597:◆6RLd267PvQ 24/11/29(金) 12:09:16 ID:OaSt
598: 24/11/29(金) 12:09:40 ID:OaSt
~夜・新宿 バー・カマいたち~
通行人「あれ、いたっちゃん、今日お店は?」
いたっちゃん「ゴメンねェ、今日予約のお客さんなの、貸し切り。常連サンには言ってあるンだけど」
通行人「あ、そうなの。なら仕方ないや、また寄らして貰うから、いつものオニギリまたよろしく頼むよ」
いたっちゃん「はいはい、昼のおカマ飯が余ってたらねェ」フリフリ
パタン…
クリスマス装飾の掛け看板『CLOSEよン♪』
~~~
通行人「あれ、いたっちゃん、今日お店は?」
いたっちゃん「ゴメンねェ、今日予約のお客さんなの、貸し切り。常連サンには言ってあるンだけど」
通行人「あ、そうなの。なら仕方ないや、また寄らして貰うから、いつものオニギリまたよろしく頼むよ」
いたっちゃん「はいはい、昼のおカマ飯が余ってたらねェ」フリフリ
パタン…
クリスマス装飾の掛け看板『CLOSEよン♪』
~~~
599: 24/11/29(金) 12:09:51 ID:OaSt
いたっちゃん「はいはい、おまた~♪」
番組D「取り置きのボトル、勝手に開けちゃってるよ」
楓「私もです♪」
いたっちゃん「ンもう、Dサンがちょろまかすから楓ちゃんがマネしちゃうじゃない。…じゃ、何か適当につまめるの作っちゃうから、勝手にどうぞ♪」
楓「はーい」
番組D「…にしても、改めてサシ飲みなんかすると、大人になったなぁって…はは、歳だねボクも」
楓「Dさん全然お若いじゃないですか、白髪もないですし、いつもシャキッとしてますし」
番組D「取り置きのボトル、勝手に開けちゃってるよ」
楓「私もです♪」
いたっちゃん「ンもう、Dサンがちょろまかすから楓ちゃんがマネしちゃうじゃない。…じゃ、何か適当につまめるの作っちゃうから、勝手にどうぞ♪」
楓「はーい」
番組D「…にしても、改めてサシ飲みなんかすると、大人になったなぁって…はは、歳だねボクも」
楓「Dさん全然お若いじゃないですか、白髪もないですし、いつもシャキッとしてますし」
600: 24/11/29(金) 12:10:04 ID:OaSt
番組D「流石に白髪は染めてるだけだよ、もうこっちは60近いんだから」ハハハ
楓「そのうち私にも生えるんでしょうか、若白髪」
番組D「だから、若くはないんだってば。…まぁ、そんな軽口叩くって事は…ある種の予防線みたいなものなのかな」
楓「あまり笑える話にもならないでしょうから」カラン
番組D「……古い古い話さ、聞いたってお腹の足しにもならないよ」
楓「いいんです、聞かせてください」
番組D「この前ね。お墓参りに行ったんだ。…娘のさ」
楓「……」
楓「そのうち私にも生えるんでしょうか、若白髪」
番組D「だから、若くはないんだってば。…まぁ、そんな軽口叩くって事は…ある種の予防線みたいなものなのかな」
楓「あまり笑える話にもならないでしょうから」カラン
番組D「……古い古い話さ、聞いたってお腹の足しにもならないよ」
楓「いいんです、聞かせてください」
番組D「この前ね。お墓参りに行ったんだ。…娘のさ」
楓「……」
601: 24/11/29(金) 12:10:17 ID:OaSt
番組D「今はもう独り身だし、時間もそうそう作れなくて。結構離れてるからね、ここからだと」
楓「ええ」
番組D「変な話だと思うよね。世界中飛び回って番組は作れるのにサ。自分の身の回りの事になると、途端に億劫になったり、怖くなったりして」カラン…
楓「その…おいくつだったんですか?」
番組D「あの時で20歳だから……そうか、もうとっくに楓ちゃんが上になるかぁ」
楓「そうなんですね…じゃあ、その後にピー君と」
番組D「そう。彼と会ったのは、何とかそこから立ち直ろうって、踏ん張れる様になったすぐ後くらいかな。あの頃彼が25かそこいらだから……」
楓「ええ」
番組D「変な話だと思うよね。世界中飛び回って番組は作れるのにサ。自分の身の回りの事になると、途端に億劫になったり、怖くなったりして」カラン…
楓「その…おいくつだったんですか?」
番組D「あの時で20歳だから……そうか、もうとっくに楓ちゃんが上になるかぁ」
楓「そうなんですね…じゃあ、その後にピー君と」
番組D「そう。彼と会ったのは、何とかそこから立ち直ろうって、踏ん張れる様になったすぐ後くらいかな。あの頃彼が25かそこいらだから……」
602: 24/11/29(金) 12:10:31 ID:OaSt
楓「……やっぱり、ピー君の事はその…」
番組D「前にここでヒロちゃんにも同じこと言ったんだけど。息子みたいに思ってるんだ、って。勝手にね。ホント、勝手なもんさ」
楓「あの、差し出がましい様なら…でも、やっぱり訊いてもいいでしょうか」
番組D「うん」
楓「娘さんは…どうして?」
番組D「飛び込みさ。人身事故ってやつ」
楓「……え…」
番組D「ずっと構ってやれなかった。年齢だってそこそこだ。とっくに、独り立ちだってしたもんだと思ってた。でも、そうじゃなかった」
番組D「前にここでヒロちゃんにも同じこと言ったんだけど。息子みたいに思ってるんだ、って。勝手にね。ホント、勝手なもんさ」
楓「あの、差し出がましい様なら…でも、やっぱり訊いてもいいでしょうか」
番組D「うん」
楓「娘さんは…どうして?」
番組D「飛び込みさ。人身事故ってやつ」
楓「……え…」
番組D「ずっと構ってやれなかった。年齢だってそこそこだ。とっくに、独り立ちだってしたもんだと思ってた。でも、そうじゃなかった」
603: 24/11/29(金) 12:10:47 ID:OaSt
いたっちゃん「…はい、とりあえず銀杏、アツいから気を付けなさいね」コト
楓「あ、ありがとうございます」
いたっちゃん「若い子困らせないの、Dサンはホントにもう」
楓「いえ、私が聞きたくて…むしろ、困らせているのは私の方ですし」
番組D「空気、湿っぽくしちゃったな。食べよう銀杏、季節モノは美味しいからね」
楓「はい、いただきます。あ、お酒、おつぎします私」
番組D「そんな気を遣わないでよ。P君にも悪いし」
楓「いえ、あの人なら怒ったりしませんから」
楓「あ、ありがとうございます」
いたっちゃん「若い子困らせないの、Dサンはホントにもう」
楓「いえ、私が聞きたくて…むしろ、困らせているのは私の方ですし」
番組D「空気、湿っぽくしちゃったな。食べよう銀杏、季節モノは美味しいからね」
楓「はい、いただきます。あ、お酒、おつぎします私」
番組D「そんな気を遣わないでよ。P君にも悪いし」
楓「いえ、あの人なら怒ったりしませんから」
604: 24/11/29(金) 12:10:58 ID:OaSt
番組D「そう?……そうかもね」
トクトクトク…カラン
番組D「残酷なもんでサ。報道でもしきりに騒がれて、新聞にも載って、カメラも回って、その日は1日娘のことで持ちきり。そんで、翌日にはぱったりさ、どこも大抵はそうだろうけど」グビッ
楓「長く騒がれるのはスキャンダルだとか、業界の暗い裏話だとか、そう言った話ばかりですものね」
番組D「楓ちゃんは…P君もか。あの頃、それらと真っ向から戦ってたんだよね。それに引き換えると、自分は情けない事にね…」
トクトクトク…カラン
番組D「残酷なもんでサ。報道でもしきりに騒がれて、新聞にも載って、カメラも回って、その日は1日娘のことで持ちきり。そんで、翌日にはぱったりさ、どこも大抵はそうだろうけど」グビッ
楓「長く騒がれるのはスキャンダルだとか、業界の暗い裏話だとか、そう言った話ばかりですものね」
番組D「楓ちゃんは…P君もか。あの頃、それらと真っ向から戦ってたんだよね。それに引き換えると、自分は情けない事にね…」
605: 24/11/29(金) 12:11:09 ID:OaSt
~8年前~
ドゴォ!
P『…汚え手でベタベタ女に触ってんじゃねえよ』
真暗スタジオのおじさん『あが……が……』
楓『……!』
~7年前・810プロ事務所~
P『……待て、お前、モデルの仕事は』
楓『辞めました。あの真暗スタジオのおじさんを蹴落とすくらいの立場になれたので、さくっと懲らしめて出禁になっちゃいました』
ドゴォ!
P『…汚え手でベタベタ女に触ってんじゃねえよ』
真暗スタジオのおじさん『あが……が……』
楓『……!』
~7年前・810プロ事務所~
P『……待て、お前、モデルの仕事は』
楓『辞めました。あの真暗スタジオのおじさんを蹴落とすくらいの立場になれたので、さくっと懲らしめて出禁になっちゃいました』
606: 24/11/29(金) 12:12:24 ID:OaSt
~現在~
番組D「自分が見せたいものを創るのに必氏で、見るべきものを見られていなかった、結局そういう話なんじゃないかな。書き置きも何もなかったけど、報道がしきりに騒いでるの、多分そうなるって見越してたんだと思う。…『確信犯』ってやつだね、人様にも迷惑かけちゃうし」
楓「……難しい世界ですよね。ただ、普通に生きることそのものが、どうしても、あまりにも難しくて、かけ離れていて」
楓「私、もしあの日ピー君に会えなかったら、そのまま偉い人の慰み者になって、今の自分なんてとっくに存在していなかったんじゃないかって…思うことがあって」
番組D「自分が見せたいものを創るのに必氏で、見るべきものを見られていなかった、結局そういう話なんじゃないかな。書き置きも何もなかったけど、報道がしきりに騒いでるの、多分そうなるって見越してたんだと思う。…『確信犯』ってやつだね、人様にも迷惑かけちゃうし」
楓「……難しい世界ですよね。ただ、普通に生きることそのものが、どうしても、あまりにも難しくて、かけ離れていて」
楓「私、もしあの日ピー君に会えなかったら、そのまま偉い人の慰み者になって、今の自分なんてとっくに存在していなかったんじゃないかって…思うことがあって」
607: 24/11/29(金) 12:12:37 ID:OaSt
番組D「人のアレコレに口出しすると、馬が怖いって言うけど……P君が言ってたよ、襲われたーって」
楓「…百万倍くらいマシじゃないですか、その方が」
番組D「怖かったんだね、楓ちゃんは」
楓「今はもう、どうスキャンダルになっても怖くないんです。ピー君には……それは、まぁ…申し訳無さもありますけど」カラン
番組D「立ち向かうには勇気とか、根拠が必要だからね…いいんじゃない?…案外彼も、満更じゃなかったかもよ」カラン
楓「そうですかね?」ズイッ
楓「…百万倍くらいマシじゃないですか、その方が」
番組D「怖かったんだね、楓ちゃんは」
楓「今はもう、どうスキャンダルになっても怖くないんです。ピー君には……それは、まぁ…申し訳無さもありますけど」カラン
番組D「立ち向かうには勇気とか、根拠が必要だからね…いいんじゃない?…案外彼も、満更じゃなかったかもよ」カラン
楓「そうですかね?」ズイッ
608: 24/11/29(金) 12:12:48 ID:OaSt
番組D「あ、だからって流石に今夜這いとかはマズイと思うけどね」
楓「むう……やっぱり難しいです、大人って」
番組D「そう、難しいんだ、大人って」
いたっちゃん「…あ、そう言えばそれで思い出したンだけど」フキフキ
楓「はい」モグモグ
いたっちゃん「Dサンってば、あの子達に秘境のいいお湯があるっていってわざわざ遠ざけちゃったでしょ、あそこ混浴露天って知ってたの?」
楓「えっ」
楓「むう……やっぱり難しいです、大人って」
番組D「そう、難しいんだ、大人って」
いたっちゃん「…あ、そう言えばそれで思い出したンだけど」フキフキ
楓「はい」モグモグ
いたっちゃん「Dサンってば、あの子達に秘境のいいお湯があるっていってわざわざ遠ざけちゃったでしょ、あそこ混浴露天って知ってたの?」
楓「えっ」
609: 24/11/29(金) 12:13:10 ID:OaSt
番組D「……あー……もしかして…やっちゃったかな?」
いたっちゃん「そういうトコよ、昔から」ザバザバ…コトッ
~~~
~混浴露天~
P「………」カポーン
ぷちかれ「ポテェ?」キョトン
加蓮「……うう…」
ぷちかれ「ナンデ ハナレルヨ」ポカーン
P「いや……流石に秘境だし、スキャンダルの心配とかはないんだけども…」
加蓮「単純に…ハズいし…」
ぷちかれ「イイユダヨ?」カポーン
加蓮「別な意味でのぼせそう」
P「奇遇だな、俺もだ」
おわれ。
いたっちゃん「そういうトコよ、昔から」ザバザバ…コトッ
~~~
~混浴露天~
P「………」カポーン
ぷちかれ「ポテェ?」キョトン
加蓮「……うう…」
ぷちかれ「ナンデ ハナレルヨ」ポカーン
P「いや……流石に秘境だし、スキャンダルの心配とかはないんだけども…」
加蓮「単純に…ハズいし…」
ぷちかれ「イイユダヨ?」カポーン
加蓮「別な意味でのぼせそう」
P「奇遇だな、俺もだ」
おわれ。
610: 24/11/29(金) 12:14:00 ID:OaSt
8年前、7年前の話の補完。
Dさんが何故Pを気にかけるのかの掘り下げでした。
では、お目汚し、失礼をば。
Dさんが何故Pを気にかけるのかの掘り下げでした。
では、お目汚し、失礼をば。
引用: ぷちかれ小ネタシリーズ2
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