607: 2014/07/27(日) 19:13:04.57 ID:RfFIlBrP0
608: 2014/07/27(日) 21:04:34.48 ID:RfFIlBrP0
提督「…鎮守府に配属されてからここまでゆっくり旅行するのは初めてだな」
熊野「なかなか休める機会もないですもの、しょうがないですわ」
提督「有給とか取らせてもらえないしな…」
熊野「まぁ最近はあまり出撃もしてないですし、仕事という仕事もないですけれど…」
提督「出撃命令が下されてた海域は全部敵倒しちゃったしなぁ…」
熊野「平和なのは良いことですわ」
提督「だな…そのお陰でこうして旅行もできるし」
熊野「忙しかったら来れませんものね」
609: 2014/07/27(日) 21:08:11.25 ID:RfFIlBrP0
提督「ああ、熊野達が頑張ってくれてるからだな」
熊野「当然ですわ、勿論提督の指揮も必要不可欠でしてよ」
提督「ちゃんと出来てるか心配だけど…ありがとな」
熊野「皆感謝していますわ…多分ですけれど」
提督「多分かよ!いや、そんなことはない…はず」
熊野「もう…しっかりしなさいな…皆慕っていますわ」
提督「先に言い出したのは熊野だぞ…でも、慕われることは嬉しいよな」
熊野「そうですわね…私はあまり慕われる、という経験はありませんけれど」
提督「…俺は熊野のこと慕ってるぞ?」
熊野「…あ、ありがとうございます//」
610: 2014/07/27(日) 21:13:25.22 ID:RfFIlBrP0
提督「慕ってなかったらずっと秘書艦になんてしないしな」
熊野「それもそうですわね//」
提督「…旅行来てから熊野照れやすくなったよな」
熊野「そ、そうかしら…」
提督「執務室に居るときはもっとツンツンしてたぞ、デレ期だな」
熊野「た、多分旅行の雰囲気に当てられているだけですわ!」
提督「ああ…じゃあ鎮守府帰ったらまた戻っちゃうのか…」
熊野「当たり前ですわ!…って段々日が沈んできましたわ」
提督「ん…そうだな」
熊野「海猫も帰っていきますわね」
提督「夕陽を前に飛んでる鳥ってなんでこんなに素敵なんだろうな…」
611: 2014/07/27(日) 21:20:32.77 ID:RfFIlBrP0
熊野「綺麗ですわ…」
提督「夕陽を見てると泣きそうになるんだよなぁ…」ウルッ
熊野「提督涙ぐんでますわよ」
提督「仕方ないだろ、こういうシチュエーションに弱いんだ」
熊野「もう、仕方ないですわね…」フキフキ
提督「ああ、悪いな…」
熊野「ふふ…提督とお揃いのハンカチですわ」
提督「買いたての物使っちゃって良かったのか」
熊野「気にしませんわ…あら、船が来ましたわ」
提督「イカ釣り船だな、夜に漁をするんだよ」
612: 2014/07/27(日) 21:31:00.59 ID:RfFIlBrP0
熊野「だからランプが付いてるんですのね」
提督「ああ、明かりが灯っている時はなかなか綺麗だぞ」
熊野「まだ明るいので点きそうではないですわ…」
提督「漁が始まる頃には多分車の中だな」
熊野「そんな遅いんですの…」
提督「まぁイカ釣り船は北海道じゃなくても見れるし、別の機会の楽しみだな」
熊野「鎮守府の近くでも見れますの?」
提督「え、どうだったっけ…確かやってた気がするなー」
熊野「あまり漁港の方には行ったことがないですわ」
613: 2014/07/27(日) 21:35:56.65 ID:RfFIlBrP0
提督「そもそも熊野街中すら行ったことないんじゃないのか」
熊野「え、ええ…大体鎮守府の周りにしか出掛けませんわ、鈴谷と一緒ですけれど」
提督「鈴谷は結構遠出してるイメージだったけどそんなこともないのか」
熊野「さっきも鎮守府で暇してましたわ…」
提督「もっとアクティブだと思ってた…じゃあ熊野は京都の街並みを知らないんだな」
熊野「そうですわね、京都タワー?というのは聞いたことがありますわ」
提督「あの蝋燭みたいなやつか…じゃあ次の休暇は京都府内小旅行でもするかぁ」
熊野「提督は結構街中とか行くんですの?」
提督「まぁな…歴史ある神社とか寺が沢山あるから正直日本史好きにはたまらない」
614: 2014/07/27(日) 21:42:43.34 ID:RfFIlBrP0
熊野「提督歴史とかそういうの好きですわよね…」
提督「何故か小学生の時から好きだった…って話はどうでもいいか、京都ならひと通り案内は出来るぞ」
熊野「でしたら是非お願いしたいですわ!」
提督「じゃあ行こうか、次の休暇はいつだろうな…」
熊野「夏にはありませんの?」
提督「まだ分からないな…戦闘してないんだし休みでもいいと思うんだけどなぁ」
熊野「一応厳重注意ですから…仕方ありませんわ」
提督「まぁ休みが分かったらまた予定を立てようか」
熊野「楽しみにしていますわ!」
615: 2014/07/27(日) 21:50:04.02 ID:RfFIlBrP0
提督「…そろそろ夕陽が海に入っていくな」
熊野「ええ…とても綺麗ですわ…」
提督「あと3日位の旅行だけど、海で見れる夕陽は最後かもなぁ」
熊野「もう海は行かないんですの?」
提督「行くことには行くけど、夕方ってのは難しいな」
熊野「なるほど…」
提督「朝日は見れるから楽しみにしときな、めちゃくちゃ綺麗だぞ」
熊野「分かりましたわ…にしても夕陽、綺麗ですわねぇ…」
提督(…あ、そうだ写真)
カシャ
カシャ
616: 2014/07/27(日) 21:57:21.64 ID:RfFIlBrP0
提督(…熊野も入れて写してみるか)
提督「熊野」
熊野「なんですの?」クルッ
カシャ
カシャ
熊野「な…!不意打ちでしてよ!」
提督「まぁまぁ、逆光で顔映らないし大丈夫だ」
熊野「そういう問題じゃありませんわ…」
提督「やっぱり夕焼けと美人は映えるなぁ…」
熊野「……//」
617: 2014/07/27(日) 22:01:20.88 ID:RfFIlBrP0
提督「もうだいぶ夕陽沈んできちゃったな」
熊野「そ、そうですわね…」
提督「意外と夕陽って沈むの早いんだよなぁ」
熊野「海に接したら加速した気がしますわ…」
提督「なんでだろうな…だからこそ綺麗に見えたりするけども」
熊野「水平線に落ちる夕陽…海上で見る時より輝いて見えますわ」
提督「まさに暁の水平線だな…」
熊野「…そうですわね」
提督「そろそろ全部沈むな…」
熊野「……沈みましたわ」
618: 2014/07/27(日) 22:05:25.74 ID:RfFIlBrP0
提督「この夕陽が沈んでからのコントラストがまた良いよなぁ」
熊野「色合いが素敵ですわ…」
提督「この時間をマジックアワーっていうらしいぞ、魔法の時間とは上手く付けたもんだ」
熊野「確かに魔法の時間ですわね…赤と青が混ざり合ってますわ」
提督「綺麗な夕陽が熊野と見れてよかった、曇らなくてよかったよ」
熊野「わ…私も提督と見れて…良かったですわ」
提督「そ、そうか…じゃあ展望台に向けて出発するか」
熊野「分かりましたわ」
619: 2014/07/27(日) 22:07:37.88 ID:RfFIlBrP0
提督「よし…一応聞くけど忘れ物ないよな?」
熊野「私何も持たずに出ましたわ」
提督「じゃあ問題ないな、じゃあ行くか…シートベルトした?」
熊野「大丈夫ですわ」
提督「大体30分位で着くはずだ、その頃には辺りも暗くなってるはず」
熊野「夜景を見るにはぴったりですわね」
提督「大体6時過ぎくらいかな…少し早いけど夕食もそこで食べる」
熊野「展望台でのディナー…素敵ですわ」
提督「料理もなかなかお洒落だから期待していいと思うぞ」
熊野「楽しみですわ!」
620: 2014/07/27(日) 22:08:17.97 ID:RfFIlBrP0
-函館市街地-
提督「ここから山道になる、頂上が展望台だよ」
熊野「もう少し建物が見えるんですのね」
提督「ロープウェーでも上がれるからな、今回は車あるから車で行くけど」
熊野「…あれがロープウェーですの?」
提督「ああ、そうだよ。確か100人以上乗れるんじゃなかったっけな…」
熊野「まぁ…そんなに乗れるんですの?」
提督「近くで見ると意外と大きいんだ」
熊野「落ちないか心配でしてよ…」
提督「そこは上手く作られてるから大丈夫だよ、確かに少し怖いけどな」
621: 2014/07/27(日) 22:22:04.18 ID:RfFIlBrP0
熊野「すごい技術力ですのね…あっちの方が早く着くんですの?」
提督「ああ、車だと15分位かかるけどロープウェーは3分で着く」
熊野「は、早いですわね…でも尚更落ちそうですわ…」
提督「意外とゆっくりだぞ、真っ直ぐ登ってるか山道うねうね走るかの違いだな」
熊野「なるほど…」
提督「お、もうすぐ駐車場だな」
熊野「意外と早かったですわね」
提督「話してるとそんなもんさ」
622: 2014/07/27(日) 22:24:51.68 ID:RfFIlBrP0
-函館山展望台-
恐らく函館で一番有名なスポット、世界三大夜景にも選ばれるほどの美しさを持つ夜景が見れる。
両側を海に囲まれている函館特有の夜景が楽しめ世界的に人気も高い。
北海道は日本の中でも四季折々の景色が楽しめるのもあり、一年中客で賑わっている
四階建ての展望台の中にはレストラン、ショップ、イベントホールなどが入っていて景色以外も楽しめるようになっている。
イベントホールでは「歴史と光の街~函館」という函館の歴史をシアター上映している。
レストランは比較的若いカップルが多いので、食事の際は心して行くように
提督「カメラと…財布くらいでいいかなぁ…」
熊野「私は何を持っていけば…」
提督「ん、熊野は何も持たなくて大丈夫だよ」
熊野「では、このまま行きますわ」
提督「じゃあ行こうか」
623: 2014/07/27(日) 22:35:54.04 ID:RfFIlBrP0
-1F ロビー-
提督「このまま一番上まで行けば展望台なんだけど…夕食はどうする?先にしようか?」
熊野「…では、先でお願いしますわ!」
提督「分かった、じゃあ先にレストラン行こうか」
熊野「レストランもこの建物なんですの?」
提督「ああ、2階だよ。窓側の席は予約席だから座れないけど…ごめんな」
熊野「後で見れるんですから、大丈夫ですわ」
提督「それもそうか、んじゃ行くか」
624: 2014/07/27(日) 23:04:40.01 ID:RfFIlBrP0
-2F レストラン「ジェノバ」-
ウェイトレス「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」
提督「2人です」
ウェイトレス「かしこまりました、お席へご案内します」
提督「お願いします」
ウェイトレス「こちらです、ご注文はディナー、アラカルト、デザート&ドリンクメニューからお選び下さい。お決まりになりましたらベルをお鳴らしください」
提督「分かりました」
625: 2014/07/27(日) 23:10:44.91 ID:RfFIlBrP0
提督「さて、どれにしようか」
熊野「結構たくさんあるんですのね」
提督「そうだな…パスタにしようかな…」
熊野「カレーはお昼に頂きましたし…悩みますわね」
提督「俺はこのクリームスパゲッティーにしよう」
熊野「んん…では私はクリームシチューにしますわ」
提督「お、クリームで合わせてきたな」
熊野「た、たまたまですわ!」
提督「可愛いやつだなぁ…ほかに何か食べたいのは?」
熊野「そうですわね…提督のオススメがいいですわ」
提督「え…じゃあ函館イカの塩辛焼きと、ジャーマンポテト…かな」
熊野「ではそれを頂きますわ」
提督「飲み物はどうする?」
熊野「カフェオレでお願いしますわ」
提督「じゃあベル鳴らすか」
チリンチリン
626: 2014/07/27(日) 23:25:06.90 ID:RfFIlBrP0
ウェイトレス「お待たせしました、ご注文はお決まりでしょうか」
提督「ハム・ウニ・ほうれん草のクリームスパゲッティーと北海道産クリームシチュー、ジャーマンポテトとイカの塩辛焼き、それと飲み物にカフェオレとコーヒーお願いします」
ウェイトレス「かしこまりました、お飲み物は食前にお持ちいたしますか?」
提督「はい、お願いします」
ウェイトレス「かしこまりました、ではもうしばらくお待ちください」
627: 2014/07/27(日) 23:26:00.19 ID:RfFIlBrP0
提督「なかなかお洒落な店内だよな」
熊野「え、ええ…こういうお店へはあまり入ったことがないので緊張しますわ」
提督「俺も人生で数えるほどしか入ったことないな」
熊野「提督は一度来たことがあるんでしたっけ?」
提督「ああ、男とだけどな…」
熊野「ここに男性同士は少し厳しそうですわ…」
提督「今回は熊野と来れたし、良かったよ」
熊野「私も…提督と来れて…」
提督「来れて…?」
熊野「な、なんでもありませんわ!」
634: 2014/07/31(木) 21:59:55.65 ID:xkhCKBhC0
ウェイトレス「お待たせいたしました、カフェオレとコーヒーです」コトッ
提督「ありがとうございます」
ウェイトレス「では、もう少々お待ちください」
提督「分かりました」
635: 2014/07/31(木) 22:20:05.31 ID:xkhCKBhC0
提督「熊野はカフェオレとか紅茶とか好きだよな」
熊野「ええ…飲んでいて落ち着きますわ」
提督「俺も紅茶は金剛が持ってくるからそれなりに飲んでるけど…カフェオレは、あまり飲まないなぁ」
熊野「そうなんですの?では今度執務中に入れて差し上げますわ」
提督「ああ、よろしく いつもコーヒーだからなぁ」
熊野「提督コーヒー以外何が好きなんですの?」
提督「好き…お茶とか?」
熊野「紅茶…?」
提督「いや、自分で好んで買うのは日本茶かな」
熊野「日本茶…自分で点てたりするんですの?」
提督「俺は出来ないから綾鷹とか伊右衛門とかペットボトルばっかだな、鳳翔がたまに点ててくれるけど」
熊野「確かに、鳳翔さんはお茶点てたりできそうですわ…」
提督「今度熊野も飲んでみ、すごく美味しいから」
熊野「鳳翔さんを見かけたら頼んでみますわ」
636: 2014/07/31(木) 22:32:27.69 ID:xkhCKBhC0
ウェイトレス「お待たせしました、こちらハム・ウニ・ほうれん草のクリームスパゲッティーでございます」
提督「はい」
ウェイトレス「北海道産クリームシチューでございます」
提督「そちらにお願いします」
ウェイトレス「かしこまりました、ジャーマンポテトとイカの塩辛焼きでございます」
ウェイトレス「以上で注文はおそろいでしょうか?」
提督「はい」
ウェイトレス「こちらに伝票の方お入れしておきますね」
提督「分かりました」
637: 2014/07/31(木) 22:46:15.40 ID:xkhCKBhC0
提督「さ、食べようか」
熊野「良い匂いですわ…」
提督「いただきます」
熊野「いただきます」
提督「ハムとほうれん草のパスタはよく見るけど、ウニ入れてるのはなかなか見ないよなぁ」
熊野「そうですわね…っ…シチュー熱いですわ…」
提督「おいおい大丈夫か、少し冷ましてから食べたらどうだ」
熊野「そうさせていただきますわ…ん…ジャーマンポテト美味しいですわ!」
提督「そうだろうそうだろう、俺も前来た時一口惚れだったからな」
熊野「ホクホクしていますわ」
638: 2014/07/31(木) 23:02:24.73 ID:xkhCKBhC0
提督「作りたてだからな、イカの塩辛焼きも食べてみ」
熊野「…!美味しいですわ、ご飯にも合いそうですわね」
提督「だよな!絶対白米に合うと思うんだよ、鎮守府のメニューに加えてもらいたい」
熊野「間宮さんにお願いしてみましたら…?」
提督「ああ、今度頼んでみるか」
熊野「私も気に入りましたわ」
提督「酒のつまみにもいけそうだよな、まぁ熊野はまだ飲めないか」
熊野「お、お酒くらい飲めますわ」
提督「すぐ酔いそうだな…」
熊野「それは…飲んでみないことには分かりませんわ!」
提督「今度一口分けてやる」
熊野「わ、分かりましたわ!」
熊野「…!美味しいですわ、ご飯にも合いそうですわね」
提督「だよな!絶対白米に合うと思うんだよ、鎮守府のメニューに加えてもらいたい」
熊野「間宮さんにお願いしてみましたら…?」
提督「ああ、今度頼んでみるか」
熊野「私も気に入りましたわ」
提督「酒のつまみにもいけそうだよな、まぁ熊野はまだ飲めないか」
熊野「お、お酒くらい飲めますわ」
提督「すぐ酔いそうだな…」
熊野「それは…飲んでみないことには分かりませんわ!」
提督「今度一口分けてやる」
熊野「わ、分かりましたわ!」
639: 2014/07/31(木) 23:38:14.11 ID:xkhCKBhC0
提督「パスタ一口食べるか?」
熊野「良いんですの?」
提督「ほら」
熊野「ん…あっさりしてて美味しいですわ!」
提督「クリーミーで食べやすいよな、どんどん食べれる」
熊野「その、私のも、差し上げますわ」
提督「ああ、ありがとう…美味しいな、シチュー久しぶりに食べた」
熊野「私も久々に食べましたわ、ビーフシチューなら最近食べましたけれど」
提督「ビーフシチューも最近食べてないなぁ…」
熊野「今度間宮さんに作ってもらってはいかが?」
提督「ああ、お願いしようかな…」
640: 2014/07/31(木) 23:39:39.78 ID:xkhCKBhC0
提督「さて、食べ終わったし行こうか」
熊野「そうですわね」
提督「じゃあ支払いしてくるから、出口で待っててくれ」
熊野「分かりましたわ」
656: 2014/08/03(日) 21:03:03.56 ID:fap23wYZ0
-2F 中央ホール-
提督「19時過ぎか、時間的にも丁度いいな」
熊野「夜景、楽しみですわ!」
提督「じゃあ行くか、エスカレーターで一番上までいけるよ」
熊野「4階建てって書いてありましたけど…3階はなんですの?」
提督「確か3階はパーティー会場とか宴会会場だったはず…結婚式とかも出来た気がするな」
熊野「まぁ…確かに夜景を見ながらの結婚式とか、パーティーは素敵ですわ」
提督「だよなぁ…料理も美味しそうだし」
熊野「またイカのやつが食べたいですわ」
提督「イカの塩辛焼きか、あれイカの塩辛買ってきて焼いても一緒の味にならないんだよな…」
熊野「レシピが絶対違いますわよ、それ…」
提督「やっぱり間宮さんに頼むしか無いな…」
657: 2014/08/03(日) 21:15:35.63 ID:fap23wYZ0
-函館山 屋外展望スペース-
提督「さて、空は快晴で気温もそこそこ、今日は最高の夜景が見れるはずだ」
熊野「もったいぶらないで早く行かせてくださいな」
提督「ああ、そうだな、そこを真っ直ぐ行けば見れるよ」
熊野「…提督は行かないんですの?」
提督「後ろから熊野の反応見ようかなって思ってな」
熊野「…なんでですの」ジトー
提督「面白そうだから…一緒に行ってほしいか?」
熊野「べ、別にそんなことありませんわ!」プイッ
提督「分かった分かった、一緒に行くか」
熊野「最初から一緒に行けば良かったのではなくて?」
提督「まぁまぁ…ほら、行くぞ」
熊野「ま、待ってくださいな」
熊野「この扉の先ですの?」
提督「ああ、結構大きい展望スペースになってる」
提督(俺は初めて見た時泣きそうになったけど、熊野はどうだろうなぁ)
658: 2014/08/03(日) 21:36:04.17 ID:fap23wYZ0
熊野「…………」
提督「何回見ても新鮮な気持ちで見れるな、この景色は…」
熊野「…………」
提督「どうした?」
熊野「…言葉に出来ませんわ」グスッ
提督「おいおい泣くくらい綺麗だったか?」
熊野「綺麗ですけれど、それよりもこういった景色が見れてると改めて実感した涙ですわ」
提督「実感、か」
熊野「艦娘としてこうして色々なものを見れるのが…夜景を見た時に込み上げてきて…」
提督「……そうだな」
ギュッ
熊野「…提督?」
提督「…だからこそ俺はお前達に、色々な所に一緒に行きたいし、色々なものを食べたいし、色々なものを見せて上げたいと思ってる」
提督「正直鎮守府なんて放り出して世界一周したいくらいだ」
熊野「ふふっ…言い過ぎですわよ」
提督「そうだな…折角艦娘として生まれたんだし、とことん楽しむぞ、日常的なことからそうじゃないことまで、全部だ」
熊野「…提督は艦娘じゃありませんわ」プイッ
提督「……ソウダナ」
熊野(こういう時に格好つけて…ずるいですわ)
659: 2014/08/03(日) 21:39:29.58 ID:fap23wYZ0
熊野「でも…本当に綺麗ですわ」
提督「ああ、世界3大夜景って胸を張って言えるよな」
熊野「他の2ヶ所も気になりますわ」
提督「確か…香港とナポリだっけな、ナポリはイタリアの都市だよ」
熊野「遠すぎていけませんわね…」
提督「平和になったらどこへでも行けるさ」
熊野「…そうですわね」
提督「にしてもあまり人がいないな」
熊野「確かにGWなのに少ないですわね」
提督「まぁ少ないに越したことはないか」
660: 2014/08/03(日) 21:40:37.96 ID:fap23wYZ0
熊野「そういえば、これからの日程はどのような感じなんですの?」
提督「これから夜走って室蘭に行く、駐車場で車中泊になると思うが我慢してくれ」
提督「それから帯広、釧路、美瑛、富良野って感じで行って、最後に札幌だ」
熊野「たくさん行くんですのね」
提督「小樽とか函館みたいに1泊とかはしないから、あっさりしてるかもしれないけどな」
熊野「後3日で周れるんですの?」
提督「実際に俺が6日で通ったコースだからな、行ける行ける」
熊野「なんだか心配ですわ」
661: 2014/08/03(日) 21:41:43.21 ID:fap23wYZ0
提督「写真撮るか…」
カシャ
カシャ
提督「熊野」
熊野「なんですの?」
提督「こっち向いてくれ、写真撮るから」
熊野「目が赤いのだけれど…」
提督「暗いし多分分かんないだろ、ほら」
熊野「…仕方ありませんわね」
提督「よし、撮るぞー」
提督「はいチーズ」
カシャ
カシャ
熊野「赤くなってないかしら…」
提督「あ、ああ、大丈夫だ」
提督(バッチリ赤く写ってるから後でネタになるな)
662: 2014/08/03(日) 21:56:09.92 ID:fap23wYZ0
提督「じゃあそろそろ行くか」
熊野「ええ…綺麗でしたわ」
提督「海に挟まれてるからこその景色だよな…」
熊野「この景色が見れて良かったですわ」
提督「ああ、そうだな」
熊野「この景色が見れたのも…提督の鎮守府に来れたからですわね」
提督「ああ、そうだな…って、え?」
熊野「私、提督の鎮守府に着任できて本当に嬉しいですわ…」
提督「あ、ああ、そうか…うん」
提督「俺も…熊野が来てくれて嬉しいよ」
663: 2014/08/03(日) 22:09:07.92 ID:fap23wYZ0
-駐車場-
提督「忘れ物は大丈夫か?」
熊野「大丈夫ですわ!」
提督「次の目的地には、ここからは3時間位で着くはずだ」
熊野「なんていう場所なんですの?」
提督「んー、着いてからのお楽しみ、だな」
熊野「…意地が悪いですわね」
提督「まぁまぁ、楽しみも必要だろ?」
熊野「…そうですけれど」
提督「じゃあ、行くぞ」
熊野「もう…分かりましたわ
664: 2014/08/03(日) 22:59:58.35 ID:fap23wYZ0
-函館新道-
提督「この新道をずっと上がっていくんだ」
熊野「私…少し眠くなってきましたわ…」
提督「ああ、寝ててもいいぞ」
熊野「提督は寝なくても大丈夫ですの?」
提督「着くの0時過ぎくらいだろうし、それから寝てもぜんぜん大丈夫だよ」
熊野「…では、私も起きてますわ」
提督「ん?寝てていいぞ?」
熊野「私が寝たら、提督退屈でしょうし、起きててあげますわ」
提督「無理しなくてもいいぞ…眠いなら寝とけ」
熊野「だ、大丈夫ですわ!これくらい問題無いですわ!」
提督「…じゃあお願いしようかな」
熊野「ふふっ…承りましたわ」
674: 2014/08/06(水) 22:59:44.23 ID:sdkeFeSV0
提督「にしても、新道や住宅街走るのは結構退屈だよな…」
熊野「コレと言ったものがありませんものね」
提督「しかも夜だから周りもよく見えないしなー早く開けた所に出たい」
熊野「後どれ位続きますの?」
提督「うーん…新道はもうすぐ終わるが…」
熊野「が…?」
提督「その後、道央自動車道っていう有料区間を通るんだよ…そこが2時間位掛かるからそこそこ長い」
熊野「2時間…提督疲れないんですの?」
提督「2時間位なら疲れないさ、北海道なんて遠くに観光行くなら大体3時間以上は運転しなくちゃいけないからな」
熊野「それだけ広いってことですのね…」
提督「北海道はでっかいどう、とか言われてるくらいだしな」
熊野「オヤジギャグですわ…」
675: 2014/08/06(水) 23:11:29.26 ID:sdkeFeSV0
-道央自動車道-
提督「ここから道央自動車道だ」
熊野「…道路ですしいまいちピンときませんわね」
提督「まぁそれもそうだよな」
熊野「道央、と言うからに北海道の中心まで走っていますの?」
提督「そうだな、函館の少し上、ここ大沼から旭川の少し上にある士別ってとこまで繋がってるんだ」
熊野「場所がいまいち分かりませんけれど…距離があるんですの?」
提督「5時間以上掛かるぞ、一回だけ走ったことあるんだ」
熊野「遠すぎますわ…」
提督「あの時は流石に疲れた…楽しかったけどな」
熊野「一人で行ったんですの?」
提督「いや、学校卒業する時に友達と札幌→函館→旭川→富良野→札幌って旅行したんだ、その時だよ」
676: 2014/08/06(水) 23:23:52.20 ID:sdkeFeSV0
熊野「というより…前々から気にはなっていたけれど…提督、友人居たんですのね」
提督「…え?」
熊野「鎮守府にいても電話とかしているところを見たことがありませんわ」
提督「あ、ああ、そうだな」
熊野「てっきり友人がいらっしゃらないのかと…」
提督「ちゃんといるぞ…まぁ多いってわけじゃないが」
熊野「連絡とか取ってらっしゃいますの?」
提督「ああ、チャットとかメールでたまに話してるな」
熊野「…提督に友人がいたなんて…青葉が喜びそうなネタですわ」
提督「俺そんなに皆に友達居ないと思われてたのか…」
熊野「まぁ…私達以外と話しているの見たことありませんし…」
提督(…今度から執務室で電話しよ)
提督「…え?」
熊野「鎮守府にいても電話とかしているところを見たことがありませんわ」
提督「あ、ああ、そうだな」
熊野「てっきり友人がいらっしゃらないのかと…」
提督「ちゃんといるぞ…まぁ多いってわけじゃないが」
熊野「連絡とか取ってらっしゃいますの?」
提督「ああ、チャットとかメールでたまに話してるな」
熊野「…提督に友人がいたなんて…青葉が喜びそうなネタですわ」
提督「俺そんなに皆に友達居ないと思われてたのか…」
熊野「まぁ…私達以外と話しているの見たことありませんし…」
提督(…今度から執務室で電話しよ)
677: 2014/08/06(水) 23:36:27.66 ID:sdkeFeSV0
提督「後30分位か…」
熊野「もう23時を過ぎましたわ」
提督「この時間帯ということもあって、道路が混んでなかったのが救いだな」
熊野「確かにスムーズに走れてますわ」
提督「ただ深夜帯になるとトラックが多いのがなぁ」
熊野「大きいですものね」
提督「ああ、しかも何台も通るからな」
熊野「少し怖いですわ」
提督「横抜かれるときは流石に俺も怖い」
熊野「この車だったら一溜りも有りませんわ…」
提督「おいおい怖いこと言うなよ…そういえば、熊野は車酔いしないんだな」
熊野「ええ…そういえばなんともないですわ」
提督「船も大丈夫だったし結構酔わないのかもな」
熊野「ま、まぁ当然ですわ!」
提督「意外と酔いそうだと思ってたんだがなー」
678: 2014/08/06(水) 23:52:55.44 ID:sdkeFeSV0
-室蘭-
北海道南西部に位置する室蘭は、北海道の工業中心地域して発展してきた。
大手企業の工場が多く、その色合いから「鉄の街室蘭」といった呼び名もある。
そして5大工業夜景都市に選ばれており、近未来的な雰囲気があったりもする
また、室蘭やきとりやクロソイでも有名でご当地グルメとして評価も高い。
特に、室蘭やきとりを居酒屋で食べるのは最高に美味しいのでオススメ
提督「道央自動車道を降りたらそこは、室蘭であった」
熊野「それは川端康成ですわ…」
提督「お、知ってるのか 何はともあれ、室蘭到着だ」
熊野「お疲れ様ですわ」
提督「目的地までもう少し頑張るけどな」
熊野「そろそろ目的地を教えてくれてもよろしいのではなくて?」
提督「ここまで来ちゃったら、もう最期まで隠しておきたいだろ?」
熊野「…提督は意地悪ですわ」
提督「そんなことない、優しいじゃないか」
熊野「じゃあ教えてくれてもいいじゃないですの」
提督「んー後20分掛からないで着くし、待ってな?」
熊野「…気になりますわ」
提督「着くまでのお楽しみだって言っただろ?」
熊野「…分かりましたわ」
690: 2014/08/12(火) 01:48:23.88 ID:CeCD+0be0
提督「にしても、流石にこの時間だと暗いな」
熊野「もう0時過ぎですものね」
提督「ああ、工業地帯の方に出れば灯りはついてると思うけどな」
熊野「まだ働いてらっしゃるの?」
提督「工業系は三交代勤務や夜勤があるとこが多いって聞くからなぁ…多分、電気がついてるのは皆働いてるんだと思う」
熊野「夜中も仕事なんて…大変ですわ」
提督「その代わり昼間が休みというか空き時間になるからな、俺らと逆な感じ」
熊野「…私は何度か提督の執務のせいでオール勤務をしてますわ」ジトー
提督「ん?そんなことあったか?よく覚えてないな」
熊野「…白々しいですわ」
691: 2014/08/12(火) 02:02:14.10 ID:CeCD+0be0
熊野「そういえば、今はどこを通ってらっしゃいますの?」
提督「ここは室蘭新道だな、さっきまで線路と一緒に走ってたのが胆振国道って道路」
熊野「そういえば線路がなくなりましたわ」
提督「ここを逆に行ったとこにある東室蘭って駅で3方向に分かれるんだよ、そのうちまた見えてくる」
熊野「この時間帯は電車は走ってないんですの?」
提督「ぎりぎり終電ってとこか…?電車あまり乗らないし分からないな…学生の時に使っていた学園都市線は、0時頃のが終電だったよ」
熊野「路線によって違うんですのね…」
提督「北海道は割と早い方なんじゃないか…東京とかはもっと遅くまで走ってそうなイメージだ」
熊野「私達の鎮守府の最寄りも早いですわ」
提督「ああ、22時位だっけか…」
熊野「島風ちゃんが早いって言ってましたわ」
提督「そりゃ珍しいな、というより島風はそんな遅くまで遊ばせないぞ…誰に誘拐されるか分からないからな」
熊野「提督…すこし親バカが過ぎますわよ」
提督「親って年齢でもないだろ、兄バカだ、兄バカ」
692: 2014/08/12(火) 02:12:36.71 ID:CeCD+0be0
提督「ここが母恋って駅だ、この次が終点室蘭」
熊野「母の恋…素敵な地名ですわね」
提督「ここの駅弁が結構有名なんだよなぁ」
熊野「そうなんですの?」
提督「意外と駅弁特集とかで載ってるんだ、限定何十食って感じでおにぎり、燻製の卵、チーズ、漬物って4種類が入ってる駅弁」
熊野「おにぎりの中身はなんですの?」
提督「ほっき貝の混ぜご飯だよ、母恋っていう地名の語源がアイヌ語でほっき貝のたくさんある場所って意味なんだ」
熊野「だからほっき貝を使ってるんですのね」
提督「肉や魚がないじゃないか!と思うかもしれないが、意外とこれだけでもお腹いっぱいになったりする」
熊野「提督が゙あまり食べないからではなくて?」
提督「食べ盛りの学生の時に食べたからなぁ…それなりに多いんじゃないか?」
熊野「食べ盛りの提督…想像できませんわ」
提督「そんな小食なつもりないんだけどな…」
693: 2014/08/12(火) 02:21:18.23 ID:CeCD+0be0
-駐車場-
提督「さて、母恋駅から南に向かい、とある駐車場に着きました」
熊野「どこなんですの…?」
提督「まぁまぁ、そんな怪訝そうな顔するな…なんたってここが目的地だからな!」
熊野「暗くてよく見えませんわ、外に出てもいいかしら」
提督「…駄目だ」
熊野「なんでですの…」
提督「朝まで見ちゃ駄目だ、朝見るのが一番感動できるからな…今は暗くてよく分からないだろ」
熊野「朝何か見えるんですの?」
提督「朝日が見える」
熊野「……それだけですの?」
提督「ああ、朝日が見えるからこそ夜は見てはいけないんだ、楽しみ半減しちゃうだろ?」
熊野「…まぁ、いいですわ」
提督「じゃあ、今日はこのまま座席を倒して寝るから…あ、寒かったら言えよ?掛けるもの渡すから」
熊野「んー…少し寒いですわ」
提督「ちょっと待ってくれ、今出す」ガサゴソ
提督「ん、ほれ」サッ
熊野「あ、ありがとうございます…」
694: 2014/08/12(火) 02:26:48.49 ID:CeCD+0be0
熊野「ところで、着いたなら名前教えてくれないんですの?」
提督「んー…」
熊野「提督…寝た振りしてるなんて分かってますわよ」ユサユサ
提督「提督はお休み中だ」
熊野「そんなこと言ってないで早く教えて下さいな」
提督「んー……」
熊野「…どこまで意地が悪いんですのよ」ユサユサ
提督「起きたら教える、そういうことで、おやすみ」
熊野「……お、おやすみなさいませ」
熊野(眠すぎるせいか、テキトーに扱われましたわ…)
695: 2014/08/12(火) 02:38:24.49 ID:CeCD+0be0
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