1: 2025/01/04(土) 15:30:43 ID:???00
エマ「よしよ~し」

歩夢「いい子いい子……」

彼方「撫で撫で~」

璃奈「幸せ……🤍」

3: 2025/01/04(土) 15:38:02 ID:???00
────2日前

「ゲーム大会?」

璃奈「そう。同好会全員でゲームのガチバトルをする。
優勝した人には『お願いを何でも聞いて貰える権』を贈呈」

せつ菜「それは盛り上がりますね!」

ミア「面白そう!」

ランジュ「負けないわよ~!」

彼方「頑張るぜ~」

4: 2025/01/04(土) 15:47:04 ID:???00
────

璃奈「あっさり優勝した。
これ以上ないほど完膚なきまでにボコボコにして優勝した。
パーフェクトなまでに完勝した」

かすみ「そりゃそうだよ! りな子にゲームで勝ち目ある人探す方が無理だよ!」

璃奈「ごめん……」

かすみ「い、いや、怒ったりはしてないよ?
ただ、かすみんにパン作りで挑むっていうか、エマ先輩に包容力で勝負するっていうか、歩夢先輩に重さで勝負するっていうか……結果が見え見えすぎて思わずツッコんじゃっただけで……」

歩夢「かすみちゃん、あとで表出よっか」

かすみ「ひぃぅっ」

璃奈「……けど、私は一応手加減もした。
具体的に言うと左手は使わなかった」

栞子「このゲーム、選択肢を選ぶだけなので左手は不要ですよね?」

璃奈「……安定行動だけするようにはしてた」

ランジュ「まぁいいじゃない、どうあっても璃奈が優勝したのは確かよ!」

彼方「そうだねぇ。むしろ、彼方ちゃんたちは璃奈ちゃんのお願いを謹んで聞かないと~」

ミア「だね。指摘自体は勝負が始まる前から出来たし、わかっててノった以上ボクらに拒否権はないさ」

かすみ「紛うことなき正論……わかりましたよ。
元々かすみんも普通に言う事聞くつもりでしたし。
で、りな子は何をお願いしたいの?」

7: 2025/01/04(土) 15:59:49 ID:???00
璃奈「……皆で、私のママになって欲しい」

「えっ」

愛「り、りなりー……? それって……その、あ、あれ?」

果林「『私の子供を産んでくれ』……的なメッセージかしら?」

ミア「なわけないだろ……」

せつ菜「で、では私たちが璃奈さんを産むということでしょうか!」

かすみ「どうやってですか!?」

璃奈「……どっちでもない。
ただ、ママとして私に接して欲しい」

エマ「? ママとして?」

彼方「ん~と? お母さんの代わり、的なことをして欲しいってことかな?」

璃奈「うん……」

ランジュ「???」

栞子「母として……つまり、厳しく導く、ということでしょうか」

璃奈「そういうのじゃない」

8: 2025/01/04(土) 16:04:54 ID:???00
侑「あ、じゃあ家事をやって欲しい、みたいな?」

璃奈「そうでもなくて……もっと、お母さんらしいこと」

しずく「じゃあ、甘えたい……ってこと? なんて……」

璃奈「うん……」

しずく「えっ」

璃奈「私、小さい頃からお母さんに甘えるってことをしたことがないから……今からでも、そうしてみたいと思った。
けど……お母さんたちはいつも家にいない」

ランジュ「……アタシも、何となく似た境遇だったわ」

璃奈「だから、親の顔よりも見た同好会の皆で、ママになって欲しい」

10: 2025/01/04(土) 16:11:48 ID:???00
(想像以上に重い理由だった……!)

侑「そっか……そういうことだったんだね。なら、皆で頑張ろう!」

愛「りなりーのためなら、愛さんひと肌脱ぐよ!」

ミア「ボクだって! 歳下でも包容力があるってことを見せてやるさ!」

璃奈「あ、でもメンバーは3人まで」

「えっ」

果林「3人だけでいいの?」

璃奈「流石に毎日12人だと多すぎるから、日ごとに代わって貰う形にする」

しずく「複数日前提なんだ……」

璃奈「皆の予定で開いてる日を、この表に書き込んで欲しい。
それを基に、3人ずつのママチームを作って、1週間のシフトとして出す」

彼方「アルバイトみたいだねぇ……」

璃奈「望めば報酬とかボーナスも出す。お金でも物でも体でも……」

愛「っしゃオラ全部オッケェッ!!!」

彼方「彼方ちゃんもぉ~っ!!!」

璃奈「凄い意欲……」

11: 2025/01/04(土) 16:20:49 ID:???00
璃奈「出来た、シフト表。
来週から始まるから、お願いします」 

月曜日
愛 ミア ランジュ

火曜日
歩夢 彼方 エマ

水曜日
せつ菜 彼方 栞子

木曜日
愛 果林 かすみ

金曜日
ミア 侑 歩夢

土曜日
しずく 愛 彼方

日曜日
エマ ミア ランジュ

侑「何だかんだ、1日しか入れない人もいるね」

果林「こればっかりは仕方ないわね。皆色々あるもの」

しずく「その分、その1日を大事にしないとですね」

璃奈「……わくわく」

16: 2025/01/04(土) 17:37:07 ID:???00
そして現在へ────

璃奈「エマさん……エママの膝枕、最高。
どんな病気やケガでも治る気がする」

エマ「そう言ってくれて嬉しいよ~。
けど……膝枕って、うつ伏せでもするものだったっけ……?」

璃奈「そうだよ」

歩夢(息を吐くように嘘を……)

彼方(けど、それをここで指定したら間違いなく白けるし悲しませる……堪えろ彼方ちゃん!)

エマ「えぇっと、今日は膝枕以外にも何かするの?」

璃奈「して欲しい。他にもお母さんらしいこと」

彼方「じゃあ、何をしよっかぁ」

璃奈「……」

璃奈(お母さんらしいこと……って、なんだろう。
漠然としたイメージしか抱いたことがないから、わからない……)

璃奈「……うーん」

17: 2025/01/04(土) 20:24:17 ID:???00
璃奈「お母さんらしいこと、ってなんだろう」

彼方「……昨日は、何をしてもらったの?」

璃奈「一緒にご飯を食べて、耳掃除とマッサージをしてもらって、お喋りをした」

歩夢「あんまり普段の皆と変わらないね」

璃奈「……やっぱり、他の人の目から見てもそう見えるんだ」

エマ「……そもそも、璃奈ちゃんにとって『お母さんらしい』ってことに答えは出てないんだよね?」

璃奈「……されたことないから、ない」

エマ「なら、璃奈ちゃんが本当にしたいことって、何なのかな」

璃奈「私が、本当にしたいこと……本当に、してもらいたいこと……」

歩夢「私ね、前にランジュちゃんのお母さんと会ったんだ。
その時に『うちのお母さんや、侑ちゃんのお母さんと全然違うなぁ』って思ったんだ。
だから、きっとお母さんって無数にあって、何がお母さんらしいかって答えは誰にもないと思うの」

璃奈「……なら、私のこの気持ちは、どうやって叶えたら良いのかな」

彼方「簡単なことだよ。
璃奈ちゃんが、今からでも自分のお母さんと向き合ってみることだよ」

璃奈「それが出来たら、苦労しない」

彼方「確かに、璃奈ちゃん1人じゃ難しいかもしれないね」

歩夢「でも、璃奈ちゃんはもう1人じゃないよ」

璃奈「……なんとか、なるのかな」

エマ「なんとかしてみようよ。皆で!」

璃奈「……」

18: 2025/01/04(土) 20:28:57 ID:???00
璃奈「皆で協力したら、私の望む未来も作っていけるのかな……」

エマ「出来るよ。きっと、今の皆でなら!」

璃奈「……なら、頑張る。私、やってみる」

 ──未来がどうなるかはわからない。
 お母さんと顔を合わせて、お話して、何かをして、なんて……まだ何をするかも決めてなくても、この気持ちに決着をつけるなら、今しかないから。
 だから、精いっぱい頑張る。
 私一人の力じゃお母さんたちと会えなくても、私は一人じゃないから。
 皆がいるから、未来を諦めないでいられる!



おしまい

19: 2025/01/04(土) 20:29:23 ID:???00
書いてる途中で気力が尽きたせいでこんな打ち切り漫画みたいなオチになり申した

ごめんなさい

引用: 【SS】璃奈「ママ……🤍」