104: 2013/05/08(水) 12:17:38.04 ID:19zO7Iut0
とある魔術の禁書目録 31巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
105: 2013/05/08(水) 12:18:27.24 ID:19zO7Iut0
――某病院個室 16時30分

佐天「うっいはるーーーーーーーーーっ愛しているぞーーーーーーーーーーっ!!!」

上条「……」

佐天「はぁいっどーもっ、そんな訳で二週間ぶりで御座いますっ!みんな大好き中学生の佐天涙子ですっ!」

佐天「先週はごめんなさいっ、ちょっと友達と修羅場ってたもんで!御坂さん、見てるー?」

佐天「さてさて、そんな訳で今日もやって来ました、『学園七大不思議探訪』っ!――って、あれ?」

佐天「どうしましたーカメラマンさんー?元気がないなー?」

上条「……あのさ、俺、入院してるよね?」

上条(って言うか一日ぐらい前にアックアにボコられたんだけど)

佐天「えぇ。トラック跳ねられて今朝までICUに居たって聞きましたよ?」

上条「ぶっちゃけ大声出すと傷が痛いってレベルの重傷なんだけど?あと佐天さんの大声も地味に響くし」

佐天「やだっ、あたしの言葉が心に響くってっ」

上条「うん、今日は早めに言うけど、君やっぱ頭悪いだろ?なぁ?」

佐天「ま、それは兎も角これお見舞いのフルーツですっ。局の皆さんから」

上条「あ、これはご丁寧にすいません」

佐天「って訳で第六話っ!はっじっまっるっよーーーーっ!」

上条「続けるなよっ!?……あたたっ!?」

佐天「ナースコールしましょうか?」

上条「叫ばせてんのは誰だっ!?……のぉぉぉぉっ!?」

佐天「まぁまぁ落ち着いて下さいな。お水でも飲んで飲んで」

上条「するなよ?絶対笑わせようとするなよっ!絶対だからなっ!?」

佐天「えー、それはもうしろと言っているレベルかと」

上条 ゴクコグ

佐天 ウズウズ

106: 2013/05/08(水) 12:19:51.30 ID:19zO7Iut0
上条「……あのさ、申し訳ないけど今日はちょっとアレでさ」

上条「昨日から約束をすっぽかしたのは悪いと思ってるけど、その」

佐天「あーいえ、次回は総集編を流すので問題ありませんよ」

佐天「そもそも七不思議は『全て知ってしまうと何かが起こる』って話もありますし、一話ぐらいはボカしておこうかなー、と」

上条「そっか」

佐天「でもまぁ流石にそれだけでは悪いので、質問コーナーもしちゃいたいと思います」

上条「へー、もしかしてそれもホームページで?」

佐天「はい。番組へ対するご意見ご感想を募った所、結構な数頂きました。ありがとーっ」

上条「ありがとうございます、だろ」

佐天「あたし一人では厳しいので、出来れば上条さんにも手伝って欲しいなぁ、と」

上条「俺じゃなきゃ駄目なの?」

佐天「はい。それは絶対ですっ!他の人では考えられませんよっ」

上条「……分かった、だったらやらせて貰うよ」

佐天「お願いしますっ。では早速、お一人目のメールをご紹介したいと思います」

上条「よし来いっ」

佐天「『カメラマンさんの好みの女性はどのようなミサカですか?とミサカは匿名で質問します』」

上条「匿名じゃねぇなっ!?つーか番組内容とこれっぽっちも関係無いっ!?」

佐天「いえ、言ったじゃないですか、『一人では厳しい』って」

上条「そういう意味だって思わなかったよ!?もっとこう、信頼出来る相方みたいの意味じゃなかったの?」

佐天「いやいやっ信頼はしてますよ、そりゃ」

佐天「でもこう、匿名のミサカさんを名乗る一万人弱の方からメールを頂いた手前、やっとかないとって気分でですね?」

佐天「スタッフさんが引いちゃってもう。100を過ぎた頃までは『わーすごいねー』って感じでしたが、5000を超えたら恐怖で顔が引きつってました」

上条「……ちなみにメール総数は?」

佐天「9969票で半分以上がご覧の有様でした。勿論アドレス、送信ドメインは全員別です」

上条「そりゃ誰だって驚くし怖くもなるよなぁ。つーか見ているお前ら何やってんの?もっと他にする事ねーの?」

佐天「ウチ、9968人が『匿名希望のミサカ』さんなんですよね。これはもう新しい都市伝説として広めるべきかとっ!」

上条「やめとけって!あとそれは『匿名希望』までが名前であって、ミサカは別だからな?」

佐天「ちなみ9969通の中で唯一、普通のハンドルネームだった方はこんな内容です」

佐天「『HN“ゲコ太らぶりー”さん――“両想いになる自販機”のやり方なのですが、自販機を蹴って出たジュースを二人で飲めば――』」

上条「ビリビリの公開処刑はやめてあげてっ!?これ以上身内に恥を晒すのとめてあげてよっ!?」

佐天「いやーどっちつかずの想い人を持つと大変ですよねー?ふぁいっおーっ!」

上条「良く分からないけど俺の心が痛い言葉だよなっ!良く分からないけどもっ!」

107: 2013/05/08(水) 12:20:46.28 ID:19zO7Iut0
上条「つーかさ、別に俺の好みなんか聞いたって嬉しくもないだろ。もうちょっとそれっぽい質問はなかったの?」

上条「こう言う番組なんだから、一つ二つあったって良いと思うんだ」

佐天「あー……ちょい待って下さい。データはスマートフォンに落としてますんで、検索を――」 ピッ

佐天「あ、ないですねー」

上条「ないのかよっ!?」

佐天「大抵の質問の中には『カメラマン』『あの人』『上条』のキーワードが入っていますし」

佐天「中には『リポーターを変えた方がいい』『ミサカの中から無作為に選べ』って言うのも――」

上条「もうちょっと大人になろうな?オリジナルもアレだけども、お前らもどっかおかしいからな?」

上条「――って佐天さん、ちょっといいかな?」

佐天「何ですか、改まって――ってまさかっ!?」

上条「いや君が思ってるようなジャンルの話じゃないと思うよ?」

佐天「ですかねー?意外とあっているかも知れませんよ」

上条「……真面目な話だ」

上条(アックアに指定された時刻からもうすぐ24時間)

上条(天草式は戦ってくれるみたいだけど、黙って見てる訳には行かない!)

上条(でも――アックア相手に帰って来れる保証もないからな)

佐天「はい」

上条「まぁ番組やって色々あったんだけど、楽し――くは無かったけど、まぁそれなりだった」

上条「あんまり佐天さん事知らなかったけど……まぁ今も正直、テンション振り切ってるのと、しょんぼりしてるの」

上条「どっちが素なのかな、って考える時もあるし」

上条「まぁ……なんつーかな、あんまよくまとめられないけど、兎に角佐天さんは、別に卑屈になる事はないって事だよ」

上条「他の人がそうやってるように、堂々としていれば良いと思う」

佐天「上条さん……やだっ、何かお別れみたいじゃないですかっ!?」

上条「あー、いやいやそんなつもりはないよ?今回は総集編だし、良い機会だからって思っただけだから」

上条「そんな事は全然無いからな?」

佐天「……はいっ」

佐天「でも、ですねっ。一つだけっ、一つだけでいいですからっ、あたしと約束して下さいっ!」

上条「俺に出来る事だったら、まぁ大体は」

佐天「無事に帰ってきて下さいっ。あたしの所じゃなくったっていいからっ、それだけ、守ってくれればっ!」

上条「……うん。分かったよ」

佐天「……約束、ですよ?嘘吐いたら承知しませんからっ!」

上条「あぁっ!」

佐天「嘘だったら左手で超電磁砲キャッチですねっ!」

上条「全力で頃す気だなっ!?むしろトドメを刺しに来てるのかっ!?」

108: 2013/05/08(水) 12:21:31.21 ID:19zO7Iut0
佐天「でも、信じているのは本当ですよ?あと一回で最終回ですからね、『学園七大不思議探訪』も」

上条「何だかんだ言ってもう二ヶ月かー。ちょっと寂しいよなー」

佐天「一回お休みしちゃったあたしが言うのも何ですけど、最後までやり遂げたいですもんね」

上条「だなぁ……あぁいや、するつもりだけど」

佐天「んじゃそれでは今日はこの辺で失礼します」 (カメラを回収)

上条「あー……その、佐天さん?」

佐天「はい?」

上条「今晩はさ、取材とかしないで早く帰ってくれないかな?」

佐天「何でですか?」

上条「あぁいや、理由は……言えないんだけど――」

佐天「あぁ電柱持ったオジサンなら、あたしが追っ払っておきましたから」

上条「そうだな。追っ払って――って今、君なんつった?」

佐天「はいっ、と言う訳で今週の『学園探訪』如何でしたでしょうかっ!」

上条「締めじゃねぇよっ!?おい君今、すっげー問題発言かましたぞ、なあっ!?」

佐天「全国9968人の匿名希望のミサカさんっ、残念ながら質問には答えてくれませんでしたっ!んー、残念っ!」

上条「今まさに君が俺の質問に答えてないからね?つーかマジ?どうやったの?」

佐天「あー、でもこないだ喫茶店でおっOい大きい人ガン見してましたよー?参考になりますかねー?」

上条「俺の趣味を暴露するの――い、いやっそれはこの際、どうでもいいっ!何したのっ!?君はまたどんな危ない橋を全力疾走したのっ!?」

佐天「ではでは来週で最終回と相成りますが、それでもボクはこう言うさっ、君に向かってこの言葉っ!」

上条「おいっ!?ウヤムヤにしていい問題じゃないからなっ!?絶対にオチないからなっ!?」

佐天「うーいーはーるっ!あーいーしーてるーぞーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 プツンッ

109: 2013/05/08(水) 12:22:31.47 ID:19zO7Iut0
――公園 12時間“前”の早朝(4時30分)

アックア「……まだ、早いのであるな」 (懐中時計を見る)

佐天「あ、すいませーん?ちょっと良いですかねー?」

アックア(セーラー服に金属バットとヘルメット?早朝練習にしては奇妙な格好であるな)

佐天「えっと、にほんごー、つうじませんか?……まいったなー」

アックア「いや、通じているのである」

佐天「良かったー。今何時だか教えてくれませんか?」

アックア「4時……30分であるな」

佐天「そうですか。ありがとうございます」

アックア「それよりも、婦女子が出歩くには少々早い時間では――」

佐天「あ、時計につば九○ついてますよ?」

アックア「え、つば○郎?さっきヤクル○飲んだ時についてきたのであるか?」

佐天「取ってあげますから、貸して下さいなっ」 ヒョイッ

アックア「あ、いや自分で取れ――」

佐天「時計、とったどおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」 タッタッタッタッタッ(ダッシュで逃げる)

アックア「」

アックア(物盗りであるか?大して高い物でもないが)

ヴィリアン(回想)『ウィリアム=オルウェル、これを貴方に』

ヴィリアン(回想)『今の私にはこれぐらいしか、貴方に感謝を表す事は出来ません』

ヴィリアン(回想)『ですのでどうか、貴方と共に――』

アックア「……まぁ、盗みは良くないのであるな」 スクッ

110: 2013/05/08(水) 12:23:34.17 ID:19zO7Iut0
――とある交差点 4時35分

アックア(追い掛けてきたはいいものの)

アックア(あの少女の姿は見えず、交差点の中央に私の時計が放置されているのである)

アックア「……」

アックア(学園都市の罠?……いや、あんな素人の刺客は居ないのである。もっと誘導するにしても方法はあるのであるな)

アックア(罠だとしても近づかなければ良いだけの話であるが――さて?)

アックア「……?」

アックア(天使の力?……いや、魔力、であるか?霧のように薄く、這い上がってくる)

アックア(鳥肌が立つような、嫌な感じである)

PiPiPi……

アックア(私の携帯電話に偽装した霊装に着信?猊下であるか?)

アックア「もしもし?」

女の子『もしもし、あたしメリーさん。今、駅前にいるの』

アックア「誰だ?」

女の子『今からそっちに行くね』 プツッ

アックア(霊装に介入してきた所をみると腕のある魔術師。天草式であるか?)

アックア(しかしそれにしては魔力の質も、量も測れないのである)

PiPiPi、PiPiPi……

アックア「……誰であるか?どうしてこのような幼稚な真似を――」

女の子『もしもし、あたしメリーさん。今、学校にいるの』

女の子『今から二人でそっちへ行くね』 プツッ

アックア(……ふむ。来るというのであれば、正面から粉砕するのみであるが――)

アックア(一体“これ”にどのような意味がある?)

アックア(一般的な魔術師は神話を辿り寓意を再構成する。それがセオリーである)

アックア(だが、この行為自体には何の寓意も含まれていない。我々の魔術とは一線を画すのであるな)

アックア「……」

アックア(新大陸に興った旧神系の精神汚染術式。似ているであるか?)

111: 2013/05/08(水) 12:24:57.29 ID:19zO7Iut0
PiPiPi――

女の子『もしもし、あたしメリーさん。今、喫茶店にいるの。今から三人でそっちへ行くね』 プツッ

アックア「……」

アックア(私が人払いの結界を張ったわけでもないのに、どうして誰も通らない?)

アックア(深夜――いや、早朝とは言え、人通りはおろか先程から車の一台も通らぬのである)

アックア(不気味な――攻撃である。幻術の類では無い。無いが――)

アックア(精神を、いや本能の部分から揺さぶられているような、異質な恐怖を感じるのである)

Pi――

アックア「はい」

女の子『もしもし、あたしメリーさん。今、横断歩道にいるの。今から四人で――』

アックア「っ!?」 ガバッ(携帯電話を捨てて振り向く)

アックア(ここの、歩道ではないと言う事であるか)

女の子『もしもし、あたしメリーさん。今――あなたのうしろにいるの』

アックア「ふんっ!」

ズゥンッ!

アックア「妙な術式を使うようであるが、倒してしまえばどうと言う事は――」

『ずいずいずっころばし、ごっまみそっずいっ』

アックア「なんだ……この、歌は?」

112: 2013/05/08(水) 12:25:54.35 ID:19zO7Iut0
『ちゃっつぼにおわれてとんぴんしゃんっ、ぬけたぁらどんどこしょっ』

アックア「呪歌?どこから聞こえてくるのであるかっ」

『たっわっらっのねっずっみが、こめくってちゅう。ちゅうちゅうちゅう』

アックア「姿を見せるのである卑怯者がっ!正々堂々と――」

『おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも』

アックア「後?まだ後に居るのであるか。ならばっ!」

『いきっこぉなぁしぃ――よおぉっ』

アックア「我が魔術を込めた武器であれば、容易く打ち払えるのである!」

『いどっのまっわっりでっおっちゃわんかっいったの』

ズゥンッ!

アックア「……」

アックア「……終わった、のであるか?確かに手応えはあったのであるが」

アックア「――いやっ、気配が『一人多い』っ!?最初から陽動が目的であるかっ!」

『だぁーれっ?』

ドンッ!!!

113: 2013/05/08(水) 12:26:40.36 ID:19zO7Iut0
アックア「くっ!?…………?」

アックア(ダメージが無い?ただ押されただけ?)

アックア(……何かに突き飛ばされて、交差点十字路の中心まで来てしまったのではあるが)

アックア(だからといって何が起る訳でもない)

アックア「……」

アックア(私の時計が足下に――拾うのであるな) カチャッ(拾い上げる)

『ちっ、ちっ、ちっ、ちっ』

アックア「時計の、秒針の音……?何故急に聞こえるようなったのであるか?」

『ちっ、ちっ、ちっ、ちっ』

アックア「害は――ないのであるか。ただ、不気味ではある」

『ちっ、ちっ、ちっ、ちっ』

『ただいま、時刻は、4時、44分、39秒をお知らせしました』

アックア「……?時報サービスである――」

『ちっ、ちっ、ちっ、ぼーん』

アックア「んなっ!?ば、莫大な魔力がっ!テレOマ?いや違うこれはっ!?」

『ぼーん、ぼーん、ぼーん、ちっ』

アックア「空がっ!空が捲れて、目がっ目がっ、鎌のような月の手がっ!?」

『ちっ、ちっ、ちっ、ちっ』

アックア「深淵からこちらを覗くあれはっ、あれはっ!しにが――」 バタッ

114: 2013/05/08(水) 12:27:52.66 ID:19zO7Iut0
――とある交差点 4時46分

佐天「えっと……な、なんだろう?一人でぐるぐる回って倒れちゃったけど……?」

佐天「き、効いちゃったのかな?『午前4時44分44秒の4つ辻の氏神』さん?」

佐天「い、いまのウチにっ……!」

佐天 グッ(バットを振り上げる)

佐天「……」

佐天「……で、出来ないよね。そんなこと」 カランコロンッ(バットを捨てる)

アックア「……」 (シーン)

佐天「車道に居たら危ない、よね」

佐天「よいしょっと――って重っ!?うーんっとおぉっ!」

アックア「……」

佐天「あ、あれ?ちょっと軽くなった?どうしてだろ?」

佐天「ま、いいやっ!でも重っ!」 ズズズッ

アックア「……」

佐天「呼吸の間隔は普通だし、心臓も脈も大丈夫」 ピトッ

佐天「でも念のため病院連れて行った方が良いかも」

佐天「……ごめんさない。今、車呼びますからっ」

佐天 タッタッタッタッ(大通りの方へ駆けていく)

アックア「……」

アックア「……人を呼ばれるのは、拙いのであるな」 (メイスを回収)

115: 2013/05/08(水) 12:28:47.39 ID:19zO7Iut0
――近くの公園 5時

アックア(さっきの“アレ”は何だったのであるか?危うく精神を持って行かれる所であったが)

アックア(全ての罪を免罪される私の特性をも無視するとは、な)

アックア(右手の少年の関係者なのであろうが、詰めが甘いのである)

アックア(あそこでバットを振り下ろしていれば――)

アックア「……」

アックア(いや、あの少女の細腕では私が瀕氏でもない限り、ダメージは与えられないのであるが)

アックア(相手が油断した後に一撃を加える。それが戦場の礼儀である)

アックア(それが出来なかった時点で私は止められないのであるな)

アックア(……ともあれ、少し喉が渇いたのであるか)

ジュースの自販機『……』

アックア(まさか学園が急遽毒を入れるとは考えにくいが……まぁ良いのである) ピッ

ジュースの自販機(後藤麻○)『有り難う御座いました』 ガチャンッ

パシュッ

アックア「……?」 ゴクゴクッ

アックア(自販機に小さな液晶モニタ?手の込んだであるな)

アックア(何々、速報……?ニュースも流して――)

116: 2013/05/08(水) 12:29:37.71 ID:19zO7Iut0
ジュースの自販機(液晶モニタ)『イギリス第三王女ヴィリアン様、謎の変Oに誘拐されるwww』

アックア ブーッ!?

アックア「騎士団長は何をしているのだっ!?」 ピッ(携帯)

アックア「……」 イライラ

女性「『は、はい?』」

アックア「すまないが、騎士団長を出し――」

女性「『いえ、彼から渡されたのですが――その声はウィリアム=オルウェル?オルウェルなのですかっ!?』」

アックア「ヴィリアン様っ!?ご無事なのですかっ!?」

ヴィリアン「『え、えぇ?それなりには』」

アックア「ただ今私が馳せ参じますっ!どうかそれまでは早まった真似などなさらぬように!」

ヴィリアン「『は、はい』」

アックア「ではまた――」 ピッ

アックア(……ヴィリアン様はお気づきではないご様子。しかも騎士団長まで巻き込まれているのであるかっ!)

アックア(今任務を放棄して私が動けば、ローマ正教からは追われる身になるであろうが――)

アックア(それもまた致したが無いのであるな!) ダッ

117: 2013/05/08(水) 12:30:44.26 ID:19zO7Iut0
――ブリテン 同時刻

ヴィリアン「……どういう意味だったのでしょうか、今のお電話は?」

騎士団長「帰ってくる、そう言ったのですか?」

ヴィリアン「えぇ、とても怖い口調でした」

騎士団長「それはきっと――プロポーズではありませんか?」

ヴィリアン「プ、プロッ!?」

騎士団長「ヴィリアン様も色々とご婚約のお話が出てらっしゃいますし、あの男も痺れを切らしたのでは、と」

ヴィリアン「……そう言えば『帰るまで早まるな』とか」

騎士団長「それは……間違いないでしょうね」

騎士団長「実力的には申し分ありませんし、騎士の位を授ければ問題ありますまい」

ヴィリアン「待って下さい!急に、急にそんな事言われましてもっ!」

騎士団長「……こう言う事を言うと不敬と思われるかも知れませんが、どうかお聞き流し下さい」

騎士団長「ヴィリアン様におかれましては、望まぬ政略結婚をされるよりあの男の側にいらした方が良いかと存じます」

ヴィリアン「……ですがっ」

騎士団長「私は陛下にご報告せねばなりませんので、これにて失礼致しますっ!」 パタンッ

ヴィリアン「……」

ヴィリアン(……ウィリアム、漸く私達は――)

ヴィリアン(――両想いに、なれたのですね)

118: 2013/05/08(水) 12:31:29.23 ID:19zO7Iut0
――常盤台女子寮・深夜28時(早朝4時)

御坂(むー……何か匿名で出した意味が皆無だけど、まぁいいわ)

御坂(来週で最終回かぁ、色々あったなぁ……)

御坂「……」

御坂(無い、わよね?)

御坂(あたし的にはあのバカが佐天さんのフラグ立てて、友情が折れる寸前まで行っただけよね?)

御坂「……はぁ。何か眠れないなぁ」 ピッ

(TV)『イギリス王室からの電撃発表には驚きましたねー』

(TV)『ですねぇ。今までにもお相手が何人か上がっていただけに、今回の正式発表は驚きであったと言えます』

御坂(ヴィリアンさん綺麗よねー。相手の男の人、貿易商って言う割にはいかついけど)

御坂(日本人には外人がそれっぽく見えるせいかしらね?)

(TV)『オルウェルさんは一体何と言ってプロポーズしたんでしょうか?』

(TV)『噂によるとですが、警備の制止を振り切って、ヴィリアン様へ近寄り――』

(TV)『あなたを一生お守りします、と』

御坂(い、言われてみたいわねっ!羨ましいなー)

(TV)『前々からお二人は私的な会合で顔を合わせており、それを切っ掛けに愛が育まれたとの事です』

(TV)『いやーでも格好良いですね。確かオルウェルさん、騎士としての称号を得ているとか』

(TV)『えぇ何年か前に叙勲寸前だったそうなんですが、手違いからされなかったんだそうで』

(TV)『今回は時間を遡って授与されるんだそうですよー』

御坂「……」 ピッ

御坂(ちょっとランニングでもしてこようかな)

119: 2013/05/08(水) 12:32:23.97 ID:19zO7Iut0
――某公園 5時

御坂「ちょいさーっ」 ガコンッ

御坂「ポカリげっとー……ってあれ?また液晶モニタバグってるわね」

ジュースの自販機(液晶モニタ)『イギリス第三王女ヴィリアン様、謎の変Oに誘拐されるwww』

御坂「ニュースで芝生えるわきゃないでしょーに――よっと!」 ビリビリッ

御坂「直――っては無いか。つーか余計に酷くなったけど、まぁ誰も見ないわよね」

御坂「全く、何が『両想いになれる自販機』だっつーの!もっと仕事しろっての」

御坂「……」 ゴクゴク

御坂「……よっし!あと5キロ走ろっと」 タッタッタッタッタッ

ジッ、ジジジッ

ジュースの自販機(液晶モニタ)『イギリス第三王女ヴィリアン様とウィリアム=オルウェル婚約させたったwww』

――学園都市七大不思議探訪 第六話 『総集編』 -終-

121: 2013/05/08(水) 12:39:09.84 ID:vafjUhJQ0
乙ー!!!
聖人をも倒す七不思議こえーwwwwww

第七話『遊園地のジンクス』

引用: 佐天「佐天さんの学園都市七大不思議探訪っ!はっじっまっるっよーーー!」