1: 2014/11/04(火) 21:20:43.58 ID:MQxfXC0v0
・このSSは三人の艦娘による平凡な出し抜き合いを書いたモノです、過度な期待はしないで下さい

・登場する艦娘はお手持ちの艦娘と多少性格や口調が違う場合がございます、ご了承下さい

・工口、グロ、轟沈、鬱展開はございません、撃つ展開のみです

・様々な設定は過去建てたスレよりそのまま使い回しています(読んでなくても説明入れるので問題ないです)

・地の文あります、苦手な方はごめんなさい

・更新はのんびり

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1415103633

2: 2014/11/04(火) 21:21:38.73 ID:MQxfXC0v0
 ――その鎮守府には、秘書艦が三人居た。

 何時も明るく元気一杯、初期艦の吹雪。

 艦隊のムードメーカーであり、日々面白い記事を書くことに余念の無い青葉。

 この鎮守府における初の重巡であり、常に気配りを忘れない古鷹。





 ――と、いう設定に表向きはなっている。
Model Graphix ARCHIVES 艦隊これくしょん 「艦これ」2
3: 2014/11/04(火) 21:22:14.29 ID:MQxfXC0v0
 執務室に、四つのペンの音だけが響く。他に聞こえるのは、紙を捲る音か椅子が軋む音ぐらいのものだ。
 この空間を何かに例えるならば、締め切り前の漫画家の部屋、というのが一番しっくりくるかもしれない。

(……息が詰まる。何で三人とも一言も話さないんだ? 普通年頃の女の子が三人も居たら会話に花咲かせるものだろ。三人が艦娘だからか? いやいや、姉妹艦と楽しそうに話しているのは良く見かける。ということは、俺が居るから話さない……?)

 行き着いた結論に、提督の胃がキリリと痛む。
 “艦娘とは、艦であると同時に女性として扱うべき存在だ”。そう教えられてきたが故に、彼はセクハラにならないよう、細心の注意を払って彼女達と接してきた。
 しかし、現状を鑑みるに彼は何か失敗しているのだ。そうでなければ、かれこれ一時間近く会話が発生しないなどということはあり得ない。

(待てよ、彼女達が不仲だということも……いや、昼食や夕食も一緒に食べている姿を何度も見ているし、その可能性は低い。過去には色々あったようだが、そこについてはもう和解済みだとも言っていた。ならばやはり俺が原因ということに……)

 今の季節は秋、気温は過ごしやすくちょうどいい。しかし、提督の全身には嫌な汗がジットリと浮かんでいた。
 彼の頭に浮かぶのは“憲兵”の二文字。もし、ここに居る三人が口裏を合わせてセクハラを受けたと言えば、その時点で全てが終わる。
 中には艦娘を快く思わない軍幹部も居るが、そんな相手との繋がりは彼に無い。

(どうするどうする提督になれて艦娘とはいえ見目麗しい子達と共に世界平和の為に尽力出来る最高の環境だと思っていたのにこれじゃ針の筵じゃないか戦果は十分挙げてるし中佐まで登り詰めたのにこんなところで俺は終わるのか!?)

 規則的に響き続けるペンの音が、余計に彼の心を不安で埋めていく。
 今、彼女達から一言でも言葉を投げ掛けられたなら、彼は提督としての立場など忘れて反射的に土下座してしまうだろう。




 ――しかし、これはあくまで提督の視点から見た話である。

4: 2014/11/04(火) 21:22:43.49 ID:MQxfXC0v0
 ――駆逐艦Hさんの場合。

「司令官は私が色々慣れてなくて失敗しても、一緒に成長していこうって秘書艦から外さず居てくれたんです」

「少し髪型を変えただけなのに、気付いてくれたりするのも嬉しいです。それってちゃんと私のことを見てくれてるってことですよね?」

「小破未満の傷でも見逃さず、入渠するよう言ってくれるところなんかも素敵だと思いませんか?」

「――ただ、最近はAさんとHさんが秘書艦の増員で執務室に居るので、二人で居られる時間が無くなっちゃって……」




「はっきり言って、あの二人邪魔です」

5: 2014/11/04(火) 21:23:13.21 ID:MQxfXC0v0
 ――重巡洋艦Aさんの場合。

「司令官の事ならA葉、何だって知ってます」

「生年月日、出身地、母校、小学生の頃の夢、所属していたクラブ、女性と付き合った回数、エOチな本の趣味等々。A葉、全部調べちゃいました」

「だって、司令官が好きに取材していいって言ったんですよ? “ずっと一緒にこれから頑張っていく仲間に、隠す事なんて何も無い”って」

「A葉、それ聞いて嬉しかったんです。司令官とならきっとどんなに辛い時も頑張って乗り越えられるって、柄にもなく思っちゃいました」

「――でも、A葉は司令官だけをずっと取材してたいのに、ファインダーを覗くと必ず写り込むお邪魔虫が居るんです」




「A葉の取材に、二人は邪魔だなぁ」

6: 2014/11/04(火) 21:23:43.16 ID:MQxfXC0v0
 ――重巡洋艦Hさんの場合。

「私、実はこの目が少しコンプレックスなんです。でも、提督は“綺麗だ”って言ってくれたの」

「重巡洋艦の良いところや有用性を話した時も最後まで真剣に聞いてくれたし、私達に真摯に向き合ってくれてるのが伝わって来るんです」

「妹の加古にも優しいし、提督としても人間としても素敵な人だと思います」

「秘書艦増員で私が選ばれた時は、思わずやったって言っちゃった」

「――だけど、秘書艦は一人だけにしてくれた方が嬉しいかな」




「提督の良いところは、私だけが知ってればいいよね?」

7: 2014/11/04(火) 21:24:42.98 ID:MQxfXC0v0





「「「背中は、絶対に見せない」」」





8: 2014/11/04(火) 21:25:12.62 ID:MQxfXC0v0
~主要登場キャラ説明~

・提督→階級は中佐。外面が大変良く、艦隊指揮能力も高い為、所属する艦娘からの評価は高い。但し、それは根が臆病故に細心の注意を払っているからであり、常に彼の胃はキリキリと痛みを発している。

「憲兵恐い憲兵恐い憲兵恐い……」


・吹雪→初期艦。練度はこの鎮守府ではトップ。秘書艦として過ごしてきた期間が一番長く、“こんなことも知らないの?”と他の二人を暗に挑発する時がある。提督にもらった髪留めを常に頭に着けている。

「誤射は無罪ですよね?」


・青葉→表向きは鎮守府内の出来事等を記事にしているが、その実、“コレを青葉は知っています”という脅しが密かに込められている。提督に関する情報をまとめたノートは、ちょうど三十冊。愛用しているペンは提督の贈り物。

「味方(てき)はまだこちらに気付いてないよ」


・古鷹→普段は帽子を目深に被って目を隠しており、取るのは提督の前と出撃の時だけ。寝ている加古に提督との未来設計を延々と語ったり、加古に提督をお兄ちゃんと呼ばせようとしたりしている。帽子は提督からのプレゼント。


「暗くても良く見えるよ。はっきり、ね」

9: 2014/11/04(火) 21:25:45.34 ID:MQxfXC0v0
~設定~

・艦娘は艦の魂が資源によって生成された肉体に定着した存在

・解体=魂を鎮め、肉体を資源に戻す儀式

・戸籍は無く、民法及び刑法上は人ではないが、軍法によって基本的権利は保証されている

・艦娘への暴行、セクハラ、パワハラは処罰対象となる

・ジュウコンカッコカリは認められているが、ケッコンカッコカリ艦同士の間で起こる一切の問題を、軍は関知しない

29: 2014/11/05(水) 21:11:59.64 ID:qm+sWnNF0
 行動を起こさずして、何かを得ることは出来ない。奇しくもその場に居る四人は同じことを考えていた。
 一人は、身の安全を確保する為。他の三人は、気が利くところを意中の男性にアピールする為。
 ――そして、示し合わせたかのように一斉に彼等は動き出す。

「「「「あの」」」」

 それぞれから発せられた一言だけを残して、再び静寂が場を包み込む。

(やっちまったあぁぁぁぁっ!? もう少し待てば向こうから話しかけてきてくれたんじゃないか何やってんだ俺どうすんだ俺さっきより気まずいじゃないか!)

(司令官、私に何の用だろう? お茶淹れますねって言おうとしたんだけど)

(青葉に何のお願いだろ? 今日は“青葉の用意した”紅茶とスコーンで休憩しよって言おうとしたのに)

(私に何の用かな? ハーブティーを作って持ってきたし、提督に飲んで欲しいな)

 緊張のあまり喉がカラカラになっている提督には、三人が今から言おうとしていることは嬉しい提案だ。




「司令官」
「司令官」
「提督」




 ――但し、誰か一人に提案された場合に限ってのことである。

36: 2014/11/06(木) 13:17:29.52 ID:8geym36x0
「ねぇ初雪、酷いと思わない?」

「うん、そだね」

「そうだよね、青葉さんと古鷹さんは私より後に来たのに図々しすぎるよね」

「うん、そだね」

「司令官は私が淹れたお茶を何時も美味しいって飲んでくれてたし、きっと二人に遠慮して喉が乾いてないって嘘吐いたんだよ」

「うん、そだね」

「明日は絶対司令官にお茶淹れてあげなきゃ」

「うん、そだね」

「――初雪、初雪は私の味方だよね」

「……うん」




 協力者は、大事だ。一人では何も出来ない。
 協力者は、大事だ。後ろに目は付けられない。




 協力者は、とても、大事だ。

37: 2014/11/06(木) 13:18:03.23 ID:8geym36x0
「衣笠、このスコーン食べちゃってください」

「いいの? いただきまーす」

「もういりませんから、また作ってもらえば済む話ですし」

「また金剛さん?」

「――そのスコーンを作ったのは、青葉ですよ?」

「……そう、だったね」

「良い人ですよねー金剛さん。他鎮守府で解体される予定だった比叡さんをうちで受け入れる話を青葉が進めたら、色々協力してくれるようになっちゃいました」

「二人、何時も一緒に居るよ」

「とっても幸せそうで、青葉も功労者として鼻高々です」

「……うん」




 味方は、多い方が良い。出来ることが増えるから。
 味方は、多い方が良い。人から受ける印象を操作しやすいから。




 味方は、なるべく、多い方が良い。

38: 2014/11/06(木) 13:18:51.56 ID:8geym36x0
「加古、起きて」

「んー……?」

「今日ね、提督にハーブティーを持って行ったんだけど、飲んでもらえず仕舞いになっちゃったの」

「ふーん……」

「加古も飲む? 落ち着くよ」

「あたしはいいや、あんまりハーブティー好きじゃないし」

「そっか、じゃあ加古にはココア作るね」

「ねぇ古鷹、ていと――」

「お兄ちゃん、でしょ?」

(……寝たい)




 妹は、大事にしなければならない。何時も一緒に居る相手だから。
 妹は、大事にしなければならない。将来設計にも関係するから。



 妹は、絶対に、大事にしなければならない。

56: 2014/11/07(金) 00:45:55.36 ID:6BIyMMrk0
 この鎮守府には幾つかの、派閥とでも言うべきものがある。主なものは、以下の四つだ。

 駆逐艦三名と軽巡三名、戦艦二名を擁する吹雪派閥。

 重巡一名と戦艦二名、軽空母一名、駆逐艦二名を擁する青葉派閥。

 重巡五名と空母二名、駆逐艦二名を擁する古鷹派閥。

 駆逐艦四名、雷巡二名、軽巡三名、航空戦艦二名、空母二名から成る不干渉派閥。

 こういった派閥があることを、勿論提督は知らない。
 “派閥”、と言い表しはしたものの、各派閥同士の関係が険悪ということはなく、寧ろ良好といって差し支えはない。
 当然である。そうでなければ、提督が中佐という地位に辿り着ける環境が整うはずもない。




 ――では、何故派閥というものが生まれたのか。それは、自衛の為に他ならない。

57: 2014/11/07(金) 00:46:33.62 ID:6BIyMMrk0
「明石さん、何時もの……」

「はい、一ヶ月分です。ちゃんと食後に飲まなきゃダメですよ」

「どもです……」

「明石さーん、私にも同じのちょうだい」

「衣笠さん、肌荒れも気にしてましたよね? コレ、試してみて下さい」

「うわー助かる。明石さん、ありがとね。今度何か奢っちゃう」

「いえいえ、私はコレぐらいしか出来ませんから」

「明石さん、前のよりキツメの睡眠薬くれない……?」

「不眠症、全然良くなりませんか?」

「うん、ぜんっぜんダメ……」

「でしたら一度、身体の緊張をほぐすタイプのお薬にしてみますね。あまりキツすぎるのは副作用の心配もありますから」

「分かった、試してみる」




「――衣笠さん、加古さん、だいじょぶ?」

「初雪こそ大丈夫? 顔色悪いよ?」

「ん、何とか、だいじょぶです」

「衣笠さん、盗聴機とか仕掛けられてないよね?」

「いくら青葉でもそこまではしないって、執務室には仕掛けてるかもしれないけど……」

「だって鈴谷と三隈なんてあっさり秘密バレてたし、どうやってあんなに情報集めてんのさ」

「とにかく情報に対する嗅覚が凄いの。比叡さんの一件だって、偶々提督が電話でそういう話をしているのを聞いて、自分で調べたみたい」

「でも、比叡さん助けたのは事実、です」

「金剛さんと比叡さんも感謝してるっぽいよね」

「でなきゃ青葉の為にスコーン焼いたり茶葉用意したりしないって。金剛さんも提督狙ってる一人だったんだし」

「上手く味方に引き込んだもんだよ、全くさ」

「色んな艦娘の秘密や弱味握ってるけど、提督絡まない限りは変に悪用したりはしてないし、情報活かしてプレゼントの相談とか乗っちゃってるもん。ホント、提督絡まなきゃ良い姉なんだけど……」

「吹雪も、普段は、優しい」

「古鷹は……まぁ、うん、お兄ちゃんって呼ばせようとするのだけやめてくれりゃいいや」




「「「……はぁ」」」

73: 2014/11/07(金) 22:23:57.48 ID:6BIyMMrk0
 穏やかな昼下がりに時折聞こえてくる、楽しそうな声。あまり自由があるわけではない彼女達の数少ない娯楽が、その声を生んでいた。

「吹雪、はいっ」

「磯波、行くよっ!」

「え、えっと――あぅっ……」

「磯波ちゃん、ドンマイだよ!」

「川内姉さん、ボールお願いします」

「任せて」

 和気藹々とバレーボールをする吹雪達。メンバーは白雪、磯波、川内、神通、那珂に吹雪を含めた六名だ。一応初雪も一緒に居るのだが、立ち眩みで参加をパスしている。
 ここに戦艦二名を加えたのが、吹雪派閥の艦娘達だ。そして、今ここに居るのは初期建造組であり必然的に付き合いも長く、一緒に行動することも多い。
 まとめ役の吹雪。落ち着いた雰囲気の白雪、少しオドオドしている磯波、撃つのは得意でも投げるのは苦手な初雪、吹雪と妹達を見守る川内、喧嘩仲裁役の神通、常にハイテンションな那珂。
 海域攻略においてもこの七人は要であり、必ず誰かが出撃しているのは周知の事実だ。
 ――そこへ、にこやかな笑顔を浮かべて混ざろうとする者が一人。

「――はいコレ、ボールです」

「ありが……」





「楽しそうですねー青葉も混ぜて下さい」

82: 2014/11/08(土) 17:23:24.95 ID:3ED/yUgL0
 円陣パス。バレーボールの授業などで良く行われる、チームワークと判断力、ボールを狙った位置に飛ばす力を養う為の練習だ。
 鎮守府での遊びとしても優秀で、ボールと広い場所さえあれば出来るという手軽さがある。
 誰かの名前が呼ばれない、失敗したら責められる、わざと遠くに飛ばす、そういった事も基本的には起こりはしない。

 ――基本的には、だ。

「ふぶ、きっ!!」

「あぁぁぁおぉぉぉばぁぁぁぁさんっ!!」

「吹雪っ!」

「青葉さんっ!」

 明後日の方向へ下から上に振り抜くようなアンダー、叩き付けるようなスパイク、顔面へ跳ね返すレシーブ、弾き返すようなオーバー。普通ならば続けられない、続けようとも思わない応酬が繰り広げられる。
 一緒に遊んでいた艦娘達は手慣れたもので、既に安全な場所へと避難していた。

「磯波、司令官は?」

「今、仮眠してるみたい」

「昨日、夜遅くまで書類片づけてたって、吹雪言ってた」

「じゃあパターンCでいっかな」

「那珂、お願いね」

「那珂ちゃんにお任せだよ。――あー! 古鷹さんだー! 仮眠室に向かってるー!」

「「っ!?」」

「……青葉さん、一時休戦しませんか?」

「異論無しです、司令官の寝顔を見ていいのは青葉だけです」

「真昼間から寝ぼけてるなんて、自室で仮眠した方がいいですよ」

「それは大変ですねーなら青葉も仮眠室で仮眠しちゃいます」

「「……チッ」」




「――行ったみたいですね」

「司令官、大丈夫でしょうか……?」

「だいじょぶ、今日の見張り、日向さんと加賀さん」

「それなら何かあっても止められそうだね、私達は続きやろっか」

「ボール、ありました」

「那珂ちゃんもさっきのアクロバットバレーにチャレンジしたい!」

「ひぅっ……」

「磯波が怯えてるので普通にお願いします」

「えーつまんなーい」




 ――仲良きことは、美しきかな。

95: 2014/11/09(日) 18:24:38.64 ID:cEjWuNGj0
 秘密、弱味、弱点、誰にでも一つや二つはあるものだ。それを知られるということは、あまり気分の良いものではない。
 食堂で作っていた梅酒を一瓶内緒で飲み干した者、内緒で犬を飼っていた者、食堂のみそ汁に味付けとしてタバスコを入れた者。深刻な問題行動ではないにせよ、誰かに知られては不味い事柄ばかりだ。

「青葉、また良い酒手に入ったって聞いたから貰いに来たぜー」

「相変わらずお酒には目が無いですねぇ隼鷹さん。また保管庫に忍び込んで飲んじゃダメですよ?」

「分かってるって、こうして上物が定期的に貰えるんならヤバい橋渡る必要も無いしね、ふふーん」

「じゃあまた良いのが手に入ったらお知らせしちゃいます」

「おぅ、またなー」

「……ねぇ青葉、隼鷹さんには何を見返りに貰ってるの?」

「やだなー人聞きの悪いこと言わないで下さいよ。隼鷹さんはただお酒の席で皆がポロッと溢した愚痴や本音なんかを青葉に善意で教えてくれてるだけです」

「へ、へぇーそうなんだー」

「夕立は立ち聞きした内緒話を教えてくれますし、磯風は艦隊の皆の動きで悪いところを教えてくれます」

「艦隊の皆の動きって?」

「こういう時に動きが鈍くなるとか、回避する時の癖とかです。衣笠は敵を沈めた後に隙が出来ているって言われちゃってましたよ?」

「うっ……た、確かにこの前撃沈した直後に被弾しちゃったかも……」

「今後、気を付けて下さいね?」

「あ、青葉だってそういうのあるんじゃないの?」

「記者たる者、常に万全の体勢でシャッターチャンス――いえ、敵の攻撃に備えてます」

「何かその理由で納得出来ちゃうのが悔しいわ……」




(――吹雪と古鷹の隙、早く見付かりませんかねー)

96: 2014/11/09(日) 18:27:25.46 ID:cEjWuNGj0
秘密をネタに脅さない青葉は良い子です

古鷹派閥と不干渉派閥も書け次第投下します

吹雪青葉古鷹「「「……邪魔」」」提督「っ!?」【中編】

引用: 吹雪青葉古鷹「「「……邪魔」」」提督「っ!?」