2: 2024/12/31(火) 11:28:21 ID:q2yEBtWQSa
虹ヶ咲学園 生徒会室
栞子「今年も大勢のオタクさん達がこの虹ヶ咲学園に押し寄せていますね......」
栞子「今年も大勢のオタクさん達がこの虹ヶ咲学園に押し寄せていますね......」
3: 2024/12/31(火) 11:28:53 ID:q2yEBtWQSa
ガチャ
ミア「ここにいたのか栞子!」
栞子「ミア?」
ミア「ここにいたのか栞子!」
栞子「ミア?」
4: 2024/12/31(火) 11:29:21 ID:q2yEBtWQSa
ランジュ「ハァイ」
栞子「ランジュまで、どうしたのですか? 今日は一般生徒は立ち入り禁止のはずですよ?」
栞子「ランジュまで、どうしたのですか? 今日は一般生徒は立ち入り禁止のはずですよ?」
5: 2024/12/31(火) 11:31:37 ID:q2yEBtWQSa
ランジュ「栞子こそ、窓の外を見て何してたの?」
栞子「生徒会の仕事として即売会の入場列を監視していました。ここからだとよく見えるので」
ランジュ「ランジュ初めて見たけどすごい人数ね! これみんなエOチな本を買いに来てるんでしょ?」
栞子「みんなではないと思います。まあ、ほとんどそうでしょうけど......」
栞子「生徒会の仕事として即売会の入場列を監視していました。ここからだとよく見えるので」
ランジュ「ランジュ初めて見たけどすごい人数ね! これみんなエOチな本を買いに来てるんでしょ?」
栞子「みんなではないと思います。まあ、ほとんどそうでしょうけど......」
6: 2024/12/31(火) 11:32:29 ID:q2yEBtWQSa
ミア「そんなこと言ってる場合じゃない。栞子の助けが必要なんだ!」
栞子「私の?」
栞子「私の?」
7: 2024/12/31(火) 11:33:36 ID:pJLZwC0wSa
ミア「冬休みの課題でオダイバの歴史をレポートにまとめなければいけないんだ」
栞子「ああ、留学生にはそのような課題があるようですね」
ミア「ボクは普通の科目ならステイツで学んできたけど、オダイバなんてローカルな事はお手上げさ」
栞子「ああ、留学生にはそのような課題があるようですね」
ミア「ボクは普通の科目ならステイツで学んできたけど、オダイバなんてローカルな事はお手上げさ」
8: 2024/12/31(火) 11:34:03 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「ランジュも留学生だから手伝えないわ」
ミア「ランジュはまだ2年生だから良いけどボクは卒業がかかってるんだ。大学出てるのに高校で留年なんてごめんさ」
ミア「ランジュはまだ2年生だから良いけどボクは卒業がかかってるんだ。大学出てるのに高校で留年なんてごめんさ」
9: 2024/12/31(火) 11:37:31 ID:pJLZwC0wSa
栞子「わかりました。お手伝いしますよ」
ミア「Thanks! さすが栞子だ。 さっそくハンバーガー食べながらやろう!」
ランジュ「きゃあ! ランジュもお肉が食べたかったの!」
栞子「ハンバーガーを?」
ミア「ああそうさ、集中力が増すから作曲の時もいつも食べてるよ。Let’s go!」
ミア「Thanks! さすが栞子だ。 さっそくハンバーガー食べながらやろう!」
ランジュ「きゃあ! ランジュもお肉が食べたかったの!」
栞子「ハンバーガーを?」
ミア「ああそうさ、集中力が増すから作曲の時もいつも食べてるよ。Let’s go!」
10: 2024/12/31(火) 11:39:30 ID:pJLZwC0wSa
アクアシティ ハンバーガー屋
ミア「今はここのスモークモントレージャックベーコンエッグバーガーにハマってるんだ」
栞子「私のお小遣いの半分以上します...... ハンバーガーとは高級な食べ物なのですね」
ランジュ「レインボーブリッジが見える窓際の席がいいわ!」
ミア「今はここのスモークモントレージャックベーコンエッグバーガーにハマってるんだ」
栞子「私のお小遣いの半分以上します...... ハンバーガーとは高級な食べ物なのですね」
ランジュ「レインボーブリッジが見える窓際の席がいいわ!」
13: 2024/12/31(火) 11:40:39 ID:pJLZwC0wSa
栞子「ではいただきましょう」
「いただきます」
「いただきます」
14: 2024/12/31(火) 11:41:26 ID:pJLZwC0wSa
ミア「栞子、ポテトはコーラにつけて食べるんだよ」
栞子「ええっ? そうなのですか?」
ミア「ほらこうやって......うーん Delicious」
栞子「はあ......」
栞子「ええっ? そうなのですか?」
ミア「ほらこうやって......うーん Delicious」
栞子「はあ......」
15: 2024/12/31(火) 11:42:57 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「お肉が美味しいわ」
栞子「口にソースが付いてますよ、ランジュ」
ランジュ「謝謝、栞子」
栞子「口にソースが付いてますよ、ランジュ」
ランジュ「謝謝、栞子」
16: 2024/12/31(火) 11:43:23 ID:pJLZwC0wSa
ミア「ランジュの面倒見てないでボクの課題を助けてくれよ」
栞子「そうでしたね、ミアはお台場のことで知っている事はありますか?」
栞子「そうでしたね、ミアはお台場のことで知っている事はありますか?」
18: 2024/12/31(火) 11:43:52 ID:pJLZwC0wSa
ミア「そうだなあ、有名な放送局が有って、観光地になってる」
ランジュ「ホテルも有るわ!」
栞子「そうですね、このアクアシティも観光客向けですね。他には?」
ランジュ「ホテルも有るわ!」
栞子「そうですね、このアクアシティも観光客向けですね。他には?」
19: 2024/12/31(火) 11:44:26 ID:pJLZwC0wSa
ミア「うーん、クレーンが有るから港がある?」
ランジュ「クルーズターミナルも有るわ!」
栞子「そうですね、大井や品川側の埠頭も含めて国内第一位の東京港を形成しています。他には?」
ランジュ「クルーズターミナルも有るわ!」
栞子「そうですね、大井や品川側の埠頭も含めて国内第一位の東京港を形成しています。他には?」
20: 2024/12/31(火) 11:47:52 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「エOチな本の即売会があるじゃない! 世界最大規模なんでしょ?」
栞子「その通りですがあまり大きな声で言わないでください/// 他には?」
栞子「その通りですがあまり大きな声で言わないでください/// 他には?」
21: 2024/12/31(火) 11:48:43 ID:pJLZwC0wSa
ミア「うーん、他はあまり印象ないんだよなあ」
ランジュ「流行っているように見えて空き地が多いのよねお台場って」
ランジュ「流行っているように見えて空き地が多いのよねお台場って」
22: 2024/12/31(火) 11:49:41 ID:pJLZwC0wSa
栞子「そうなんです。お台場というのは特殊な土地なんです」
ミア「どう特殊なのさ」
ミア「どう特殊なのさ」
23: 2024/12/31(火) 11:50:19 ID:pJLZwC0wSa
栞子「そうですね、まず、ここが人工島だと知っていましたか?」
ランジュ「人工島?」
ミア「作られた島だっていうのかい?」
ランジュ「人工島?」
ミア「作られた島だっていうのかい?」
24: 2024/12/31(火) 11:50:54 ID:pJLZwC0wSa
栞子「そうです」
ミア「Wao」
ランジュ「知らなかったわ。こんなに広いのに」
ミア「Wao」
ランジュ「知らなかったわ。こんなに広いのに」
26: 2024/12/31(火) 11:57:19 ID:pJLZwC0wSa
27: 2024/12/31(火) 11:59:59 ID:pJLZwC0wSa
ミア「エド時代とか昔から埋め立ててるのか」
栞子「荒川や隅田川の土砂が流れ込んで自然に埋め立てられているというのもあります」
ランジュ「はあー、この品川台場って書いてある所がお台場ね」
栞子「はい、ちょうど今私たちがいるところですね。高度経済成長期、今から60年くらい前から埋め立てられています」
栞子「荒川や隅田川の土砂が流れ込んで自然に埋め立てられているというのもあります」
ランジュ「はあー、この品川台場って書いてある所がお台場ね」
栞子「はい、ちょうど今私たちがいるところですね。高度経済成長期、今から60年くらい前から埋め立てられています」
30: 2024/12/31(火) 12:03:53 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「意外と最近なのね」
栞子「はい、だから基本的に一般人の家は建っておらず、東京都から土地を借りるか購入した団体だけが大きな建物を建てているんです」
ミア「だからここは生活感が薄くて非日常感があるのか」
栞子「はい、だから基本的に一般人の家は建っておらず、東京都から土地を借りるか購入した団体だけが大きな建物を建てているんです」
ミア「だからここは生活感が薄くて非日常感があるのか」
31: 2024/12/31(火) 12:05:43 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「あら? なんでこのお台場の四角みたいな所だけ青いの? 印刷ミスかしら?」
栞子「いいえ、ミスではありませんです。この四角は江戸末期に作られた『お台場』です」
ミア「オダイバ?! これが?」
栞子「はい。この四角い島にちなんで今もこの辺りをお台場と呼んでいるのです」
ランジュ「知らなかったわ」
栞子「いいえ、ミスではありませんです。この四角は江戸末期に作られた『お台場』です」
ミア「オダイバ?! これが?」
栞子「はい。この四角い島にちなんで今もこの辺りをお台場と呼んでいるのです」
ランジュ「知らなかったわ」
33: 2024/12/31(火) 12:10:00 ID:pJLZwC0wSa
34: 2024/12/31(火) 12:14:30 ID:pJLZwC0wSa
35: 2024/12/31(火) 12:15:36 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「このミアの顔おかしいわw」
ミア「うるさいなあ。なんでこの島だけ江戸時代に作られたんだい? なぜ四角なんだ?」
ミア「うるさいなあ。なんでこの島だけ江戸時代に作られたんだい? なぜ四角なんだ?」
36: 2024/12/31(火) 12:17:40 ID:pJLZwC0wSa
栞子「敵から江戸の街を守るためです。台場というのは大砲を乗せる台の意味です」
ランジュ「なるほど、大砲で攻撃しやすい様にに四角になっているのね」
ミア「こんなところまで攻め込んでくる悪い国がいるのか?!」
栞子「はい、あなたの国です」
ミア「What?! ステイツが?」
栞子「はい」
ランジュ「なるほど、大砲で攻撃しやすい様にに四角になっているのね」
ミア「こんなところまで攻め込んでくる悪い国がいるのか?!」
栞子「はい、あなたの国です」
ミア「What?! ステイツが?」
栞子「はい」
38: 2024/12/31(火) 12:20:57 ID:pJLZwC0wSa
ミア「信じられない...... どうしてそんなことを?!」
栞子「それを話すと長くなりますね」
ランジュ「信じられなければ直接聞いたらいいんじゃない?」
ミア「そうか」
栞子「それを話すと長くなりますね」
ランジュ「信じられなければ直接聞いたらいいんじゃない?」
ミア「そうか」
39: 2024/12/31(火) 12:23:39 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「栞子」
栞子「はあ、仕方ないですね。これもレポートの為です」
ミア「行こう!」
「クルクルバビンチョ パペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの シーオタン!」
栞子「はあ、仕方ないですね。これもレポートの為です」
ミア「行こう!」
「クルクルバビンチョ パペッピポ ヒヤヒヤドキッチョの シーオタン!」
40: 2024/12/31(火) 12:25:31 ID:pJLZwC0wSa
------------------------------------------------------------------
ランジュ「ここは船の上みたいだけど、どこなの?」
栞子「ここは西暦1853年の東京湾 アメリカ海軍 東インド艦隊 サスケハナ号の甲板です」
ミア「U.S. Navyの船か」
ランジュ「ここは船の上みたいだけど、どこなの?」
栞子「ここは西暦1853年の東京湾 アメリカ海軍 東インド艦隊 サスケハナ号の甲板です」
ミア「U.S. Navyの船か」
41: 2024/12/31(火) 12:28:44 ID:pJLZwC0wSa
43: 2024/12/31(火) 12:29:21 ID:pJLZwC0wSa
ドカーン
ランジュ「きゃあ! 何?!」
ミア「砲撃か!?」
ランジュ「きゃあ! 何?!」
ミア「砲撃か!?」
44: 2024/12/31(火) 12:30:12 ID:pJLZwC0wSa
ドカーン ドカーン
栞子「この船の大砲が発射されているようです」
ランジュ「やっぱりアメリカが攻め込んできたのね」
ミア「くそっ、なんでこんなことを!」
栞子「この船の大砲が発射されているようです」
ランジュ「やっぱりアメリカが攻め込んできたのね」
ミア「くそっ、なんでこんなことを!」
45: 2024/12/31(火) 12:32:10 ID:pJLZwC0wSa
ミア「おい、そこのおっさん! 砲撃を止めさせろ!」
おっさん「ん? ワシのことか?」
おっさん「ん? ワシのことか?」
46: 2024/12/31(火) 12:36:25 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「なんか服装からして偉そうね」
おっさん「なんだお前たちは、無礼な。ワシは艦隊司令官のペリー提督であるぞ」
ランジュ「ミア、知ってる?」
ミア「Navyのペリー提督? ああ、エリー湖の英雄か。学校で習った」
ペリー「それは兄の方だ......」
ミア「そうなの?」
おっさん「なんだお前たちは、無礼な。ワシは艦隊司令官のペリー提督であるぞ」
ランジュ「ミア、知ってる?」
ミア「Navyのペリー提督? ああ、エリー湖の英雄か。学校で習った」
ペリー「それは兄の方だ......」
ミア「そうなの?」
48: 2024/12/31(火) 12:37:21 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「アメリカ人のミアが知らないんじゃあまり有名じゃないのね」
栞子「こちらのマシュー・カルブレイス・ペリー提督は日本人には超有名人です。日本に来た以外にもアメリカ海軍の蒸気船化を進めた功績の有る方ですが、お兄さんのオリバー・ハザード・ペリー提督も米英戦争で活躍された方で、アメリカではどちらかというとお兄さんの方が有名な様です」
ペリー「......」
栞子「こちらのマシュー・カルブレイス・ペリー提督は日本人には超有名人です。日本に来た以外にもアメリカ海軍の蒸気船化を進めた功績の有る方ですが、お兄さんのオリバー・ハザード・ペリー提督も米英戦争で活躍された方で、アメリカではどちらかというとお兄さんの方が有名な様です」
ペリー「......」
49: 2024/12/31(火) 12:38:54 ID:pJLZwC0wSa
ミア「そんなことより、砲撃を止めろ!」
ペリー「砲撃などしとらん、これは空砲だ」
ミア「空砲?」
ペリー「ああ、実弾は入っていない」
ペリー「砲撃などしとらん、これは空砲だ」
ミア「空砲?」
ペリー「ああ、実弾は入っていない」
50: 2024/12/31(火) 12:40:01 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「なんでそんな紛らわしいことしてるのよ」
ペリー「他の船への連絡が目的だが、日本人への脅しの意味も有る」
ミア「やっぱり日本を攻めるつもりなんだな!」
ペリー「他の船への連絡が目的だが、日本人への脅しの意味も有る」
ミア「やっぱり日本を攻めるつもりなんだな!」
51: 2024/12/31(火) 12:41:14 ID:pJLZwC0wSa
ペリー「まだ日本を攻める指示は受けていない。だが日本人に対しては恐怖に訴える方が友好に訴えるより多くの利点があるからな」
ミア「なんだと」
ランジュ「攻撃でなければ、アメリカ人が何しにここまで来たのよ?」
ペリー「日本の港を開港するように、合衆国大統領の親書を渡しに来たのだ」
ミア「開港?」
ミア「なんだと」
ランジュ「攻撃でなければ、アメリカ人が何しにここまで来たのよ?」
ペリー「日本の港を開港するように、合衆国大統領の親書を渡しに来たのだ」
ミア「開港?」
52: 2024/12/31(火) 12:42:17 ID:pJLZwC0wSa
栞子「17世紀から19世紀、江戸時代の約200年間に、江戸幕府は日本人が外国と交流することを禁止していました。後に鎖国と呼ばれる政策です」
ランジュ「あら、清とは貿易していたんじゃないかしら?」
栞子「はい、清朝中国と李氏朝鮮、それとオランダは例外として貿易が認められていましたね」
ランジュ「あら、清とは貿易していたんじゃないかしら?」
栞子「はい、清朝中国と李氏朝鮮、それとオランダは例外として貿易が認められていましたね」
53: 2024/12/31(火) 12:43:17 ID:pJLZwC0wSa
栞子「その鎖国の間、ポルトガル、イギリス、ロシア等の西洋の国が貿易を求めて日本に来ましたが、断られ続けました」
ペリー「だからワシが派遣された」
ペリー「だからワシが派遣された」
54: 2024/12/31(火) 12:48:13 ID:pJLZwC0wSa
栞子「西暦1853年7月8日、ペリー提督率いる4隻の軍艦が今の神奈川県浦賀沖に現れます。この事件は黒船来航と呼ばれ、日本では学校で必ず習う有名な出来事です」
ミア「引きこもっているのは日本人らしいが、鎖国しているのを無理に開かせる事はないだろう?」
ペリー「合衆国には日本の港が必要なのだ」
ミア「引きこもっているのは日本人らしいが、鎖国しているのを無理に開かせる事はないだろう?」
ペリー「合衆国には日本の港が必要なのだ」
55: 2024/12/31(火) 12:49:39 ID:pJLZwC0wSa
ペリー「今から5年前の1848年、合衆国はアメリカ・メキシコ戦争に勝利しカリフォルニアを手に入れた事で太平洋に進出できるようになった」
ミア「知ってるよ」
ペリー「カリフォルニアからアリューシャン列島を通ってアジアで捕鯨や貿易をする為には日本で補給できることが望ましい」
ランジュ「自国の都合ばかり。傲慢なアメリカらしいわね」
ミア「知ってるよ」
ペリー「カリフォルニアからアリューシャン列島を通ってアジアで捕鯨や貿易をする為には日本で補給できることが望ましい」
ランジュ「自国の都合ばかり。傲慢なアメリカらしいわね」
56: 2024/12/31(火) 12:52:01 ID:pJLZwC0wSa
ミア「平和目的ならば軍艦で脅さずに普通に話し合えばいいだろう」
ペリー「これまで合衆国も他の国々もそのように平和的に日本に接してきた。しかし日本は頑なに開港を拒否し、話し合いのテーブルにもつかないので少々強引に話を進めることにした。これが外交だよ」
ミア「......」
ペリー「これまで合衆国も他の国々もそのように平和的に日本に接してきた。しかし日本は頑なに開港を拒否し、話し合いのテーブルにもつかないので少々強引に話を進めることにした。これが外交だよ」
ミア「......」
57: 2024/12/31(火) 12:54:14 ID:pJLZwC0wSa
ペリー「脅しの効果は有って、日本の責任者に大統領の親書を渡すことができた。また来年来る頃には良い返事が聞けるだろう」
ミア「もし日本が断ったら?」
ペリー「その時は不本意だが、より強硬な手段を取らなければならないかもしれんな。この蒸気船の艦砲射撃ならば江戸の街を壊滅させることも容易い」
ミア「そんな......」
栞子「この時代の西洋の軍艦は最強の兵器でした。この船が浜松町沖まで侵入すれば江戸城を砲撃することも可能でしょう」
ミア「もし日本が断ったら?」
ペリー「その時は不本意だが、より強硬な手段を取らなければならないかもしれんな。この蒸気船の艦砲射撃ならば江戸の街を壊滅させることも容易い」
ミア「そんな......」
栞子「この時代の西洋の軍艦は最強の兵器でした。この船が浜松町沖まで侵入すれば江戸城を砲撃することも可能でしょう」
59: 2024/12/31(火) 13:02:09 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「江戸城って今の皇居、東京駅付近でしょ? 結構届くのね」
ミア「そんなの、ダメだ」
ミア「そんなの、ダメだ」
61: 2024/12/31(火) 13:05:38 ID:pJLZwC0wSa
ペリー「これからワシらはマカオまで戻るがお前たちはどうする?」
ランジュ「ランジュも香港を見たいけれど、せっかくだから日本側も見ていきましょうよ」
ミア「そうだな......」
栞子「では私たちは失礼します、ペリー提督」
ペリー「ああ、達者でな」
「バビンチョ」
ランジュ「ランジュも香港を見たいけれど、せっかくだから日本側も見ていきましょうよ」
ミア「そうだな......」
栞子「では私たちは失礼します、ペリー提督」
ペリー「ああ、達者でな」
「バビンチョ」
62: 2024/12/31(火) 13:07:01 ID:pJLZwC0wSa
----------------------------------------------------
ミア「......」
ランジュ「ショックを受けてるみたいね」
栞子「仕方ないですね」
ランジュ「ここはどこなの?」
栞子「同じ西暦1853年の江戸城です」
ミア「......」
ランジュ「ショックを受けてるみたいね」
栞子「仕方ないですね」
ランジュ「ここはどこなの?」
栞子「同じ西暦1853年の江戸城です」
63: 2024/12/31(火) 13:09:28 ID:pJLZwC0wSa
おっさん「困った困った」
ランジュ「このおじさん誰?」
栞子「この方は幕府の老中、阿部正弘さん。簡単にいうと将軍の次に偉い方でしょうか」
ランジュ「このおじさん誰?」
栞子「この方は幕府の老中、阿部正弘さん。簡単にいうと将軍の次に偉い方でしょうか」
64: 2024/12/31(火) 13:10:23 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「何が困ったのよ。ランジュに言ってみなさい」
阿部「ん? 清国の者か? アメリカが開国する様に脅してきたんだ。これが困らずにいられるか。清国のお前なら西洋の恐ろしさがわかるだろう?」
ランジュ「そうね、アヘン戦争でイギリスにボコボコにされたわ」
阿部「ん? 清国の者か? アメリカが開国する様に脅してきたんだ。これが困らずにいられるか。清国のお前なら西洋の恐ろしさがわかるだろう?」
ランジュ「そうね、アヘン戦争でイギリスにボコボコにされたわ」
65: 2024/12/31(火) 13:11:21 ID:pJLZwC0wSa
阿部「ペリー提督は来年また来ると言っていたが、このままでは脅しに屈して言いなりにならなければならない。今は身分に関係無く広く意見を求めているところだ。お前たちも妙案があれば教えてくれ」
ミア「ペリー提督の脅しが効いてるな」
ミア「ペリー提督の脅しが効いてるな」
66: 2024/12/31(火) 13:12:09 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「こっちも大砲打って追い返しちゃえばいいじゃない」
阿部「そう簡単にはいかんよ。奴らの大砲は我々の砲よりも射程が長く、命中精度も高いと聞く。まして相手は風もないのに動き回る蒸気船。沿岸砲は一方的に叩かれるだろう」
阿部「そう簡単にはいかんよ。奴らの大砲は我々の砲よりも射程が長く、命中精度も高いと聞く。まして相手は風もないのに動き回る蒸気船。沿岸砲は一方的に叩かれるだろう」
68: 2024/12/31(火) 13:16:10 ID:pJLZwC0wSa
ミア「じゃあアメリカみたいな軍艦を作ったらどうだ?」
阿部「作ろうとしているが、わが国は長らく大きい船や大砲の製造を禁止してきたのでいきなり西洋列強と戦える軍艦を作る事は出来ない。急ぎオランダに軍艦を発注したが来年には間に合わないだろう」
阿部「作ろうとしているが、わが国は長らく大きい船や大砲の製造を禁止してきたのでいきなり西洋列強と戦える軍艦を作る事は出来ない。急ぎオランダに軍艦を発注したが来年には間に合わないだろう」
69: 2024/12/31(火) 13:16:58 ID:pJLZwC0wSa
栞子「できることはやっているんですね」
阿部「だがそれだけでは足りないのだ。ここで対応を誤ると清国の様に不利な条約や賠償を要求されることになる」
ランジュ「偉い人も大変なのね」
阿部「だがそれだけでは足りないのだ。ここで対応を誤ると清国の様に不利な条約や賠償を要求されることになる」
ランジュ「偉い人も大変なのね」
70: 2024/12/31(火) 13:20:32 ID:pJLZwC0wSa
おっさん「恐れながら申し上げます」
ミア「またおっさんが増えた」
おっさん「拙者は江川太郎左衛門。伊豆韮山の代官である」
ランジュ「ランジュ知ってるわ! 代官って悪い奴なんでしょ?」
栞子「それは時代劇の中だけの話です」
ミア「またおっさんが増えた」
おっさん「拙者は江川太郎左衛門。伊豆韮山の代官である」
ランジュ「ランジュ知ってるわ! 代官って悪い奴なんでしょ?」
栞子「それは時代劇の中だけの話です」
71: 2024/12/31(火) 13:21:16 ID:pJLZwC0wSa
阿部「おお江川殿、何か妙案がおありか?」
江川「品川沖に大砲を設置する台場を作り、江戸の守りとするのです」
江川「品川沖に大砲を設置する台場を作り、江戸の守りとするのです」
72: 2024/12/31(火) 13:22:10 ID:pJLZwC0wSa
阿部「海の上に台場とな? そんなことができるのか?」
江川「は。木で杭を打ち、石と土で埋めればできるはずです」
ミア「あの島はそんな方法で作っていたのか」
ランジュ「この時代にとんでもない労力ね」
江川「は。木で杭を打ち、石と土で埋めればできるはずです」
ミア「あの島はそんな方法で作っていたのか」
ランジュ「この時代にとんでもない労力ね」
73: 2024/12/31(火) 13:26:32 ID:pJLZwC0wSa
江川「築造場所の見当も付いております。この様に品川沖に11基の台場を作れば江戸城を守れます」
ミア「11基も?!」
栞子「現代の地図に重ねると、この様になりますね」

ミア「すごい、品川から豊洲の方まで」
ランジュ「私たちが知っているお台場はこの③と⑥かしら?」
ミア「11基も?!」
栞子「現代の地図に重ねると、この様になりますね」

ミア「すごい、品川から豊洲の方まで」
ランジュ「私たちが知っているお台場はこの③と⑥かしら?」
74: 2024/12/31(火) 13:33:30 ID:pJLZwC0wSa
江川「接近する敵船を複数の台場で十字砲火します。もし強行突破されても沿岸砲と挟撃することで無傷ではいられないでしょう」
阿部「おお」
阿部「おお」
75: 2024/12/31(火) 13:34:53 ID:pJLZwC0wSa
ミア「なぜ品川沖なんだい? もっと遠くでクロフネを防いだ方が安全じゃない? 横須賀のあたりとかさ」
江川「この品川沖は浅瀬になってるので比較的工事が容易なのだ」
ミア「なるほど」
栞子「言われている浅瀬が現在のお台場埋め立てにも繋がっているのですね」
江川「この品川沖は浅瀬になってるので比較的工事が容易なのだ」
ミア「なるほど」
栞子「言われている浅瀬が現在のお台場埋め立てにも繋がっているのですね」
76: 2024/12/31(火) 13:37:21 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「お台場は元々埋め立てしやすい場所だったのね。代官って位の高くない役人だと思ってたけど江川さんは賢いのね」
栞子「江川さんは地方の一代官ながら蘭学に明るく、西洋砲術を導入したり、韮山に鉄を作る反射炉を建設するなど、非常に優秀で開明的な方なのです」
栞子「江川さんは地方の一代官ながら蘭学に明るく、西洋砲術を導入したり、韮山に鉄を作る反射炉を建設するなど、非常に優秀で開明的な方なのです」
78: 2024/12/31(火) 13:39:40 ID:pJLZwC0wSa
阿部「うーむ、ペリー提督は来年来ると言っていたが、築造は間に合うのか?」
江川「それはやってみなければわかりませぬが、早く着工するほど早いでしょう」
阿部「あいわかった。江川殿に品川台場建設を命じる」
江川「ははー」
江川「それはやってみなければわかりませぬが、早く着工するほど早いでしょう」
阿部「あいわかった。江川殿に品川台場建設を命じる」
江川「ははー」
79: 2024/12/31(火) 13:42:37 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「こうしてお台場が作られたのね」
ミア「大抜擢だな。台場だけに」
ランジュ「ミア、あなたそんなキャラだったかしら?」
ミア「あれ? なんでボクはこんなことを?」
ミア「大抜擢だな。台場だけに」
ランジュ「ミア、あなたそんなキャラだったかしら?」
ミア「あれ? なんでボクはこんなことを?」
80: 2024/12/31(火) 13:43:25 ID:pJLZwC0wSa
栞子「ペリー提督が江戸湾を離れたのは7月17日でしたが、それから2ヶ月ほどで台場の築造が始まりました」
ランジュ「決断が遅い日本人にしては早いわね」
ランジュ「決断が遅い日本人にしては早いわね」
81: 2024/12/31(火) 13:44:46 ID:pJLZwC0wSa
栞子「では、台場のその後を見ながら元の時代に戻りましょうか」
ランジュ「いいわね」
ミア「じゃあ、お台場築造頑張って」
江川「ああ、任せよ」
「バビンチョ」
ランジュ「いいわね」
ミア「じゃあ、お台場築造頑張って」
江川「ああ、任せよ」
「バビンチョ」
82: 2024/12/31(火) 13:46:40 ID:pJLZwC0wSa
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栞子「その後ペリー提督は西暦1854年2月、前回の訪問の約半年後に再び日本にやってきたのでした」
ランジュ「せっかちな奴ね。台場は完成していたの?」
栞子「来るのが早すぎて完成はしていませんでした」
ミア「なんだ」
栞子「その後ペリー提督は西暦1854年2月、前回の訪問の約半年後に再び日本にやってきたのでした」
ランジュ「せっかちな奴ね。台場は完成していたの?」
栞子「来るのが早すぎて完成はしていませんでした」
ミア「なんだ」
83: 2024/12/31(火) 13:53:56 ID:pJLZwC0wSa
栞子「ですが結果として2回目のペリー来航でも戦争にはならず、日米和親条約が結ばれました。これを機に日本は世界と関わりを持つようになっていったのです」
ミア「台場はその後どうなったのさ? 今は2つしか残ってないんだろ?」
栞子「台場はその後も戦闘に使われることはありませんでした。明治以降も残っており、版画にも台場が描かれています」


ランジュ「こんな昔から確かにここに有ったのね」
ミア「台場はその後どうなったのさ? 今は2つしか残ってないんだろ?」
栞子「台場はその後も戦闘に使われることはありませんでした。明治以降も残っており、版画にも台場が描かれています」


ランジュ「こんな昔から確かにここに有ったのね」
84: 2024/12/31(火) 14:02:53 ID:pJLZwC0wSa
85: 2024/12/31(火) 14:03:38 ID:pJLZwC0wSa
栞子「第一、第四、第五台場は埋め立てられ、品川埠頭や天王洲アイルになりました」
ランジュ「第四台場は今は紫苑女学院のあるシーフォートスクエアの所かしら?」
栞子「そうです」
ミア「だからSea Fortなのか」
ランジュ「第四台場は今は紫苑女学院のあるシーフォートスクエアの所かしら?」
栞子「そうです」
ミア「だからSea Fortなのか」
86: 2024/12/31(火) 14:05:23 ID:pJLZwC0wSa
ミア「でもなんで台場を埋め立てたんだい? 防衛に必要なんだろ?」
栞子「第二次大戦以降は空から攻撃できるようになりましたので、敵の船がここまで入って来る頃にはもう負けているのです」
ミア「なるほど」
栞子「第二次大戦以降は空から攻撃できるようになりましたので、敵の船がここまで入って来る頃にはもう負けているのです」
ミア「なるほど」
87: 2024/12/31(火) 14:08:29 ID:pJLZwC0wSa
栞子「第二台場は撤去され、第七台場はレインボーブリッジの根元あたりですが未完成。第八から第十一台場は未着工のまま計画が無くなりました」

ランジュ「それで今残っているのが第三台場と第六台場だけなのね」
栞子「第三台場と第六台場は国指定の史跡として保存されています。そして戦後この周辺が埋め立てられ、台場にちなんでお台場と呼ばれることになったのです」

ランジュ「それで今残っているのが第三台場と第六台場だけなのね」
栞子「第三台場と第六台場は国指定の史跡として保存されています。そして戦後この周辺が埋め立てられ、台場にちなんでお台場と呼ばれることになったのです」
88: 2024/12/31(火) 14:18:18 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「それからどうなったの?」
栞子「はい。埋め立て完成後、
1993年レインボーブリッジ開通、
1995年ゆりかもめ開業
1996年ビッグ...虹ヶ咲学園完成、りんかい線開業、
1997年フジテレビ開所、
1999年ヴィーナスフォート開業、
と、だんだん今の形になっていったのです」
栞子「はい。埋め立て完成後、
1993年レインボーブリッジ開通、
1995年ゆりかもめ開業
1996年ビッグ...虹ヶ咲学園完成、りんかい線開業、
1997年フジテレビ開所、
1999年ヴィーナスフォート開業、
と、だんだん今の形になっていったのです」
89: 2024/12/31(火) 14:25:03 ID:pJLZwC0wSa
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ランジュ「ようやく現代のお台場に帰ってきたわね」
ミア「お台場は新しい建物が多いと思っていたけど、こんな歴史があったのか」
ランジュ「ようやく現代のお台場に帰ってきたわね」
ミア「お台場は新しい建物が多いと思っていたけど、こんな歴史があったのか」
90: 2024/12/31(火) 14:27:28 ID:pJLZwC0wSa
ランジュ「でもパレットタウン、ヴィーナスフォートや大江戸温泉物語は閉館してしまったわね」
栞子「はい、ですがそれは東京都との借地契約が理由です。お台場が衰退したわけではありません。跡地の開発はすでに始まっており、お台場はまだまだ進化する街なのです」
ランジュ「ドローンを飛ばしたり、花火を打ち上げたり、エOチな本を売ったり、お台場は楽しいことがいっぱいね」
栞子「江戸時代の人が見たら驚くでしょうね」
栞子「はい、ですがそれは東京都との借地契約が理由です。お台場が衰退したわけではありません。跡地の開発はすでに始まっており、お台場はまだまだ進化する街なのです」
ランジュ「ドローンを飛ばしたり、花火を打ち上げたり、エOチな本を売ったり、お台場は楽しいことがいっぱいね」
栞子「江戸時代の人が見たら驚くでしょうね」
91: 2024/12/31(火) 14:41:59 ID:pJLZwC0wSa
ミア「古い歴史から新しい娯楽まで、お台場は紹介したいことが沢山ある。うーん、レポートに書くことが沢山有るぞ!」
ランジュ「よかったわね、ミア」
ミア「第三台場にはレインボー公園の先から歩いて入れるんだろ? そんなすごい場所だとは知らなかった。今から見に行こう!」
栞子「待ってください、ふふ」
完
ランジュ「よかったわね、ミア」
ミア「第三台場にはレインボー公園の先から歩いて入れるんだろ? そんなすごい場所だとは知らなかった。今から見に行こう!」
栞子「待ってください、ふふ」
完
92: 2024/12/31(火) 14:50:05 ID:???Sd
乙
勉強になったし三人が楽しそうでよかった
勉強になったし三人が楽しそうでよかった
引用: 【SS】お台場はじめて物語🆓
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