1: 2012/05/06(日) 20:51:37.42 ID:/q9edM5g0
千歳「綾乃ちゃんの願いが叶うその日まで」の続き的なもの
3: 2012/05/06(日) 20:52:37.65 ID:/q9edM5g0
朝 通学路
千歳「・・・そしたら、いつの間にか綾乃ちゃんったら寝ててもうてな~」
綾乃「ち、千歳だって寝てたでしょうが!!」アセアセ
千歳「うふふ、綾乃ちゃんの寝顔、可愛かったで~」
綾乃「くぅ~」///
千鶴「だぱー」
4: 2012/05/06(日) 20:54:47.68 ID:/q9edM5g0
千歳「でな、こないだなんて・・・」
ブロロロロ・・・
千歳「!!!」
千歳「綾乃ちゃん!危ない!!」ガバッ
綾乃「・・・え?きゃああ!!」
ガンッ!!
綾乃「いたたた・・・危うく車に轢かれる所だったわ・・・」
綾乃「助けてくれてありがと・・・って、千歳?」
5: 2012/05/06(日) 20:57:26.51 ID:/q9edM5g0
綾乃「千歳・・・?」
千鶴「ねえ・・・さん・・・」
千歳「・・・・・・・・」
綾乃「千歳えええええええええええ!!!」
千鶴「姉さああああああああああん!!!」
7: 2012/05/06(日) 21:01:24.29 ID:/q9edM5g0
病院 千歳の病室前
ガララッ
綾乃「あっ、千鶴さん・・・その、千歳は・・・?」
千鶴「杉浦さん・・・」
千鶴「姉さんなら大丈夫、電柱に頭をぶつけちゃっただけで、命には別状は無いって先生が・・・」
綾乃「そう・・・良かった」ホッ
千鶴「でも・・・その・・・」
綾乃「?」
9: 2012/05/06(日) 21:04:27.38 ID:/q9edM5g0
千歳の病室
綾乃「失礼します・・・」
千鶴「確かに姉さんは無事だった・・・」
綾乃「千歳ー・・・?」
千鶴「でも、姉さんは・・・」
千歳「千鶴・・・と、その隣にいるのは・・・」
綾乃「もう!心配したじゃない!ちと・・・」
11: 2012/05/06(日) 21:08:36.18 ID:/q9edM5g0
千歳「えっと・・・どなたさんですか・・・?」
綾乃「え・・・?」
千鶴「姉さんは、記憶喪失になっていたんです・・・」
綾乃「そ、そんな・・・」
綾乃「嘘でしょ・・・?」
13: 2012/05/06(日) 21:14:54.46 ID:/q9edM5g0
千歳「千鶴・・・今日は、七森中学校の始業式の日やろ・・・?」
綾乃「!!」
千鶴「ううん、姉さんはもう2年生で、生徒会の役員をやっていたの」
千鶴「そしてここに居る人が、姉さんの友達、杉浦綾乃さんだよ・・・」
綾乃「千歳・・・ホントに覚えてないの・・・?」
千歳「そ、その・・・うちも思い出したくても、思い出せないんや・・・」
千歳「迷惑かけて、ごめんなさい・・・杉浦さん」
14: 2012/05/06(日) 21:19:12.47 ID:/q9edM5g0
綾乃「千歳・・・」
千鶴「杉浦さん、学校に行かないと・・・」
綾乃「あ・・・今は・・・12時か」
綾乃「随分と遅刻しちゃったわね・・・」
千歳「ごめんな、杉浦さん・・・うちのせいで色々・・・」
綾乃「そんな事言わないで、あの時千歳が助けてくれなかったら・・・」
綾乃「私、車に轢かれてて・・・」
15: 2012/05/06(日) 21:22:51.54 ID:/q9edM5g0
千歳「・・・・」
千歳「ごめんなさい、うち、全然覚えておらへんのよ・・・」
綾乃「千歳・・・」
千鶴「姉さん・・・」ウルウル
千鶴(な、何故だ・・・こんな場面なのに、涎が出そうに・・・)ググッ・・・
16: 2012/05/06(日) 21:28:20.60 ID:/q9edM5g0
綾乃「じゃあ、私達は学校に行ってくるわ・・・」
千鶴「何か思い出したら、すぐに連絡してね」
千歳「うん・・・」
バタンッ
千歳「杉浦・・・」
千歳「杉浦、綾乃さん・・・」
19: 2012/05/06(日) 21:33:57.85 ID:/q9edM5g0
七森中
結衣「成程・・・千歳が交通事故で記憶喪失に・・・」
京子「で、どの辺まで覚えていたの?」
綾乃「始業式の前日まで・・・らしいわ」
京子「えー!?それじゃ私や結衣のことも、みんな覚えていないの?」
綾乃「多分そうだと思うわ・・・」
綾乃「もう私・・・どうしたらいいか・・・」
22: 2012/05/06(日) 21:38:10.47 ID:/q9edM5g0
結衣「落ち着け綾乃、まだ記憶が戻らないと決まったわけじゃないんだ」
京子「結衣の言う通りだよ、だから今は・・・」
綾乃「そ、そうね・・・焦っても何も変わらないし・・・」
綾乃「今は、千歳の記憶が戻るまで、待ちましょう・・・」
りせ「・・・・・・・」
24: 2012/05/06(日) 21:44:32.08 ID:/q9edM5g0
理科準備室
奈々「何?池田が記憶喪失に?」
りせ「・・・・・・・・・・」
奈々「ふむふむ、始業式の前日までの記憶しかない・・・か」
奈々「それで、ここにそれを伝えに来たということは・・・」
りせ「・・・」コクンッ
奈々「なぁ、松本」
奈々「私はドラえもんじゃないんだぞ?」
奈々「何?池田が記憶喪失に?」
りせ「・・・・・・・・・・」
奈々「ふむふむ、始業式の前日までの記憶しかない・・・か」
奈々「それで、ここにそれを伝えに来たということは・・・」
りせ「・・・」コクンッ
奈々「なぁ、松本」
奈々「私はドラえもんじゃないんだぞ?」
27: 2012/05/06(日) 21:47:44.64 ID:/q9edM5g0
りせ「・・・・・」ションボリ
奈々「まぁ、そんな浮かない顔するなよ」
りせ「・・・・・・・」
奈々「ふふ、私を誰だと思ってるんだ?松本」
りせ「・・・・・!!」
奈々「まぁ、時間は掛かると思うがな・・・」
28: 2012/05/06(日) 21:51:52.56 ID:/q9edM5g0
奈々「二週間・・・いや、それ以上掛かりそうだが・・・」
奈々「私も全力でやってみるさ」
りせ「・・・・・」
奈々「まぁ、生徒会とごらく部の連中が全員揃ってないと、私も寂しいからな」
奈々「何より・・・」
奈々「生徒の幸せな学校生活を見守るのが、先生の役目だからな」
30: 2012/05/06(日) 21:59:03.41 ID:/q9edM5g0
16時 千歳の病室
ガラッ
千鶴「入るよ、姉さん」
千歳「あぁ、千鶴、来てくれたんか」
千鶴「うん、写真とか色々持ってきたから・・・」
千歳「お医者さんは、1ヶ月位入院してないと駄目やって・・・」
千鶴「そう・・・なんだ・・・」
32: 2012/05/06(日) 22:02:15.73 ID:/q9edM5g0
千鶴「どう?姉さん・・・・」
千歳「駄目や、何も思い出せん・・・」
千鶴「・・・・」
千歳「なぁ、千鶴」
千鶴「?」
千歳「このうちと一緒にいるポニーテールの女の子・・・」
34: 2012/05/06(日) 22:08:11.90 ID:/q9edM5g0
千鶴「うん、杉浦綾乃さんだよ」
千歳「なんやろうかな・・・」
千鶴「どうしたの?」
千歳「この子と一緒にいる時のうちの顔・・・」
千歳「どれも、幸せそうな顔しとるなぁ・・・」
千鶴「・・・」
37: 2012/05/06(日) 22:15:46.37 ID:/q9edM5g0
千鶴「杉浦さんはね、歳納(・・・えーっと、下の名前何だっけ・・・あ)・・・」
千鶴「歳納京子って人に、恋心を抱いていたんだ」
千歳「うん」
千鶴「それでね、姉さんは、杉浦さんの恋を応援していたんだ」
千鶴「そう、まるで自分の・・・」
千歳「・・・・」
38: 2012/05/06(日) 22:20:06.35 ID:/q9edM5g0
ガララッ
綾乃「千歳、入ってもいいかしら・・・?」
千歳「どうぞー」
綾乃「あっ千鶴さん・・・」ペコッ
千鶴「どうも・・・」ペコッ
千鶴「あ、じゃあ姉さん、私そろそろ帰らないと・・・」
千鶴「お婆ちゃんも心配するだろうし・・・」
千歳「うん、気ぃつけてなー」
ガララッ
39: 2012/05/06(日) 22:25:14.68 ID:/q9edM5g0
綾乃「千歳・・・記憶はまだ、戻らないの・・・?」
千歳「うん、お医者さんも1ヶ月は入院しないとって・・・」
綾乃「そ、そうなんだ・・・」
千歳「・・・・・」
綾乃「・・・・・」
千歳「なぁ、杉浦さん、一つ聞いてええか?・・・」
41: 2012/05/06(日) 22:30:53.46 ID:/q9edM5g0
綾乃「なに?」
千歳「うちは・・・その、杉浦さんにとって、どんな存在やったの?」
千歳「うちと杉浦さんが一緒に写ってる写真」
千歳「うちの顔、どれも笑ってて、幸せそうで・・・」
綾乃「そんなの、決まってるじゃない」
44: 2012/05/06(日) 22:35:56.15 ID:/q9edM5g0
綾乃「千歳は私にとって、かけがえのない親友なのよ」
千歳「え・・・?」
綾乃「いつも私と歳納京子をネタに妄想ばっかりして・・・」
綾乃「鼻血の出し過ぎで、貧血になって、救急車で運ばれたり・・・」
千歳「うぅ・・・」
綾乃「でもね」
47: 2012/05/06(日) 22:40:22.76 ID:/q9edM5g0
綾乃「千歳は何時も私の側に居てくれて・・・」
綾乃「私の恋を応援してくれてた」
綾乃「千歳には、数え切れないくらい助けてもらったわ・・・」
千歳「杉浦さん・・・」
綾乃「だから・・・」
48: 2012/05/06(日) 22:44:11.92 ID:/q9edM5g0
綾乃「入学式で初めて声をかけてくれて・・・」
綾乃「千歳と友達になって、一緒に生徒会に入って・・・」
綾乃「海に行って、修学旅行に行って・・・」
綾乃「千歳と過ごした思い出は・・・全部・・・私の、大切な宝物なのよ?」
綾乃「だから・・・思い出してよ・・・千歳ぇ・・・」ポタッ・・ポタッ・・
52: 2012/05/06(日) 22:50:08.78 ID:/q9edM5g0
千歳「杉浦さん」
千歳「うちって、結構幸せもんやったみたいやね・・・」
綾乃「え・・・?」
千歳「杉浦さん、いっつもうちの事見ててくれてたんやろ?」
千歳「とっても嬉しいで」
綾乃「千歳・・・」
56: 2012/05/06(日) 23:00:26.29 ID:/q9edM5g0
千歳「それに、杉浦さんの笑顔、とっても可愛いんやね」フフッ
綾乃「それ・・・私と千歳の初めて撮ったツーショット写真・・・」
千歳「こんな可愛い子なら、うちも応援したくなるわ~」
綾乃「な!何言ってんのよ!///」カアア
千歳「それとも、うちの応援って、おせっかいやったのかな?」
綾乃「ううん、寧ろ逆よ」
58: 2012/05/06(日) 23:05:12.33 ID:/q9edM5g0
綾乃「千歳が居てくれなかったら、今の私は居なかった・・・」
綾乃「千歳が応援してくれなかったら、歳納京子と面を向かって話す事もできなかったと思う・・・」
綾乃「千歳はいっつもそう、自分のことより、周りの人の事ばっかり考えて・・・」
千歳「え?」
綾乃「昔、千歳に聞いたことなんだけどね」
―――――
―――
―
59: 2012/05/06(日) 23:10:11.36 ID:/q9edM5g0
半年前 生徒会室
綾乃「ねぇ、千歳の幸せって何なのよ?」
千歳「何や綾乃ちゃん?藪から棒に・・・」
綾乃「いや、いっつも千歳って他人の事ばっかり考えてるから・・・」
綾乃「千歳自身はどうなんだろうな、ってね」
千歳「そうやなぁ・・・」
千歳「綾乃ちゃんの幸せそうな笑顔を見るのが、うちの幸せなんかな」
綾乃「わ、私の!?」
千歳「ふふっ、綾乃ちゃんの幸せは、うちの幸せやで?」
綾乃「何なのよそれ~!!」
千歳「うふふ」ニコッ
―
―――
―――――
61: 2012/05/06(日) 23:14:03.58 ID:/q9edM5g0
綾乃「本当、少しは自分の気持ちに素直になれば良いのに・・・」
千歳「杉浦さん」
千歳「今日は・・・もう遅いから、帰ったほうがええで?」
綾乃「え!?もうこんな時間・・・」
千歳「夜道は危ないから、早めに帰ったほうが・・・」
綾乃「そ、そうね・・・」
綾乃「じゃあ、私帰るわね」
千歳「今日はありがとな、杉浦さん」
62: 2012/05/06(日) 23:18:15.40 ID:/q9edM5g0
綾乃「何か思い出したら、すぐに連絡してね・・・?」
千歳「分かったで~」
ガララッ
千歳「杉浦さん・・・」
千歳「記憶がないから、細かいことはよく分からんけど・・・」
千歳「きっと・・・うちは・・・」
千歳「うちは、杉浦さんのことが・・・」
千歳「・・・・・・」
千歳「あかん、もう寝よ」ガバッ
千歳「分かったで~」
ガララッ
千歳「杉浦さん・・・」
千歳「記憶がないから、細かいことはよく分からんけど・・・」
千歳「きっと・・・うちは・・・」
千歳「うちは、杉浦さんのことが・・・」
千歳「・・・・・・」
千歳「あかん、もう寝よ」ガバッ
66: 2012/05/06(日) 23:25:12.33 ID:/q9edM5g0
1ヶ月後 七森中
京子「ここ一ヶ月、綾乃って娯楽部に来ないよね・・・」
結衣「何だか、元気もないし・・・」
綾乃「ごめんなさいね、そうゆう気分じゃなくて・・・」
結衣「千歳の記憶、まだ戻らないんでしょ?」
綾乃「ええ・・・」
京子「でも、明日あたりには退院できるんだろ?」
綾乃「うん・・・でも・・・千歳の記憶は・・・」
67: 2012/05/06(日) 23:29:28.05 ID:/q9edM5g0
京子「大丈夫だよ綾乃!もうすぐ千歳は学校に来れるんだし!」
結衣「それに、今までの記憶が無くたって、千歳は千歳だ」
結衣「思い出なら、これからまた、皆で作っていけばいいじゃないか・・・」
綾乃「ありがとう、船見さん・・・歳納京子・・・」グスッ
綾乃「じゃあそろそろ、千歳のお見舞いに行ってくるわね」
京子「じゃあなー」
結衣「綾乃・・・・・」
68: 2012/05/06(日) 23:34:44.62 ID:/q9edM5g0
病院 千歳の病室
千歳「そか、もう明後日には退院出来るんやね」
綾乃「ええ、と言っても明日は土曜日だから、学校に来れるのは明明後日って事になるわね」
千歳「うん」
綾乃「・・・・・」
綾乃「千歳が記憶喪失になってから、もう1ヶ月が経ったのね」
千歳「早いもんやなぁ」
千歳「そか、もう明後日には退院出来るんやね」
綾乃「ええ、と言っても明日は土曜日だから、学校に来れるのは明明後日って事になるわね」
千歳「うん」
綾乃「・・・・・」
綾乃「千歳が記憶喪失になってから、もう1ヶ月が経ったのね」
千歳「早いもんやなぁ」
69: 2012/05/06(日) 23:38:32.25 ID:/q9edM5g0
綾乃「やっぱり、何も思い出せない?」
千歳「・・・・」コクッ
千歳「本当にごめんな杉浦さん、いっつもお見舞いに来てくれたのに・・・」
綾乃「何いってんの、そんな心配ノンノンノートルダムよ」
千歳「でも、うちは・・・」
綾乃「思い出なら、また作れば良いじゃない」
千歳「え・・?」
70: 2012/05/06(日) 23:43:49.36 ID:/q9edM5g0
綾乃「確かに、千歳が今までの思い出を忘れちゃったのは悲しいけど・・・」
綾乃「これからは、今まで以上の楽しい思い出を作れば良いじゃない!」
綾乃「皆で・・・ね?」
千歳「うぅ・・・杉浦さん・・・」ウルウル
千歳「ほんまに・・・ありがとな・・・」
72: 2012/05/06(日) 23:47:25.09 ID:/q9edM5g0
綾乃「それじゃあ、また明日・・・」
千歳「うん・・・」
綾乃「千鶴さんと一緒に、千歳の退院をお祝いしないとね」
千歳「ふふ、ありがとなっ」
ガララッ
千歳「・・・・」
73: 2012/05/06(日) 23:50:26.37 ID:/q9edM5g0
数分後
ガララッ
「邪魔するぞ」
千歳「ほぇ?綾乃ちゃ・・・?」
「よっ、池田、久しぶりだな」
千歳「あ、あなたは一体・・・?」
「あぁそうか、お前は今記憶喪失なんだったか」
奈々「・・・私の名前は西垣奈々、七森中学で理科を担当している教師だ」
ガララッ
「邪魔するぞ」
千歳「ほぇ?綾乃ちゃ・・・?」
「よっ、池田、久しぶりだな」
千歳「あ、あなたは一体・・・?」
「あぁそうか、お前は今記憶喪失なんだったか」
奈々「・・・私の名前は西垣奈々、七森中学で理科を担当している教師だ」
74: 2012/05/06(日) 23:55:44.90 ID:/q9edM5g0
千歳「先生が、どうしてここに・・?」
奈々「爆友・・・いや、とある生徒に頼まれたんでな」ゴソゴソ
奈々「池田、何も言わずこれを飲み込め」スッ
千歳「これは・・・飴玉?」
奈々「まぁ、その、なんだ」
奈々「私からの、1日早い退院祝いだ」
75: 2012/05/07(月) 00:00:10.37 ID:78h8uxLP0
千歳「は、はぁ・・・どうも」ゴクンッ
奈々「・・・・・・」
千歳「・・・ん、何や、眠くなって・・・」バタンッ
奈々「・・・・・やれるだけの事はやったぞ、松本」
奈々「確率は、大体4割くらいか・・・」
奈々「もう、おはようの時間だぞ、池田」
78: 2012/05/07(月) 00:05:45.55 ID:78h8uxLP0
翌日 千歳の病室
ガララッ
綾乃「千歳~・・・」
千歳「あら、杉浦さん、今日は早いんやね」
綾乃「そりゃそうよ、なんたって千歳の退院日なんだもの」
綾乃「ところで、千鶴さんは?」
千歳「あぁ、さっき電話があってな、お花買ってから来るそうやで」
綾乃「そう・・・」
ガララッ
綾乃「千歳~・・・」
千歳「あら、杉浦さん、今日は早いんやね」
綾乃「そりゃそうよ、なんたって千歳の退院日なんだもの」
綾乃「ところで、千鶴さんは?」
千歳「あぁ、さっき電話があってな、お花買ってから来るそうやで」
綾乃「そう・・・」
79: 2012/05/07(月) 00:09:02.95 ID:78h8uxLP0
綾乃「結局、千歳の記憶、戻らなかったわね」
千歳「・・・・・・」
綾乃「私ね、ずっと千歳に言いたかったことがあるの」
千歳「?」
綾乃「千歳が私に話しかけてくれた始業式の日・・・」
綾乃「あの時、何の躊躇いもなく優しく話しかけてくれた千歳・・・」
綾乃「私、ずっと前から、そんな千歳の事が・・・」ムグッ
千歳「うふふ、駄目やで綾乃ちゃん、それは歳納さんの前で言うべきことやろ?」
千歳「・・・・・・」
綾乃「私ね、ずっと千歳に言いたかったことがあるの」
千歳「?」
綾乃「千歳が私に話しかけてくれた始業式の日・・・」
綾乃「あの時、何の躊躇いもなく優しく話しかけてくれた千歳・・・」
綾乃「私、ずっと前から、そんな千歳の事が・・・」ムグッ
千歳「うふふ、駄目やで綾乃ちゃん、それは歳納さんの前で言うべきことやろ?」
82: 2012/05/07(月) 00:12:33.68 ID:78h8uxLP0
綾乃「へ・・・千歳、今なんて・・・?」
千歳「ん?どうしたんや、『綾乃ちゃん』」ニコッ
綾乃「千歳・・・もしかして・・・記憶が・・・」
千歳「ふふ、バッチリ戻ったで!」グッ
綾乃「も、もう・・・何なのよ・・・心配ばっかかけて・・・」グスッ
綾乃「もうこのまま、千歳の記憶がずっと戻らないって考えたら・・・うう」
綾乃「千歳えええええええええええええ!!!」ダキッ
千歳「あ、綾乃ちゃん、大胆すぎや」
綾乃「大胆でも破廉恥でも何だっていいわよ!!!」ウルウル
84: 2012/05/07(月) 00:18:38.51 ID:78h8uxLP0
千歳「うふふ、ごめんな綾乃ちゃん、色々心配かけてもうて」
綾乃「いえ、千歳が元に戻ったのなら、何だっていいわよ」
綾乃「でも、どうして記憶が戻ったのかしら・・・?」
千歳「昨日、西垣先生が退院祝いをくれたんよ」
千歳「そしたら翌朝目を覚ましたら、すっかり記憶が戻っててな・・・」
綾乃「退院祝いって・・・」
85: 2012/05/07(月) 00:21:37.30 ID:78h8uxLP0
病院 ロビー
奈々「どうだった、松本?」
りせ「・・・・・・」
奈々「そうか、無事元に戻ったか」
奈々「ふふ・・・やはり私は天才だな・・」
りせ「・・・・・」
奈々「まぁ1ヶ月も、ちまちまと薬を製薬するのは暇だったけどな・・・」
奈々「どうだった、松本?」
りせ「・・・・・・」
奈々「そうか、無事元に戻ったか」
奈々「ふふ・・・やはり私は天才だな・・」
りせ「・・・・・」
奈々「まぁ1ヶ月も、ちまちまと薬を製薬するのは暇だったけどな・・・」
86: 2012/05/07(月) 00:24:17.18 ID:78h8uxLP0
奈々「さて、私らもそろそろ退却するとするか」
奈々「私も普段の作業に戻らないとな」
りせ「・・・・・?」
奈々「何って、決まっているだろう」
奈々「ふふ・・・この1ヶ月間ずっとデスクワークだったからな・・・」
奈々「派手に爆発しようじゃないか!」キラキラ
りせ「・・・・・・」
奈々「ん?松本、私はテ口リストではないぞ?」ハハハ
奈々「私も普段の作業に戻らないとな」
りせ「・・・・・?」
奈々「何って、決まっているだろう」
奈々「ふふ・・・この1ヶ月間ずっとデスクワークだったからな・・・」
奈々「派手に爆発しようじゃないか!」キラキラ
りせ「・・・・・・」
奈々「ん?松本、私はテ口リストではないぞ?」ハハハ
88: 2012/05/07(月) 00:29:04.03 ID:78h8uxLP0
帰り道
綾乃「そういえば千歳」
千歳「?」
綾乃「私もね、少し分かった気がするの・・・千歳の気持ちが」
千歳「え・・・?」
綾乃「あの時・・・千歳が交通事故に遭う前日の夕方・・・」
千歳「あ、綾乃ちゃん・・・あの時起きてたんか?」
綾乃「ま、まぁ・・・うる覚えというか・・・」
綾乃「そういえば千歳」
千歳「?」
綾乃「私もね、少し分かった気がするの・・・千歳の気持ちが」
千歳「え・・・?」
綾乃「あの時・・・千歳が交通事故に遭う前日の夕方・・・」
千歳「あ、綾乃ちゃん・・・あの時起きてたんか?」
綾乃「ま、まぁ・・・うる覚えというか・・・」
89: 2012/05/07(月) 00:31:09.28 ID:78h8uxLP0
綾乃「あの時、千歳、言ってたわよね?」
―――「綾乃ちゃん・・・」―――
―――「いつか、幸せになってな」―――
―――「綾乃ちゃんの願いが叶うその日まで・・・」―――
―――「ずっと、応援しとるからな・・・」―――
千歳「そ、それは・・・そのぅ・・・///」(カアア
綾乃「ふふっ・・・」
綾乃「とっても、嬉しかったわ」
千歳「綾乃ちゃん・・・」
90: 2012/05/07(月) 00:33:47.63 ID:78h8uxLP0
綾乃「今まで気付かなくてごめんね、私の事を・・・こんなに思ってくれてる人がいたなんて」
綾乃「ずっと側に居たのに、そんな千歳の気持ちすら分からなかった・・・」
千歳「綾乃ちゃん・・・」
綾乃「だからね、これからはもっと、千歳の事知りたいの」
綾乃「今までよりも、ずっと近くで・・・」
綾乃「千歳・・・・いつも、ありがとう」
千歳「・・・・へへ、こちらこそ、おおきに」ニコッ
92: 2012/05/07(月) 00:36:44.15 ID:78h8uxLP0
綾乃「そういえば千歳、今日って土曜日よね?」
千歳「あぁ、そうやったな」
綾乃「じゃあ明日、一緒にショッピングにでも行かない?」
千歳「えぇ!?うちと一緒に?」
綾乃「むしろ、誰がいるのよ」
千歳「い、いや~・・・うちやのうて、歳納さんの方が・・・
93: 2012/05/07(月) 00:38:32.64 ID:78h8uxLP0
綾乃「こらっ!千歳ったら!」ペチンッ
千歳「あててて」
綾乃「これは千歳の退院祝いよ!千歳と二人っきりがいいの・・・」
千歳「綾乃ちゃん・・・」
94: 2012/05/07(月) 00:40:33.63 ID:78h8uxLP0
綾乃「それじゃあ、明日の10時に七森駅に集合ね!」
千歳「分かったで~」
綾乃「じゃあ、その、また明日ね」
千歳「また明日なぁ~」
綾乃「遅刻は罰金バッキンガムなんだからねー!!」
千歳「はいはい」フフッ
95: 2012/05/07(月) 00:43:23.67 ID:78h8uxLP0
綾乃(確かに、私は歳納京子に恋心を抱いている)
綾乃(でもその恋心は、千歳に対する想いと似てるけど、全く違うものだと思う)
綾乃(千歳は、私の引っ込み思案でヘタレな心を、優しく包み込んでくれる)
綾乃(私の恋を、精一杯応援してくれてる・・・)
綾乃(だから、応援してくれる千歳のためにも、私・・・これからも頑張るわ!!)
綾乃(大好きよ、千歳)
おしまい(やで!)
100: 2012/05/07(月) 00:48:16.88 ID:78h8uxLP0
おまけ
ワイワイガヤガヤ・・・
京子「うおっ、何だ何だ、すごい人混みだな」
結衣「何か、人が倒れてたみたいだよ」
―――
――
―
救急隊員「は、はい!そうなんです!13~14歳程の白髪の女の子で・・・」
救急隊員「花束を抱えながら、電柱の影にもたれ掛かっていて・・・」
救急隊員「恍惚とした笑みを浮かべながら、涎を垂れ流していて・・・」
救急隊員「と、とにかく脱水症状が酷いんです!一刻も早くしないと・・・あ!」
千鶴「うふふ・・・あやちとぉ・・・ばん・・ざぁ・・い・・・・」ガフッ
救急隊員「オイ君!しっかりするんだ!!氏ぬんじゃなーい!!!」ユサユサ
今度こそ おしまい(やで!)
ワイワイガヤガヤ・・・
京子「うおっ、何だ何だ、すごい人混みだな」
結衣「何か、人が倒れてたみたいだよ」
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救急隊員「は、はい!そうなんです!13~14歳程の白髪の女の子で・・・」
救急隊員「花束を抱えながら、電柱の影にもたれ掛かっていて・・・」
救急隊員「恍惚とした笑みを浮かべながら、涎を垂れ流していて・・・」
救急隊員「と、とにかく脱水症状が酷いんです!一刻も早くしないと・・・あ!」
千鶴「うふふ・・・あやちとぉ・・・ばん・・ざぁ・・い・・・・」ガフッ
救急隊員「オイ君!しっかりするんだ!!氏ぬんじゃなーい!!!」ユサユサ
今度こそ おしまい(やで!)
101: 2012/05/07(月) 00:52:28.49 ID:78h8uxLP0
昨日書いたSSが短かったので無理矢理繋げてやった、後悔はしてない
あやちとって大抵影に京子ちゃんいるんだけど、今回は綾乃と千歳に限定してみた
あと少しだけ西垣ちゃんをイケメンっぽく
時間あったらまた書きます、支援ありがとうございました。
姉さん可愛いよ姉さん
あやちとって大抵影に京子ちゃんいるんだけど、今回は綾乃と千歳に限定してみた
あと少しだけ西垣ちゃんをイケメンっぽく
時間あったらまた書きます、支援ありがとうございました。
姉さん可愛いよ姉さん
102: 2012/05/07(月) 00:55:12.21 ID:OUVb4Hn5O
千鶴ちゃん乙~
ショッピングも見たいな
ショッピングも見たいな
103: 2012/05/07(月) 00:55:27.26 ID:/b1SmDrV0
千鶴さん乙です
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