可可「あぇ！？　か、かのん！？」

可可「なんでここに！？　かのんも今月からウィーンで音楽学校に通うのデスよね！？」

かのん「カリキュラムとか手続きとかいろいろ事情会って、私が通うのは４月の下旬からなの」

かのん「だから来ちゃった！」ﾆｺｯ

可可「デスがどうして中国までわざわざ……」

かのん「可可ちゃんに会いたかったから……それだけじゃダメ？//」

可可「ダメなことないデス！！　ククもかのんと会えてとっても嬉しいデス！！」ｶﾞﾊﾞｯ！

ﾑｷﾞｭ～

かのん「ふふ、苦しいよ可可ちゃん//」

可可「ごめんデス！」ﾊﾟｯ

可可「と、とりあえず部屋にどうぞデス」

かのん「おじゃましまーす」ｽﾀｽﾀ

かのん「おお、可可ちゃん、一人暮らしの準備も完璧だね。すごい！」

可可「ふふ、当然デス！」ｴﾍﾝ

かのん「高1のころは、ずっと引っ越しの段ボールが転がってたのに」ﾌﾌ

可可「も、もう// 今のククはそんなグータラじゃないデスよ！」

かのん「ごめんごめん。でも可可ちゃんは昔からずっと全力で、眩しいな……」

可可「……かのん？」

かのん「ううん、なんでもない！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

かのん「それにしても可可ちゃん、このキッチン綺麗に使ってるね。でもなんか、そもそも使った形跡ないような……？」

可可「そ、それは気のせいデス！」

かのん「……もしかして、可可ちゃん、まだ自炊してない？」

可可「じ、自炊はこれから始める予定デス！」

かのん「もう！大学生活始まるのに、このままじゃダメだよ！」

可可「うう、高校時代に料理をすみれに頼りすぎたツケが回りマシタ……」ｼｭﾝ

かのん「仕方ないなぁ……じゃあ、特別にホットチョコ作ってあげる！」

可可「ホットチョコ！？　かのんが作ってくれるデスか！？」

かのん「そうだよ。可可ちゃん、よく飲んでたよね」

可可「大好きデス！……でも、かのんが作るの、すっごく美味しいからククじゃ絶対作れないデス」

かのん「可可ちゃん、ちょっとキッチン貸して！」ｽﾀｽﾀ

可可「かのん、準備は手伝うデス！」

かのん「えーっと、ミルクとチョコは……あ、これだね」

可可「はいデス！　ククが運びます！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ｺｹｯ

可可（あぇー！躓いて転びそうです！）

ｶﾞｼｯ

かのん「わっ、可可ちゃん！　気をつけて！」

可可「きゃあっ！？　あ、ありがとうデス！」ｷﾞｭ

かのん「く、可可ちゃん顔近いって//」

可可「はっ！// ごめんデス！//」ﾊﾞｯ

かのん「ふふ、可可ちゃん。落ち着いていいよ。座って待ってて！」

可可「で、でも……」ｿﾜｿﾜ

かのん「いいから、まかせて！　可可ちゃんが楽しみに待ってくれてるだけでやる気が出てくるんだ」


しばらくして


かのん「はい、できたよ！ホットチョコスペシャル！」ｼﾞｬｰﾝ

可可「わあ、いい香りデス！」ｸﾝｶｸﾝｶ

かのん「熱いから気をつけてね」

可可「いただきます……はぁ～、チョコわたるしみ……！　かのんのホットチョコは最高デス！」

かのん「ふふ、懐かしいなぁそのリアクション。可可ちゃんが喜んでくれてよかった」ﾆｺﾆｺ

可可「ごちそうさまデス！　カップは洗っておくので置いておいてクダサイ」
　
かのん「ううん、一緒に洗おうよ」ｶﾁｬ

可可「やっぱりかのんは優しいデス……」ｼﾞｰﾝ

かのん「ちょ、大げさだって！」ｱｾｱｾ


ｼﾞｬｰ……

ｶﾁｬｶﾁｬ

可可「かのん、もう夕方デスがお腹すきマセンか？」

かのん「うん、実は出国してから何も食べてなくて……」ｸﾞｩ～

可可「それは大変デス！　かのん、実はこの近くにすごく賑やかな屋台街があるデスよ！」

かのん「本当？　行ってみたい！」ﾊﾟｧｧ

可可「任せてください！　ククの案内で、最高の屋台料理を楽しむデス！」ｸﾞｯ

屋台街

ｶﾞﾔｶﾞﾔ…

かのん「わあ、すごいたくさんの屋台！　そこら中からいい匂いするしどれも美味しそうだね！」ｷﾗｷﾗ

可可「まずはこれ、餃子デス！　中国では日本で言う水餃子が一般的デス！　熱々で食べるデスよ！」ﾋｮｲﾋｮｲ

かのん「あっはふっ……！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

かのん「お、美味しいぃ！！」ﾍﾟｶｰ！
　
可可「デスよね！」

可可「かのん！　次はこっちの屋台で食べマショウ！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ
　
かのん「まだ餃子が……！　もぐもぐ、ごくん……！」

かのん「ふぅ、ごちそうさま。今度は何？」ﾜｸﾜｸ

可可「饅頭（マントウ）デス！　ククも大好きなので食べてクダサイ！」

かのん「もぐっはむ……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

かのん「うゎあ、ふかふかで美味しい！」ﾍﾟｶﾝ

可可「ふふん！」ﾄﾞﾔ

かのん「あ、可可ちゃん、あそこの屋台のスープ美味しそうじゃない？」

可可「あれは結構辛いデスよ？」

かのん「そうなの？　でもせっかくだし食べてみたいな」

可可「……うーん、かのんが挑戦するなら、ククも付き合うデス！」
　
ｺﾞｸｺﾞｸ

かのん「このスープ、めちゃくちゃ美味しいね！辛さがクセになる～//」

可可「ふふ、かのんの顔、少し赤いデスよ//」ﾆﾔﾘ

かのん「可可ちゃんだって顔赤いし汗もかいてるよ！」ﾆｺﾆｺ

可可「あ、あぅ//　そんな見ないでクダサイ」ｶｧｧ

しばらくして


かのん「ふぅ、さすがにお腹いっぱいになっちゃったね」ｻｽｻｽ

可可「ククもぱんぱんデス……デザートはやめておきマスか？」

かのん「うん、無理に食べるのも違うし……ここの夜景、すごい綺麗だからしばらく休みながら見てたいな」

可可「あの……」

かのん「何？」ｷｮﾄﾝ

可可「……かのん、もしかして何か考え事があるのデスか？」

かのん「えっ？」

可可「ククはかのんのこと何でもわかりマス。今日のかのんの笑顔は可愛いけど、少し寂しそうだったデス」

かのん「……ふふ、可可ちゃんには隠せないね」

かのん「私ね、ウィーンに行くの楽しみなんだけど……やっぱり不安もあるんだ。知らない場所で一人でやっていけるのかなって……何度も悩んで決断したのに情けないよね」

可可「かのん……」

かのん「それに、可可ちゃんやみんなと一緒にいた高校時代と比べちゃうと、やっぱり寂しいなって……」

可可「大丈夫デス。かのんは一人じゃないデスよ」

かのん「え……？」

可可「もし何かあったら、ククがすぐに駆けつけるデス。だから、安心して挑戦してほしいデス！」

かのん「可可ちゃん……ありがとう。なんだか少し勇気が出てきたよ」

可可「それに、ククだって寂しいデス。でも、その分、成長したかのんやみんなと会えるのを楽しみにしてるデス！」

かのん「可可ちゃん……ありがとう」ｳﾙｯ

かのん「だーい好き！！」ｶﾞﾊﾞｯ

可可「か、かのん顔が近いデス//」

マンション

ｶﾞﾁャ

可可「ただいまデス～」

かのん「ふぅ、今日はいっぱい歩いて疲れたね」

可可「デスね！　でも、楽しかったデス！」

可可「かのん、今晩は泊まっていってくれマスよね？」

かのん「うん、可可ちゃんさえ良ければ是非！！　ていうかそのつもりでホテルも予約しなかったんだよね」ｱﾊﾊ

可可「ククにはお見通しデシタよ！
とりあえず汗かいたしシャワー浴びて来マス」

かのん「あっ、じゃあ！一緒にシャワー浴びようよ！」

バスルーム　

可可「うう、大学生になって一緒に入るのは恥ずかいデス//」ｽｯﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

かのん「別にいいじゃん！　今日は疲れたし、早くさっぱりしてからぐっすり寝たいしね」ｽｯﾎﾟﾝﾎﾟﾝ

可可「もう、かのん吹っ切れたらいきなり積極的デス//」

ｼｬﾜｰ……

寝室

ｷﾞｭｳｯ

可可「狭くないデスか？」

かのん「ううん。むしろ可可ちゃんとくっつけて、なんか安心する//」

可可「ククも……かのんと壁に挟まれて安心して眠れそうデス」

可可「おやすみデス、かのん」

かのん「……可可ちゃん、今日は本当にありがとう。おやすみ」

可可「こちらこそデス……あっ！！」

かのん「ど、どうしたの！？」ﾋﾞｸｯ

可可「大事なことを忘れてマシタ！」

かのん「え……何？」

可可「かのんとせっかく会えたのデスから、かのんのスバラシイ歌声を久々に聴きたいデス！」

かのん「あ、そうえいばギター持ってきたのに歌ってなかったね」

可可「明日、絶対に歌ってクダサイ！」

かのん「うん。可可ちゃんも一緒に歌おうよ！　久々に、ふたりで！」

可可「はいデス！　明日が楽しみデスー！」ﾆｺﾆｺ

かのん「うん、楽しみだね。おやすみ可可ちゃん」ﾆｺ

可可「おやすみなさいデス、かのん」ﾆｺｯ

かのん・可可「「すぅー、すぅー」」ｽﾔｽﾔ





おわり

読んでくださりありがとうございました
そして板を迅速に復旧してくださった管理人さん、本当にありがとうございます
好きです

ﾉc √ σ ᵛᴗ σ) ありがとう！