61: 2013/05/08(水) 11:35:25.46 ID:19zO7Iut0
63: 2013/05/08(水) 11:36:32.03 ID:19zO7Iut0
――○○学区××小学校近くの横断歩道 16時16分
「あちゃー、赤に変わっちゃったね」
「だねー。早く帰りたいのに」
『ずいずいずっころばし、ごっまみそっずいっ』
「あちゃー、赤に変わっちゃったね」
「だねー。早く帰りたいのに」
『ずいずいずっころばし、ごっまみそっずいっ』
64: 2013/05/08(水) 11:37:29.77 ID:19zO7Iut0
「……ここの横断歩道って赤になるの早くない?おかしいよねー?」
「あー……」
「どしたの?」
「いや、さ。ここじゃないんだけど、噂、知ってる?」
「あー、聞いた、かも?」
「うん。そうそう、歌聞こえるんだって」
『ちゃっつぼにおわれてとんぴんしゃんっ、ぬけたぁらどんどこしょっ』
「あー……」
「どしたの?」
「いや、さ。ここじゃないんだけど、噂、知ってる?」
「あー、聞いた、かも?」
「うん。そうそう、歌聞こえるんだって」
『ちゃっつぼにおわれてとんぴんしゃんっ、ぬけたぁらどんどこしょっ』
65: 2013/05/08(水) 11:38:12.23 ID:19zO7Iut0
「歌、ねぇ?歌ってどんなの?」
「わらべ歌?って言うらしいんだけど、『ずいずいずっころばし』」
「あーうん、ずいずいずっころばし――って始まるアレ」
「横断歩道に立っていると聞こえるんだって、うしろっから」
「へー、こわいね」
「うん、こわいよね」
『たっわっらっのねっずっみが、こめくってちゅう』
「わらべ歌?って言うらしいんだけど、『ずいずいずっころばし』」
「あーうん、ずいずいずっころばし――って始まるアレ」
「横断歩道に立っていると聞こえるんだって、うしろっから」
「へー、こわいね」
「うん、こわいよね」
『たっわっらっのねっずっみが、こめくってちゅう』
66: 2013/05/08(水) 11:38:49.67 ID:19zO7Iut0
「それだけ?」
「ううん。あの歌ってさ、幼稚園のおゆうぎでさ、グーあわせたじゃん?」
「やったやった。みんなでグー前に出した」
「歌がおわると、最後に止まった子のグーをぬくよね?」
「うんうん」
「だから、ずいずい終わったときに止まった子はね。うしろから――」
『ちゅうちゅうちゅう』
「ううん。あの歌ってさ、幼稚園のおゆうぎでさ、グーあわせたじゃん?」
「やったやった。みんなでグー前に出した」
「歌がおわると、最後に止まった子のグーをぬくよね?」
「うんうん」
「だから、ずいずい終わったときに止まった子はね。うしろから――」
『ちゅうちゅうちゅう』
67: 2013/05/08(水) 11:39:30.88 ID:19zO7Iut0
「うん」
「ドンっ!って。ぬかれちゃうんだって」
「……」
「……」
「……なんで、ドンってされちゃうの?」
「車の事故?かなんかで氏んじゃった子がいて、その子はまだちっちゃかったんだって」
『おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも』
「ドンっ!って。ぬかれちゃうんだって」
「……」
「……」
「……なんで、ドンってされちゃうの?」
「車の事故?かなんかで氏んじゃった子がいて、その子はまだちっちゃかったんだって」
『おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも』
68: 2013/05/08(水) 11:40:13.62 ID:19zO7Iut0
「……」
「だから、一人じゃ横断歩道を渡れないから、おうち帰れないんだって」
「……」
「僕たちと違って、おうち帰れないんだって」
「……こわいよね」
「うん、こわい」
『いきっこぉなぁしぃ――よおぉっ』
「だから、一人じゃ横断歩道を渡れないから、おうち帰れないんだって」
「……」
「僕たちと違って、おうち帰れないんだって」
「……こわいよね」
「うん、こわい」
『いきっこぉなぁしぃ――よおぉっ』
69: 2013/05/08(水) 11:40:55.81 ID:19zO7Iut0
「……」
「その子がね、ドンってするんだって」
「……なんで?なんでそんなことするの?」
「う、うらやめ?僕たちがウラヤマシイんだって」
「……」
「だから、ドンって」
『いどっのまっわっりでっおっちゃわんかっいったの』
「その子がね、ドンってするんだって」
「……なんで?なんでそんなことするの?」
「う、うらやめ?僕たちがウラヤマシイんだって」
「……」
「だから、ドンって」
『いどっのまっわっりでっおっちゃわんかっいったの』
70: 2013/05/08(水) 11:41:43.09 ID:19zO7Iut0
「でさ」
「うん」
「さっきから聞こえるよね、『これ』」
「う、うんっ」
「これってさっ!」
「……っ!」
佐天「うっいはっるーーーーーーっ!愛っしてっるぞーーーーーーーーーーーっ!!!」
子供達「」
「うん」
「さっきから聞こえるよね、『これ』」
「う、うんっ」
「これってさっ!」
「……っ!」
佐天「うっいはっるーーーーーーっ!愛っしてっるぞーーーーーーーーーーーっ!!!」
子供達「」
71: 2013/05/08(水) 11:42:34.21 ID:19zO7Iut0
佐天「はいどうもっそんな訳でやって来ましたっ!何だかんだで第四回っ!打ち切られるんじゃねぇかって、正直ビクビクでしたがあぁっ!」
上条「待て!君のテンションは、子供が引きつけ起こすからちょっと抑えてあげてっ!」
佐天「なぁんとぉっ!四回以降も続いてしまう事が決定してしまいましたっ!わーパチパチパチパチーっ!」
佐天「タイトルは……学園――何でしたっけ?」
上条「忘れるなよっ!?自分でつけたタイトルだろうがっ!」
佐天「あ、しまったー『学園都市七大不思議探訪』でしたっ!ねー、長くて嫌になりますもんねー?」
上条「だったら変えなよっ!?別に誰も見てないしなっ!身内以外はねっ!」
佐天「第四話目のお話は――『ずいずい』ですっ!知ってるかなー?知らないっかなー?」
男の子「さ、佐天おねーちゃん……?」
佐天「おっすっ、ひっさしぶりだなーっ。元気してたかー?」
上条「知り合い?」
佐天「昔の男ですっ」
上条「なワケねーだろ!」
佐天「どうどうっ妬きました、ねぇ?ねぇってば?」
上条「あーもう佐天さんの押しが強くなっているのはどういう訳――」 ギュッ
女の子「……っ」
上条「……どうした?二人ともあんま顔色良くないな?」
佐天「どうしたの?おねーちゃんに話してみ、ね?」
女の子「う、うん」
上条「待て!君のテンションは、子供が引きつけ起こすからちょっと抑えてあげてっ!」
佐天「なぁんとぉっ!四回以降も続いてしまう事が決定してしまいましたっ!わーパチパチパチパチーっ!」
佐天「タイトルは……学園――何でしたっけ?」
上条「忘れるなよっ!?自分でつけたタイトルだろうがっ!」
佐天「あ、しまったー『学園都市七大不思議探訪』でしたっ!ねー、長くて嫌になりますもんねー?」
上条「だったら変えなよっ!?別に誰も見てないしなっ!身内以外はねっ!」
佐天「第四話目のお話は――『ずいずい』ですっ!知ってるかなー?知らないっかなー?」
男の子「さ、佐天おねーちゃん……?」
佐天「おっすっ、ひっさしぶりだなーっ。元気してたかー?」
上条「知り合い?」
佐天「昔の男ですっ」
上条「なワケねーだろ!」
佐天「どうどうっ妬きました、ねぇ?ねぇってば?」
上条「あーもう佐天さんの押しが強くなっているのはどういう訳――」 ギュッ
女の子「……っ」
上条「……どうした?二人ともあんま顔色良くないな?」
佐天「どうしたの?おねーちゃんに話してみ、ね?」
女の子「う、うん」
72: 2013/05/08(水) 11:43:22.64 ID:19zO7Iut0
――○○学区××小学校近くの横断歩道 16時30分
上条「『ずいずいずっころばし』だから、『ずいずい』な訳ね」
佐天「んー……」
女の子「……」
男の子「……後から、聞こえたんだっ!」
上条「んじゃ今日は俺が家まで送るよ?それで良いよな」
佐天「いや、ちょっと待って下さい。それじゃ根本的な解決になりません」
上条「それは――そうだけどさ。だったら」
佐天「ね、あたし『ずいずい』にドンってされない方法知ってるんだ。教えてあげよっか?」
男の子「ホントにっ!?佐天おねーちゃんすげー!」
女の子「おねーちゃんすげー」
佐天「手、出して?君は右手、君は左手」
佐天「二人の手をね、こうやって、ぎゅっ、って握るの」
佐天「どう、簡単でしょ?」
女の子「こ、これで大丈夫なの?」
佐天「うんっ。そうしていれば、どっちかがドンっ、てされてももう一人が引っ張ってくれるよね?」
男の子「……」
佐天「どうしたー?まだ不安かー?」
男の子「違うよっ!違くてっ、あの、僕一人になったら――」
佐天「あぁうん大丈夫だよ。『ずいずい』は一人になったら出て来ないから」
男の子「そうなのっ!?」
佐天「今まで一人になった時に出て来たって事は無いよね?そう言う“噂”を聞いた事無いでしょ?」
男の子「あ、そっか」
女の子「おねーちゃん、あたまいいー」
佐天「だからこうやってれば、どっちにしろ大丈夫っ。ねっ?」
上条「『ずいずいずっころばし』だから、『ずいずい』な訳ね」
佐天「んー……」
女の子「……」
男の子「……後から、聞こえたんだっ!」
上条「んじゃ今日は俺が家まで送るよ?それで良いよな」
佐天「いや、ちょっと待って下さい。それじゃ根本的な解決になりません」
上条「それは――そうだけどさ。だったら」
佐天「ね、あたし『ずいずい』にドンってされない方法知ってるんだ。教えてあげよっか?」
男の子「ホントにっ!?佐天おねーちゃんすげー!」
女の子「おねーちゃんすげー」
佐天「手、出して?君は右手、君は左手」
佐天「二人の手をね、こうやって、ぎゅっ、って握るの」
佐天「どう、簡単でしょ?」
女の子「こ、これで大丈夫なの?」
佐天「うんっ。そうしていれば、どっちかがドンっ、てされてももう一人が引っ張ってくれるよね?」
男の子「……」
佐天「どうしたー?まだ不安かー?」
男の子「違うよっ!違くてっ、あの、僕一人になったら――」
佐天「あぁうん大丈夫だよ。『ずいずい』は一人になったら出て来ないから」
男の子「そうなのっ!?」
佐天「今まで一人になった時に出て来たって事は無いよね?そう言う“噂”を聞いた事無いでしょ?」
男の子「あ、そっか」
女の子「おねーちゃん、あたまいいー」
佐天「だからこうやってれば、どっちにしろ大丈夫っ。ねっ?」
73: 2013/05/08(水) 11:44:05.66 ID:19zO7Iut0
男の子「うん、佐天おねーちゃんって、やっぱーすげー!」
女の子「うん、うんっ」
佐天「もう大丈夫?それともあたし達が家までついてってあげよっか?」
女の子「ううんっ。こうやってれば、へーきっ」
男の子「うん。こーやってれば」
佐天「そかそか――あ、あとさ。学校でも結構噂って広がってるの?」
女の子「わたしは知らない」
男の子「僕のクラスで、すこしだけ」
佐天「だったら教えてやってくんないかな?あたしがこう言ってたよー、って」
男の子「うんっ」
女の子「……うん」
佐天「んじゃちょっと遅くなっちゃったけど、早く帰りな」
男の子「ありがとー佐天おねーちゃん、あとそっちのおにーちゃんも!」
女の子「ありがとうございましたぁ」 テレテレ
上条「俺は何もしてないけど。あ、車にも気をつけるんだぞー?」
男の子「うん、じゃあねー」
女の子「さようならーおねーちゃんおにーちゃん」
女の子「うん、うんっ」
佐天「もう大丈夫?それともあたし達が家までついてってあげよっか?」
女の子「ううんっ。こうやってれば、へーきっ」
男の子「うん。こーやってれば」
佐天「そかそか――あ、あとさ。学校でも結構噂って広がってるの?」
女の子「わたしは知らない」
男の子「僕のクラスで、すこしだけ」
佐天「だったら教えてやってくんないかな?あたしがこう言ってたよー、って」
男の子「うんっ」
女の子「……うん」
佐天「んじゃちょっと遅くなっちゃったけど、早く帰りな」
男の子「ありがとー佐天おねーちゃん、あとそっちのおにーちゃんも!」
女の子「ありがとうございましたぁ」 テレテレ
上条「俺は何もしてないけど。あ、車にも気をつけるんだぞー?」
男の子「うん、じゃあねー」
女の子「さようならーおねーちゃんおにーちゃん」
74: 2013/05/08(水) 11:45:08.40 ID:19zO7Iut0
――○○学区××小学校近くの公園 16時40分
上条「……いいの?オリジナルにはそんな噂無かったんだよな」
佐天「いやぁ、オリジナルがどうこうで言ったら、そんなの存在しないかも知れませんし」
上条「まぁそりゃそうだけどさ」
佐天「あの二人、学校の後輩なんですよ」
上条「三人ともあそこの小学校で?」
佐天「はい。あ、あたしは途中からですが」
上条「つーかちょっとビックリした。佐天さん意外と考えてるんだなーって」
佐天「ひっど!?いつものはテンション上げてるだけですってば!……あぁいえ、一概に楽しんでやってる部分が無いとは言えませんけど」
佐天「ありません?こう、お家に帰って『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?なんであんな事言ったんだろっ!?』みたいなの」
上条「分かるっ!すっげーよく分かるっ!」
佐天「ですよねっ。あー良かった、上条さんの中のあたしはどんだけアレだと思われていたんだか」
上条「ごめん、ずっと素だと思ってた」
佐天「いやー……ま、まぁ良いじゃないですか、それはっ」
上条「んー、解決方法としては良かったと思うぞ。うん」
佐天「あー……でも、良くないですよね。こういうのって」
上条「下手に騒いで不安にさせるよりは、ずっときちんとしてると思うけど」
佐天「いえその、そっちじゃなくて『ずいずい』の方ですよ」
上条「いやいや居ないって。少なくともここ数年事故で亡くなった子は、この学区には居なかったんだろ?」
佐天「まぁそうなんですけど。でも、なんか可哀想だなぁって」
佐天「そりゃまぁ関係無い子供を怖がらせたり、傷つけたりするのは論外ですけど、元々は小さな子って事ですよね?」
佐天「怖いっていうよりも可哀想って、思っちゃいました」
上条「……まぁな」
上条「……いいの?オリジナルにはそんな噂無かったんだよな」
佐天「いやぁ、オリジナルがどうこうで言ったら、そんなの存在しないかも知れませんし」
上条「まぁそりゃそうだけどさ」
佐天「あの二人、学校の後輩なんですよ」
上条「三人ともあそこの小学校で?」
佐天「はい。あ、あたしは途中からですが」
上条「つーかちょっとビックリした。佐天さん意外と考えてるんだなーって」
佐天「ひっど!?いつものはテンション上げてるだけですってば!……あぁいえ、一概に楽しんでやってる部分が無いとは言えませんけど」
佐天「ありません?こう、お家に帰って『ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?なんであんな事言ったんだろっ!?』みたいなの」
上条「分かるっ!すっげーよく分かるっ!」
佐天「ですよねっ。あー良かった、上条さんの中のあたしはどんだけアレだと思われていたんだか」
上条「ごめん、ずっと素だと思ってた」
佐天「いやー……ま、まぁ良いじゃないですか、それはっ」
上条「んー、解決方法としては良かったと思うぞ。うん」
佐天「あー……でも、良くないですよね。こういうのって」
上条「下手に騒いで不安にさせるよりは、ずっときちんとしてると思うけど」
佐天「いえその、そっちじゃなくて『ずいずい』の方ですよ」
上条「いやいや居ないって。少なくともここ数年事故で亡くなった子は、この学区には居なかったんだろ?」
佐天「まぁそうなんですけど。でも、なんか可哀想だなぁって」
佐天「そりゃまぁ関係無い子供を怖がらせたり、傷つけたりするのは論外ですけど、元々は小さな子って事ですよね?」
佐天「怖いっていうよりも可哀想って、思っちゃいました」
上条「……まぁな」
75: 2013/05/08(水) 11:45:53.55 ID:19zO7Iut0
佐天「ぶっちゃけ、上条さんは都市伝説とかオバケとか、あったり居たりすると思います?」
上条「俺は……どっちでもない、かな」
佐天「どっちですかっ!」
上条「見たら信じるし、体験したら認めるって態度かな」
上条「科学の街だからって、信じられないモノを見たり聞いたりするかも知れないし?」
佐天「あたしは……そうですねぇ、居て欲しい、あって欲しい、んじゃないかと」
上条「希望?」
佐天「はい、肩入れしてます」
佐天「何と言いますか、この街ってば才能が絶対って所あるじゃないですか?」
佐天「あ、いえ、今はそんなに思っていませんよ?御坂さんが能力開発や研究に頑張ってるのを見てたんで、大分考えなくはなってきてますね」
佐天「でもねー、どーにもこう、あたしって脇役じゃね?的な感がヒシヒシとですね」
佐天「御坂さんが色んな事件に首突っ込んでも、ぱぱっと解決していくのを見てると、そんな事思ったりします」
佐天「あー、あたしって普通なんだなーって」
佐天「だから、その、『そういうの』があれば――」
佐天「――あたしも主役になれるのかも、なんて思っちゃったり」
上条「なぁ佐天さん、俺前から君の事ちょっと足りないって思ってたんだけど、ヤッバ訂正するわ」
佐天「おっ!今日の活躍で好感度アップだぜ!いぇいっ!」
上条「いやその逆。佐天さんは残念な子だ」
佐天「酷っ!?ここはレベル0同士傷をなめ合う場面じゃないですかっ!?」
上条「あー……っと、真面目な話聞きたくないんだったら、ここまでにするけど?」
佐天「え?えっと――」
上条「――って言っといてなんだけど、我慢出来そうにないし、言うな」
佐天「溜めた意味が無いじゃないですかっ!?」
上条「俺は……どっちでもない、かな」
佐天「どっちですかっ!」
上条「見たら信じるし、体験したら認めるって態度かな」
上条「科学の街だからって、信じられないモノを見たり聞いたりするかも知れないし?」
佐天「あたしは……そうですねぇ、居て欲しい、あって欲しい、んじゃないかと」
上条「希望?」
佐天「はい、肩入れしてます」
佐天「何と言いますか、この街ってば才能が絶対って所あるじゃないですか?」
佐天「あ、いえ、今はそんなに思っていませんよ?御坂さんが能力開発や研究に頑張ってるのを見てたんで、大分考えなくはなってきてますね」
佐天「でもねー、どーにもこう、あたしって脇役じゃね?的な感がヒシヒシとですね」
佐天「御坂さんが色んな事件に首突っ込んでも、ぱぱっと解決していくのを見てると、そんな事思ったりします」
佐天「あー、あたしって普通なんだなーって」
佐天「だから、その、『そういうの』があれば――」
佐天「――あたしも主役になれるのかも、なんて思っちゃったり」
上条「なぁ佐天さん、俺前から君の事ちょっと足りないって思ってたんだけど、ヤッバ訂正するわ」
佐天「おっ!今日の活躍で好感度アップだぜ!いぇいっ!」
上条「いやその逆。佐天さんは残念な子だ」
佐天「酷っ!?ここはレベル0同士傷をなめ合う場面じゃないですかっ!?」
上条「あー……っと、真面目な話聞きたくないんだったら、ここまでにするけど?」
佐天「え?えっと――」
上条「――って言っといてなんだけど、我慢出来そうにないし、言うな」
佐天「溜めた意味が無いじゃないですかっ!?」
76: 2013/05/08(水) 11:47:24.99 ID:19zO7Iut0
上条「御坂は多分、能力とか関係無いんじゃないかな?」
佐天「え、いやそんな事は――」
上条「あぁいや能力を否定する訳じゃないよ?」
上条「現実としてアイツが能力使って色々な揉め事解決したり、能力がある事で本人の自信になってるのは間違いないと思うけどさ」
上条「でも逆に、仮の話だけど――能力持ってないからって、御坂が人を助けないなんて有り得ないだろ?」
佐天「それは……うん」
上条「白衣と初春さんだってそうだな。例えば白衣の能力が初春さんのだったとしても、二人はきっと風紀委員になってたよな?」
上条「活躍する専門分野は違うけど、二人がしてた事はそんなに代わらないと思う」
佐天「ですね、きっと」
上条「でもって佐天さんも、同じ」
佐天「あたしも、ですか?」
上条「例えばレベル5だったとしても、人助けに首突っ込んでぎゃーぎゃー騒いでいるんじゃないかな?」
上条「勿論、こうやってクラスメイトの穴埋め企画をノリで受けてた筈だ」
佐天「えっと、もしかして、色々聞いちゃってますか?」
上条「初春さんから愚痴半分で色々と」
佐天「いやーまぁあれはですね――そうっ、不可抗力ですっ」
上条「そんな君が能力持ったら、御坂みたいになるのは当たり前だよな?」
佐天「あー……」
上条「それが一つ目のダメ出し。能力の有る無しでそうそう変わらねぇよ、ってお話」
佐天「ま、まだダメ出しが……?あ、あたし門限があったりしましたっ」
上条「次で最後だから大丈夫だっつの。つーかこないだ8時過ぎただろ!」
佐天「え、いやそんな事は――」
上条「あぁいや能力を否定する訳じゃないよ?」
上条「現実としてアイツが能力使って色々な揉め事解決したり、能力がある事で本人の自信になってるのは間違いないと思うけどさ」
上条「でも逆に、仮の話だけど――能力持ってないからって、御坂が人を助けないなんて有り得ないだろ?」
佐天「それは……うん」
上条「白衣と初春さんだってそうだな。例えば白衣の能力が初春さんのだったとしても、二人はきっと風紀委員になってたよな?」
上条「活躍する専門分野は違うけど、二人がしてた事はそんなに代わらないと思う」
佐天「ですね、きっと」
上条「でもって佐天さんも、同じ」
佐天「あたしも、ですか?」
上条「例えばレベル5だったとしても、人助けに首突っ込んでぎゃーぎゃー騒いでいるんじゃないかな?」
上条「勿論、こうやってクラスメイトの穴埋め企画をノリで受けてた筈だ」
佐天「えっと、もしかして、色々聞いちゃってますか?」
上条「初春さんから愚痴半分で色々と」
佐天「いやーまぁあれはですね――そうっ、不可抗力ですっ」
上条「そんな君が能力持ったら、御坂みたいになるのは当たり前だよな?」
佐天「あー……」
上条「それが一つ目のダメ出し。能力の有る無しでそうそう変わらねぇよ、ってお話」
佐天「ま、まだダメ出しが……?あ、あたし門限があったりしましたっ」
上条「次で最後だから大丈夫だっつの。つーかこないだ8時過ぎただろ!」
77: 2013/05/08(水) 11:48:18.34 ID:19zO7Iut0
上条「愚痴を言おうが言わなくても、幸運だろうが不幸だろうが、結局自分の人生の主役ってのは――自分でしかないって事だな」
佐天「それ、開き直りじゃないですかっ」
上条「テレビとか結構見る方?ドラマ好き?」
佐天「えっと、まぁそれなりに?特撮含めてドラマは好きですけど」
上条「特撮は特撮っていうカテゴリだと思うけど。全部が全部、『特別』な人が主人公かな?」
佐天「そう言うのは多いですけどね。違うのも当然あります」
上条「どんな内容?」
佐天「そうですねー。普通の娘がちょっと変わった恋をしたり、悩んだりとか、ふつーですね」
上条「だったら俺達はそっち側なんだよ。それだけの話」
佐天「あ……っ」
上条「多分さ。俺らの人生をドラマ化したとして、多分それは全っ然視てくれないし、心躍るような冒険もしないんだけど」
上条「それでも、この人生、このお話の主人公は俺達なんだ。それは、絶対」
佐天「――っ!」
上条「他の人からすればちっちゃくてショボイと思う。面白くもないと思う――でも、『それがどうした』って」
上条「誰に評価されなくたって良いだろ、自分が納得して楽しければ、それで充分だ」
佐天「……」
上条「……いや、楽しくなくたって良いんだ。バカみたいに不幸であっても、空元気で笑ってもそれはそれで」
上条「どんな方向にコマが転がっていっても、それを動かしてんのは俺だ、って分かってさえいりゃ」
上条「『学園探訪』と一緒で、誰も見てないようなクソつまらない番組であったとしても、中心で体張っていんのは佐天さんだろ?」
上条「それが『主役』じゃなかったら、何だって言うんだよ」
佐天「それ、開き直りじゃないですかっ」
上条「テレビとか結構見る方?ドラマ好き?」
佐天「えっと、まぁそれなりに?特撮含めてドラマは好きですけど」
上条「特撮は特撮っていうカテゴリだと思うけど。全部が全部、『特別』な人が主人公かな?」
佐天「そう言うのは多いですけどね。違うのも当然あります」
上条「どんな内容?」
佐天「そうですねー。普通の娘がちょっと変わった恋をしたり、悩んだりとか、ふつーですね」
上条「だったら俺達はそっち側なんだよ。それだけの話」
佐天「あ……っ」
上条「多分さ。俺らの人生をドラマ化したとして、多分それは全っ然視てくれないし、心躍るような冒険もしないんだけど」
上条「それでも、この人生、このお話の主人公は俺達なんだ。それは、絶対」
佐天「――っ!」
上条「他の人からすればちっちゃくてショボイと思う。面白くもないと思う――でも、『それがどうした』って」
上条「誰に評価されなくたって良いだろ、自分が納得して楽しければ、それで充分だ」
佐天「……」
上条「……いや、楽しくなくたって良いんだ。バカみたいに不幸であっても、空元気で笑ってもそれはそれで」
上条「どんな方向にコマが転がっていっても、それを動かしてんのは俺だ、って分かってさえいりゃ」
上条「『学園探訪』と一緒で、誰も見てないようなクソつまらない番組であったとしても、中心で体張っていんのは佐天さんだろ?」
上条「それが『主役』じゃなかったら、何だって言うんだよ」
78: 2013/05/08(水) 11:49:04.09 ID:19zO7Iut0
佐天「……まぁ、そうかも」
上条「佐天さん、今、楽しいかな?佐天さんの物語は、どうだ?」
佐天「……いっやーどうかなー?」
上条「『学園探訪』やってる時はかなりテンション振り切ってたと思うけど」
佐天「結論を出すのはまだ早いかと。まだ折り返し地点ですしねー」
上条「んー……まぁ、それでもいいんじゃないかな?自分が主役の人生なんだし、好きにすれば」
佐天「はいっ、好きになりましたっ!」
上条「うん」
佐天「あぁいえいえいえっ!自分の物語が、ですよっ!?」
上条「いや文脈上それ以外に無いだろ?」
佐天「で、ですよねっ!……はい」
上条「んじゃ取材続ける?今日はお開きにしたって良いと思うけどな」
佐天「上条さん」
上条「ん?」
佐天「あたしこと佐天涙子は、早速やらかそうと思うのでありますっ!」
上条「あーうん……余計な事言ったかも」
佐天「まぁまぁ運が悪いと思って諦めてくださいよ、ねっ?」
上条「佐天さん、今、楽しいかな?佐天さんの物語は、どうだ?」
佐天「……いっやーどうかなー?」
上条「『学園探訪』やってる時はかなりテンション振り切ってたと思うけど」
佐天「結論を出すのはまだ早いかと。まだ折り返し地点ですしねー」
上条「んー……まぁ、それでもいいんじゃないかな?自分が主役の人生なんだし、好きにすれば」
佐天「はいっ、好きになりましたっ!」
上条「うん」
佐天「あぁいえいえいえっ!自分の物語が、ですよっ!?」
上条「いや文脈上それ以外に無いだろ?」
佐天「で、ですよねっ!……はい」
上条「んじゃ取材続ける?今日はお開きにしたって良いと思うけどな」
佐天「上条さん」
上条「ん?」
佐天「あたしこと佐天涙子は、早速やらかそうと思うのでありますっ!」
上条「あーうん……余計な事言ったかも」
佐天「まぁまぁ運が悪いと思って諦めてくださいよ、ねっ?」
79: 2013/05/08(水) 11:50:09.03 ID:19zO7Iut0
――○○学区××小学校近くの公園 17時00分
佐天「――はいっ、と『ずいずい』は手を繋いでいれば防げる事が判明しましたっ!いえーいっ!四連勝っ、やったねっ!」
上条「主旨が違う違う!勝ち負けの問題じゃないっ!それに『一人多い』には何もしなかった筈だ!」
佐天「まーそもそもこっちの学区で事故に遭った子は居ませんしね。存在すら疑われていたわけですけどもっ!」
上条「じゃあなんで来たっ!?どうして取材しようと思ったの?」
佐天「あーでもね、あたし思うんですよっ。『ずいずい』っては可哀想な子なんじゃないかと」
上条「まぁ話だけを聞けばそうだけど。でも基本傷害だからね?」
佐天「だからもしテレビをご覧なっているあなたっ、あなたが可哀想だと思っているなら、その子を連れて行ってやってくれませんか?」
佐天「繋いでない掌をこう軽く握るようにして。途中まででいいですからっ」
上条「いやでもいいの?こういうのってツイテクルー、とか問題になるんじゃ?」
佐天「その子は基本帰りたい訳なんですよね。だったらお家まで送ってって欲しいなー、と」
佐天「帰り道だったら分かるでしょうし、違う道へ入ったら、離れてまた別の人を探すと思います」
上条「適当だよなぁ」
佐天「えっと……『送り狼』って民話があります。あ、えOちな話じゃないですよ?」
佐天「昔々、暗い山道や夜道を歩いていると後から狼がついてきます」
佐天「途中で転んだりすると狼に食べられちゃうけど、逆に倒れなければ家まで無事に送り届けてくれる、ってお話です」
佐天「それと同じなんじゃないかなって、あたしは思います。もしかしたら大本は同じなのかも?」
上条「同じ道関係の怪談と都市伝説って意味か?」
佐天「んー……ほら、出て来るタイミングが一緒じゃないですか?」
佐天「『送り狼』は森や夜道、『ずいずい』は夕方の通学路。当事者――っていうか、体験したり、するんじゃないかなって思っている人は、『帰り道を急ぐ人』ですよね?」
上条「あー……確かに」
佐天「――はいっ、と『ずいずい』は手を繋いでいれば防げる事が判明しましたっ!いえーいっ!四連勝っ、やったねっ!」
上条「主旨が違う違う!勝ち負けの問題じゃないっ!それに『一人多い』には何もしなかった筈だ!」
佐天「まーそもそもこっちの学区で事故に遭った子は居ませんしね。存在すら疑われていたわけですけどもっ!」
上条「じゃあなんで来たっ!?どうして取材しようと思ったの?」
佐天「あーでもね、あたし思うんですよっ。『ずいずい』っては可哀想な子なんじゃないかと」
上条「まぁ話だけを聞けばそうだけど。でも基本傷害だからね?」
佐天「だからもしテレビをご覧なっているあなたっ、あなたが可哀想だと思っているなら、その子を連れて行ってやってくれませんか?」
佐天「繋いでない掌をこう軽く握るようにして。途中まででいいですからっ」
上条「いやでもいいの?こういうのってツイテクルー、とか問題になるんじゃ?」
佐天「その子は基本帰りたい訳なんですよね。だったらお家まで送ってって欲しいなー、と」
佐天「帰り道だったら分かるでしょうし、違う道へ入ったら、離れてまた別の人を探すと思います」
上条「適当だよなぁ」
佐天「えっと……『送り狼』って民話があります。あ、えOちな話じゃないですよ?」
佐天「昔々、暗い山道や夜道を歩いていると後から狼がついてきます」
佐天「途中で転んだりすると狼に食べられちゃうけど、逆に倒れなければ家まで無事に送り届けてくれる、ってお話です」
佐天「それと同じなんじゃないかなって、あたしは思います。もしかしたら大本は同じなのかも?」
上条「同じ道関係の怪談と都市伝説って意味か?」
佐天「んー……ほら、出て来るタイミングが一緒じゃないですか?」
佐天「『送り狼』は森や夜道、『ずいずい』は夕方の通学路。当事者――っていうか、体験したり、するんじゃないかなって思っている人は、『帰り道を急ぐ人』ですよね?」
上条「あー……確かに」
81: 2013/05/08(水) 11:51:41.71 ID:19zO7Iut0
佐天「だから『送り狼』の民話と『ずいずい』の都市伝説、どちらとも『不安が生み出した』んじゃないか――あぁもうっ!なんか上手く説明出来ないっ!」
上条「言ってる事は何となく分かる気がする」
上条「昔の人は明かりのない道を歩く時には『送り狼』を見て、今の子供達が夕方歩く時には『ずいずい』を見た、と」
上条「時代も体験者も違うけど、二つの話の核を作っているのは『心細い帰り道』って言う点か」
佐天「あー、それです。そんな感じですけど、でもっ」
佐天「『救い』ってないじゃないですか」
佐天「『送り狼』でも、転ばなければ守ってくれるというメリットもありますし、同系統の都市伝説、『口裂け女』にだって対抗手段はありますよね?」
上条「ま、時代で色々変わっているらしいけど、あるにはあるよな」
佐天「なんて言うんですかねー、近年に現われた都市伝説って酷いの多くありませんか?問答無用で氏んじゃったり、不幸になったり」
佐天「だからあたしは――いやっ『学園七大不思議探訪』っとしては、カウンタースキルを作りたいと思いますっ」
上条「どういう意味?」
佐天「『口裂け女』に対して『ポマード』って言ったら逃げていきますね?それの万能版みたいなの」
上条「お経を唱えた方がまだマシだと思うけどなー」
佐天「いえいえっ、そういうのも覚えるの大変じゃないですか?子供には無理ですよねー」
佐天「それにおっきな声出したりすれば、他の人も助けに来てくれるかも知れませんし」
上条「一理ある。確かに『もしもの時これが大丈夫かも』って思ってるだけで、全然心構えは変わるもんな」
佐天「それそこお守りでもお札でも良いとは思うんですが、とっさの時って忘れちゃいますし」
佐天「それにもしそういう大切なものを無くしてしまったら、逆にモチベーションが下がります」
上条「成程、だから誰でも言えるような言葉か。良いんじゃないかな」
佐天「でも『火事だー』とか『泥棒だー』って言葉を使う訳にも行きません。それでは他の方に迷惑になってしまいますので」
上条「そう言う気配りも大事だよな。なんつーか佐天さん、今日はマジで見直したかも」
佐天「いぇいっ!もっと誉めやがれっ!」
上条「あーうん、凄い凄い」 ナデナデ
佐天「どうですかっ!佐天涙子はやれば出来る子だっ!」
上条「うんまぁそれは分かったんだけどさ、結局なんて言うの?まだ決めてないってオチじゃないよね?」
佐天「まっさかそんな事はありませんっ!幾ら何でも考えてないなんて有り得ないですっ」
佐天「むしろあたしはこの言葉しかないと確信していたぐらいですし!」
上条「へー……んじゃ言ってみようか。すっげー嫌な予感しかしないけど」
佐天「では行きます――こほんっ」
上条「言ってる事は何となく分かる気がする」
上条「昔の人は明かりのない道を歩く時には『送り狼』を見て、今の子供達が夕方歩く時には『ずいずい』を見た、と」
上条「時代も体験者も違うけど、二つの話の核を作っているのは『心細い帰り道』って言う点か」
佐天「あー、それです。そんな感じですけど、でもっ」
佐天「『救い』ってないじゃないですか」
佐天「『送り狼』でも、転ばなければ守ってくれるというメリットもありますし、同系統の都市伝説、『口裂け女』にだって対抗手段はありますよね?」
上条「ま、時代で色々変わっているらしいけど、あるにはあるよな」
佐天「なんて言うんですかねー、近年に現われた都市伝説って酷いの多くありませんか?問答無用で氏んじゃったり、不幸になったり」
佐天「だからあたしは――いやっ『学園七大不思議探訪』っとしては、カウンタースキルを作りたいと思いますっ」
上条「どういう意味?」
佐天「『口裂け女』に対して『ポマード』って言ったら逃げていきますね?それの万能版みたいなの」
上条「お経を唱えた方がまだマシだと思うけどなー」
佐天「いえいえっ、そういうのも覚えるの大変じゃないですか?子供には無理ですよねー」
佐天「それにおっきな声出したりすれば、他の人も助けに来てくれるかも知れませんし」
上条「一理ある。確かに『もしもの時これが大丈夫かも』って思ってるだけで、全然心構えは変わるもんな」
佐天「それそこお守りでもお札でも良いとは思うんですが、とっさの時って忘れちゃいますし」
佐天「それにもしそういう大切なものを無くしてしまったら、逆にモチベーションが下がります」
上条「成程、だから誰でも言えるような言葉か。良いんじゃないかな」
佐天「でも『火事だー』とか『泥棒だー』って言葉を使う訳にも行きません。それでは他の方に迷惑になってしまいますので」
上条「そう言う気配りも大事だよな。なんつーか佐天さん、今日はマジで見直したかも」
佐天「いぇいっ!もっと誉めやがれっ!」
上条「あーうん、凄い凄い」 ナデナデ
佐天「どうですかっ!佐天涙子はやれば出来る子だっ!」
上条「うんまぁそれは分かったんだけどさ、結局なんて言うの?まだ決めてないってオチじゃないよね?」
佐天「まっさかそんな事はありませんっ!幾ら何でも考えてないなんて有り得ないですっ」
佐天「むしろあたしはこの言葉しかないと確信していたぐらいですし!」
上条「へー……んじゃ言ってみようか。すっげー嫌な予感しかしないけど」
佐天「では行きます――こほんっ」
82: 2013/05/08(水) 11:52:57.63 ID:19zO7Iut0
佐天「『うっいっはっるーーーーーーーー!愛っしてっるっぞーーーーーーーーーー!!!』
上条「分かってたよ!こんなオチになるんじゃないかって思ってたけどさ!『愛してるぞー、美琴ー!』の実質二択じゃねぇか!」
上条「佐天さん見直せねぇよ!俺の中では外見は良いけど残念な子のままだからねっ!?」
佐天「可愛いって誉められたっ!」
上条「ポジティブにも程があるなっ!?もうちょっと文意酌み取ろう?なぁっ!?」
佐天「さぁて今週もまたお別れのお時間がやって参りましたっ!学園探訪第四話目っ!今日はちょっと真面目なお話しちゃいましたがっ!」
上条「ぶち壊しになってるからね?主に君が自分で積んだ信頼をジェンガしてるんだけどもっ!」
佐天「でももし良かったら『ずいずい』、途中まで送ってやって下さいなっ!」
上条「また軽いなっ!?」
佐天「もしかしたら――新しい家族が出来るかもっ?やったねっ!」
上条「ウルセェよっ!それ結局家までついて来てんだろうがっ!」
佐天「まさに『憑いて来る』ですよねっ!」
上条「上手くないからな?むしろ君は人への迷惑を助長しているからな?」
佐天「まーでもあんま深く考えなくて良いと思うよ?『ずいずい』が居ようか居なかろうが、友達と一緒に仲良く帰れば問題ないって!」
佐天「つーか良い機会だしっ、気になるあの子や疎遠になった友達と、これを切っ掛けに話してみるのもいいんじゃないかな?」
佐天「でももし、一人で寂しくなった時っ、何か居そうで怖い時っ、そんな時はこう叫ぼうぜっ!はいテレビの前もみんなもご一緒にっ!」
佐天「うっいはっるーーーーーーーーっ!あいーしーてーるぞーーーーーーーっ!」 プツンッ
上条「分かってたよ!こんなオチになるんじゃないかって思ってたけどさ!『愛してるぞー、美琴ー!』の実質二択じゃねぇか!」
上条「佐天さん見直せねぇよ!俺の中では外見は良いけど残念な子のままだからねっ!?」
佐天「可愛いって誉められたっ!」
上条「ポジティブにも程があるなっ!?もうちょっと文意酌み取ろう?なぁっ!?」
佐天「さぁて今週もまたお別れのお時間がやって参りましたっ!学園探訪第四話目っ!今日はちょっと真面目なお話しちゃいましたがっ!」
上条「ぶち壊しになってるからね?主に君が自分で積んだ信頼をジェンガしてるんだけどもっ!」
佐天「でももし良かったら『ずいずい』、途中まで送ってやって下さいなっ!」
上条「また軽いなっ!?」
佐天「もしかしたら――新しい家族が出来るかもっ?やったねっ!」
上条「ウルセェよっ!それ結局家までついて来てんだろうがっ!」
佐天「まさに『憑いて来る』ですよねっ!」
上条「上手くないからな?むしろ君は人への迷惑を助長しているからな?」
佐天「まーでもあんま深く考えなくて良いと思うよ?『ずいずい』が居ようか居なかろうが、友達と一緒に仲良く帰れば問題ないって!」
佐天「つーか良い機会だしっ、気になるあの子や疎遠になった友達と、これを切っ掛けに話してみるのもいいんじゃないかな?」
佐天「でももし、一人で寂しくなった時っ、何か居そうで怖い時っ、そんな時はこう叫ぼうぜっ!はいテレビの前もみんなもご一緒にっ!」
佐天「うっいはっるーーーーーーーーっ!あいーしーてーるぞーーーーーーーっ!」 プツンッ
83: 2013/05/08(水) 11:54:15.31 ID:19zO7Iut0
――○○学区××小学校近くの公園 17時15分
上条「……いいのかなぁ、こんなんで」
佐天「まぁ良いんじゃないですかね。誰が困るって訳でもないでしょうし」
上条「いや……まぁ、いいか。怒られたらその時考えよう」
佐天「あ、そうだっ打ち上げしましょう、打ち上げっ!この間ナンパ失敗しやがったお店のケーキ食べたいですっ」
上条「失敗してねぇよっ!?つーか試してすら居ないからなっ!」
佐天「ガトーショコラ……いやいやっベタにショートも捨てがたいっ」
上条「両方食えば?つーか寄るの確定かよ」
佐天「んー……シェアしませんか?半分こって事で」
上条「なぁ佐天さん、こないだそれしたら『間接キス恥ずかしいですっ』つって俺の分まで食ったよなぁ?」
佐天「今日こそはっ、今日なら出来る気がしますっ」
上条「そのフラグどう考えても失敗する前振りでしかないんだが」
佐天「だってあたしが、あーん、ってやったら嫌がるじゃないですか」
上条「そーゆーのは彼氏相手にやんなさい」
佐天「堅い、堅すぎますっ!」
上条「あーもう良いから行こうぜ。何だかんだ言って暗くなるのは早いんだから」
佐天「んじゃ行きましょっか、はいっ」 グッ
上条「手?サイフ寄越せって事?」
佐天「ですから、『ずいずい』にドンってされても良いように、手、繋ぎましょう?」
上条「もうそういう歳じゃないと思うけどなぁ」
佐天「そうですかー、それじゃしょうがないですねー――おっとあんな所に横断歩道がっ!」
上条「待て待て待てっ!?幾らフリでも突っ込もうするんじゃないっ!」
佐天「じゃ、はいっ、手」
上条「ほぼ脅迫じゃねぇかっ!……『ずいずい』送っていく話はどうなったんだよ?」
佐天「あたしは左手が空いてますし、上条さんは右手があるじゃないですか」
佐天「誰かと手を繋いだからって、それ以上駄目って法律はないんですよねー、これが」
上条「まぁたまには、いいか」
佐天「いいですよねー、たまには」 ギュッ
上条「あー……んじゃ。二人とも送ってくよ」 ギュッ
パキィィンッ
佐天「あれ、今音しませんでしたか?」
上条「さぁ?俺には何も聞こえなかったけど」
佐天「です、かねぇ……ま、いっか」
佐天「あ、決めましたっ!オレンジタルトとショートケーキとガトーモンブランと――」
上条「一人で食える量じゃねぇからなっ!?」
佐天「なぁに言ってんですかっ――」
佐天「――二人で食べればいいんですって!」
上条「……いいのかなぁ、こんなんで」
佐天「まぁ良いんじゃないですかね。誰が困るって訳でもないでしょうし」
上条「いや……まぁ、いいか。怒られたらその時考えよう」
佐天「あ、そうだっ打ち上げしましょう、打ち上げっ!この間ナンパ失敗しやがったお店のケーキ食べたいですっ」
上条「失敗してねぇよっ!?つーか試してすら居ないからなっ!」
佐天「ガトーショコラ……いやいやっベタにショートも捨てがたいっ」
上条「両方食えば?つーか寄るの確定かよ」
佐天「んー……シェアしませんか?半分こって事で」
上条「なぁ佐天さん、こないだそれしたら『間接キス恥ずかしいですっ』つって俺の分まで食ったよなぁ?」
佐天「今日こそはっ、今日なら出来る気がしますっ」
上条「そのフラグどう考えても失敗する前振りでしかないんだが」
佐天「だってあたしが、あーん、ってやったら嫌がるじゃないですか」
上条「そーゆーのは彼氏相手にやんなさい」
佐天「堅い、堅すぎますっ!」
上条「あーもう良いから行こうぜ。何だかんだ言って暗くなるのは早いんだから」
佐天「んじゃ行きましょっか、はいっ」 グッ
上条「手?サイフ寄越せって事?」
佐天「ですから、『ずいずい』にドンってされても良いように、手、繋ぎましょう?」
上条「もうそういう歳じゃないと思うけどなぁ」
佐天「そうですかー、それじゃしょうがないですねー――おっとあんな所に横断歩道がっ!」
上条「待て待て待てっ!?幾らフリでも突っ込もうするんじゃないっ!」
佐天「じゃ、はいっ、手」
上条「ほぼ脅迫じゃねぇかっ!……『ずいずい』送っていく話はどうなったんだよ?」
佐天「あたしは左手が空いてますし、上条さんは右手があるじゃないですか」
佐天「誰かと手を繋いだからって、それ以上駄目って法律はないんですよねー、これが」
上条「まぁたまには、いいか」
佐天「いいですよねー、たまには」 ギュッ
上条「あー……んじゃ。二人とも送ってくよ」 ギュッ
パキィィンッ
佐天「あれ、今音しませんでしたか?」
上条「さぁ?俺には何も聞こえなかったけど」
佐天「です、かねぇ……ま、いっか」
佐天「あ、決めましたっ!オレンジタルトとショートケーキとガトーモンブランと――」
上条「一人で食える量じゃねぇからなっ!?」
佐天「なぁに言ってんですかっ――」
佐天「――二人で食べればいいんですって!」
84: 2013/05/08(水) 11:55:21.08 ID:19zO7Iut0
――常盤台女子寮・深夜28時
御坂「……」
御坂(初春さん推しが凄いのは分かったんだけど)
御坂(まぁ、オバケがホントに居る訳じゃないし、気の持ちようってのは大切よね)
御坂(こ、怖くないわよっ?)
御坂「……」
御坂「(……うっいはるー、あいっしてっるぞー)」 ボソッ
御坂「……」
御坂(何か違う?だったら――)
御坂「(……と、とーまっ、あいして――)」
白衣「あぁんのぉぉっ泥棒猫があぁぁぁぁぁぁっ!?」 ムクッ
御坂 ビクゥッ!?
白衣「お姉様はっ!おねえさ――」
白衣 パタッ
御坂「……」
白衣 スースー
御坂(ね、寝言?寝言、よね。うん)
御坂(呟き拾って対応するなんて、色々と人間離れしてるけど)
御坂「……」
御坂(あ、でも)
御坂(胸の奥、ぽかぽかしてる) コテッ
上条『御坂は能力とか関係無い』
上条『能力使って色々な揉め事解決したり、能力がある事で本人の自信になってるのは間違いないと思うけど』
上条『能力持ってないからって、御坂が人を助けないなんて有り得ない』
御坂「……」
御坂(……マズいなぁ)
御坂(また好きになっちゃったよ、あたし)
御坂「……」 ムクッ
御坂(……佐天さんも、なのよね)
御坂「……」
御坂「……一度、確かめなきゃ、ね」 コテッ
――学園都市七大不思議探訪 第四話 『ずいずい』 -終-
御坂「……」
御坂(初春さん推しが凄いのは分かったんだけど)
御坂(まぁ、オバケがホントに居る訳じゃないし、気の持ちようってのは大切よね)
御坂(こ、怖くないわよっ?)
御坂「……」
御坂「(……うっいはるー、あいっしてっるぞー)」 ボソッ
御坂「……」
御坂(何か違う?だったら――)
御坂「(……と、とーまっ、あいして――)」
白衣「あぁんのぉぉっ泥棒猫があぁぁぁぁぁぁっ!?」 ムクッ
御坂 ビクゥッ!?
白衣「お姉様はっ!おねえさ――」
白衣 パタッ
御坂「……」
白衣 スースー
御坂(ね、寝言?寝言、よね。うん)
御坂(呟き拾って対応するなんて、色々と人間離れしてるけど)
御坂「……」
御坂(あ、でも)
御坂(胸の奥、ぽかぽかしてる) コテッ
上条『御坂は能力とか関係無い』
上条『能力使って色々な揉め事解決したり、能力がある事で本人の自信になってるのは間違いないと思うけど』
上条『能力持ってないからって、御坂が人を助けないなんて有り得ない』
御坂「……」
御坂(……マズいなぁ)
御坂(また好きになっちゃったよ、あたし)
御坂「……」 ムクッ
御坂(……佐天さんも、なのよね)
御坂「……」
御坂「……一度、確かめなきゃ、ね」 コテッ
――学園都市七大不思議探訪 第四話 『ずいずい』 -終-
86: 2013/05/08(水) 11:56:34.83 ID:vafjUhJQ0
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります