1: 2024/12/28(土) 19:21:59 ID:???00
SSを投稿するのは初めてです
冬毬ちゃんお誕生日SSです

2: 2024/12/28(土) 19:22:29 ID:???00
~お昼頃~
冬毬「かのん先輩、千砂都先輩。ご相談があるのですが」

千砂都「おっ、どうしたの冬毬ちゃん?」

かのん「いいよいいよ~、先輩たちに何でも相談してみてね!」

冬毬「サプライズへのリアクションをご教授ください」

かのん・千砂都「……はい?」

3: 2024/12/28(土) 19:23:02 ID:???00
冬毬「お二人はもうご存知かと思いますが、姉者が私の誕生日にサプライズパーティーを開きたがっておりまして」

かのん「…う、うん。もうバレてるんだ」

冬毬「毎年、姉者はそのような形でお祝いしてくれますから」

冬毬「それで、少し前までは、私も無邪気に笑ってサプライズを大げさに喜ぶフリをしていたのですが…」

千砂都「ですが?」

冬毬「…今の私は、なんというか、素っ気なくなってしまったといいますか……。昔のように無邪気に笑うことが難しくなってしまいまして」

千砂都「ああ、夏美ちゃん言ってたね。冬毬ちゃん、昔は感情豊かでよく笑う子だったって」

冬毬「せっかく姉者と仲直りしたのですし、私も姉者が喜ぶようなリアクションを返したいのです」

かのん「なるほどねぇ…」

4: 2024/12/28(土) 19:23:28 ID:???00
かのん「だからって、なんで私たちに相談したの?他の子たちじゃダメ?」

冬毬「お二人は幼馴染でとても仲が良く、心が通じ合っていると先輩方から聞きました」

冬毬「お二人とも、きっとお互いの誕生日にサプライズを企画して、お互いそれをわかっていながらリアクションを取っているかと思いましたので、こうして相談に伺いました」

千砂都「ふーむ、なるほど…」

かのん「そういうことなら私達も協力するよ」

5: 2024/12/28(土) 19:23:53 ID:???00
かのん「まず、喜ぶフリをしていたって言ってたけど、お誕生日を祝われること自体は嬉しくないの?」

冬毬「それはありません。姉者が私のお誕生日をお祝いしてくれるというだけで感無量です。サプライズでなくとも、普通のお祝いであっても喜んでいたと思います」

冬毬「ただ、昔のように大げさに喜ぶフリができなくなったという話で…」

かのん「じゃあ、普通に喜べばいいんじゃないかな?」

冬毬「ですが、それでは…」

千砂都「まずね、冬毬ちゃん。私たち、べつにサプライズで大げさに喜んだりとかはしてないよ?」

冬毬「…そうなのですか?」

かのん「お互い、今年はこうお祝いするんだろうなーとか何となく想像ついちゃうのは正解。でも、それでどうリアクション取ろうかなとかは全然考えてないよ」

かのん「ただ、自分の誕生日を、大好きな人がお祝いしてくれる。自分の誕生日を、大好きな人と過ごせる」

かのん「それが最高に嬉しい。それだけで、大げさって言われるくらい喜んじゃうもん」

冬毬「大好きな人…」

6: 2024/12/28(土) 19:24:29 ID:???00
千砂都「それにね。喜びを表す方法は、笑うだけじゃないんだよ」

千砂都「たとえば、ぎゅーって抱きついたり、踊ってみたり」

かのん「そうそう、あとは歌ってみたり!」

冬毬「流石に、急に歌って踊ったりしたら変人に見られてしまいます…」

かのん「ぐふっ!」(9歳の誕生日の時に歌った)

千砂都「ぐふっ!」(13歳の誕生日の時に踊った)

冬毬「ですが、お二人に意見をお伺いして正解でした」

冬毬「相談に乗っていただき、ありがとうございます。私なりに姉者からのお祝いを楽しみたいと思います」

かのん「う、うん……力になれて嬉しいよ…」

冬毬「では、失礼しました」ガチャン

かのん「…私って、変な人だったんだ……」ズーン

千砂都「私って、変な部長だったんだ……」ズーン

9: 2024/12/28(土) 19:25:00 ID:???00
~放課後~
千砂都「冬毬ちゃん、お誕生日おめでとう~!」

9人「おめでとう~!」

冬毬「あ、ありがとうございます。こうして大勢にお祝いされるの、初めてで嬉しいです…」

可可「おおー。冬毬、照れてマス!」

四季「冬毬ちゃん、可愛い」

冬毬「うぅ…」

夏美「人の妹をイジっちゃダメ!」

四季「じゃあ夏美ちゃんをイジる」

夏美「ぬわぁーんでですの!」

10: 2024/12/28(土) 19:25:37 ID:???00
~帰宅中~
夏美「いやー、部室でのお誕生日会、楽しかったですの!」

冬毬「そうですね。特に、かのん先輩ときな子先輩が作ってくれたお芋のケーキパン、とても美味しかったですね。カ口リーという制約がなければいくらでも食べたいです」

冬毬「(ですが、姉者はいつも家でお祝いしてくれます)」

冬毬「(ある時はクラゲの着ぐるみでお出迎え、またある時はお芋のタルトを作ろうとして失敗したので、結局近所のスーパーで焼き芋を買いましたね)」

冬毬「(今年はどんな…)」

冬毬「(…いえ)」

冬毬「姉者、私はどのような形でもお祝いしていただける、その気持ちだけで嬉しいですよ」

夏美「…………」

冬毬「姉者?」

夏美「わかってますの!」

冬毬「(言葉の割には、沈黙が気になりますが)」

11: 2024/12/28(土) 19:26:11 ID:???00
~鬼塚家~
夏美「ただいまですのー!」

冬毬「ただいま帰りました」

鬼塚母「お帰り。ご飯できてるから、支度終わったらすぐ降りて来なさい」

冬毬「了解しました」

12: 2024/12/28(土) 19:26:39 ID:???00
夏美「お母さーん、早く食べましょうですの!」

鬼塚母「はいはい、そんな慌てないの」

冬毬「…あの、母者。いくら誕生日とはいえ、晩御飯が多すぎではないでしょうか」

冬毬「テーブルどころか居間の机にまで料理が溢れてますよ。私たちで食べ切るつもりですか?」

夏美「ふふふ、もちろんみんなで食べ切れる想定ですの!」

冬毬「みんなでって、姉者も母者もそこまで大食いでは…」

13: 2024/12/28(土) 19:27:08 ID:???00
ガチャ

9人「冬毬ちゃんお誕生日おめでとうー!!」

冬毬「えっ!?み、皆さん!?」

かのん「ごめんね、驚かせちゃって」

千砂都「実は、冬毬ちゃん達の家でもLiella!のみんなでお祝いしようって話になってたんだ」

マルガレーテ「夏美先輩のアイデアだけど、面白そうだし乗っかってやったわ」

冬毬「姉者が…?」

メイ「夏美のやつ、前から冬毬の誕生日会は盛大にやりたいって言ってたんだよ」

すみれ「今年は仲直りできた記念に、絶対喜ぶようなサプライズを用意したいってね」

恋「今日のために、みんなで予定を空けたんですよ。終電があるので長くは居られませんが…」

可可「その分、思い出に残る素晴らしいお誕生日会にしまショウ!」

きな子「冬毬ちゃん、改めておめでとうっす!」

冬毬「…………!」

14: 2024/12/28(土) 19:27:42 ID:???00
冬毬「…………」ツカツカ

夏美「と、冬毬?」

冬毬「……」ギュッ

夏美「ひゃっ!?」

冬毬「姉者、ずるいです」

冬毬「こんなに沢山の人にお祝いしてもらえて、それも姉者が私のためにやってくれたことで」

冬毬「こんなサプライズ、嬉しくないわけないじゃないですかぁぁ……!」

夏美「もう…嬉しいのに泣かないの」

冬毬「だって、だってぇぇ!うえええええん!」

15: 2024/12/28(土) 19:28:11 ID:???00
かのん「冬毬ちゃん、喜んでくれてよかったね」

千砂都「サプライズ大成功!」

メイ「うう、やばい。あの時の感動を思い出して涙が…」

マルガレーテ「あんたまでもらい泣きしてどうすんのよ…ぐすっ」

メイ「マルガレーテもだろぉ!」

すみれ「ほら、泣くのもいいけど早くお誕生日会はじめましょう。せっかくのお料理が冷めちゃうわ」

鬼塚母「ほら、みんな席について!」

16: 2024/12/28(土) 19:28:35 ID:???00
可可「お料理おいしそうデス~!」
千砂都「このミニトマトまんまるで可愛い~!」
きな子「どこに座ればいいんっすか~」
かのん「きな子ちゃん、私の隣来る?」
四季「メイ。ティッシュあるから鼻かんで」
メイ「おう、サンキュ。……ぐすっ」
マルガレーテ「四季先輩、私にも一枚ちょうだい…」
鬼塚母「後でモンブランもあるからね」
恋「まあ…!」
すみれ「カ口リーは考えないカ口リーは考えない…!」

夏美「…冬毬」

夏美「お誕生日おめでとう。これからもずっと大好きですの」

冬毬「…………」


冬毬「私も大好きです、姉者」


終わり

19: 2024/12/28(土) 19:33:38 ID:???00
とまなついいゾ~

引用: 【SS】冬毬「サプライズへのリアクションをご教授ください」