思います」

三日月「司令官の半分も生きてない身分で偉そうな事言うのはどうかと思いますけど・・・」


893: 2015/01/19(月) 03:20:02.90 ID:BEY2V0tG0
三日月「それに、トラウマの件もそうです。あの三人はトラウマの原因が目の前にあったからこそ克服できたんです」

三日月「でも、司令官のトラウマは、原因が過去の物です」

三日月「治せなくても、仕方ないと思います。それに」

提督「う・・・ぐっ・・・」

三日月「一つくらい弱点があったほうが、人間らしいと思いますよ」

三日月「・・・泣いてもいいんですよ司令官」

三日月「辛いことがあったら、誰かに頼っていいんです。私だってそうします」

提督「すまない・・・本当に・・・すまない・・・そんな相談と言う簡単な事も出来ない提督で・・・」

三日月「・・・これからは、電ちゃんだけじゃなくても、相談に乗りますよ」

提督「ああ・・・そうだな。だが、泣かん。もう、泣かない」

提督「約束しよう。これからは、協力して行こう。私も、お前達みんなに助けてもらうことにするさ」

三日月「それじゃあ、指きりですね」ピッ

提督「ああ」キュッ

894: 2015/01/19(月) 03:27:51.12 ID:BEY2V0tG0
提督「・・・よしこれで・・・」

三日月「・・・もう一回です」

提督「何?」

三日月「幸せから逃げない。それを約束してください」

提督「それは・・・」

三日月「司令官が幸せになってくれれば、幸せになれる人だっているんです」

三日月「私もその一人です。ですから」

提督「それは約束出来ん」

三日月「もう、強情ですね」

提督「お前に言われたくない」

三日月「あ、そうだ」ゴソゴソッ

三日月(友司令官から受け取ったやつは・・・)

提督「ん?」

895: 2015/01/19(月) 03:37:10.59 ID:BEY2V0tG0
三日月「これ・・・」

提督「目薬?」

三日月「あ、こっちじゃなかった・・・こっちです」ソッ

提督「普通の紙と折り鶴?相当古ぼけているが」

三日月「友司令官からです。手紙のようですけど・・・」

提督「・・・姉さんからだな。どれ」

手紙『弟へ。千羽鶴が千一羽鶴になってたからあげる。これはあんたが持ってたほうがいいだろうし。姉より』

提督「・・・私はきっちり千羽しか折っていないんだが。もって行く前にちゃんと数えたはずだ」

三日月「私も一緒に数えたので間違いないはずですよね」

三日月「もしかしたら、ミヅキちゃんからの手紙かもしれませんよ?」

提督「っ!?何故、娘の名前を・・・?」

三日月「羽の所を見てください」

鶴の左翼『お父さんへ』

鶴の右翼『美月より』

提督「・・・何故、こんなものが・・・?」

896: 2015/01/19(月) 03:43:40.93 ID:BEY2V0tG0
三日月「・・・開けないんですか?」

提督「手が・・・手が震えてうまく開けられない・・・」ジワッ

提督「おかしい・・・手が止まらない・・・」プルプル

三日月「・・・私が、開けて、読んであげましょうか?」

提督「・・・頼めるか?」

三日月「はい・・・」カサカサッ

三日月「・・・」ジッ

三日月「準備はいいですか?」

提督「少し待ってくれ。深呼吸をする」

提督「スゥ・・・ハァ・・・スゥ・・・ハァ・・・よし来い」

三日月「それでは・・・」

897: 2015/01/19(月) 04:14:26.55 ID:BEY2V0tG0
三日月「お父さんへ」

三日月「私は、お父さんの娘として生まれて、とても幸せでした」

三日月「物心がつく前にお母さんが氏んじゃって、おばさんも居たし、お父さんが居たから笑顔で居られた」

三日月「今まで中々会えなくて本当の事言えなかったけど、私はお父さんが大好きだった」

三日月「お母さんと二人でお父さんの取り合いをしてみたかった」

三日月「私、お父さんのお嫁さんになるとか、色々言ってみたかった」

三日月「中学に上がっても同じ気持ちだった」

三日月「色々やりたいこともあったけど。お父さんの娘だったからほとんど後悔は無いけど」

三日月「私はお父さんを幸せにしてあげられない事」

三日月「それだけが心残りです」

三日月「お父さんで居てくれて、娘として愛してくれて」

三日月「幸せにしてくれてありがとう」

三日月「そして、私やお母さんの事、忘れてとは言わないけど」

三日月「新しい幸せを見つけて幸せになってください」

三日月「美月より」

898: 2015/01/19(月) 04:26:29.91 ID:BEY2V0tG0
三日月「だ・・・そうです」

提督「うう・・・ぐすっ・・・うああ・・・」ボロボロ

三日月(・・・仕方ないか・・・こんな手紙もらったんじゃ・・・)

三日月(私も泣きそうだったけど、ここで泣いたら負けな気がする)

提督「本当にすまん・・・涙が止まらない・・・こんな手紙を残して・・・あいつは・・・」

提督「・・・馬鹿な奴らだよ・・・妻も娘も・・・」

妻『あなたを愛していた』

提督「自分の命が危ないのに、他人の事ばかり・・・」

三日月「それは違うと思いますよ。あなただからこそ、出来たんだと思いますよ」

提督「そう思うか・・・?」

三日月「はい!私が奥さんや娘さんだったら、そう思います」

提督「そうか・・・そうか・・・」グイッ

提督「よし、吹っ切れた」

三日月「えっ早い」

900: 2015/01/19(月) 04:32:47.76 ID:BEY2V0tG0
提督「三日月、お前のおかげでもある。ありがとう」ナデナデ

三日月「あ・・・いえ、お役に立てて光栄です」カァァァ

提督「約束しよう。私も、お前達も幸せになろう」

提督「忘れていた。幸せを失った時には悲しさだけではなかった・・・」

提督「お前には特別に褒美をやろう。なにがほしい?」

三日月「えっ?それはちょっと・・・私は何もしてませんよ?」

提督「いい。私が与えたいんだ」

三日月「ええっと・・・それじゃあ・・・」

三日月(こんな手は卑怯だと思うけど・・・司令官相手に正攻法は通じないもん仕方ないよね)

三日月「キス、してください」

提督「」

901: 2015/01/19(月) 04:44:43.17 ID:BEY2V0tG0
提督「えっと・・・ど」

三日月「勿論口です」

提督「・・・むう・・・困ったなぁ」

三日月「私とするのは嫌ですか・・・?」

提督「いや・・・そうじゃないんだ・・・ただなその・・・」

三日月「何かご不満ですか?あ、私の口が臭いとかですか!?」

提督「いや、そうじゃない。臭くないから安心しろ」

提督「その・・・私も男だ。それはわかるな?」

三日月「はい・・・」

提督「私も溜まってるんだ。わかるな?」

提督「それに・・・お前は娘に似ているからイケナイ事をしている感じになってしまってだな・・・その」

三日月(怖い顔なのにあたふたしてる司令官ちょっと可愛い・・・)キュンッ

三日月(でも娘に似てるからどうしたんだろう。確かにイケナイことしてる気がしない気でも・・・あっ)

提友『だって俺の妹に似てるもんでなぁ』

三日月「・・・っ!」カァァ

902: 2015/01/19(月) 04:57:20.14 ID:BEY2V0tG0
三日月「あの・・・つかぬことを伺いますが司令官」

提督「な、なんだ」

三日月「奥さんは、私と同じくらいの時、私と似てましたか・・・?」

提督「・・・ああ・・・娘の外見は、妻に似ていてな。生き写しのように」

三日月「・・・あの、っていうことは・・・」

提督「・・・今、お前があと五歳年を取っていたら、私は我慢が出来なかったかもしれない」

提督「このタイミングで言うのもなんだが妻以外とそういう事したことなかったからな・・・」

提督「姿形、雰囲気も似ているお前がまだ幼くてよかったと思っている」

三日月「っていうことは、私にも司令官を落とすチャンスがあるんですね!」

提督「・・・だが、お前が大人になる頃には、私はもうじいさんだぞ?」

三日月「司令官が振り向いてくれるなら」

提督「・・・」ナデナデ

三日月「えっ?なんですか?」

提督「いや、本当に負けず嫌いだなと思って」

三日月「撫でられるのは嬉しいですけど、少し複雑です」

提督「ははは、よし、私も決心がついた」

三日月「っ!」ドキッ

903: 2015/01/19(月) 05:06:58.05 ID:BEY2V0tG0
提督「っと・・・その前に、どうせキスするなら二人きりの方がいいな」

三日月「えっ」

鈴谷「やばっ」

響「皆逃げろ!!」

電「退散するのです!」

青葉「ああ!せっかくのシャッターチャンスが!」

金剛「音声は取れてるんデショ!今は逃げるヨ!」

加賀「」ダッ

朝潮「だからやめようって言ったのにっ!」

大井「ちっ!気付かれてたのね!」

磯風「なんだもうちょっとだったのに」

川内「逃げるが勝ちよー」

明石「ひゃー!バレてたましたかー!」

904: 2015/01/19(月) 05:18:40.80 ID:BEY2V0tG0
提督「まったく・・・蜘蛛の子のように・・・」

提督「お前達もだハチ、イムヤ」

8「」ギクッ
168「」ギクッ

ザバァッ

提督「はぁ・・・」

三日月「え・・・もしかして今のやり取り全部聞かれてたんでしょうか・・?」オロオロ

提督「気付いたのは冷静になってからだが・・・全部聞かれてただろうな」

三日月「わ、私・・・気付かなくてすみません・・・司令官の泣き姿を・・・」

提督「いい、気にするな。それより、するんだろう?」

三日月「あ・・・はい・・・」ギュッ

三日月「目は瞑っているのでお願いします・・・」ドキドキ

提督「するぞ」

三日月「は、はい・・・」ドキンドキン

905: 2015/01/19(月) 05:28:28.00 ID:BEY2V0tG0
翌日

提友『よう俺だっはははははは!!!ダメだ笑いが堪えられん!!』

提督「朝から電話してきて・・・いきなり爆笑するとは何事だ」

提友『だってお前・・・・だってお前!!あの子にビンタされたんだってな!!』

提督「ああ・・・一晩経ってもまだヒリヒリする」

提友『まーお前にして進歩したほうだな!やっと吹っ切れたか!』

提督「・・・ああ、今まで心配かけてすまなかった」

提友『いいよ。お前がそう感じてくれてるならそれで』

提友『お前は人より辛い体験をしてきたからな。これからは自分の幸せの為に・・・な』

提友『だけどお前、はは、口にキスしてって言われたのに頬にして泣かしてビンタされたんだろ?』

提友『女心を分かってない奴だなぁ』

提督「いや・・・恥ずかしくなってしまって出来なくなってしまって」

提友『意気地なし』

提督「うるさい」

906: 2015/01/19(月) 05:38:26.92 ID:BEY2V0tG0
提友『それで?愛想尽かされたろ』

提督「いや・・・それがな・・・」

三日月「司令官!そろそろ朝御飯の時間ですよ!」

三日月「あ、ごめんなさい。電話中でしたか・・・」

提督「いや気にするな」

提友『ん?三日月の声か』

提督「ああ、朝飯だそうだ。切るぞ」

提友『あ、おい!話はまだ終わってないぞ』

提督「今度一緒に飲みに行ったときにでも話してやる」

提友『それなら許す。じゃあな』

提督「ああ、また今度な」

ガチャン

提督「行くぞ三日月」

三日月「はい!」ギュッ

提督「三日月、腕に抱き着くな」

三日月「いーえ!大人になるまでに司令官がキスしてくれるよう私、頑張りますから!」

提督(弱ったなぁ・・・余計積極的になってしまった)

915: 2015/01/20(火) 00:49:13.34 ID:vgUaVU740
響「朝からお盛んだね。私も」ギュッ

提督「お前もか・・・」

三日月「あ、ダメ!私が先だよ!」

響「恋に先も後もあるものか」

三日月「ぐぬぅ・・・」

鈴谷「あらあら、両手に花だね提督」

提督「茶化すな」

鈴谷「背中は鈴谷が乗っかっていいかな?」

提督「この状態ではお前の重さは耐えられんな」

鈴谷「ひどい!女の子に重いって言うなんて!」

提督「駆逐艦とは違うだろお前は・・・」

916: 2015/01/20(火) 00:58:26.04 ID:vgUaVU740
提督「重い・・・結局寄ってくるのか・・・」

鈴谷「えへへー。どう?響や三日月には出来ない事やって上げてるんだから!喜んでよね」グイグイ

提督「無理に押し付けられても辛いだけなんだが」

鈴谷「じゃあ直接?」

提督「朝っぱらからテンション高いなお前ら」

鈴谷「まぁね」

提督「さっさと飯行くぞ。謹慎中だがやることはたくさんある」

提督「Kのところの子達が来るらしいからな。メンタルケアの人員の配置に部屋割り」

提督「それに普段出来ない大掃除もしなくちゃならない」

提督「掃除に関しては全員にやってもらわないといけないからな」

鈴谷「うげぇ・・・掃除ー?鈴谷やだなー」

提督「文句を言うな。ほら行くぞ」

917: 2015/01/20(火) 01:12:14.40 ID:vgUaVU740
電「あ、司令官さん達来たのです!」

雷「おはよう司令官!今日もいい天気よ!」

提督「おはよう。はは、今日も元気だな雷」ナデナデ

雷「元気だけが取り柄だもの!」ニコニコ

鳳翔「提督!おはようございます!」

提督「ん?おはよう。珍しく張り切ってるな。どうした」

鳳翔「あ・・・えっと・・・おはようございます!」

提督「・・・ああ、おはよう」

鳳翔「うう・・・」

三日月「・・・司令官」クイクイ

提督「ん?・・・ああ、なるほど」ナデナデ

鳳翔「っ!ありがとうございます!」パァ

提督(・・・頭撫でられるのはそんなにいいのか)

鳳翔「それでですね提督。お願いがあるのですが・・・」

提督「ん?なんだ?」

918: 2015/01/20(火) 01:20:35.16 ID:vgUaVU740
鳳翔「いかがでしょう・・・?」

提督「んー、私が教える事はないと思うんだが・・・」

鳳翔「提督のお料理美味しかったので教えて欲しいんです!」

提督「まぁ、時間があるときには教えてやる」

鳳翔「ありがとうございます!それでは朝御飯をお出しします。うふふ」

提督「ああ」

三日月「すっかり胃袋掴んじゃいましたね」

提督「そんなことはないと思うんだがなぁ・・・一般人に毛が生えたくらいの腕前だと思うんだが」

響「私はもう胃袋を掴まれてるけどな!」キリッ

電「響!朝御飯一緒に食べるのです!」

響「えっ?ああ、いいよ」

提督(ボケて突っ込まれる前に遮られたか)

電「ちょっと顔赤いのです。大丈夫なのですか?」

響「いや?そんなことはないよ」

919: 2015/01/20(火) 01:25:55.51 ID:vgUaVU740
電「最近、可愛い響がよく見れて嬉しいのです!」

電「いつもはかっこいいのに・・・」

響「可愛いなんて・・・」

三日月「司令官」

提督「ん?」

三日月「前々から思ってたんですけど電ちゃんって・・・」

提督「ん、ああ、響の事好きなんだろうな」

三日月「あー・・・やっぱりそうですよねー・・・」

提督「引かないんだな」

三日月「少しは驚いてますが、私も大概なので」

提督「おっさん趣味だもんな」

三日月「もうおじいちゃん趣味と言われても否定できかねます」

提督「そうだな」

920: 2015/01/20(火) 01:30:33.07 ID:vgUaVU740
鈴谷「それって、鈴谷にも言ってる?鈴谷もおっさん趣味なんだけど」

三日月「同類じゃないですか」

鈴谷「そうだね」

提督「素直だな」

霧島「さっきから話聞こえてるんだけどさぁ」

霧島「鈴谷も響も、司令のこと諦めてないの?」

響鈴谷「全然」

霧島「今の現状じゃ、三日月が妻で二人は愛人だけど」

三日月「そ、そんな妻なんて・・・まだ早いですよ///」

響鈴谷「愛人でも問題ないから」

提督「お前ら・・・」

霧島「あっそう・・・」

921: 2015/01/20(火) 01:38:56.13 ID:vgUaVU740
鈴谷「そりゃあ提督だもん。少しぐらい女の子に囲まれないとねぇ」

響「それぐらいの甲斐性、余裕で持ってるだろうしね」

三日月「し、司令官が私一人じゃ満足できないなら・・・我慢します!」

提督「お前ら話が飛躍しすぎてるぞ。落ち着け」

提督「それに、まずは一人の女守れないことには甲斐性も何もないだろうが・・・」

三日月「それじゃあ!」パァ

提督「だから飛躍するな。まだキスもしてないだろうが」

三日月「私はもう頬にまでキスしてくれたじゃないですか!」

鈴谷「なにそれずるい!鈴谷にはキスしてくれないのに!」

響「そうだそうだ!私なんて自分からしかしたことないぞ!耳とか!」

提督「やるつもりは無いが、私からお前にしたら恥ずかしがるだろう」

響「顔から火が出るだろうな」

三日月「あはは・・・」

922: 2015/01/20(火) 01:54:46.98 ID:vgUaVU740
三日月「そういえば司令官。少し気になってたんですけど」

提督「なんだ?」

三日月「悪夢について、電ちゃんや、響や朝潮に聞きませんでしたよね」

三日月「そうすれば、もっと早く原因がわかったと思うんですけど」

提督「ああ。悪夢なんて、思い出したくもないもんだ」

提督「それを聞いて、無理やり思い出させるなんて酷だろ」

三日月「それもそうですよね・・・」

朝潮「三日月!三日月!」

三日月「あれ?どうしたの?」

朝潮「見て!東京タワーが出来たよ!」ビシッ

提督「おーすごいな」

朝潮「朝潮、頑張りました!」エッヘン

三日月「むう。悔しい」ムスッ

提督「なんだ。競争してたのか」

三日月「初霜と私と朝潮の三人で誰が一番最初に出来るか競争してました」

朝潮「ふふん!朝潮が初めて勝ったね」ドヤッ

三日月「次は負けないから!」

提督(あやとりか・・・)

923: 2015/01/20(火) 02:02:27.04 ID:vgUaVU740
三日月「司令官もあやとりってやったことあるんですか?」

提督「一応あるぞ。もう忘れてしまったかもしれないが」

朝潮「やってみてくださいよ!」

提督「ん」



提督「っとヘリコプター」

朝潮「す、すごい連続技・・・」ガーン

三日月「司令官ってなんでも出来るんですね・・・」

提督「まぁ・・・ある程度の事ならかじってるからな。ピアノとか格闘技とか」

提督「ああ、生け花とかもやったことはあるな」

暁「暁よりレディ・・・?」

雷「そういうことではないんじゃない?」

三日月「苦手な事はないんですか?」

提督「今のところは女の子の扱いが苦手だ」

朝潮「朝潮!もっと精進します!」

提督「おう。がんばれー」

924: 2015/01/20(火) 02:13:11.40 ID:vgUaVU740
食事終了後

執務室

三日月「・・・司令官。昨日の事を掘り返すのもアレなんですけど」

提督「ん?どうした?」

三日月「司令官は、今幸せですか?」

提督「私は、お前達と一緒に過ごせるだけで嬉しいし、幸せだよ」

三日月「・・・嘘は無いみたいですね」

提督「私の目を見て嘘かどうか判断しようとするな」ムッ

三日月「すみません・・・ついクセで」

提督「まぁ、それで信用されてるならそれでいいさ」ニコッ

三日月「ふふ、司令官が、喜んでくれてるみたいで良かったです」

ガチャ

電「司令官!大勢のお客さんなのです!」

提督「ん、了解。さて、今から楽しい大仕事に入るぞ三日月!」

三日月「はい!司令官!」






925: 2015/01/20(火) 02:18:16.88 ID:vgUaVU740
番外

その後の深海棲艦達との関係

北方棲姫「・・・ん」

提督「・・・ここは託児所じゃないぞ?」

港湾棲姫「お願い・・・夕方には・・・迎えにくる」

提督「夕方までだからな」

南方棲戦姫「提督さん・・・?デザートはまだ・・・?」

提督「お前もお前で飯だけ集りに来るな!皿ぐらい洗っていけ」

提督「まったく・・・」

三日月「司令官!!護衛要塞達が猫に転がされてます!!」

提督「ああそれは・・・」

南方棲戦姫「遊んでるだけだから・・・」

三日月「えっ!?」

926: 2015/01/20(火) 02:23:34.91 ID:vgUaVU740
今回のSSはこの辺で

長くなりましたが終わりです
これで完結
K鎮守府の子達は朝潮を筆頭に元気を取り戻しました
続きはないです
オチにインパクトが足りない(確信)


前作

Верный「あの人が一切、私に手を出してこない」 【艦これ】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396454238/

936: 2015/01/20(火) 23:43:05.45 ID:vgUaVU740
次回作は 朧と曙と漣と潮の四人を中心に書きたいと思っているんですが

誰を主人公になるかは内緒です

いつになるかはわからないけど、書くつもりです

937: 2015/01/20(火) 23:44:27.25 ID:vgUaVU740
あ、言い忘れてました

こんな誤字脱字が多いSSに付き合ってくれた方ありがとうございました

引用: 艦娘達「提督の喜怒哀楽がみたい」【艦これ】