233: 2010/11/04(木) 02:44:59.59 ID:9YxeCLQo
一方「ン……ねみィ……」
一方「……」
一方「あー……また変なのが来やがったか」
一方「寝覚めに見る風景が反射にやられたクズ共と腹いせに荒らされた家とはよ」
一方「……」
一方「片付けンの面倒臭ェ……」
一方「……」チラッ
PM2:00
一方「とりあえずアンチスキルに連絡してっと……」
一方「あ、もしもし。今家が荒らされて困ってます。……ハイ、加害者はいつも通り」
一方「ハイ……ハイ…………すンませんいつも。そンじゃよろしくお願いします」
一方「一週間に一度は必ず来るからアンチスキルとも顔見知りになっちまった」
一方「もォ俺が居なくても勝手に片付けていく始末」
一方「……あンま腹減ってねェけど……飯食うか」
234: 2010/11/04(木) 02:47:37.63 ID:9YxeCLQo
一方「つ、痛ッ……あー……寝すぎか。背骨痛ェな……」
一方「……飯作るのダリィ」
一方「ファミレス……」
一方「……」
一方「歩くのもダリィな。飛ぶか」
バッ
一方(ココ最近だるくなってきたぜ……体が重くなって来やがったからベクトル操作してなンとかしてっけどよ)
一方「着いた」
カランカラン……イラッシャイマセー
店員(あ、またこの人だ)
一方「一人、禁煙。無けりゃ喫煙でも(煙もフィルターかけられンし)」
店員「はい。こちらへどうぞ(すっかり顔なじみになったなぁ……)」
一方(……肉)
235: 2010/11/04(木) 02:50:49.73 ID:9YxeCLQo
店員「ご注文お決まりでしょうか」
一方「和牛ステーキ、あとコーヒー」
店員「かしこまりました。以上で?」
一方「あァ」
一方「……」
一方(あー……体ダリィ……まだ背骨痛ェな……)
「……気分が優れないのかね?」
一方「……あァ?」
「失礼。顔色が優れないようだが大丈夫かね」
一方「……こりゃァ自前だっつゥの」
「いや、君のその血色はただの色白で済ませられるものじゃないよ」
一方「何だよさっきから。テメェは俺の母ちゃんかよ」
「ふふ。私は医者だよ」
236: 2010/11/04(木) 02:52:45.38 ID:9YxeCLQo
一方「……ふゥン」
店員「お待たせしました。こちら和牛ステーキとコーヒーです」
一方「……」カチャ パクッ
「美味いかね?」
一方「……別に」
「しかし珍しいね。平日の昼間に学生がファミレスで食べているなんて」
一方「……」
「それも和牛ステーキなんて贅沢なものを」
一方「……肉なンざどれも同じだろ。ドライフーズだし安物に変わりねェよ」
「野菜は食べてないのかね」
一方「ったく……テメェさっきから何だ?ヒトの事にちょっかい出しやがって」
「私は今昼休みだが生憎勤務時間なんだよ。だから出会う人も患者さ」
一方「金なら払わねェぞ」
「何、個人的なものだからそんな無粋な事はしないさ」
237: 2010/11/04(木) 02:57:47.14 ID:9YxeCLQo
「あっそ」 カチャ
「残すのかね?」
一方「……こォいうのは少し胃がもたれンだよ」ズズー
「そしてコーヒーかい」
一方「あァ。さっき起きたばっかだからなァ」
「……」
一方「……?」
「……ちょっと気になるんだが、もしかしたら君は背骨が痛いとか無いかい?」
一方「…………痛ェと何かマズいのか?」
「……」
一方「オイ……なンですかァ?急に黙りやがって」
一方(ン……?コレどっかで見たぞ……)
一方(!……この前のテレビで詐欺の手口だ!コイツテキトーな事抜かして騙そうとしてンな?)
238: 2010/11/04(木) 02:59:59.60 ID:9YxeCLQo
「……痛いんだね?」
一方「ハハッわかったぜ!テメェ俺に何かアヤシー薬か何か売りつける気だろォ!?」
「違うよ。それよりどうなんだい?背骨g」
一方「ケッ!藪医者どころじゃねェなァ。とんだ乞食医者だぜ。ほら、コレやるからどっか行けよ」
つ一万円
「君は焦っているね?僕の言われたことが見抜かれて」
一方「うるせェ……うるせェ!!」ガシャン!
「……」
一方「ハァ……ハァッ……!」
「背骨の痛み、偏食、食欲不振、胃のもたれ、カフェインの摂取、そして呼吸の乱れ」
一方「うるs……」グラッ
「!!」
一方「……」バタッ
239: 2010/11/04(木) 03:02:30.31 ID:9YxeCLQo
・
・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
一方「……」ムクッ
「気がついたかね」
一方「ここは…………テメェ本当に医者だったのか」
「ああ。体のだるさは取れたかい?」
一方「ククク……なンでも知ってンだな?先生さンよォ」
「まぁね。それを踏まえた上で言うけど君はある病だよ」
一方「病……?」
「そう……その病名は」
「骨粗鬆症だ」
240: 2010/11/04(木) 03:03:53.24 ID:9YxeCLQo
一方「骨粗鬆症って……ジジイババアがなるアレか?」
「昔はそうだったけどね。今は生活習慣病に入るほど現代人には身近な病気だよ」
一方「……」
「骨粗鬆症の症状は初期なら殆どわからないものだよ」
「ひどくなると背骨の痛み、食欲不振、胃のもたれ、呼吸の乱れが現れる。正にさっきの君さ」
一方「……」
「偏食にカフェイン好き。コレに加えて君の経歴を調べたら合点がいったよ」
一方「……?」
「ベクトル変換なんて珍しい系統の能力を持っているそうじゃないか」
一方「あー……」
241: 2010/11/04(木) 03:06:32.00 ID:9YxeCLQo
「24時間も能力を使って重力と空気意外を弾いているんだろう?それなら紫外線も弾いているハズだよね」
一方「それが何か関係あンのかよ」
「骨粗鬆症は一般的にカルシウム不足が原因だけど……実はビタミンD不足によっても引き起こされる」
一方「ビタミン……そォいやァ最近野菜食ってねェなァ」
「それに加えて紫外線を浴びてないことが問題なんだよ。紫外線はたくさん浴びると皮膚がん等の危険があるけど
全く浴びないと体内の脂肪酸がビタミンDに変換されないんだ」
一方「そ、そォだったのか……」
「そして運動不足だね。君は歩くのも億劫なくらい便利な能力を持っているから少ない抵抗で空を飛んだりも出来るし
歩くときも無自覚に重力や体重のベクトルを少しだけ変換しているはずだ」
一方「うっ……」
「結果、骨に負担が来ないから骨密度が運動をしてない人以下だよ」
242: 2010/11/04(木) 03:08:00.51 ID:9YxeCLQo
一方「そォいやァ聞いた事あンなァ……宇宙飛行士はちょっと骨が脆くなるとかなンとか」
「正にそれだよ。君は思った以上に賢いね」
一方「学校行ってないからって馬鹿にすンじゃねェよ」
「よかった。それじゃ君がやるべき事はわかるよね?」
一方「…………どォすりゃァ治るンだ?」
「うん、そうそう。ようやく素直になったね」
一方「チッ……いいから教えろよ」
「まぁ定期的に薬を飲んだりビタミンDを摂取すれば治るんだけどそれは症状治療であって根本治療ではない」
一方「……」
243: 2010/11/04(木) 03:11:32.80 ID:9YxeCLQo
「まずバランスの良い食事をする事。そして日の光を浴びること。時間は手の甲に15分程日光が当たれば十分だよ」
一方「そンな程度でいいのかァ?」
「ああ。それと普段から重力のベクトルは操作しないことだね。これだけで随分違うよ」
一方「……運動とかは?」
「やれれば問題ないだろうけど……どうせ君はやらないだろう?」
一方「チッ……お見通しかよ」
「まあなんとなくね。でも気が向いたら散歩ぐらいはするといい」
一方「……考えとくぜ」
「ふふ…………おっとこんな時間か。それじゃあ僕はこれで失礼するよ。あと君はもう帰ってもらっても大丈夫だから」
一方「いいのか?」
「ああ。君が倒れたのは慢性的に不健康な毎日を送った事とあの時の感情の高まりによる貧血みたいなものだから」
一方「……」
「じゃ、僕はこれで」
一方「……世話ンなった」
「うん?」
一方「なンでもねェ。さっさと行けよ」
「……ああ。それじゃお大事に」
・・・・・・・・・・
・・・・・・
・
244: 2010/11/04(木) 03:15:58.61 ID:9YxeCLQo
~~~~~~~~~~
冥土返し「……ん、寝てしまったか……随分懐かしい夢をみたなぁ」
冥土返し「……それにしても彼は覚えているかな」
冥土返し(まあ随分昔の事で、頭の傷以来会ってなかったし……)
冥土返し(でも僕のことを覚えて無くてもきっと言われたことを守っているはずだろうね)
一方「おい、ちゃンと野菜も食えよ」
打ち止め「え?何でー?ってミサカはミサカは珍しいあなたの説教を疑問に思ってみたり」
一方「そりゃァ…………あー」
一方「お前の骨が折れると俺もアイツも骨が折れるンだよ」
打ち止め「?」
おしまい
245: 2010/11/04(木) 03:26:47.53 ID:9YxeCLQo
この前の某テレビ番組見てこのネタ思いついた。
一方さんの設定って実際にあったら色々と危ないんだよね。5分送れた自転とか。
ていうか最期のオチがそんなに上手くなかった。
単発で書くのが良い息抜きになるので今後も機会があれば使わせてもらいます。
一方さんの設定って実際にあったら色々と危ないんだよね。5分送れた自転とか。
ていうか最期のオチがそんなに上手くなかった。
単発で書くのが良い息抜きになるので今後も機会があれば使わせてもらいます。
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