131: 2013/05/14(火) 09:46:41.31 ID:CXwsA7Lf0
とある魔術の禁書目録 31巻 (デジタル版ガンガンコミックス)
132: 2013/05/14(火) 09:47:56.44 ID:CXwsA7Lf0
――某喫茶店がある駅前 8時

佐天「おっはようございまーすっ」

上条「あ、うん。おはよう?」

佐天「どうしましたか?何か言いたそうな感じですけどっ」

上条「制服じゃないんだなって」

佐天「どうですっ?」

上条「あー、よく似合ってるよ?」

佐天「どうもですっ。あ、そっちも――行きましょうかっ」

上条「おいコラそんなコメントに困るような服は着てないだろうが!」

佐天「服は着てない、って……ヤダ全裸っ」

上条「駅前に全裸だったら超変Oだよね?お巡りさん呼ばれてるよね?」

佐天「ごめんなさい、あたしにはそのウルトラマ○みたいな服はちょっと理解出来そうにないです」

上条「着てないからね?あと一方通行に謝った方が良いからね?」

佐天「ヘアピンで継ぎ接ぎした服なんて痛々しすぎてNGですからっ」

上条「そんな頭悪そうな知り合いはいねぇよっ!」

佐天「え」

上条「え」

佐天「――はいっ、と言う訳でそろそろ電車のお時間ですし、行きましょうか、ねっ?」

上条「……あれ?今スルーしちゃいけないボケを見落とした感が……?」

佐天「居なかったんですよ、きっと。っていうかイギリスからどこをどう間違ったら学園都市に来られるのか、って話になりますよね?」

上条「意味は分からないけど説得力はあるよね!何を言っているのか俺には分からないけどもっ!」

佐天「居て欲しくない時には必ず邪魔するし、助けて欲しい時には居ないってただのゴミですよね?」

上条「ごめんな?俺の立場上その質問には答えられないような気がするんだ、うん」

佐天「外伝デビューのゲストキャラ(予定)だったあたしより低人気ってwww」

上条「よっし行こうかっ!駅前で話しても意味はないしなっ!あと君の場合キャラが立ちすぎたのと神様が暴走しやがったのが原因だからねっ!」

佐天「もう『とある魔術の禁書目録』じゃなくって、『とある魔術と超電磁砲』にしちゃいなよYou?」

上条「聞いてて可哀想になるからそれ以上はっ!それ以上は勘弁してあげてっ!?」

133: 2013/05/14(火) 09:49:20.01 ID:CXwsA7Lf0
――モノレール内 8時15分

佐天「いやでもオチで使うって構想はあったんですね、一応」

佐天「例えばあたしが上条さんち行って、『おおっ座敷童がっ!』とか『上条さんには見えてないのにあたしには見えてる――自縛霊なのっ!?』とか」

上条「場面切り替わったからその話題は終わったんじゃないのっ!?まだ続けるんだっ!?」

佐天「やっても良かったんですけど、別に誰も喜ばないじゃないですか?」

佐天「例えば御坂さんなんかだと、基本人気あるんで弄っても『あ、リアクションかわええなー』的な話で落ち着くんですが」

佐天「インデック何とかさんだと、人気無くて出番無いのがリアルすぎて、逆に虐めみたいになっちゃう的な?」

佐天「残飯にキャビアかけたって残飯は残飯だろ、ってアクタ○さんが言っていました!」

上条「取り敢えず口を紡ごう?多分佐天さんファンからも色々恨みを買っていると思うし?」

佐天「おーい安心しろー赤髪さーん?お前が心配する程、お前の元カノはモテてなんかねーぞーっ!」

上条「中二なんだからっ!君と同レベルなんだからねっ!?」

佐天「――と言う訳で、不毛な話はここまでにして今日の行き先なんですがっ!」

上条「取り敢えず休日空けとけって言われてたけど、遠出すんの?」

佐天「『TATARAワールドパーク』ってご存じでしょうか?」

上条「あーうん、名前が聞いた事があるなー、と」

佐天「先月オープンになったばかりのテーマパークですねっ」

佐天「実は『学園探訪』が結構視聴率良かったんで、フリーパス券を頂きましたーっ、いえいっ!」

上条「え、クオカードは?図書券でも良いんだけど」

佐天「えーっ!現役女子中学生とデート出来るんですから、お金では買えない価値がありますってば」

佐天「あ、でもクオカードもJCも売ってるって意味では同じですよねっ」

上条「嬉しいなっ!俺、佐天さんみたいなお金では絶対に買ってはいけない買っちゃいけない娘とデート出来るって!!!」

佐天「でっすよねー。分かって頂けて光栄です。それとも制服じゃないと無理ですかね」

上条「浮くからな?テーマパークで制服着てたら、『あれ?RE×突撃隊じゃね?』って思われるからな?」

上条「着てる方も連れている方も罰ゲームだからな?」

佐天「ですかねー?でもたまにレイヤーさん半額みたいな日もあるらしいですよ」

上条「そうなんだ。へー、そういうのは新しい発想だよな」

佐天「あれは見ている方が罰ゲームですよねっ!」

上条「キレイなレイヤーさんだって居るよっ!全部が全部放送禁止じゃねぇからなっ!そもそも好きな事をするのは別に良いじゃん!」

佐天「ちょい前にも言いましたけど、ゴミに特上オリーブオイルかけてもゴミはゴミなんですよねー」

上条「今日は口が悪いなっ!?俺の知っている佐天さんはこんなに内角高めを攻めはしなかった筈だよっ!」

134: 2013/05/14(火) 09:50:15.55 ID:CXwsA7Lf0
佐天「……いや、すいません。なんか、ちょっと、その緊張しちゃって」

上条「あーうん、こないだ病室で二時間説教したから、あれは悪かったと思ってるけど」

佐天「あれはまぁ、あれはあれで需要があった、と言いましょうか。中々悪くねぇよなっ、て感じでした」

上条「ごめん、君が何を言っているのか分からない――説明しなくていいっ!俺が人間不信になるからっ!」

佐天「ヒント、ドM」

上条「女の子のイメージを崩さないでっ!幻想ぐらい見たっていいじゃねぇかっ!」

佐天「『俺がその幻想をぶっ頃す!』」

上条「冷静になると恥ずかしいから人の決め台詞言うのも勘弁してっ!?」

佐天「いえ、ホントすいません。何か距離感が掴めないって言うか、詰めるべきか離れるべきか迷ってて」

上条「俺に聞かれていもな。つーかさっきから突っ込もうか迷ってるんだけども――」

佐天「あっ、見えましたよっ!『TATARIワールドパーク』っ!」

上条「その間違えは縁起が悪いと言った筈だっ!」

135: 2013/05/14(火) 09:51:58.53 ID:CXwsA7Lf0
――TATARAテーマパーク ゲート

佐天「うっわー、スッゴイ人ですねー」

上条「ま、出来たてなんだから仕方がないだろ。つーかチケットよく取れたね?テレビのスタッフさん?」

佐天「ま、まぁそれこう蛇の道は蛇苺って奴でして」

上条「惜しい。苺は要らないな」

佐天「チャンピオンRE○苺っ!」

上条「あれに関わるのは止そう?そもそも都条例が持ち上がったのは、アレが発端的な意見もあるし」

佐天「まぁでもあれだけ体張って頑張ったんだから、これぐらいの役得はあっても良いと思いませんか?」

上条「二人で生き恥を晒しまくった気がするんだが……」

佐天「ここのテーマパークでは『TATARA』グループのマスコットキャラクター、『一本タタラ』君が冒険する、って設定ですね」

上条「あー……もしかして、あそこに居る着ぐる――」

佐天「中の人など居ませんっ!チャックついてませんからっ!」

上条「最近のは面ファスナー――マジックテープだから。バイトで着た事あるし」

上条「ああいうのって、中に小型の扇風機があってだな。それで空気をパンパンにして形を整え――」

佐天「タッタッラくーーんっ!あっ、ホラ、見て下さいよっ!一本足で器用に立ってます!」

上条「……一つ目一本足毛むくじゃらで異様にキモい、っつーか怖いよね?子供泣いてるし」

佐天「ちなみに『TATARA』グループは蹈鞴師(たたらし)、つまりは山人系漂白の異能集団の末裔を名乗っていますねー」

上条「どういう事?」

佐天「一本ダタラって言う妖怪知りませんか?」

上条「鬼太○で見たような?山に住むんだよな」

佐天「あれは元々里に住む人々が、森の中で製鉄やら鋳造を生業にして暮らしていた集団を見間違えた“と言う説”があります」

上条「見間違えないだろっ!どんだけ人間離れしてんだっ!?」

佐天「灼けた鉄を叩くときには片目で見たから一つ目、またフイゴを踏んだから一つ足、ってな感じですかね」

佐天「『春来たりて山に降りる神、冬来たれば山へ還る神』との側面もありますが」

佐天「話すと本一冊分以上になりますんで省きますが、まぁ鋳造や山師は里の人間からすればそんなイメージだったー、ぐらいのお話です」

上条「ってか詳しいよね。勉強してるんだ、偉いな」

佐天「パンフに書いてありましたっ」

上条「……うん正直で良いと思うけどもなっ。もうちょっとこう、うんっ」

136: 2013/05/14(火) 09:53:22.46 ID:CXwsA7Lf0
佐天「あーでもやっぱり混んでますねー。取り敢えず何か乗りたいのありますか?」

上条「佐天さんの好きにしたらいいと思うよ。元々チケット貰ったのだって、代役やろうって言い出さなきゃ無かったんだし」

佐天「ありがとうございますっ!……ではまず、絶叫マシン系からですかねー」

上条「いきなりメンディッシュじゃん!?」

佐天「お昼食べてからの方が色々と惨事を招くんじゃないかな、と」

上条「あー……そこまでして乗りたいの?」

佐天「大人の事情的な問題がちょっと」

上条「ちなみにどれ?」

佐天「あれですね。一番『ぐわんっ』ってしてるヤツ」

上条「……なにアレ?拷問?電流ビリビ○棒よりもウネっとしてるんだけど」

佐天「イヤイヤ大人気ですってば!見て下さい行列がっ!」

上条「ないよね?あまりにもアレ過ぎてお客さんも敬遠しているよね?」

佐天「イヤイヤイヤっあれは『TATARA』テーマパークのシンボルなんですよっ!」

上条「……つまり?」

佐天「尖鋭化しすぎて人がついてこな――」

上条「おぉっと学園都市全体を敵に回すのはやめて貰おうかっ!文字通り色々生きにくくする必要はねぇだろ!」

佐天「でも一度乗っちゃったら、諦めるしかないですよねっ」

上条「良い笑顔でそれっぽい事言うんじゃないっ!いえーい、じゃねぇよ!大喜利かっ!」

佐天「と言う訳で行きましょうかっ。大丈夫ですって。学園都市企業は万全ですから。ほら、パンフのここ読んで下さい」

上条「あ、あぁ技術的には心配ないよって事か」

佐天「実はチケット自体に保険料が含まれてまして、何かあってもご遺族は問題ないですっ!」

上条「学園都市一個も関係ねぇよっ!?ブラック企業並みのブラックさだからなっ!金で遺族を黙らせるってどういう保険だよっ!」

佐天「でも開業以来一度も事故は起きてないんですよ?それが信頼の理由にはなりませんかね?」

上条「オープンしたの先月だよね?」

佐天「……」

上条「……」

佐天「さっ、巻きで行きましょうかっ!」

上条「嫌だよおぉっ!?何でアトラクションまで来て命を賭けなきゃいけないんだっ!」

佐天「あーもうっあんまりしつこいとトイレでセーラーに換装してきますよっ!」

上条「誰も得をしない罰ゲームは止めろよっ!?つーか珍しくリュック背負ってると思ったらそれかよっ!」

佐天「と、まぁ目出度く合意も得られた所で行きましょうかっ、はりーはりーっ!」

上条「言うよ?俺こっちじゃ言わないと思ってた台詞言っちゃうよ?」

佐天「さぁではご一緒にっ」

上条・佐天「不幸、だああああああぁあぁぁぁぁっ!?」

137: 2013/05/14(火) 09:54:36.04 ID:CXwsA7Lf0
――TATARAテーマパーク フードコート 12時

上条「あっれー……?」

佐天「どうしましたか?さっきから首を捻ってますけど」

上条「俺達9時頃来なかったっけ?」

佐天「ええでもパーク入場で結構かかっちゃったじゃないですか。何言ってるんですか、もうっ」

上条「なーんか違和感がするんだけど?あっれー?」

佐天「さて、お昼ですねっ」

上条「フードコートは混んでるよなぁ」

佐天「大丈夫ですっ、佐天涙子は出来る子なのでお弁当作って来ちゃいましたっ」

上条「マジでっ!?」

佐天「……何かビックリの仕方が失礼すぎやしませんかね、えぇ?」

上条「あー、いやいやそうじゃなくって、こう言う手作りの貰うのって初めてだからさ」

佐天「あー……そうなんですか。嬉しい反面ちょっと複雑ですねー」

上条「悪かったよ!高校生なのに彼女の一人も居ないからなっ!」

佐天「そうゆう意味ではないんですが、まっ、食べましょうか」

上条「あそこのベンチ空いてるな」

佐天「ではそこでっ」

……

上条「……マジ?これ初春さん作ったんじゃないの?」

佐天「全否定から入ってきたっ!?」

佐天「幾ら上条さんが料理得意でもそれは失礼ってもんですよ!」

上条「あーごめんごめん。そう言う意味じゃなくてだな。俺が中学生くらいの頃はこんなに料理出来なかったな、って」

上条「えっと――」 モグモグ

上条「美味い、と思うよ」

佐天「やたっ!……あーでもこれはこれで複雑ですねー」

上条「さっきから言ってるけど、複雑って何?」

佐天「女の友情、ですかね」

138: 2013/05/14(火) 09:56:06.69 ID:CXwsA7Lf0
――TATARAテーマパーク スリラーパーク内 14時

佐天「はいって言う訳でやって来ましたお化け屋敷っ!テーマパークの定番にして、王道っ!必ず入るべし、です!」

佐天「さてさてっ今回あたし達がやって来ましたこの場所はっ!」

佐天「『――TheDeadEscape』ですっ!!!」

上条「さっきからパンフ片手に誰に語ってるの?宣伝?宣伝なんだよな?」

佐天「このアトラクションの売りはですね、まず敷地の大きさにあるでしょうっ。何と東京ドーム三個分の広大な土地に、巨大な施設を造ってしまいました!」

上条「そりゃまた思い切ったなぁ」

佐天「でもこういうのって二回、三回入ると飽きますよね?」

上条「いや、俺怖いの苦手だから入らないし」

佐天「……」

佐天「でもこういうのって二回――」

上条「もっと会話の選択肢を確保しておこうよっ!」

佐天「言ってしまえばここはお化け屋敷専用のブースでして、古くなってくると新しいギミックやエピソードの追加」

佐天「もしくはアトラクション全てを別の物へリニューアルするんですね」

上条「つまり今日はTheDeadEscapeだけど、次来たら展開が変わってるかも?」

佐天「和風じっとりホラーがテーマだったのに、洋風パニックホラーへ変わっているかもしれませんね」

上条「気合い入ってるなー」

佐天「他にも国内外で発表されたホラー映画を、忠実に再現したアトラクションも予定されています」

佐天「映画と原作を見た後、ここで実際に触れられるってのはすっごいですよねっ!」

上条「……思ってたんだけどさ。朝からちょいちょい不自然な宣伝入るよね?」

佐天「今回はパークオリジナルの『TheDeadEscape』って言う脱出モノホラーですね」

佐天「ちなみに無事脱出できれば記念品が贈呈されますっ!欲しいですよねえぇっ?」

上条「あー、うんキーホルダーとかでしょ?」

佐天「さぁ?それは一応秘密って事になっていますが――ヒントを差し上げましょうっ」

上条「豪華賞品だったらやる気も出るしな。よしっ!」

佐天「ヒント、人体の――」

上条「出ないよっ!?貰っても困るものっ!つーか何配ろうとしているんだっ!」

佐天「一部ですっ」

上条「最後までものっそい良い笑顔で言い切ったけどねっ、『わぁ欲しいなぁっ』っては誰も思えないからなっ!」

139: 2013/05/14(火) 09:57:17.23 ID:CXwsA7Lf0
佐天「えー、キーアイテムをそのままお持ち帰り出来るって斬新じゃないですかね」

上条「モノにも寄るだろ!人体の一部をデフォルメしたキーホルダーなんか誰が欲しがるかっ!?」

佐天「あ、いや、デフォルメしてないらしいですよ?」

上条「……え、どういう事?」

佐天「ほら、パンフに写真載ってるじゃないですか。ここです、ここ」

上条「なんだ載ってるなら秘密でも何でもねぇじゃ――ってモザイクっ!?モザイク掛けなきゃいけないようなブツをプレゼントしてんのっ!」

佐天「って言うかどういう展開になったら、それをキーアイテムにするのか、気になりませんか?」

上条「一周回って、すっげー気になってくるよ。主にスタッフと企画した人の頭もだがっ」

佐天「完徹してテンション上がってたんでしょうね、きっと」

上条「企画素案が見切り発車過ぎるよねっ」

上条「つーかアトラクションの小道具配って大丈夫なの?補充とか大変なんじゃ?」

佐天「あぁいやパンフの下の方に、『お客様から定期的に補充しております』って」

上条「怖ぇぇよっ!?学園都市そういう無茶好きそうだから余計に怖いよっ!?」

佐天「やだなーホラーハウスなんですから、人を怖がらせるのが商売じゃないですかっ」

上条「……そう、なの?ネタなんだよな?出て来る前と後で大切なパーツが増減してたりしないよな?」

佐天「ちなみに『TheDeadEscape』のあらすじはこうです」

佐天「とある地方都市にウイルス性の病原体が蔓延するんですね」

上条「あぁまぁテンプレだよな。定番つった方が良いのか」

佐天「そのウイルスに感染すると『宿主(キャリア)』と呼ばれ、身体能力や攻撃性が格段に増加してしまいます」

上条「ゾンビとかじゃなくてリアルな人の方が怖いかもなー」

佐天「『宿主』になってしまうと全身から色素が抜け、髪や肌が真っ白になってしまいます」

佐天「これはウイルスが色素もエネルギーとして消費する設定だそうで」

上条「宿主とそうでない人が見分けやすいよな。あーでもそれを利用したギミックとかありそう」

佐天「ですねー。同じく脱出しようとする仲間かと思えば、感染途中で変化しつつある『宿主』だったりとか?」

上条「話を聞いている分には怖そうだ」

佐天「『宿主』の特徴にはまだあって“ん”を“ン”、“ぁぃぅぇぉ”を“ァィゥェォ”と言ってしまうんですよっ」

上条「……あれ?既視感がするよね?俺の知り合いも白くてそんな喋りしてたんだけど」

140: 2013/05/14(火) 09:58:15.28 ID:CXwsA7Lf0
佐天「そして感染者の最大の特徴は――恥ずっかしい台詞を真顔で言ってしまう事ですっ!」

上条「一方通行じゃねぇかっ!?何それっ!?つーかウイルスの名前聞いてないけどっ、どんな名前なのっ!?」

佐天「中二ウイルスですねっ」

上条「確かになっ!その年代の子達は攻撃性も身体能力も上がるし、変な格好や痛々しい言動したがるけどもっ!」

佐天「後すっげー天才なのに『歌』の解明をど忘れしてロシアもまで行くって言う副作用もっ!」

上条「うん、それは俺も突っ込みたかったんだけどな?忘れてあげようぜ?」

佐天「と言う訳で入りましょうかっ。あ、ちなみに脱出失敗すると、ウイルスに感染してこっ恥ずかしい台詞を言わせられる罰ゲームがっ!」

上条「誰得っ!?」

佐天「それ加工してキーホルダーにしたのを、希望者には出口で販売するんだそうです」

上条「買わないよ?幾らテーマパークでテンション上がってても、無理なものは無理だからね?」

141: 2013/05/14(火) 09:59:06.39 ID:CXwsA7Lf0
――TheDeadEscape内

上条「……」

キャリアA「ハッハァッ!よく来やがったなァこの絶望のパレードへっ!」 フラフラ

キャリアB「ここから先に逃げ場はねェンだよおォッ!」 ガクガク

キャリアC「精々クソムシらしく足掻ンだなァっ!」 ヘラヘラ

佐天「きゃーいやーこわいっ、白塗りでウルトラ○ンみたいな服を着た人が一杯っ!?」 ギュッ

上条「こらこらっドサクサ紛れに抱きつくなっ!」

佐天「や、やだっあたし怖いっ!」

上条「……うん、君が『学園探訪』始めてから小芝居が上手くなったのは認めるけどもだっ」

上条「確かに怖いけどさっ!?もうこれはイジメだよなぁ!?」

佐天「え、なにがですか?」

上条「なんで全員一方通行のコスプレしてんのっ!?本人見たら氏にたくなるからなっ!」

佐天「え、でも中二ウイルスに罹患すると変な服を着続けたり、同じ銘柄のコーヒーを飲み続けたりするって」

上条「それもう完全に特定の個人をDISってるよね?訴えたら勝てるレベルだよな?」

キャリアD「オイオイ、お前はアレだよ、涙が出て来る程に抱きしめたいぜェっ!」

上条「なぁアクターの人さ、なんでこんな仕事選んだの?もっと他にバイトとか無かったの?」

キャリアE「(第一位って格好いいじゃないですかっ)」

上条「お前ら素で中二ウイルスに感染してるからねっ!?……ってアレ?キャリアEって事は五人に囲まれている……?」

上条「佐天さん逃げよう――つて居ないしっ!?」

キャリアF「(あ、先に行くって言ってましたよ?)」

上条「親切だなぁオイっ中の人!つーか見捨てて逃げやがったのかっ!?」

キャリアG「さァここから先はァ――」

キャリア全員「『一方通行だッ!!!』」

上条「意味が何一つ分からないからなっ!?」

142: 2013/05/14(火) 10:00:05.67 ID:CXwsA7Lf0
――TATARAテーマパーク 16時

佐天 カチッ

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ頃すっ!!!』

上条「……」

佐天 カチッ

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ頃すっ!!!』

上条「……あの、すいません。精神削られるんで、そろそろ再生止めて貰っても構いませんかね?」

佐天「えーっ折角の記念品なんですから、もっと楽しみたいじゃないですかっ?」

上条「楽しくねえよっ!なんで自分の黒歴史を延々リピートで聞かせられるんだ!?」

佐天「あたしの分はあげましたよね?」

上条「……あぁ、うん、これな」 カチッ

佐天(キーホルダー)『うっいはるーーーーーーっ!愛っしてるっぞーーーーーーっ!』

佐天「いやぁ恥ずかしいですね」

上条「今更っ!?番組内で散々叫んでたのにっ!?」

上条「つーかさ、なんかキーホルダー買い込んでなかった?お土産?」

佐天「初春とか御坂さんも喜びそうじゃないですか」

上条「いやー……つーか当事者のウチ、約50%は喜んでないんだけどね」

佐天「他人の不幸は嬉しいですしねっ」

上条「不幸って言うなよっ!?つーかちゃんと俺が嫌がってるって認識はしてたんだなっ!」

佐天「さて、そろそろ暗くなってきましたし、アレ、乗りませんか?」

上条「疲れたから丁度いいっちゃいいけど。地味じゃないかな?」

佐天「アレもある意味定番ですから。王道ってヤツは外せないんですよねー」

143: 2013/05/14(火) 10:01:10.62 ID:CXwsA7Lf0
――TATARAテーマパーク 観覧車内 17時

佐天「……」

上条「……」

佐天「えっと、そのっ」

佐天「……」

上条「ん、なに?」

佐天「あーいや、ですね。なんか、緊張しますね。二人きりになるって」

上条「そうか?最初からずっと二人で騒いでたけどな」

佐天「最初とは心構えが違う、って言いますか。ちょっとは汲みやがれ、って言いますか」

佐天「今日は一日付き合って下さってありがとうございましたっ!」

上条「俺も楽しかったから、こちらこそありがとうな」

佐天「いえいえっ、それだけじゃなくって『学園探訪』の事もですっ」

佐天「あたしのワガママに、ですね。悪いなぁって――」

佐天「――あー、いや違うな。あたしらしくないですね、こんなの」

上条「んーそうか?誰々らしいとからしくないとか、他人が決めるようなもんじゃないだろ」

佐天「……」

上条「好きなようにすれば良いと思う。他人から、らしくない、って気にするよりも」

佐天「それが、あたしらしい、ですか?」

上条「まぁ俺の感想だけどさ」

佐天「……分かりました。では、じゃあ、それならっ」

佐天「上条さん、あたしとお付き合いして下さいっ!」

144: 2013/05/14(火) 10:02:26.76 ID:CXwsA7Lf0
上条「……佐天さん」

佐天「色々ありましたよね。基本ダラダラやってましたけど、それでもすっごく楽しかったですもん」

上条「その、さ。一つ聞いて良いかな?凄く、大事な事なんだ」

佐天「んー、なんで好きになったとか、どうして俺なのか、みたいなのだったら、『わかりません』ですね」

佐天「人が人を好きになるのって、理由、要りますかね?」

佐天「毎日通学途中で見かけた人を、『あ、いいなっ』って思うのも」

佐天「こうやって番組一つ撮っていくウチにってのも、似たようなものだとあたしは思います」

上条「……そっか。佐天さんの考えは分かったよ。それは正しいと思う」

佐天「はいっ」

上条「でもな、一つだけ、どうしても確認しておなきゃいけない事があるんだ」

上条「俺はそれを解決しないと、先には進めない」

佐天「……分かりました。あたしで答えられる事であれば、なんだってお答えしますっ」

上条「ありがとう、じゃ聞くけど――」

上条「――佐天さん、君が朝からずっと右手に持ってるハンディカム、それは何なの?」

佐天「……」

上条「……」

佐天「『TATARA』社から発売されているR2D2ってビデオカメラですねっ」

上条「違げええええっての!そうじゃねぇだろっ!?なんで朝からずっとデート風味で撮影してんだよっ!?」

上条「つーかずっと気になってんだけど、“REC”って赤く点滅してるものっ!」

佐天「――はいっ、と言う訳で『学園七大不思議探訪』最終話、『恋人になれる観覧車』はガセでしたねー、いやー残念ですっ!」

上条「ドッキリかっ!?やっぱりそれっぽいフリは全部仕込みだったの、ねぇっ!?」

佐天「つーかあたしもおかしいと思ったんですよー、開店して一ヶ月でもうそんなジングスが出来るなんてあり得ませんよねー」

上条「返せよっ!俺の純情を返してくれよぉっ!ちょっと気になる可愛い後輩の娘からっ、『あれ、もしかして佐天さんルート入っちゃった?』って思ったんだからっ!」

佐天「いやー高校生もチョロいですねっ、いえーいっ!」

上条「悪気の欠片もないなっ!?」

佐天「あ、だったらキスでもします?お詫び的な意味で?んーっ?」

上条「しねぇよっ!これ以上俺に罠を張るのはやめてくれないかっ!」

145: 2013/05/14(火) 10:03:21.22 ID:CXwsA7Lf0
佐天「まぁそんなこんなで約二ヶ月続いて来た番組も、今日で最終回と相成りましたっ!最後まで見てくれたあなたっありがとうございます!」

上条「……あーもうカメラ貸しなさいっ!最終回だっつーのに、凹んでる俺の姿撮ったって意味無いだろっ」 ヒョイッ

佐天「ちなみに上条さんはどうでしたか?あたしの感想は言いましたけど」

上条「やっぱさっきのは『学園探訪』のコメントだったのかよっ!?」

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ頃すっ!!!』

上条「あぁ確かに俺の幻想はぶち殺されたけどなっ!君にっ!」

佐天「『――科学では決して解明出来ない何かが、あなたを待っているかも知れません』って、ナイスにコメントを頂きましたよっ」

上条「だから人の台詞を勝手に盛るなと何度言えばっ!?」

佐天「じょーうねーつのーかなーたからーしんきろー○っ」

上条「学校の怪○のテーマソングを歌うなっ!?あれは別に怖くなかっただろっ!」

佐天「中尾隆○さんのツンデレにはぁはぁする番組ですよねっ!」

上条「中尾さんの良い役って少ないんだよっ!放っておいてやれよっ!」

佐天「あたしが知ってる限りでは闇○さんぐらいしか居ませんしねー」

上条「破妖の○っ!?しかも集英○カセットブック版っ!?あれ出たの1991年だよっ!?」

佐天「お母さんのです」

上条「親子でファンかっ!」

佐天「あ、ちなみに視聴者さん感謝キャンペーンとして、今日作ったキーホルダーをプレゼントしまーすっ」

上条「さっきの黒歴史を配布するのっ!?」

佐天「詳しくは番組ホームページにてご確認下さいねっ」

佐天「ってまぁ最後の最後までグダグダでしたがっ、まぁそんな番組もあったって良いよねっ?」

上条「あーなんか本当にすいませんでした。つーか御坂とミサカ達しか見てないんだろうけどもさ」

佐天「ボクとキミとの冒険はここで終わるけどっ!辛い時には想い出せっ、二人で一緒に旅した事をっ!」

佐天「キミが想い出してくれるならっ、ボクはキミとずっと一緒だぞっ!」

上条「いやそんな冒険はしなかった筈だ。ダラダラやってた以外の記憶はない」

佐天「ではでは名残惜しいけど最後の言葉っ!最後だしごっ一緒にっ!」

上条「最初っから思ってたんだけど、心霊番組で佐天さんみたいなテンション高いリポーターって無理があるよね?」

佐天「うーーいーーはーーるっ!!!愛してっるっぞーーーーーーーーーーーーっ!!!」 プツンッ

146: 2013/05/14(火) 10:04:12.00 ID:CXwsA7Lf0
――TATARAテーマパーク 観覧車内 17時20分

佐天「あー……もう地上着いちゃいますね」

上条「もう一回乗る?」

佐天「はいっ――あぁいや、それはちょっと。いつまでもグルグルしちゃいそうで止めときましょう」

上条「……そっか」

佐天「なんか最後まで変わりませんでしたよねー、何っにも」

佐天「進歩が無いっていうか、成長しないって言いますか」

上条「いやー、そんな事はないと思うけど」

佐天「いやいやっそんな事ありますってば!早く大人に――もうちょっと大きく、なりたいですもん」

上条「そっかな?俺はそうは思わないけど」

上条「何か最初にここへ来たら、最初から最後まで観覧車で回ってたような気がする。『だって大好きなんですもんっ』とか言って」

佐天「やだなー、あたしだってそのぐらいの分別ありますって」

上条「暇人って言うだけで俺をカメラマンに抜擢したヤツの台詞じゃねぇなっ!?」

佐天「ま、まぁあれは色々と思惑もありましてね、えぇ」

上条「んーでも、何かちょっと大人っぽくなった、って感じがするけど」

佐天「あー……確かに、それはそうかも知れませんね。よく言うアレだと思います」

上条「やっぱり。何かあったの?」

佐天「――恋、しちゃいましたから」

147: 2013/05/14(火) 10:05:10.91 ID:CXwsA7Lf0
――常盤台女子寮 深夜27時58分

御坂「……」 コテッ

御坂(デートか、羨ましいなぁ)

御坂(正々堂々勝負、つったってあたしにはそんな度胸はないし)

御坂(二人が付き合うようになったら、氏ぬ程後悔しそう……だけど)

御坂 グスツ

PiPiPi……

御坂(朝から電話?ええっと……佐天さんから?)

御坂「……もしもし?」

佐天「『あたしメリーさん、今、寮の前にいるのっ!』」

御坂「怖っ!?」

上条「『朝から無意味なボケを挟むなっ!』」

御坂「えっ!?な、なんであの馬鹿の声が入んのよっ!?」

佐天「『あー、すいませんね。ちょっと窓から寮の門見て貰えますか?』」

御坂「は、はいっ?」

佐天「『見た方が早いですって!ねっ』」

御坂「あーうん。ちょっと待って」

御坂(ケータイからハッキングして監視カメラを呼び出して――)

御坂「――って何で二人とも玄関前に居るのよっ!?」

佐天「『いやーなんかですねー、あたしらしくすりゃいいんじゃね?って無責任なアドバイス貰いましてね』」

佐天「『だったらしてやろうじゃねぇかって話なんですよっ!』」

御坂「意味がっ!意味が分からないわっ!」

佐天「『このまま黙って見てるのもアレですし、どうせだったら今からアタックしましょうよっ!』」

御坂「ちょっと待ってよ!そんな無責任な――」

佐天「『責任?そんなの知りませんよ?』」

佐天「『でもだからなんですか?失敗するかも、関係が変わるかも、それだけの理由で諦めきれます?』」

御坂「そりゃ、無理、だけど……」

148: 2013/05/14(火) 10:06:09.43 ID:CXwsA7Lf0
佐天「『ま、そんなに難しく考える必要はないと思いますよ。今すぐ結論を出さなくっても』」

佐天「『でもまぁあたし達が“そこ”へ立つまでに、完売してるって事もあり得ますよね?』」

佐天「『だったらキープしとこうぜ!ってそれだけのお話しですよー』」

御坂「わ、分からない事はないけどもっ」

佐天「『あたし達中学生が“年上のお兄さんに保護者になって貰う”だけですってば』」

佐天「『子供であっても子供なりの戦い方がある、ってのも武器じゃないですかねー』」

御坂「いやでもあたしは――」

佐天「『あ、今から行く遊園地では“ゲコ太ヒーローショー”をするんですよっ』」

御坂 ピクッ

佐天「『いやー前売り券取るの大変だったんですが、御坂さんが嫌だって言うんなら初春でも誘って――』」

御坂「それは拙いからっ!色々な意味で初春さんも巻き込むと修羅場になるからっ!」

佐天「『よーっし!かかってこぉいっレベル5っ!能力の差が恋愛の決定的な違いじゃないのを教えてやるぜっ!』」

御坂「……やったろうじゃないっ!見せてあげるわよっ!本気のあたしの力ってやつをね!」

佐天「『よく言った!――あ、今日は遠出しますから、準備して出て来てくださいねっ?』」プツンッ

御坂「……」

御坂(こ、このままじゃ終わらないんだからねっ!)

御坂(あたしは本気だしっ!)

御坂「……」

御坂「と、取り敢えずシャワーよね、うん」

御坂 パタン

白井「……」

白井(お姉様……) ムクッ

白井(不本意ではありますけど、わたくしはっ、お姉様を応援いたしますの!)

白井 ガサゴソ(高い下着を取り出す)

白井 ポンッ(御坂のベッドへ放置)

白井(どうか、ご武運を!) キリッ

149: 2013/05/14(火) 10:07:09.59 ID:CXwsA7Lf0
――常盤台女子寮 早朝4時13分

上条「なぁ君らは一体何の話をしていたんだ?」

佐天「女の友情的な話ですかね。結局はチキンが二羽居るだけですが」

佐天「まぁいいじゃないですか。そんな事よりも今日行く遊園地ってご存じですか?」

上条「有名だから名前ぐらいは、かな?行った事は無いと思う、けど」

佐天「この間行ったのはテーマパークであって、正式な遊園地は初めてですしね」

佐天「実はですねぇ。その遊園地にはジンクスがありましてねー」

上条「また?どうせしょーもない話なんだろ」

佐天「しょーもないって。番組の意義全否定ですか」

上条「と言うか番組の中で検証出来た試しは無かったけどな!」

佐天「でもあたし番組やって気づいたんですけど、そういうのがあるとかないとか関係無いんですよね」

佐天「や、まぁあたしにとっては大事だとは思いますけど、それ“だけ”が大事でもないですし」

佐天「例えばですね、お金って大事じゃないですか。無ければ生きていけません」

佐天「でも逆にどこか“遊び”の部分だって必要だと思うんです。趣味だったり気晴らしだったり」

佐天「ドレッングみたいなものですかね?無ければ無いでも構わないけど、無いと無味無臭で飽きてしまう、って感じで」

佐天「だから科学万歳の学園都市だって、そういう“遊び”があっても良いんじゃないかな、って」

上条「良いと思うよ。能力開発やらカリキュラムだけなら息が詰まるし」

上条「真面目に入れ込みすぎてついて行けなくなった連中の中には、スキルアウトになったバカも居るんだし」

佐天「あたし達――いえ、あたしみたいな無能力者だからこそ言えるかも知れませんけど」

上条「いいんじゃないかな。俺――俺達みたいな無能力者だって、夢は見てもいい筈だろ」

佐天「……はい。ですねっ」

150: 2013/05/14(火) 10:08:28.09 ID:CXwsA7Lf0
上条「んで、そのジンクスってどういうの?怖い系?」

佐天「いえっ、どっちかと言えば幸せになる系ですね」

上条「どんな話なの?」

佐天「それはですね――」

御坂「おっはよーっ!って何の話?」

佐天「今日行く遊園地のジンクスの話です」

御坂「へー、どんなの?」

佐天「『ツンツン頭の高校生と常盤台の超電磁砲と不思議大好きの女の子が三人で行くと、幸せになれる』って話です」

御坂「対象がピンポイント過ぎるわねっ!?」

上条「明らかに俺達以外は適応されねぇだろっ!?」

佐天「昨日作りましたっ!」

上条「100%嘘じゃねぇかよっ!」

佐天「いーんですよってば!ホントにしちゃえば、嘘にはならないんですから」

御坂「そ、それは論点が違うでしょうっ!」

佐天「あ、上条さん右手失礼しますねー」 ギュッ

御坂「話を聞きなさいよっ!」

佐天「ん?御坂さんもそっち、掴まないんですか?」

御坂「それはっ……」

佐天「前にも言いましたけど――誰かと手を繋いだからって、それ以上駄目って法律はないんですよ」

佐天「好きな人達全員と繋がっていられたら、素敵な事だと思いませんか?」

佐天「そりゃ多分いつまでも、どこまでも続く関係じゃないかも知れませんけど」

佐天「だからって今、あたし達が幸せなのは確かなんですからっ!」

上条「いや、色々と間違っている――って御坂?」

御坂「……行きましょっ、もう色々と覚悟は決めたから」 ギュッ

上条「お前も意外と流されるよなっ!」

佐天「でっすねー。いざ『遊園地のジンクス』を実践にっ!」

佐天「『二人を口説き落としたらハーレムルートに入れる』遊園地へっ!」

上条「さっきと大幅に内容が変わってるぞっ!?」

御坂「しかも教育に悪い事この上無いなっ!?」

佐天「さぁさぁっ、時間は有限ですよっ!気がついたら大人になっちゃってるかもっ!」

――学園都市七大不思議探訪 第七話 『遊園地のジンクス』 -終-

151: 2013/05/14(火) 10:23:58.51 ID:iZEJh6wqo

引用: 佐天「佐天さんの学園都市七大不思議探訪っ!はっじっまっるっよーーー!」