24:◆8TuyeGHSTQ 2014/05/29(木) 22:32:32.38 ID:YyZmBZ4/O
アルエゴ「苗木くん!絶望厚生プログラム、セキュリティまで完成したよぉ!」
苗木「わあっ!ありがとう、アルターエゴ!」
霧切「でも、今からだと充分なデバッグができないわ。様子を見ながら、ぶっつけ本番にするしか」
苗木「うん。でもアルターエゴの作ったプログラムだからね。大丈夫だとは思うけど……」
アルエゴ「うん!自信はあるよ!あー、楽しみだなぁ」
苗木「えっ、楽しみって?」
アルエゴ「修学旅行だよぉ!海なんて仮想世界でしか経験できないからねぇ!」
苗木「えっ」
霧切「えっ」
25: 2014/05/29(木) 22:33:40.09 ID:YyZmBZ4/O
苗木「あ、あのさぁ、アルターエゴも中に入るつもりなの?」
アルエゴ「うんっ!その間はご主人たまの名前を借りようと思ってるんだぁ!えへへっ」
霧切「……あのね、アルターエゴ。あなたのプログラムは信頼しているわ。でも、万が一、バグが発生しないとも限らないでしょう?」
アルエゴ「……」
霧切「あなたには、プログラムを外から監視してもらいたいの。ウイルスが侵入する可能性だってある」
アルエゴ「だ、大丈夫……セキュリティは強化してるし」
霧切「えぇ、分かっているわ。だけど、14人もの命がかかっているのよ。万全を尽くす必要があるわ」
アルエゴ「……監視役の監視も必要でしょ?」ボソッ
苗木「監視役の監視?」
26: 2014/05/29(木) 22:35:28.40 ID:YyZmBZ4/O
アルエゴ「うん、みんなの引率の先生になるウサミちゃん。それから、みんなの様子をよく観察できるように生徒に紛れる千秋ちゃん」
苗木「うん」
アルエゴ「二人とも僕と同じ人工知能だよぉ!人工知能は、知能があるだけに暴走すると危険なんだぁっ!
まだ二人とも生み出されてから日も浅いからね。だから、それを監視する必要があるでしょ!?」
苗木(なんでこんなに必氏なんだ)
霧切「アルターエゴ。あなた大切なことを忘れているわ」
アルエゴ「……何かな」
霧切「そもそもあなたがプログラムの中に入るなら、監視役は二人もいらなかったのよ!じゃあ何故二人も生み出したのかしら!苗木君、ここまで言えば分かるわね!!」
苗木「前から思ってたけど、どうしてボクに振るの!?そのせいで何度も裁判で恥かいたんだからね!?」
27: 2014/05/29(木) 22:37:06.86 ID:YyZmBZ4/O
苗木「ごめんね、アルターエゴ。ボク達の説明不足だったよ。アルターエゴには最初から、プログラム外でバグの監視をしてもらう予定だったんだ」
アルエゴ「……」
苗木「だから、監視役を二人、生み出してもらったんだよ」
霧切「一々説明をしなくとも、あなたなら分かっていたはずよ。それに、監視役の暴走の対策は既に施しているわ」
苗木「パスワードは【11037】だったよね。……うん、絶対に忘れない数字だよ」
アルエゴ「やだよぉ……」
霧切「どうしたの?何にこだわっているのかしら」
アルエゴ「僕だって、人工知能だけど……友達と一緒に、遊びたいんだぁ……ぐすっ」
苗木「アルターエゴ……」
28: 2014/05/29(木) 22:38:38.52 ID:YyZmBZ4/O
霧切「無理よ」
苗木「霧切さん……そんな言い方……」
霧切「だけど、もし絶望厚生プログラムが無事終了して、完全に安全だと呼べるものになったなら」
霧切「……私達と一緒に、修学旅行をしましょう。もちろん、記憶の書き換えはせずに」
苗木「霧切さん……!」
霧切「そこで、思う存分、みんなで海を満喫しましょう。ねぇ、アルターエゴ。私はあなたのこと、友達だと思っているのよ」
苗木「そうだよね!うん、ボクもそう思ってるよ!ボク達、もう友達じゃないか!」
アルエゴ「………………………………………………………………………」
アルエゴ「あの、ごめん。そういうのいいから」
苗木「」
霧切「」
29: 2014/05/29(木) 22:39:47.42 ID:YyZmBZ4/O
アルエゴ「ていうかもうぶっちゃけるね!僕、千秋ちゃんが大好きだから監視させて!」
苗木「本心それかよ!!」
アルエゴ「だってどうするの?みんな記憶は高校生なんだよ?青春真っ盛りなんだよ?悪い虫でもついたらどうするの?ねぇ、どうするの?」
アルエゴ「あんなに可愛いんだよ?いい子なんだよ?スタイルもいいしさ。可愛いし。ねぇ、悪い虫ついたらどうしてくれるのぉ?」
アルエゴ「ねぇ、僕、どこの馬の骨とも分からないような男と千秋ちゃんとのデートをずっと見せつけられるの?拷問なの?ねぇ拷問だよね?」
苗木「お、落ち着いて!!至る所に監視カメラが設置してあるし、人に見られてまずいことはできないはずだから!」
アルエゴ「やだああああああ!!僕の可愛い妹がああああああ!!海だって!?水着なんて許さないよぉっ!!ビキニなんてもってのほかだからぁっ!!お兄ちゃん心配なんだよぉっ!!」
苗木「ちょ、ちょぉ……」
30: 2014/05/29(木) 22:41:21.11 ID:YyZmBZ4/O
アルエゴ「もちろん、ウサミちゃんも心配だよぉ。まだ生まれたばっかりなのに、みんなの先生をちゃんとできるのかなって。ウサミちゃんも僕の妹だから」
苗木「アルターエゴ、あのね。その気持ち、僕は凄く分かるんだ」
霧切「ちょ、苗木君……?」
アルエゴ「じゃあ、」
苗木「ボクにも妹がいるんだ。あの学園に閉じ込められたときは、本当に心配だった。だから、その気持ちがよく分かるよ」
アルエゴ「あ……そっかぁ。苗木くんのDVDの動機は、家族のことだったんだよねぇ」
苗木「だけどね、信じることって大事だと思う!妹がもし家にボーイフレンドを連れてきたとしても!そいつは妹が選んだ男なんだから大丈夫だって!信じる必要があるんだよ!!」ブワァッ
霧切「……経験談かしら」
31: 2014/05/29(木) 22:42:45.41 ID:YyZmBZ4/O
アルエゴ「……苗木くん、僕が間違ってたよ」
霧切(あんな説得でよかったのね)
アルエゴ「苗木くんは、あんな絶望的なDVDを見せられたのに……僕は情けないね。ちょっと男の子と同じ島で生活するくらいのことでさ」
苗木「ううん。アルターエゴはそれだけ妹達を守りたいって強く思えたんだよね?」
アルエゴ「……うん!」
苗木「ボクはそのことが凄く嬉しいんだ。やっぱり不二咲クンの子だなぁって」
アルエゴ「子……?」
苗木「あ、ごめんね。不二咲クンがキミを生み出してくれたからさ」
アルエゴ「そっかぁ、なるほどね。じゃあご主人たまは、ボク達のお父さん……だねぇっ!」
霧切「……与太話はここまでよ。そろそろ十神君が、みんなを連れてくるわ」
32: 2014/05/29(木) 22:44:29.24 ID:YyZmBZ4/O
アルエゴ「うん、ありがとう。もう大丈夫だよぉ。監視は任せて!」
苗木「ありがとう!」
霧切「任せたわよ」
アルエゴ「うん!」
アルエゴ(何が起きても、僕は千秋ちゃんとウサミちゃんを信じるよ)
アルエゴ(それが、二人の選んだ道なら、どんな結果が待っていても、きっと二人を誇りに思える)
アルエゴ(そんな気がするんだぁ!)
END
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