222: 2014/07/15(火) 19:14:41.02 ID:mCz4RYGr0

絵里「つよくてにゅーげーむ」【1】
絵里「つよくてにゅーげーむ」【2】


絵里(まあこの調子で、行けるところまで行っちゃいましょう)

絵里「まず初めに、あなたたちの柔軟性のチェックをします」

海未「ではことり、前に出てきてください」

ことり「はいっ!」

絵里(わー、素直ねみんな)

穂乃果「みんな! ちょっと待って!」

花陽「え?」

凛「どうしたんですか穂乃果先輩」

真姫「?」

穂乃果「おかしいよ、何かがおかしい……」

絵里(ま、まさか穂乃果……)

海未「……」
ラブライブ!The School Idol Movie

223: 2014/07/15(火) 19:17:09.62 ID:mCz4RYGr0
穂乃果「だってさ、急にダンスコーチが来るなんて変だよ」

凛「……それはそうかも」

真姫「そうかしら? コーチが来るなんて普通のことじゃない」

穂乃果「でもでも! 生徒会長が許してくれるのかな? そんなにお金かかること……」

ことり「前の生徒会長だったら認めてくれなかったかもしれないけど、今なら大丈夫だよ!」

花陽「わ、私もそう思います」

絵里(うん、私も認めるわ)

海未「ど、どうしたんですか穂乃果。急にそんなことを言い出して」

絵里(声が震えてる……海未って演技下手なのね)

穂乃果「だって……いないんだもん」

224: 2014/07/15(火) 19:19:34.63 ID:mCz4RYGr0
海未「いない?」

ことり「いないって……」

絵里(ま、まさか生徒会室!?)

絵里(いや、万が一のために希をポニーテールにしてカーテンの影からうっすら見えるようには細工したはず……)

絵里(私の変装姿が見たいって騒いで大変だったけど)

真姫「誰かがいないのと何の関係があるっていうの?」

穂乃果「……その人が変装してる」

花陽「そ、そんな……」

海未「」

絵里「」

225: 2014/07/15(火) 19:22:39.65 ID:mCz4RYGr0
凛「じゃあその人は……」

穂乃果「うん、そうだよ凛ちゃん」

海未「……」

絵里(あぁ、海未が固まっちゃった)

絵里(……いっそのことここでバレた方がいいのかもね)

絵里(緊張感の話は仕方ないけど、こればっかりはどうしようもないか)

絵里(それに、私のことを見抜いてくれたのがちょっとだけうれしいし……)

絵里「よく見抜いたわね。そうよ、実は私は――――――――」




穂乃果「にこ先輩ですよね!」

凛「にこ先輩にゃー!」



海未「ことり、前に出てきてください」

ことり「はーい」

226: 2014/07/15(火) 19:26:38.77 ID:mCz4RYGr0
真姫「でも、にこ先輩がいないのはどうして?」

穂乃果「えっ、にこ先輩ならここに」

海未「穂乃果は黙っていてください」

凛「あれ、スルーなの? 凛たちの名推理は……」

ことり「凛ちゃん、向こうでことりと一緒に遊ぼっか」

絵里(そういえばにこは用事で今日は抜けるって……でも何の用事なんだろ)

絵里「あら、もう1人メンバーがいるのね」

花陽「はい、先輩が今日は来てなくて」

絵里(みんなには話してないのかしら)

絵里「……海未、あなたは聞いたわよね」

海未「はい。にこはただの用事だと言っていましたよ」

穂乃果「用事なの?」

海未「はい」

227: 2014/07/15(火) 19:29:59.33 ID:mCz4RYGr0
ことり「それなら今日は私たちだけで特訓だねっ」

凛「最初は柔軟性? 凛は瞬発力なら自信あるよー」

真姫「私は別に、信用してるわけじゃないし……」

花陽「ど、どうしよう……緊張してきちゃったぁ」

絵里(みんな全然緊張してない……というか逆にフレンドリーよね)

海未「はて? 私だったら相当緊張するんですが……」

絵里(なぁーるほど)

絵里「ではことりさん、地面に座って、足を広げて上体を倒してみてください」

ことり「はーい」

ことり「……よいしょっと、これでいいですか?」

絵里「うん、ありがとう」

絵里(やっぱりことりは大丈夫そうね)


228: 2014/07/15(火) 19:32:10.66 ID:mCz4RYGr0
穂乃果「わぁ……やっぱりことりちゃん柔らかいね!」

ことり「えへへ、ありがと」

凛「凛もそのくらいぺったりついてみたいにゃー」

花陽「うん、そうだよね」

絵里(この時はみんな、どのくらい柔軟できたかしら……)

海未「では次は真姫、来てください」

真姫「え、私もやるの」

海未「当然でしょう」

真姫「うぅ……苦手じゃないけど知らない人の前でやるのって変な気分」

229: 2014/07/15(火) 19:38:23.24 ID:mCz4RYGr0



絵里(一通り見終わったけど……海未以外のみんな実力は未来の半分もついてない)

絵里(当たり前だけど、みんなこれからどんどん成長していくのよね)

絵里「ふふ」

海未「どうしました?」

絵里「なんでもないわ」

絵里「それじゃ、バランスをとる練習よ。こうやって両手を伸ばして……こうやるの」

凛「わー、それくらいなら凛もできそ……」

絵里「これを左右の足、交互に5分を3セットよ」

凛「……30分耐久フラミンゴ対決?」

花陽「り、凛ちゃん落ち着いて!」

230: 2014/07/15(火) 19:42:14.01 ID:mCz4RYGr0
絵里(あの時の私はムキになってたのもあって、少し時間を長くとりすぎちゃったのよね)

絵里(でもこのくらいならみんな……)

真姫「う……」

花陽「ふぬぬ……」

凛「こ、これはつらいにゃ……」

絵里「……」

絵里「やっぱり10分を3セット」

凛「お、鬼がいる!」

穂乃果「ま、まだまだー!」

絵里「ど、どうしてそんなに体力がないの?」

海未「……ああ、そういえば今朝、なっていなかったのでトレーニングの内容を増やしたんです」

絵里(今のみんなに海未式トレーニングはハードね)

231: 2014/07/15(火) 19:47:17.15 ID:mCz4RYGr0
絵里「じゃあ今日は簡単なものから始めましょう」

穂乃果「そ、そんな! 私たちまだやれます!」

凛「凛も……こんなところで諦めたくない!」

絵里(ふふ、そういうところは変わってないんだから)

絵里「でもね、みんなが体を壊したら大変でしょ? だから今日はちょっとした有酸素運動を中心にするわ」

絵里(海未式は確か腕立てや腹筋なんかのウェイトトレーニングよね。なら柔軟はここで軽めにして……)

海未「そうですね。今の実力を失念していました……すみません」

ことり「い……いいんだよ、海未ちゃん」

真姫「なんで……そんなにしゃべれるのよ……」

232: 2014/07/15(火) 20:03:39.92 ID:mCz4RYGr0




希「もー、えりち、ウチを置いてって……」

絵里「ごめんごめん。でもこの格好で生徒会室に入ったらバレちゃうから」

希「ウチも見たいー。えりちの変装見たいー」

絵里「じゃあ……少しだけね?」

希「やった!」

絵里「私は絢瀬絵里ではなく、さすらいのダンサーエリーよ!」

希「……」

絵里(あ、あれ? 反応がない……)

希「えりちはライトブラウンやなくて金髪が似合うよ」

絵里「あ、うん」

希「メガネだけでいいんよ。ウチ、えりちの髪の毛好きやし」

絵里(知らなかった)

233: 2014/07/15(火) 20:06:35.97 ID:mCz4RYGr0
絵里「じゃあもう1回……」

絵里「賢さの象徴であるメガネ!」

希「今はドジっ子のアイテムでもあるみたいやで」

絵里「えっ」

希「うんうん、黒縁似合うやん。海未ちゃんもよくこんなの持ってたなぁ」

海未「ただのパーティーグッズですよ」

絵里「あら海未、おかえり」

海未「はい、ただいま戻りました。絵里……」

海未「……のんちゃん」

希「……今ウチにはえりちとにこっちというものがありながら浮気しかけるところやった」

絵里(それでも2人いるんだ)

234: 2014/07/15(火) 20:10:42.50 ID:mCz4RYGr0
海未「これからどうしますか?」

絵里「ああ、ダンスレッスンについてよね」

海未「はい。それです」

絵里「たぶんペースはこのままでいいと思うわ。学校説明会にもまだ時間がある時期から始めてるし……」

海未「そうですよね」

絵里「あと海未、あんな過度なトレーニングはもう少し先までお預けよ?」

海未「そうですね……私もなかなかこちらの感覚がつかめずにいるんですよ」

希「何をやらせたん?」

海未「腕立て20回を5セットと……」

希「ウチはマネージャーがいいなぁ」

絵里(正しい反応よね)

235: 2014/07/15(火) 20:14:52.45 ID:mCz4RYGr0
海未「希! そんなことを言っていてはラブライブ出場は夢のまた夢ですよ!」

希「のんちゃん」

海未「のっ……私がどれだけ恥ずかしい思いをしてその言葉を言わなければならないか考えたことがありますか?」

希「ちょっと背伸びするだけでいいんやってー、な?」

絵里「そうねのんちゃん」

海未「絵里まで!」

絵里「ぷぷぷ」

絵里(海未もちょっとはこっちに慣れてきたみたいね)

236: 2014/07/15(火) 20:17:44.61 ID:mCz4RYGr0




にこ「おはよう絵里、希」

絵里「んー、おはよう」

希「あ、にこっち何その袋。もしかしてウチらにプレゼント?」

にこ「そうよ」

希「なーんて、知ってるよ。にこっちがプレゼントなんて……え?」

にこ「あんたたちには世話になったからお礼。とくに絵里はヤマを当ててくれたし」

絵里(あれは知っていた打明けだから、あんまり気にしないでほしんだけど……まあいいか。受け取らないわけにはいかないしね)

希「わぁー、うれしい! これ開けてもいい?」

にこ「いいわよ」

237: 2014/07/15(火) 20:21:11.41 ID:mCz4RYGr0
絵里「私も開けていい?」

にこ「絵里はダメ」

絵里「なんで!?」

にこ「嘘よ。開けてみて」

絵里「わーい」

希「……こ、これは」

絵里(こ、これは!?)




希「焼肉の……タレ?」

絵里「チョコ!」

238: 2014/07/15(火) 20:23:50.88 ID:mCz4RYGr0
希「に、にこっち……これは」

にこ「あんた焼肉が好きだって言ってたから」

希「それは違うやろー! こんなかわいらしいラッピングの中からこんな香ばしい……じゅるり」

にこ「それは冗談でクッキー渡そうと思ったんだけど満足してるみたいだからいらないわね」

希「いるいる。それとこれとは別腹やで」

絵里(チョコレート……手作り……)

絵里「バレンタインにはまだ早いわよね?」

にこ「違う。そういう意味じゃないから」

239: 2014/07/15(火) 20:29:08.03 ID:mCz4RYGr0
絵里「今日は練習来るのよね?」

希「……っていうかこれ作ってたから昨日休んだんと違う?」

にこ「……べ、別にあんたたちの為じゃないんだから!」

絵里「あ、にげた」

希「ツンデレ……にこっちかわいい!」

絵里(なんだか未来のにこより照れ屋さんというか……なんでかしら?)

絵里「今日は生徒会の仕事は特にないし、私だと勘違いされる理由も少ないだろうから……練習見に来る?」

希「10秒に1回はウチの方見てくれるならいいよ」

絵里「ええっ!?」

希「えりち、そろそろ冗談に気付かな」

240: 2014/07/15(火) 20:34:22.80 ID:mCz4RYGr0




絵里「さあ、今日も練習を始めましょう」

花陽「はいっ!」

ことり「はい!」

絵里(……あれ? 花陽のおでこ、に……絆創膏?)

真姫「花陽、おでこどうしたの?」

花陽「えっ? あ、こ、これはね……」

凛「かよちんが朝からお寝坊さんで、急いで着替えてたら足がもつれて転んじゃったの」

花陽「り、凛ちゃん! 言わない約束だったのにぃ……」

凛「あ、ごめんかよちん」

絵里(なんだ、大したケガじゃないならよかったんだけど)

絵里「初めは昨日みたいに各自ストレッチからよ」

穂乃果「はい!」

241: 2014/07/15(火) 20:39:37.85 ID:mCz4RYGr0
にこ「し、しんどい……」

絵里「……にこ先輩は昨日休みましたからね、なんちゃって」

にこ「ちょ、耳元で囁くのやめなさいよ」

絵里「あ、チョコおいしかったわよ」

にこ「いきなりプライベートな話をするんじゃない!」

穂乃果「どうしたの? エリーさんとにこ先輩、親しげですけど……」

にこ「あ、あぁ。姿勢がずれてるって注意されただけよ」

絵里(穂乃果ってこういう時だと鋭いのよね……あのラブライブの時はもっと切羽詰った感じで――――――――)

絵里(あれ? もしかしたら、私ならその未来を変えられるんじゃ……)




絵里(ラブライブに出場できる――――――――?)

242: 2014/07/15(火) 20:43:25.86 ID:mCz4RYGr0
絵里「……」

にこ「絵里、どうしたのよ」

絵里「え? いや、なんでもないわ」

絵里(そうか、私なら止められる)

絵里(未来を変えることが……できる)

絵里「みんな、ラスト5分頑張って!」

ことり「はい!」

真姫「はい」

花陽「はいっ!」

海未「花陽、少しバランスが良くなったのではありませんか?」

花陽「本当……ですか? それだとうれしいなぁ……」

にこ「朝は転んだ分、今はバランスよくなったんじゃないの」

花陽「ええっ!?」

244: 2014/07/15(火) 20:47:56.64 ID:mCz4RYGr0
希「やー、みんながんばってるなぁ」

穂乃果「の、希……先輩!」

海未「どうしたんですか?」

希「みんなにスポーツドリンクの差し入れやでー」

凛「やったにゃー! っとと、転ぶとこだった」

真姫「あと4分……くっ」

絵里(昨日は疲労もあったせいでふらふらだったけど、今はだいぶしっかりしてるわね)

絵里(これなら本当にラブライブに……ううん、今は学校説明会のことだけ考えなくちゃ)

希「ふーん、そんな風に練習するんやね……」

245: 2014/07/15(火) 20:51:01.65 ID:mCz4RYGr0



絵里「よし、今日の練習はここまでよ! みんなお疲れさま!」

穂乃果「ありがとうございました!」

ことり「ありがとうございましたっ!」

凛「あ、ありがとうございましたぁ……」

真姫「はぁ、はぁ……ました……」

海未「ありがとうございました」

花陽「ありがとうございました!」

にこ「」

希「にこっちー、生きてるー?」

にこ「……かろうじて」

246: 2014/07/15(火) 20:54:03.94 ID:mCz4RYGr0
絵里(まずは生徒会室に戻って……結局仕事が出てきたし、あれを片付けないと)

絵里「じゃあまた明日ね。あそれと、今日は早めに寝なさい」

凛「凛は言われなくても早く寝るにゃー……」

真姫「そうね……はぁ」

絵里(ふふ、みんないい感じに疲れてるわね。睡眠もばっちりとれそうでいいじゃない)

希「エリーさん、ドアを開けておきました」

絵里「ありがと」

希「……えりち、ドア閉めたよ」

絵里「うん。希、戻るわよ」

希「はいはーい」

247: 2014/07/15(火) 20:56:55.85 ID:mCz4RYGr0
絵里「まずはあの資料を適当にまとめないと」

希「うん、ウチも気が向いたら手伝う」

絵里「気が向かずとも手伝うの」

希「えへへー、わかってるって」

絵里「うーん、運動した後は結構気持ちいわいね」

希「あれ? えりちも動いてたん?」

絵里「まあみんなのサポートをしてたらそれなりに、ね」

希「そうなんや」

248: 2014/07/15(火) 21:00:03.28 ID:mCz4RYGr0
絵里「あー、生徒会室は涼しいわね」

希「風通しがいいんやろうね。風水的にも」

絵里「あら、希は風水もできるの?」

希「なんとなくかなー」

絵里「あはは、それじゃダメなんじゃないの?」

希「たぶん四方八方に招き猫を置けば金運上がると思うで」

絵里「それはそれで怖いわよ」



花陽「あのっ、すみません! 小泉花陽です!」

249: 2014/07/15(火) 21:02:56.07 ID:mCz4RYGr0
絵里(花陽? どうしたのかしら)

花陽「せ、生徒会長さんいますか?」

絵里「はいはい。開いてるから入ってちょうだい」

花陽「失礼します」

希「そんなに声出さんでも聞こえるよー」

花陽「すみません……」

希「あ、怒ったわけやないんよ」

絵里「それでどうしたの? 何か落し物かな?」

絵里(落し物……花陽の落し物っぽいものは届いてないけど)

250: 2014/07/15(火) 21:05:31.97 ID:mCz4RYGr0
花陽「私、生徒会の仕事をお手伝いしたくて!」

絵里「え?」

絵里(仕事を……?)

花陽「生徒会長さんがμ'sに入ってくれないのは、きっと仕事が忙しいからだと思って……」

絵里(あ、そっか。海未が全然音沙汰なしだったからそういうことに……)

希「なあえりち、そういうことにしてた方が加入しやすいんと違う?」

絵里「そうね。うん、それがいいわ」

絵里「ありがとう小泉さん、人手不足で困ってたのよ。是非とも手伝ってほしいわ」

花陽「あ、ありがとうございます! がんばります!」

258: 2014/07/16(水) 21:28:46.79 ID:6xsAjb/h0




絵里(最近は順調ね。うんうん)

絵里(ダンスレッスンもうまくいってるし、花陽のおかげで仕事も捗るし)

絵里(これで後はさりげなくメンバーに入れたら……)

絵里「希、にこ。おはよう」

にこ「おはよ」

希「おはようえりち。今日もいい笑顔やね」

絵里「あ、また笑ってた?」

にこ「幸せを振りまいてどうするのよってくらいね」

絵里(き、気を付けなきゃ)

259: 2014/07/16(水) 21:32:44.93 ID:6xsAjb/h0
絵里「今日は1時間目何だっけ」

希「数学やったよ」

にこ「あー、期末終わったのになんで授業があるのかしらね」

絵里「夏休みの課題を出す期間がいるのよ、きっと」

にこ「うわー、いらなーい」

絵里「じゃあみんなで宿題を早く片付けてしまう会、みたいなのする?」

にこ「……する」

希「やっぱりみんなと一緒なら何でもいいんやねー。にこっちかわいい」

にこ「うるさい」

260: 2014/07/16(水) 21:36:34.94 ID:6xsAjb/h0
希「でもえりち、結局学校説明会はμ'sのみんなにやってもらうんやろ? 理事長とかに言った?」

絵里「ああ、それはもう済ませたわよ」

絵里(海未の指摘で思い出したんだけどね)

にこ「え? 私何も聞いてないけど」

絵里「たぶん今日くらいに海未と花陽から伝えられると思うわ」

にこ「なんで花陽も?」

希「最近生徒会の仕事手伝ってくれるんよ」

にこ「へー……あの子もそんな体力ついたんだ」

絵里「え?」

261: 2014/07/16(水) 21:39:52.54 ID:6xsAjb/h0
にこ「だってあんたたちの仕事を手伝うのって、練習が始まる前か後のどっちかでしょ?」

絵里「あ」

希「……本当や。ウチそんなこと全然……」

にこ「凛や海未はともかくとして、花陽は結構いっぱいいっぱいなんじゃないの?」

絵里(そうか、このころの花陽はすごく体力が低かったわよね……)

絵里「うん……でも花陽が生徒会を手伝いたいって言ってくれるのを退けるのは、ちょっと気が引けるかも」

にこ「そこはアレよ。なんか言いくるめればいいのよ」

希「そんな、にこっちやあるまいし」

にこ「どういう意味よ!」

262: 2014/07/16(水) 21:42:35.88 ID:6xsAjb/h0




花陽「この表はここで……こうして……」

絵里(また花陽は練習の後に仕事に付き合ってくれてる)

絵里(うーん、やっぱり心配ね……何て切り出そうかしら)

絵里「……」

絵里(にこにはああ言われたけど、やっぱり私には直球しか投げられないわね)

絵里「ねぇ小泉さん。つらくはないの?」

花陽「え?」

絵里「あ、変なこと聞くようでごめんなさいね。ただ練習の後にこうして仕事を手伝ってくれるのは……」

263: 2014/07/16(水) 21:45:29.63 ID:6xsAjb/h0
花陽「え? あ、大丈夫ですよ。最近はエリーさんのダンスレッスンのおかげで体力が付きましたから!」

絵里(うわぁ、すごくうれしい)

絵里「そう? あまり無理しないでね。学校説明会にはあなたも出てもらうんだから」

絵里(……よく考えたら私、この手前くらいにはμ'sに加入してたわよね)

絵里(うう、これってとっても不味い気がするわ)

花陽「生徒会長? どうしたんですか?」

絵里「あ、ううん、なんでもないの」

絵里(うーん、何かいい策は……うーん)

264: 2014/07/16(水) 21:50:08.10 ID:6xsAjb/h0
花陽「あの……」

絵里「え? 何?」

花陽「生徒会長がμ'sに入ってくれないのは、やっぱりお仕事が忙しいからですか?」

絵里(……いいえ、そんなことない。なんて言ったら入れるんでしょうね)

絵里(でもそれをするとエリーとしてダンスコーチができなくなる)

絵里「まあそんなところかもね。廃校を阻止するためには生徒会としての活動も重要だから」

絵里(ああああ、ここで仲間に入れてほしい、なんて言えたらどれだけ楽かしら)

花陽「そう……ですよね」

絵里「あ、いや。いつもはそんなことないのよ。でも最近は希がこの時間になったら用事でいなくなっちゃうから……」

絵里(しまった。これじゃ花陽にもっと無理させちゃうことになる……)

265: 2014/07/16(水) 21:54:41.37 ID:6xsAjb/h0
花陽「私、なるべく早く生徒会長にμ'sとして活動してもらいたいんです」

絵里「……それはどうしてかしら」

絵里(花陽、何でそんなに深刻そうな顔を……?)

花陽「それは――――――――生徒会長がやりたいことをできないんじゃないのかもしれない、と思ったので」

絵里(鋭い)

絵里「その私のやりたいことって言うのが、μ'sに入って活動したいということだと思っているわけね?」

花陽「え、あ……はい。今の生徒会長は何かと私たちを気にかけてくれているみたいなので、もしかしたら、と」

絵里(……花陽にしては強気な意見だわ。確信させるほど私の本心ってわかりやすかったかしら?)

絵里(まあ隠していてもどうしようもないし、少しだけ教えるのもいいかもね)

絵里「そうよ。私はμ'sに入りたいわ」

268: 2014/07/16(水) 22:00:46.94 ID:6xsAjb/h0
花陽「やっぱり――――――――」

絵里「でもできない理由は、生徒会の仕事が忙しいからじゃないの」

絵里(ダンスコーチとしてみんなに緊張感を持ってもらうこと)

絵里(それに海未と私の秘密がバレにくくするために)

花陽「それはっ、生徒会の仕事が片付けばすぐに終わることでしょうか」

絵里「ううん、そういうものじゃないの」

花陽「……そうですか」

絵里(花陽は本当に優しいのね)

花陽「でも私は生徒会の仕事を手伝うことをやめたりはしません」

花陽「生徒会長のお役にたちたいんです。私たちのために手を尽くしてくれる生徒会のために」

絵里「ありがとう。本当に助かっているわ」

絵里(私も今、花陽がいなくなったら困るからねぇ……)

269: 2014/07/16(水) 22:03:27.49 ID:6xsAjb/h0
花陽「あ、あと、生徒会のこととは関係ないんですけど……」

絵里「何?」

花陽「生徒会長のこと……え、絵里先輩、と呼んでもいいでしょうか?」

花陽「あっ、ダメならダメで構わないんです!」

絵里(……かわいい。心の底から癒されたわ)

絵里「もちろん大丈夫よ。好きに呼んでくれていいわ」

花陽「ありがとうございます!」

絵里「じゃあその代わり、私もあなたのことを花陽、と呼んでもいいかしら?」

花陽「はいっ、絵里先輩!」

270: 2014/07/16(水) 22:07:36.11 ID:6xsAjb/h0




絵里(あぁ、今日はかなり仲が進展したと見て間違いないわね)

絵里(これで気兼ねなく花陽って呼べる……ふふふ)

絵里「あ、そうだ。希はこのあたりでバイトしてるんだっけ。行ってみようかしら」

絵里(巫女さんだったわよね。あんな美人ならすぐ見つかるはず……)

絵里「えーと、確かこっちのはず……」

271: 2014/07/16(水) 22:09:43.66 ID:6xsAjb/h0
希「いーち、にー、さーん……」

絵里(巫女姿で片足立ちしてる)

絵里「……希?」

希「うひゃあ!?」

希「ってえりち、驚かさんといてよぉ」

絵里「何してたの?」

希「え? 見てわかるやろ?」

絵里(さっきまでしてた片足立ちのことかしら? でもあれって……)

272: 2014/07/16(水) 22:12:20.91 ID:6xsAjb/h0
絵里「もしかして、私の特訓のメニュー?」

希「ぴんぽんぴんぽん! 大正解!」

希「ウチもダンスは得意なんやけど、こういう柔軟ってあんまりしたことなくて」

絵里「だから見よう見まねでやってたわけね」

希「うん、だってえりちがμ'sで活躍することになったら、ウチが足引っ張ってられないやろ?」

絵里「もう、希ったら……」

絵里(もしかしたら未来の希も、こうして練習してたのかも)

273: 2014/07/16(水) 22:17:05.09 ID:6xsAjb/h0
希「みんなには内緒やで?」

絵里「仕方ないわね」

絵里(……でも)

絵里「角度が甘いわ。もっとこうよ、こう!」

希「え、そんなに傾くん?」

絵里「そうそう。そんな感じ」

希「ちょ、ちょっとつらい……」

絵里「そのくらいでちょうどいいの。終わるまで掃除は私が代わってあげる」

希「そ、それはそれで嫌やー!」

274: 2014/07/16(水) 22:20:46.42 ID:6xsAjb/h0
――――――――――――――――

希「えりち、ただいま」

絵里「希……角度」

希「角度?」

絵里「角度……かく……」

希「うーん、なんのことやら」

希「まああっちもあっちで無事にできたみたいやし、これで大丈夫やね」

275: 2014/07/16(水) 22:24:00.74 ID:6xsAjb/h0
希「そうや、えりちに昔話をしてあげましょう」

絵里「……くぅ」

希「まあ寝てるし、ウチの自己満足みたいなものやからいいよね?」




希「えりち、昔はウチがμ'sにつけてた名前はμ'sやなかったんよ」

希「それに、ウチが名前を付けてなかった頃もあった」

希「μ'sが9人っていうのは、ウチが思いついただけの――――――――そう、偶然の産物なんよ」

――――――――――――――――

276: 2014/07/16(水) 22:26:28.61 ID:6xsAjb/h0




絵里「うー、眠い」

希「ウチもー」

海未「朝からどうしたんですか。話があると言うから生徒会室まで来たんですよ?」

絵里「だって希の角度が」

希「えりちがスパルタやって」

海未「?」

絵里「まあそれはいいとして、昨日花陽と仲良くなれたのよ」

海未「花陽と? 生徒会の仕事の手伝いの延長で、ですか?」

絵里「違う違う。そんなに事務的なものじゃなくて」

277: 2014/07/16(水) 22:28:47.40 ID:6xsAjb/h0
希「そういえば昨日のえりち、はしゃいでたもんなぁ」

絵里(まあ嬉しかったからね……実際花陽とは一番距離があると感じてたし)

海未「具体的にはどのような感じで仲良くなったんですか?」

絵里「名前で呼び合うくらいにね!」

希「ああ、言ってたなぁ」

絵里「希半分寝てたじゃない」

希「だってハードやったもん」

278: 2014/07/16(水) 22:33:55.34 ID:6xsAjb/h0
海未「それはだいぶ現代、というか未来に近づいてきましたね」

絵里「ええ、あとは先輩っていうのを外してもらえれば……完璧よ」

希「えりち先輩?」

絵里「ダメダメ、ちゃんと呼びなさい」

希「ち先輩」

絵里「本体消えたわよ!」

海未「ふふ、絵里は生き生きしていていいですね」

絵里(希にもそんなこと言われた気がする)

279: 2014/07/16(水) 22:38:24.40 ID:6xsAjb/h0
海未「今日もコーチ役をやってくれるんでしょう? 楽しみにしていますよ」

絵里「あらあら、そんなこと言って実は海未もつらくなってきたんじゃない?」

海未「いえ、きちんと個別にトレーニングは行っていますから」

希「真面目やね」

絵里「真面目だわ」

海未「こ、これくらい普通ですよ!」

絵里「真面目だわ」

希「真面目やね」

海未「だから当たり前だと……まさか絵里、個別のトレーニングをしていないわけではないでしょうね?」

絵里「し、してます!」

絵里(ちょっと軽くしてるけど……)

280: 2014/07/16(水) 22:45:14.67 ID:6xsAjb/h0
絵里「あ、そうだ海未。学校説明会についての注意事項はみんなに説明した?」

海未「はい。というか1度やりましたし」

絵里「そうね。だけどステージの位置が少しずれるからその説明を放課後にするわ。今日大丈夫?」

海未「はい、もちろんです。練習終わりにまた会いましょう」

絵里「うん、ありがと」

希「ウチらも教室戻ろっか。きっとにこっちが涙目で探してるで」

絵里「あはは」

にこ「や、やっと見つけた……!」

海未「うわぁ!?」

絵里「に、にこ?」

にこ「私も呼びなさいよ!」

希「あらら、にこっち本当に涙目や」

にこ「うるさい!」

281: 2014/07/16(水) 22:51:35.61 ID:6xsAjb/h0
絵里「ごめんねにこ、1人にしちゃって」

にこ「違うわよ! まだ来ないから遅刻するんじゃないかと……」

希「にこっちが来るの遅かったから先に行ってたんよ。今度から待つで」

にこ「だーかーら」

海未「にこ」

にこ「海未からも何とか言って……」

海未「すみません、私も気が利かずに」

にこ「うがー! 違うって言ってるでしょ!」

絵里「チョコあげる」

にこ「そんなもので釣られるか!」

絵里(これが反抗期なのね……)

293: 2014/07/17(木) 21:51:41.55 ID:WE0Pfa1u0




絵里「海未、お待たせ」

海未「わざわざ練習を休みにしなくてもよかったのですが……」

絵里「ダメよ。今日は休養日なんだから」

海未「誰が決めたんですか?」

絵里「わたしです」

海未「ふふ、μ'sにまだ入ってないのに」

絵里「い、痛いところを」

294: 2014/07/17(木) 21:55:13.56 ID:WE0Pfa1u0
海未「それでステージの位置の変更はどのあたりですか?」

絵里「うん、少し手前に動くのよ。7人だとステージが小さくていいからね……」

絵里「……小さくて」

海未「自分で言っておいて落ち込まないでください」

絵里「でも……」

絵里(だってまだ加入できてないもん……)

海未「考えてることはわかりますよ。だからと言って焦っていても仕方がないでしょう?」

絵里「そうね。そうよね……」

海未「私も何とか学校説明会に間に合うように、加入を催促したりしてみますから。うまく渋ったり……とりあえず演技を頑張ってください」

絵里「演技って」

海未「すんなり加入したらそれはそれで変でしょう」

絵里(まあそうなんだけどねぇ)

295: 2014/07/17(木) 21:57:30.55 ID:WE0Pfa1u0
海未「それと少し、話は変わりますが構いませんか?」

絵里「いいわよ」

海未「……今日は花陽は来ませんか?」

絵里(えーっと、練習は休みだ、って言ったらもともと用事で来られないとか言ってたっけ……)

絵里「用事でもともと練習に出る気はなかったらしいし、おそらく来ないわ」

海未「そうですか。では……」



海未「花陽はもしかすると、おまじないを実行しているのかもしれません」

296: 2014/07/17(木) 21:59:52.10 ID:WE0Pfa1u0
絵里「え? 花陽が?」

絵里(花陽が後悔? でもそんなの言ってなかったわよね?)

海未「はい、花陽の動きは格段に良くなっています」

海未「それに何より、生徒会の仕事を手伝い始めたのが疑問です」

絵里「でもそんな――――――――」



『やっぱりお仕事時間かかったみたいだね……手伝った方がよかったよね』



絵里「……あ」

海未「思い当たるフシがありましたか」

297: 2014/07/17(木) 22:03:41.60 ID:WE0Pfa1u0
絵里「で、でも花陽は倒れたりしなかったわよ?」

海未「何も私たちの前で起こっているとは限らないでしょう」

絵里(そういえばそうね。確かにいつ起こってもおかしくはないはず)

絵里(でも人が倒れるなんて重大なこと、誰かが見逃すはずがない)

絵里「なら誰かがきっと目撃して――――――――」



『かよちんが朝からお寝坊さんで、急いで着替えてたら足がもつれて転んじゃったの』



絵里「まさか……」

海未「……クロ、確定ではないのですか?」

絵里「く、クロって、何も犯罪者じゃあるまいし」

海未「言ってみたかっただけですよ」

298: 2014/07/17(木) 22:07:16.00 ID:WE0Pfa1u0
絵里「でも仮にそうだとして、どうやって確かめればいいのかしら」

海未「ここはもうストレートに言ってしまっていいのではないでしょうか」

絵里「なんで?」

海未「こちらからおまじないの話を切り出せば、花陽の警戒心は解けるはずです。おそらく彼女は私たちがこちらにいることを知りません」

絵里(……そうかもね)

絵里「じゃあ明日、生徒会の仕事に付き合ってもらう時に聞いて見るわ」

海未「はい、お願いします」

絵里(でも花陽の後悔って何なのかしら。生徒会の仕事を手伝いたいだけとは思えないんだけど)

絵里「あ、そうだ海未」

海未「なんですか?」

絵里「海未の後悔って……何?」

300: 2014/07/17(木) 22:09:57.18 ID:WE0Pfa1u0
絵里「あ、もちろん話したくなかったら話さなくて……」

海未「いいえ、特に話してしまって問題はありません」

絵里「そうなの?」

海未「きっとあなたにもわかるはずですよ。絵里」

絵里(私にわかるはず?)

海未「はい」

絵里「何だろう……あ」

絵里「ことりの留学関連、だったりする?」

海未「それで正解です」

絵里(やっぱり)

302: 2014/07/17(木) 22:12:06.86 ID:WE0Pfa1u0
海未「ただ、それだけではないんです」

絵里「?」

海未「私がもっとしっかりしていればよかった、と」

海未「私は穂乃果を混乱させ、ことりの思いをいたずらに揺らして……」




海未「結局は適当な理由をつけて、ことりを助けてもらうのに穂乃果を利用したんですよ」


304: 2014/07/17(木) 22:13:24.11 ID:WE0Pfa1u0
>>301
してる
「」と間違えてます すまぬ

305: 2014/07/17(木) 22:15:59.47 ID:WE0Pfa1u0
絵里「ち、違う! 海未だってあの時は追い詰められていたでしょ!?」

海未「だとしても結果は同じです。穂乃果に任せてしまったんです」

絵里(ああ、なんて言えばいいのかしら……こういう時は――――――――)

絵里「違う、海未は……海未だけのせいじゃない」



絵里「それなら気付かなかった私だって同罪よ!」



海未「……絵里」

絵里「だから自分だけを責めないで。海未、お願いだから……」

海未「すみません、そうですね……少し滅入っていたようです」

306: 2014/07/17(木) 22:19:17.83 ID:WE0Pfa1u0
絵里(うん、これでいいのよね。海未たちだけの問題じゃないもの)

海未「ですがやはり、私の後悔はそれなんです」

海未「自分はあの時何もできなかった。そんな風に思えるんですよ」

絵里「……私も海未を手伝うわ」

海未「え?」

絵里「2人ならきっと、なんとかできるはずよ」

海未「……ありがとうございます」

絵里「ううん、困ったときはお互い様でしょ?」

海未「はい、そうですね。私も絵里がμ'sに入れるよう協力しますから」

絵里「ありがと」

307: 2014/07/17(木) 22:23:32.02 ID:WE0Pfa1u0
花陽「あのぉ……誰かいますか?」



絵里「!」

海未「花陽が来ましたよ……!?」

絵里(な、なんで? 今日は用事って言ってたのに……)

海未「……でもこれは、おまじないを行ったかどうか調べるいい機会ではありませんか?」

絵里「そっか……うん、じゃあ海未、ここにいてね」

海未「はい」

絵里「……花陽、どうしたの?」

花陽「あ、絵里先輩! 入ってもいいでしょうか。昨日忘れ物をしちゃってて」

絵里「いいわよ、入ってちょうだい」

花陽「ありがとうございます」

308: 2014/07/17(木) 22:26:56.98 ID:WE0Pfa1u0
花陽「あれ? 海未先輩?」

海未「はい。絵里に用事があったので」

花陽「……絵里先輩を呼び捨て? あれ? そんなに仲が良かったんですか?」

絵里(海未はもう聞く気満々みたいね。私も乗らなきゃ!)

絵里「そうよ、先輩禁止って言ったじゃない」

花陽「先輩……禁止」

海未「……」

絵里(さあ、花陽はどう出るのかしら)





花陽「で、でも! 先輩を呼び捨てにするのは……」



海未「えっ」

絵里「あ、あれ?」

絵里(思ってた反応と違う……)

309: 2014/07/17(木) 22:30:25.91 ID:WE0Pfa1u0
絵里(いや、海未の見立ては間違ってないはず。このまま疑問をぶつけてみれば……)

絵里「は、花陽。最近体力がついてきたみたいだけど、どうしてかしら?」

花陽「それは……」

海未「それは?」

花陽「……朝ごはんを我慢せずに、おかわりするようにしたんです」

海未「お、おかわり?」

花陽「太っちゃうのが嫌だったんですけど、やっぱりちゃんと食べなきゃ、と思って……」

花陽「でもそのおかげでダンスレッスンについて行けるようになったんです」

絵里(なん……だと)

310: 2014/07/17(木) 22:33:35.29 ID:WE0Pfa1u0
海未「じゃあ生徒会の仕事を手伝っていたのは?」

花陽「だってエリーさんって、絵里先輩ですよね?」

絵里(バレてた!?)

海未「」

絵里(海未が放心状態だわ)

絵里「そんなにショック受けなくても」

海未「……絶対にバレない自信があったのに」

絵里「じゃあ花陽はそのレッスンをつける代わりに、仕事を手伝ってくれてたの?」

花陽「はい、お世話になっているからそれくらいは」

絵里「……ってことは花陽は」

海未「こちらの世界の人……」

花陽「?」

311: 2014/07/17(木) 22:37:42.38 ID:WE0Pfa1u0



絵里「希……」

希「わ、どうしたんえりち。がっかりって顔してるけど」

絵里「軸がブレたわよ」

希「うう、厳しいなぁ」

希「で、何かあったん?」

絵里「花陽に正体がバレてた」

希「ええ!? 未来から来てたって?」

絵里「違う。エリーさんの方」

希「ああ、なら納得やね」

絵里「な、なんで!?」

312: 2014/07/17(木) 22:40:24.00 ID:WE0Pfa1u0
希「あんなメガネとウィッグだけで、えりちの可愛さがごまかせるわけないやろー?」

絵里「……そうだったのね」

希「えっ、ツッコミは……」

絵里「何だか自信なくしたのよ」

希「変装の?」

絵里「変装の」

希「それ、いる?」

絵里「いるわよ! だってスクールアイドルだってバレたら大変なのよ?」

希「なんかにこっちみたいなこと言うなぁ。仲良しさんなんやね」

絵里(大変なことになったことはないけど、きっとこれからなるはずなのよね。たぶん)

313: 2014/07/17(木) 22:45:18.21 ID:WE0Pfa1u0
希「それでえりち。明日からどうするん?」

絵里「え? 明日って?」

希「いや、あと3日で学校説明会やろ? 練習メニュー強化したりするんかなぁって」

絵里(そうね、土日を挟んで学校説明会だし気が抜けないわよね。ダンスも完璧になってきたし後は……)

絵里「……3日?」

希「うん」

絵里「……私まだ、μ'sに入ってない」

希「あ」

314: 2014/07/17(木) 22:47:19.75 ID:WE0Pfa1u0
絵里「説明会だから月曜日は午前中だけよね? ね?」

希「え、えりち落ち着いて! ウチ転ぶ! 転ぶから!」

絵里(どうしよう……土日で加入? それとも月曜の午前……違うわ、私が加入したのはもっと前だった気が……)

絵里「めちゃくちゃ出遅れてるじゃない!」

希「えりち待って、深呼吸や!」

絵里「人工呼吸!?」

希「ちがーう!」

315: 2014/07/17(木) 22:50:37.51 ID:WE0Pfa1u0




絵里「……今日は学校説明会よ。みんながんばってね」

希「えりちはこんなやから、みんながんばってな?」

穂乃果「せ、生徒会長、大丈夫なんですか?」

凛「なんだかぐったりしてるにゃー……」

真姫「私たちの出番の前に倒れちゃいそうで怖いわ」

ことり「生徒会長、あんまり無理しないでくださいね?」

絵里「うん、大丈夫よ……」

絵里(結局穂乃果たちの完璧な7人版ダンスポジションを急に変えるわけにもいかないし、私はμ'sの加入に失敗してしまった)

海未「すみません……」

絵里「ううん、いいのよ」

316: 2014/07/17(木) 22:53:51.47 ID:WE0Pfa1u0
にこ「もうちょっとしゃきっとしなさいよ」

絵里「しゃきしゃき」

にこ「このもやしっ子!」

希「にこっちも怒り方が雑になってきてるで」

花陽「絵里先輩! 私たち、絵里先輩の分も頑張ります。だから見ててくださいね」

絵里(うぅ……花陽がかわいい)

希「ほらえりち、みんな見に来てるよ」

絵里(……そうね)

絵里「うん、もう大丈夫よ」

ことり「わ、すごい! 普段の表情に戻った!」

凛「生徒会長パワー?」

希「えりちは強がりやからね。こういうの得意なんよ」

絵里「希、余計なこと言わない」

希「はーい」

318: 2014/07/17(木) 23:03:41.38 ID:WE0Pfa1u0
絵里「この度、音乃木坂学院は廃校の危機を――――――――」






絵里「希! 見て見て、穂乃果たちのステージがこんなに近いわ!」

希「うん、えりち。スピーチの時と変わりすぎ」

絵里(そういえばこのライブをここで見るのは初めてね。私はこのころからμ'sのステージに立ってたんだっけ)

絵里(……この視点も悪くないわね)

絵里「……あとはいつ入るかなんだけど」

希「カードは言うてるよ、もうすぐやって」

絵里「希が言うならそうよね」

希「おお、ついにえりちもウチの占いを信じてくれるように……ってそっか。えりちもう素直やもんね」

319: 2014/07/17(木) 23:06:56.96 ID:WE0Pfa1u0
絵里「ていうか希、屋外でもカード使えるのね」

希「大事なのは何を占いたいか想像してめくることなんよ?」

絵里「そうなんだ」

希「うん」

絵里「あれ? でももうすぐって何かイベントあったかしら」

希「えりち、覚えはないん? 何か大きな出来事の途中で入れる、って出てるで」

絵里(大きなイベント? イベント……)





絵里「……合宿?」

327: 2014/07/18(金) 21:21:31.42 ID:IAZjWvi40



絵里「……」

希「え、えりちどうしたん? なんていうか悪い気が漂ってる感じやけど……」

絵里「これからね、みんなは合宿に行くのよ」

希「そうなん?」

絵里「うん」

絵里「うぅぅ……」

希「ちょ、ちょっとえりち!? なんで泣くん!?」

絵里「だって私μ'sのメンバーじゃないもの……一緒に行く理由がないじゃない」

絵里(お留守番なんて……お留守番)

328: 2014/07/18(金) 21:25:59.30 ID:IAZjWvi40
希「で、でも学校説明会はいい感じやったやん?」

絵里「そうね。廃校は阻止できそう」

希「うん、そうやろ?」

絵里「でも合宿行けない」

希「うう……それは……そうや、みんなにどうにか掛け合ってみたら?」

絵里「なんていえばいいのかしら……みんな聞いてくれるかしら」

希「よしよし。えりちはみんなのために頑張ってるやろ? みんなもちゃんと気付いてくれるって」

絵里「そうかなぁ……」

絵里(そうだといいんだけど……でもどうやってついて行けばいいのかしら)

希「えりち、何の前触れもなくウチに抱き着いてるけど、これを見られたら色々誤解されるで?」

329: 2014/07/18(金) 21:27:40.98 ID:IAZjWvi40
絵里「だって心配で……」

希「大丈夫やって。カードもそう告げてるし」

絵里「なんて?」

希「いいことあるよーって」

絵里(……なんか抽象的)

希「抽象的やと思ったやろ?」

絵里「ぎくっ」

希「でも占いってそんなものやで」

330: 2014/07/18(金) 21:30:36.67 ID:IAZjWvi40
穂乃果「生徒会長、副会長! お話があります!」

希「ほら、ウワサをすれば……」

絵里「え? 何の話かしら」

希「えりち、鈍感すぎる」

絵里「?」

希「とりあえず入れてあげよう」

絵里「あ、そうね。はーい、どうぞー」

331: 2014/07/18(金) 21:34:46.39 ID:IAZjWvi40
花陽「こんにちは」

絵里「こんにちは」

希「こんにちはー、って今日は珍しいメンバーやね」

真姫「……」

穂乃果「ほら、真姫ちゃんから言っちゃってよぉ」

真姫「わ、わかってるわよ……」

絵里(真姫? どうしたのかしら、顔が赤いけど……)

332: 2014/07/18(金) 21:38:33.50 ID:IAZjWvi40
真姫「合宿の許可をいただきに来ました」

絵里「ああ、そのことね」

絵里(やっぱり誘われないかぁ……)

希「えりち、顔に出てる」

絵里「きりっ」

希「うん、それで大丈夫」

絵里「許可ね。許可を出すからこの申請用紙に……」

真姫「……この度は生徒会長と副会長のお世話になりました」

絵里「え?」

絵里(どうしたのかしら急に)

333: 2014/07/18(金) 21:42:45.46 ID:IAZjWvi40
真姫「…………」

穂乃果「真姫ちゃん頑張って」

花陽「頑張ってぇ」

真姫「わ、わかったってば」

希「ふむ、なるほど……」

絵里(希は何かわかったみたいね)

真姫「だから……その……」



真姫「合宿に同伴してもらえませんか」

334: 2014/07/18(金) 21:52:06.08 ID:IAZjWvi40
絵里「ど……同伴!?」

絵里(同伴……ってことは)

絵里「合宿について行っていいの?」

花陽「はい、真姫ちゃんが成長した姿を見てほしいって」

真姫「は、花陽!」

穂乃果「真姫ちゃん、最初は生徒会はμ'sの敵なのよ! なんて言ってたのに丸くなっちゃってぇ、このこのー」

真姫「穂乃果先輩まで!」

希「どうする、えりち?」

絵里(でででででも、ここで即答したらあれよね、格好がつかないっていうか……)

絵里「μ'sのみんなは納得してるのかしら」

穂乃果「はい!」

絵里(……平常心平常心……でも顔が緩んでしまう)

335: 2014/07/18(金) 22:02:35.06 ID:IAZjWvi40
絵里「希はどう?」

希「ウチは大丈夫やで」

絵里「……じゃあ、行こうかしら?」

穂乃果「やったぁ!」

花陽「ありがとうございます!」

真姫「ま、まあ私の誘いを断るなんてありえないわよね」

希「よかったなぁえりち」

絵里「ふふ、そうね」

穂乃果「じゃあみんなに伝えてきます!」

絵里「あ、申請書、忘れないでよ?」

花陽「はいっ!」

336: 2014/07/18(金) 22:10:18.39 ID:IAZjWvi40
希「……えりち、みんな出て行ったで」

絵里「うわあああ! どうしよう希、誘われちゃった! 誘われちゃったわ!」

希「えりち散歩に行く前の犬みたい」

絵里「ひどい」

希「えりちはどういうキャラでいたいん?」

絵里「クールな……生徒会長?」

希「クールかぁ……それは無理そうやなぁ」

絵里「どういう意味?」

にこ「ちょっとあんたたち!」

絵里「うわぁ!?」

希「にこっち、ノックノック」

にこ「今しといた」

絵里「遅いわよ」

337: 2014/07/18(金) 22:21:09.93 ID:IAZjWvi40
にこ「今聞いたんだけど、あんたたち合宿についてくるのよね?」

絵里「そうだけど……どうしたの? そんなに慌てて」

希「あ、もしかしてにこっち、嬉しすぎて遊びに来てくれたん?」

にこ「そうじゃなくて、これなら合宿中に加入すればいいんじゃないかと思って」

絵里「合宿中に?」

希「なるほど……カードが示してたのはそれやったんやね」

絵里「あ、そういうことだったんだ」

絵里(確かに時期外れるけど……それならどうにかなるかも)

338: 2014/07/18(金) 22:26:35.99 ID:IAZjWvi40
にこ「……正直3年生が私1人だったから寂しかったのよ」

希「お、にこっちの本音が」

にこ「そうよ。私だってそう思うことはあるわ」

希「うーん、やっぱりにこっちかわいいなぁ。えりちとは違うタイプで」

絵里「だからクールで……」

にこ「ま、私はかわいいところが取り柄だからねっ!」

希「はいはい」

にこ「軽っ」

絵里「だから私はかわいくしてるわけじゃ……」

にこ「じゃあ一応具体的なスケジュールを教えるわよ」

希「うん」

絵里「聞いてよぉ!」

345: 2014/07/19(土) 08:53:03.35 ID:53NLCWef0




絵里「たっだいまー」

亜里沙「おかえり……ってお姉ちゃんどうしたの? ずいぶん嬉しそうだけど」

絵里「今日は学校でいいことがあったのよ」

亜里沙「私当ててみるね!」

絵里「どうぞどうぞ」

亜里沙「えーっとねぇ……わかった! 今日でラブレターが300通目!」

絵里「残念、ハズレです。そりゃあ最近はめちゃくちゃ増えたけど……」

亜里沙「そうだね、たしか今は670通目だったね。ごめんなさい」

絵里「え? そんなにあったっけ?」

346: 2014/07/19(土) 08:55:25.63 ID:53NLCWef0
亜里沙「だってお姉ちゃん、前はラブレターなんて見向きもしなかったのに、今じゃずーっとお返事書いてるでしょ?」

絵里「それで数えてたの?」

亜里沙「うん、だいたい1通に3分使ってたから数えてた」

絵里「私が部屋から出て来ない時間を?」

亜里沙「うん」

絵里「その間、亜里沙はずっと何してたの?」

亜里沙「あんぱんと牛乳を持ってハリコミ!」

絵里「ハリコミ……」

347: 2014/07/19(土) 08:59:33.56 ID:53NLCWef0
亜里沙「じゃあラブレターじゃないとしたら……プレゼント?」

絵里「亜里沙はどうして自分の姉がそんなにモテモテだと思っちゃうの……?」

亜里沙「だってお姉ちゃん、かわいいもん」

絵里(実の妹にまで!)

絵里「ど、どうして可愛いのかしら」

亜里沙「え? えー……うーん」

亜里沙「……お姉ちゃんのメインパーツの1つ、って感じだからかな?」

絵里(言語化しづらい本質的なものなの……?)

348: 2014/07/19(土) 09:01:23.60 ID:53NLCWef0
亜里沙「……あー! わかった!」

絵里「次は当たるかしら」

亜里沙「μ'sのメンバーに……」

絵里(お、これは近いかも――――――――)

亜里沙「告白されたの?」

絵里「亜里沙、少女漫画没収」

亜里沙「ひどい!」

絵里(この子はどうしてそんなに色恋沙汰が好きなのかしら……むむむ、私の育て方のせい?)

349: 2014/07/19(土) 09:03:53.40 ID:53NLCWef0
亜里沙「よよよ……セチガライヨノナカデス」

絵里「はいはい」

亜里沙「くぅぅ……もう3回間違えたから亜里沙に解答チャンスは残ってません」

絵里(そんなに悔しがらなくてもいいのに)

絵里「じゃあ答えを言っちゃおうかなー?」

亜里沙「あ、お姉ちゃん。冷蔵庫にチョコレートあるよ」

絵里「てろりろりん! 解答権が1つ増えました!」

亜里沙「やったぁ!」

350: 2014/07/19(土) 09:08:46.49 ID:53NLCWef0
亜里沙「じゃあね……もうすぐ夏休みだから……うーん」

絵里(夏休みって単語を入れてきたわね。やっと気づきそうだけど……)

亜里沙「たぶんお姉ちゃんのことだしμ'sかチョコか生徒会のことで……」

絵里(おお、鋭い。っていうか亜里沙から見たら、私の世界にはμ'sとチョコと生徒会しかないの?)

亜里沙「みんなで合宿?」

絵里「えええぇ!? 急に当てて来るの!?」

亜里沙「え? だって雪穂がメールで、μ'sが合宿するって送ってくれたの思い出して」

絵里(思わぬ伏兵が)

352: 2014/07/19(土) 09:16:18.39 ID:53NLCWef0
亜里沙「亜里沙も合宿行きたいなぁ」

絵里(たぶんみんなならオッケーしそうだけど……)

亜里沙「密着! μ's24時! みたいなの撮るの」

絵里「良い子は早く寝なさい!」

亜里沙「あっ、でも宿題まだ終わってないの……」

絵里(我が妹ながら良い子過ぎる。まだ夕方だというのに寝る気満々じゃないの)

絵里「宿題なら私も手伝ってあげるから、ね?」

亜里沙「チョコはいいの?」

絵里「ちょっと食べてくる」

353: 2014/07/19(土) 09:20:37.10 ID:53NLCWef0




希「えーりち、おはよ」

絵里「ええ、待っていたわこの時を」

希「忘れ物ない?」

絵里「大丈夫、ばっちり準備したもの」

希「……えらい大きい旅行かばん用意したんやなぁ。2つも持っていくん?」

絵里(ん? あれ? こんなかばん用意した覚えが……)

絵里「……まさか。ちょっと開けてみるわ」

希「どうしたん? 中身のチェック?」

亜里沙「ハリコミ!」

絵里(やっぱり入ってた)

354: 2014/07/19(土) 09:23:43.49 ID:53NLCWef0
希「亜里沙ちゃんおはよ」

亜里沙「おはようございます希さん。亜里沙は今ハリコミをしてるのです」

絵里「亜里沙、見つかってるから」

亜里沙「……こういう時は煙を出してドロンだよね?」

絵里「ドロンしなくていいから。出てきなさい」

亜里沙「はーい」

希「亜里沙ちゃんもついてくるん?」

亜里沙「いいえ、私はお姉ちゃんにカメラを持って行ってもらいたくて」

絵里「え?」

亜里沙「えーっと……そう、ニョッキ!」

絵里「チェキね、ていうかインスタントカメラでいいのに」

355: 2014/07/19(土) 09:26:44.62 ID:53NLCWef0
亜里沙「はい、ちゃんと写真撮ってきてね」

絵里「うん」

亜里沙「まずは1枚、希さん寄ってくださーい」

希「はーい」

絵里「え? ここで撮るの?」

亜里沙「はい、ペリメニ」

絵里「……普通でチーズでいいでしょ?」

亜里沙「ハラショー! それは思いつかなかった!」

希「ロシア風やね」

絵里「ロシアに怒られちゃうわ」

356: 2014/07/19(土) 09:29:33.98 ID:53NLCWef0
亜里沙「行ってらっしゃい! 亜里沙は自宅警備員になっておうちを守るからね!」

絵里「そのセリフはなんか違うわよ」

希「まあまあ、亜里沙ちゃんなりにえりちのこと応援してるんやって」

絵里(そっか、前の私は亜里沙にも心配かけたものね)

絵里「行ってきます」

希「いってきまーす」

亜里沙「旅の恥は道連れだよ!」

絵里「混ざってる混ざってる」

357: 2014/07/19(土) 09:32:14.92 ID:53NLCWef0




穂乃果「あ、生徒会長! 副会長! こっちです!」

絵里「あら、私たちが1番最後?」

希「ごめんなぁ、えりちが夜眠れんかったみたいで」

絵里「ちょっと希!」

絵里(そんなことは……あったけど!)

希「うふふ、これは内緒やったね」

絵里「ちがーう!」

絵里(ぐぬぬ、突然の裏切り……)

にこ「あんたたち朝から元気ねー」

358: 2014/07/19(土) 09:36:46.90 ID:53NLCWef0
凛「にこ先輩、若さが足りないにゃー」

にこ「足りてるわよ」

穂乃果「見た目は1番若いのに」

にこ「なっ」

絵里(あはは、穂乃果ナイスツッコミ)

海未「では、私から1つ提案があるのですが……」

ことり「なになに?」

花陽「提案?」

海未「はい、この合宿をよりよいものにするために必要なことです」

希「へぇ、何やろ?」

359: 2014/07/19(土) 09:40:13.95 ID:53NLCWef0
海未「ずばり、先輩を禁止したいと思います」

穂乃果「先輩……」

ことり「禁止?」

にこ「……あー」

絵里(なるほどね、私の代わりに、ってわけね)

希「よかったやんえりち」

絵里「うん」

海未「先輩後輩を気にするのはいい心がけですが、それがライブ中に出てしまうのはあまり良いとは言えません」

花陽「つまり、先輩を意識しすぎてギクシャクしちゃうってことですか?」

海未「その通りです」

凛「そうだね、凛たちまだ生徒会長のこと名前で呼んだことないもんね」

360: 2014/07/19(土) 09:43:29.17 ID:53NLCWef0
絵里「あら、花陽は呼んでくれてるわ。ね?」

花陽「はい、絵里先輩」

穂乃果「そ、そんなところに思わぬ伏兵が!」

絵里(あなたの妹もよ、穂乃果)

希「ウチのこともほとんどみんな副会長やし……のんちゃんって呼んでくれたん海未ちゃんだけやもんね?」

海未「そ、その話は……!」

にこ「にこのことをにこにーって呼んでくれたのは絵里だけよね」

絵里「そうね」

凛「凛たちの知らないところで思わぬコミュニティが……」

ことり「ってあれ? 真姫ちゃん、全然しゃべってないけどどうしたの?」

真姫「……ぇ?」

絵里(そういえば、何でサングラスかけて壁に寄りかかってるの?)

361: 2014/07/19(土) 09:46:44.51 ID:53NLCWef0
花陽「真姫ちゃんどこか調子悪い?」

真姫「あ、いや。そうじゃなくて」

穂乃果「穂乃果みたいに元気出していこう!」

海未「穂乃果はうるさすぎます」

穂乃果「明るいって言ってよ海未ちゃん!」

絵里(でもどうしたのかしら。前はこんなことなかったのに……)

希「さては真姫ちゃん、1番楽しみで眠れなかったんは真姫ちゃんやないん?」

真姫「……」

にこ「……?」

ことり「真姫ちゃん?」

凛「……寝てるにゃー!?」

絵里「ええっ!?」

362: 2014/07/19(土) 09:50:31.89 ID:53NLCWef0



海未「……」

ことり「海未ちゃん、飛行機初めて?」

海未「い、いえ。初めてではありませんよ。この状況も1度経験していますし……ですが緊張してきて……」

真姫「……」

にこ「本当に楽しみにしてたのね」

絵里「うん、歩いてるときもフラフラだったし」

希「それはそれで嬉しいんやけど、別荘までちゃんと案内してくれるんかなぁ?」

絵里「私が知ってるから大丈夫よ」

にこ「ああ、そうだったわね」

363: 2014/07/19(土) 09:53:57.08 ID:53NLCWef0
凛「何を知ってるんですかー? 絵里先輩」

絵里(ふぉぉ! 凛が私のことを名前で!)

希「凛ちゃん、先輩禁止、やろ?」

凛「あ、そうだった……すぅ……絵里ちゃん!」

絵里「……ありがとう、凛」

凛「わー! 名前で呼んでもらえたにゃー!」

花陽「よかったね、凛ちゃん」

絵里(うう、久しぶりだわ……この喜びだけで5年は生きられるわ)

希「あ、そろそろ離陸するみたい。みんな荷物上に入れた?」

穂乃果「はーい」

367: 2014/07/19(土) 11:11:07.38 ID:53NLCWef0
穂乃果「ふふふ、これで生徒会長と副会長をうまくこっちのペースに乗せて……」

ことり「自然とμ'sに加入させるんだよねっ!」

海未「……素直に言えばきっと入ってくれますよ?」

花陽「ううん、生徒会は仕事があるーとか言うからダメだよ」

凛「外堀から埋めるの」

絵里(何話してるんだろう。タイヤの音で聞こえないわね)

372: 2014/07/20(日) 00:17:43.32 ID:rDLAKpOe0



真姫「ここが別荘よ」

穂乃果「で、でっかい……」

凛「すごいにゃー……」

真姫「え? そんなに驚く?」

にこ「ぐぬぬ」

絵里「にこは専属の料理人がいることになってるのよね」

にこ「え、何の話よ」

海未「ぷっ……」

にこ「え、だから何?」

373: 2014/07/20(日) 00:21:06.54 ID:rDLAKpOe0
希「ウチ一番乗りー!」

ことり「あー、希先輩ずるいです!」

海未「ことり、先輩は禁止ですよ」

ことり「あ、そうだった……コホン、希ちゃん!」

希「はーい」

ことり「……」

絵里(……私を見てる? ってことは私を呼ぼうとしてるの?)

穂乃果「ことりちゃん頑張って!」

ことり「……会長ちゃん?」

絵里「惜しい」

379: 2014/07/20(日) 09:44:52.83 ID:rDLAKpOe0



穂乃果「うわー! ベッド大きい!」

凛「大きいにゃー!」

海未「穂乃果、凛。まずは練習メニューを伝えるのでこちらに集まってくれますか?」

穂乃果「う、海未ちゃんはこのベッドを見て何とも思わないの?」

凛「海未先輩は……」

海未「凛?」

凛「う、海未ちゃん!」

絵里(私は呼んでくれるかしら?)

凛「あ、絵里ちゃん」

絵里「ありがとうございます!」

海未「だいぶ自然になりましたね」

380: 2014/07/20(日) 09:49:00.97 ID:rDLAKpOe0
希「えりち、どうしたんドアに向かって謝ったりして」

絵里「凛が私を自然に呼んでくれるようになったの」

凛「絵里ちゃんは凛のこと、何のためらいもなく呼べるのって何で?」

絵里(しまった)

希「えりちはこっそり呼ぶ練習してたんよ」

絵里「え、希……」

海未「はい、みんなと仲良くなれるように、ですね」

絵里(ちょ、ちょっとそれは恥ずかしいんじゃ……)

凛「か、感激にゃ……」

穂乃果「絵里ちゃん……」

絵里(あ、距離は縮まったかも)

381: 2014/07/20(日) 09:51:51.84 ID:rDLAKpOe0
穂乃果「穂乃果のことも名前で呼んでください!」

絵里「穂乃果」

穂乃果「ぅやったー!」

凛「凛のことも!」

絵里「凛」

凛「やったにゃー!」

絵里(……た、楽しいわ。楽しすぎてたまらない!)

海未「では一度ロビーに……」

絵里「」

希「えりち、まだまだ時間はあるやろ? そんな絶望に満ちた顔せんでも」

絵里「わかったわ……」

382: 2014/07/20(日) 09:58:30.10 ID:rDLAKpOe0



海未「これが、合宿での練習メニューになります!」

希「おぉー」

ことり「すごい、こんなにびっしり……」

穂乃果「むー……」

海未「――――――――と言いたいところですが、最初は海で遊ぶのいいでしょう」

穂乃果「あ、あれ? てっきり海未ちゃんなら初日から練習だー! って言うと思ったんだけど……」

ことり「うん、意外……」

海未「はいはい。それでは海を満喫しましょう」

絵里「海未は私ですが」

花陽「ふふ。何ですか、それ?」

絵里「海未のモノマネよ」

海未「こ、今回はやっていませんよ!」

383: 2014/07/20(日) 10:03:32.83 ID:rDLAKpOe0
穂乃果「うふふふふー!」

凛「あははははー!」

花陽「す、すごい……踊りながら走り回ってる」

にこ「満喫してるわね」

海未「ええ、にこも行ってみてはどうですか?」

にこ「私はまだいいの。日焼け止め塗らなきゃ」

希「ウチが手伝おっか」

にこ「え、遠慮します」

絵里「じゃあ私がやる?」

にこ「……絵里ならいいか」

絵里(何その反応)

384: 2014/07/20(日) 10:07:47.20 ID:rDLAKpOe0
海未「私は遠泳でもしましょうかね……」

絵里「お、やる気満々じゃない」

海未「ええ、せっかく海に来たんですから」

絵里「海未は私ですが」

海未「や、やめてください……」

希「んー? 今から何するん?」

絵里「遠泳よ」

真姫「……」

絵里(真姫がこっち見てる)

絵里「真姫も来る?」

真姫「いや、いい」

絵里(やっぱりしんどいのは嫌よね)

385: 2014/07/20(日) 10:11:22.91 ID:rDLAKpOe0
にこ「ちょっとー、にこに日焼け止め塗りなさいよぉ」

絵里「あ、ごめんごめん」

海未「では私は行ってきますね」

穂乃果「あれ? 海未ちゃん何かするの?」

海未「遠泳です。あの岩まで一緒に来ますか?」

穂乃果「海未ちゃん、もっと楽しいことしようよぉ」

海未「え? 別に楽しくないわけでは……」

ことり「やー!」

凛「わっぷぶぶ」

穂乃果「ほら、ことりちゃんみたいに水鉄砲持ってさ!」

海未「私はそんなもの、持ってきていませんよ?」

花陽「わ、私が持ってきました!」

絵里「ええ!?」

386: 2014/07/20(日) 10:16:12.20 ID:rDLAKpOe0
花陽「凛ちゃんが一緒に持っていこうって言って……」

凛「ことりちゃんには負けないにゃー! 凛は……これとこれ!」

希「お、2丁拳銃ってやつやね」

ことり「ふふふ、私に勝てるかなぁ?」

凛「ふっ、小学校から愛用するこのマグナムで、ことりちゃんをこてんぱんにするよ!」

海未「始まってしまいましたね」

絵里「そうね……にこお肌すべすべ」

にこ「いつまで撫でてんのよ」

絵里「だって……ねぇ、真姫」

真姫「え、私に話振られても困るんだけど……」

ことり「みんなのハートを撃ち抜くぞっ」

海未「」

希「あ、あれ? 海未ちゃんどうしたん?」

387: 2014/07/20(日) 10:20:16.62 ID:rDLAKpOe0
海未「どうやら知られてしまったようですね……もっと過去に来ていれば隠蔽できたものを」

絵里「え、海未どうしたの」

にこ「絵里、ちょっと抱き寄せないで。私のことぬいぐるみかなんかと勘違いしてない?」

絵里「あ、ごめん。ジャストフィットで」

にこ「何よそれ」

海未「この場にいる全員を粛清します! ええい、すべてを忘却の彼方へと送ってあげます!」

希「海未ちゃんそれパラソルやで!?」

真姫「うわっ、まぶし……」

穂乃果「絵里ちゃん、にこちゃん。お腹すいてきちゃった」

絵里「自由人ね……穂乃果は」

388: 2014/07/20(日) 10:24:29.00 ID:rDLAKpOe0


穂乃果「買い出し?」

ことり「うんっ、スーパーが結構遠いらしくて」

海未「負けてしまいました……やはり銃器の扱いを学ぶべきでしょうか……くすん」

にこ「あんた何目指してんのよ。バトルマスター?」

絵里(そうか、前は真姫と希が買い出しに行ったのよね……)

穂乃果「じゃあ穂乃果が行くよ!」

絵里(って言ったら真姫が……)

真姫「そうね。誰かついてきてくれるとうれしいわ」

絵里「あれ」

希「?」

海未「真姫の台詞が……違う?」

389: 2014/07/20(日) 10:29:51.70 ID:rDLAKpOe0
真姫「で、誰か一緒に来てくれる?」

穂乃果「穂乃果が! 穂乃果が行くよ!」

凛「凛も行きたいにゃー」

花陽「わ、私も……」

希「ウチも!」

ことり「私も行きたぁい!」

真姫「みんな来るの?」

海未「ちょっと待ってください」

穂乃果「どうしたの?」

海未「買い出しに行く人は私についてきてください」

真姫「え、でも場所……わかるの?」

海未「はい、途中で見てきましたから」

絵里(海未……?)

390: 2014/07/20(日) 10:36:42.36 ID:rDLAKpOe0



真姫「……」

絵里(まさか真姫と、別荘で2人きりになるとは)

真姫「絵里、少し聞きたいことがあるの。いい?」

絵里「え? いいわよ?」

絵里(何だか親しげだけど――――――――まさか真姫もおまじないの!?)

真姫「……私、ちゃんとできてるかしら」

絵里「え?」

真姫「だ、だから。みんなに変な風に思われてないかしら、って」

絵里「……真姫、顔真っ赤よ」

真姫「ううう、うるさいわね!」

絵里(真姫かわいい……)

391: 2014/07/20(日) 10:43:45.31 ID:rDLAKpOe0
真姫「……絵里、よくよく考えてみたら、ダンスのレッスンをしてたのはあなたでしょ?」

絵里(真姫にもバレた)

真姫「エリーっていうダンスコーチが来る初日、落し物を拾って生徒会室に顔を出した時、ポニーテールにしてる希がいたの。それで気が付いたわ」

絵里「今まで気が付いてなかったのに?」

真姫「あ、あれは演技に決まってるでしょ!」

絵里(かわいい)

真姫「思い出してから変だと思ったのよ。よく見たらウィッグ動く度にズレてたし、メガネも度が入ってなかったし」

絵里(今思えばよく騙せたわよね)

真姫「って、そんな話をしたかったわけじゃないの」

392: 2014/07/20(日) 10:50:04.60 ID:rDLAKpOe0
真姫「私が言いたいのは……そう、絵里と希にとても世話になったってこと」

絵里「それで?」

真姫「絵里なんか特に……その、私たちを目の敵にするように見てたじゃない?」

絵里(そうだったわね。そんな時期もあった)

真姫「でも変わった。自分がしたいようにするっていうスタンスにね」

真姫「不思議なくらい……私たちに優しくしてくれた」

真姫「だ、だからね……笑わないでよ?」

絵里「笑わないわ」

真姫「い、今にやにやしてるじゃない!」

絵里(真姫かわいいんだもん)

393: 2014/07/20(日) 10:52:41.21 ID:rDLAKpOe0
真姫「と、とにかく! そんな絵里を見て私は……」

絵里「?」

真姫「……私は、ね」

真姫「変わりたかった。変わりたかったの……」

絵里(あ、あれ? 急にムードが……)

真姫「すごいなぁ、って、絵里は」

真姫「私もそんな風に、できたら」

真姫「……だから、私は今、ちゃんとできてる?」

絵里(そうか。真姫は変わろうと必氏になってるのね……自分の殻を壊そうとしてる)

絵里(なら私にできるアドバイスはたった1つね)

394: 2014/07/20(日) 10:55:32.61 ID:rDLAKpOe0
絵里「真姫、正直に言うわ」

真姫「……わかった、覚悟した」

絵里「今の真姫はとーっても――――――――」

真姫「……」

絵里「かわいい」

真姫「かわいい!?」

絵里「うん、もっと自信持っていいわよ」

真姫「ち、ちがっ。私が聞きたいのはそういう……」

絵里「変わった変わってないなんて、誰かに言われて決めるものじゃないでしょ?」

真姫「……あ」

絵里「自分が変わろうとして前を向いた。それだけで真姫は今までよりもずーっと変わった!」

真姫「……」

絵里「これが私の意見です。おしまい!」

絵里(……ちゃんと先輩っぽくできたかな?)

395: 2014/07/20(日) 10:59:06.97 ID:rDLAKpOe0
真姫「ありがとう、絵里」

絵里「ふふ、どういたしまして」

真姫「自信ついた」

絵里「これからも精進するように」

真姫「……はい」

絵里「よろしい」

真姫「絵里はなんか、話しやすいのよね。すごく」

絵里「そう? そう言われるとうれしいわ」

真姫「花陽の言ってた通りね。いい先輩だわ」

絵里(……先輩できてた!)

絵里「じゃあ今、記念写真を撮りましょ」

真姫「え? なんで急に?」

絵里「妹から頼まれてるのよ。ほらほら、近くに寄って寄って」

真姫「えぇ? ……仕方ないわね」

396: 2014/07/20(日) 11:02:54.49 ID:rDLAKpOe0
絵里「はい、ペリメニ!」

真姫「ちょ、何よそれ」

絵里「ふふふ、これぞロシア流なのよ」

真姫「何それ、意味わかんない」

絵里「細かいことは気にしない。ね?」

真姫「はいはい。じゃあこのことは……」

絵里「私と真姫だけの秘密にしておくわ」

真姫「……ありがと」

絵里(なんか秘密ばっかり増えていくわね……ま、それも悪くないか)

希「ただいまー!」

397: 2014/07/20(日) 11:04:13.12 ID:rDLAKpOe0
ことり「いっぱい買ってきたよっ!」

凛「あー! 絵里ちゃんと真姫ちゃんがくっついてるにゃー!」

穂乃果「あららー? 2人で何かしてたのかなぁ?」

真姫「し、してないわよ! 何も!」

絵里「そうよ。秘密なんだから」

真姫「ちょ、ちょっと絵里!」

花陽「わぁ、自然に呼び合ってるね!」

海未「もう慣れてしまったようですね」

真姫「だから……違うんだってば!」




にこ「ちょっとぉ! みんないないと思ったらどこ行ってたのよ!」

398: 2014/07/20(日) 11:07:55.27 ID:rDLAKpOe0
絵里「あれ? にこ?」

穂乃果「にこちゃん?」

にこ「あんたたち……水鉄砲で撃ちまくった挙句、ビーチバレーのボールぶつけて遠泳させて……」

にこ「人が疲れて寝てる隙に買い物まで行って……!」

凛「に、にこちゃん怒らないで!」

花陽「ごめんなさい……」

にこ「むむむ……!」

希「要するに、今からにこっちに構えばいいわけやんな?」

にこ「え」

絵里「そうね。相手してあげられなかった分、にこを目いっぱい愛でなきゃ」

にこ「ちょ、そ、そういう意味じゃ」

穂乃果「皆の者! 突撃ー!」

ことり「わー!」

希「わしわし!」

にこ「ぎゃー!」

399: 2014/07/20(日) 11:10:38.70 ID:rDLAKpOe0
海未「絵里、どうでしたか?」

絵里「ううん、真姫も違ったわ」

海未「そうですか」

絵里(希はやっぱり、私たち以外の人に教えてないのかしら?)

海未「みんなそれくらいにしてくださいね。夕食はにこが作ってくれるそうですから」

にこ「ちょっとぉ! この状況を見て何言ってんのよ!」

真姫「素直になればいいのに」

にこ「あんたには言われたくな……ぎゃー!? 今服に顔突っ込んだの誰よ!?」

穂乃果「穂乃果だよっ」

にこ「出てけ!」

400: 2014/07/20(日) 11:11:12.70 ID:rDLAKpOe0

ここまで
愛されにこにー

絵里「つよくてにゅーげーむ」【3】

引用: 絵里「つよくてにゅーげーむ」