1: 2011/09/06(火) 16:42:57.60 ID:v3QV2CXW0
喪黒「……私の名は、喪黒福造。人呼んで笑ゥせぇるすまん。
ただのセールスマンじゃございません。
私の取り扱う品物は『ココロ』。
人 間 の コ コ ロでございます…。」
喪黒「……この世は老いも若きも、男も女も、ココロの寂しい人ばかり、
そんな皆さんのココロのスキマをお埋めいたします。
いいえ、お金は一銭も戴きません。
お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます…。
さて、今日のお客様は………。

『赤座 あかり(13)中学生』

ホーーーーーーホッホッホッホ!!!!!!!!」
ゆるゆり: 23【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)
4: 2011/09/06(火) 16:51:16.29 ID:v3QV2CXW0
ちなつ「今日、何しましょうか?」

結衣「そうだな、テストも終わったし。特にそれといってやることないな」

京子「じゃあさ、なんか食べに行こうよ。」

結衣「また、唐突だな…」

京子「ジャーン!見てよこれ!」

ちなつ「それって、有名レストランのディナー券じゃないですか。
    なんで京子先輩がそんなものを!?」

京子「有効期限が迫ってるっていうんで、父ちゃんがくれたんだよ」

綾乃「歳納京子ー!」

京子「あ、綾乃。ちょうどいいところに来た」

綾乃「なにがちょうどいいのよ?」

5: 2011/09/06(火) 16:53:52.94 ID:v3QV2CXW0
京子「食事行こうよ!」

綾乃「え?突然そんなことを言われても…」

千歳「食事行くん?えぇなそれ」

京子「うん。ちょうど5人分あるんだよ」

結衣「じゃあ、今度の日曜にでも…」

京子「今から行くんだよ」

ちなつ「い、今からですか?」

京子「いやぁー、これ有効期限今日までなんだよね」

結衣「どうりでくれるわけだ…」

京子「それじゃあ早速出発!」

結衣「こっちの都合は無視かよ」

京子「都合が悪かったらいいんだけどさ…」

結衣「いや、行くけど」

6: 2011/09/06(火) 17:01:32.78 ID:v3QV2CXW0
数分後

あかり「みんなお待たせー!…って誰もいないし…」

喪黒「皆さんなら出かけられましたよ」

あかり「ヒィッ!おじさんだれ?」

喪黒「これはこれは大変失礼いたしました。
   私、こういうものと申します」

あかり「ココロのスキマ、お埋めします?」

喪黒「私、ボランティアをしておりまして。
   あなたのような悩みのある方のココロのスキマをお埋めして
   差し上げてるのです。」

あかり「あかりに悩みなんて無いよ。このとおり元気だし」

喪黒「私にはわかります、表面上は笑顔でも赤座さんはいろいろ無理をなさってる」

あかり「そんなことないもん!おじさんになにがわかるんですか!」

喪黒「どうやら立ち入ったことを聞いてしまったようですね
   今日はこの辺でおいとまさせていただきます。
   ご自分で解決できない悩みがございましたらどうぞ遠慮なく私のほうに
   ご連絡ください。いつでもお待ちしていますから。それでは…」

7: 2011/09/06(火) 17:11:01.56 ID:v3QV2CXW0
あかり「なんだったんだろう?あのおじさん。
    …部室には誰もいないし今日は帰るか。」

翌日

京子「昨日の北京ダック美味しかったな」

結衣「北京ダックが出てきたかと思ったら次にフォアグラだもんね」

ちなつ「シェフの気まぐれ料理とかでしまいにはどこの料理かわからなくなって
    ましたよね」

結衣「でも、有名店だけあって味はおいしかったから全然いいけどね」

あかり「なになに、なんの話?」

京子「昨日の食事の話しだよ」

8: 2011/09/06(火) 17:17:41.54 ID:v3QV2CXW0
あかり「昨日の食事?」

京子「霜降り和牛もおいしかったよね」

あかり「霜降り和牛?!」

綾乃「歳納京子ー!」

京子「あ、綾乃。ちょうど今昨日の余韻に浸ってたところだったんだよ」

綾乃「昨日の余韻?」

京子「綾乃も語ろうよ昨日の高級料理の数々を…」

綾乃「ごちそうしてくれたことには感謝してるけど
   今更語り合うようなことでも…」

千歳「ええやないの、綾乃ちゃんと歳納さんで食べさせ合いっこ
   したことか語れば…」ポタポタ

綾乃「そんなことやってないし、鼻血でてるし!」

10: 2011/09/06(火) 17:24:52.82 ID:v3QV2CXW0
あかり「よかったら、私のティッシュ使って下さい」

千歳「いつもありがとうな」ジュル

京子「あの、パリパリの皮がさ」

結衣「まだ、その話するのか…」

京子「だって、昨日の味を忘れたくないんだもん」

結衣「いや、味はとっくになくなってると思うぞ…
   ってこんな話聞いてるうちにもう6時か、そろそろ行かなくちゃ」

京子「ええー。もうちょっとこの話しようよ」

結衣「この後塾あるし、もう付き合いきれないよ」

ちなつ「私も宿題がありますし」

京子「ちえー。それじゃあ私も帰るか」

12: 2011/09/06(火) 17:32:04.20 ID:v3QV2CXW0
あかり「じゃあ、また明日」

京子「ああ、気を付けてね」

あかり「今日は、みんなの話に全然ついていけなかったな。
    みんなで食事に行っておいしいもの食べことはわかったけど
    なんか私もその場にいたって思われてるし。
    あかりってそんなに存在感無いのかな」

あかりがポケットに手を突っ込むとそこには喪黒の名刺があった。

あかり「これは…喪黒さんの名刺。
    昨日はあんなこと言って強がちゃったけどちょっと相談してみようかな?
    裏に連絡先と地図が書いてある。なになに、魔の巣?」

15: 2011/09/06(火) 17:39:21.03 ID:v3QV2CXW0
あかりは、思い切って魔の巣に行ってみることにした。

あかり「ここが、魔の巣か…ってバー!?
    中学生がこんな所入って大丈夫なのかな?」

喪黒「御心配には及びません」

あかり「わー、も、喪黒さん!」

喪黒「お待ちしていましたよ。さっさ、中へどうぞ」

あかり「でも、私未成年だし…」

喪黒「ご安心ください、ソフトドリンクもご用意していますから」

あかり「じゃあ、お言葉に甘えて…」

20: 2011/09/06(火) 17:45:15.70 ID:v3QV2CXW0
喪黒「ほー、そんなことがあったんですか」

あかり「みんなが私を置いていったから怒ってるわけではないんです
    私は行ってないのにその場にいたように思われてて」

喪黒「自分の存在感の無さが気になるわけですね」

あかり「はい、どうしたらいいのか自分でもわからなくて」

喪黒「わかりました、私がなんとかして差し上げましょう」

あかり「でも、私お金持ってないし…」

喪黒「ホーホッホッホ、ご安心ください。昨日も申し上げたとおり
   私はボランティアでやっているのです。お金をとるようなことはいたしません」

あかり「本当ですか?」

喪黒「ええ、学校が終わりましたら校門前に来てください。
   赤座さんにご満足いただけるプランをご用意させていただきます」

22: 2011/09/06(火) 17:53:00.90 ID:v3QV2CXW0
翌日

あかり「喪黒さんが言ってたプランって一体なんなんだろう?」

京子「フォアグラのソースがさ…」

結衣「まだ、言ってるし」

ちなつ「いい加減食べ物の話から離れましょうよ」

あかり「気になるな…」

結衣「え?なんか言った?」

あかり「ううん、なんでもないよ。」

向日葵「そんなの迷信ですわ」

京子「どうしたの?」

櫻子「でたんですよ…」

結衣「なにが?」

櫻子「口裂け男が」

24: 2011/09/06(火) 18:01:54.81 ID:v3QV2CXW0
結衣「えっ!?」

ちなつ「口裂け女…じゃなくて男なの?」

櫻子「そうなんだよ全身黒ずくめの口裂け男が学校の周りを徘徊してるらしいだよ」

向日葵「ばかばかしい、口裂け女なんているわけないですわ」

櫻子「女じゃ無くて、男だよ」

向日葵「そんなものどっちでもいいですわ」

櫻子「じゃあ、いないって証拠はあるわけ?」

向日葵「そっちこそいるって証拠はあるんですの?」

櫻子「ムムム…!」

向日葵「ギラギラ」

25: 2011/09/06(火) 18:08:34.94 ID:v3QV2CXW0
京子「口裂け女か、なんだかおもしろそうだな」

櫻子「だから、口裂け男ですよ」

結衣「ねぇー、その話そろそろやめにしようよ」

京子「さては、結衣。口裂け女が怖いんだろう?」

結衣「べ、別に…!私はそんな迷信信じてないし」

櫻子「先輩までそんな風に言うなんて酷いですよ」

あかり「黒ずくめの口裂け男って…喪黒さんもう学校に来てるのかな?」

結衣「いや、大室さんさんの話しを否定してるわけじゃなくて…」

向日葵「じゃあ、私の意見はどうですの?」

結衣「え?いや、それももっともな意見で…」

あかり「ちょっと、用事ができたから。みんなは先に部室行ってて」

京子「え? うん、わかった」

26: 2011/09/06(火) 18:16:49.84 ID:v3QV2CXW0
あかりが校門へと向かうとそこには喪黒がいた。

喪黒「部活が終わってからでも構いませんよ」

あかり「いいんです。私の方からお願いしたのに喪黒さんを待たせるなんてできませんから」

喪黒「あなたは、お優しい方ですね。存在感のなさもそれゆえなのかもしれません」

あかり「え?なにか言いました?」

喪黒「いえいえ、それではこれを差し上げます」

あかり「アイドル倶楽部会員証?」

29: 2011/09/06(火) 18:25:00.01 ID:v3QV2CXW0
喪黒「ええ、そこはネット上の会員制倶楽部になっておりまして
   そこに記されたIDとパスワードを入力すれば誰でも
   みんなから注目されるアイドルになれるのですよ」

あかり「存在感を出したいとは言いましたけどアイドルになりたいわけでは…」

喪黒「騙されたと思ってアクセスしてみて下さい。生活がガラリと変わりますから」

あかり「喪黒さんがそう言うのなら…」

あかりの自宅

あかり「ここが、アイドル倶楽部のサイトか…結構かわいい感じのページだな
    IDとパスワードを入力…っと。」

32: 2011/09/06(火) 18:35:09.49 ID:v3QV2CXW0
あかりが、IDとパスワードを入力すると。
周りがいつもの学校の風景に変わった。

あかり「あれれ?あかりの部屋にいたはずなのに」

京子「おはよう、あっかりーん!」

あかり「きょ、京子ちゃん。なんでここに!?」

京子「なんでもなにもここは学校じゃん」

結衣「おはよう、あかり、京子」

京子「おお、おはよう結衣!」

あかり「どうなってるの?」

35: 2011/09/06(火) 18:44:29.31 ID:v3QV2CXW0
結衣「ほら、教室行かないと遅刻するぞ」

あかり「……」

京子「なに、ぽかーんってしてるんだよ」

あかり「あ、そうだね早く行こう!」

ちなつ「あかりちゃん、ノート見せてよ」

あかり「ちなつちゃんがあかりのノート見るなんて珍しいね」

ちなつ「やっぱり、こういう時頼りになるのがあかりちゃんだよね」

あかり「えへへ、嫌だな、ちなつちゃんったら…」

41: 2011/09/06(火) 18:54:32.67 ID:v3QV2CXW0
放課後

ちなつ「ほら、部活いくよ。あかりちゃん」

あかり「まだ大丈夫だよ」

ちなつ「なに言ってるの!あかりちゃんがいないと部活にならないんだからね」

あかり「そんな初めて聞いたよ…」

部室

京子「遅いぞ!あかり」

あかり「ごめん、私はいつも通り来たんだけど…」

結衣「私たちはあかりが来るのを待ってたんだぞ」

ちなつ「さぁー、ここに座って」

あかり「こんなに目立つポジション初めてだよ」

47: 2011/09/06(火) 19:05:29.38 ID:v3QV2CXW0
綾乃「赤座あかりー!勝負ですわ!」

あかり「え?今日はあかりなの?」

綾乃「当たり前よ、あなたは私にとって永遠のライバルよ!」

あかり「ライバルだなんて…私なんて綾乃ちゃんの足元にも及ばないよ…」

綾乃「なんか、ペース狂うわね…」

喪黒「そうです、今は何もかも忘れて空想の世界を楽しむのです」

49: 2011/09/06(火) 19:15:49.12 ID:v3QV2CXW0
空想の世界から目を覚ますあかり。

あかり「はっ!? 今のは夢?
    夢なんかじゃない。私は確かにこのサイトを見てた!
    よし、もう一度IDとパスワードを入力してっと…
    あれ?アクセスできないよ!どうなってるの?
    これじゃああっちの世界に行けないよ…
    明日、喪黒さんに相談してみるか」

翌朝

京子「おはよう、結衣」

結衣「ああ、おはよう」

あかり「ああ、早くあの世界に行きたいのに…」

結衣「おはよう、あかり」

あかり「…」イライラ

結衣「どうしたの?不機嫌そうな顔してるけど」

あかり「あ、いや。なんでもないよ。おはよう」

結衣「そう、ならいいんだけど」

55: 2011/09/06(火) 19:38:52.03 ID:v3QV2CXW0
部室

京子「あんなに食べたのに朝にはちゃんとお腹がすくから不思議だよね…」

結衣「人間、食い溜めはできないからな」

あかり「なんの話?」

結衣「ちなつちゃん達と駅前のカレー屋に行ったんだけどね
   そこで大盛りカレー30分で完食したら無料サービスって
   やっててて、それに京子が挑戦したんだけどさ…」

あかり(また、私の知らない話だ…)

結衣「もう、京子が吐きそうになるわで大変だったんだよ」

京子「で、結局挑戦は失敗に終わり料金3500円を払わされましたとさ」

結衣「笑えるだろう?」

あかり「……」

京子「人の不幸を笑うなよ!」

結衣「いや、冗談だってば」

60: 2011/09/06(火) 19:55:06.02 ID:v3QV2CXW0
京子「あれ?ちなつちゃんはどうしたの? 
   ちなつちゃんが来ないと部活が始まった気がしないよ」

結衣「もう時期来るんじゃないか」

京子「ねぇーあかり、ちなつちゃんがどうなってるか知らない?」

あかり「……」

京子「おーい、どうした。寝てるのか?」

結衣「立ったままでか?」

あかり「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」

結衣「え?」

京子「ああ、いってらっしゃい」

62: 2011/09/06(火) 20:06:40.82 ID:v3QV2CXW0
結衣「遅いなあかり」

京子「そうとう苦戦してるとみた」

結衣「なにがだよ」

ちなつ「すみません、遅れちゃって」

京子「もおー、待ちくたびれたよ。ちなつちゃんがいないと部活が始まった気がしなくてさ」

結衣「なんで遅れたんだよ?」

ちなつ「え?あかりちゃんから聞いてないんですか?」

結衣「特になにも言ってなかったけど…」

ちなつ「伝えるようには言って無かったし。まぁ、いいか」

64: 2011/09/06(火) 20:16:34.84 ID:v3QV2CXW0
京子「部活っていっても大したことやってないからね」

結衣「それを言っちゃおしまいだよ」

ちなつ「そういえば、そのあかりちゃんの姿が見えないですけど…」

結衣「トイレに行くって出て行ったきり戻ってこないんだよね」

京子「うーん、どうしたものか…」

ちなつ「私、さっきトイレ行きましたけど。誰もいませんでしたよ」

京子「さては、逃げたか?」

結衣「逃げる理由がないだろうこんな部活」

68: 2011/09/06(火) 20:28:05.99 ID:v3QV2CXW0
ちなつ「違う階のトイレに行ったのかも知れないし」

京子「使えないわけでもないのにわざわざ違う階のトイレに行くかね?」

結衣「まさかとは思うけど、それって神隠しとか?」

ちなつ「さっき、櫻子が言ってた口裂け男の正体も気になりますね」

結衣「なんか、鳥肌立ってきた」ゾクゾク

京子「とりあえず、探してみるか」

結衣「気味わるいけど、そのほうがいいみたいだな」

ちなつ「ちょっと!一人にしないでくださいよ」

73: 2011/09/06(火) 20:39:52.59 ID:v3QV2CXW0
その頃、あかりは魔の巣に来ていた。

あかり「ここが魔の巣か、二度目なのに緊張するな…」

喪黒「ホーホッホッホ、まさか、赤座さんのほうから起こしいただけるとは…
   ところで、アイドル倶楽部はお楽しみいただけましたか?」

あかり「はい、喪黒さんのいうとおり生活がガラって変わったような気がして…」

喪黒「それは、なによりです」

あかり「でも…」

喪黒「でも。なんですか?」

あかり「現実はそうじゃなくて」

喪黒「当然です、アイドル倶楽部はあくまでも仮想空間ですから
   現実と混同してはいけません。だからこそ私は
   赤座さんに有効期限付きの会員証をお渡ししたのです」

あかり「有効期限って伸ばして貰えないんですかね?」

喪黒「新たに、IDとパスワードを取得すれば可能ですが
   あまりおすすめはできません。」

あかり「どうしてですか!あそこにいけば本来の私が出せるのに」

喪黒「本来の私といいますと?」

76: 2011/09/06(火) 20:52:07.34 ID:v3QV2CXW0
あかり「もう、うんざりなんですよ。何を言われても笑顔でやり過ごし
    存在にすら気が付いて貰えない毎日なんて。
    だから…あの世界にいけば…お願いします喪黒さん!
    もう一度あの世界に行きたいんです。」

喪黒「仕方がないですね。これで最後ですよ」

あかり「はい!約束します!」

学校

結衣「おーい、あかり!」

京子「どこ行ったんだよー!」

ちなつ「家にも帰ってないみたいです」

京子「学校中のトイレ探してもいなかったし」

綾乃「どうしたの?なにか探し物?」

結衣「あ、綾乃。あかりをみなかったか?」

綾乃「さぁー見かけてませんけど。赤座さんがどうかしたの?」

83: 2011/09/06(火) 21:04:04.71 ID:v3QV2CXW0
京子「さっきから行方不明なんだよ」

綾乃「行方不明ですって!?」

結衣「もし、あかりを見かけたら私たちまで連絡して」

綾乃「もちろんよ、私も協力するわ」

結衣「そうしてくれると助かるよ」

あかりの自宅

あかり「新IDとパスワードをゲットしたよ。待っててね、あっちの世界のみんな!」

アイドル倶楽部へとワープするあかり。

88: 2011/09/06(火) 21:16:41.93 ID:v3QV2CXW0
アイドル倶楽部の空間

ちなつ「びっくりしたよ。あかりちゃんがいきなりいなくなっちゃうんだもん」

京子「あかりのいない部活なんて気の抜けたコーラみたいな感じでさ締りがないっていうか」

結衣「みんな、あかりのことが心配で部活どころじゃなかったよ」

あかり「ごめん、ごめん。ちょっと、現実の世界にいってたから…」

結衣「現実の世界?」

あかり「あ、いや。なんでもないよ、それより今日はなにしようか?」

91: 2011/09/06(火) 21:29:12.04 ID:v3QV2CXW0
京子「そうそう、これ見てよ」

チラシを見せる京子。

結衣「へぇー駅前にカレー屋さんできたんだ」

京子「注目すべき点はここだよ」

結衣「カレー大盛り30分以内に食べきったら無料だって」

ちなつ「誰が挑戦するんですか、アホらしい」

京子「そこは、もちろん。我らがあっかりんでしょう!」

95: 2011/09/06(火) 21:42:06.10 ID:v3QV2CXW0
あかり「えー私が?」

京子「我が部、屈指のエースあっかりんこと赤座あかりに挑戦権を与えることとする」

結衣「そんなの京子が決めることじゃないだろう」

ちなつ「私も、あかりちゃんならやれるような気がします!」

あかり「ちなつちゃんまでなに言ってるの?
    あんな特大大盛りカレーあかり完食出来ないよ…」

京子「大丈夫ああかりならできるよきっと!」

結衣「なんの根拠だよ」

99: 2011/09/06(火) 21:53:09.61 ID:v3QV2CXW0
あかり「いや、無理だって…」

京子「できる!あかりなら絶対できる!」

結衣「お前はあの店のまわしもんか?」

京子「結衣も応援しようよ!あかりが一皮むける第一歩なんだよ!」

綾乃「私も応援するわよ!赤座あかり!」

あかり「綾乃ちゃんまで!?」

106: 2011/09/06(火) 22:01:51.99 ID:v3QV2CXW0
千歳「うちも応援させてもらうわ」

櫻子「わたしも応援するわよ」

向日葵「わたしくしも応援させていただきますわ」

あかり「いや、だから私は…」

結衣「こんなにみんなが応援してくれてるなら参加するしかないみたいだね」

そして、あかり達一同はカレー屋へと向かった。

店員「はい、特大大盛りね。制限時間は30分、スタート」

あかり「うぇ~さっきお昼ご飯食べたばかりなのにこんなにいっぱい入らないよ」

京子「がんばれあかり!」

ちなつ「ファイトだよ!」

108: 2011/09/06(火) 22:10:53.91 ID:v3QV2CXW0
あかり「うぇ~気持ち悪い…もう駄目…」

京子「もうギブアップか?まだ10分しか経ってないぞ」

綾乃「なに、弱音を吐いてるの!」

あかり「そんなこと言われても…。そうだ、ログアウトしよう
    この世界から脱出すればカレーを食べなくて済む!」

ログアウトしてアイドル倶楽部の世界から消えるあかり。

京子「ちょ…あかりが消えた…」

現実の世界に戻ってきたあかり。

あかり「う~苦しい。まさかこんな目に会うなんて思わなかったよ
    あんまり存在感がありすぎるのも考えものだな…
    どうせ、これで最後だって約束だったし。
    アイドル倶楽部会員証は喪黒さんに返そう」

113: 2011/09/06(火) 22:22:04.23 ID:v3QV2CXW0
魔の巣

喪黒「ホーホッホッホ、それは災難でしたね」

あかり「笑い事じゃないですよ、氏ぬかと思いましたよ」

喪黒「人間どんなポジションでも一長一短はあるものです
   存在感があるということはそれほど皆さんからの期待も集まるものです」

あかり「あれさえなければ、最高の世界だったのにな…」

喪黒「これをいい教訓として、これからは現実の世界でまっとうに生きることです
   所詮は仮想空間あんなものに頼っていてはろくな人間にはなりませんから
   それじゃあ、この会員証は私が処分しておきましょう」

あかり「これで、あの世界ともお別れか…」

120: 2011/09/06(火) 22:38:36.69 ID:v3QV2CXW0
翌朝

あかり「嫌だなー、学校行きたくないなー」

ちなつ「おはよう、あかり」

あかり「ああ、ちなつちゃんおはよう」

ちなつ「昨日はどうしたの?、途中で部活を抜け出したりして
    みんな心配して探してたんだよ」

あかり「え?あかりのために?」

ちなつ「当然でしょ。生徒会のみんなまで協力してくれたんだから」

結衣「おい!あかりじゃないか!」

あかり「結衣ちゃんに京子ちゃん…」

京子「トイレに行くって言ったきり戻ってこないんだもん
   結衣なんて神隠しだなんて言っちゃってさ…」

結衣「わざわざ、言わなくてもいいだろう。恥ずかしいじゃんか」

127: 2011/09/06(火) 22:47:40.04 ID:v3QV2CXW0
結衣「あと、あかり。」

あかり「なに?結衣ちゃん」

結衣「無理して部活に出ろとは言わないし調子が悪かったから早退したっていいけど
   早退するなら早退するでちゃんと言わなきゃダメだぞ。
   トイレに行くなんていうからてっきりすぐ戻ってくるかと思ったじゃん。」

あかり「みんなに迷惑かけちゃってごめん!このとおり謝るから…」

結衣「まぁー分かればいいんだけどさ」

京子「あと、生徒会にもお礼言わないとね。私も一緒に行ってあげるから」

結衣「あかりを口実に京子が行きたいだけだろうそれ」

京子「ばれちゃったか」

結衣「本当、わかりやすいんだから」

132: 2011/09/06(火) 22:56:59.53 ID:v3QV2CXW0
生徒会室

あかり「なんだか、緊張するな。みんな怒ってないかな?」

京子「大丈夫だよ、生徒会を怒らせるようなことはしてないし…」

ガラガラ(ドアを開ける)

喪黒「こんにちは、赤座さん」

あかり「も、喪黒さん!どうしてここに?」

145: 2011/09/06(火) 23:11:46.55 ID:v3QV2CXW0
喪黒「ホーホッホッホ、そんなに驚かないで下さい」

あかり「なにか用ですか?」

喪黒「赤座さん…あなた私との約束を破りましたね」

あかり「会員証は確かに喪黒さんにお返ししましたよ」

喪黒「確かに、私は赤座さんから正規の会員証を受け取りました
   この仮想区間でね。」

あかり「え?!」

155: 2011/09/06(火) 23:23:43.51 ID:v3QV2CXW0
喪黒「よく周りをご覧ください」

あかり「ここ…わたしの部屋…」

喪黒「そうです、あなたは3カ月もの間アイドル倶楽部の仮想空間で
   過ごしているのです。」

あかり「確かに、ログアウトしたのに…」

喪黒「アイドル倶楽部は嫌なことがあったからといってログアウトできるものではありません。
   恐らく、感覚がマヒしていたんでしょう」

あかり「そ、そんな…」

158: 2011/09/06(火) 23:31:06.28 ID:v3QV2CXW0
喪黒「あなたは、自分の都合に合わせて実に15回も仮想空間への
   ログインを繰り返していたのですよ。」

あかり「じゃあ、ログアウトしたと思ってたのは…」

喪黒「そうです、あれは平行している仮想空間へのログインだったのです。」

あかり「じゃあ、今の世界もすべて嘘…」

喪黒「そういうことになります」

164: 2011/09/06(火) 23:42:23.42 ID:v3QV2CXW0
あかり「全部嘘だったなんてそんなの嫌だ!早く、私を現実の世界に返してよ!」

喪黒「本当に、よろしいんですか?」

あかり「いいから早くしてよ、私の存在がますます薄れちゃうよ…」

喪黒「それでは、現実の世界にお返しして差し上げましょう」

喪黒「ドーーーーーーン!!」


あかり「\アッカリーン/ !!」

172: 2011/09/06(火) 23:54:56.53 ID:v3QV2CXW0
本当の現実の世界に戻ったあかり。

あかり「今度こそ、本当の世界だよね…。
    とりあえず学校に行ってみるか」

学校に着いた、あかり。

京子「よっしゃ行くぞ!」

結衣「今日は、何を食う気だ?」

京子「できるだけリーズナブルに済ませたいね」

ちなつ「最近、食べ物関連の活動ばかりですね」

結衣「じゃあ、ダムダムバーガーでも行くか」

京子「それがいい!」

181: 2011/09/07(水) 00:07:07.26 ID:XQPzbg1m0
あかり「あ、あの…」

京子「うん?なにか用ですか?」

結衣「うちの学校の制服着てるじゃん」

ちなつ「ひょっとして、転校生ですか?」

あかり「違うよ、あかりだよ、あかり」

結衣「へぇ~あかりちゃんって言うんだ…」

京子「何年生なの?」

あかり「完全に忘れられてるし…」

喪黒「人間だれしも現実逃避はしたくなるものです
   だからといって仮想空間に逃げてもなぁ~んの解決にもなりません。
   現実と戦ってこそ不動の地位を得られるのですから。
   みなさんの周りにもいませんか?仮想空間にのめり込んでる方…」


ホーッホッホッホッホッ


「おわり」

182: 2011/09/07(水) 00:08:03.24 ID:6WHDLi+D0

183: 2011/09/07(水) 00:08:18.33 ID:wk2midNO0
/(^o^)\ナンテコッタイ

引用: あかり「ココロのスキマ、お埋めします?」