1: 2014/06/25(水) 00:20:24.67 ID:gVFDLBjK0
向日葵「また何か怒らせるようなことをしたのではなくて?」
櫻子「いや、そういうんじゃない」
向日葵「じゃあ何ですの?」
櫻子「とりつかれてるんだと思う」
向日葵「まさか、そんな」
櫻子「夜中になるとな、部屋からうめき声がきこえるんだよ」
向日葵「寝苦しいだけじゃないんですの?」
櫻子「いや違う」
向日葵「なぜ?」
櫻子「お風呂場からきこえることもあるもん」
向日葵「……」
櫻子「いや、そういうんじゃない」
向日葵「じゃあ何ですの?」
櫻子「とりつかれてるんだと思う」
向日葵「まさか、そんな」
櫻子「夜中になるとな、部屋からうめき声がきこえるんだよ」
向日葵「寝苦しいだけじゃないんですの?」
櫻子「いや違う」
向日葵「なぜ?」
櫻子「お風呂場からきこえることもあるもん」
向日葵「……」
2: 2014/06/25(水) 00:25:31.98 ID:gVFDLBjK0
向日葵「櫻子、その話題にはあまり触れないほうが……」
櫻子「なんで?」
向日葵「なんでって……プライバシーといいますか、その」
櫻子「あ! わかった。向日葵、お前――」
向日葵「ち、違いますわ! 私はたまにしかしてな」
櫻子「怖い話苦手なんだろ!」
向日葵「はい?」
櫻子「向日葵はお子様だなぁ」
向日葵「どちらかといえば、あなたのほうが子どもですわ」
櫻子「なんで?」
向日葵「なんでって……プライバシーといいますか、その」
櫻子「あ! わかった。向日葵、お前――」
向日葵「ち、違いますわ! 私はたまにしかしてな」
櫻子「怖い話苦手なんだろ!」
向日葵「はい?」
櫻子「向日葵はお子様だなぁ」
向日葵「どちらかといえば、あなたのほうが子どもですわ」
3: 2014/06/25(水) 00:30:26.19 ID:gVFDLBjK0
櫻子「おっOいでかいのに肝っ玉はちいさいなんて、まったく」
向日葵「あなた――(いえ、ここはそういうことにしたほうが撫子さんの名誉にも……)」
櫻子「どした?」
向日葵「え、ええそうですの。怖いのは苦手でして」
櫻子「ダメだなぁ、向日葵は」
向日葵「だからやめにしまs」
櫻子「しょうがないな。怖かったら櫻子様が一緒に寝てやるよ」
向日葵「続けてどうぞ」
向日葵「あなた――(いえ、ここはそういうことにしたほうが撫子さんの名誉にも……)」
櫻子「どした?」
向日葵「え、ええそうですの。怖いのは苦手でして」
櫻子「ダメだなぁ、向日葵は」
向日葵「だからやめにしまs」
櫻子「しょうがないな。怖かったら櫻子様が一緒に寝てやるよ」
向日葵「続けてどうぞ」
4: 2014/06/25(水) 00:35:11.49 ID:gVFDLBjK0
櫻子「気になったから撫子ねーちゃんに直接きいてみたんだよ」
向日葵(行動力のあるアホは手に負えませんわね)
櫻子「…なんか私のこと馬鹿にしてる時の顔してる」
向日葵「いえいえ。それで、撫子さんはなんて?」
櫻子「怖い顔で『それ絶対他人に言うな』って」
向日葵「私に言ってるじゃありませんの」
櫻子「まぁ向日葵なら他人じゃないかなって」
向日葵「……」
櫻子「顔赤っ!? お前もとりつかれたの!?」
向日葵(行動力のあるアホは手に負えませんわね)
櫻子「…なんか私のこと馬鹿にしてる時の顔してる」
向日葵「いえいえ。それで、撫子さんはなんて?」
櫻子「怖い顔で『それ絶対他人に言うな』って」
向日葵「私に言ってるじゃありませんの」
櫻子「まぁ向日葵なら他人じゃないかなって」
向日葵「……」
櫻子「顔赤っ!? お前もとりつかれたの!?」
5: 2014/06/25(水) 00:41:01.75 ID:gVFDLBjK0
向日葵「ところで、そのうめき声の時って名前とか……」
櫻子「え、なんで名前呼んでるって知ってんの?」
向日葵「た、たんなる勘ですわ!」
櫻子「んーとね、たしか『あい』とかそんな名前だったかな」
向日葵(あい……さん。きっとあの時の電話の方ですのね)
櫻子「あとは『みほ』と『めぐみ』とかかなぁ」
向日葵「えっ、複数?」
櫻子「あー、あとたまに『ひま子』もあったよ」
向日葵(狙われてる!?)
櫻子「ただ花子と私は呼ばれない。差別だな」
向日葵「それを聞いて少し安心しましたわ」
櫻子「え、なんで名前呼んでるって知ってんの?」
向日葵「た、たんなる勘ですわ!」
櫻子「んーとね、たしか『あい』とかそんな名前だったかな」
向日葵(あい……さん。きっとあの時の電話の方ですのね)
櫻子「あとは『みほ』と『めぐみ』とかかなぁ」
向日葵「えっ、複数?」
櫻子「あー、あとたまに『ひま子』もあったよ」
向日葵(狙われてる!?)
櫻子「ただ花子と私は呼ばれない。差別だな」
向日葵「それを聞いて少し安心しましたわ」
6: 2014/06/25(水) 00:46:27.06 ID:gVFDLBjK0
櫻子「あとな、ねーちゃん、動物に興味を持ち始めてるっぽい」
向日葵「普通でしょ」
櫻子「でも、猫耳付きカチューシャとかしっぽとかそういうのばっかだぞ?」
向日葵「……肉球が好きな人もいるわけですし」
櫻子「ぬいぐるみとか写真とかは一切ないのに変だろ?」
向日葵「隠してるのかもしれませんわ」
櫻子「それはない。ちゃんと探した。そんで耳とかみつけたんだもん」
向日葵「いますぐ謝ってきなさい」
櫻子「ほら、キツネ憑きとかタヌキ憑きとかオカメ憑きとか……」
向日葵「うどん・そばじゃないのよ」
向日葵「普通でしょ」
櫻子「でも、猫耳付きカチューシャとかしっぽとかそういうのばっかだぞ?」
向日葵「……肉球が好きな人もいるわけですし」
櫻子「ぬいぐるみとか写真とかは一切ないのに変だろ?」
向日葵「隠してるのかもしれませんわ」
櫻子「それはない。ちゃんと探した。そんで耳とかみつけたんだもん」
向日葵「いますぐ謝ってきなさい」
櫻子「ほら、キツネ憑きとかタヌキ憑きとかオカメ憑きとか……」
向日葵「うどん・そばじゃないのよ」
7: 2014/06/25(水) 00:50:30.92 ID:gVFDLBjK0
櫻子「あ! そういえば動物関係でまだおかしな点があった!」
向日葵「はいはい。なんですの?」
櫻子「首輪とリードがあった」
向日葵「……」
櫻子「うち、ペットいないぞ」
向日葵「ちょっと待って。私の中で撫子さんが生まれ変わってますわ」
櫻子「ただ、あれ犬につけるには大きすぎる気がするんだよな」
向日葵「やめて」
向日葵「はいはい。なんですの?」
櫻子「首輪とリードがあった」
向日葵「……」
櫻子「うち、ペットいないぞ」
向日葵「ちょっと待って。私の中で撫子さんが生まれ変わってますわ」
櫻子「ただ、あれ犬につけるには大きすぎる気がするんだよな」
向日葵「やめて」
8: 2014/06/25(水) 00:55:53.23 ID:gVFDLBjK0
櫻子「この前なんてな、ねーちゃんが夜中に外出て行ったのよ」
向日葵「……散歩ですの?」
櫻子「この時期にコート着てか?」
向日葵(……内容がわかってしまう私もダメかもしれませんわ)
櫻子「変だろ? だってねーちゃんも暑いってわかってるんだぞ」
向日葵「話してましたの?」
櫻子「あとで部屋覗いたらブラとパンツが脱ぎ捨ててあった」
向日葵「もうやだ。この姉妹」
向日葵「……散歩ですの?」
櫻子「この時期にコート着てか?」
向日葵(……内容がわかってしまう私もダメかもしれませんわ)
櫻子「変だろ? だってねーちゃんも暑いってわかってるんだぞ」
向日葵「話してましたの?」
櫻子「あとで部屋覗いたらブラとパンツが脱ぎ捨ててあった」
向日葵「もうやだ。この姉妹」
9: 2014/06/25(水) 01:00:34.91 ID:gVFDLBjK0
櫻子「こんなことばっかだからさ、さすがの私も心配なわけよ」
向日葵「はぁ」
櫻子「だから、うめき声し始めたらいきなりドア開けてやったのよ」
向日葵「それはマナー違反でしょうに」
櫻子「裸で寝てたみたいでさ、いきなり体に毛布まとってんの。めっちゃ慌ててた」
向日葵「いきなり部屋に入ってこられたら誰だってそうでしょう」
櫻子「でもさ、携帯依存症のねーちゃんが着信を無視してるんだぜ? よっぽどだよ」
向日葵「そうなんですの?」
櫻子「うん。ずっと布団の中でブィィィンって音がして――ハッ」
向日葵「……」
櫻子「携帯はねーちゃんが持ってたのに、音は布団の中から……まさか」
向日葵「その……撫子さんも大人ですし、まぁそういうモノに」
櫻子「サランラップってやつだ! こわい」
向日葵「ラップ音ですわ」
向日葵「はぁ」
櫻子「だから、うめき声し始めたらいきなりドア開けてやったのよ」
向日葵「それはマナー違反でしょうに」
櫻子「裸で寝てたみたいでさ、いきなり体に毛布まとってんの。めっちゃ慌ててた」
向日葵「いきなり部屋に入ってこられたら誰だってそうでしょう」
櫻子「でもさ、携帯依存症のねーちゃんが着信を無視してるんだぜ? よっぽどだよ」
向日葵「そうなんですの?」
櫻子「うん。ずっと布団の中でブィィィンって音がして――ハッ」
向日葵「……」
櫻子「携帯はねーちゃんが持ってたのに、音は布団の中から……まさか」
向日葵「その……撫子さんも大人ですし、まぁそういうモノに」
櫻子「サランラップってやつだ! こわい」
向日葵「ラップ音ですわ」
10: 2014/06/25(水) 01:05:58.63 ID:gVFDLBjK0
櫻子「あと、あれだよ、ポスターなんとか」
向日葵「ポルターガイスト?」
櫻子「そうそれ。ベッドがめっちゃギシギシ鳴ってるの」
向日葵「……」
櫻子「それで、それに合わせて私も手拍子するじゃん?」
向日葵「は?」
櫻子「この前、テンションあがって掛け声も出したのよ」
ギシギシ パンパン(あ、そーれ) ギシギシ パンパン(どっこいしょー)
櫻子「って感じで」
向日葵「バカじゃないの」
櫻子「すっごい怒られた」
向日葵「でしょうね」
向日葵「ポルターガイスト?」
櫻子「そうそれ。ベッドがめっちゃギシギシ鳴ってるの」
向日葵「……」
櫻子「それで、それに合わせて私も手拍子するじゃん?」
向日葵「は?」
櫻子「この前、テンションあがって掛け声も出したのよ」
ギシギシ パンパン(あ、そーれ) ギシギシ パンパン(どっこいしょー)
櫻子「って感じで」
向日葵「バカじゃないの」
櫻子「すっごい怒られた」
向日葵「でしょうね」
11: 2014/06/25(水) 01:10:57.18 ID:gVFDLBjK0
向日葵「その、ギシギシも毎晩ですの?」
櫻子「いや、それはたまにだけ。ねーちゃんの友達が来た日くらいだな」
向日葵(あぁ確定ですわね)
櫻子「ん? ねーちゃんの友達が来た時だけギシギシ……」
向日葵(さすがに、気づいたかしら)
櫻子「ねーちゃんの友達がお化け?」
向日葵「私の親友はおばかですわ」
櫻子「おま――」
向日葵「なんですの」
櫻子「親友とか……」
向日葵「きゃわいい」
櫻子「いや、それはたまにだけ。ねーちゃんの友達が来た日くらいだな」
向日葵(あぁ確定ですわね)
櫻子「ん? ねーちゃんの友達が来た時だけギシギシ……」
向日葵(さすがに、気づいたかしら)
櫻子「ねーちゃんの友達がお化け?」
向日葵「私の親友はおばかですわ」
櫻子「おま――」
向日葵「なんですの」
櫻子「親友とか……」
向日葵「きゃわいい」
12: 2014/06/25(水) 01:16:01.56 ID:gVFDLBjK0
櫻子「というわけなんだよ」
向日葵「……まぁ、心配の必要はありませんわ」
櫻子「なんで言い切れるんだよ! 怖いからって適当だな」
向日葵「櫻子も成長すればわかりm」
櫻子「解決のために今日、うちに泊まれ」
向日葵「!?」
櫻子「ほら、さっき約束したしな」
向日葵「わ、私にも支度が必要でして……」
櫻子「そっか、嫌ならいいけd」
向日葵「先にシャワー浴びてこいよ」
向日葵「……まぁ、心配の必要はありませんわ」
櫻子「なんで言い切れるんだよ! 怖いからって適当だな」
向日葵「櫻子も成長すればわかりm」
櫻子「解決のために今日、うちに泊まれ」
向日葵「!?」
櫻子「ほら、さっき約束したしな」
向日葵「わ、私にも支度が必要でして……」
櫻子「そっか、嫌ならいいけd」
向日葵「先にシャワー浴びてこいよ」
14: 2014/06/25(水) 01:20:42.28 ID:gVFDLBjK0
櫻子「撫子ねーちゃんのやつ、向日葵が来てるのに顔も出さないなんてまったく」
向日葵「まさか、本当に具合悪いのでは?」
櫻子「いや、昼間はやけにうれしそうだったからな。部屋に閉じこもってるだけだろ」
向日葵「部屋に……」
櫻子「部屋に閉じこもってなにしてるんだろうな」
向日葵「ナニしてるんでしょうね」
櫻子「ん?」
向日葵「ごめんなさい」
向日葵「まさか、本当に具合悪いのでは?」
櫻子「いや、昼間はやけにうれしそうだったからな。部屋に閉じこもってるだけだろ」
向日葵「部屋に……」
櫻子「部屋に閉じこもってなにしてるんだろうな」
向日葵「ナニしてるんでしょうね」
櫻子「ん?」
向日葵「ごめんなさい」
15: 2014/06/25(水) 01:25:24.05 ID:gVFDLBjK0
櫻子「いつもならこのくらいの時間なんだよ」
向日葵「眠いなら我慢しないで寝なさいな。私も我慢の限か」
……ぉ
櫻子「!! ほら、向日葵もきいてみろ!」
向日葵(まさか、他人の嬌声をきくなんて……)
……っ、ぁ
櫻子「な? 怖いだろ」
向日葵「な、撫子さん。まるで別人みたい」
櫻子「ドキドキしちゃうよなぁ」
向日葵「ほほう、それでそれで」
櫻子「なんで服脱ぐの?」
向日葵「眠いなら我慢しないで寝なさいな。私も我慢の限か」
……ぉ
櫻子「!! ほら、向日葵もきいてみろ!」
向日葵(まさか、他人の嬌声をきくなんて……)
……っ、ぁ
櫻子「な? 怖いだろ」
向日葵「な、撫子さん。まるで別人みたい」
櫻子「ドキドキしちゃうよなぁ」
向日葵「ほほう、それでそれで」
櫻子「なんで服脱ぐの?」
16: 2014/06/25(水) 01:30:30.45 ID:gVFDLBjK0
ギシギシ
櫻子「あれ? 今日、友達きてたのか?」
向日葵「あ、だから部屋に閉じこもってらしたんですのね」
櫻子「よし、こうなったら」
向日葵「邪魔しないように寝ましょう。一緒に」
ギシギシ
櫻子「びっくりするほど!」パンパン
向日葵「!?」
ギシギシ
櫻子「ユートピア!」パンパン
向日葵「櫻子!!」
櫻子「ワンモアセッ!!」
櫻子「あれ? 今日、友達きてたのか?」
向日葵「あ、だから部屋に閉じこもってらしたんですのね」
櫻子「よし、こうなったら」
向日葵「邪魔しないように寝ましょう。一緒に」
ギシギシ
櫻子「びっくりするほど!」パンパン
向日葵「!?」
ギシギシ
櫻子「ユートピア!」パンパン
向日葵「櫻子!!」
櫻子「ワンモアセッ!!」
17: 2014/06/25(水) 01:36:40.14 ID:gVFDLBjK0
花子「櫻子……うるさいし」
櫻子「おお、花子。起きてたのか」
花子「起こされたんだし!」
向日葵「ごめんなさい、花子ちゃん」
花子「ひま姉、どうせ櫻子の悪ふざけだし。ごめんし」
櫻子「なにをー! 姉ちゃんのうめき声を解明してるだけだ!」
向日葵「それは内緒――」
花子「ハァ……寝言は寝て言えし」
櫻子「なにおぅ!!」
櫻子「おお、花子。起きてたのか」
花子「起こされたんだし!」
向日葵「ごめんなさい、花子ちゃん」
花子「ひま姉、どうせ櫻子の悪ふざけだし。ごめんし」
櫻子「なにをー! 姉ちゃんのうめき声を解明してるだけだ!」
向日葵「それは内緒――」
花子「ハァ……寝言は寝て言えし」
櫻子「なにおぅ!!」
18: 2014/06/25(水) 01:40:16.77 ID:gVFDLBjK0
花子「撫子お姉ちゃんは『今日、友達の家に泊まる』って夕方から出かけたし」
櫻・向「え?」
おわり
櫻・向「え?」
おわり
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