1: 2014/09/15(月) 06:55:00.62 ID:sSbIZiY10

2: 2014/09/15(月) 07:58:54.90 ID:sSbIZiY10
希「現実……?」

にこ「ええ。現実」

にこ「私たちにとって、ここは紛れもない現実の世界よ」

海未「どうしたんですか、2人とも」

凛「なになに?」

にこ「ちょっと気になることがあるから聞いてみただけよ」

花陽「気になること?」
ラブライブ!The School Idol Movie

3: 2014/09/15(月) 08:00:35.89 ID:sSbIZiY10
真姫「でも今は練習中でしょ? 後にしてもいいんじゃない?」

にこ「いや、ずっと引っ掛かってたのよ」

にこ「あんたが見てる夢って何なの?」



にこ「本当にこれ、夢だっていうの?」



希「それは……」

4: 2014/09/15(月) 08:06:05.67 ID:sSbIZiY10
希(ウチが何度も経験したのは、夢を通しての世界……)

希(でももし……それが夢じゃなかったとしたら)

海未「夢じゃ……ない?」

花陽「そうなの? 希ちゃん」



穂乃果「……そんなに難しく考えなくてもいいんじゃないかなぁ」



希「えっ?」

5: 2014/09/15(月) 08:09:13.57 ID:sSbIZiY10
穂乃果「もしこの世界が夢だったとしても、私たちがいることには変わりないんでしょ?」

にこ「いや、そういう問題じゃなくて……」

穂乃果「じゃあ聞くよ?」

にこ「え、何をよ」

穂乃果「この世界が本当に夢だったら、にこちゃんはラブライブ優勝を目指すの……諦める?」

にこ「……」

6: 2014/09/15(月) 08:11:19.68 ID:sSbIZiY10
凛「そんなの決まってるにゃ!」

花陽「うんっ」

真姫「そうね」

にこ「ええ。諦めるはずがないわ」

穂乃果「だよねっ!」

希「穂乃果ちゃん……」

穂乃果「だから、深く考えても考えなくても一緒なんだよ」

にこ「……ま、そうかもね」

7: 2014/09/15(月) 08:14:21.19 ID:sSbIZiY10
にこ「悪かったわね、練習止めちゃって。さあ、続きをやりましょう」

海未「……そうですね。今はラブライブへ向けての練習が先です」

花陽「うん、絵里ちゃんとことりちゃんが帰ってくるまで、しっかり練習しないとね」

希「……」

真姫「希、今は……」

希「あ、うん。わかってる」

8: 2014/09/15(月) 08:17:55.81 ID:sSbIZiY10
希(もしここが夢じゃなかったら、かぁ)

希(夢じゃなければ何になるんかな)

希「現実……とか?」

希(いやいや、まさかそんなはずは……)




『過去に戻れるおまじない、って知ってる?』



希(過去に戻れる……)

9: 2014/09/15(月) 08:23:56.18 ID:sSbIZiY10
希(夢だから、何度も繰り返すことができた)

希(夢だから、いろんな方法を試せた)

希(夢だから、知らないものは出て来なかった)

希(でも、最後の1回以外――――――――)




希(夢なのに、思い通りにならなかった)

16: 2014/09/18(木) 00:17:47.08 ID:fz/9PKuR0
真姫「希」

希「あ、ご、ごめん真姫ちゃん。今集中する――――――――」

真姫「夢って、何なのかしらね」

希「……夢?」

真姫「そう、夢」

真姫「私たちが寝てる間に見るものだけが夢なのかしら?」

17: 2014/09/18(木) 00:19:24.74 ID:fz/9PKuR0
希「……どういう意味?」

真姫「いや、なんとなくね」

花陽「真姫ちゃん?」

真姫「だってそうでしょ? 夢って言うのは他にも……」

穂乃果「そうだね。みんなでラブライブ優勝を目指すのも1つの夢だよね」

希「!」

19: 2014/09/18(木) 00:22:45.72 ID:fz/9PKuR0
凛「そっか、起きてても夢は見るにゃ」

海未「ああ、確かに言われてみればそうですね」

にこ「まるで夢みたい、とかで出てくる夢って意味?」

真姫「そうよ」

希「夢……なるほど、そんな考え、なんで思いつかなかったんやろ」

にこ「あんたは意外と頑固だからね。自分の中で考えてることを中心に物事を考えてない?」

希(……どうやったかな。でも、ウチはそうやって来た……やんな?)

20: 2014/09/18(木) 00:24:16.24 ID:fz/9PKuR0
希(たった1つの願いをかなえるために、ほとんど同じ方法で何度も繰り返してきた)

希(それは、にこっちたちを信じてなかったわけじゃなくて――――――――)



希(1人でしかできない、って勝手に決めつけてたから?)

21: 2014/09/18(木) 00:29:31.96 ID:fz/9PKuR0
希「じゃあもしかしてウチは……夢を見てるんじゃなくて――――――――」

にこ「現実の世界で、夢を叶えに来たんじゃないの?」

にこ「夢のような現実を見るために……とか」

海未「夢を、叶えに……?」

凛「なんだかメルヘンチックだね」

希「そ、そんな非科学的な……」

22: 2014/09/18(木) 00:30:35.70 ID:fz/9PKuR0
穂乃果「それ、希ちゃんが言うの?」

希「え?」

真姫「そうよ、希ならこう言うじゃない」




『スピリチュアルやろ?』



希「……ああ、そうやね」

23: 2014/09/18(木) 00:33:13.23 ID:fz/9PKuR0
にこ「でもよくわかんないわね。夢を叶えに、って」

凛「じゃあここはやっぱり現実の世界?」

花陽「そうなるね」

穂乃果「ん? でも、海未ちゃんたちも現実の世界から来てるよね?」

海未「パラレルワールド……」

凛「パラソル?」

穂乃果「なんで傘?」

真姫「2人はあっち行ってなさい」

24: 2014/09/18(木) 00:35:13.88 ID:fz/9PKuR0
にこ「あー、あれ? 世界は無数に存在するとかなんとかのやつ?」

海未「はい、でも信じられません。実際にパラレルワールドが存在するかどうかなんて……」

穂乃果「そこはほら、希ちゃんのスピリチュアルパワーで」

希「うーん……このおまじないって結構呪術めいたところあるしなぁ」

花陽「ええっ!?」

海未「そ、そうなんですか?」

25: 2014/09/18(木) 00:37:46.43 ID:fz/9PKuR0
希「だってほら、人の意識に働きかけて夢を見させる……それって完全にオカルトやん?」

海未「……悪魔と契約したような気分です」

花陽「す、すごいことしてたんだぁ……」

凛「へぇー! なんだか漫画やアニメの話みたい!」

にこ「そうね」

海未「はい。眉唾物ですね」

希「あはは、それ前も言ってたなぁ」

海未「ええ。しかしまさかこんなことになっていたなんて……とても信じられませんよ」

26: 2014/09/18(木) 00:40:43.92 ID:fz/9PKuR0
希「でもそう考えると辻褄が合うなぁ……」

花陽「何かわかったの?」

希「うん。そういう類の話はちょっと聞いたことがあって」

海未「またオカルトですか?」

希「そんな感じ」

穂乃果「希ちゃん、なんでも知ってるんだね」

希「いや、これは誰かから聞いたものなんよ。今はもう、思い出そうとしても思い出せないけど」

27: 2014/09/18(木) 00:47:58.31 ID:fz/9PKuR0
真姫「何よそれ……記憶障害か何かじゃないの?」

凛「えっ」

希「いや、たぶん違うと思う。たぶんこのおまじないを使ってうろちょろしすぎたから、記憶がすり変わってるんやろうなぁ」

にこ「どういうことよ」

希「人から聞いたことをたくさんの人に教えてるうちに、自分が誰から教えてもらったかがわからなくなってるんよ」

海未「私たちに教えたせいでしょうか……」

希「ううん、それは違う」

希(でもまさかこれが夢じゃなかったなんて……ウチは何で気づかなかったんやろ)

28: 2014/09/18(木) 00:49:50.19 ID:fz/9PKuR0
希(そういうオカルトの類なら、すぐに結びついたはず……)

希(……やっぱり、どこかで夢と思いたかったんかな)

希(夢ならなかったことにできる)

希(夢なら失敗してもやり直せる)





希(夢なら、あんな風にえりちを悲しませることだってなかった――――――――)

29: 2014/09/18(木) 00:51:48.45 ID:fz/9PKuR0
にこ「何よ、辛気臭い顔して」

穂乃果「そうだよぉ。そんな顔してると元気が逃げちゃうよ?」

希「ん、そうやね。ありがとう2人とも」

海未「衝撃の事実でしたね」

花陽「うん」

希「海未ちゃん、花陽ちゃん。巻き込んでごめん」

30: 2014/09/18(木) 00:54:44.91 ID:fz/9PKuR0
海未「何を言っているんですか、希」

花陽「うん、希ちゃんは何か勘違いしてる」

希「え?」

海未「私たちは、自ら望んでこちらへ来たんです」

花陽「だから、希ちゃんだけが気に止む必要はないよ」

希「……」

希「……ありがとう」

希(あぁ……そっか。こんなに近くに味方がいたんやね)

31: 2014/09/18(木) 00:56:19.19 ID:fz/9PKuR0
凛「あ、かよちんと海未ちゃんが、希ちゃんを泣かせたにゃー」

穂乃果「なんですと!?」

海未「えっ、あ、す、すみません希!」

花陽「ご、ごめんね希ちゃん!」

希「ううん、大丈夫……」

希(あれれ、ウチっていつからこんなに涙もろかったっけ)

32: 2014/09/18(木) 00:59:03.26 ID:fz/9PKuR0
凛「それで希ちゃん、どうするの?」

希「え? どうするって……」

真姫「絵里を現実に引き戻すんでしょ? でもこっちも現実ならどうするのってことよ」

希「あ……」

にこ「ま、どうにかなるでしょ」

海未「にこ、その自信はどこから来るんですか……」

にこ「だってそのおまじないとかいうの、意識に働きかけるんでしょ? ならこっちから絵里の意識に働きかければいいんじゃない」

33: 2014/09/18(木) 01:00:48.04 ID:fz/9PKuR0
凛「な、なんだかにこちゃんが……」

穂乃果「賢そうなこと言ってる……!?」

凛「裏切り者にゃー!」

穂乃果「であえであえー!」

にこ「ふっ……精神論なら自信あるわ。鋼のメンタルを持つにこにーに氏角などなし!」

凛「賢くなさそう」

穂乃果「うん」

にこ「……」

真姫「鋼……」

34: 2014/09/18(木) 01:03:17.62 ID:fz/9PKuR0
にこ「とにかく! 帰るところへ帰らせればいいんでしょ!」

花陽「ま、まあそういうことになるね」

凛「ずいぶん乱暴じゃない? その言い方だと絵里ちゃんをビンタして起こしそう」

にこ「手段は選ばないわ」

穂乃果「にこちゃんやっぱり悪代官だね」

にこ「違うわよ。アイドルに向かって何言ってるのよ」

希「まあそれはともかくとして、意識に働きかけるのは有効かもね」

35: 2014/09/18(木) 01:06:22.10 ID:fz/9PKuR0
海未「意識、ですか……確かに気持ちが落ち着かない状態では実力が発揮できませんよね」

穂乃果「あ、海未ちゃんそれ弓道の話?」

海未「ええ、そうですよ。よくわかりましたね」

穂乃果「えへへー、だって幼馴染だから」

希(幼馴染かぁ……そういえば、えりちとにこっちが幼馴染やった夢があったなぁ)

希(……)

希(あれ? そういえばいつから、ウチは誰かを頼って目的を達成しようとしてたんやろ)

36: 2014/09/18(木) 01:11:28.56 ID:fz/9PKuR0
希(ずっと1人でやってたのに、いつの間にか誰かの手を借りてた……)

希(あれ? いつから?)

希(そういえば成功した時も、μ'sのみんなの力が必要やった……)

希(んん? なんでやったっけ?)


『えりちを助けるために、みんなの力が必要なん』


希(そう、自分自身でウチは、この世界のみんなに声をかけた)

37: 2014/09/18(木) 01:15:10.51 ID:fz/9PKuR0
希(……どうして?)

穂乃果「どうしたの、希ちゃん」

希「あ、いや、ちょっと考え事」

穂乃果「考え事?」

希「うん。そんなに気にしなくても大丈夫やで」

穂乃果「そっかぁ」

38: 2014/09/18(木) 01:18:37.08 ID:fz/9PKuR0
穂乃果「でもやっぱり、何だか雰囲気変わって来るよね」

希「雰囲気?」

穂乃果「そう、μ'sの雰囲気が、ね」

希「え? なんで?」

穂乃果「ほら、絵里ちゃんとことりちゃんがいないとさ」

39: 2014/09/18(木) 01:19:07.46 ID:fz/9PKuR0





     「何かが足りないって言うか」







40: 2014/09/18(木) 01:21:48.64 ID:fz/9PKuR0
穂乃果「そんな気持ちに……」

希「足りない……」

穂乃果「あれ? どうしたの希ちゃん?」

希「……なんでこんな大切なこと、ずっと忘れてたんやろ」

穂乃果「の、希ちゃん!? 大丈夫!?」

にこ「ちょっと、何があったのよ」

穂乃果「希ちゃんが……」



海未「急にどうしたんですか……」





花陽「希ちゃん……」







凛「……」






真姫「……」











41: 2014/09/18(木) 01:22:58.26 ID:fz/9PKuR0














絵里「希? また生徒会の仕事?」

42: 2014/09/18(木) 01:24:44.89 ID:fz/9PKuR0
希『うん、多くて大変かなー』

絵里「私も手伝うって言ったじゃない」

希『えりちにはスクールアイドルがあるやろ? それを頑張って』

絵里「むー……でも仕事を押し付けるわけには」

希『ダーメ、いいから練習の続きに行ってきて』

絵里「あ、ちょっと、わかったから! 押さないでってば!」

43: 2014/09/18(木) 01:26:49.06 ID:fz/9PKuR0




絵里「私、スクールアイドルやめようかな、って……」

希『ええっ!? なんで急に……!』

絵里「急じゃないわ。前々から考えてたのよ」

希『そ、それでも……えりちはアイドル嫌なん?』

絵里「ううん、違う。アイドルは好きよ」

希『それならなんで――――――――』

絵里「わからないわ。でもね……」

44: 2014/09/18(木) 01:27:20.73 ID:fz/9PKuR0






     「何かが足りない。そんな気がするのよ」





45: 2014/09/18(木) 01:28:49.27 ID:fz/9PKuR0




穂乃果「……」





海未「……!」








花陽「希ちゃん……」







凛「希ちゃん!」

希「わっ、え、な、何?」

46: 2014/09/18(木) 01:30:37.70 ID:fz/9PKuR0
真姫「ちょっと、大丈夫なの? 今にも倒れそうだったけど……」

にこ「病院、行った方がいいんじゃないの?」

希(倒れそう……?)

希「いや、大丈夫やって」

花陽「本当? ふらふらしてたよ?」

希「うん、なんでもない」

47: 2014/09/18(木) 01:31:51.83 ID:fz/9PKuR0
海未「無理は禁物ですよ?」

穂乃果「うんうん、海未ちゃんの言う通りだよ」

希「わかってるよ」

凛「それならいいんだけど……熱とかない?」

希「ないない」

49: 2014/09/18(木) 01:35:08.37 ID:fz/9PKuR0
希(……このおまじないっていうのは、夢を見るために意識を集中させる)

希(夢じゃなくてパラレルワールドに行くとしたら、おそらく意識だけを飛ばして別の世界に行くって感じかな)

希(それで今、意識が完全にブレたってことは――――――――)





希(誰かがウチに、おまじないをかけてる)

50: 2014/09/18(木) 01:36:58.24 ID:fz/9PKuR0
希(でもあの視点はウチじゃなかった)




希(あれはえりちの見ていた世界……)



希(えりちがウチに……?)

希(まさかもう、思い出してるん?)

希(それとも――――――――)

51: 2014/09/18(木) 01:37:45.60 ID:fz/9PKuR0





希(ウチらのいる世界とは、別のえりちの仕業?)






52: 2014/09/18(木) 01:40:32.24 ID:fz/9PKuR0
希(このおまじないって、別の人にもできるんかな?)

希(でも一体、どこのパラレルワールドのえりちが……?)

希(……えりち、ウチに何か伝えようとしてるん?)

希(あんな嫌な記憶まで思い出させるなんて……どういうことなんやろ)

63: 2014/09/19(金) 00:36:40.57 ID:s0FhtB/70





絵里「はぁ、あと1つかぁ……」

絵里(考えてみるとなんだかあっけなかったわね。結構いろんなことも聞けたし)

絵里(それにしても不思議よね、パラレルワールドに行けるなんて)

絵里「おまじない……名前がもっといろいろかっこいい名前だったらよかったのかも」

絵里(思いつかないけど)

64: 2014/09/19(金) 00:38:29.06 ID:s0FhtB/70
絵里(でも今回は、あれだけ長くいたって感じだったのに6分しか経ってなかった)

絵里「不思議ね……不思議すぎるわ」

絵里「あ、また何か忘れてないかしら。メモメモ……」

絵里(ことりのいない間は、ダンスレッスンの後にメモをまとめる……なんだか日課ぽくなってきた)

65: 2014/09/19(金) 00:42:56.87 ID:s0FhtB/70
絵里「あの世界の私は、にこと遊ぶための時間を確保するため、生徒会の仕事の先読みをしようとした……」

絵里「でも行った先の世界が楽しすぎて、帰り方を忘れてしまった」

絵里(そんなことがあるのよね。気を付けなくちゃ)

絵里「それで無理やり帰ろうとして、たどり着いたのがここだった、ってわけね」

絵里(……そう考えると変ね。何で私たちはここに集まったのかしら)

66: 2014/09/19(金) 00:45:46.84 ID:s0FhtB/70
絵里「他の私とは話せなかったけど、普通に考えてみるとおかしいわよね?」

絵里「……また謎が深まったわ」

絵里(また後で聞いてみようかしら。長くなっちゃいそうだから明日辺りにでも……)

絵里「あれ、今回忘れてること……何もない?」

絵里「やった! これでもう、手掛かりを得ても忘れることはないわね」

絵里(まあ向こうの私のインパクトが強すぎたせいもあるんだろうけど……)

67: 2014/09/19(金) 00:47:43.98 ID:s0FhtB/70
絵里「まあそれは置いとくとして」

絵里「あと、一貫しておかしかったところがあるとすれば……」

絵里(希の行動、よね)

絵里「何かにつけて希の行動がすべて違ってた」

絵里「生徒会の仕事を1人でやろうとしたり、何より――――――――」



絵里「μ'sに入っていなかった」

68: 2014/09/19(金) 00:50:14.68 ID:s0FhtB/70
絵里「オカルト研究部にいた希は憑依された、とか言ってたわよね?」

絵里「それって……やっぱり希がおまじないを使った、ってこと?」

絵里(うん、たぶんそれに違いない)

絵里(でも……)

絵里「どこの世界の希が使ったのかしら……それがわかればいろいろわかると思うんだけど」

絵里「……難しいこと考えてたらお腹すいてきた……パン食べよう」

絵里(……はっ! あっちの私っぽくなってる!?)

76: 2014/09/23(火) 00:17:15.98 ID:HtCNulJj0



にこ「今日の練習はここまでにしましょう」

希「え、もう?」

にこ「あんまり根を詰めすぎてもよくないわ」

花陽「そうだね」

凛「にこちゃんなんだか部長みたいにゃ」

にこ「部長なんだけど」

77: 2014/09/23(火) 00:19:57.79 ID:HtCNulJj0
穂乃果「これからどうしよっか。みんなでどこか行く?」

真姫「穂乃果、それ休憩になってないわよ」

穂乃果「えー、ダメ?」

花陽「わ、私はどこか行きたい……かなぁ?」

凛「はーい! けってーい! かよちんの意志を尊重します」

花陽「ええっ!?」

78: 2014/09/23(火) 00:22:03.19 ID:HtCNulJj0
にこ「まあそれくらいいいでしょ。現実だってわかったわけだし」

穂乃果「にこちゃんのおごり?」

にこ「にこにーアタック食らわせるわよ」

海未「物理的ですね」

花陽「新しい技なの!?」

にこ「え、いや、単なる思い付き……」

希(花陽ちゃんの食いつきすごいなぁ……アイドルの決めポーズだから?)

79: 2014/09/23(火) 00:23:26.46 ID:HtCNulJj0
穂乃果「穂乃果もそんな技ほしい」

凛「ほのほのアタック?」

穂乃果「ほのほのほのほの」

凛「りんりんりんりん」

真姫「何言ってるのよ」

凛「ほら、真姫ちゃんも一緒に」

穂乃果「はやくはやく」

真姫「え、ええっ」

80: 2014/09/23(火) 00:24:50.22 ID:HtCNulJj0
にこ「最近できたファミレスでいいでしょ」

海未「そうですね」

花陽「うんっ」

にこ「ほら、行くわよ――――――――」

真姫「ま、まきまき……」

にこ「……あんた何やってんの」

真姫「」

希(真姫ちゃん……)

81: 2014/09/23(火) 00:26:48.71 ID:HtCNulJj0




にこ「どっちだっけ」

穂乃果「その角を右に曲がるの」

凛「あれ? 左じゃなかったかにゃー?」

海未「間をとってまっすぐ進みましょう」

真姫「間とったら一生つかないわよ」

希「みんな楽しそうやなぁ」

花陽「……ねぇ、希ちゃん」

希「んー?」

82: 2014/09/23(火) 00:30:43.93 ID:HtCNulJj0
花陽「希ちゃんたちって、A-RISEの演説は聞き取れなかったんでしょ?」

希「うん、まあそうやね。存在自体が曖昧やったから」

花陽「……今、この道って初めて通るよね? 希ちゃんは道、見えてるの?」

希「!」

希(そういえば……あれ?)

希(確かにこんな道、通ったことない。ってことは――――――――)

希「いや、今は現実……やね」

83: 2014/09/23(火) 00:34:38.44 ID:HtCNulJj0
希「……現実」

希(まさか、夢じゃなくて現実って意識したから、こんな風に景色がはっきりと……)

希「あ……!」



『あ、ご、ごめんなさいっ! 現実です!』



『ねぇ花陽、最後にもう1度だけ確認させて』

『夢じゃないよ。ここは現実』

『そうよね……うん、もう大丈夫』

84: 2014/09/23(火) 00:36:03.65 ID:HtCNulJj0
希「そんな……そんな簡単なことやったなんて……」

花陽「え、ど、どうしたの希ちゃん!?」

真姫「何!?」

凛「希ちゃん!?」

希「あ、ごめんごめん。ちょっと拍子抜けしただけで……」

穂乃果「そう? ならいいけど……」

希(意識って大切なんやね……はぁ)

85: 2014/09/23(火) 00:37:43.52 ID:HtCNulJj0
希「花陽ちゃん」

花陽「な、なに?」

希「自分がにこっちを奮い立たせるために、なんて言ってた?」

花陽「え? それは……ここは夢じゃなくて現実だ、って」

花陽「……ええっ!?」

海未「今度はどうしました!?」

にこ「なんなのよもー!?」

希「ごめんごめん」

86: 2014/09/23(火) 00:40:03.03 ID:HtCNulJj0
花陽「そ、それで? それだけで?」

希「たぶんそのせいで、花陽ちゃんの意識がいつの間にかすり替わってたんやろうなぁ……」

希「この世界が現実って思えるように」

希(言霊ってやつ? それなら、よく知らないはずのA-RISEの演説を聞けたって言うのも納得できる)

希(つくづく信じられないことばっかり起こる……うーん、おまじないっていうのも間違ってないなぁ)

87: 2014/09/23(火) 00:43:09.43 ID:HtCNulJj0
花陽「……それなら絵里ちゃんも、そう思ってたりするのかな」

希「え?」

花陽「絵里ちゃんも、こっちの世界が現実だって理解してたら……パリの街並みとかがわかるのかも」

希「うーん……どうやろ。えりち、ちゃんと意識保ってるんかなぁ?」

希(これだけ長くこっちにいたら、もうとっくに現実とか夢とかの垣根を忘れてるような気もするけど)

希「メールでもして聞いてみる? パリの街並みはどうですか、って」

花陽「うん。やってみる価値はあるよ」

88: 2014/09/23(火) 00:45:41.07 ID:HtCNulJj0
花陽「希ちゃん」

希「ん?」

花陽「それでもし、絵里ちゃんがきちんとパリが見えてたら……」

希「……どこで気付いたか、やね」

花陽「うん」

希(でもそれなら普通に帰ってこられるような気もするけど……)

希(いや、もしかすると、気付いた上でこっちを自分のいるべき場所って勘違いしてるかも)

希(もしそうなったとしたら……えりちをかどわかす元凶は一体――――――――)

89: 2014/09/23(火) 00:48:13.58 ID:HtCNulJj0
海未「あ、2人とも、見えてきましたよ」

凛「本当にまっすぐだったなんて……」

穂乃果「海未ちゃんすごい!」

海未「それほどでもありませんよ」

真姫「……ん? あそこにいるのって……」

にこ「!」

90: 2014/09/23(火) 00:50:19.11 ID:HtCNulJj0
希「あれ、にこっちどうしたん?」

にこ「あのシルエットは……見間違えるはずもないわ」

花陽「え……ああっ!」

凛「か、かよちんまで?」

海未「どうしたと言うんですか」

にこ「あのにじみ出るオーラ……」

花陽「誇り高い強者の風格……」

91: 2014/09/23(火) 00:54:10.05 ID:HtCNulJj0
希「ん? あれって……」




ツバサ「……あら? あなたたち、μ'sの――――――――」




にこ「サインください!」

花陽「あ、握手してください!」

希(な、なるほど……A-RISEの綺羅さん)

海未「……ああ、A-RISEの方ですね」

凛「わー! こんなところで会えるなんて! ついでにサインください!」

真姫「ついで、って何よ」

95: 2014/09/23(火) 18:33:08.25 ID:HtCNulJj0



ツバサ「絢瀬さんと南さんが海外留学してるって話、本当なの?」

凛「そうだよー。もうちょっとで帰って来るけどね」

海未「綺羅さん、ドリンクは何にしますか? 私、とってきますよ」

穂乃果「穂乃果はオレンジー!」

真姫「カフェオレがいいわ」

ツバサ「私はメロンソーダでお願い。あとツバサって呼んでくれて構わないわ」

穂乃果「ツバサさん?」

ツバサ「ええ、高坂さん」

96: 2014/09/23(火) 18:35:24.70 ID:HtCNulJj0
穂乃果「えー、穂乃果は穂乃果でいいよぉ」

凛「凛も、凛って呼んでほしいにゃ」

ツバサ「あら、そう?」

希(ずいぶんフレンドリーやね……)

希「それに比べてこっちは……」

花陽「にこちゃん、ライスにする? ご飯にする?」

にこ「フィッシュにしましょう」

希「……まあ仕方ないか」

97: 2014/09/23(火) 18:37:47.50 ID:HtCNulJj0
にこ「ていうかあんたたち! どうしてそんなに馴れ馴れしいのよ!」

穂乃果「え? だってスピーチの後、仲良くしようって言ってくれたよ?」

ツバサ「そうね。同じラブライブの出場グループとして、仲良くやりたいものだわ」

凛「ほらー。にこちゃん聞いてなかったの?」

希「ウチと海未ちゃんはともかく、2人は聞こえてたんやろ?」

にこ「いや、もうA-RISEの3人が近づいてきただけで……」

花陽「意識がもうろうと……」

希(なるほど)

98: 2014/09/23(火) 18:39:16.81 ID:HtCNulJj0
ツバサ「2人はなんて呼べばいいかしら」

穂乃果「にこちゃんと花陽ちゃん!」

ツバサ「にこさん、花陽さん」

にこ「」

花陽「」

穂乃果「あれ、2人とも固まっちゃった」

真姫「相当憧れてたんでしょ」

ツバサ「あら、うれしい」

99: 2014/09/23(火) 18:41:39.13 ID:HtCNulJj0
花陽「だだ、だって、あのA-RISEのツバサさんと一緒にお食事だよ!?」

にこ「この店で1番いいものを頼まないと……!」

真姫「落ち着きなさいよ2人とも」

凛「1番高いのって、この厚切りステーキだよ? ツバサさん食べられる?」

ツバサ「今はそんなに入らないかも」

にこ「ど、どうすれば……」

花陽「あ、あれ? フォークってどっちの手で持つんだっけ?」

100: 2014/09/23(火) 18:44:36.53 ID:HtCNulJj0
ツバサ「ふふっ」

にこ「!?」

花陽「お、お見苦しいところを……!」

ツバサ「いや、楽しいと思ってね」

穂乃果「楽しい?」

ツバサ「ええ、みんな仲が良くて、2人もメンバーがいなくたってしっかり機能してる」

ツバサ「素敵なグループね。μ'sって」

希「ありがとうございます」

ツバサ「そんなにかしこまらないで。私、そういうのは苦手なのよ」

にこ「困った」

花陽「困ったね」

ツバサ「ふふ」

101: 2014/09/23(火) 18:46:56.99 ID:HtCNulJj0
海未「飲み物、持ってきましたよ」

真姫「ん、ありがとう」

穂乃果「ありがとう海未ちゃん」

凛「海未ちゃんえらいえらい」

ツバサ「海未さんはいつもそういうポジションなの?」

海未「え? いや、ただ席が通路側だったので」

ツバサ「そうなの」

海未「はい。にこも通路側ですが、かなり緊張しているようなので」

にこ「こ、コラ!」

ツバサ「緊張……ね」

102: 2014/09/23(火) 18:49:00.41 ID:HtCNulJj0
ツバサ「あなたたちは緊張、しないの?」

希「緊張……?」

にこ「ラブライブ出場に対して、ですか?」

ツバサ「ええ。人前で踊ること、歌うことについてよ」

花陽「……緊張」

凛「緊張かぁ……あんまり気にしてなかったね」

ツバサ「え?」

103: 2014/09/23(火) 19:55:38.19 ID:HtCNulJj0
真姫「そうね」

海未「はい。あまり考えていませんね」

ツバサ「それは……どうしてかしら?」

穂乃果「何でかなぁ? 希ちゃん、わかる?」

希「うーん……たぶん、精一杯だから?」

ツバサ「精一杯?」

花陽「はい。みんなで歌って踊って……もう頭の中がいっぱいになります」

凛「うんうん。緊張は確かにするけど、すっごく楽しいから!」

104: 2014/09/23(火) 19:58:00.50 ID:HtCNulJj0
ツバサ「……本当に素敵ね」

穂乃果「ツバサさん?」

ツバサ「どうしたらそんなに仲良くなれるの? ねぇねぇ」

真姫「えっ、ちょ、近っ」

にこ「あんた文句言うなら変わりなさいよ!」

ツバサ「たった3人なのに一緒にいられる時間が取れないのよ、どうしたらいいと思う?」

海未「え、ええっ?」

希(あれー? ツバサさんってこういうキャラやったん?)

105: 2014/09/23(火) 20:09:19.63 ID:HtCNulJj0




ツバサ「ありがとう、色々参考になったわ」

穂乃果「こちらこそ! 楽しかったよー!」

ツバサ「本戦では、お互いが悔いのないように頑張りましょう」

にこ「はいっ!」

花陽「よろしくお願いします!」

真姫「……あんな人だったのね」

希(竜巻みたいな人やったなぁ……)

106: 2014/09/23(火) 20:10:24.19 ID:HtCNulJj0
ツバサ「あ、そうそう。1つ聞きたいことがあったんだけど」

凛「なに?」




ツバサ「μ'sって、誰が考えた名前なの?」

108: 2014/09/23(火) 20:17:53.35 ID:HtCNulJj0
海未「ああ、それは……」

花陽「考えたのは……」

希「あ、ウチが――――――――」




『希、ミューズって知ってる?』

『石鹸?』

『違うわよ。音楽とかの……そうね、芸術の神様のこと』

『へー』




希「……ウチが考えたん……やんな?」

109: 2014/09/23(火) 20:19:46.91 ID:HtCNulJj0
にこ「何で疑問形なのよ。そうでしょ?」

穂乃果「うんうん。希ちゃんが決めたんだよね」



『ミューズかぁ……なんか強そうやね』

『いやいや、そうじゃなくて』

『?』


凛「うん、希ちゃんが名前をつけたんでしょ?」

希「……?」

110: 2014/09/23(火) 20:23:59.02 ID:HtCNulJj0
ツバサ「そうなのね。それってやっぱり――――――――」


『私たちスクールアイドルでしょ? だから、それにちなんだ名前が必要じゃない』

『ああ、そうやね。いつまでたってもスクールアイドルグループじゃかっこ悪いし』

『だからそこでこの名前よ。ミューズ、それは――――――――』




希「9人の歌の女神にちなんで……」

ツバサ「あ、やっぱり」

111: 2014/09/23(火) 20:27:04.47 ID:HtCNulJj0
ツバサ「ふふ、教えてくれてありがとう。それじゃ、またね」

海未「はい」

花陽「また本戦で!」

希「……」




希(さっきの、一体いつの……)

希(そういえばウチは、いつから……μ'sって名前をつけたん?)

112: 2014/09/23(火) 20:28:17.23 ID:HtCNulJj0

ここまで
次のラストワールドでだいたいフラグ回収するよ

途中寝オチしてた すまぬ

116: 2014/09/25(木) 00:36:12.99 ID:Bf0hT0fS0




絵里「……」

絵里(ことりから遅くなるってメールが来た)

絵里(ダンスの練習も終わった)

絵里(……よし)

絵里「おやすみなさーい」

絵里(これが最後なんだから、早めに終わらせるに越したことはないわね)

117: 2014/09/25(木) 00:37:46.36 ID:Bf0hT0fS0
絵里「……」

絵里「…………」

絵里(眠れないっ……!)

絵里(そんな、どうして!?)

絵里「うーん、早く寝ないといけないのに……」

絵里(そうだ、羊を数えてみようかしら)

118: 2014/09/25(木) 00:39:29.27 ID:Bf0hT0fS0
絵里(ひつじがいっぴき)

絵里(ひつじがにひき)

絵里(ひつじがさんびき……)

絵里(……ん? 羊って数え方、匹であってるの?)

絵里(動物って何頭とかいう時あるし……)

絵里(困ったわ。眼が冴えてきた)

119: 2014/09/25(木) 00:41:57.90 ID:Bf0hT0fS0
絵里「でもよく考えたら、日ごろたくさん寝るようになったからね……その反動が来てるのかしら」

絵里(仕事しなくていいっていいわよね。面倒な書類もないし、ずっとごろごろしてられるし)

絵里(……い、いけない! このままじゃニートになってしまう!)

絵里「日本のみんなは元気かしら……あんまり連絡来ないけど」

絵里「……みんなに会いたい」

絵里(いや、こう考えるのはよくないわね。向こうの世界の居心地のよさを忘れられなくなりそう)

120: 2014/09/25(木) 00:44:32.14 ID:Bf0hT0fS0
絵里「私は後悔なんてしない」

絵里「みんなと離れている時間も、いつかきっといい思い出になる」

絵里(……なんちゃって)

絵里(うぅ、なんだかポエムみたい)

絵里「あああ、なんか思い出すだけで恥ずかしくなってきた……」

絵里「穴があったら入りたい……あ、もうベッドでいいわね」

121: 2014/09/25(木) 00:46:30.97 ID:Bf0hT0fS0
絵里「うー……この部屋に監視カメラとかあったらどうしよ」

絵里(普段はこんなこと言わないのに……考えもしないのに)

絵里「うー、意識すればするほど思い出しちゃう……」

絵里(そうだ、無心、無心よ。何も考えなければ大丈夫だわ)

絵里(……)

絵里「……」

絵里(ベッドふかふか……)

122: 2014/09/25(木) 00:51:49.56 ID:Bf0hT0fS0





絵里「うわっ!? ね、寝てた……」

絵里(ってあれ? ここ、部室?)

絵里「あ、もう別の世界なのね」

絵里(……まず目に入るこれ。何なのかしら、この積まれた板チョコは)

絵里「ん? メモが置いてある……おまじない?」

絵里(ああ、これがこっちの世界のおまじないのやり方なのね)

123: 2014/09/25(木) 00:54:43.09 ID:Bf0hT0fS0
絵里(そういえば、誰もいないってパターンは初めてかも……)

絵里「静かね。今何時なのかしら」

絵里「……ええっ!? 下校時刻とっくに過ぎてるじゃない!」

絵里「は、早く帰らないと!」

絵里(生徒会長なのに校則を破るなんて、そんなことできないわ!)

絵里(えっと、帰り道は……とりあえずいつも通りで帰りましょう)

124: 2014/09/25(木) 00:57:28.32 ID:Bf0hT0fS0
絵里「靴はこっちに……」

絵里「うわぁ!? な、何!?」

絵里(ロッカー開けたらいっぱい落ちてきた……)

絵里(……なにこれ。手紙?)

絵里(ああ、ファンレターの類ね。拾わないと……)

絵里「よし、早く帰らないと」

125: 2014/09/25(木) 00:59:21.41 ID:Bf0hT0fS0




絵里「ただいまー!」

亜里沙「おかえりお姉ちゃん。遅かったね」

絵里「亜里沙はいるのね。うん」

亜里沙「?」

絵里「亜里沙、私たちは何人姉妹?」

亜里沙「2人だよ?」

絵里「うん。そうよね」

絵里(ここは変わってないみたいね)

126: 2014/09/25(木) 01:01:48.85 ID:Bf0hT0fS0
亜里沙「お姉ちゃん、へんなのー」

絵里「あはは」

亜里沙「あ、今日はお姉ちゃんの好きなボルシチだよ」

絵里「わ、本当!?」

亜里沙「うん。お母さんが作ってくれたの」

絵里(わー、ボルシチねぇ……お腹すいてきた)

127: 2014/09/25(木) 01:03:57.55 ID:Bf0hT0fS0
絵里「とりあえず、部屋に鞄、置いてくるわ」

亜里沙「うん」

絵里(ボルシチ食べたかったのよね……今は私の体は寝てるけど)

絵里(部屋は……こっちね。うん、変わってない)

絵里「……あれ? 私の部屋、ちょっと変ね」

絵里(アイドルのポスターなんて飾ってたっけ?)

128: 2014/09/25(木) 01:06:14.56 ID:Bf0hT0fS0
絵里「それにこれって――――――――」



絵里(μ'sのみんなと撮った写真!?)

絵里(希もちゃんと写ってる……!)



絵里「……もしかしてここ、私が希の説得に成功した世界なのかしら?」

129: 2014/09/25(木) 01:08:08.48 ID:Bf0hT0fS0
絵里「ふふ、やっぱりμ'sはこうでなくちゃね」

絵里(なんだ、幸先良いじゃないの)

絵里「まあちゃんと、希には会ってみなくちゃいけないけど……」

絵里「あ、お弁当箱出さなきゃ」

絵里(たぶん今日もいつも通りの学校なら、お弁当箱があるはずよね)

130: 2014/09/25(木) 01:11:10.58 ID:Bf0hT0fS0
絵里「あれ、何か入ってる……」

絵里(ノート、よね? でも表紙の文字が私の字じゃない)

絵里「誰かのを間違えて持って帰って来ちゃったのかしら……」

絵里「……ん? 今の表紙の教科の名前――――――――」

絵里(明らかに教科名じゃなかったわよね? いったい誰の……)

絵里「なになに?」





絵里「School idol diary?」

145: 2014/09/27(土) 23:54:41.19 ID:G/iVvQ8x0




絵里「……ふむ」

絵里「……なるほど」

絵里「……ふふ」

絵里(この世界では、みんな楽しそうにしてたのね)

絵里(望んだ未来の形、って感じかしら?)

絵里「えっ、真姫って自転車乗れなかったんだ」

絵里「ことりもボランティアしてるみたいだし……結構知らないところがあるのね」

146: 2014/09/27(土) 23:59:05.34 ID:G/iVvQ8x0
絵里「海未のお姉さんって私に似てるんだ……へぇ」

絵里(ん、私の番はどこなのかしら)

絵里「あ、これね」

絵里「……」

絵里「……う」

絵里(ちょっと恥ずかしいかも……)

147: 2014/09/28(日) 00:00:58.43 ID:SZ/X7FSN0
絵里「でもこれ、いいわね」

絵里(私が考えたのかしら? それとも誰かが?)



『叶え、私たちの夢』



絵里「ふふ、日本に戻ったらみんなに教えてあげなくちゃ」

148: 2014/09/28(日) 00:03:10.00 ID:SZ/X7FSN0
絵里「……ふわぁ。結局全部読んじゃったわね」

絵里「今何時――――――――」

絵里「えっ」

絵里(よ、4時半!?)

絵里「ああっ、こんなに夜更かししてたら……早く寝なきゃ明日は学校が……!」

絵里「……って、今日金曜日じゃない」

絵里(いや、もう昨日ね)

149: 2014/09/28(日) 00:05:04.64 ID:SZ/X7FSN0
絵里(夜更かしはお肌の大敵! だけど今日くらいは……良いわよね?)

絵里「でもちょっと夜更かししすぎたわね……あれ?」

絵里「今日のお当番、絢瀬絵里――――――――」

絵里(な、何か書かなきゃ!)

絵里(でも何やったかわからない)

絵里「うぅ、明日誰かに聞かないと……」

150: 2014/09/28(日) 00:07:48.03 ID:SZ/X7FSN0
絵里「誰に聞こうかしら……やっぱり希?」

絵里(でも遊ぶ予定とかしてないわよね)

絵里「あ、携帯のメールとか見れば色々わかるかも」

絵里「んーと……あった!」

絵里(12時半に希の家に……あ、ちゃんと約束してるのね)

絵里「希の家、場所が変わってないといいけど……まあ今日は寝ましょう」

151: 2014/09/28(日) 00:12:46.96 ID:SZ/X7FSN0
――――――――

絵里「……んん、朝……?」

絵里(最近普通に寝てなかったから、起きるの変な感じ)

絵里「良く寝た……っていうか夜更かししすぎ――――――――」

絵里「あれ?」

152: 2014/09/28(日) 00:13:57.84 ID:SZ/X7FSN0
絵里「なんで……」



絵里「希に海未に花陽……なんでこんなところで寝てるの?」




希「……」

海未「……」

花陽「……」

153: 2014/09/28(日) 00:15:45.83 ID:SZ/X7FSN0
絵里「寝てる……おーい」

希「……えりち」

絵里「私はここにいるわよ?」

海未「絵里……」

花陽「絵里ちゃん……」

絵里(なんでみんな私の名前を……夢の中で私はどんなことしてるのかしら)

絵里「……って、おかしいわね。もしかして、夢?」

154: 2014/09/28(日) 00:18:05.98 ID:SZ/X7FSN0
絵里「うーん……変な夢」

――――――――ああ、やっぱり自分で気が付かなきゃ意味がないのね――――――――

絵里「あ、私? どこにいるの?」

絵里「もしかして……別の世界に飛んじゃったとか?」

――――――――いいえ、気にしないで。さあ、もう起きなさい――――――――

絵里「え、もうそんな時間なの?」




絵里「そういえばそんな気も……」







絵里「なんだか、眠く――――――――」

155: 2014/09/28(日) 00:19:31.51 ID:SZ/X7FSN0



絵里「……う」

絵里(明るい……)

絵里「だれもいない……わよね」

絵里「今何時かしら……」

絵里「……」

絵里「5時……」

絵里(2度寝したい。でも起きられる自信がない)

絵里「よし、起きましょう」

156: 2014/09/28(日) 00:21:22.54 ID:SZ/X7FSN0
絵里「んー、それにしてもなんだったのかしら。あの夢」

絵里「すごく懐かしいような……そんな気がしたけど」

絵里(でもただの夢なら夢なのよね。希たちが私の部屋にいるわけないし)

絵里「はぁ、シャワーでも浴びようかしら」

絵里「……ねむい」

163: 2014/09/29(月) 00:04:24.75 ID:7W/oeCNr0




絵里「まだ7時……」

絵里(暇だわ)

絵里「このままだと寝ちゃいそうだし……そうだ、散歩にでも行こうかしら」

絵里「亜里沙、起きてる?」

亜里沙「……」

絵里「ふふ、やっぱり寝てるわね」

絵里(書置きでも残しておきましょう)

絵里「行ってきまーす」

164: 2014/09/29(月) 00:07:44.96 ID:7W/oeCNr0
絵里「……あれ?」

絵里(私の家ってこんなところにあったっけ?)

絵里「何だか景色が違うような……んん?」

ことり「あっ、絵里ちゃんだぁ♪」

絵里「あ、ことり!」

海未「ああ、絵里ですか。おはようございます」

絵里「ええ、おはよう」

165: 2014/09/29(月) 00:10:15.87 ID:7W/oeCNr0
海未「絵里、寝癖がついていますよ」

絵里「え」

ことり「そんな絵里ちゃんもかわいいっ!」

絵里「えー、そう?」

海未「クスクス……早く行かなければならないのではありませんか?」

ことり「あ、そうだった~! すっかり忘れちゃってたみたいっ」

ことり「絵里ちゃんも一緒に来る?」

絵里「へ? どこに?」

海未「商店街まで、ですよ」

166: 2014/09/29(月) 00:13:28.61 ID:7W/oeCNr0




ことり「こ、これ! 海未ちゃんっ!!」

海未「これですか」

絵里(2人はさっきから何をしてるのかしら)

絵里(というか私はどうして朝からこんなところに連れてこられたのかしら)

ことり「い、いくよ!」

海未「はい、頑張ってくださいっ!」

絵里(……何かしら。ガチャガチャ?)

167: 2014/09/29(月) 00:15:13.24 ID:7W/oeCNr0
ことり「えーいっ!」

海未「ど、どうですか!?」

ことり「これは……」

海未「これは……?」

ことり「ハズレだよぉぉ……すんすん」

海未「残念でしたね、ことり。また明日挑戦しましょう」

ことり「うん……」

絵里「あのー、2人は何をしてるの?」


168: 2014/09/29(月) 00:18:34.62 ID:7W/oeCNr0
ことり「カプセルトイ集めだよぉ」

絵里(……あ! ダイアリーに書いてあったやつね!)

海未「私はその付き添いです。終わったら稽古がありますので」

絵里「ああ、日舞とか剣道とか弓道とか」

海未「1日ですべてをやるわけではありませんよ?」

ことり「でもでも、海未ちゃんの袴姿……素敵なんだよねぇ♪」

海未「こ、ことり! あれはそういうコスプレなどではなくて……」

ことり「フフ、知ってるよ」

絵里(な、なんだかおかしい! 若者のノリというかなんというか……)

絵里(って、私も若者だけど!)

169: 2014/09/29(月) 00:21:41.29 ID:7W/oeCNr0
絵里(なんだろ……このフレッシュさが私には足りない気がする)

絵里(どうしてかしら……どこが違うのかしら)

海未「絵里、これから予定はありますか?」

絵里「あ、お昼からね」

ことり「そっかぁ、今日は絵里ちゃんにもついてきてもらおうかと思ったんだけどざーんねんっ。また今度にしようね♪」

海未「ええ、そうですね♪」

絵里(よくわからないけど……)

絵里「そうするわ。ええ」

絵里(何故か私の返事だけが浮いて見えるような気がする……ショック)

170: 2014/09/29(月) 00:23:48.95 ID:7W/oeCNr0




絵里「……はぁ」

絵里(若さとは何かについて考えさせられる1日だわ)

絵里(ん? そういえばことり、結局どこに行く気だったのかしら)

凛「あー! 絵里ちゃんニャ!」

絵里「あら凛。奇遇ね」

凛「キグーだね」

絵里(意味わかってなさそう)

171: 2014/09/29(月) 00:26:01.39 ID:7W/oeCNr0
凛「絵里ちゃんは何してたの?」

絵里「散歩よ」

凛「……たのしいの?」

絵里「普通……かしら」

絵里「じゃあ凛は何してたの?」

凛「これから真姫ちゃんのお家にレッツゴーニャ☆」

凛「そーだ! 絵里ちゃんもおいでよっ!」

絵里「え、ちょ、ええええ!?」

絵里(な、、なんで私、こんなに連れ去られてばっかりなの!?)

172: 2014/09/29(月) 00:28:46.19 ID:7W/oeCNr0
にこ「あ、もしかしてそこにいるのって……ズバリ! 凛ちゃんに絵里ちゃんね!」

凛「あれ? ニコちゃん?」

絵里(あ、私の知らないタイプのにこね)

絵里「にこは何してたの」

にこ「それはヒ・ミ・ツ♪」

絵里(むむむ)

にこ「ニコは今日、ちょーっと忙しいからまた今度ねっ! バイバイニコー!」

凛「あ、行っちゃった」

絵里(この世界の人間は風のように去るのが普通なのね)

173: 2014/09/29(月) 00:31:45.86 ID:7W/oeCNr0
凛「ついたー! ここが真姫ちゃんのお家っ☆」

絵里(このあたりは一緒なのね)

絵里「ていうか、遊ぶにはちょっと早すぎない? まだ8時回ってないけど……」

凛「朝から一緒にいる方が、ず~っと長く遊べない?」

絵里(おお、夏休みの小学生みたいなこと言ってる)

絵里「でも確かにそれは一理あるわ」

凛「でしょ~? 楽しい時間はいーっぱい、あればあるほど楽しいニャ!」

174: 2014/09/29(月) 00:35:08.94 ID:7W/oeCNr0
絵里「楽しくない時間は?」

凛「あー、ダメダメ。凛は今プライベートだから、そういうお話は聞こえなーい」

絵里「ふふ、何それ」

凛「ニコちゃんが言ってたんだぁ~☆ こういう返し方をするとアイドルっぽいって!」

絵里(にこがねぇ……そういうところはあんまり変わってない、と)

凛「もう真姫ちゃん起きてるかな?」

絵里「え、今から来るって言ってないの!?」

凛「ドッキリも楽しい時間の1つだからねっ!」

絵里(凛、あなた清々しいまでに一直線ね。その姿勢素敵だわ)

175: 2014/09/29(月) 00:38:28.31 ID:7W/oeCNr0
絵里「でもそれはそれ、これはこれよ。急に来られたって困るでしょ」

凛「凛は大歓迎ニャ♪」

絵里「おへそ出して布団蹴飛ばしてる姿見られても?」

凛「う」

絵里「ぼさぼさの髪の毛に、ヨダレの跡があったとしても?」

凛「ご、ごめんなさーいっ!!」

絵里「素直でよろしい」


176: 2014/09/29(月) 00:40:41.68 ID:7W/oeCNr0
絵里「……そういえば花陽は?」

凛「かよちん?」

絵里「うん。あなたたちいつも一緒にいるでしょ?」

凛「かよちんは今、朝ごはん食べてるよ」

絵里「ええっ」

凛「だからジャマしないようにーって、かよちんに内緒で出てきたの」

凛「朝ごはん食べてる時のかよちん、すごく幸せそうだもん」

絵里(真姫のことも考えてあげて)

177: 2014/09/29(月) 00:43:37.86 ID:7W/oeCNr0
絵里「凛は朝ごはん、食べたの?」

凛「うん! えーっと、あんまりお腹に溜まらないコーンフレーク」

絵里「ダメじゃない」

凛「ほんとだ! ど、どうしよう。真姫ちゃんのお家でお腹がぐーって鳴ったりしたら、恥ずかしくて氏んじゃうかもニャ……」

絵里(やっぱり、そういうところは気にするんだ)

凛「ラーメン食べなきゃ」

絵里「その使命感はどこから来たのよ」

178: 2014/09/29(月) 00:47:04.52 ID:7W/oeCNr0
凛「ええっ!? 凛の命のミナトモ、ラーメンさまさまだよぉ」

絵里「みなもと、源よ」

凛「あれれ、凛ってばカンチガイ?」

絵里「ええ」

凛「恥ずかしいニャ」

絵里「ふふっ、そうね」

凛「このことは内緒だよ? みんなに言ったら……」

絵里「言ったら?」

凛「絵里ちゃんは5日間、ラーメン禁止の刑!!」

絵里(いたくもかゆくもない)

179: 2014/09/29(月) 00:49:30.98 ID:7W/oeCNr0
凛「それじゃ、凛は朝ごはん食べに帰るねっ」

絵里「気を付けてね」

凛「はーい……あ! にゃんこちゃん!」

絵里「言ったそばから!」

凛「おおっとぉ。気を付けて触らないとビックリしちゃうよね♪」

絵里「そういう意味じゃないけど……まあいいか」

絵里(にしても、恐ろしい脊髄反射ね)

絵里(私、ちゃんと昼まで持つかしら)

185: 2014/09/30(火) 00:34:23.26 ID:BEHD/AyH0




絵里(……凛も帰っちゃったし、私も帰ろう)

絵里(いや、ここまで来たからには、また誰かと会いたいわね)

絵里「でも朝早いし……」

絵里(あ、もしかしたら穂むらが開いてるかもしれない)

絵里「お金は……よし、ちゃんとある」

186: 2014/09/30(火) 00:41:48.79 ID:BEHD/AyH0
絵里(真姫の家がここだから……あっちね)

真姫「わ、わわっ」

絵里「え、真姫――――――――」

絵里(……なんで自転車?)

真姫「え、絵里ちゃん! ちょっと助け……うわぁ!?」

絵里「おおっと!」

真姫「た、助かった……」

187: 2014/09/30(火) 00:45:04.00 ID:BEHD/AyH0
絵里「どうしたのよ、真姫」

真姫「い、いや。さっきサドルが急に落ちて……」

絵里「怪我はない?」

真姫「大丈夫……ちょっとびっくりしただけよ」

絵里(それならよかった)

絵里「……でもどうして自転車? それに制服着てるし」

真姫「あ、これは、その……」

絵里「?」

真姫「今日、練習あると思ってて……」

188: 2014/09/30(火) 00:46:47.84 ID:BEHD/AyH0
真姫「慌てて出てきた、のよ。間に合わ、なきゃ……大変だから」

絵里「……」

真姫「……もう、なに」

真姫「そんなにジロジロ見ないで……」

絵里(かわいい)

189: 2014/09/30(火) 00:49:43.75 ID:BEHD/AyH0
絵里「真姫も案外そういうところあるのね」

真姫「こ、今回はたまたまよ。いつもはこんな間違いしないし」

絵里「へぇー」

真姫「う……信じてない」

真姫「絵里ちゃん、そんな風に意地悪してるとモテないわよ?」

絵里「それもいいかもしれないわね」

真姫「?」

190: 2014/09/30(火) 01:00:02.95 ID:BEHD/AyH0
絵里「そういえば真姫、ちゃんと自転車乗れるようになったのよね」

真姫「そ、そうよ! みんなの前にスイスイ~って登場して驚かせ……」

真姫「じゃなかった。優等生の真姫ちゃんは遅刻しないっていうのを改めて……」

絵里「優等生の真姫ちゃん」

真姫「う、な、なによその目は!」

絵里「何でもないわ」

真姫「なんでもないわけないでしょ! そんなにお目々キラキラさせておいて!!」

193: 2014/09/30(火) 01:07:28.39 ID:BEHD/AyH0
絵里「え、そんな顔してた?」

真姫「してる」

絵里(この世界の真姫って、ずいぶんからかいやすいわね……なんて思ってたせいね)

絵里「あ、そうだ。さっき凛が遊びに来てたわよ」

真姫「凛ちゃんが?」

絵里「ええ。予定がないなら遊んであげて。暇そうにしてたから」

真姫「ふーん……じゃあ行ってあげようかな♪」

194: 2014/09/30(火) 01:09:45.91 ID:BEHD/AyH0
絵里「サドルはきちんと直してからね?」

真姫「あ、これってどうやって直すの?」

絵里「えっ」

真姫「あ、違っ、その」

絵里「……ペダルはどこかわかる? ブレーキは知ってるとして……」

真姫「し、知ってる!!」

絵里(ほんと、からかいやすいというか……ふふ)

195: 2014/09/30(火) 01:13:05.04 ID:BEHD/AyH0
真姫「……絵里ちゃんってそんなだった? もっと優しかったと思うんだけど」

絵里(あ、いけない)

絵里「たまにはそういう時だってあるわ。たまには、ね」

真姫「ホント? ならいいけど」

絵里「そうだ。私もあっちに用があるから、一緒に行く?」

真姫「そうするわ……一緒の方向なら仕方ないしね」

絵里「あ、やっぱりあっちに用事なかった」

真姫「なっ」

196: 2014/09/30(火) 01:15:21.72 ID:BEHD/AyH0
絵里「どうしたの?」

真姫「……なんでもないけど」

絵里(わかりやすい)

絵里「いや、やっぱり用事があったわ。一緒に行きましょう」

真姫「……本当よね? 今度はウソじゃない?」

絵里「ええ。本当よ」

真姫「それならいいわ」

絵里(ああ、ここでやっぱり嘘って言いたくなるのは仕方ないわよね……でも我慢しなきゃ)

197: 2014/09/30(火) 01:17:52.98 ID:BEHD/AyH0

ここまで
SIDの真姫ちゃんって丸くなってるよね たぶん

207: 2014/10/02(木) 00:24:12.34 ID:Kr9LeoNS0



絵里「あ、じゃあ私はここまでね」

真姫「ええ、それじゃまた明日……ううん、あさってね」

絵里「うん。気を付けて行くのよ」

真姫「わかってるってば、もう私は乗れるんだから!」

絵里(あ、行っちゃった)

絵里(……よろよろしてるけど、本当に大丈夫なのかしら?)




208: 2014/10/02(木) 00:27:29.61 ID:Kr9LeoNS0
絵里「って、お店の前で突っ立ってるのも悪いわね」

絵里(結構早めの時間だけど……開いてるわよね?)

絵里「ごめんくださーい」

穂乃果「いらっしゃいませ~♪ お客さんが今日、最初のお客さんですよ……」

絵里「あら、穂乃果」

穂乃果「あれ? あれれ?? 絵里ちゃん!?」

絵里「そうよ」

穂乃果「わ~い! こんなに朝早くから来てくれるなんて……実は穂乃果に会いに来てくれたとか♡」

絵里「そういうことでもいいわ」

209: 2014/10/02(木) 00:30:55.66 ID:Kr9LeoNS0
穂乃果「それならそうと言ってくれればいいのに~。穂乃果、今日はずぅっと店番なんだよ」

絵里「何か悪いことでもしたの?」

穂乃果「してないよぉ。ただね? おいしそうな、ぷるぷるなプリンが置いてあってね?」

絵里「うん」

穂乃果「つい食べちゃったんだ! ……ユッキーのだとは知らずに」

絵里(妹の雪穂ちゃんのことね)

穂乃果「そしたらもうユッキー、カンカンに怒っちゃって……今日は私の分まで店番してよねっ! って、怒られちゃったんだぁ」

210: 2014/10/02(木) 00:34:41.71 ID:Kr9LeoNS0
絵里(自業自得のような気がするけど……)

穂乃果「って、いけないいけない! 絵里ちゃんはお客さんだもん。待たせちゃいけないよね♡」

絵里「別に気にしなくていいわよ? そんなに急いでないし」

穂乃果「ううん、こういうところは真面目にやらないとね!」

絵里「あら、偉いわね」

穂乃果「動いてないと寝ちゃいそうだから♪」

絵里「前言撤回」

211: 2014/10/02(木) 00:37:35.47 ID:Kr9LeoNS0
穂乃果「本日の穂むらのオススメは、このフンワリあま~いイチゴ大福ですっ!」

穂乃果「穂乃果も大好きです! イチゴ、おいしいよねぇ」

絵里「つまみ食いしたらダメよ?」

穂乃果「そんなことはしないよ! 穂乃果だって決めるときはビシっと決めるんだから!」

絵里「あ、そうよね。疑ってごめんなさい」

穂乃果「絵里ちゃん、謝るのはいいから、その代わりに……」

絵里「その代わりに……?」

212: 2014/10/02(木) 00:40:52.99 ID:Kr9LeoNS0



穂乃果「いらっしゃいませ~」

絵里「い、いらっしゃいませ……」

穂乃果「声が小さいよ、絵里ちゃん。そんなのじゃ店番にならないよ??」

絵里(どうしてこんなことに……)

穂乃果「絵里ちゃん、ちょっとコンビニまで行ってユッキーのプリン買ってくるから……それまでよろしくね♡」

絵里「私、ちゃんと対応できないかもしれないわよ?」

穂乃果「すぐに帰って来るから、待ってて!」

絵里「あ、ほ、穂乃果!」

穂乃果「いってきます!」

絵里(ま、また風のように去って行った……)

213: 2014/10/02(木) 00:43:10.35 ID:Kr9LeoNS0
絵里(店番……穂むらのセキュリティはこんなのでいいのかしら)

絵里(狙い澄ましたように私のサイズの割烹着あるし……って、もしかしてこれ、穂乃果のお母さんのものじゃ……)

絵里「!」

絵里(い、今、外に人影が……! まずい!)

花陽「ごめんくださ~い」

絵里「えっ」

花陽「……あれれ?? 花陽、おうち間違えちゃった??」

214: 2014/10/02(木) 00:45:30.57 ID:Kr9LeoNS0
絵里「いや、ここで合ってるわよ」

花陽「そうだよね? よかったぁ~」

花陽「でもでも、何で絵里ちゃんがここにいるの? あっ! もしかしてバイト?」

絵里「強制労働を強いられたのよ」

花陽「ええっ!? ど、どうして!?」

絵里(花陽の反応も面白いわね)

215: 2014/10/02(木) 00:47:57.47 ID:Kr9LeoNS0
絵里「それより花陽」

花陽「さ、最低賃金が……」

絵里「はなよー」

花陽「え? どうしたの?」

絵里「その手のじょうろ、どうしてそんなの持ってるの?」

花陽「ああ、これは水やりのだよ♪」

絵里「……あ、花壇の?」

花陽「うんっ♡」

216: 2014/10/02(木) 00:51:58.51 ID:Kr9LeoNS0
絵里「今の時期だと何の花が咲くのかしら」

花陽「学校の花壇には、ホウセンカが咲いてたよぉ」

絵里「ホウセンカかぁ……」

絵里(私も小学校の頃、栽培したようなしてないような)

花陽「こんなに暑い日が続いちゃうと、やっぱりお花さんも大変だと思って」

花陽「きっと暑くて、カラカラになっちゃうと思ったら、居ても立ってもいられなくなっちゃったの」

絵里「ふふ、花陽らしいかも」

花陽「そうなのかなぁ? でも絵里ちゃんが言うんだから、きっとそうだよねっ♪」

220: 2014/10/03(金) 00:03:55.51 ID:fMTf2ofE0
穂乃果「たっだいまー!」

絵里「あら、お帰り穂乃果」

花陽「あ、穂乃果ちゃん。お邪魔してます」

穂乃果「って、花陽ちゃん!?」

花陽「うん、おはよう」

穂乃果「おはよう……じゃなくて! 絵里ちゃん、ちゃんと接客してた~?」

絵里「してない」

穂乃果「ダメダメ、そんな顔じゃお客さん怖がっちゃうよぉ?」

絵里(私もお客さんなのよ)

221: 2014/10/03(金) 00:06:56.55 ID:fMTf2ofE0
穂乃果「まずはニッコリ笑顔だよっ。こんな風に~♡」

絵里「だから、そうじゃなくて」

穂乃果「接客の基本は笑顔! おばあちゃんもそう言ってたもん」

絵里「接客は」

穂乃果「そのままだとお客さんにスマイルを届けられないよ?」

絵里「穂乃果!」

穂乃果「ひゃあ!?」

222: 2014/10/03(金) 00:08:41.93 ID:fMTf2ofE0
絵里「わたしも、おきゃくさん」

絵里「わかる?」

穂乃果「……そうだった!」

花陽「ええっ!? そ、そうなの?」

絵里「そうなのよ。穂乃果が仕事押し付けて行っちゃうから……」

穂乃果「ちゃ、ちゃんとすぐ帰ってきたよ! プリンあるし」

絵里「そういう問題じゃなーい!」

穂乃果「きゃーっ!? ごめんなさい!」

223: 2014/10/03(金) 00:10:25.61 ID:fMTf2ofE0
絵里「……もう。次はないわよ?」

穂乃果「……えへへ」

絵里「?」

穂乃果「なんだか、絵里ちゃんがいつもの雰囲気に戻ってきた気がする」

絵里「いつもの、って……」

花陽「ああ、確かにいつもより落ち着いてる感じしてたねぇ」

絵里(どういうこと? また私、世界に染まってきて――――――――)

224: 2014/10/03(金) 00:14:52.70 ID:fMTf2ofE0
穂乃果「そういうクールなのも似合うけどぉ~……やっぱり絵里ちゃんはこうじゃなきゃ! フフッ♡」

花陽「そうだね♪」

絵里(でも、ちょっとしか話してない花陽にも見抜かれてたなんて……)

絵里(また入れ替わったりしちゃうのかしら……?)

絵里「って、ごめんね花陽。待たせちゃって」

花陽「いいよぉ。絵里ちゃんと話せてるから」

絵里(花陽が天使に見える。元からだけど)


225: 2014/10/03(金) 00:17:39.67 ID:fMTf2ofE0
穂乃果「絵里ちゃんずる~い! 花陽ちゃんばっかりヒイキしちゃってー」

絵里「穂乃果はお客さんじゃないもの」

穂乃果「えー、絵里ちゃんサービスしてよぉ」

絵里「しません。それより早く場所代わりなさい」

穂乃果「ヤダヤダ! 絵里ちゃんが何かサービスしてくれないと動かないもん!」

花陽「クスクス、穂乃果ちゃんヤキモチさんなんだね♡」

絵里「やれやれ……」

絵里(まさか生きてて実際に、やれやれなんて言葉使うとは思わなかったわ)

226: 2014/10/03(金) 00:21:10.20 ID:fMTf2ofE0
絵里「穂乃果」

穂乃果「サービス?」

絵里「それそれ」

穂乃果「わーい! なになに? 何してくれるの??」

絵里「ほぉら、たかいたか~い!」

穂乃果「わ~っ!」

穂乃果「って、そんなのじゃ喜ばないよ。穂乃果は子どもじゃないんだから、もう」

絵里(えっ、今喜んでたのどこの誰?)

227: 2014/10/03(金) 00:25:36.07 ID:fMTf2ofE0
絵里「じゃあどうしようかしら……うーん」

花陽「絵里ちゃん」

絵里「ん?」

花陽「いつもみたいにぎゅ~ってしてあげればいいんだよ♪」

絵里「いつもみたいに……」

絵里(私はいつもされる側だったわね)

絵里「穂乃果」

穂乃果「サービス!」

絵里「それそれ」

228: 2014/10/03(金) 00:27:36.64 ID:fMTf2ofE0
絵里「ぎゅー」

穂乃果「……」

絵里(いや、これなんか違う気がする。もっと腕を下げてぎゅっと抱き寄せて……)

絵里「はまった!」

穂乃果「……う、うぅ」

絵里「あれ? どうしたの穂乃果」

穂乃果「あ、あの……こんなマジメなハグは初めてっていうか……」

絵里「……ああ、ごめん」

229: 2014/10/03(金) 00:30:12.69 ID:fMTf2ofE0
花陽「……」

絵里(ん? 今度は花陽が……)

花陽「……いいなぁ」

絵里「」

花陽「あっ、今のは……その」

絵里「つかまえたわよっ♡」

花陽「ひゃっ、つかまっちゃった」

穂乃果「絵里ちゃんの浮気者~!」

絵里(やだこれ楽しい)

232: 2014/10/04(土) 00:17:32.13 ID:XHJtu3i60




絵里「……つかれた」

絵里(結局どのくらいじゃれあってたのかしら。結構な時間経ってたけど……)

絵里「……もう10時すぎ」

絵里(2時間も……なんてこと)

絵里「でも……結構楽しかったわね♪」

絵里(あれ? 今、こっちの穂乃果たちみたいな感じだったような)

233: 2014/10/04(土) 00:21:08.56 ID:XHJtu3i60
絵里「……あっ、おまんじゅう買い忘れた」

絵里「今から戻るのもなぁ……うーん」

絵里(何も持っていかないのも悪いし、スーパーとかでお菓子でも買って行きましょう)

絵里「希の好きなお菓子って何だったかしら……」

にこ「あ~っ! 絵里ちゃんだ!」

絵里「あれ、にこ?」

にこ「せいか~い! こんなところでまた会うなんて、これもウンメイってやつニコっ♡」

234: 2014/10/04(土) 00:25:10.36 ID:XHJtu3i60
絵里「それは言い過ぎじゃない?」

にこ「ううん、アイドルにとって、ラッキーであることはとぉっても大事!」

絵里(ん? ラッキーの話してたっけ?)

にこ「時には笑いの女神さまに微笑んでもらえるアイドルじゃないと、スクールアイドルだからって悠長に構えてるヒマはないニコよ!」

絵里「ちょ、ちょっとにこ、声が大きいって」

にこ「あっ、いけないいけない。ニコってばアイドルのことになっちゃうと、つい熱くなっちゃって♡」

235: 2014/10/04(土) 00:28:39.76 ID:XHJtu3i60
絵里(ふふ、ここでもやっぱり、にこは相変わらずアイドルが好きなのね)

にこ「ムムッ、絵里ちゃん笑ってる~?」

絵里「ごめんごめん。にこがあまりにも楽しそうだったから」

にこ「?」

絵里「それで、にこは今まで何してたの?」

にこ「ニコはスーパーでアルバイト♪ 今日もニコの宣伝のおかげで、在庫がなくなっちゃうくらいソーセージが売れちゃった♡」

にこ「これもニコのアイドルオーラのお・か・げ?」

絵里(……もしかすると、あながち否定できないかもしれないわね)

236: 2014/10/04(土) 00:32:32.62 ID:XHJtu3i60
絵里「あ、そうだ。スーパーでバイトしてたなら、お安い商品教えてもらえないかしら?」

にこ「おっ! 思わぬところでお客さんゲ~ット♪ さあさあ、絵里ちゃんをお店までエスコートするニコ~!」

絵里「わわ、は、速い!」

絵里(でも、こんな朝早くからバイトなんて……)

にこ「ちょうど欲しかったアイドルグッズがあったから、絵里ちゃんも売り上げに貢献してねっ♡」

にこ「アルバイト増やしてもギリギリ間に合うかどうかの限定商品だから助かるニコ!」

絵里(うん。思ったより大丈夫そうね、うん)

239: 2014/10/04(土) 00:55:07.80 ID:XHJtu3i60




にこ「……ねぇ絵里ちゃん」

絵里「なに?」

にこ「もしかして……希ちゃんの好きなお菓子、知らないとか?」

絵里「」

絵里(鋭い)

絵里「い、いや、そんな」

にこ「だって絵里ちゃん、さっきからずぅっとおんなじところをグルグル回ってるもん」

絵里(バレてた)

240: 2014/10/04(土) 00:58:48.57 ID:XHJtu3i60
にこ「それってちょっと意外かも。絵里ちゃん、いっつも希ちゃんといっしょにいるから~……」

にこ「ハッ! まさか、いっしょにいるのは絵里ちゃんじゃなくて、双子の妹のえりりちゃんだったりして!」

絵里「そんなことないわよ。希とは今日も約束してるんだから」

絵里「ただ、その……」

絵里(希の趣味が、元の世界の希の趣味と同じかどうかが心配なだけで……)

にこ「でも希ちゃん、最近ちょっと変な感じだったニコ」

絵里「変……って?」

241: 2014/10/04(土) 01:02:45.85 ID:XHJtu3i60
にこ「う~ん……なんていうか、焦ってる?」

にこ「いつもはニコも憧れるフンワリ系の、ぽわぽわ~って感じの希ちゃんが……なんだか余裕がないって感じで」

絵里(余裕がない……)

にこ「ちょっと不思議ちゃんだった希ちゃんが、不思議なこと全然言ってなかったから……あ、もしかして絵里ちゃん、ケンカ?」

絵里「ううん、覚えはないけど……」

絵里(喧嘩なんてしてたら、約束なんてしにくいわよね? ってことは、何か別の理由があったのかしら?)

246: 2014/10/05(日) 13:15:58.91 ID:YKvPHid90




絵里(喧嘩、かぁ……)

絵里(もしかして、もしかすると……)

絵里「ううーん……」

絵里「って、道はこっちで合ってるかしら?」

希「あ、エリち。待ってたで」

絵里「あ、希。こんにちは」

247: 2014/10/05(日) 13:18:15.21 ID:YKvPHid90
希「やっぱり……ぎょーさん連れてたみたいやなぁ……」

絵里「え? 何?」

希「鬼の子っていうより、今はまさに可能性を秘めた龍?」

希「フフ、えらいつよなったなぁ」

絵里「?」

絵里(希が何を言ってるかわからない……ていうか、希の関西弁ってこんなに強かったっけ?)

248: 2014/10/05(日) 13:22:54.97 ID:YKvPHid90
希「エリち、どこから来たん?」

絵里「家からよ? 途中でいろんなところに寄ったけど」

希「そないなこと聞いてるん……あ、エリち、ちょっとこっち」

絵里「ん?」

希「そのまま、後ろ向いて」

絵里「??」

希「……くんくん」

絵里「!?」

249: 2014/10/05(日) 13:25:58.21 ID:YKvPHid90
絵里「ちょ、の、希!?」

希「トワレ……うん、エリちの匂いは変わらずやね」

絵里(トワ?)

希「とりあえず中、入ろか」

絵里「あ、うん」

絵里(にこが言ってた不思議なこと言ってたって、このことだったの?)

250: 2014/10/05(日) 13:29:04.22 ID:YKvPHid90



絵里「……」

絵里(希の部屋……ずいぶん綺麗にしてるのね)

希「エリち、もっとくつろいでええんよ? いつもみたいに」

希「って、そうやね。今はわかるわけあらへんか」

絵里(……今気づいたけど、希って――――――――)



希「えーっと、パラレルワールドのエリち……変な感じやけど、はじめまして?」



絵里(やっぱりバレてる!)

251: 2014/10/05(日) 13:34:13.03 ID:YKvPHid90
絵里(こ、ここは素直に乗った方がいいのかしら)

絵里(いやいや、でもそんな)

絵里(でもこの希なら意外と)

絵里(って言ってもさすがに)




『……それでもウチを頼ってくれたらうれしいけどなぁ』

『そうねぇ、最初に頼るのは希かも』

『ふふっ、それはうれしい』



絵里(……)

絵里「はじめまして、希」

252: 2014/10/05(日) 13:38:51.59 ID:YKvPHid90
希「うん、はじめまして」

絵里「……にしても、どうしてわかったの?」

希「なんとなーく気配が、エリちと別物な感じがせぇへん?」

絵里「わからないわ」

希「あらら、エリちにはわからへんの?」

絵里「うん」

希「まあ、それがエリちらしくて好きかな」

絵里(ぐぬぬ)

253: 2014/10/05(日) 13:41:38.84 ID:YKvPHid90
絵里「そうやって私をバカにしてると、お土産はあげません」

希「エリちのいけずぅ~」

絵里「はいはい」

希「ああ、これはエリちに見せた方がええんかな」

絵里「……何それ?」

希「ウチの個人ダイアリー♡」

希「スクールアイドルダイアリーとは別の、ほんまのウチの日記帳♪」

254: 2014/10/05(日) 13:46:59.19 ID:YKvPHid90
絵里「どうして希の日記帳を見せるの? 交換日記?」

希「エリち、今この段階でそないなこと言うん?」

絵里「え、じゃあ……そういう趣味?」

希「察しが悪いエリちもかわいいなぁ♡ でも今、ウチら何の話してた?」

絵里「それは、パラレル――――――――」

絵里「あ! まさか手がかり!?」

希「ご名答!」

255: 2014/10/05(日) 13:54:01.63 ID:YKvPHid90
絵里「見せてもらっていいの?」

希「ええよ、その代わり……この日と、それからこの日の間までやで? 他のところは見たらあかんよ?」

絵里「ありがとう!」

希「おおきに♡」

絵里「まずはこの日以外から……」

希「エリち!?」

絵里「冗談よ、冗談♡」

希「パラレルワールドのエリちっていじわるやなぁ……」

絵里(本質は変わってないと思うけどね♪)

256: 2014/10/05(日) 14:02:15.16 ID:YKvPHid90
絵里「何が書いてあったの?」

希「それは見てのお楽しみってことで」

絵里「そうね。じゃあ見てみるわ」





257: 2014/10/05(日) 14:04:31.00 ID:YKvPHid90
~~~~~~~~

『1日目』

こっちの状況は元の世界とあまり変わらない。

えりちはどうやらまだμ'sに入っていないらしい。

でも今度こそ、成功させてみる。

258: 2014/10/05(日) 14:08:15.15 ID:YKvPHid90
『2日目』

えりちは変わらず生徒会長。

ウチも変わらず副会長。

元と近い関係でシミュレーションできるのは実にありがたい。

えりちが入らないまま夏を過ぎると、μ'sで知名度を上げられていないせいで、生徒会の仕事がいろいろと増えてしまう。

タイムリミットはそれまで。

時間はあるし、まだまだ慎重に計画を練らないといけない。

259: 2014/10/05(日) 14:09:43.06 ID:YKvPHid90
『3日目』

とりあえず忘れそうやったからって、こっちの自分の日記に経過を書くのは悪いかなぁ。

あとで消しとこう。

あ、それか新しいの買ってこようかな。

260: 2014/10/05(日) 14:11:44.57 ID:YKvPHid90
『4日目』

今日はすごいことに気付いた。

μ'sが出来上がろうとしている今、ウチが穂乃果ちゃんたちに関わろうとすると……えりちが嫉妬してた!

これはもしかしたらチャンスかも。

でも関西弁ってこんなに難しいもんなんやね……真似するの疲れてきたで。

261: 2014/10/05(日) 14:13:24.09 ID:YKvPHid90
『5日目』

外堀を埋める。

そうすれば、えりちの逃げ場はなくなるはず。

ってことで、レッツ手回し~♪

今回はかなり希望がある気がする。

262: 2014/10/05(日) 14:15:50.86 ID:YKvPHid90
『6日目』

えりちはしぶとい。

なかなかμ'sに入ってくれない。

外堀はまだまだ埋まりそうにない。

263: 2014/10/05(日) 14:37:31.36 ID:YKvPHid90
『10日目』

いつも通り、えりち以外がμ'sに加入した。

外堀は埋まったはず。

えりちはどう動くんかな?

264: 2014/10/05(日) 14:40:54.67 ID:YKvPHid90
『13日目』

いつもなら、このあたりでえりちが折れる。

ちょっと前に行ったウチが下級生やった夢では、えりちとの関係が離れすぎててすぐにあきらめることになったけど、今回はそういうのもなさそう。

えりちがμ'sをやめないためにはどうしたらいいんかな?

265: 2014/10/05(日) 14:43:53.78 ID:YKvPHid90
『1 日 』

わかった。

徹夜 悩 だ甲斐が った

 当に必要 のは         こと。

もう戻

消し忘れ た

ちゃ と



~~~~~~~~

266: 2014/10/05(日) 14:45:49.18 ID:YKvPHid90



絵里「……」

絵里(希は確かにおまじないを使ってた……)

希「エリち、わかる? ウチはよう理解できへんくて」

絵里(希はたぶん……いや、絶対に)




絵里(私をμ'sに加入させようとしていた)

267: 2014/10/05(日) 14:51:29.78 ID:YKvPHid90
絵里(希が後輩の夢……それって前に私が行ったところよね?)

絵里(しかもこれ、何度もおまじないを使ってるようなことがほのめかされてる)

絵里(最後のページはたぶん……徹夜で悩んで消し忘れた、ってこと?)

絵里(元の世界を忘れないように、帰るまでのタイムリミットがあって、成功して慌てて帰ったのね)

絵里(最後だけ、しかも雑に消えてるのは、眠くてちゃんと消せなかったのかしら)

絵里(……これはすごく重要な手がかりだわ)

絵里「……肝心な部分が消されてるけど」

268: 2014/10/05(日) 14:59:28.55 ID:YKvPHid90
希「エリち、そない真面目な顔してたら、眉間にシワが寄ってまうよ?」

絵里「あ、うん。ごめん」

絵里「……!」

絵里(ちょっと待って、そういえば希は、誰におまじないを教わったの?)

絵里(いや、そもそもおかしいわ)



絵里(私はどうして、おまじないを知ってるの?)



絵里(自分に教えられる前から、知っていたはずよね? じゃないと……)

絵里(じゃないと……何? 私がおまじないを使ったのは、教えられてから使ったのが初めてじゃ……)

269: 2014/10/05(日) 15:04:57.54 ID:YKvPHid90
絵里「……ちがう」

希「え?」

絵里「ちがうわ、ここは……ここは違う」

希「え、エリち? 落ち着いて?」

絵里「大丈夫、心配しないで」

絵里「どうして、こんな簡単なこと、気付かなかったのかしら……」

絵里(私の体に、本来の持ち主の私の心がいる、それは『そこが私の世界じゃない』から)

絵里「ちょっと考えればわかったはずなのに――――――――」

270: 2014/10/05(日) 15:06:27.92 ID:YKvPHid90





『過去に戻れるおまじない、って知ってる?』




絵里「私は、希に教えられてここへ来たんじゃない――――――――」

279: 2014/10/06(月) 23:22:10.81 ID:Er6Mvyth0
絵里「まさかこれが、帰り道を忘れるってこと……?」

絵里(あの世界の私みたいに、戻れなくなって――――――――)

絵里(私も、あの私たちと同じように……そっか)

絵里「ありがとう、希」

希「エリち……そんな顔してたら、悪い気に捕まってまうで」

絵里「そう、よね。うん」

絵里(すぐに戻るべきなのはわかってる……でも、私は今のμ'sを置いて行くわけにはいかない)

280: 2014/10/06(月) 23:28:17.30 ID:Er6Mvyth0
絵里「私がまず、するべきことは――――――――」

絵里(……そうだったのね)

絵里「え、何? 頭に直接……」

絵里(希も私と……やっぱり、あの時の希は、希じゃなかった)

絵里「別の意識が勝手に……ああ、あなたはこっちの私? この世界の私なのね?」

絵里(ええ、そうよ。ここまで連れてきてくれてありがとう)

希「んん?? 1つの身体に心が2つ……いや、もう少し多いかもしれへんなぁ」

絵里「希、わかるの?」

希「ほんのちょーっとだけ。だって、明らかに雰囲気別人やもん」

絵里「それなら話は早いわ。ちょっと色々あってね」

281: 2014/10/06(月) 23:34:27.42 ID:Er6Mvyth0
絵里(道理で見つからないはずだわ……)

絵里「何か知ってるの?」

絵里(それは、きっと……帰れば説明してくれるはずよ。すべて、ね)

希「自分と対話……フムフム、エリちは器用なことするもんや」

絵里「自分からできるようになったわけじゃないわ」

絵里(絵里、あなたは一旦、目を覚ますべきよ)

絵里(ここはもう、大丈夫だから)

絵里「ええ、そうね……」

絵里「あの絢瀬絵里は、すべてを知ってるの?」

絵里(そうでしょうね。私たちがたどり着いた先があそこだったのも、偶然じゃなかったのかもしれない)

282: 2014/10/06(月) 23:37:24.66 ID:Er6Mvyth0
絵里「……希、ありがとう」

希「ううん、ウチは何にもしてへんよ」

希「大切なこと……やるべきこと、見つけたんやね♡」

絵里「そういうこと」

絵里「なんだかごめんなさい、せっかくの休日なのに変なことばっかりで」

希「親友のためなら、そないなこと気にしてられへんよ」

希「自分の好きなように、思うがままに行動すればよろしいやん♪」

絵里「フフ、ありがとう」

283: 2014/10/06(月) 23:40:00.06 ID:Er6Mvyth0
絵里(ねぇ、わたし)

絵里「なに?」

絵里(元の世界に戻ったら、希に伝えておいてくれる?)

絵里「何を?」

絵里(あなたが思ったことよ。あなたは私なんだから、わかるでしょ?)

絵里「……なるほどね」

絵里(きっと、あなたの世界の希と、私が出会った希は同じ世界の人よ)

絵里(だから、お願い)

絵里「ええ、任せて」

284: 2014/10/06(月) 23:43:40.38 ID:Er6Mvyth0
希「なになに? ヒミツのお話? ウチも混ぜてぇや♡」

絵里「そんなに心配しなくても、ちゃんと教えてくれるわよ」

希「エリちが?」

絵里「そう。私が、ね♡」

希「クスクス。エリち、なんとなくエリちに似てきてる」

絵里「え? こっちの私に、ってこと?」

希「うん♪」




希「やっぱりおんなじエリちなんやし、ほんまに似てるっていうのは当たり前のことかもしれんなぁ」

285: 2014/10/06(月) 23:45:11.43 ID:Er6Mvyth0
絵里「おんなじ……」

絵里(……なるほどね)

絵里「わかったの?」

絵里(ええ)




絵里(同じ私なんだから、環境次第でどんな私にでもなれるってことよ)




絵里「どんな、私にも……」

286: 2014/10/06(月) 23:47:37.41 ID:Er6Mvyth0
絵里「そっか……うん。ありがとう希」

希「だから気にせんでええって♪」

絵里「……それに私も」

絵里(フフ、お互い様よ)

絵里「2人のおかげでいろんなことに気付くことができたわ」

絵里「……それじゃ名残惜しいけど、私はもう行くわ」

絵里(今度は迷わないようにね)

絵里「うん」

希「短い間やったけど、楽しかったで。また遊びにきてな?」

絵里「できたら、必ず来るわ」

287: 2014/10/06(月) 23:48:42.33 ID:Er6Mvyth0




絵里(さよなら)

希「またね、エリち♡」

絵里「ええ、さよなら!」





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――――

――

288: 2014/10/07(火) 00:07:28.94 ID:uBJVwLMU0



絵里「さて、聞きたいことが山ほど増えちゃったわね……」

絵里(でももう今日は……うん)

絵里(明日、ことりを送り出さなきゃいけないし、もう寝ましょう)

絵里「おやすみなさい」

ことり「くー……」

289: 2014/10/07(火) 00:10:15.07 ID:uBJVwLMU0

ここまで

絵里「つよくてにゅーげーむ」【完】

★現在の進行状況
パリ到着→絵里の調子が悪い・おまじないについて「この世界の」絵里から説明を受ける
1日目→昼:μ’sが存在しない世界(呼び出し穂乃果)・夜:希が加入していない世界(呼び出しにこ)
2日目→昼:コミカライズの世界・昼~夜:おまじないについて聞く(その2)・夜:希後輩の世界
3日目→昼:SIDの世界                                      ←イマココ
4日目→
5日目→朝:帰国

引用: 絵里「つよくてにゅーげーむ」 part3