94: 2012/07/16(月) 14:15:13.76 ID:zf/pmZ78o
あかり「結衣ちゃんのお家に潜入したよぉ」


あかり「あれ、お家に鍵がかかって入れないよぉ!?」

あかり「みんな出かけちゃったのかな……」グスッ

あかり「そっか、散々影が薄いとか言われてたし……」

あかり「コソッと入りこめばきっとばれないかも!!」

あかり「……ふふ、あかりってば悪い子だよね」

あかり「いたずらがてら、結衣ちゃんのお家に行ってみようかな~」

あかり「アッカリーン、なんて言葉考えた報いを受けてもらうよぉ」ニコニコ

あかり「あっかり、あっかり……♪」トテトテ
ゆるゆり
95: 2012/07/16(月) 14:15:42.26 ID:zf/pmZ78o
結衣「……」ズズッ

結衣「ふふ、今日はせっかくのお休みだしダラダラしようかな」

結衣「……あぁ、ほんと休日は最高だよね」

結衣「京子も同人で忙しいらしいし、……手伝ってあげられればいいんだけど」

結衣「まぁ、一人のほうが集中も出来るだろうし、何かあったら電話もあるよね……」

結衣「……くぁ~、ねむねむ」

結衣「遊びに来るとしたら一年の娘達かな、……いつでもおいで~あかり、ちなつちゃん」

結衣「じゃないと私はお昼寝しちゃうよ……」ウトウト

ピンポーン!

96: 2012/07/16(月) 14:16:09.52 ID:zf/pmZ78o
結衣「あ、誰か来たのかな?」

結衣「はいはーい、いま開けますから……」

結衣「……♪」トコトコ

結衣「はっ!?……知らないうちに鼻歌を口ずさんでた」

結衣「……やっぱり人恋しいのかなぁ、ひとり言も多くなったもんね」

結衣「遊びに来てくれてる京子に感謝しないと……」ガチャッ

あかり「あかりのこと、見えてないよね見えてない……」ニコニコ

結衣「っ、けほ……!」

結衣(ふふ、あかりが遊びに来てくれた、……でも意外なお客さんだったからついむせちゃった)

97: 2012/07/16(月) 14:16:36.61 ID:zf/pmZ78o
あかり「結衣ちゃんはあかりのこと見えてないよね、ね?」

あかり「ふふふ、だからいっぱいいたずらしてあげるんだ~」

結衣「……」ジトッ

あかり「や、やっぱり見えてるのかなぁ、さっきアッカリーン使ったんだけど……」

あかり「仮にそうだとしたらあかりただのお馬鹿さんだよぉ……」シクシク

結衣(言っている意味がよく分からないけど、そういうお遊びなのかな?)

結衣(とりあえず見えてないって、話を合わせて……)


結衣「あれ、誰も居ないね……まったくもう、誰かのいたずらかな?」

あかり「~♪」

98: 2012/07/16(月) 14:17:02.54 ID:zf/pmZ78o
あかり「わーいっ、あかりもついに透明人間の仲間入りだよぉ!」

あかり「……ふふふ、結衣ちゃんには今までの借りを返してあげなきゃ」

結衣「……」バタン

あかり「あ、結衣ちゃんお邪魔します!」

あかり「……えっと、靴もしっかり揃えないと失礼だよね」イソイソ

あかり「あっかり、あっかり……」


結衣「うーん、透明人間ごっこでもしてるのかな……?」

結衣「それにしても律儀だよね、靴も揃えていくなんて、ふふ」

結衣「面白いことするなぁ、あかりって……」ニコニコ

99: 2012/07/16(月) 14:17:29.52 ID:zf/pmZ78o
あかり「結衣ちゃんのお家のカーペット気持ちいいよぉ……」ゴロゴロ

結衣「……」

あかり「うぅぅ、でも暑いねやっぱり、ムシムシするな~」

結衣「……あ、そうだ、クーラーでも入れようかな」ピッ

あかり「……!」

あかり「ぇへへ、結衣ちゃんってばあかりのこと手に取るように分かるんだね」

あかり「……うーん、ツーカーの仲って言うのかな?」

結衣(声聞こえてるし、分かって当たり前なんだよあかり……)

100: 2012/07/16(月) 14:17:56.45 ID:zf/pmZ78o
あかり「……落ち着くなぁ、結衣ちゃんの匂いでいっぱいだよぉ」

結衣「……」

あかり「……」スンスン

あかり「ご飯もリビングで食べてると思うんだけど、生活臭とかはしないねぇ」

あかり「いかにも女の子のお部屋ーって感じの甘くていい匂い……」

結衣「ほっ、ほんと!?」

あかり「あれっ、いまあかりのひとり言に反応したよね?」

結衣「……」ギクッ

101: 2012/07/16(月) 14:18:24.22 ID:zf/pmZ78o
あかり「……」ジーッ

結衣「……」

あかり「結衣ちゃん、あかりのこと見えてるよね?」

結衣「……」

あかり「そうやってポーカーフェイスで隠しても無駄だよぉ」

結衣「……」

あかり「こ、このままじゃ、おでこピトってするくらいくっついちゃうけど」スススッ

結衣「っ……!」ドキドキ

102: 2012/07/16(月) 14:18:51.44 ID:zf/pmZ78o
あかり「あ、あと、5cmでくっつくよ、ほんと……」

結衣「……っ」

あかり「ほんとに見えてないんだよね、ね?」

結衣「……」プルプル

あかり「……~~~!!こ、こんなのこっちが持たないよぉ!!」カァー

あかり「恥ずかしかった、結衣ちゃんと眼と鼻の先だった……ぶひぇっ……」パタッ

結衣「はっ、はぁ、はっ……っ……」ドキドキ

143: 2012/07/21(土) 16:16:47.64 ID:cMcurcaLo
結衣「……」ピコピコ

あかり「あ、さっきの街でちゃんとセーブした?」

あかり「結衣ちゃんってば薬草をもったいぶるんだねぇ、ふふふ」

あかり「……わっ!?ゆ、結衣ちゃんこれボスさんじゃないの!」ユサユサ

あかり「ひえぇぇえぇぇぇ、火噴いたよぉ!」

結衣(慣れてくると案外この時間が楽しかったり……)

結衣(あかりの実況をBGM代わりにして、のんびりとゲームを満喫した)

結衣(……人懐っこくて、わんわんみたいだよねあかりって)

結衣(癒されるなぁ、ほんと)

144: 2012/07/21(土) 16:17:13.47 ID:cMcurcaLo
結衣(ただ、かまって欲しいのかいたずらが目に余るかも……)

あかり「……」ムニツン

結衣(私のほっぺたをむにむにしたり、ツンツンしたり)

あかり「……♪」ギュッ

結衣(抱き枕のように抱っこしてきたり……)

結衣(いや、でもこれくらいは私も悪い気はしないしオッケーだけどね)


あかり「……」ゴソゴソ

結衣(た、タンスを漁るのだけはダメ……!!)プルプル

145: 2012/07/21(土) 16:18:32.50 ID:cMcurcaLo
あかり「……」チラッ

結衣「っ……!!」

あかり「……」ニコッ

結衣(あ、あの顔、絶対こっちの反応を待ってるよね……)

あかり「むむむ、ほんとに見えてないのかなぁ」

あかり「わっ、……ゆ、結衣ちゃんこんなの穿いてるんだ」カァー

結衣「っ!…………~~~~~!!!!」

あかり「し、仕方なくだよ、ちなつちゃんにも結衣ちゃんのこと全部教えてって言われてるし!」

あかり「ぶっひぇ~……」ゴソゴソ

146: 2012/07/21(土) 16:19:08.20 ID:cMcurcaLo
あかり「わっ!く、黒……!?」

あかり「あわわわわわっ、お、大人だね結衣ちゃんって……」

結衣「ぅぁぁぁぁ……」カァー

あかり「……反応してくれないなぁ、ほんとにあかりのこと見えてないんだ」

結衣(ぜ、全部見られちゃった、……もうお、お嫁に行けない……)グスッ

あかり「ふ、普段いたずらとかしないからスリルがあって楽しいかも……」

あかり「ふふふ、まだまだ足りないくらいかな」ニコッ

結衣(こ、これ以上、調子に乗らせてたまるか……!!)

147: 2012/07/21(土) 16:20:28.21 ID:cMcurcaLo
結衣「……」カチャッ

あかり「わぁい、結衣ちゃん映画でも見るのかな?」

あかり「……ぇへへ、なんだろうな~トトロとかがいいなあかり」

あかり「わんわんとか、ねこさんのほんわかしたのとかでもいいよぉ」

結衣「……エアコンをもっと強めにしてっと」ピッ

あかり「あ、始まったね!……稲川淳二の超怖い話?」

あかり「こ、怖い話っ!?」ブルブル

結衣(ちょっとおいたが過ぎたから、これで反省してね)

148: 2012/07/21(土) 16:21:11.99 ID:cMcurcaLo
・・・・からの電話

あかり「ひぃぃぃぃ……、早く、早く変えてよぉ!!」ギュッ

結衣(ぷっ、まだ怪談のタイトル出ただけなのに……)

あるところにN子とMみ、そしてAの三人がいたんです
三人は仲の良い女子大学生で、夏に卒業旅行に行きました
かわいい女の子をナンパしたり、くだらないことで騒いで気づけばもう夜

あかり「……」ガタガタ

結衣(こんなに怖がっちゃって可愛いなぁ、ふふふ)

149: 2012/07/21(土) 16:22:39.59 ID:cMcurcaLo
三人で他愛のないの世間話に花を咲かせていると、一本の電話が

「ねぇ撫子、電話鳴ってるんじゃないの?」

「……うん、でも誰だろう登録してない人からだ」

「あはは、撫子っていろんな人からラブコールされてるんだねー」

「もう茶化さないでよ藍ったら……」

「もしかして今日逆ナンされたあの子じゃない?」

「め、めぐみめぐみでうるさいし……はい、もしもし?」

電話の相手はN子がよーく知っている相手だったんですねぇ・・・・・・

150: 2012/07/21(土) 16:23:34.55 ID:cMcurcaLo
「もしもし、私だけど……」

「あ、なんだ美穂か、……公衆電話からでもかけてるの?」

「そんなのどうでもいい、どうして私以外の子と遊びに行くの」

「えっと、前から言ってたよね……卒業旅行って」

「……撫子が私に好きって言ったの、嘘だったんだ」

「えっ!?ちょ、ちょっと落ち着いてよ美穂!!」

「逆ナンされてまんざらって顔でも無かったよね、悪くないって顔してた」

「……っ!」

N子は震えていました、なぜ電話の主が今日のことをそこまで知っているのか
そして淡々としていながらも冷たい怒りを感じるその声に

151: 2012/07/21(土) 16:24:14.02 ID:cMcurcaLo
「違うよ美穂、あれは誤解で私が好きなのは美穂だけ――」

「……撫子、キュルキュルキュルキュル……、あなたキュルキュルキュルキュル……、でしょ?」

「ひっ……!!」

テープを早送りするみたいに、その不穏な音は何回も何回も聞こえました
愛した人間からこんな電話が来るとはN子も思っていなかったでしょう・・・・・・
でもその声は確かにN子が知っているMのものだったのです

「……撫子、キュルキュい……、あなたキュルキュルキュたい……、でしょ?」

「……撫子、キュルにたいんでしょ……、あなたキュルキュにたいん……、でしょ?」

「……撫子、氏にたいんでしょ?……あなた氏にたいん、でしょ?」

152: 2012/07/21(土) 16:24:45.80 ID:cMcurcaLo
結衣「……」

あかり「……」ガタガタ

結衣「あっ、寒い、寒い、エアコン消さなきゃ」

あかり「うぅぅぅぅ……」ギュッ

結衣(にしても怖い話って霊的じゃなくて、そういう怖い話なんだ)

結衣(まぁ確かに恐ろしいヤンデレさんだったけど、……なんだかな)

あかり「ヤンデレ怖いヤンデレ怖い……」ガタガタ

結衣(あかりには効果抜群だったみたいだね、ふふ)

153: 2012/07/21(土) 16:25:14.97 ID:cMcurcaLo
結衣「……」

あかり「……」ギュッ

結衣(よっぽど堪えたのかな、もう私にしがみついて離れない)

結衣(……なんか悪くないな、あかりと一緒にいると落ち着くっていうか)

結衣(遊びに来てくれて嬉しかった、今度は私から誘ってみようかな、なんて)クスッ

あかり「……ぇへへ、透明人間じゃなきゃ結衣ちゃんとハグなんかできないもんね」

あかり「しばらくは透明人間さんでいようかな~、ふふ」ギュッ

結衣「……ふふふ」

ブーブーブーブ・・・・・・

結衣「……ん、電話かな誰だろう」ピッ


あかり『あ、もしもし結衣ちゃん?ゴメンね急に電話しちゃって!』

結衣『……え』

154: 2012/07/21(土) 16:25:55.34 ID:cMcurcaLo
あかり『実はね、いま京子ちゃんのみんなでいるの』

結衣(目の前にいるのがあかりで、電話してるのもあかりで……)

あかり『また原稿のお手伝いしろだって、もぉ~困るよねほんと』

結衣『……わたっ、わたしと、今日ずっといたよねあかり!?』

あかり『えっ?……えっと、今日はちなつちゃんと原稿のお手伝いしてたけど』

結衣『そんなのっ、そんなの、……うそっ』ブルブル

あかり『……?ちょうど原稿の片付いたから結衣ちゃんも遊びに来ないかと思って』


あかり「やっぱり、あかりのこと見えてたんだね」

結衣「はっ、……はぁっ……はっ!」ガクガク

155: 2012/07/21(土) 16:27:02.89 ID:cMcurcaLo
あかり『ちなつちゃんも京子ちゃんも待ってるよぉ~』

あかり『結衣ちゃん?結衣ちゃ~ん、もしもし?』

結衣『ひっ……あか、あかり助け……!』ブルブル

あかり「結衣ちゃんってば人が悪いなぁ、ずっと知らんぷりしてたんだ」

あかり「……でも、これでもう一緒だね」

あかり「ふふ、一緒に行こうか、これであかりも寂しくないよぉ」

ツーツーツーツ・・・・・・

あかり『結衣ちゃ~ん……?あれれ、電話切れちゃった』


終わり

156: 2012/07/21(土) 16:27:48.02 ID:cMcurcaLo
なるべく早く次のSSも投下できるように頑張りますので、それでは失礼します

引用: 結衣「結あか短編集……?」 あかり「あか結衣だよぉ」