413: 2014/07/21(月) 21:00:08.65 ID:bo6kX3vs0



絵里「つよくてにゅーげーむ」【1】
絵里「つよくてにゅーげーむ」【2】
絵里「つよくてにゅーげーむ」【3】

希「にこっちまだー?」

にこ「もう少し待ってなさい」

穂乃果「にこちゃん、おなかすいたよぉ」

にこ「だーかーらーまーだーでーすー」

絵里「にこってエプロン似合うわね」

にこ「急に何よ」

絵里「私たちなんかヒモみたいだなぁって……」

凛「確かに、にこちゃん1人でキッチンに立ってるとそれっぽいかも」

ことり「花陽ちゃんはごはん炊いてるけどね」
ラブライブ!The School Idol Movie

414: 2014/07/21(月) 21:03:25.96 ID:bo6kX3vs0
海未「にこ、本当に私たちは休んでいていいんですか?」

にこ「別にいいわよ。私は寝てたんだから」

絵里「抱き着いていい?」

にこ「真私、包丁持ってるけどいい?」

絵里「ヨクナイ!」

ことり「あはは、絵里ちゃんって意外とユーモアあるんだね」

絵里(……はっ、つい素が)

希「ふふ、みんなが先輩禁止に慣れてきたみたいに、えりちも緊張がほぐれてきたんよ」

絵里「そういうことです」

真姫「ふーん」

穂乃果「……何で真姫ちゃんそんなに絵里ちゃんにべったりなの?」

真姫「え」

415: 2014/07/21(月) 21:08:33.76 ID:bo6kX3vs0
真姫「べ、別にそんなべったりってわけじゃないでしょ!」

海未「あら、先ほどにこのところへ行こうとして、絵里が少し動いただけで反応したように見えましたが」

真姫「そ、それは違って……」

凛「2人きりの間に、やっぱり何かあったんだね」

希「気になるなぁ」

真姫「え、絵里!」

絵里(真姫に頼られた!)

絵里(……こんな機会滅多にないし、ちょっとからかっちゃおうかしら)

絵里「ふふふ、知りたい?」

穂乃果「知りたい!」

真姫「絵里!」

絵里「なーんちゃって。真姫に口止めされてるからこれは秘密よ」

ことり「うー、残念」

真姫「……」

絵里(真姫真っ赤になってる。かわいい)

416: 2014/07/21(月) 21:12:21.66 ID:bo6kX3vs0
真姫「むー……」

絵里「ふふ、ごめんね。みんなには言わないから」

真姫「……別にいいけど」

絵里(……撫でたい)

凛「凛も、絵里ちゃんと秘密作りたいにゃー」

希「ウチもウチも」

絵里(希はいっぱいあるでしょ)

希「んふふ」

にこ「そろそろできるからお皿の用意お願い」

海未「わかりました。みんな、動きますよ」

穂乃果「海未ちゃん、穂乃果の分も頑張って動いてね」

海未「外に出されたいですか?」

穂乃果「はい、働きます」

417: 2014/07/21(月) 21:15:22.01 ID:bo6kX3vs0
花陽「ごはん炊けたよー!」

ことり「おお、ぴったりだねっ」

海未「花陽の炊くごはんはおいしいですからね」

凛「あれ? 海未ちゃん、かよちんのご飯食べたことあったっけ?」

海未「えっ、あ」

絵里(海未って案外脆いわよね……)

絵里「ほら、花陽の作るごはんはおいしいって凛が言ってたんでしょ?」

凛「うん、言ったよ」

絵里「それを海未が聞いてただけよ」

海未「そ、そういうことです」

凛「なーんだ」

418: 2014/07/21(月) 21:18:21.45 ID:bo6kX3vs0
ことり「花陽ちゃんの分は……」

絵里「あ、待って。花陽はご飯とカレーのお皿別にしてあげて」

花陽「え、絵里ちゃん!? なぜそれを……」

絵里(しまった)

絵里「えーっと……これはね」

花陽「私がご飯を分けて食べるタイプだって覚えててくれたんですね!」

絵里「え」

花陽「生徒会のお手伝いで1度しか言ったことがなかったのに……すごい」

ことり「へぇ、そうなんだぁ」

にこ「記憶力いいのね、絵里って」

絵里「あはは。ありがとう」

絵里(あぶなーい!)

419: 2014/07/21(月) 21:25:03.57 ID:bo6kX3vs0
にこ「サラダも作ったから、残さず食べなさいよ」

ことり「にこちゃん、お母さんみたい」

にこ「そんな年じゃないっての」

穂乃果「花陽ちゃん、どうしてご飯とカレーを分けるの?」

花陽「気にしないでください」

凛「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

海未「ではいただきましょうか」

希「そうやね」

420: 2014/07/21(月) 21:28:44.11 ID:bo6kX3vs0



絵里「ごちそうさまでした!」

にこ「はい。お粗末様」

花陽「おいしかったねぇ」

にこ「どう? 私の料理はおいしかった?」

穂乃果「うんうん!」

希「なかなか簡単に作れるものやないよ。おいしかったで、にこっち」

真姫「ええ、おいしかったわ」

凛「真姫ちゃん、サラダいっぱい食べてたけどそんなに好きなの?」

絵里「真姫はトマトが好きなのよね」

真姫「え? それ、言ったっけ?」

絵里(ぎゃー!)

希「見てたらわかるって、なぁえりち」

絵里「そ、そうね!」

絵里(いつもみたいになってきたから気が緩んでるわね。しっかりしないと……)

422: 2014/07/21(月) 21:33:48.74 ID:bo6kX3vs0
凛「次は何する?」

花陽「お風呂がいいかなぁ。食器を片づけてからね」

穂乃果「うん、今日はもう疲れちゃったし……」

ことり「うん」

海未「……何故みんな、私を見るんですか?」

真姫「海未は練習しようって言いそうだからよ」

海未「ほう……そんなに練習がしたいのですか」

にこ「ひぃっ!」

凛「い、嫌にゃあ!」

海未「しませんよ。私も鬼ではありません」

423: 2014/07/21(月) 21:37:34.73 ID:bo6kX3vs0
ことり「う、海未ちゃんが海未ちゃんらしくない……!」

希「じゃあそれぞれ食器片づけよか」

穂乃果「……絵里ちゃんお願い!」

絵里(あら。穂乃果が海未じゃなくて私に……)

絵里「ダメよ。みんな片付けるんだから穂乃果も一緒にやりましょう。ね?」

穂乃果「……絵里ちゃんの柔らかい反応の方が穂乃果は好きかも」

凛「凛も」

海未「私、そこまで厳しくしていましたか?」

にこ「絵里は特別優しいからね。それにみんな甘えたことなかったんだしいいんじゃない?」

真姫「まるで甘えたことがあるような口ぶりね」

にこ「ま、まだないわよ!」

希「まだ」

花陽「まだ?」

にこ「うっ」

424: 2014/07/21(月) 21:43:24.61 ID:bo6kX3vs0
絵里「お風呂どうする? みんなで入る?」

希「真姫ちゃんはそれでいい?」

真姫「別にいいわよ。ていうか何で私に聞くの」

希「みんな、真姫ちゃんの意見を聞きたそうやったから」

ことり「よかったぁ」

花陽「うんっ」

真姫「断られると思ってたの?」

凛「真姫ちゃんはイミワカンナイ! って言うと思って……」

真姫「はぁ……私ももうちょっと頑張らなきゃいけないみたいね」

海未「頑張る?」

絵里「こっちの話よ」

絵里(真姫もだいぶ素直になってる……これなら大丈夫そうね)

425: 2014/07/21(月) 21:48:47.09 ID:bo6kX3vs0



凛「お風呂広いにゃー……」

穂乃果「ごくらくごくらく」

にこ「……でかい」

希「もー、にこっち。どこ見てるん?」

絵里(このお風呂はいつ入ってもいいわね……すごく落ち着く)

真姫「ちょっと絵里」

絵里「ん、何?」

真姫「相談、したいんだけど」

絵里「いいわよ。あっち行く?」

真姫「うん」

ことり「あったかいねぇ」

海未「寝たりしないでくださいよ?」

花陽「……ぇ?」

ことり「は、花陽ちゃん寝てたよね?」

花陽「あ、え……ね、寝てないよっ!」

428: 2014/07/21(月) 21:53:55.99 ID:bo6kX3vs0
真姫「やっぱり私、向いてないのかしら」

絵里「落ち込んでるの?」

真姫「やっぱりすぐには変われないと思って」

絵里(うーん、本当は今くらいだともっとツンツンしてたって言ってあげたいわね)

真姫「そういえば絵里は、μ'sに入らないの?」

絵里「……誘ってくれれば入ろうと思ってるわ」

真姫「え?」

絵里「ふふっ、楽しみにしてるわ」

真姫「え、ちょ、ちょっと……」

絵里(真姫はどうするのかしら。ふふ、ちょっといじわるだけど、これも真姫の成長具合を確かめるためのチェックなのよ?)

429: 2014/07/21(月) 21:56:47.83 ID:bo6kX3vs0
希「えーりち、何話してたん?」

絵里「真姫との秘密のお話、かしら」

希「なら聞かないでおこうかな」

絵里「ありがとう」

にこ「ちょっと絵里、あんたもでかすぎるのよ」

絵里「え? 何が?」

絵里「……ていうかにこ、ちゃんと足ついてる?」

にこ「バカにするんじゃないわよ! もー!」

絵里「ふふふ」

絵里(……にこもなかなか怒るとかわいいかも)

430: 2014/07/21(月) 22:01:50.33 ID:bo6kX3vs0
穂乃果「そろそろあがる?」

花陽「うん、もうのぼせちゃうかもしれないし……」

凛「えー、凛まだ泳ぎ足りないよぉ」

海未「ここは泳ぐところではありませんよ」

ことり「でも本当に、泳げそうなほど広いよね」

穂乃果「ここから飛び出して海に落ちたら泳げるよ?」

凛「そ、そこまではしたくないにゃ」

にこ「明日に備えて早く寝なきゃいけないし、もうあがってもいいんじゃない?」

海未「そうですね。練習は明日の早朝から行いますから、きちんと寝なければなりませんよ」

凛「あ、朝から……」

希「ウチ低血圧で……」

海未「ふふふ、未来のあなたはそんなことを言っていませんでしたよ……」

希「ぐぬぬ」

絵里(希もやっぱり子どもっぽいところあるのね)

441: 2014/07/23(水) 00:01:13.17 ID:RhpPp4pb0



穂乃果「お布団ひろーい!」

凛「ごろごろー!」

にこ「これ1回やってみたかったのよねー」

絵里(混ざりたい)

希「えりち、ウチも一緒に行ってあげよか?」

絵里「希!」

海未「ほら、枕を持ってきましたからもう寝なさい」

真姫「そうね。明日も早いんだし」

絵里「……」

希「……」

真姫「えっ、何その反応」

ことり「?」

442: 2014/07/23(水) 00:06:40.38 ID:RhpPp4pb0
花陽「でもみんなで寝るのって、なんだか楽しいね」

ことり「うんっ、合宿みたいで……」

海未「これは合宿ですよ?」

ことり「そういえばそうだったね」

絵里(そっか、今日は特に何も練習してないからね)

にこ「んー、お肌のお手入れしないと」

絵里「手伝う?」

にこ「別にいいわよ」

凛「……ごろごろし飽きたにゃー」

穂乃果「うん、今ので体力の半分くらいなくなったよ」

希「穂乃果ちゃん、そんなこと言ってたらえりちと腕相撲したら負けるんと違う?」

穂乃果「なんですと!?」

絵里「なんで急に腕相撲?」

希「えりち、みんなと触れ合えるよ」

絵里「よーし、私と腕相撲したい人は来なさい!」

穂乃果「やるやるー!」

凛「わーい!」

443: 2014/07/23(水) 00:10:27.16 ID:RhpPp4pb0
ことり「まずは私から行きます」

絵里(ことりは確か……かなり弱いはず。手加減してやりましょう)

穂乃果「レディー……ファイッ!」

ことり「ふぬぬ……!」

絵里(よわっ)

絵里「……わー、つよーい」

海未「接待じゃないんですから。というか布団敷くの手伝ってくださいよ」

花陽「まあまあ、きっとみんな絵里ちゃんと遊んでみたいんだよぉ」

海未「はぁ、わかりました。仕方ありませんね」

ことり「も、もうダメぇ……!」

絵里(あ、このことりの頑張ってる表情いいわね。かわいい)

444: 2014/07/23(水) 00:14:29.21 ID:RhpPp4pb0
絵里「えいっ」

ことり「あう」

希「えりちの勝ちー」

絵里(まだまだ余裕ね。ちゃんと鍛えててよかったわ)

絵里「ふふふ、どんどんかかって来なさい!」

海未「では、次の相手は私です」

絵里(あ、これは勝てない)

穂乃果「ファイッ!」

海未「ていっ」

絵里「あー」

希「海未ちゃんの勝ち」

穂乃果「海未ちゃんなら仕方ないね」

凛「うん」

ことり「負け戦だよね」

海未「修行が足りませんよ」

絵里「海未式トレーニングを3セットから6セットにしようかしら……」

にこ「どんだけ勝ちたいのよ」

445: 2014/07/23(水) 00:21:28.37 ID:RhpPp4pb0
穂乃果「穂乃果も腕相撲したーい」

凛「じゃあトーナメント戦にすればみんな楽しめるにゃ」

真姫「え、寝るんじゃ……」

希「よーし、ウチがペンと紙とってくるで」

ことり「賞品を決めなきゃね」

海未「私はどこにいればいいんですか?」

花陽「優勝者と対決するポジションかなぁ?」

絵里(ん? こんなの合宿でした覚えないんだけど……まあいいか)

凛「凛は真姫ちゃんと戦いたい!」

真姫「そういうシステムじゃないでしょ」

希「1回戦は凛ちゃんと真姫ちゃんにけってーい」

凛「わーい! きっと真姫ちゃんはピアノ弾いてるから強いはずにゃ」

真姫「別にそんなことないんだけど……」

絵里(ピアノって腕で弾くものじゃないわよね)

457: 2014/07/23(水) 15:42:20.58 ID:RhpPp4pb0
凛「真姫ちゃん……ここで会ったが100年目、決着を付けるよ!」

真姫「はいはい」

絵里(真姫、結構余裕そうね。強いのかしら)

ことり「審判は誰やる?」

にこ「んー、じゃあ私やるわ」

凛「真姫ちゃん、ほら、手を出さないと」

真姫「わかってるわ。わかってるから」

真姫「……」

海未「真姫? どうしました?」

真姫「いや、大丈夫だから」

穂乃果「本当に? 顔赤いけど……」

花陽「ま、真姫ちゃん……もしかして」

希「なるほどなぁ」

絵里(ああ、手を握るだけで緊張するってわけね)

絵里「真姫、ここで距離を縮めるのよ!」

凛「?」

真姫「……わかった。よし、やるわよ」

458: 2014/07/23(水) 15:45:49.88 ID:RhpPp4pb0
にこ「レディー……」

凛「ちょちょ、ちょっと待って!」

にこ「え、あ……真姫ちゃんちょっと大丈夫なの?」

ことり「真姫ちゃん。顔上げなくていいの?」

真姫「いいのよ」

海未「汗が出ていますが」

真姫「気のせいよ」

絵里(なるほど、顔が近いと)

凛「んー真姫ちゃんがいいならいいけど……」

穂乃果「それじゃにこちゃん、張り切ってどうぞ!」

にこ「レディー、ファイッ!」

459: 2014/07/23(水) 15:52:36.44 ID:RhpPp4pb0
凛「うにゃあああ!」

真姫「ぐ……」

希「お、真姫ちゃん耐えてる」

穂乃果「盛り上がってまいりました!」

にこ「まだ始まったばっかりじゃない。それに膠着状態だし」

絵里「に、にこがそんな難しい言葉を言うなんて……!」

にこ「にこにーチョップ」

絵里「げふ」

絵里「……後ろにいたのに当たった」

凛「負けないにゃー!」

穂乃果「負けた方には買い出しで私が間違えて買ってきた青汁をプレゼントします」

凛「」

真姫「ふっ……」

凛「あっ」

真姫「青汁は嫌よ」

花陽「瞬殺……」

海未「やりますね」

真姫「……もうやだ、やりたくない」

460: 2014/07/23(水) 15:58:20.24 ID:RhpPp4pb0
絵里「あら、結構強かったのに」

真姫「緊張するから」

希「凛ちゃんの手の触り心地はどうやった?」

真姫「……ぷにぷにしてた」

真姫「って何言わせるのよ!」

希「きゃー!」

凛「あ、青汁……」

穂乃果「ぐふふ、凛ちゃんどうぞ」

凛「うっ」

花陽「り、凛ちゃん大丈夫?」

凛「……思ったよりおいしくてコメントに困るよ」

絵里(芸人頃し……って芸人じゃないか。アイドルだしそれくらいは……)

凛「にゃあああああああ!? にがあああああい!」

絵里「」

穂乃果「あ、粉を入れる量間違えちゃった」

海未「底に溜まっていたというわけですね……」

絵里(穂乃果に任せたのが運の尽き、かぁ……)

461: 2014/07/23(水) 16:03:19.73 ID:RhpPp4pb0
希「次は誰と誰やる?」

ことり「じゃあ私やりたいっ」

絵里(これだと後に長引けば長引くほど怖い……なら)

絵里「じゃあ私がやるわ」

希「おー、リベンジマッチ?」

にこ「凛、いつまで寝てるのよ」

凛「うにゃああ……かよちんお水ちょうだい……」

花陽「はい」

凛「ありがと。うう、喉が……こうなったら真姫ちゃんに責任とってもらう」

真姫「せ、責任って何よ」

凛「……何にしよう」

真姫「考えてから言いなさいよ」

462: 2014/07/23(水) 16:08:18.72 ID:RhpPp4pb0
希「ファイッ!」

絵里(まずは様子見ね)

ことり「くぅぅぅ……」

絵里(かわいい)

穂乃果「じゃあ10秒以上決着がつかなかったら2人とも負け!」

絵里「えっ」

ことり「あうっ」

絵里(しまった。つい勢いで……)

花陽「絵里ちゃん強いね」

ことり「次は負けないもん!」

絵里「ふふ、次戦う時を楽しみにしてるわ」

穂乃果「今度はちゃんと入れたから大丈夫だよ! さあことりちゃん」

ことり「……」

絵里(ああ、ことりの顔が一瞬にして真っ青に!)

463: 2014/07/23(水) 16:11:30.05 ID:RhpPp4pb0
穂乃果「さあ、一気にぐいっと!」

ことり「うん、すぐに終わらせよう……えいっ!」

海未「ほ、穂乃果!」

穂乃果「え?」

海未「水に溶かす場合は専用スプーンを使えって書いてあるじゃないですか!」

希「え、穂乃果ちゃん何使ってたん……?」

穂乃果「……おたま」

ことり「」

絵里「おたま!?」

絵里(ことりが音もなく倒れた!)

真姫「犠牲者がまた1人……」

花陽「お、恐ろしいゲームに手を出しちゃったよぉ……」

464: 2014/07/23(水) 16:18:10.11 ID:RhpPp4pb0
穂乃果「凛ちゃん、ことりちゃん……私のせいでこんな……」

ことり「」

凛「凛はまだ生きてるよー」

穂乃果「私が責任をとって……飲みます!」

絵里(穂乃果の悪い癖が)

穂乃果「うわああああ!」

希「お、おたま3杯!?」

真姫「全然溶け切ってないじゃない!」

海未「やめてください氏んでしまいます!」

穂乃果「みんな、ありがとう……」

穂乃果「ぐはっ……」

海未「穂乃果あああああ!」

花陽「穂乃果ちゃん!」

希「3人も犠牲に……」

絵里(こんなバイオレンスな合宿……私知らない!)

467: 2014/07/23(水) 17:12:15.96 ID:RhpPp4pb0
にこ「……どうする?」

真姫「私に聞かれても……ねぇ絵里。どうするの?」

花陽「絵里ちゃん……」

絵里「え? 私?」

希「おお、いつのまにかえりち、みんなの中心やね」

絵里(……嬉しい)

絵里「そうね。まず穂乃果とことりを寝かせましょう」

海未「わかりました……ことりは私が運びますから、穂乃果はお願いします。まあ言っても数歩動かすだけでいいのですが」

絵里「え? 私たち7人でやるの?」

海未「はい、穂乃果は寝相が悪いので。それに、ことりの枕を取ってこなければなりませんから……よいしょ」

凛「わぁー! 海未ちゃんすごいにゃー!」

希「おー、うらやましいなぁ」

花陽「お姫様抱っこ……」

海未「え? 変でしたか?」

絵里「ううん、ことりをお願いね」

468: 2014/07/23(水) 17:16:23.27 ID:RhpPp4pb0
ことり「枕が……うーん」

海未「はいはい、今から取りに行きますから」

穂乃果「……」

絵里(さて、穂乃果をどうしましょう。転がすわけにもいかないし……)

希「えりちもお姫様抱っこできるんと違う?」

絵里「え? 私が?」

凛「うんうん、絵里ちゃんならできるよ」

絵里(やってみたことないけど……できるのかしら?)

絵里「そうね、じゃあにこあたりからやってみましょう」

にこ「何よ。私が練習台ってわけ?」

絵里「誰だって本命よ」

にこ「……」

希「えりち……罪作りな生徒会長や」

絵里「?」

469: 2014/07/23(水) 17:20:54.24 ID:RhpPp4pb0
絵里「いくわよ」

にこ「いつでもいいわ」

絵里「よっと、わっ、軽っ!」

にこ「み、見たらわかるでしょ、このプリティーなボディーのどこに無駄なお肉がついてるっていうの」

真姫「急に饒舌になり始めたわね」

にこ「な、何言ってるのよ。そんなわけないじゃない。私はいつだって饒舌だって言うのに」

凛「にこちゃん。顔赤くなってきたよ」

希「ははーん。もしかして予想以上に居心地良かったん?」

にこ「ば、バカ! そんなわけないでしょ!」

絵里「あら、高いところ怖かった? すぐに下ろすわね」

にこ「バカ」

絵里「えっ、何で」

花陽「あはは、にこちゃんももっと素直に甘えたらいいのに」

にこ「ぐぬぬ」

472: 2014/07/23(水) 17:24:33.47 ID:RhpPp4pb0
希「あ、そうや。その前に……これ!」

花陽「インスタントカメラ?」

希「そうそう、えりちの妹さんから預かってきたんよ。じゃあ撮るでー」

にこ「え、何それ聞いてないわよ! 写真は事務所を通してから……」

凛「事務所なんかないにゃー」

希「はい、ペリメニー」

絵里「ペリメニー」

にこ「何よそれ!」

穂乃果「うぅん……」

真姫「あ」

凛「穂乃果ちゃんのこと忘れてたにゃ」

474: 2014/07/23(水) 17:29:31.62 ID:RhpPp4pb0
凛「じゃあ凛は足を持ちます」

希「ウチは背中を」

花陽「私は腰ね」

真姫「頭」

絵里「あら、私たち余っちゃった」

にこ「……そうね」

希「いくで、せーのっ……」

凛「おお、みんなで持つとかるーい」

絵里(なんか謎の民族に連れ去られる光景っぽい)

にこ「なんか眠くなってきたわ」

絵里「お肌のお手入れしないと」

にこ「そうだった……あっちにあるから移動して」

絵里「はーい」

475: 2014/07/23(水) 17:32:39.68 ID:RhpPp4pb0
希「お布団とうちゃーく」

真姫「ゆっくり下ろしていくわよ」

花陽「うん」

凛「ゆっくりね」

穂乃果「うぅ……」

花陽「あ、起きちゃった?」

穂乃果「……そらから……おんなのこが」

凛「ぶふっ」

花陽「ほ、穂乃果ちゃん……」

真姫「ちょ、みんな笑い出してどうしたのよ、危ないでしょ」

希「絶対起きてるやろ!」

絵里「なんだかおもしろいことになってるわね」

にこ「そうね」

476: 2014/07/23(水) 17:33:29.78 ID:RhpPp4pb0
ああそうだ
>>470は>>472のミスです

477: 2014/07/23(水) 17:39:00.67 ID:RhpPp4pb0



絵里「じゃあもう電気消すわよ」

希「うん」

凛「えー、まだ凛眠くないよぉ」

にこ「大人しくしなさい」

真姫「わっ!?」

凛「にゃっ!? にこちゃんが怖い!?」

海未「ああ、あれですね」

絵里「ええ」

にこ「パックよパック」

花陽「へぇ、そうなんだぁ」

絵里(あれ? 花陽は意外と驚かないのね)

478: 2014/07/23(水) 17:46:42.23 ID:RhpPp4pb0
希「今日は色々遊んで疲れたし、ぐっすり眠れそう」

海未「それに、明日は早いですからね」

凛「そ、そうだった……」

絵里「もう消していい?」

花陽「うん」

絵里「アラームセットしておくからね」

真姫「はいはい」

絵里(あー……今日は楽しかったわ)

絵里「おやすみなさい……」





絵里(ん? 何か忘れてる気が……まあいいか)

479: 2014/07/23(水) 17:49:40.07 ID:RhpPp4pb0




――――――――……て、え……ちゃん――――――――

……誰? まだ夜でしょ?

――――――――……きて、絵里ちゃん――――――――

んー、まだ寝ていたいんだけど……。



――――――――起きて、絵里ちゃん――――――――




はなよ……?

485: 2014/07/23(水) 21:15:54.07 ID:RhpPp4pb0
花陽「ごめんね絵里ちゃん、ちょっといい?」

絵里「いいけど……今何時?」

花陽「夜の10時だよ。みんな疲れてて早く寝ちゃったから」

絵里(そっか、結局最後に時計見たのって8時くらいだったわね)

絵里「外に出る?」

花陽「うん、その方がいいかな」

絵里「わかったわ。ちょっと待って」

絵里(でもどうしたのかしら。こんな時間に……)

絵里「うん、大丈夫よ。行きましょう」

花陽「わかったよぉ」

486: 2014/07/23(水) 21:18:19.38 ID:RhpPp4pb0



絵里「うーん、潮風が気持ちいいわね」

花陽「そうだね。ちょっと暗すぎる気もするけど」

絵里「このあたりは周りに建物が少ないからかも」

花陽「うん」

絵里(……そろそろ話を聞こうかしら)

絵里「で、花陽。何の話かしら」

花陽「それなんだけど……真姫ちゃん」

真姫「ん」

絵里「あら、真姫もいたの?」

真姫「……大事な話だからね」

絵里(何のことかしら)

487: 2014/07/23(水) 21:21:55.18 ID:RhpPp4pb0
花陽「真姫ちゃん。話した通りにお願いね」

真姫「……わかってる」

絵里「大事な話って何? 楽しい事だといいんだけど」

花陽「絵里ちゃんにとっては楽しいことだと思うよ。みんなも喜んでくれる」

絵里「……それってやっぱりμ'sの――――――――」

真姫「ダメ、言わないで」

絵里「え?」

真姫「私が、言いたいの」

絵里(……なるほどね)

真姫「絵里、率直に言うわ」




真姫「μ'sに入って」

488: 2014/07/23(水) 21:26:08.01 ID:RhpPp4pb0
絵里「それ、希にも言った?」

真姫「ええ、聞いたわ」

花陽「希ちゃんも、絵里ちゃんには聞いたのかって言ってたよ」

絵里(あはは、やっぱりそっか)

絵里「答えは?」

真姫「もちろん了承してくれた。だから――――――――」

絵里「最後は私、ってわけね」

花陽「うん。そういうこと」

絵里(結局遅れはしたけど、加入順は変わらなかったかぁ……)

絵里「私も答えは決まってるわ。こっちからお願いしたいくらいだったもの」

真姫「ってことは……」

絵里「うん。私、絢瀬絵里はμ'sに入ります」

真姫「……よかった」

花陽「うんっ!」

絵里(ふふ、私もうれしいわ。ちょっと予定とは違ったけど)

489: 2014/07/23(水) 21:28:45.60 ID:RhpPp4pb0
花陽「生徒会の仕事はどう?」

絵里「え? どうしたの急に」

花陽「生徒会の仕事。忙しくないかってこと」

絵里「ああ、それなら大丈夫よ。花陽が手伝ってくれたおかげで楽になったし」

絵里(まあどんな仕事が出るかわかってるからね。前は溜めちゃってた仕事もすぐ終わったもの)

花陽「嘘じゃない……よね?」

絵里「ええ。嘘なんてつかないわ」

花陽「そっか。よかったぁ……」

真姫「花陽? あなた……」

花陽「なに?」




真姫「あなた、何で泣いてるのよ」

491: 2014/07/23(水) 21:31:48.19 ID:RhpPp4pb0
花陽「あ、あれれ? 本当だ……」

絵里「は、花陽? 大丈夫?」

花陽「うん、そういうことじゃないの。大丈夫。大丈夫だから」

花陽「あは、泣くつもりなんて……なかったんだけどなぁ」

絵里(どういうこと? 花陽はどうして……)

花陽「真姫ちゃん、最後のお願い、聞いてくれる?」

真姫「……いいわよ」

花陽「ありがとう」

絵里(最後? 最後って何?)

真姫「で、何? まあわかってるけど」

花陽「……さすが真姫ちゃんだね」

花陽「うん、少しだけ絵里ちゃんと2人きりにしてほしいの」

絵里(花陽……あなた一体……)

492: 2014/07/23(水) 21:34:47.43 ID:RhpPp4pb0
真姫「じゃ、ちゃんと戻って来なさいよ」

花陽「うん。ありがとう」

真姫「絵里、花陽を頼んだわ」

絵里「え、あ……ええ。わかった」

真姫「……じゃあね」

花陽「……それじゃ絵里ちゃん、本題に入ろっか」

絵里「どういうこと? 花陽、あなたどうしたの?」

花陽「ふふ、絵里ちゃん、そんなに焦らないで」

絵里(まさか、まさか花陽は――――――――)




花陽「そう。思ってる通り、私は未来の人間だよ」

493: 2014/07/23(水) 21:39:23.26 ID:RhpPp4pb0
絵里「で、でも! 花陽は私が聞いてた時、何も知らなくて……」

花陽「だって絵里ちゃん、未来から来た私が生徒会の手伝いをしたい、って言っても聞いてくれないでしょ?」

絵里「それは……」

花陽「絵里ちゃんは優しいから。気を遣わせないように、なんでも1人でやってくれるもん」

花陽「それに頼ってばかりの私たちのままじゃ……ダメなの」

絵里「花陽……」

花陽「希ちゃんが教えてくれたおまじない、本当に効くんだね。びっくりしちゃった」

絵里「……花陽は私の為にここへ来たって言うの?」

花陽「うん」

絵里「花陽の後悔って、やっぱり……」




『やっぱりお仕事時間かかったみたいだね……手伝った方がよかったよね』



花陽「うん、絵里ちゃんがみんなとの時間をもっととれるようにするため」

494: 2014/07/23(水) 21:45:08.52 ID:RhpPp4pb0
絵里(私の為に……花陽は私のことでそんなにも……)

花陽「私は絵里ちゃん1人で何でも抱え込んでほしくなかったの。希ちゃんみたいに、私にも打ち明けてほしかった」

絵里「ごめん……ごめんなさい」

花陽「私たちをもっと頼ってくれてもよかったのに」

絵里(私は結局、花陽をこんなにも追い詰めてた)

絵里(気を遣わせてた……)

絵里「花陽、ごめんなさい……本当に……」

花陽「ううん、私は怒ってないの。むしろ嬉しいくらい」

絵里「え?」

花陽「だって今は、私のことを頼りにしてくれたんだから、ね?」

絵里「ええ、でもそれとこれとは……」

花陽「一緒だよぉ。頼ってほしかったっていう私のエゴなの」

絵里「そんな、違うわ! 花陽はそんな……エゴなんかじゃ……」

花陽「ううん、これは自分の為でもあったの。絵里ちゃんが頼ってくれる自分になりたいっていうね」

495: 2014/07/23(水) 21:48:53.77 ID:RhpPp4pb0
花陽「だから……絵里ちゃんに明かせなかったんだ。私が来たって」

花陽「後ろめたかったのかもしれない。純粋に絵里ちゃんのために来たわけじゃないから」

絵里「花陽……」

花陽「ありがとう。私に幸せな夢を見せてくれて」

花陽「私はここで、先に戻ってるね」




花陽「もう、満たされたから――――――――」





花陽「うっ……」

絵里(倒れる!)

絵里「花陽!」

花陽「……あれ? ここは……絵里ちゃん?」

絵里(先輩が……ついてない)

絵里「花陽?」

花陽「あ、あれ? 何でこんなところに……んー? 私、寝てたよね?」

496: 2014/07/23(水) 21:53:05.68 ID:RhpPp4pb0
絵里(どういうこと? 花陽の記憶は今どうなってるの?)

絵里「花陽、今皆はどこで何してるかわかる?」

花陽「え? 今は合宿でしょ? みんな同じ部屋で寝てたし……まくら投げをして……」

花陽「あれ? まくら投げ、してたっけ?」

絵里(戻ってる……? ここまで未来の花陽がいたのがすっかり消えてしまったみたいに――――――――)

花陽「絵里ちゃん、私どうしちゃったのかなぁ……」

絵里「ううん、大丈夫。戻りましょ」

花陽「んー、絵里ちゃんってμ'sに入ってるよね? なんだか今まで絵里ちゃんがメンバーにいなかったような気がして……」

絵里「花陽は疲れてるのよ。もう寝ましょう」

花陽「うん……変なこと言ってごめんね」

絵里「いいえ、構わないわ」

絵里(過去の花陽の記憶は、私が介在していないものに切り替わってる……ってことはもう、未来の花陽はいないのね)

497: 2014/07/23(水) 21:57:23.46 ID:RhpPp4pb0
真姫「花陽、絵里」

絵里「あら、待っててくれたの?」

花陽「真姫ちゃんも起きてたの?」

絵里「あ」

絵里(そうか、真姫は前、こんな時間に起きてないから記憶が食い違ってるんだわ……)

絵里「ま、真姫、これはね……」

真姫「花陽、そういうことだったのね……最後って言うのは」

絵里(……ああ、全部話してたんだ)

真姫「そうよ、少し眠れなくて起きてたの。花陽たちを待ってたわけじゃないわ」

花陽「そうなんだぁ」

絵里「じゃあ花陽、ここから戻れるかしら」

花陽「うん、ありがとう絵里ちゃん。戻れるよ」

絵里「気を付けてね」

花陽「うん」

498: 2014/07/23(水) 22:01:53.41 ID:RhpPp4pb0
絵里「……真姫、どこまで聞いたの?」

真姫「今日で変わってしまうってことだけよ。それと3つのお願いだけ」

真姫「希と絵里にμ'sに入ってもらうことを頼むこと。それとさっきの2人きりにしてってことだけ」

絵里(ほとんど何も話してないってことね)

真姫「絵里に持ちかけられた、誘ってくれたらμ'sに入るってやつ。それを花陽に話したら、任せてって言われて……」

絵里「凛には?」

真姫「すぐ寝ちゃったから、話せなくて」

絵里(私たちが寝た後に話したってことか)

真姫「深くは聞かないけど、花陽は何で泣いてたのかだけ教えてくれる?」

絵里「それは……私のせいよ」

真姫「絵里の?」

絵里「そう、彼女に気を遣わせてたせい」

絵里(私が悪かったのよ……うん、それは違いない――――――――)




真姫「それは違うんじゃない?」

499: 2014/07/23(水) 22:05:02.46 ID:RhpPp4pb0
絵里「……どうしてそう思うの?」

真姫「あの子はほとんど何も教えてくれなかったけど、絵里のことを悪く言うようなことは言わなかった」

真姫「頼ってくれて、うれしかったって」

絵里「本当?」

真姫「私はそんな気を遣えるほど器用じゃないもの」

絵里「あはは、ありがと……」

絵里(……それがせめてもの救いね)

真姫「やだ、絵里にまで泣かれたら困るじゃない」

絵里「泣いてないってば」

真姫「ほら、ハンカチ」

絵里「ありがと……ありがとぉ」

真姫「もう……綺麗な顔が台無しよ」

500: 2014/07/23(水) 22:07:14.12 ID:RhpPp4pb0
――――――――――――――――

希「おかえり、花陽ちゃん。どうやった?」

花陽「うん。ちゃんと言えたよ」

希「それはよかった」

絵里「……すぅ」

花陽「絵里ちゃん、まだ寝てるね」

希「うん。幸せそうで何よりって感じかな」

花陽「ごめんね、急におまじない教えてほしいなんて頼んで」

希「いいよ。ウチも海未ちゃんに教えたときに聞かれてたんは知ってたし」

花陽「ふふ、希ちゃんは何でもお見通しだね」

希「それがウチやもん」

501: 2014/07/23(水) 22:09:28.74 ID:RhpPp4pb0
花陽「希ちゃんは……その……」

希「ああ、ウチが何でおまじない使わないか、って?」

花陽「……うん」

希「ウチはね。もう滅多なことがない限り使わんでいいんよ」

花陽「それって、前は使ってたってこと?」

希「そうやで。それはもう――――――――」




希「100や200なんて軽く超えるくらいに、ね」

――――――――――――――――

512: 2014/07/24(木) 19:31:02.72 ID:TKfi33VN0
絵里「……真姫は何も聞かないの?」

真姫「話したくないならいい」

絵里「うん、ありがと」

絵里(……真姫はちょっとだけ、未来の真姫に似てるかも)

花陽「だ、誰か助けてぇぇ!」

絵里「え? 花陽?」

真姫「どうしたのよ、そんなに慌てて」

花陽「せ、戦争が……戦争があああああ!」

絵里「戦争……?」

真姫「穏やかじゃないわね」

花陽「もうみんな……やられちゃってて」

絵里(いったい何が起こったっていうの……?)

花陽「お、お願い2人とも。にこちゃんと穂乃果ちゃんを助けて!」

真姫「はぁ……絵里、行くわよ」

絵里「うん」

513: 2014/07/24(木) 19:35:46.92 ID:TKfi33VN0



海未「明日は練習だと言いましたよねぇ……ふふふ」

にこ「に、にこは何もしてないってばぁ!」

穂乃果「ごごご、ごめんなさい海未ちゃん! まくら投げなんか始めた穂乃果が悪かったからぁ!」

希「」

ことり「」

凛「」

真姫「何よこの状況!」

海未「えぇ? 2人もどこかへ遊びに行ってたんですかぁ……!?」

絵里「わっ」

花陽「きゃあ!?」

真姫「は、速い……まくら?」

海未「次は仕留めますよ……ふふふ」

絵里(あー、なんとなく状況がわかった)

514: 2014/07/24(木) 19:39:11.42 ID:TKfi33VN0
花陽「みんなが花陽のこと庇ってくれて……」

真姫「庇うって……枕から?」

花陽「うん」

絵里「で、この有様と」

絵里(氏屍累々って感じね)

にこ「え、絵里! 助かったわ!」

穂乃果「真姫ちゃん! 花陽ちゃん!」

海未「あなたたちにはまだ、眠ってもらわないといけませんね……」

にこ「やばっ」

穂乃果「ひいっ!」

絵里(何か忘れてると思ったらこれかぁ)

絵里「海未ー、パンツ見えてる」

海未「……」

海未「えっ!?」

絵里「とりゃあああ!」

海未「ぶっ……む、ねん……」

絵里「ふっふっふ、あなたの敗因は相手がこのエリーチカだったってことよ!」

絵里(まあ1回経験してるしね)

515: 2014/07/24(木) 19:42:51.18 ID:TKfi33VN0
真姫「何よこれ。これがまくら投げだっていうの?」

花陽「た、たぶん……」

海未「すぅ……」

穂乃果「え、絵里ちゃん」

にこ「あの海未を一撃で……」

絵里「はいはい。それで、2人とも何してたのよ」

穂乃果「あ、うん。最初に穂乃果が目を覚ましたんだ。そしたら絵里ちゃんと花陽ちゃん、それに真姫ちゃんがいなくって」

絵里(事件は私たちが出てる間に起きたってわけね)

にこ「そうよ、それでみんな起こして探そうとしたら、希がふざけて幽霊にさらわれたーとか言うから……」

穂乃果「凛ちゃんもふざけて枕を投げたんだ……そう――――――――」



穂乃果「なかなか起きない海未ちゃんに向かって、ね」

絵里(何このシリアスムード)

517: 2014/07/24(木) 20:00:35.13 ID:TKfi33VN0
絵里「で、邪魔されるのが嫌いな海未が怒った、ってわけね」

穂乃果「うん。真っ先に凛ちゃんがお星さまに……うう」

絵里「あー……よしよし」

絵里(でも前はにこが最初だったっけ)

絵里「にこ、成長したわね」

にこ「え、何が」

穂乃果「それに海未ちゃん、なんだか今までより強い気がして……」

絵里(未来から来てるデメリットがここで出て来るとは)

花陽「みんな大丈夫なのかなぁ?」

ことり「うぅ……」

真姫「ことりがうなされてるくらいじゃない? どうするのよ、これ」

穂乃果「あ、それはこの……」

絵里「この枕を敷いてあげて」

花陽「うんっ」

ことり「……くぅ」

真姫「本当ね。良い表情になった」

518: 2014/07/24(木) 20:04:44.12 ID:TKfi33VN0
穂乃果「……絵里ちゃん、穂乃果の誕生日っていつだっけ?」

絵里「自分の誕生日も覚えてないの? 8月3日でしょ?」

穂乃果「すごい、もう覚えてくれたんだ……」

絵里「……あ」

絵里(しまった、これを知るのってもっと後だった……)

穂乃果「ことりちゃんのことも海未ちゃんのこともよく知ってるし、なんだかずっと一緒にいたみたいな感じがするよぉ」

絵里(鋭い)

花陽「そうだねぇ」

真姫「ま、そうね。私がトマト好きって見ただけで判断したみたいだし」

絵里(し、史上最大のピンチ!)

絵里(希は……寝てる)

にこ「……やれやれね」

にこ「私が絵里にいろいろ教えてたのよ」

519: 2014/07/24(木) 20:07:56.79 ID:TKfi33VN0
穂乃果「え?」

花陽「にこちゃんが?」

にこ「ええ、μ'sに入りたい入りたいって絵里がうるさくて」

絵里「ちょ、にこったら!」

絵里(そうだけどもっと言い方が……)

にこ「でも、その願いは叶ったんでしょ? ね、真姫ちゃん」

真姫「えっ、何でそれを……」

にこ「にこにーはすべてをお見通しなのよ」

絵里(……なんだかんだ言っても、私はにこにも敵わないわね)

穂乃果「え? ってことは……」

花陽「絵里ちゃんがついに……」




絵里「そうよ。この度、絢瀬絵里は音乃木坂学院のスクールアイドルユニット、μ'sのメンバーとなりました」

520: 2014/07/24(木) 20:12:31.37 ID:TKfi33VN0
穂乃果「ええええええええええ!?」

花陽「え、絵里ちゃんが!?」

にこ「えええええええ!?」

絵里「えっ、にこ。知ってたんじゃ……」

にこ「ししし、知ってたに決まってるでしょ!」

絵里(あー、いつものにこだわ。安心する)

絵里「ほらみんな、静かに。次に眠れる海未を起こしたら、みんなの意識の保証はできないわ」

穂乃果「……!」

花陽「……!」

真姫「だからって口をふさぐ必要はないと思うけど」

絵里「ふふっ、詳しいことはまた明日ね。それと――――――――」



絵里「みんな、よろしくね」

521: 2014/07/24(木) 20:19:36.61 ID:TKfi33VN0
絵里(……とまあクールに言ってみたけど)

絵里「眠れないわ……」

絵里(みんな寝るの早いわね)

絵里(私は念願のμ'sに加入、って目的を果たせたせいで頭が冴えちゃってるから……)

絵里「はぁ……」

花陽「うぅん……たきたて」

絵里(花陽も帰っちゃったし、残るは海未と私だけ……)

絵里「あれ?」

絵里(何で私、μ'sに加入できたのに帰れないのかしら)

絵里「……あ」

絵里(そっか、早期加入はしてないものね。それに海未との留学を止める約束もあるし)

絵里(なら私はもう少し頑張らなきゃ……)

522: 2014/07/24(木) 20:25:45.94 ID:TKfi33VN0



希「えーりち、おはよ」

絵里「……おはよう」

希「あらら? まだ眠いん?」

絵里「昨日あんまり眠れなくて」

希「もうちょっと寝とく?」

絵里「ううん、起きる。示しがつかないから」

希「うん、じゃあみんなに新メンバーですって言わなきゃね」

絵里「……そうね」

523: 2014/07/24(木) 20:29:28.93 ID:TKfi33VN0
絵里「みんなは?」

希「外で待ってる。えりちが入ったって聞いてみんな喜んでたで」

絵里「あら、もうみんな聞いてるんじゃない」

希「ウチがバラしてしもた」

絵里「おばか」

希「えへへ、褒め言葉として受け取っとく」

絵里「はいはい……よし、用意終わりっと」

絵里「行くわよ希、新メンバーは雑用から始めなきゃ」

希「えー、球拾い?」

絵里「ふふ、そうかもね」

524: 2014/07/24(木) 20:36:16.90 ID:TKfi33VN0



――――――――みんな、今日からよろしくお願いします――――――――



――――――――私、絢瀬絵里は、スクールアイドルとして頑張ります!――――――――



――――――――ってこらぁ! 抱き着いてこないの!――――――――



――――――――はいはい、練習ね、練習。わかってるわよ――――――――






――――――――大丈夫よ。時間はまだまだあるんだから――――――――

525: 2014/07/24(木) 20:47:28.68 ID:TKfi33VN0
海未「ではまずはランニングから……」

穂乃果「ええっ!? 絵里ちゃんと希ちゃんの歓迎は!?」

海未「これを歓迎にします」

ことり「えぇぇ……スパルタだよぉ」

真姫「これについて来れないようじゃ、μ'sにはついて行けないってわけね」

凛「あれ? 真姫ちゃんなんだかうれしそうじゃなーい?」

花陽「ふふ、本当だね」

真姫「べ、別にそんなことないわよ」

にこ「やっと3年生が仲間になってくれてうれしいわー。にこにー1人じゃ大変だったしぃ」

希「みんなの方が大変やったやんなぁ?」

にこ「どういう意味よ!」

絵里(やっと、追いつけたってわけね)

絵里(ここからが私のスタート……頑張らなきゃ!)

531: 2014/07/25(金) 13:17:59.47 ID:FuvHsdwl0



海未「今日はこのあたりにしておきましょう」

絵里「あー、いい運動になったわ」

希「……そ、そんな……一応特訓してたのに」

穂乃果「」

ことり「穂乃果ちゃん! 目を覚まして!」

凛「凛ももうだめだよぉ……」

花陽「り、凛ちゃんしっかり!」

真姫「はぁ……はぁ……」

にこ「白いおひげのおじいさんがにこを呼んでる……」

海未「……あ、あれ? どうしたんでしょう、今日は普通の運動量に設定したつもりでしたが……」

絵里(海未はおそらく今が夏だということを忘れてる)

532: 2014/07/25(金) 13:23:31.81 ID:FuvHsdwl0
にこ「おひげ……川も見える」

ことり「にこちゃん! 渡っちゃダメっ!」

真姫「え、絵里たちはどうしてそんなに……はぁ、はぁ……余裕そうなのよ」

海未「鍛えてますから」

絵里「そういうこと」

花陽「すごいなぁ……」

絵里「花陽もだいぶついて来れるようになったじゃない。上出来よ」

花陽「えへへ、そうかな?」

絵里(まあ未来と比べるとまだまだ伸びるけどね)

海未「では絵里、私たちは追加でもう1本、行きましょうか」

絵里「ええ」

希「頑張ってぇ……うぅ」

真姫「穂乃果、凛、にこちゃん。行くわよ」

凛「ラーメン……」

真姫「あー、冷蔵庫にケーキとラーメンがあったわね」

凛「なんでラーメンを冷蔵庫に入れてるの! 凛とってくる!」

穂乃果「ケーキ!」

真姫「……フ」

絵里(真姫が何気に扱いが上手くなってきてる)

533: 2014/07/25(金) 13:30:05.10 ID:FuvHsdwl0
海未「どのくらい走りますか?」

絵里「んー、みんなを待たせても行けないし、100メートルのダッシュ10本くらいでどう?」

海未「そうですね」

ことり「あ、にこちゃんなら私持てるよっ」

にこ「にこぉ……」

花陽「じゃあ真姫ちゃん、肩貸すね」

真姫「ありがと」

希「ウチも肩貸すー」

真姫「ありが……ちょっと! どこ触ってんのよ!」

希「ありがとうございます!」

絵里「お姫様抱っこされたりおんぶされたり、にこはよく持ち上げられるわね」

海未「絵里は私が持ち上げてみましょうか?」

絵里「あはは、遠慮しとく」

絵里(だって今までダンスレッスン以外激しい運動してなかったから絶対太ったもの……)

絵里(持ち上げられませんとか言われたら……私……)

絵里「うわーん!」

海未「は、速いっ……! 私も負けませんよ!」

534: 2014/07/25(金) 13:35:55.98 ID:FuvHsdwl0
絵里「うわああ!」

絵里(丸々太ったエリーチカはきっとみんなに丸焼きにされて食べられるんだわ……)

海未「あ、絵里! 足元見てください!」

絵里「へ? うわぁ!? ヤドカリ……」

絵里(しまった! 姿勢が崩れ……)

海未「絵里!」

絵里「わ」

海未「うわっぷ」

絵里「……ごめんなさい」

海未「いえ、尻餅をついただけで済んでよかったです」

海未「……海の中にですけど」

絵里(ずぶぬれ……海未、絶対怒ってるわ)

535: 2014/07/25(金) 13:41:43.91 ID:FuvHsdwl0
絵里「ご、ごめんなさい海未……」

海未「大丈夫ですよ。私は怒ってませんから」

絵里「でも海未は私を庇って背中から……」

海未「いいんですよ。服には替えがありますから」

絵里「……海未、背中にわかめついてる」

海未「ええっ!?」

絵里(なんでこんなところにわかめが)

海未「なぜこんなところにわかめが……」

絵里「ぷふ」

海未「え、私、何か変なこと言いましたか?」

絵里「いや、同じときに同じこと考えてたから」

海未「そうでしたか……」

海未「これって食べられるんでしょうか」

絵里「くっ……ふふ」

海未「えっ、な、何ですか!」

絵里(わ、ワイルドすぎて……)

536: 2014/07/25(金) 13:49:31.22 ID:FuvHsdwl0
絵里「一旦戻りましょうか」

海未「そうですね。濡れたままでは風邪をひくかもしれませんし」

絵里「あ、でもこの陽射しなら乾くんじゃない?」

海未「どうでしょう……脱いでどこかにかけておけばそうかもしれません」

絵里「……下着でいいの?」

海未「……戻りましょう」

絵里「うん、それがいい」

海未「しかしこのわかめ、大きいですね。どこからか流れてきたんでしょうか」

絵里「食べるの?」

海未「いえ、海に還しておきます」

絵里「……ボトルレター流す人みたい」

海未「何か文字を刻んでおきますか?」

絵里「ふふっ、いらなーい」

海未「そうですね。ふふふ」

543: 2014/07/25(金) 23:13:17.95 ID:FuvHsdwl0
またせたな

544: 2014/07/25(金) 23:15:44.87 ID:FuvHsdwl0




海未「さて、服を着替えましょうか」

絵里「穂乃果と凛に怒られちゃったわね。2人だけ遊んできてずるーい、って」

海未「遊んでいるわけではなかったんですがね」

絵里「そうね」

海未「……で、絵里。ここにいるんですか?」

絵里「え? ダメ?」

海未「いや、ダメというか……その……」

絵里(どうしたのかしらモジモジして)

海未「いや、着替えるので……」

絵里「あ、海未ってこんなにたくさん着替え持ってきてたの?」

海未「え? あぁ、そうですね。予備にと」

545: 2014/07/25(金) 23:20:36.32 ID:FuvHsdwl0
絵里「何の予備なの?」

海未「穂乃果やことりが服を忘れたときなどに、ですよ」

絵里「なるほどね。だからこんなにたくさん……っていくらなんでも多すぎない?」

海未「はい、これはちょっと古いものが多いですから」

絵里「そうなの?」

絵里(って言われてみれば確かにそう見えるかも……新しくはなさそうだし)

海未「だから今来ているこの服も、実はこのまま捨ててしまおうかと思っていまして」

海未「この服が一番古いですから」

絵里(なるほど。帰りに荷物を減らそうってわけね)

海未「それに、この服はいずれ捨てることになるんですよ」

絵里「そうなの?」

海未「はい、帰ってすぐ服の整理をして捨てたんです。未来ではですけど」

絵里(そっか、そういう風に未来がわかるんだ)

546: 2014/07/25(金) 23:23:33.56 ID:FuvHsdwl0
海未「ですから……その……」

絵里「え?」

絵里(海未が部屋の隅に逃げるように……)

海未「着替えるので……」

絵里「あ、そういうことね」

絵里「カメラに収めてほしいと」

海未「そ、そういうわけではなく……!」

絵里「えー? 亜里沙喜ぶと思うんだけどなぁ」

海未「ですが……」

絵里(海未をいじるのが楽しいだけなんだけどね)

絵里「ほら、ポーズ決めて」

海未「そ、そんなにすぐには決められません!」

絵里(あ、意外とノリノリだわこの子)

547: 2014/07/25(金) 23:27:35.53 ID:FuvHsdwl0



絵里「……なんかもう、すぐだったわね」

希「そうやね」

にこ「本当よね。楽しい時間はあっという間に過ぎるって言うか」

絵里「合宿があんなに早く終わるとは……」

希「まあえりちも満喫してたやん」

絵里「そうだけど……なんだか気付いたら一瞬で終わったような気がして」

にこ「まあいろいろインパクトはあったけどね。2人がμ'sに入ったりしたし」

希「うん、そうやね」

絵里「うーん……もっと楽しみたかったかも」

にこ「欲張り言わないの」

絵里「はーい」

希「それに、亜里沙ちゃんも喜んでくれてたし」

絵里「そうね」

548: 2014/07/25(金) 23:30:08.35 ID:FuvHsdwl0
絵里「何かやり残したことってあるかしら」

希「スイカ割り……は、したやんな?」

にこ「花火もビーチバレーもしたわ」

絵里「いや、そうじゃなくて……何か別のことを忘れてるような……」

絵里(なんだっけ? 私が加入してすぐにやったことをやってない気が……)

海未「絵里!」

希「あ、海未ちゃん」

にこ「そんなに慌ててどうしたのよ。珍しい」

海未「いえ、それが……大事なことを忘れていたんです」

希「大事なこと?」

にこ「何よそれ」

549: 2014/07/25(金) 23:32:05.94 ID:FuvHsdwl0
絵里「……そうだ!」

絵里(思い出した。思い出したわ!)

海未「わかりましたか、絵里」

絵里「ええ、わかったわ」

希「なになに? 何するん?」

にこ「教えなさいよー」

海未「ええ、私たちは……」




絵里「アキバでまだ路上ライブをやってないのよ!」

にこ「へっ」

希「え?」

550: 2014/07/25(金) 23:38:40.26 ID:FuvHsdwl0
にこ「あああっ、アキバで!? あのA-RISEがいるアキバよ!?」

絵里「そうよ」

海未「はい」

希「へぇ、それは何でやるん?」

絵里「ラブライブ出場枠は上位20位まででしょ? 今は確か50位くらいだから……」

にこ「え、今のμ'sはランキング19位よ」

絵里「えっ」

海未「ほ、本当ですか!?」

にこ「穂乃果たちにも……もちろん海未には言ったでしょ? 私と花陽しか自体を飲み込めてなかったみたいだけど」

海未「あ、あれ? そんなことは聞いた覚えが……」

海未「……すみません、あります」

絵里(あるんだ)

551: 2014/07/25(金) 23:43:35.58 ID:FuvHsdwl0
海未「ですが何気ない会話だと思って……だってその頃のμ'sは50位にも入っていませんでしたから」

にこ「そうだったのよ。つい最近までμ'sは全然ダメダメだった」

にこ「でも! 学校説明会で撮られたPVの出来がよくて、それがものすごく評価されたのよ!」

にこ「撮ったのは?」

絵里「あ、私だ」

希「あー、えりちそういうの撮るん上手やもんなぁ」

絵里(……私の撮影でランキングの順位が上がった?)

絵里「ハラショー……」

にこ「で、順位が急激に上がってて……こっちに戻ってきてパソコンつけたら19位、ってわけよ」

にこ「海未たちには今朝集まってもらって話したけど、絵里と希にはまだだったわね」

絵里「あれ? 何で私たちには内緒に?」

にこ「それは……ほら、陰で支えてくれたんだし、サプライズーみたいなー……」

絵里(かわいい)

希「ふふっ」

552: 2014/07/25(金) 23:47:24.07 ID:FuvHsdwl0
にこ「まあともかく結果オーライよ! ラブライブ出場はほぼ確定……」

希「でも19位やと抜かれたりしそうやなぁ」

にこ「」

絵里「あ、そうね。意外とライバルグループが出てくるのも時間の問題かもしれないわ」

にこ「」

海未「それは心配ですね……」

にこ「……アキバでライブ、したほうがいいわよね」

絵里「部長のお好きなように」

にこ「じゃあやるわ」

希「おーっ! それに、ウチらにとったら初ライブになるんやし頑張らな」

絵里「私はもうやってる」

希「あ、そうか」

561: 2014/07/26(土) 23:16:41.73 ID:xImziVXy0



絵里「というわけで、よ」

海未「どうしたんですか。私だけ残して」

絵里「ほら、ことりよことり。ミナリンスキーの」

海未「それがどうかしたんですか?」

絵里「……今の時期も、ことりはメイドをやってるのかしら?」

海未「……え」

絵里「夏休みに入る前だったからこそ、あのイベントは起こった……つまり」

海未「ま、まさか……!」

絵里「そうよ。もしかするとことりはもう……あの写真を買い取ってるかもしれない!」

海未「なんですって!?」

絵里「何の前触れもなくことりをメイドだと指摘するのは少し無理がありすぎる」

絵里「だから何としてもことりのメイド姿をゲットするのよ!」

海未「はいっ!」

絵里(……あるといいんだけど)

562: 2014/07/26(土) 23:21:11.91 ID:xImziVXy0
海未「ですがことりの写真っていくらくらいなんでしょう」

絵里「うーん……でも写真だし高くて1000円くらいかしら?」

海未「なるほど。そのくらいですか……ううむ、難しいですね」

絵里(確かに海未はそういうのに無頓着そうよね)

海未「どうしました?」

絵里「え、あぁ。海未はそういうアイドルの写真とか持ってなさそうだなって」

海未「私もそれくらい持っていますよ。ほら」

絵里「……えっ」

海未「え?」

絵里(な、何で私と海未のツーショット写真を――――――――)

海未「あ、これは希からもらったんでした。せっかくなので記念に、と」

絵里「……ちょっとドキッとした」

海未「そ、そんな犯罪的な要素がありましたか!? た、たしかに私が持っているのは変ですが……」

絵里「ちがーう!」

563: 2014/07/26(土) 23:25:45.98 ID:xImziVXy0



絵里「……海未隊員、そっちは?」

海未「オーケーです。いつでも行けます」

にこ「よーし。用意できたわね」

絵里「って何でにこが一番乗り気なのよ」

にこ「私たちはスクールアイドルなのよ? 外に出るとき迂闊に見つかるような真似は慎みなさい」

絵里(結局この展開は変わらないのね)

にこ「そう、まずアイドルと言えば変装。変装と言えば……」

海未「ルパンですか?」

にこ「いやいや」

絵里(海未は「またつまらぬものを斬ってしまいました」とか言いそうよね)

海未「でもこんな時期にコートとマスクとサングラスというのは……逆に目立ちませんか?」

にこ「……」

絵里「それに暑いし」

にこ「……じゃあやめとく」

絵里「ふふ、そうしましょう」

564: 2014/07/26(土) 23:28:25.72 ID:xImziVXy0
にこ「あ、でもサングラスは似合ってるわよ」

絵里「あら、そう? にこもかわいいわよ」

にこ「ありがと」

海未「……」

絵里(私はまだですか、って顔してる)

絵里「海未も似合ってるわよ」

海未「本当ですか!?」

絵里「……制服が」

海未「……」

にこ「なんかもっとなかったの?」

絵里「いや、そういえば海未は装飾品を何も身に着けてなかったと思って」

海未「じゃ、じゃあこういうのはどうですか? 髪型を変えて変装とか――――――――」

にこ「採用!」

絵里「決定!」

絵里(なんか遊びたいだけになってきたわね。まあいいけど)

565: 2014/07/26(土) 23:32:15.63 ID:xImziVXy0
にこ「じゃあ今から時計回りに隣の人の髪型を真似すること!」

絵里「ええ。わかったわ」

海未「はい」

海未「……って、私がツインテールですか?」

にこ「そうよ、それでにこがポニーテール」

絵里「私はそのまま下ろすだけね」

海未「つ、ツイン……」

にこ「何よ。にこにーの髪型に文句あるって言うの?」

海未「……やったことがなくて」

にこ「なるほど」

絵里「にこ、やってあげて。私はにこの髪整えるから」

にこ「……なんかこうして並ぶと毛づくろいみたい」

海未「そんな野生に帰ったみたいな……」

絵里「野生のにこ」

にこ「鳴き声はにこにーでお願い」

海未「新種の生物みたいですね」

絵里「UMAね」

にこ「手を動かしなさい」

絵里「はーい」

568: 2014/07/26(土) 23:40:37.08 ID:xImziVXy0



絵里「よし、ついにアイドルショップに来たわ……」

海未「ごくり……」

にこ「ていうかあんたたち何しに来たの?」

絵里「え」

海未「あ、教えていませんでしたね」

絵里(でも教えると後々面倒ね。今は隠しておきたいし……)

絵里「にこのグッズが置いてあるわよ」

にこ「嘘っ!?」

絵里「ほらほらー、写真撮らなくていいのー?」

にこ「撮る撮る!」

絵里(計画通り……)

絵里「さ、海未。ことりの写真を……」

海未「わ、私のグッズもありますよね……ふふふ」

絵里(……私1人で探しましょうか)

569: 2014/07/26(土) 23:43:54.57 ID:xImziVXy0
絵里(えーと……たしかこのあたりで穂乃果が見つけたのよね……)

絵里「うーん。これじゃないし、これでもない」

絵里(メイドって言っても結構な人の数あるわね……)

絵里「あ、この髪型はもしかして……」

絵里「……あった」

絵里(あった! これをひとまず買収しておけば……)

絵里「」

絵里(3890円……うぅ、高いわ)

絵里「……経費で落ちないかしら」

570: 2014/07/26(土) 23:48:08.18 ID:xImziVXy0
海未「あ、絵里。見つけたんですか?」

にこ「んー。何の話よ」

絵里「ううん、なんでもない」

絵里(これでことりの正体を掴んだことになるのよね……よし)

絵里「じゃあこれで解散しましょうか」

海未「そうですね」

にこ「そうね。グッズがあるのわかったし、みんなにも教えないと」

絵里「あら、部長さん優しいのね」

にこ「ええ、きっと花陽なんか泣いて喜ぶと思うわ」

絵里(確かにそうだったわね)

絵里(ま、今日のところはこれで……)




ことり「すみません!」

絵里「」

571: 2014/07/26(土) 23:54:59.23 ID:xImziVXy0
ことり「あの、ここに写真が……私の生写真があるって聞いて……」

絵里(し、しまった! まさかこんなところで……)

ことり「あれはダメなんです! 今すぐなくしてください!」

にこ「……え? こと――――――――」

ことり「ひゃあっ!?」

海未「えっ、今の声は……」

絵里(しまった……これじゃ早すぎる!)

にこ「ことり……よね?」

ことり「こ、ことり? What? ドーナタディスカー?」

にこ「いや、あんた……」

ことり「チガイマース!」

絵里「にこ、どいて! 今捕まえないと確実に……」

にこ「え?」

ことり「ソレデハ、ゴーキゲンヨーゥ……ヨキニハカラエ、ミナノシュー……」

海未「にこ、そこをどいてください!」

にこ「え? だから何って……」

ことり「サラバッ」

にこ「あ、逃げた」

絵里「あー……」

572: 2014/07/27(日) 00:03:21.79 ID:WKcCNGo30
絵里(3人じゃ確実に捕まえられない……でもここで逃せば……)

海未「絵里、逃げるルートはわかっていますよね」

絵里「でも今からじゃ間に合わないわ。希が待ち伏せしてないから……」

にこ「な、何の話をしてるのよ……?」

海未「一応行ってみましょうか」

絵里「そうね。たぶん逃げ切られたと思うんだけど……」

にこ「だ、だから何の……」

絵里「もー、にこが入口でもたもたしてるからー」

にこ「えっ、わ、私のせい?」

絵里(あ、あれ? 反応がなんか違う)

にこ「……ごめん」

絵里「だ、大丈夫よ! ごめんね、にこのせいなんかじゃないわ!」

にこ「……うん」

絵里(うぐっ……なんか本当にちっちゃい子いじめてるみたいで罪悪感が……)

573: 2014/07/27(日) 00:10:55.83 ID:WKcCNGo30



絵里(でもここで逃げられた後、どうすればいいかなんてわからないし……)

海未「あれ? あそこにいるのはことりではありませんか?」

絵里「え?」

ことり「」

希「お、みんな遅かったなぁ」

絵里(の、希がことりを捕まえてる!?)

にこ「い、いるじゃないの! 大丈夫だったじゃない!」

絵里「そうね、結果オーライだわ。うん……」

絵里「でも希、どうして?」

希「え? なんかカードで占ってたら、捕まえるべき幸運のメイドさんがいるって出たからうろうろしてたんよ。そしたら……」

海未「う、占いってすごいんですね……」

絵里「うん」

574: 2014/07/27(日) 00:20:28.56 ID:WKcCNGo30
にこ「それで……ことりは何でぐったりしてるの?」

希「あぁ、ついメイドさんやったからわしわししたくなって、つい」

ことり「」

海未「つい、で済むレベルなんですか……? かなりぐったりしていますけど……」

希「そこはほら、疲れがたまってたとかで」

絵里「何言ってるのよ希」

希「えへへ」

希「……よかった。えりち楽しそうやん」

絵里「え?」

希「ううん、なんでもなーい。じゃあウチはこれから用事あるから、それじゃっ!」

海未「え、ちょっと希! わ、ことり! しっかりしてください!」

絵里「何だか希の様子、変だったわね」

にこ「そう? あれがいつも通りなんじゃない?」

絵里「?」

575: 2014/07/27(日) 00:24:09.09 ID:WKcCNGo30
――――――――

希「うん、えりち楽しそうやったよ」

花陽「よかったぁ……でもすごいね希ちゃん。ちょっと横になっただけでできるなんて」

希「ウチはもう慣れてるからなぁ。それに向こうに行っても倒れなくなったし」

希「あ、でもことりちゃんを捕まえられたのは偶然やったけどね」

花陽「え?」

希「ウチも細かな時間指定まではできないってこと」

花陽「そうなんだぁ」

希「まあこれなら心配ないで」

花陽「うん、わざわざお願い聞いてくれてありがとう」

希「ううん、いいっていいって」

――――――――

581: 2014/07/27(日) 23:05:36.96 ID:WKcCNGo30




ことり「うぅ……ここは……」

海未「あ、ことり。目を覚ましましたか」

ことり「海未ちゃん……?」

海未「はい」

ことり「……ああああ!?」

海未「わわ、急に立つと危ないですよ」

ことり「わ、私バイトの休憩時間中で……あれ? ここ、お店の休憩室……?」

海未「安心してください。みんなには伝えていません」

ことり「え? ど、どうしてここが……」

絵里(うーん、何で私には気づいてくれないのかしら。位置取りが悪いの?)

ことり「……あ、あれ!? 絵里ちゃんどうしてメイド服に!?」

絵里(やっと気づいた。服だったのね)

絵里「ことりが休憩中に寝不足で倒れた、って言ったら店長さんが、今日はもう大丈夫だから早めに上がっていいって言ってたわ」

ことり「そ、それより何でここを……」

海未「それはですね……絵里」

絵里「……」

絵里(……言い訳考えてなかった)

海未「」

582: 2014/07/27(日) 23:10:39.37 ID:WKcCNGo30
絵里(あ、そうだ!)

絵里「この写真の後ろの壁を見て推測したのよ!」

海未「どこのエージェントですか」

絵里「えっ」

絵里(まずかったかしら)

ことり「へぇ……すごいね絵里ちゃん。探偵さんみたい」

絵里(セーフ)

にこ「勤務終わりよー……ってことり、起きたのね。大丈夫?」

ことり「に、にこちゃんまでメイド服に……」

海未「まあこれは少し話さなければなりませんね」

絵里「そうね」

にこ「ここのメイド服いいわねー。すごくかわいい」

ことり「だよねっ!」

にこ「うおお、すごい食いつき」

絵里(そういえばことりは、ここの制服を気に入ったって言ってたっけ)

絵里「ことり、今からどうしてこうなったかを話すわ」

ことり「あ、うん」

583: 2014/07/27(日) 23:17:11.73 ID:WKcCNGo30
絵里「まずことりは、あのアイドルショップにあった自分の写真を回収しに来たでしょ?」

ことり「うん、みんなにバレちゃうから……もうバレちゃったけど」

海未「このことは他のみんなには話していませんよ。大丈夫です」

ことり「……そっか」

絵里「で、偶然あそこにいた私たちはそれを発見した」

絵里(まあ元々ことりを捜しに来たわけじゃなかったし……あれはハプニングよね?)

ことり「あっ! それで私が逃げて……あれ? 思い出せない」

にこ「希のスピリチュアルパワーにあてられたのね」

ことり「え?」

にこ「ううん、なんでもない」

海未「そしてことりはとりあえず私たちに捕まりました」

ことり「うん」

海未「それで写真の背景からこのお店を見つけ出して、店内に入りました」

にこ「あの時大変だったわよね。海未がお姫様抱っこして入店したから王子様が来たって騒がれて」

ことり「えっ!?」

海未「だからフロアに出られなかったんですよ……」

絵里(海未って意外と周り見えてないのよね)

584: 2014/07/27(日) 23:24:33.01 ID:WKcCNGo30
絵里「それで、ことりが休憩時間に来てたことがわかったから、代わりに残りの時間私たちでバイトしようって話になったのよ」

ことり「そ、そんな……ごめんねみんな。迷惑かけちゃって」

にこ「別にいいのよ。追いかけたのは私たちなんだし」

絵里「それに、案外楽しかったから」

ことり「ありがとう。そう言ってもらえるとうれしいかな」

海未「私はここでことりを見ていました。先ほど言った通りフロアに顔を出すことはできなかったので」

ことり「……海未ちゃん、出られたら出てたの?」

海未「はい。そうですよ?」

ことり「メイド服なんて恥ずかしい! とか言いそうなのに……」

海未「そ、それは……あれです! このスカートの丈が長かったので!」

絵里(あー、海未も最初は恥ずかしがってたわね)

にこ「まあにこは短い方が好きなんだけどね。かわいいし動きやすいし」

ことり「じゃ、じゃあ次の衣装はメイド服にしちゃう……?」

絵里「いいわよ」

ことり「やったぁ! ついにねんがんの……」

絵里「その前に、少しだけお願いがあるの」

ことり「ぇ?」

585: 2014/07/27(日) 23:42:13.06 ID:WKcCNGo30
絵里「もうすぐ私たちは、このアキバでライブをしようと思ってるの。ラブライブ出場を確実にするために、ね」

ことり「そうなの?」

海未「そうです。今日絵里とにこと3人で話していたんですよ」

ことり「へぇ……楽しそうだねっ」

にこ「絵里」

絵里「まあまあ、そんなに急かしたって仕方ないでしょ?」

にこ「そうじゃなくて。ほら、先にやることあるでしょ」

絵里(……なんだっけ)

にこ「写真、写真あるんでしょ?」

絵里「あ、そうだった」

ことり「え? 写真?」

絵里「そうそう、ことりに似てたから買っておいたのよ。だからあげる」

絵里(本当は持っておくつもりだったけど、ことりの正体を掴んだ以上は仕方ないものね)

ことり「……3980円!? も、もらえないよっ!」

絵里(うわあああ……間違えてレシートも一緒に渡しちゃった)

にこ「格好つかないわねー」

海未「絵里らしいというかなんというか……」

586: 2014/07/27(日) 23:55:05.94 ID:WKcCNGo30
絵里「まあ写真は置いといて、ともかくライブをやりたいの」

ことり「うん」

絵里「それでね、アキバでバイトしてたことりに曲の歌詞を書いてもらいたいの」

ことり「……ええっ!? わ、私が書くの!?」

絵里「うん」

海未「はい。きっと私より、こちらのことをよく知っていることりの方がうまく書けると思いますから」

にこ「まだ時間はたっぷりあるのよ。ていうかステージの予約もしてないし」

ことり「私に書けるのかなぁ……」

海未「大丈夫ですよ。私はもちろん、穂乃果も手伝ってくれると思いますから」

ことり「そっか……うん、がんばってみる!」

絵里(うんうん、いい調子ね)

にこ「それで絵里、どうするの?」

絵里「ああ、そうね……」

ことり「?」

587: 2014/07/27(日) 23:59:59.22 ID:WKcCNGo30
絵里「あのね。ことりがここでライブするにあたって……正体がバレちゃう可能性があるでしょ?」

ことり「……あ、そうだね。確かにあるかも……」

絵里「だからことり、みんなに話すか話さないか、どっちか決めておいてほしいの」

海未「えっ」

ことり「え……?」

絵里「ことりが話してもいいっていうなら、ことりの口から直接言ってもらうことになるわ」

絵里「でも話したくないって言ったのなら、私たちは他言はしない。絶対によ」

ことり「……絵里ちゃん」

にこ「絵里、いいのね?」

絵里「うん。こればっかりは強要できないもの」

絵里(それに、これでことりが本当に1人で抱え込んでしまわないかどうかがわかるもの)

海未「……」

絵里「それじゃ、ことり。私たちはお先に失礼するけど大丈夫?」

ことり「うんっ、今日はありがとうね!」

絵里「ううん、じゃあまた明日ね」

ことり「はーい」

588: 2014/07/28(月) 00:06:19.36 ID:5SrWsnu00




海未「絵里、あれでよかったんですか?」

絵里「うん」

海未「私は……その……」

絵里「ことりがね、話す方を選んでくれたら、きっと留学の話も打ち明けやすくなると思うの」

海未「あ……」

にこ「また未来の話? 私はそういうのパス」

絵里「にこは私が勝手に決めたのに異論はないの?」

にこ「別に。だって私はあんたを信用してるから」

絵里(……うれしい)

絵里「ありがと」

にこ「はいはい。気持ちだけ受け取っておくわ」

絵里「海未はどう? やっぱり納得いかない?」

海未「いえ……でも1つだけ――――――――」



海未「ことりが話さないと決めたら、どうなるんでしょう……」

589: 2014/07/28(月) 00:13:37.65 ID:5SrWsnu00
絵里「……その時はその時!」

海未「ずいぶん割り切りましたね……」

絵里「うーん、その時は私たち、というかμ's全体の信頼が薄いってことになるわ」

にこ「あー、嫌ね。それ」

絵里「まあ別の意味でそういうこともあると思うわ。変に意識されたら嫌だとか、そういうの」

絵里(伝説のメイド、ってなったら変に意識し合ってぎこちなくなるって考えるかもしれないし)

絵里「そういうことを打ち明けられて、相手のことも……いい意味で気にしなくなるようなら……」

絵里(……未来のμ'sに似てる、と思う)

海未「そうですね。私たちがもっとどっしり構えていれば、ことりも気兼ねなく話してくれるはずです」

にこ「んー、なんかことりにはずいぶん慎重ね。何かあるわけ?」

絵里「まあちょっとね」

にこ「その顔はちょっとって顔じゃないわよ」

絵里(しまった。顔に出てた)

にこ「でもあんたたちはそれを乗り越えた未来から来てるんでしょ? なら大丈夫よ」

海未「……にこ、いくつですか?」

にこ「何よ、ちっちゃいからってバカにしないでほしいんだけど」

海未「いえ、その逆で……あまりにも大人びた意見だったので……」

絵里「そうね。にこじゃないみたいだった」

にこ「どういう意味よ!」

590: 2014/07/28(月) 00:23:31.37 ID:5SrWsnu00
ことり「3人とも! 待って!」

海未「ことり?」

絵里「あれ? バイト終わったの?」

ことり「ううん、もう少しだけあるよ。だけどこれだけは言っておきたくて」

にこ「ふーん、何?」

ことり「私、みんなに自分のこと話すことに決めたよ」

絵里「!」

海未「……それはどうしてですか?」

ことり「みんなに、ことりのこと知ってもらいたいと思って」

にこ「隠してきたのに?」

ことり「うん。いつかは話さなきゃって思ってたんだ。隠し通せるはずもないし、隠し続けるのもなんだか嫌だったから」

絵里(……私たちが経験した未来のことりも、そんな風に考えてたのかしら)

ことり「だから、みんなに話すね」

ことり「……明日くらいに」

絵里(やっぱり恥ずかしいんだ)

597: 2014/07/29(火) 00:06:53.63 ID:GrqS5S6s0



にこ「よーし。今から練習、始めるわよー!」

穂乃果「おーっ!」

凛「やるにゃー!」

絵里「あー、今日も学校暑いわね……」

真姫「今日も?」

花陽「昨日も練習してたっけ?」

絵里(しまった! 昨日はアキバライブの作戦の為に学校に集まってただけだった!)

絵里(な、内緒にしないと……ことりの正体が!)

希「えりちは生徒会の仕事で学校来たんよ、ね?」

絵里「あ、うんそれそれ」

穂乃果「なーんだ、みんなで遊んだりしたのかと思ったぁ」

にこ「……っそ、そんなわけないでしょ!」

海未「い、いや、あれは遊びでは……」

凛「?」

絵里(2人とも焦りすぎでしょ……人のこと言えないけど)

希「あれ? そういえばことりちゃん遅くない?」

花陽「本当だ。どうしたのかなぁ?」

598: 2014/07/29(火) 00:11:55.73 ID:GrqS5S6s0
凛「もしかしたら夏休みの練習の日程間違えちゃったのかも」

海未「穂乃果じゃあるまいし、間違えませんよ」

穂乃果「海未ちゃんひどい! 助けて真姫ちゃん!」

真姫「え、私? ていうか穂乃果たちはことりと一緒に来なかったの?」

海未「はい。ことりには先に行っててくれと頼まれまして」

花陽「忘れてるってことはないのかなぁ」

希「じゃあどうしたんやろ」

絵里(……まさか今日、自分の正体をバラす気じゃ……でも何を用意するのかしら)

にこ「心配ね。ちょっと捜しに行ってみる?」



ことり「その必要はないよっ!」



希「わ、ことり……ちゃん?」

にこ「あっ」

海未「えっ」

絵里「」

凛「かわいい!」

ことり「……え、えへへ」

絵里(まさかメイド服着てくるなんて……)

599: 2014/07/29(火) 00:17:10.72 ID:GrqS5S6s0
真姫「何よその服……こんな暑い中そんなの着てきたわけ?」

ことり「そうだよっ!」

にこ「……すごいわね」

穂乃果「お水飲む?」

ことり「うん、ありがと」

花陽「その服どうしたの?」

ことり「……うん、みんなにはちゃんと話しておきたくて」

絵里(じゃあことりはそのために……って、やりすぎな気もするけど)

希「ちょっと日陰に入ろか」

ことり「うん……そうする」

海未「絵里、まさかこれって……」

絵里「そのまさかでしょうね」

絵里(でも進歩よね、きっと……)

ことり「あ、暑いよぉ……」

絵里(でもやっぱり夏の昼間にロングスカートはやり過ぎだと思うわ)

600: 2014/07/29(火) 00:18:24.95 ID:GrqS5S6s0

一旦ここまで
逆立ちして寝てたせいか頭回らん
昼か夕方あたりにまた更新します

604: 2014/07/29(火) 00:32:23.63 ID:GrqS5S6s0
>>601
でんぐり返りして壁にぶつかったまま寝てた

>>602
そ、そんなシリアスやない( ´_ゝ`)
そして地の文なしでそこまでシリアスにできる自信がない

615: 2014/07/29(火) 21:47:59.26 ID:GrqS5S6s0
ことり「ふぅ、生き返ったぁ」

穂乃果「それでことりちゃん、何でメイド服なの?」

ことり「えっ、あ……」

絵里(穂乃果がいきなり核心を突いた)

ことり「これは……その……」

希「ウチも聞いてないけど、どういうこと?」

にこ「ことりの口から聞きなさい。きっと驚くわよ」

凛「ことりちゃん?」

ことり「えーと……」

絵里(まだ迷ってるみたいね……でもメイド服で来るって決意はあるみたいだし……)

ことり「わ、私……!」

海未「言いますか」

花陽「?」




ことり「昔々あるところに、ことりという少女がおりました」

穂乃果「わーっ! なになに? 昔話?」

絵里(なるほど)

616: 2014/07/29(火) 21:53:24.66 ID:GrqS5S6s0
ことり「ことりはとてもかわいい服が好きです。服を作るのも好きです」

凛「ことりちゃんそっくりだね」

花陽「え、これってことりちゃんの話じゃ……」

絵里「花陽、それはタブーよ」

真姫「続きは?」

絵里(わお、真姫が催促してる)

ことり「そんなことりの高校2年生の春、とある誘いが来たのです……」

穂乃果「ごくり」

希「ふむふむ」

ことり「メイド喫茶で働いてみないか、と!」

凛「昔にメイド喫茶ってあったの?」

海未「喫茶ならありましたよ」

穂乃果「メイド重要なのに」

海未「……冥土は古来から存在します」

穂乃果「へぇ、それなら大丈夫だね」

にこ「海未、あんた意味……」

海未「話を進めるにはこれしかないんです」

617: 2014/07/29(火) 21:57:53.38 ID:GrqS5S6s0
ことり「そこで私……じゃなかった。ことりは快くそれを引き受けようとして――――――――」

真姫「して?」

ことり「やめました!」

凛「ええっ!?」

花陽「やめちゃったの?」

ことり「うん」

にこ「そうなのね」

絵里(そっか、海未と私は知ってたけど、にこは知らないんだ)

ことり「しかしことりの意見は無視されてしまい、逸材だと言われ半ば強引に連れ去られてしまうのでした……」

希「事件の香りが」

にこ「ぷんぷんするわね」

海未「え、そういう話では……」

ことり「つづく!」

絵里「つづかない!」

ことり「ごめんなさい」

絵里(なぜ2部構成にしようと……)

618: 2014/07/29(火) 22:03:04.46 ID:GrqS5S6s0
ことり「そしてことりは悪の研究所へ連れ去られ、改造人間に――――――――」

穂乃果「ええっ!?」

希「ライダーさんみたいやん」

ことり「ならずに」

真姫「ならないのね」

絵里(なんか視聴者一体型クイズみたいになってる)

海未「ことり、きちんと話してはどうですか?」

ことり「う、まだ心の準備が……」

にこ「体の準備はできてるじゃないの」

海未「に、にこ、それでは語弊が」

絵里「うん、いかがわしい意味に聞こえる」

にこ「……ちょっ、バカ! そんなつもりで言ったんじゃ……服よ服! この服がいけないのよ!」

ことり「えぇー? メイド服はいわゆるメイドさんの戦闘服だよ?」

にこ「あんたのせいでしょうが! さっさと続き話しなさいよっ」

真姫「にこちゃんも続き気になるのね」

絵里(にこちゃん『も』って……真姫も意外とそういうとこあるわよね)

ことり「えーっと、どこまで話したっけ」

穂乃果「ことりちゃんが改造人間になるとこ」

ことり「あ、そうそう」

にこ「ちがーう!」

619: 2014/07/29(火) 22:06:33.35 ID:GrqS5S6s0
ことり「ではここでクエスチョン! 悪の秘密結社にさらわれたことりはどうなったでしょうかっ!」

絵里(あ、クイズだわ、これ)

穂乃果「はいはい!」

ことり「はい穂乃果ちゃん」

穂乃果「桃太郎!」

ことり「惜しいっ!」

海未「惜しい!?」

凛「はーい!」

ことり「じゃあ凛ちゃん」

凛「ラーメン!」

ことり「あー、遠くなったかな」

凛「ざんねーん」

にこ「ていうかもはや生物じゃないわよね……」

希「ウチもウチも」

ことり「はい希ちゃん」

希「おうどんさん」

ことり「ちょっと近くなったね」

絵里「ど、どこが……?」

620: 2014/07/29(火) 22:09:55.61 ID:GrqS5S6s0
真姫「はい」

ことり「真姫ちゃん」

絵里(よかった……真姫ならまともな意見を――――――――)

真姫「シェフ」

ことり「いいね、その調子だよっ」

絵里(あー……まともすぎて外した)

花陽「あ、あのぉ……」

ことり「はい花陽ちゃん」

絵里(で、でも花陽なら――――――――)

花陽「悪の秘密結社ってどこにあるの?」

ことり「アキバかな」

絵里(ダメだった)

にこ「ねぇ、私たちが答え言ってもいいんじゃないの?」

絵里「あ、そっか。それもアリね」

海未「では私が言いますよ」

にこ「ん」

絵里「頼んだわ」

621: 2014/07/29(火) 22:14:22.97 ID:GrqS5S6s0
海未「ことり」

ことり「はい海未ちゃん」

海未「メイド、ですよね?」

ことり「……」

海未「……」

ことり「ファイナルアンサー?」

海未「え、なんですかそれ」

穂乃果「ええっ!?」

凛「海未ちゃん知らないの?」

海未「え? な、何かの必殺技ですか?」

絵里(……意外と強そう)

真姫「要するにそれが答えでいいかどうか聞いてるんでしょ? はいでもイエスでもいいんじゃない?」

希「真姫ちゃん、そこはファイナルアンサーって言わな」

真姫「そうなの?」

にこ「そうよ。絵里にチョコあげれば何でも言うこと聞いてくれるってくらい常識よ」

絵里「ちょっと待って初耳なんだけどそれ」

希「あ、それウチが流したウワサや」

絵里(灯台下暗しじゃない!)

622: 2014/07/29(火) 22:17:59.77 ID:GrqS5S6s0
希「でもえりち、考えて? たとえば花陽ちゃんが……」

花陽「私?」

希「あ、じゃあウチが今から言うことやって」

花陽「うん」

希「……で……して……する」

花陽「うん、やってみるね」

絵里「?」

花陽「……こほん」



花陽「絵里ちゃん、花陽のお願い……聞いてくれますか?」

絵里「ええもちろん」



絵里「……しまった!」

にこ「チョコなしでもいけるのね」

真姫「へぇ」

絵里(ウワサが!)

穂乃果「穂乃果お腹すいてきちゃった」

絵里「ほら、パンあげるから」

穂乃果「わーい!」

にこ「……誘拐犯?」

絵里「なんてことを!」

623: 2014/07/29(火) 22:22:17.22 ID:GrqS5S6s0
ことり「あ、あれー? 昔話はー?」

海未「みんな今を生きていますから忙しいんだと思いますよ」

ことり「海未ちゃん……」

海未「だからことりも、勇気を出して言ってみませんか?」

ことり「……うんっ!」

ことり「み、みんな聞いて! あのね、私は――――――――」




ことり「ミナリンスキーなんです!」



凛「……こ、ことりちゃん外国人だったの!?」

真姫「えっ」

花陽「え、えぇ!?」

ことり「あ、いや……」

絵里(あ、そっか。みんなミナリンスキーって単語自体知らないんだ)

624: 2014/07/29(火) 22:27:47.80 ID:GrqS5S6s0
穂乃果「りゅ、留学しちゃったりするの!?」

海未「」

ことり「え?」

絵里(この子は妙に鋭いんだから……)

絵里「ねぇ、にこからも説明してあげて――――――――」

にこ「え、ちょ……こ、ことりがミナリンスキーだったの!? でも絵里の見せてくれた写真には……」

にこ「サイン……あった」

にこ「嘘……でしょ? こ、ことりが伝説のメイドだったなんて……」

絵里(私が説明した方がいいわね)

希「ミナリンスキーって今、アキバで有名な伝説のメイドさんやろ?」

絵里「え、希が知ってるの?」

希「うん、この前ちょっとアキバに寄った時に小耳にはさんで」

穂乃果「伝説の?」

希「そうそう。伝説の」

凛「へぇ……ことりちゃんが伝説の……」

凛「ええっ!?」

絵里「みんないったん落ち着いて」

真姫「何の話をしてるのよ」

花陽「ことりちゃんが伝説だったって話を……」

真姫「で、伝説!?」

絵里「だーかーらー!」

625: 2014/07/29(火) 22:42:48.61 ID:GrqS5S6s0



ことり「――――――――というわけです」

凛「なるほど、ことりちゃんは伝説のメイドさんだったんだね」

真姫「花陽はミナリンスキーって知ってたの?」

花陽「うん、名前は聞いたことあって……その知名度はまさにアイドルと並ぶレベルで有名なメイドさんなんだよぉ」

穂乃果「ひどいよことりちゃん! そういうことなら教えてよ!」

穂乃果「言ってくれれば遊びに来て、ジュースとかごちそうになったのに!」

花陽「そこ!?」

絵里(わー、みんな面白いくらい同じ反応ね)

希「えりちは知ってたん?」

絵里「ええ、この前ことりを捕まえて……」

絵里(でもあれは普通の希じゃなかったから覚えてないのね)

絵里「まあいろいろあってね」

希「?」

627: 2014/07/29(火) 22:46:48.82 ID:GrqS5S6s0
真姫「でも何でメイドなの?」

ことり「それは……自分を、変えたいなって思って」

ことり「私、穂乃果ちゃんや海未ちゃんと違って、何もないから……」

穂乃果「何もない?」

ことり「穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていくこともできないし、海未ちゃんみたいにしっかりもしてない……」

海未「……」

ことり「それに、絵里ちゃんみたいにみんなを支えられないから」

絵里「えっ」

絵里(……このころ、私のことは言ってなかったわよね)

絵里(…………)

希「えりち、なんで嬉しそうなん?」

絵里「ちょ、ちょっとね」

希「へんなえりち」

628: 2014/07/29(火) 22:51:27.45 ID:GrqS5S6s0
穂乃果「そんなことないよ。ことりちゃんは歌もダンスも上手だよ!」

にこ「衣装もことりが作ってくれてるしね」

真姫「少なくとも、2年の中では1番まともね」

海未「!?」

絵里(海未は真姫の中でまともではない、というわけね)

海未「……ラブアローシュートでしょうか。しかしあれは私の持ち味を生かした特技で……」

絵里「自覚あるのね……」

ことり「……」

絵里「で、ことりはその結果、何か変われたと思う?」

ことり「えっ?」

凛「うんうん、変わるためにメイドさんになったんでしょ? なら何か変わってるはずだにゃー」

ことり「私が……変わって?」

穂乃果「うん!」

海未「はい」

630: 2014/07/29(火) 23:06:05.23 ID:GrqS5S6s0
ことり「……ううん、あんまり思いつかないかも」

穂乃果「じゃあ穂乃果が見てあげる!」

ことり「えっ?」

海未「成長とは自分では実感しにくいものですからね」

希「ウチもカードで……むむむ」

にこ「にこもにこにー占いで」

凛「凛もチェックするにゃー!」

花陽「ま、真姫ちゃんどうしよう……私たちだけ何もないよぉ!」

真姫「べ、別にやらなくてもいいでしょ!」

絵里「みんな、ちょっといいかしら」

穂乃果「え? なに?」

真姫「?」

凛「なになに?」

絵里(……この際だし、みんなに言っておこうかしら)

絵里「週末、アキバでライブするわよ!」

花陽「ライブ!?」

凛「ライブ……」

穂乃果「そ、それって……ゲリラ?」

絵里「いや、普通のだけど」

631: 2014/07/29(火) 23:10:44.61 ID:GrqS5S6s0
穂乃果「なーんだぁ」

絵里(ゲリラって穂乃果の中では結構レベル高いのかしら……)

真姫「アキバでやるの? 私は別にいいけど……新しい曲は、まだ終わりの方ができてないわ」

絵里「うん、だから週末」

真姫「……頑張ってみる」

絵里「真姫ならできるわ」

真姫「ええ、ありがと」

絵里(いざとなればアドバイスのフリして教えるんだけど……それは作る真姫に失礼な気がするから、最終手段としてとっておきましょう)

にこ「ラブライブ出場枠に入ったからって油断はできないの。だからこれで上位10位以内とかに入って……」

海未「入って?」

希「入って?」

にこ「……なんかすごいインパクトを与えるのよ!」

絵里(抽象的ね……)

632: 2014/07/29(火) 23:29:36.93 ID:GrqS5S6s0
絵里「とにかく、変わったかどうかは、簡単に1つわかると思うんだけど……」

穂乃果「え? そうなの?」

絵里「うん、だってことりはアキバで歌う曲の歌詞を書いてくれるって言ってくれたから」

花陽「そ、そうなの!?」

ことり「あ、うん。がんばってみようかなーって」

穂乃果「こ、ことりちゃん、そんな積極的なタイプじゃなかったのに……」

海未「これも成長じゃないですか?」

凛「ことりちゃん頑張ってね!」

ことり「うんっ!」

希「アキバのことだからことりちゃんに、かぁ。なるほど……じゃあ関西でライブするときは作詞はウチ?」

絵里「何でよ。希は関西出身じゃないでしょ?」

希「えへへ」

穂乃果「すごいなぁことりちゃん……穂乃果も応援してる!」

ことり「ありがとう」

絵里(まあこれでひとまずは安心ね。ことりとみんなの仲も深まったみたいだし……)

絵里「あ、衣装はメイド服ね」

凛「め、メイド……!? 凛はそんなの……ぐふっ」

花陽「り、凛ちゃん!?」

絵里(あー。凛は手ごわかったわねぇ……海未もだけど)

海未「何ですか?」

絵里「なんでもなーい」

633: 2014/07/29(火) 23:30:43.82 ID:GrqS5S6s0

ここまでー
順調に9話ネタ消化中
残りは11~13話ネタ

642: 2014/07/30(水) 23:09:20.52 ID:jSxqgRpJ0



絵里「じゃあことりは作曲を、穂乃果と海未はそれのサポートをお願いね」

穂乃果「了解です!」

海未「わかりました」

ことり「2人ともよろしくねっ」

絵里(……でもいつもこの3人って言うのも考え物ね)

絵里「じゃあ花陽と希もサポートしてあげて」

花陽「え?」

希「ウチらも?」

絵里「ええ。お願いね」

絵里(ことりが作曲のヒントをつかむには穂乃果の助言が必要……だけどそれは、みんなで考えることで早く見つけることができるんじゃないかしら)

絵里「で、私たちは……」

凛「り、凛はそれ……やだよ?」

にこ「何よ、まだこれはことりが着てきたやつなんだからいいじゃない」

真姫「ライブで使うのはもっと丈短いわよ」

凛「いやにゃあああ!」

絵里(凛の相手をしなくちゃね)

643: 2014/07/30(水) 23:19:15.05 ID:jSxqgRpJ0
凛「か、かよちん助けて!」

花陽「凛ちゃん、似合うと思うよ?」

凛「ほ、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「大丈夫だよ。凛ちゃんなら頑張れる! ファイトだよっ!」

凛「……え、絵里ちゃんはそんなひどいこと……しないよね?」

絵里「しないしない」

真姫「絵里」

絵里(しまった、つい反射的に)

絵里「凛、残念だけどこれは必要なことなの……お願い、協力して!」

凛「にこちゃん」

にこ「にこはメイド服は可愛くて好きだなぁっ」

凛「真姫……ちゃん」

真姫「諦めなさい」

凛「……うぇぇ」

海未「凛」

凛「う、海未ちゃんなら……!」

海未「成長できますよ」

凛「て、敵だらけにゃー!」

644: 2014/07/30(水) 23:25:12.68 ID:jSxqgRpJ0
ことり「じゃあ私たちは教室で作詞を頑張って来るね」

絵里「ええ、行ってらっしゃい」

穂乃果「よーし、がんばるぞー」

海未「穂乃果、私たちはあくまでもサポートですよ」

花陽「さ、作詞なんてすごいなぁ……」

希「大丈夫やって。ウチらは今できることをやろう?」

花陽「うん、そうだね」

絵里「じゃあ凛、一旦部室へ戻りましょうか」

凛「……」

にこ「別に取って食うわけじゃあるまいし、そんなに怯えなくても」

真姫「そうよ。そんなに怖がらないで」

絵里(凛ってやっぱり、こういう女の子っぽい服装は苦手なのね……)

絵里「凛。どうしても嫌だっていうならやめてもいいわ」

凛「えっ?」

にこ「……まあ無理強いはできないわね」

真姫「それはそうだけど……」

凛「ほ、本当?」

絵里「うん。だから、少しだけ私たちと話し合ってみない?」

凛「それなら……うん、凛も頑張る」

絵里(よし……これでちゃんと話す機会はできた)

646: 2014/07/30(水) 23:40:07.41 ID:jSxqgRpJ0



にこ「じゃあ凛の要望は何?」

凛「スカートなし!」

真姫「ダメでしょそれは」

凛「えー」

絵里(まさかここまでとは……)

真姫「ていうか部室、暑くない?」

絵里「あれ? 冷房ついてない?」

にこ「え、ついてるわよ」

真姫「ふーん……でもちょっと暑い」

凛「ま、真姫ちゃん!?」

真姫「何?」

凛「そ、そんな……ボタンを開けすぎじゃない……?」

真姫「そう? 4人しかいないしいいじゃない」

にこ「わーお、真姫ちゃん色っぽーい」

絵里「にこ、その言い方全然色っぽくない」

にこ「わ、私は健全な可愛さをウリにしてるからいいの!」

真姫「私が不健全みたいな言い方やめなさいよ」

648: 2014/07/30(水) 23:43:06.62 ID:jSxqgRpJ0
凛「……」

絵里(あれ? 凛の元気が急になくなったような……)

絵里「凛、どうしたの?」

凛「やっぱり凛は子どもっぽいのかなーって……」

絵里「子どもっぽい?」

真姫「……」

にこ「なんでこっち見るのよ」

真姫「他意はないわ」

絵里「ええ」

絵里「で、凛。それはどういう意味なの?」

凛「だから、凛はそういう真姫ちゃんみたいな色っぽさがないから……その、女の子らしくないじゃないかなぁって」

絵里「……」

にこ「……」

真姫「……」

凛「ね? だからスカートも似合わない――――――――」

真姫「凛って女の子らしいわよね?」

にこ「うん」

絵里「そうよね」

凛「えっ!?」

649: 2014/07/30(水) 23:47:41.84 ID:jSxqgRpJ0
にこ「凛、あんた心配しなくてもかわいいわよ」

凛「え、そ、そんなこと……」

にこ「私の言葉が信じられない?」

凛「ち、違うよ! そうじゃなくて……」

真姫「私にボタン開けすぎだって指摘したじゃない」

凛「うん」

真姫「女の子らしくない、って指摘したのよね?」

凛「……それは」

絵里「凛はねぇ……自分で思ってるよりも女の子らしくしようとしてるわよ?」

凛「そう……なの?」

絵里「ええ、本当に女の子らしくないなら、髪にだって気を遣ったりしないし、お肌だってどうでもよく思ってるはずだわ」

絵里「身だしなみなんて関係ないし、可愛いものにも興味を示さない……そんな感じだと思うの」

凛「そう? でもそれは身だしなみだから……」

絵里「ことりがメイド服を着てきたときに、凛は最初になんて言った?」

凛「……あっ」

絵里「そうよ。かわいい、って反応したわ」

絵里「それってきちんと女の子らしく反応したってことよね?」

凛「あ……うぅ……」

650: 2014/07/30(水) 23:52:05.56 ID:jSxqgRpJ0
にこ「気にしすぎなのよ、凛は。女の子らしさを」

凛「そうなの? でも普通そんなこと、凛は考えたりしないから……」

真姫「だから何? 女の子らしさなんて意識して生きてる人なんてそうそういないわよ?」

絵里「うんうん。意識してるぶんだけ、凛は女の子らしいわ」

凛「で、でも! それとこれとは話が別だよ! 凛にはスカートなんて似合わないもん!」

にこ「へぇ……本当にそうかしら?」

凛「にゃっ!?」

真姫「それこそ、話は別よね?」

凛「え、み、みんな目が怖いよ……?」

絵里「前から凛にはいろんな可愛い服を着させたいと思ってたのよね」

絵里(この部室なら結構衣装揃ってるし……)

凛「ま、待って……にゃあああああ!」

651: 2014/07/31(木) 00:02:11.30 ID:Mb5iK3Mv0

また用事だ
時間かかるから続きは明日の朝

658: 2014/07/31(木) 10:41:48.90 ID:Mb5iK3Mv0



絵里「じゃあ今日の線か報告です」

穂乃果「……」

ことり「……」

絵里(な、なんか落ち込んでる? それに海未たちもいないし……)

にこ「どうしたのよ、残りの3人は?」

ことり「負けちゃったの……」

穂乃果「穂乃果たちは敗北したのです……」

真姫「何の話?」

ことり「負けちゃったんだよぉっ!」

絵里「わわ、どうしたのことり」

絵里(何があったって言うの……?)

にこ「穂乃果、どういうこと?」

穂乃果「あまりにも歌詞が浮かばなかったから、言ったん寝てみようって希ちゃんが言ったの」

絵里(斬新な)

659: 2014/07/31(木) 10:45:19.75 ID:Mb5iK3Mv0
真姫「それで?」

穂乃果「そしたらね、誰がことりちゃんを最初に眠らせることができるかって言って――――――――」

絵里(あ、展開が読めた)

穂乃果「――――――――膝枕選手権が始まったんだ」

絵里「やっぱり」

にこ「何やってるのよ」

真姫「遊びじゃないのよ?」

凛「2人だって凛を着せ替え人形にして遊んでたにゃ……」

にこ「うっ」

真姫「ぬ」

ことり「わぁ! 凛ちゃんそのリボンかわいい!」

絵里(復活早いわね)

凛「あっ、つけたままだった……もー! ちゃんと全部取ってって言ったのにー!」

にこ「えーしょうがないでしょー、似合ってたんだから」

660: 2014/07/31(木) 10:53:28.27 ID:Mb5iK3Mv0
ことり「凛ちゃんの衣装にはリボンをつける、っと」

凛「こーとーりーちゃーん!」

ことり「うふふ」

穂乃果「……楽しそう」

絵里(お、温度差がすごい)

絵里「それで? 海未たちはどうなったの?」

穂乃果「それでね、ことりちゃんに膝枕してる間は他の人が暇だから、希ちゃんが1人ずつ膝枕をしてあげるってことになったの」

絵里「うんうん」

穂乃果「そしたら……海未ちゃんが眠たくなってきちゃったみたいで……」

絵里「……うん」

穂乃果「次に花陽ちゃんが海未ちゃんを膝枕したら……完全に……もう……」

穂乃果「幼馴染の膝は弱かったの……ぐすん」

絵里(ああ、目的からそれていくさまがありありと浮かんでくるわ……ことりを寝かせなきゃいけないのに)

絵里「海未もきっと疲れてたのよ」

穂乃果「で、でも! 海未ちゃんは私たちの番になっても全然眠そうになかったもん!」

絵里「それはあれよ、もう少し続けてたらきっと穂乃果たちの番で……」

穂乃果「違うよ……きっと穂乃果たちの膝には魅力がないんだよ……」

絵里(ひ、膝枕ってこんなに奥深いものだったかしら)

662: 2014/07/31(木) 10:58:53.50 ID:Mb5iK3Mv0
絵里(でもμ'sのリーダーである穂乃果をこのままにしておくわけには……)

穂乃果「……」

絵里「よし、わかったわ。私を寝かせてくれるかしら?」

穂乃果「絵里ちゃんを?」

絵里「そうよ。たとえ幼馴染じゃなくたって、私を寝かせることができたら魅力があるってことじゃない?」

絵里(我ながら超理論だけど)

穂乃果「そ、そうか……そうだよね! わかった!」

絵里「うん、じゃあお願いします」

穂乃果「頑張るよ!」

ことり「あ、そうだ! この衣装とこの衣装を組み合わせて……」

凛「ま、まだ着替えるの!?」

真姫「……そういえばやっぱり暑い気がするんだけど、この部室」

にこ「もう温度下げちゃいなさい。1度くらい怒られないわよ」

真姫「そうよね」

ことり「これは……尻尾がいるよっ」

凛「尻尾!?」

穂乃果「穂乃果のお膝はどうですか?」

絵里「うん、えっと……そうね、ベストコンディションよ!」

絵里(寝たふりでもいいかしら……)

664: 2014/07/31(木) 11:03:18.07 ID:Mb5iK3Mv0
絵里(あれ? そういえば海未たちは今どこに……)

真姫「海未たちは今どこにいるの?」

絵里(おお、真姫がナイスフォローを)

ことり「えー……あ、そうだ。教室で寝てるよ」

絵里(異様な光景ね……)

にこ「とりあえず連れてくるわよ」

真姫「そうね」

凛「り、凛も行く! これ以上かわいい服ばーっかり着てたら凛じゃなくなっちゃう!」

ことり「そっかぁ……じゃあ私も行こうっと」

凛「……ことりちゃん衣装下ろして」

ことり「あ、つい」

真姫「え、まだ暑いの?」

にこ「今のは違うでしょ」

ことり「じゃあ穂乃果ちゃん、ここはお願いねっ」

穂乃果「うん!」

絵里(ねたふりねたふり)





にこ「ふふ、よく雪山では寝たら氏ぬぞーって言うわよね」

穂乃果「」

665: 2014/07/31(木) 11:06:17.49 ID:Mb5iK3Mv0
穂乃果「……」

絵里(行ったわね……よし、これで寝たふりを続ければ……でもさっきにこが何か言ったような気がするけど何だったのかしら)

穂乃果「え、絵里ちゃん、起きてる……?」

絵里「……」

絵里(穂乃果の自信のためにも返事はしちゃダメよね)

穂乃果「ねぇ、絵里ちゃん……本当に寝ちゃったの?」

絵里「……」

絵里(なんだか声に影があるような気が……)

穂乃果「ど、どうしよう……ほ、穂乃果……」



穂乃果「絵里ちゃんを頃しちゃった――――――――」



絵里(えっ、何の話!?)

666: 2014/07/31(木) 11:09:49.98 ID:Mb5iK3Mv0
穂乃果「絵里ちゃん! 起きて!」

絵里(で、でもここで起きたら穂乃果の自信が……)

穂乃果「絵里ちゃん! 目を覚まして!」

絵里(うわああ揺らされるうう)

絵里(な、何なの急に……どうして起こしたいの?)

絵里(……あ、これだけ揺らしても起きなければ、自分の膝枕は完璧だって証明できるものね)

絵里(ここは心を鬼にして……起きない!)

穂乃果「絵里ちゃん……おきてよぉ……」

絵里(……なんで泣き声みたいなのが)

絵里(ちょっと薄眼で見てみようかしら)

穂乃果「うえぇん……」

絵里「!?」

絵里「ど、どうしたの穂乃果!?」

穂乃果「や、やった! 絵里ちゃんが生き返った!」

絵里「え? 何? 何なの?」

667: 2014/07/31(木) 11:15:35.70 ID:Mb5iK3Mv0
穂乃果「よかったぁ……」

絵里「どういうことなの?」

穂乃果「だって体温が下がると氏んじゃうから……」

絵里「……冷房のこと?」

穂乃果「うん。よくお母さんもクーラーつけたまま寝ると風邪ひくっていうし……絵里ちゃんはお布団も被ってなかったから……」

絵里(ここでこんなかわいいイベントが起きるとは……起きて良かった)

絵里「大丈夫よ、私の故郷はロシアなんだし、寒いのには慣れてるわ」

絵里(たぶん)

穂乃果「本当に?」

絵里「そうよ」

穂乃果「……ロシアってどのくらい寒いの?」

絵里(あんまり覚えてない)

絵里「鼻水が出たら凍るくらいよ」

穂乃果「ええっ!? じゃあお外でジュースも飲めないよ!?」

絵里「ふふ、そうなるわね」

668: 2014/07/31(木) 11:22:38.43 ID:Mb5iK3Mv0
海未「……おはようございます」

ことり「連れてきたよっ!」

穂乃果「あ、おかえりー」

絵里「おかえりなさい」

希「あ、えりち何してたん?」

絵里「内緒よ」

にこ「また遊んでたんじゃないの?」

絵里「またとは何よまたとは」

真姫「あー、外は暑かったわ……」

花陽「教室は結構涼しかったよ?」

真姫「あんなの涼しいうちに入らないわ」

凛「……ちょっと寒くないかにゃー」

にこ「うわっ!? 何よその格好!」

ことり「衣装をアレンジしてみました。ずばりヘソ出し!」

花陽「お、お腹が冷えちゃうよぉ」

ことり「そうだねぇ……じゃあ下に何を着よっか」

凛「制服がいいにゃああああ!」

669: 2014/07/31(木) 11:29:59.08 ID:Mb5iK3Mv0



希「作詞の完成度は……まあはっきり言って0かな」

絵里「こっちの方は大丈夫よ。凛はちゃんと可愛い服着てくれたし」

凛「不本意ながら」

穂乃果「海未ちゃんの浮気は今回大目に見ます」

海未「う、浮気と言うわけでは……というか私は少しぼーっとしていただけですよ」

花陽「ふふっ、でもうとうとしてたよね」

海未「花陽! それは言わない約束で……」

にこ「珍しいこともあるのね。花陽が主導権を握るなんて」

絵里(まあ作詞が全然できてないのは予想通りだからいいとして……)

ことり「うーん……何で浮かばないんだろう」

絵里(ことりが滅入ってしまわないか心配ね)

絵里「じゃあ今日は早いけど解散にしましょうか。各自ストレッチはやっておくこと。いいわね?」

花陽「はーい」

真姫「はいはい」

にこ「んー、そうさせてもらうわ」

絵里「あとことり、こっちに来て」

ことり「え? 私?」

絵里「うん」

670: 2014/07/31(木) 11:36:07.48 ID:Mb5iK3Mv0
絵里「……よし、みんな出て行ったわね」

ことり「何か話するの?」

絵里「そう、ちょっとだけね」

絵里(少しヒントをあげるくらいならいいでしょう……それに時期が違うから本当にうまく詞が完成するとは限らないし)

絵里「ことりは、歌詞を作るとき何を考えてる?」

ことり「うーん……お菓子とか衣装とか……可愛いもののことばっかりかなぁ?」

絵里「アキバのことは考えてる?」

ことり「うんっ! 最近話題のマカロンのこととか、メイド服のこととか!」

絵里「じゃあ、自分のことは?」

ことり「自分の……こと?」

絵里「ええ、ことりが歌詞を書くんだから、ことりの目線になって書いてもいいってことよ」

ことり「……」

絵里「今はわからないかもしれないわね。ほら、穂乃果たちを待たせてるから帰りましょうか」

ことり「……うんっ!」

絵里(これで何かつかめるといいんだけど……)

ことり「……うふふ、歌詞、できちゃったかも」

絵里「えっ、もう!?」

694: 2014/07/31(木) 20:22:50.91 ID:Mb5iK3Mv0


絵里「もしもし、希」

  希「はーい、ウチですよー」

絵里「ちょっと相談があるんだけど」

  希「なんでもいいよ、ウチでよければ」

絵里「ありがと」

  希「ううん、前のえりちはいっつも1人で頑張ろうとしてたもん。これくらいいいよ」

絵里(ふふ、頼もしいわね)

695: 2014/07/31(木) 20:26:32.01 ID:Mb5iK3Mv0
  希「それで、相談って?」

絵里「ことりのこと」

  希「ああ、歌詞のこと? ウチ、怒られちゃう?」

絵里「怒らないわよ。むしろ感謝してる」

  希「え?」

絵里「希はあんまりμ'sに馴染んでないのに、みんなとうまく仲良くしてくれて」

  希「ううん、ウチはそんな……それに前から穂乃果ちゃんたちとは話したりしてたし」

絵里「それがすんなりできるから、私は楽できるのよ」

絵里「ありがと」

  希「……もしかしてウチ、口説かれてる?」

絵里「?」

696: 2014/07/31(木) 20:30:40.45 ID:Mb5iK3Mv0
絵里「それで話って言うのは、お察しの通り歌詞のことよ」

  希「わかった。それでどう相談なん?」

絵里「いや、ね? ことりにヒントを出そうと思ってちょっと助言したのよ」

  希「うんうん」

絵里「そしたら……閃いちゃったみたいで」

  希「え? それって悪いこと?」

絵里「いや、未来では穂乃果の助言で閃いたらしいのよ」

  希「あー、えりちやからタイムパラドックスが起こるかもって?」

絵里「そういうこと」

  希「……でもなんとなく、ことりちゃんに助言するのはえりちやと思ってたよ」

絵里「え?」

  希「まあそんな風に思えたってだけで、深い意味はないんよ」

絵里「ふーん……そうなんだ」

697: 2014/07/31(木) 20:31:07.75 ID:Mb5iK3Mv0

一旦停止
しばしおまちを

698: 2014/07/31(木) 20:53:22.68 ID:Mb5iK3Mv0
  希「あんまり気に病んでも仕方ないし、今日はもう寝たら?」

絵里「え、もうそんな時間?」

  希「今ちょうど10時半」

絵里「あ、ごめん、長話しすぎたわね」

  希「ううん、楽しかったで」

絵里「じゃあおやすみ」

  希「おやすみー」




絵里「そうよね、私が気にしても仕方ない、かぁ」

絵里「うん……」

亜里沙「お姉ちゃん、ちょっといいかな?」

絵里(亜里沙? こんな時間まで起きてるのは珍しいわね)

絵里「いいわよ」

亜里沙「お邪魔しまーす」

699: 2014/07/31(木) 20:59:53.72 ID:Mb5iK3Mv0
絵里「どうしたの?」

亜里沙「えへへ、誰と話してたの?」

絵里「希よ」

亜里沙「希さんかぁ……うん、お似合いだね!」

絵里「え? お似合いって?」

亜里沙「だって、夜に電話をかける相手って言えば恋人なんじゃないの?」

絵里(少女漫画恐るべし)

絵里「あの、亜里沙。どうして私がそんなにモテモテだと思ってるの?」

亜里沙「μ'sはお姉ちゃんがモテモテだからできたんじゃないの?」

絵里「そんなわけないでしょ……ていうか情報源はどこよ」

亜里沙「だって雪穂が、お姉さんがいつもお姉ちゃんの話ばっかりしてるって言ってたから」

絵里(それは結構うれしい)

亜里沙「犬みたいだって」

絵里「えっ」

701: 2014/07/31(木) 21:07:51.10 ID:Mb5iK3Mv0
亜里沙「μ'sのみんなをしっかり導いてくれて、楽しいときや悲しい時がすぐに顔に出るみたいだよ」

絵里「うっ」

絵里(それは……自覚あるけど、導くなら犬じゃなくても……)

亜里沙「ぼーっとしてたら置いて行かれそうになるくらいすごい勢いで前に走ってて、でもちゃんと待っててくれるのがお姉ちゃんだって言ってたみたい」

絵里(それは犬だわ)

亜里沙「そんなお姉ちゃんが亜里沙は大好きです」

絵里「ふふ、ありがとう」

亜里沙「……だから今日は、一緒に寝ていいかな」

絵里「え、急にどうしたの?」

亜里沙「夏終盤! 心も冷えるホラー特集っていうので見たんだ……日本には、首が長い冷気をまとった壁のように大きい猫のヨーカイがいるんだって……」

絵里(なんかいろいろ混ざってる)

絵里(そしてなんか怖くなってきた)

706: 2014/07/31(木) 21:22:34.80 ID:Mb5iK3Mv0
絵里「いいわよ。じゃあ今日は冷房つけちゃおっか」

亜里沙「いいの?」

絵里「ええ、地球にやさしい生活をしてる絢瀬家だもの。たまには涼んだって怒られないわ」

亜里沙「ハラショー……」

絵里「枕は持ってきてね」

亜里沙「わかった!」

絵里(そういえば、最近は亜里沙と一緒に寝るなんてことはなかったわね)

絵里(……結構久しぶりなんじゃないかしら)

絵里「ちょっと旅行みたいな気分ね」

亜里沙「持ってきたよ!」

絵里「うん、わかっ……」

絵里(YES/NO枕!? それは枕だけど枕じゃない!)

絵里「そ、それをどこから……」

亜里沙「雪穂と一緒にUFOキャッチャーやったらとれたの! 1回でだよ! 1回で!」

亜里沙「でも雪穂は、これは使わない方がいいって言うの。何でかなぁ?」

絵里(穂乃果の妹さんって穂乃果に似てなくてよかったわね)

704: 2014/07/31(木) 21:21:00.08 ID:Mb5iK3Mv0
亜里沙「じゃあ寝よっか」

絵里「う、うん……」

絵里(お姉ちゃんなんだか動揺を隠せません)

亜里沙「あ、お姉ちゃん見て見て、裏もカラフルでかわいいの!」

絵里(ああ、さっきのはピンクのハートマークにYESだったから、裏はNOで……)

亜里沙「青いハートなの」

絵里(裏もYESだった)

亜里沙「今日はどっちにして寝ようかなぁ」

絵里(発言の意味があってるだけに怖い……)

絵里「亜里沙、今日は私と同じ枕で寝ましょう」

亜里沙「え?」

絵里「それは……あの、観賞用にしたほうがいいわ」

亜里沙「あ、それいいね!」

絵里(まあ鑑賞してても問題だけど……)

絵里「じゃあ電気消すから、こっちおいで」

亜里沙「はーい」

708: 2014/07/31(木) 21:27:16.57 ID:Mb5iK3Mv0
亜里沙「……ねぇお姉ちゃん」

絵里「なに?」

亜里沙「……近いね」

絵里「え、暗くてよく見えないんだけど」

亜里沙「お姉ちゃんの匂いがするもん」

絵里「そんなのわかるの?」

亜里沙「うん、すぐわかるよ」

絵里(……ますます犬みたいね)

亜里沙「チョコの匂いがする」

絵里「ええ!? そんなに匂いつくほど食べてないわよ?」

絵里(勉強する前に食べたけど、ちゃんと歯磨きしたし)

亜里沙「ううん、これはね、亜里沙のとっても好きな匂いだから……」

絵里「……亜里沙?」

亜里沙「くぅ……」

絵里「ふふ、寝ちゃったのね。暗いとすぐ寝ちゃうんだから」

絵里「……」

絵里(……匂わないわよね?)

709: 2014/07/31(木) 21:31:53.31 ID:Mb5iK3Mv0

引用: 絵里「つよくてにゅーげーむ」