1: 2009/01/03(土) 16:57:57.33 ID:Q+Wq0uQu0
めぐ「どうしたの?」

水銀燈「ジュンから一通も年賀状が来てないの、私は二十通もジュンに出したのに」

めぐ「そっそうなの?」

水銀燈「私ジュンに嫌われてるのかな・・・」

めぐ(しょうがないわね・・・・)

めぐ「・・・あっれぇ?私のに混ざってジュンの年賀状が来てたわ!」

水銀燈「本当?」

めぐ「本当よ、ほらこれ」

水銀燈「本当だ・・・名前をペンで書き直してる、ふふふぅジュンってばおっちょこちょい」

めぐ「よかったわね」

水銀燈「あれ?でもこの住所ジュンの住所じゃない」

めぐ「すっ水銀燈の勘違いじゃないの?」(しまった、ジュンの名前だけじゃなくて住所も覚えてたのね)

水銀燈「勘違いじゃないわよ、ジュンの名前と住所は毎日書き取りしてるから間違いないわ」

6: 2009/01/03(土) 17:04:36.51 ID:Q+Wq0uQu0
水銀燈「これってもしかして・・・」

めぐ「ごめんなさい、つい・・・」

水銀燈「ジュンが引っ越したんだわ」

めぐ「え?・・・ああ、そうね引っ越したのよきっと」

水銀燈「でも変ねぇ、大晦日に家を見に行った時ジュンはいたはずよね」

めぐ「えーっと・・・ほら、別荘よ!」

水銀燈「別荘?」

めぐ「年賀状を書いた時は別荘から書いたのよ」

水銀燈「別荘かぁ・・・鹿児島に別荘をもってるのね」

めぐ(上手く行ったわね・・・)

水銀燈「裏側になんて書いてあるかわからないから、めぐが読んで」

めぐ「え・・・っと、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します」

水銀燈「それだけ?」

めぐ「そうよ」

水銀燈「下の方に印刷とは別にボールペンで書いてるのがあるじゃない、これを読んでよ」

9: 2009/01/03(土) 17:10:20.62 ID:Q+Wq0uQu0
めぐ(これって親戚のおばさんが私に書いた年賀状だからそのまま読んでもしょうがないわよね)

水銀燈「早く読んでよ!」

めぐ「これはね・・・その・・・暇があったら遊びに来てくださいって書いてるのよ」

水銀燈「遊びに?」

めぐ「そう・・・そうよ、遊びに来てって」

水銀燈「私がジュンの家に遊びに言っていいの?」

めぐ「いいのよ」

水銀燈「いいのね?今までみたいに窓の外から真紅達が楽しそうにしているのを眺めてるだけじゃなくなるのね!うれしー」

めぐ(・・・いつも出かけていってたから、普通に遊びに行ってると思ってたのに、そんなに悲惨な状況だったのね9

水銀燈「それじゃさっそく遊びに行って来るわ」

めぐ「あっちょっと待って!」

11: 2009/01/03(土) 17:14:50.59 ID:Q+Wq0uQu0
水銀燈「やったー、今年からジュンの家に入っていいのね、私もソファーに座ってくんくんを見てもいいのね」

蒼星石「水銀燈・・・、何をしてるんだ!」

水銀燈「あら蒼星石じゃない、勘違いしないで、今日は戦いに来たんじゃないんだから」

蒼星石「信じれるわけないじゃないか!」

水銀燈「本当よ、ジュンが私に遊びに来てって年賀状に書いてたから遊びに来たの」

蒼星石「ジュンくんが?・・・・本当?」

水銀燈「本当よ、ジュンがそう書いてたんだもん」

蒼星石「そうなの・・・確かに真紅と水銀燈は仲が悪いけど、ジュンくんと水銀燈が仲が悪いわけじゃないからね」

水銀燈「そうよ、蒼星石もジュンの家に行く途中なんでしょ?一緒に行きましょう?」

蒼星石「う・・うん、別にいいけどさ」

13: 2009/01/03(土) 17:18:58.41 ID:Q+Wq0uQu0
蒼星石「こんにちわー」

水銀燈「違うわ、開けましておめでとうよ蒼星石」

蒼星石「そっそうだね」

水銀燈「あけましておめでとうございます!」

蒼星石(ニコニコして機嫌がいい水銀燈って何か不気味だな)

水銀燈「変ねぇ、誰もいないの?」

蒼星石「さっき翠星石から来てもいいって電話があったんだけど・・・」

水銀燈「ジュンの部屋の窓から入りましょう」

蒼星石「そうだね、お正月だから玄関から入りたかったんだけどまぁいいや」

水銀燈「ほら早くしないと置いていくわよふふふっ」

蒼星石「・・・」

15: 2009/01/03(土) 17:23:12.02 ID:Q+Wq0uQu0
蒼星石「開いてるかな?」

ガラッ

水銀燈「開いてるわ、ほら入るわよ」

蒼星石「うん・・・」

水銀燈「あー、念願のジュンの部屋だわ、久しぶりね」

蒼星石「そうだっけ・・・」

翠星石「蒼星石来たですか?」

蒼星石「どうしたんだよ、玄関閉まってたよ」

翠星石「さっきジュンとのりが出かけたです」

水銀燈「ジュンいないの?」

翠星石「そうです、さっきチビ苺の元マスターと・・・ギャー!水銀燈が攻めてきたですぅ!」

蒼星石「翠星石落ち着いて!水銀燈は遊びに来たんだよ!」

翠星石「騙されてるです!水銀燈がそんなフレンドリーな事をするわけないです!」

水銀燈「本当よ、ジュンから年賀状が来てたんだから!」

16: 2009/01/03(土) 17:26:12.40 ID:Q+Wq0uQu0
翠星石「本当ですか?」

蒼星石「そうみたいだよ、水銀燈が嘘をついてるようには見えないし」

翠星石「嘘をついてるかどうかはしらねーですが、いつもとちょっと様子が変です」

水銀燈「あらそう?」

蒼星石「とにかくジュンくんが帰ってくるまで確かめようが無いよ」

翠星石「・・・とりあえずリビングに来るです、一緒に御節料理を食べるです」

水銀燈「ご馳走になるわぁ」

蒼星石(ジュンくんはどうして水銀燈なんかに年賀状なんか出したんだろ・・・僕には送ってこなかったくせに)

19: 2009/01/03(土) 17:32:49.98 ID:Q+Wq0uQu0
翠星石「蒼星石が来たです・・・あと水銀燈も・・・」

真紅「水銀燈も!?」

水銀燈「あけましておめでとう真紅」

真紅「みんなどうしたの?水銀燈が来たのよ?」

蒼星石「落ち着いてよ、水銀燈はジュンくんが招待したみたいなんだ」

真紅「ジュンが?」

水銀燈「本当よ、年賀状にそう書いてあったんだから」

真紅「ジュンが年賀状をね・・・」

蒼星石「嘘を付いてるとは思えないよ」

翠星石「翠星石もそう思うです」

真紅「・・・ジュンが呼んだのなら私には何もいう事はないわ」

水銀燈「わかったみたいね、それじゃみんなでおせち料理をたべましょう」

真紅(変ね、ジュンが今年は年賀状を一枚も贈ってないってのりが話してたと思ったんだけど・・・)

20: 2009/01/03(土) 17:33:07.88 ID:Q+Wq0uQu0
真紅(変ね、ジュンが今年は年賀状を一枚も贈ってないってのりが話してたと思ったのだけど・・・)

22: 2009/01/03(土) 17:39:34.60 ID:Q+Wq0uQu0
蒼星石「ジュンくんいないんだよね」

真紅「さっき巴が雛苺を迎えに来たとき、一緒に行ってしまったのよ」

蒼星石「一緒にって、どういうこと?」

真紅「巴が招待したのじゃないかしら?」

翠星石「翠星石は反対したです」

真紅「いいじゃない、一緒に御節食べるのは帰って来てからもできるわ」

水銀燈「・・・・・」

蒼星石「どうしたの水銀燈?」

水銀燈「その巴って子、まさかジュンの彼女?」

蒼星石「彼女じゃないけど・・・」

翠星石(水銀燈の顔つきが変わったです・・・)

真紅「それよりおせちを食べましょう」

水銀燈「・・・」

真紅「栗きんとんが甘くておいしいのよ、ほら水銀燈食べてみなさい」

水銀燈「そうね、なら少しだけ」

24: 2009/01/03(土) 17:44:43.88 ID:Q+Wq0uQu0
蒼星石「結構変わった味だね」

翠星石「この数の子がプチプチして美味しいです」

真紅「今日は紅茶を淹れる人がいないから困るわね」

水銀燈「これがくりきんとん・・・」

ガチャ

ジュン「ただいまー」

蒼星石「ジュンくんが帰ってきた!」

雛苺「ただいまなのー」

翠星石「雛苺もきっと水銀燈を見たらびっくりするです」

巴「おじゃまします」

水銀燈「!」

真紅(巴も一緒に来たのね・・・)


27: 2009/01/03(土) 17:50:33.69 ID:Q+Wq0uQu0
ジュン「お前等おとなしくしてた・・・・うわっ!」

水銀燈「あけましておめでとうございます・・・」

雛苺「水銀燈が!水銀燈がいるのー!」

蒼星石「落ち着いて二人とも!どうしてジュンくんまで驚くんだよ!」

ジュン「だって水銀燈が来てるんだぞ?お前等戦わなくていいのか?」

真紅「ジュンが呼んだのではじゃないの?」

水銀燈「・・・・」

ジュン「えっ、僕が?」

蒼星石「ジュンくんが水銀燈に年賀状出したんでしょ?遊びに来てって書いて」

ジュン「僕は今年は一枚も書いてないぞ!」

翠星石「そうなんですか?なら水銀燈は・・・」

真紅「・・・・・」

蒼星石「・・・・」

水銀燈「えーっと・・・」

31: 2009/01/03(土) 17:55:14.56 ID:Q+Wq0uQu0
巴「桜田くん!」

ジュン「なんだよ」

巴「ほら・・・」

水銀燈「私はジュンから・・・年賀状を貰って・・・それで・・・」

巴「かわいそうでしょ、年賀状送ったって事にしてあげて」

ジュン「・・・あっそうだ、一枚も送ってないと思ったけど水銀燈にだけ送ったの忘れてたよ」

翠星石「本当ですか?」

ジュン「本当だよ何か忙しくて忘れてたよ」

水銀燈「そうでしょ?鹿児島の別荘で書いたのよね?」

ジュン「鹿児島?・・・・そうそう鹿児島」

真紅(ジュンの家に別荘なんかあったかしら)

翠星石(チビ人間はずっと家にいたと思ったですが・・・)

ジュン「ほらみんなでおせちを食べようじゃないか!はははは」

水銀燈「そうしましょう、このくりきんとん美味しいのよ」

蒼星石(やっぱり、水銀燈にだけ年賀状だしたんだ・・・僕には出さなかったのに)

36: 2009/01/03(土) 18:05:39.90 ID:Q+Wq0uQu0
ジュン「ほらみんな座って」

巴「キャッ!」

水銀燈「ちょっとどきなさいよ、ジュンの隣は私なのよ!」

ジュン「おい水銀燈!」

水銀燈「ごっごめんなさい・・・ジュンはその女の隣が良かったとは思わなかったから・・・」

巴「いいのよ桜田くん、私は平気よ」

ジュン「そうか・・・水銀燈も人を突き飛ばしたりしないようにしろよ」

水銀燈「わかったわ、もう突き飛ばしたりしないわよ、それよりジュンも座って」

ジュン「・・・うん」

蒼星石(年賀状を貰うだけじゃ飽き足らず、ジュンくんの隣に座るなんて・・・新参者のくせに)

47: 2009/01/03(土) 18:28:36.39 ID:Q+Wq0uQu0
ガチャ

のり「ただいまー」

雛苺「のりが帰って来たのー」

水銀燈「のり?」

真紅「ジュンの姉よ、あなたも見たことくらいあるでしょ?」

のり「あっみんな食べてるみたいね」

巴「お邪魔してます」

のり「あら来てたの?どうジュンくんと初詣行けた?」

巴「ええ・・・まぁ」

ジュン「なんだ、初詣に誘ったのって姉ちゃんの入れ知恵だったのかよ」

巴「いわれたから誘ったってわけじゃないのよ」

のり「まぁ、よかったじゃない。楽しかったでしょ?」

ジュン「う・・・まぁね」

水銀燈「・・・・・・」

翠星石(水銀燈が凄い顔してるです・・・悔しそうに拳を握り締めているです・・・)

49: 2009/01/03(土) 18:30:35.07 ID:Q+Wq0uQu0
のり「あら?あなたは初めて見る子よね」

水銀燈「あけましておめでとうございます」

真紅「私たちの姉妹の水銀燈よ」

のり「あなたが水銀燈ね、よろしく」

水銀燈「は・・・はい」

巴「それじゃそろそろ私はお邪魔します」

のり「飽きたのね?」

巴「はい」


56: 2009/01/03(土) 18:42:01.09 ID:Q+Wq0uQu0
だるくなったし、今からちょっと出かけるから終わらせといたぜ

59: 2009/01/03(土) 18:47:10.44 ID:M0ZFGjZrO
>>今からちょっと出かけるから


なんだリア充か

69: 2009/01/03(土) 19:11:34.78 ID:ya8ytlyo0
のり(ちょっとジュンくん!)

ジュン(何だよ?)

のり(何だじゃないわよぅ……女の子が帰るって言ってるのよ?)

ジュン(そうだな。それで?)

のり「もう!ここはエスコートしてあげるのが男の子の役目でしょ?」

水銀燈「──!?」

雛「ジュンー!あいとあいとー!なのー!」

真紅「……のりは内緒話には向かないタイプね」

巴「あの……全部聞こえてます。それに、私なら平気ですからお構いなく」

ジュン「いや、まあせっかくだからな。そこまで送るよ」

水銀燈「なぁんですってぇ……!」

79: 2009/01/03(土) 19:25:34.96 ID:ya8ytlyo0
水銀燈「ちょっと待ちなさぁい!!」

のり「きゃっ!あらあら、どうしたの?」

真紅「水銀燈」

水銀燈「……こんなの」

翠星石「す、水銀燈?落ち着くですよ!」

水銀燈「変じゃない?おかしいじゃなぁい!?こんな……こんなのって」

ジュン「……何やってるんだよ」

水銀燈「えっ?」

83: 2009/01/03(土) 19:34:02.58 ID:ya8ytlyo0
雛苺「NON……ともえぇ……しっかりしてぇ……」

巴「ひ、雛苺?わたし……痛……っ!」

真紅「水銀燈。あなた、自分で何をしたか分かっているの」

翠星石「これは……人間の足に、水銀燈の羽が刺さってるですぅ!」

蒼星石(……!)

水銀燈「え?あ、あの……違う」

蒼星石「水銀燈、君は」

90: 2009/01/03(土) 20:28:02.15 ID:SZIc9Z0J0
蒼星石「これが水銀燈のやり方だよ。油断を誘って、一気に攻撃を仕掛ける」

水銀燈「な、何言ってるの……だから年賀状が」

蒼星石「わかりきったことだったよ。ジュンくんが話を合わせてあげただけだったんだ。そうだよね?」

水銀燈「嘘じゃない!お父様の……いいえ、誇り高きローゼンメイデン第一ドールの名に誓って……!」

ジュン「うるさいな!!」

水銀燈・蒼星石「!」

ジュン「怪我人がいるんだぞ……静かにしろよ」

のり「そそそ、そうよね?119番に電話して、それからそれからえっとぉ」

真紅「落ち着きなさい、傷よりもショックの方が大きかっただけよ。今はどこかに寝かせましょう」

ジュン「ああ……」

93: 2009/01/03(土) 20:36:58.60 ID:SZIc9Z0J0
ジュン「水銀燈」

水銀燈「……っ?」

ジュン「前から言おうと思ってた。こんなことになる前に言っておけば良かったよ」

蒼星石(……!)


ジュン「みんな平和にやってるんだ。馬鹿げた戦いに、これ以上僕たちを巻き込まないでくれ」

95: 2009/01/03(土) 20:47:12.24 ID:SZIc9Z0J0
巴「あれ……ここは?」

雛苺「よかったああ!トゥモエー!気がついたのね!」

ジュン「僕の部屋だよ。ごめんな、姉ちゃんの部屋はなんだかふさがってるみたいでさ」

巴「やっぱり……ふふ、桜田君のにおいがする」

ジュン「なっ!何言ってるんだよ!」

巴「冗談よ」

ジュン「……傷。痛むか?」

巴「ううん……でも、困ったな。跡が残ったら」

ジュン「せ、責任取るから」

巴「え?」

ジュン「柏葉がどうなっても、僕が……責任取るよ」

99: 2009/01/03(土) 20:53:06.11 ID:SZIc9Z0J0
真紅「やれやれなのだわ。そうならないように、こうして力を使っているのだから」

翠星石「あまり二人だけの世界を作るんじゃねえですよ」

ジュン「う、うるさいな」

巴「ふふ……」

雛苺「巴、笑ってるの!」

巴「だって……おかしい」

のり「あらあらうふふ」

101: 2009/01/03(土) 21:00:19.53 ID:SZIc9Z0J0
水銀燈「嘘よ……これは現実じゃない……悪い夢……悪い夢」

水銀燈「年賀状……遊びに来てくれって……」

水銀燈「私だけに……」

水銀燈「……」


水銀燈「あのこ」



水銀燈「あの人間が……あの人間がいたから……」

水銀燈「なぁんだ……分かっちゃったあ!!」

103: 2009/01/03(土) 21:06:10.60 ID:SZIc9Z0J0
のり「そう言えば、あの子いないわねえ」

ジュン「あの子?ああ……」

翠星石「しゃーねえですね。翠星石が探してきてやるですか」

巴「それじゃそろそろ私はお邪魔しました」

のり「飽きたのね?」

巴「はい」


111: 2009/01/03(土) 21:25:11.16 ID:Q+Wq0uQu0
ほら、明日早いからそろそろ寝ないといけないし

引用: 水銀燈「ジュンから年賀状が来てないわ・・・」