48: 2013/05/08(水) 11:20:57.85 ID:19zO7Iut0

第一話『両想いになれる自販機』
第二話『トイレの時計屋』

――学園都市七大不思議探訪 第三話 『一人多い』

とある魔術の禁書目録 31巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
49: 2013/05/08(水) 11:21:55.25 ID:19zO7Iut0
――某駅前の喫茶店 18時30分

フレンダ「おっはろーっ!いっやー今日は大変だったわよ、つーか新型の爆導テープが不良品でさぁ」

上条「お疲れー、どったの?」

フレンダ「いやー、それが電気流してもBomb!しない訳よ。その代わり足で踏んだら爆発したから、右足持って行かれるかと」

絹旗「まぁ爆発オチとしては超インパクトが足りないですかね。もっと派手に行かないと」

滝壺「がんばれー、だいばくしょー」

フレンダ「人の不幸がお笑い品評会にっ!?」

麦野「いいから座りなさいな」

フレンダ「いいもんっ。あっ、てっんいっんさーん、季節のスイーツ全員分くださーい!」

麦野「あ、こらまた勝手に」

フレンダ「えー、たまにはみんなで同じの食べる訳。ねー?」

滝壺「ねー……」

上条「お前ら仲良いな。もう結婚しちまえよ」

フレンダ「するもんっ。ねー?」

滝壺「一生はウザい……」

フレンダ「裏切られたっ!?」

麦野「レーガンの取り巻きみたいに、百合百合しくするのは止めなさいな」

絹旗「いえ、あそこ咲いているのは超一本分という噂ですけど」

麦野「だとしてもその咲いてる一本が、巨大なラフレシアなもんだから、周囲から『あれ?なんか臭うわよね?』ってドン引きされてるんでしょうよ」

フレンダ「レーガンが第五位?と仲が悪くって、それで孤立してるって話も聞くけど、裏にはそう言う特殊な事情があった訳かっ」

滝壺「じょしこうでは、よくある事……」

上条「いやー御坂は良い娘だと思うぞ?喧嘩っ早い所も大抵は人のために怒ってるしな」

フレンダ「そんなにミサカミサカ言うんだったら、ミサカさんちの子になればいいじゃないっ!」

上条「しねぇよ!?小学生みたいな煽りは止めろっ」

絹旗「レベル5でお嬢様、中々の優良物件だとは思いますけど。超倍率高そうですしね」

上条「でもまだ中二だろ?女友達と遊んでた方が楽しいって感じじゃないのか」

フレンダ「あー分かる分かる。『気を遣わなくて楽っ』とか思う訳」

絹旗「そうすると、えっと……レ×子さん?も、格好良い同性に超憧れているだけかもしれませんね」

上条「いやー白衣のアレは、なぁ?うん、まぁ」

50: 2013/05/08(水) 11:22:54.17 ID:19zO7Iut0
フレンダ「結局くっついたら笑う訳よ」

絹旗「あー、ありそうですね。何処かの誰かに超片思いしつつ、告白するタイミングを逃してズルズル来ちゃって」

滝壺「気がついたらへんたいしか残ってなくて……」

上条「性格がサバサバしてっから、ンな事はないと思うけど。さっさと告白するんじゃないか?」

絹旗「ないない、超あり得ません。ああいうタイプ程、こと色恋沙汰に関しては超奥手だと思います」

フレンダ「あたしもそう思う訳。だって少しだけど『レーガン×ズ説』が上がってる訳でしょ?」

フレンダ「普通はちょっと距離を取ったり、そんな態度を取らないように注意するじゃない」

絹旗「でも超出来ないって事は、人と人の距離感が上手く取れないんですよね」

上条「いやいや。流れている噂自体、多分悪意とか面白半分だと思うぜ?」

上条「白衣の性癖がどうであれ、二人は親友なんだからその見方も穿ちすぎだと思うけどな」

絹旗「でも実際超どうなんでしょうね?それが異性――じゃなかった、同性へ対する超憧れだとしても、逆に周囲からは『えー』って見られますし」

フレンダ「本当に好きな相手だったら、相手が世間からハブられないように配慮する、って訳?」

絹旗「まぁ早々に超カミングアウトして、周囲から公認されるのも手でしょうがね」

上条「でも結局さ、御坂が現状を良いっつってんだから、関係無い外野が口を出す事じゃないだろ?」

フレンダ「あー、やっぱレーガンルート狙いか!そんなのあの発育途中の胸が好きかっ!」

上条「真面目な話だろっ!?ってか人ンちの話じゃねぇ、えっと――」

絹旗「『俺の絹旗がこんなに超可愛いわけがない』?」

上条「そうそうっ!嫌な妹だと思ってたんだけど、実は内心慕われててさ――って誰だよっ!?知らないし名字も違うからなっ!」

フレンダ「てかあのお兄ちゃんただの変Oよね?あたしだったら桐○に腹パンして終わってるし」

滝壺「あくまでもふれんだのいけんであり、わたしたちはいっさい関知しておりません……!」

フレンダ「予防線を張られた!?」

絹旗「主人公が他の女の子とくっつけない理由として、超重度のシスコンなので、まぁ方向性としては正しいと思いますけど」

上条「いやそうじゃなくってだな。馴染んでる場合じゃなく――」

51: 2013/05/08(水) 11:23:54.11 ID:19zO7Iut0
絹旗「『六畳間のフレンダ!?』?」

上条「あの作品を汚すんじゃねぇっ!?かかってこい!健○先生の敵は俺の敵だっ!」

フレンダ「ゆり○必要、かな?もう真○ちゃんでいいんじゃ?」

上条「……」

絹旗「あ、超黙りましたね」

フレンダ「多分あの話の流れだと、フォルトー○と地球人とのルーツは同じでしたー、ってオチになると思う訳」

滝壺「でもふれんだのイジられ方は、ゆ○かと同じ……?」

フレンダ「必要よねっ、うん!ムードメーカーだものっ!ゆり○っ、ふぁいおーっ!」

上条「……もう面倒だから色々スルーするけど、『一人多い』っていう話知ってる?」

フレンダ「何の話っ何の話っ?」

絹旗「都市伝説、あぁいえ超怪談寄りのお話でしょうか?」

フレンダ「へー。『エイズ・メアリー』とか『スリーピィ・ホロウ』みたいな訳?」

絹旗「どっちかって言えば超前の方ですね。そんなに長い話でもないし、元ネタがある訳じゃないでしょうし」

上条「まず一番有名なのは……例えば、みんなで心霊スポットへ行ったとするよな」

滝壺 ジーッ

上条「ん、どした?俺の顔になんかついてる?」

絹旗「どうしましたか?超オバケでも居ましたか?」

フレンダ「怖っ!?」

滝壺「……?」

上条「幽霊の話をすると寄ってくる、ってのは定番だけどな。で、まぁ心霊スポットで色々あって、帰ってくるんだけど」

絹旗「オバケを超見ちゃったりするパターンもありますし、逆になんにも無かったぜ超大した事ねぇなぁ、的なのもあります」

上条「兎に角、行った面子でここみたいな喫茶店なり、ファミレスへ入ってみると、店員さんはこう言うんだ」

滝壺「『おきゃくさまー、五名様ご案内致しますー』」

フレンダ「えっ、何?四人しか居ないのに、五人って訳?」

上条「つまり――『一人多い』んだよな」

フレンダ「へー、そんな話あるんだ?」

上条「その後もお冷やを一人多く持って来られたり、場合によっては誰か一人の家へついて行っちまったり」

上条「当事者同士には見えないけれど、関係の無い第三者からはまるで一人多いように――って話の体験談があったら、聞かせて欲しいんだけど」

フレンダ「無い無いっ、そんな怖い話とか都市伝説とかって、友達の友達から聞いた話でしょ?」

絹旗「噂――と言う名の超伝言ゲームですね。元を辿るなんて出来ませんし」

滝壺「ふつうは、心霊スポット行かないし……」

上条「だよな――ってどうした?さっきから喋ってないけど」

52: 2013/05/08(水) 11:24:44.44 ID:19zO7Iut0
麦野「いや怪談の話とは関係無いんだけど。ちょっと気になっているのよね」

上条「良かったら聞きたい」

麦野「あー、なんて言うんだろう?こう、喪失感っていうのか、何か心が寂しいってのかな」

麦野「なんだろうな?一人多いんじゃなくて、足りないって感じがね」

フレンダ「あー、でもそれ分かる気がする訳」

絹旗「わたしも超分かる気がします。ぽっかり、って言うのか、大事な約束とかを忘れた感じがして」

滝壺 コクコク

麦野「四人とも、ってのは珍しいわよね」

上条「ま、そのウチ思い出すんじゃないか?大事なモノだったら余計にさ」

麦野「でしょうけどね」

上条「みんなで遊びに行く約束したんだけど、ど忘れしている、とか?」

絹旗「あ、超それかもしれませんね!確かみんなでルームシェアする約束してませんでしたっけ?」

麦野「言われてみれば確かにした、ような?」

滝壺「すこしまえに、した……」

フレンダ「あたしはあんま乗り気じゃなかったけど……何でだっけかな?」

上条「ま、なんにしろ話聞かせてくれてありがとな。んじゃまた」

麦野「えぇ」

絹旗「超さよならー」

フレンダ「ほーい」

滝壺 ヒラヒラ(手を振っている)

麦野・絹旗・フレンダ・滝壺「……」

絹旗「あのー麦野、ちょっと超良いですかね?」

麦野「何よ」

絹旗「今の人、誰です?」

53: 2013/05/08(水) 11:25:39.39 ID:19zO7Iut0
麦野「……アンタの知り合いじゃなかったの?」

絹旗「いえ、恐らく超初対面かと」

フレンダ「え?絹旗の知り合いじゃなかった訳?」

絹旗「超違いますし。滝壺も?」

滝壺 ブンブン

フレンダ「んじゃなんで話してた訳?」

麦野「いや、いつの間にか座ってた」

フレンダ「それだけっ?ナンパじゃないの?」

絹旗「もしそうだったら自己紹介の一つでもする所でしょうし――あ、向こうでセーラー服の娘に超怒られてますね」

佐天『どう見てもナンパじゃないですかっ!?大体自覚が――』

上条『一生カメラ持つつもりはねぇよ――』

絹旗「見ていて超イラっとしますね」

麦野「一体何だったのか、今から聞くのもアレだしね」

店員「お待たせしましたーっ、季節のスイーツ五人分お持ち致しましたー」

麦野・絹旗・フレンダ・滝壺「……」

店員「では、ごゆっくりどうぞー」

麦野「これってもしかして」

絹旗「超タイムリーですが」

フレンダ「結局噂ってのはこんな訳?」

滝壺「さぁ、みなさんごいっしょに……」

麦野・絹旗・フレンダ・滝壺「――『一人多い』」

54: 2013/05/08(水) 11:26:40.50 ID:19zO7Iut0
――路上 19時30分

佐天「いやー、中々『一人多い』の体験談って見つかりませんね。知名度に反して体験談はゼロですなー」

上条「さっきの人達も知ってたけど、体験談はなぁ。普通の人は心霊スポットなんて行かないだろうし」

佐天「ですかねー。ではここは一つ、上条さんに被験体となって貰うと言う事で」

上条「俺が一人で心霊スポット巡るの?やれってんなら行ってくるけど」

佐天「しかしですね、このままだと次の放送に間に合わなくなってしまいます」

上条「スケジュールがタイトすぎるよな。もうちょっと考えて番組作ろうぜ、なっ?」

佐天「あっ、そうだ。では今週の放送は、あたしが体験した怖い話をお送りしましょう」 パチン

上条「え?どうせ佐天さんのネタ話だろ?」

佐天「いーんですよぉっ!どうせこの番組女子中学生がきゃーきゃー騒いでんのを見る番組なんですからっ!」

上条「主旨は間違っちゃいないが、発言内容が誤解を生みそうだなっ!」

佐天「では改めて――こほんっ、『インプリンティング』!」

上条「刷り込み、だっけ?確か鳥の雛が初めて見た動くモノを親だって思うような」

佐天「昔のテレビで『映画館でコーラを飲む映像を映画のコマの間に挿入したら、コーラの売り上げが増えた』って話。あ、それはサブリミナルでしたっけ?」

上条「あれガセじゃなかったか?人間の脳はそこまで細かい情報を認識出来ないってオチで」

上条「結局、受ける影響は視認した時間に比例するとかなんとか」

佐天「えぇでも逆に言えば、今のマスコミの『と流行』の境って曖昧ですよね?」

上条「あー……『こんなん流行る訳ねーだろバーカ』ってニュース、たまに来るよな?」

佐天「それは『』なんでしょうか?それとも『流行と称した刷り込み』かも?」

佐天「例えば×流ブームなんてもう10年以上続いている――『と、されている』のに、『日本でヒットした映画は、10年前に2、3本しかない』とか」

佐天「逆に『×国と×国が日本で経済を追い抜いたって宣伝されているのに、年間万単位の違法在留者が増え続けている』って矛盾も」

上条「『日本は円安でオシマイです』ってのよく聞くけど、2007年のリーマンショック前は1ドル108円、今よりもずっと安いしな」

佐天「漁師さん達が『円安で漁をしても燃料代で利益が出ない!だから一斉禁漁だ!』にしても、『んじゃお前ら円高の時に増漁キャンペーンしたんだよね?』とか」

上条「……」

佐天「……」

上条「やたら政治的なネタが多いよね?何かあった?」

佐天「○ちゃんで見ましたっ!ニュ○ス極東板っ!蟹さん鶏さん見てるーーっ!?」

上条「コメント出来ねぇよっ!?言ってる事がなまじっか正論だしな!」

55: 2013/05/08(水) 11:27:46.78 ID:19zO7Iut0
佐天「ま、そんな話はあたし達には関係無いとして、『インプリンティング』のお話です」

佐天「『とある科学の超電磁砲S』ってご存じですか?」

上条「いや知ってるけどさ!もうちょっと遠回しに宣伝しなよっ!?」

佐天「あーいえいえ、番組内でのあたし推しがすげーなぁ、とか、OPで金髪さんがやったら目立っているしー、とかそう言う話じゃないですよ」

佐天「っていうか対『アイテム』戦どうするんですかね?」

上条「俺だって心配だよっ!あの流れだと御坂と白衣と俺で絡むじゃん!」

佐天「よっ、『幻想頃し』!『アイテム』と御坂さん白衣さんのフルコンプ目指せやっ!」

上条「しないからね?あとちょいちょい女頃し的な意味を足そうとするの、止めてもらえるかな?」

佐天「アニメから入った金髪さんファン達が、原作読んで膝をつきそうで楽しみです!」

上条「人の不幸を嗤うのは止めよう?取り敢えず笑えないしな?」

佐天「金髪さんが原作でアレになっても、暇人がSS作って脳内補完すればいいですしねー」

上条「……んー……それに関してはコメントし辛いけどもっ」

佐天「でまぁ内容が問題ではなく、あたしは気付いてしまったんですよ――情報がコントロールされている事にっ!」

上条「ノリがM○Rだからな?キバ○シとどっこいどっこいだからね?」

佐天「ではあたしのスマートフォンから、BS11のテレビ欄を見て貰いましょうか。これを見てもまだ同じ事が言えますかねっ?」

上条「こ、これはっ!?」

56: 2013/05/08(水) 11:28:43.74 ID:19zO7Iut0
【BS11 金曜日】
24:00 黒子のバスケ
24:30 とある科学の超電磁砲S

57: 2013/05/08(水) 11:29:48.40 ID:19zO7Iut0
佐天「ねっ?白衣さんがバスケしてる絵が浮かぶでしょうっ!?」

佐天「まさにこれは――『インプリンティング』っ!!!」

上条「あー……うん、そうね。いいんじゃないかな?」

佐天「……」

上条「……」

佐天「(……はやく、突っ込んで下さいよっ)」

上条「小声で指令を与えるなよっ!?つーか気持ちはちょっと理解出来るけどもなっ!」

佐天「――って女の子に何言わせるんですかっ、バカーーーーーっ!」

上条「明らかに君の考えすぎだっ!」

佐天「――はいっ、と言う訳でそろそろお別れの時間と相成りましたっ。如何だったでしょうか?『インプリンティング』怖いですよねー」

上条「待て待て待てっ!?今日はまだ何もしてないよなっ!喫茶店でダベって街頭インタビューで話聞いただけだろ!」

佐天「いやー前回頑張ったし、張り切らなくてもいいんじゃねぇかな、ってご意見が」

上条「頑張っ――たのは、認めるけども!それは君が勝手に独断先行して、怖い目に遭っただけだからな?」

上条「つーか誰よ、んな事言ってんの?ちょっと無責任かもな」

佐天「お母さんです」

上条「すっごく責任ある人ですねっ!つか見せるなよっ!?親御さんにはお見せ出来ないアレやコレとか一杯あるのにっ!?」

佐天「体育倉庫の下りを見た感想が『セーラーじゃなく、体操着の方が良くない?』と」

上条「頭の緩さは遺伝だったんだっ!?つーかあれオンエアされてんのかよっ!?使う必要性皆無じゃねぇかっ!」

佐天「あ、是非一度お話ししたいそうです。やったねっ」

上条「やってねぇよっ!何一つやってねぇからなっ!?俺は潔白だよっ!」

佐天「やっだもう上条さんったら……ねぇ?」 モジモジ

上条「意味ありげに笑うのヤメろよっ!?俺は何一つ悪い事した覚えはねぇしなっ!いいか、絶対だぞ、絶対だからなっ!?」

佐天「とまぁそんな感じでカメラマンさんが色々ピンチになっていますが、元々こんな感じてすよねー。前回が頑張りすぎただけかも?」

上条「……いいの?本当に?こんなんじゃ4回打ち切り確定だぞ?」

佐天「あ、いえそれが、4回目以降も番組続行決定だそうです」

上条「え、マジで?良かった――か、どうかは兎も角としても、凄いなっ」

58: 2013/05/08(水) 11:31:01.75 ID:19zO7Iut0
上条「そんな視聴率取れたの?それともスポンサーさん、『TATARA』さんから誉められたとか?」

佐天「そっちは全然。そうじゃなく、インターネットでアーカイブ配信してるって言いましたよね?」

上条「あー……最初に聞いたなぁ。もしかして?」

佐天「はいっ。同ケーブルテレビ局でダウンロード数一位になりましたっ、いえーいっ!」

上条「あぁうん、前回佐天さん頑張ったもんなぁ」

佐天「どーですかっ!もっと誉めやがれっ」

上条「あーうん、偉い偉い」 ナデナデ

佐天「えへへっ」

上条「ちなみにどのぐらい?何回ぐらいダウンロードしてくれたんだ?」

佐天「それがですねー……アーカイブは未公開とかの部分もプラスしてますけど、基本的には局の宣伝目的なんですね」

佐天「だもんで、一本当り100円と破格のお値段でご提供していますよー」

上条「営業トークだよね?……あの内容に金を払う神経が疑われるけど、まぁいいや」

佐天「例えば一番視聴率が良い場組だって、良くて100回前後でして。でもサイトとサーバの維持費ぐらいには充分だったんですよ」

佐天「がしかぁしっ、今回我々『学園探訪』がその記録を大幅に塗り替えましたっ!」

上条「おおっ」

佐天「なんでもド深夜超低予算番組に抜かれたため、他のディレクターさんが自信喪失状態だそうで」

上条「まぁそれは仕方が無いよなぁ。さっきの話でもあったけど、流行ってのは人為的にどうこうしちゃいけないんだから」

佐天「しかもあたし達にボーナス出るそうです!あ、内容は未定ですが」

上条「クオカードとかだったら嬉しいかも。んで、実数はどんなもんなの?」

佐天「9969回ですっ」

上条「心当たりのありすぎる数だなっ!100%身内で人為的じゃねーかっ!?何やってんだっつーかどっから情報漏れやがった!?」

59: 2013/05/08(水) 11:31:47.19 ID:19zO7Iut0
佐天「えー、いくら上条さんでも一万人弱も友達居ないでしょー?」

上条「数がピッタリなんだよっ!あぁいや違うな。あれ……996、“9”?一人多いな?」

佐天「そうっ、まさに『一人多い』のテーマに相応しいですねっ!!!」

上条「ウルセェよっ!?偶然だからなっ!?そう言う話の流れに持ってったんじゃないよっ!?」

佐天「いやー流石のあたしも、このままシメるのはちょっと気か引けたんですけど、流石は上条さんっ、頼りになりますなぁ」

上条「その『いただきました』って顔もヤメなさいっ!てへぺろ、じゃないっ!あぁもう可愛いのがムカつくなっ!」

佐天「わーい誉められたっ!やっぱあたしの事好きなんでしょう?すーなーおーになぁれよぉっ!」 グリグリッ

上条「君からのプロポーズは断った筈だ――ってもしかしてアレも流れてんのかっ!?」

佐天「いやー怖いですねぇ恐ろしいですねぇ、まさかっ!まっさっかっ!我々が『一人多い』を実体験するとはっ!!!」

上条「おい待て無理矢理締めっぽい流れを作るんじゃないっ!」

佐天「さぁて綺麗にオチもついた所で、今日もお別れのお時間となりましたっ!お相手は弟から『姉ちゃんそろそろ落ち着いたら?』って言われた佐天涙子とおっ」

上条「――あ、分かったぞ。御坂だろ?美琴の方の御坂だろっ!?」

上条「ンな物好きお前ぐらいしか居ないって、俺は分かってんだからなっ!」

佐天「『愛してるぞーーーーーっ!美琴ーーーーーーっ』?」

上条「しねぇよっ!?つーか番宣から続く御坂推しはなんなのっ!?別に言う時は自分で言うしなっ!?」

佐天「――で、お馴染みの上条@イマジンブレイカーさんでお送りしましたっ」

上条「あのさ、一度言おうと思ってたんだけど、君ちょっとアタマ悪いよね?」

佐天「ではではまた来週っ、この時間に佐天さんと逢おうぜっ!それでは最後にっ、君とボクの合言葉っ、せーのっ!」

佐天「うっいっはっるーーーーーーーーーっ!愛してるぞ――」プツッンッ

60: 2013/05/08(水) 11:32:41.52 ID:19zO7Iut0
――常盤台女子寮・深夜28時

御坂「……」

御坂(な、なんなんだろう。この、計画性の欠片も無い番組……)

御坂(あの子達もダウンロードしてたってのは、まぁ……うー、ちょっと複雑だけど)

御坂(それより気になるんだけど)

御坂(佐天さん、いつもよりカメラに寄りすぎじゃない?)

御坂「……」

御坂(物理的に距離が近くなってる、とか?)

御坂「……」

御坂(……ないないないないっ!それは、ちょっとないでしょ!)

御坂(だってまだ、まだよ?中一だし?相手にされる訳が) コテッ

御坂「……」

御坂(……だったら、あたしも似たようなもんって事?) ムクッ

御坂「……はぁ」

上条(妄想)『――あ、分かったぞ。御坂だろ?美琴だろっ?』

上条(妄想)『俺の事想ってくれる物好き、お前ぐらいしか居ないって。俺には分かってんだ!』

御坂「」

上条『俺が美琴に告白する時は自分で言うしなっ!』

御坂 コテッ(幸せすぎて気絶)

――学園都市七大不思議探訪 第三話 『一人多い』 -終-

62: 2013/05/08(水) 11:35:44.39 ID:vafjUhJQ0
乙ー!!
まさかの連続投下とは。
んでもって御坂ぇ……

第四話『ずいずい』

引用: 佐天「佐天さんの学園都市七大不思議探訪っ!はっじっまっるっよーーー!」