20: 2012/05/10(木) 09:27:57.41 ID:Qfeeq/uLO
まどか「ねえ!ママ!?」

詢子「………………」

まどか「ママ!?」

詢子「……今日の夜、アタシが仕事から帰ってきたら話をしようか」

詢子「ママとパパ、まどかの三人で」

まどか「ママ……」

60: 2012/05/10(木) 11:43:43.46 ID:Qfeeq/uLO
詢子「……じゃあ、行ってくる」

バタン

知久「………………」

まどか「……パパ」

知久「……ママは帰ってきたら三人で話すって言ってたよね」

まどか「……うん」

知久「だから、それまで待っててくれないかな」

まどか「……うん」

まどか「……行ってきます」

バタン



知久「………………」

知久「……いつかこの日が来ると、分かっていたはずなんだけどな」

タツヤ「パーパー?」

73: 2012/05/10(木) 11:57:58.41 ID:Qfeeq/uLO
まどか(パパとママのあの反応……)

まどか(やっぱりわたしは……)

さやか「まーどか、おはよ」

仁美「おはようございます、まどかさん」

まどか「……あ」

さやか「どうしたまどかー、元気ないぞ?」

まどか「……うん。ちょっと……」

スタスタ

さやか「……どうしたんだろ、まどか……」

仁美「確かに様子がおかしいですわね……」

79: 2012/05/10(木) 12:15:15.97 ID:Qfeeq/uLO
~授業中~

和子「……つまり、この場合のmustは結婚できるに違いないであり、決して結婚しなければならないという強迫的なものでは……」



まどか「はぁ……」

まどか(パパとママのあの反応……やっぱりわたしはママの子供じゃないのかな)

まどか(パパの子供でもないのかな……)

まどか(聞かない方がよかったのかも……)

まどか(………………)

まどか(はぁ……もう何も考えられないよ……)



さやか「……まどか、重症だね」ヒソヒソ

仁美「わたくしたちに何かできますでしょうか……」ヒソヒソ

82: 2012/05/10(木) 12:50:43.44 ID:Qfeeq/uLO
~キーンコーンカーンコーン~

まどか「………………」

さやか チラッ

仁美 コクン

さやか「まーどか!」

仁美「まどかさん」

まどか「さやかちゃん……仁美ちゃん……」

さやか「今日ずっと元気なかったぞ? お昼も付き合ってくれなかったしさー」

仁美「何かあったか存じませんが、少し気分転換でもなさいませんか?」

まどか「……ごめんさやかちゃん、仁美ちゃん……今日はちょっと一人にしてほしいな……」

トボトボ

さやか「まどか……」

仁美「まどかさん……」



ほむら「………………」

86: 2012/05/10(木) 13:08:58.67 ID:Qfeeq/uLO
ほむら「まどか」

まどか「ほむらちゃん……」

ほむら「今日の貴女からは、いつもの元気が見られないわ」

ほむら「何か悩み事でもあるのかしら?」

まどか「……ううん、大丈夫」

ほむら「とてもそうは見えないわ。良かったら聞かせて欲しいのだけれども」

まどか「……ごめん、ほむらちゃん……」

ほむら「……2つだけ」

まどか「?」

87: 2012/05/10(木) 13:24:12.52 ID:Qfeeq/uLO
ほむら「何を悩んでいるかは分からないけど、間違ってもキュゥべえに頼ってはダメ」

まどか「……うん、分かってる」

まどか「歴史を書き直して欲しいなんて頼めないし」

ほむら「……?」

ほむら「もう一つだけ」

ほむら「貴女の周りには心配してくれる人がいることを忘れないで」

まどか「……うん」

89: 2012/05/10(木) 13:45:37.90 ID:Qfeeq/uLO
ほむら「美樹さやかも志筑仁美も、今日一日ずっとまどかのことを気にかけていた」

まどか「……うん」

ほむら「もちろん、私も少しでもまどかの助けになりたいと思っているわ」

まどか「……うん」

ほむら「私達だけではないわ。まどかのご両親だって……」

まどか「っ!」

まどか「……ごめんほむらちゃん、わたしもう帰るね!」

ほむら「まどっ……」

タッタッタッ

ほむら「……?」

92: 2012/05/10(木) 14:03:16.65 ID:Qfeeq/uLO
ほむら「………………」

ほむら(今、間違いなく家族の話になった瞬間様子が変わった……?)

ほむら(それにさっきのまどかの発言……)

まどか『キュゥべえに歴史を書き直して欲しいなんて頼めないし……』

ほむら「家族との間に、歴史を書き直したくなるような過去が……」

ほむら「………………」



ほむら「……ご両親におねしょでもバレたのかしら?」

96: 2012/05/10(木) 14:29:51.58 ID:Qfeeq/uLO
まどか「……ただいま」

知久「……お帰り、まどか」

まどか「………………」スタスタ

知久「……まどか、何か飲むかい?」

まどか「……いらない」スタスタ

カチャッ バタン



知久「………………」

106: 2012/05/10(木) 16:14:36.51 ID:Qfeeq/uLO
まどか「………………」ゴロン

まどか「……ママ、パパ……」

まどか「……ぐすっ」

まどか「………………」

まどか「……zzz」



コンコン

詢子「……まどか」

まどか「!?」

107: 2012/05/10(木) 16:29:31.31 ID:Qfeeq/uLO
詢子「……まだご飯食べてないんだってな。どうする? 先にご飯に……」

まどか「いい。話を聞かせて」

詢子「……分かった。降りてきな」

まどか「………………」ガチャッ

スタスタ

  スタ……スタ……

112: 2012/05/10(木) 16:46:56.34 ID:Qfeeq/uLO
カチ……

 コチ……

  カチ……

   コチ……



詢子「………………」

知久「………………」

まどか「……タツヤは?」

知久「向こうに寝かせてるよ」

まどか「………………」



詢子「……さて、どこから話そうかねぇ」

114: 2012/05/10(木) 17:00:32.91 ID:Qfeeq/uLO
まどか「教えて、ママ、パパ」

まどか「わたしは、ママとパパの子供なの? タツヤはわたしの本当の弟なの?」

詢子「……まどか、アンタがこっちに越してくるよりずっと前のこと、覚えているかい?」

詢子「アタシとパパとまどかの、3人のことを……」

まどか「そんなことより……!」

詢子「いいから!」

まどか「なんで今更そんな……」

まどか「……あれ……」

まどか「……嘘」



まどか「……覚えてない、何も……!」

116: 2012/05/10(木) 17:14:38.26 ID:Qfeeq/uLO
まどか「どうして……わたし、パパとママとの思い出が、そんな……」

詢子「……本当はまどかがもう少し大きくなったら話すつもりだったんだけどな……」

まどか「……じゃあ、やっぱりわたしは……」

知久「……うん、まどかはママとも、僕とも血のつながりはない」

まどか「……ぃゃ……」

知久「でも、僕たちはまどかのことを我が子だと思っている。これまでも、これからも」

まどか「……ぃゃ……ぃゃ……」

詢子「まどか……?」スッ

まどか「いやあぁぁぁぁぁぁっっっ!!」ダッダッダッ バタン カチャッ



詢子「……まだ、早かったのかな……」

知久「……いつか、この日が来るのは分かっていたつもりだけど……」

118: 2012/05/10(木) 17:31:37.56 ID:Qfeeq/uLO
まどか「……わたしが、パパと、ママの、本当の子供じゃないなんて……」

まどか「……タツヤは? タツヤは……ママがお腹を痛めて産んでたのを憶えてる……」

まどか「……わたしだけ……」

まどか「……わたしだけ、家族じゃない……」

まどか「……うっ、ぐすっ、ひっく……」

まどか「……どうしよう……」

まどか「……タツヤが……」



まどか「……もし、タツヤが……」

120: 2012/05/10(木) 17:41:54.63 ID:Qfeeq/uLO
まどか「……タツヤが……タツヤがいなかったら……」

まどか「……わたしが……パパと……ママの……」

まどか「………………」

まどか「……いやだよ……」

まどか「……こんなこと考えるわたし、嫌だよ……」

まどか「………………」

まどか「……そうだ」

まどか「マミさんなら……」



ポチポチ

122: 2012/05/10(木) 17:54:20.64 ID:Qfeeq/uLO
trrrrr……

まどか「マミさん!?」

マミ「どうしたの鹿目さん? そんなに慌てて」

まどか「とても自分勝手な話なんですけど、マミさんにしか頼めないことがあるんです」

マミ「……?」

まどか「このまま、話を聞いてもらっていいですか?」

マミ「………………」

123: 2012/05/10(木) 18:07:17.92 ID:Qfeeq/uLO
――――――
――――
――

マミ「……話は分かったわ。私を頼ってくれた理由も」

まどか「ごめんなさい……マミさんに辛い過去があるのを知っててわたしは……」

マミ「……ありがとう」

まどか「?」

マミ「いつも一人で戦っていた私に、こうして頼ってくれる人がいる」

マミ「それは私に、生き残るための意志と力を与えてくれる」

まどか「マミさん……」

126: 2012/05/10(木) 18:18:56.02 ID:Qfeeq/uLO
マミ「鹿目さんみたいな妹がいてくれたら、私ももう少し希望を持って生きていけたのかなって」

マミ「……なんてね。ごめんなさい、私のことばっかり」

まどか「いえ、大丈夫です。……スッキリしました」

まどか「……もう少し、パパやママと話してみたいと思います」

マミ「ご両親を大切にね。あなたは一人なんかじゃないの」

まどか「はい、ありがとうございます」

ピッ

127: 2012/05/10(木) 18:28:30.86 ID:Qfeeq/uLO
ガラッ

まどか「………………」

詢子「まどか!」

知久「まどか……」



まどか「パパ、ママ、もう大丈夫」



まどか「だから聞かせて、全部」

129: 2012/05/10(木) 18:40:42.27 ID:Qfeeq/uLO
――――――
――――
――



詢子「まどかがアタシとパパの……いや、知久のと言った方がいいかな」

まどか「ううん、血のつながりなんかなくても、ママはママでパパもパパだから」

知久「まどか……」

詢子「ごめんな、まどか……」

まどか「謝らないでよ。ママ、パパ」

130: 2012/05/10(木) 18:53:01.53 ID:Qfeeq/uLO
詢子「まどかには話してなかったが、アタシには姉がいたんだ」

詢子「アタシは大したお姉ちゃんっ子でな、大人になってもよく一緒に行動したもんだ」

まどか「ママ、『いた』って……」

詢子「………………、氏んじゃったんだ……交通事故であっさりと……」

まどか「……!」

詢子「そん時姉には娘が2人いてだね……下の娘はたまたま友達と遊びに行ってて事故を免れたんだ」

詢子「それがまどか、アンタだ」

まどか「……!!」

133: 2012/05/10(木) 19:06:50.48 ID:Qfeeq/uLO
詢子「事故を忘れて一刻も早く普通の生活をさせるために、アタシ達は引っ越した」

詢子「姉を失ったアタシも平静ではいられなかったのもあった」

詢子「……これで全部だ。他に聞きたいことがあったら何でも答えるよ」

まどか「……ううん。引っ越してから、わたしはママとパパの愛情をたくさん受けて育てられたことはよく分かってるから」

まどか「それよりも、パパやママがわたしに黙ってていたことがママ達を苦しめてきたんじゃないかなって」

知久「……まどか……」

詢子「まどかぁっ!」ガシッ

まどか「ママ……」ガシッ

135: 2012/05/10(木) 19:10:21.24 ID:Qfeeq/uLO
まどか「どうして……どうしてわたしはそれを覚えていないの……?」

詢子「……事故の話を聞いたまどかは半狂乱だった」

詢子「事故で両親が亡くなって……唯一生き残っていた上の娘と会えば何とかなるかと思っていた」

詢子「……結果は最悪。互いの姿に事故を連想させる2人は心を完全に閉ざしたんだ」

詢子「姉は妹の存在をなかったものとし、妹は家族に関する全ての記憶を失った」

まどか「……!?」

詢子「見るに見かねたアタシは下の妹をアタシ達の娘にした。パパも了承してくれた」

知久「………………」

まどか「パパ……ママ……」

138: 2012/05/10(木) 19:18:45.83 ID:Qfeeq/uLO
まどか「……わたしはもう大丈夫」

詢子「ん……」

まどか「……最後に一つ教えて。どこかで生きてるはずのわたしの姉ってどんな人?」

詢子「そうだな……年齢より少し大人びていて、それでいてみんなを包み込むような優しさを持った子だった」

詢子「ブロンドのよく似合う子だったよ、マミちゃんは……」

まどか「!? ねえママ、わたしの元の名字って……」

詢子「名字? 結婚してからは確か『巴』だったっけ……」

まどか「……!?」ダッダッダッ

詢子「まどかっ!?」



まどか「キュゥべえ!いるんでしょ!!」

QB「呼んだかい、まどか」

――――――
――――
――

143: 2012/05/10(木) 19:25:10.01 ID:Qfeeq/uLO
マミ「!?」

マミ「っ!頭が……この感覚は……?」

ピンポーン

マミ「………………」

ガチャッ

まどか「マミさん……ううん、マミお姉ちゃん……」

マミ「鹿目さん……」

まどか「ううん、昔みたいに『まどか』って呼んで、お姉ちゃん……!」

マミ「まどかっ……!」

まどか「お姉ちゃん、わたしも魔法少女になったんだよ」

「これからずっといつも、いつまでも一緒だよ……!」ガバッ

マミ「まどか……!」ギュッ



ほむら「………………」ギリッ

146: 2012/05/10(木) 19:27:45.25 ID:Qfeeq/uLO
ほむら「……まさか、そんな……2人が組んだときの妙な息の合い様の理由は……」

ほむら「……まどかには出自に何の疑問も持たせてはならない」

ほむら「また一つ、考慮しなければならないことが増えてしまったわ……」



カシャン……







150: 2012/05/10(木) 19:32:45.81 ID:Qfeeq/uLO
おわったー

意見あるかもしれんが本編の他の設定と関わらせたかったからこうなった

読んでくれた方々には感謝


>>1来るん?

151: 2012/05/10(木) 19:33:21.56 ID:kbVqyy1w0
ずっと見てたぜ!

乙!

引用: まどか「私ってほんとにママの娘なの?」