1: 2014/04/25(金) 12:44:59 ID:o6kRIRas

獣人A「僕の家は由緒ある家柄だよ!」

獣人B「俺ん家はデッカイ土地がある!」

獣人たち「あーだ、こーだ…!」



虎娘「うるっさいっ!」

虎娘「アタシには…その…心に決めた男がいるんだ!」

虎娘「すまないが、アンタ達は他をあたってくれ」

虎娘「アタシ急いでるんだ、じゃあな」ダッ

獣人たち「あーあー…」ガックシ



---
--
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)

2: 2014/04/25(金) 12:47:23 ID:o6kRIRas


-虎娘宅-

虎娘(くそっ、断るのに手間取っちまったじゃないか!急がないと…)


虎娘(耳隠しの帽子!オッケー!)カポ

虎娘(しっぽ隠しのロングスカート、今日はチェック柄!オッケー!)フリンフリン

虎娘(トップスは…白いゆるふわチュニック!オッケー!)フリンフリン

虎娘(毛先、枝毛無し!オッケー!)ツヤツヤ

虎娘(体、汗臭くない!オッケー!)クンクン

虎娘(お茶!オッケー!)タプン


 

3: 2014/04/25(金) 12:48:45 ID:o6kRIRas

虎娘(よし!急げっ!)ダッ




虎娘(っとと、服装が乱れる、汗かいちまう)

虎娘「アタシは…私はおしとやか、私はおしとやか」

トコトコ

---
--






 

5: 2014/04/25(金) 12:50:24 ID:o6kRIRas

--


男「よう、今日は遅かったな」

虎娘「…」コクン

男「じゃあ、薬草探し始めるとするか」

虎娘「…」コクン

男「…」ブチブチ

虎娘「…」ブチブチ

虎娘(ああ~、カッコいい~////)

虎娘(いつも一生懸命な姿)

虎娘(あの頃と、変わってねぇな…)

ゴソゴソ

ヒラリ

虎娘(…)ジッ

6: 2014/04/25(金) 12:51:45 ID:o6kRIRas

男「お、珍種発見!」

虎娘(アンタは、このハンカチ覚えてるかな…)



男「お?これは見たこと無いな…」

男「なあ、村娘」

虎娘「…」

男「村娘?」

虎娘「…」

男「おいっ!」

虎娘「ひゃっ!!」ビックウ

男「あ、悪い…」

7: 2014/04/25(金) 12:55:40 ID:o6kRIRas

虎娘(ここでは村娘だった…)

虎娘(全っ然、慣れねぇや…)

男「今日、来るの遅かったし調子でも悪いのか?」ズイッ

虎娘「!!」バッ

虎娘「…////」フルフルフルフルフルフル

男「そ、そうか?あ、んで、この草初めて見るんだけど、村娘は知ってる?」

虎娘「…」コクン

虎娘「ず、頭痛によく効きます」ボソ

虎娘「でも少しの量でも副作用が出やすいので」

虎娘「服用注意、です」

男「そうか、ありがとう」

男「まだまだ勉強不足だな」メモメモ

虎娘(勉強熱心だな)

8: 2014/04/25(金) 13:01:34 ID:o6kRIRas

男「なあ…そのスカート、かわいいな」

虎娘「え////」ドキ

男「スタイルも良いし、背も高いから良く似合ってるよ」

虎娘「~~っ/////」マッカ

男「あ、すまん。急に言っても迷惑だよな」

虎娘「/////」フルフルフルフルフルフルフルフルフルフル

男「そ、そんなにふるふるしなくても」

虎娘「///」アセアセ

ゴソゴソ

コポコポ

虎娘「ん/////」スッ

9: 2014/04/25(金) 13:14:51 ID:o6kRIRas

男「お!お茶か。いただくよ、ありがとう」

虎娘「////」

虎娘(誉められた!スタイル良いって!!)

虎娘(嬉しい!嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!)

虎娘(服もかわいいって)ニヘラー

虎娘(へへへっ!このスカート、一番のお気に入りになっちまった!)ニヘラー

男「ご馳走さま」

虎娘「ん」

男「さ、もういっちょがんばりますか!」

10: 2014/04/25(金) 13:57:25 ID:o6kRIRas

--

男「日も暮れてきたし、そろそろ帰ろうか」

虎娘「…」シュン

コクン

男「お互いたくさん採れたな」

虎娘「うん」コクン

男「次に来るのは…これだけ新鮮な薬草が採れたし」

男「そうだな、5日後にしようか」

虎娘(…長いな)

虎娘「うん」コクン

男「じゃ、気をつけてな」

虎娘「ん」フリフリ

11: 2014/04/25(金) 13:58:27 ID:o6kRIRas

トボトボ…

虎娘(今日も楽しかった…でも、やっぱりうまく喋れねぇ…)トボトボ

虎娘(この服も似合ってるって言ってくれたけど)

虎娘(普段はジーンズのホットパンツに、Tシャツとかタンクトップ、スニーカーとは言えない)

虎娘(男の前では、色々嘘をついちまってんだよな…)

虎娘(いつか、言えんのかな…)

虎娘(幻滅されたらどうしよう…)ポロ



?「おや、おかえり虎娘ちゃん」

12: 2014/04/25(金) 13:59:12 ID:o6kRIRas

虎娘「ただいま、獣婆様…」ポロ

獣婆「何があったのかい?」

虎娘「いや、なんでも無ぇっす、ぐす」

獣婆「そうかい」

虎娘「これ、今日の薬草」

獣婆「うーん、多いねぇ」

虎娘「は?いつもと大して変わんねぇじゃん」

獣婆「多いねぇ多いねぇ。年寄りには持てないねぇ。家まで運んで、そのあとお礼にお茶でも飲んでもらって、話を聞いてやりたいねぇ」ニンマリ

虎娘「ふふふっ、獣婆様には敵わねぇっすわ」

虎娘「話、聞いてもらっていいですか?」

獣婆「ああ、構わないよ。じゃ行こうか」

13: 2014/04/25(金) 14:00:39 ID:o6kRIRas




獣婆「で、その人間の男に惚れてしまったと」

虎娘「うん////」

獣婆「その女らしい格好はそういう事だったのか」

虎娘「かわいいって、似合ってるって言ってくれたんだ」

獣婆「まあ、虎娘ちゃんの気持ちもわかるけどね」

虎娘「獣婆様…」

獣婆「惚れた男の前では、少しでも良く見せたいもんだよ」

獣婆「それに人間と獣人、お互い共存していると言っても、少しカベのようなものも感じるしね」

14: 2014/04/25(金) 15:25:42 ID:o6kRIRas

獣婆「人間と獣人のカップルだと、獣人の血が薄まるばかりだから…」

虎娘「だな…」

獣婆「でも、だからっていつまでも嘘をつき続けるワケにもいかないだろう?」

獣婆「ましてや、虎娘ちゃんのことだ。諦めたりはしないんだろうし」

虎娘「まあ、ね」

獣婆「…早くに打ち明けることをオススメするよ」

虎娘「うん…」

獣婆「それとうまく結ばれたとしても、獣人にはツラい結果になることは、肝に銘じておきなさい」

虎娘「はい」

虎娘「ありがとう、獣婆様」

15: 2014/04/25(金) 16:44:59 ID:o6kRIRas

獣婆「こちらこそ年寄りの話し相手になってくれてありがとね」

虎娘「アタシ、決心がつきました」

虎娘「男に、言うよ」

虎娘「素のアタシと、獣人だって事と…」

虎娘「昔から男が好きだったって事!」

獣婆「がんばんな」

虎娘「うん、お茶ご馳走さま!」

虎娘「またね、獣婆様!」





獣婆「若いっていいねぇ…」



 

16: 2014/04/25(金) 16:46:00 ID:o6kRIRas


-5日後-




虎娘(耳隠しの帽子!よし!)カポ

虎娘(今日のトップスは…フリルの着いたピンクのブラウス!よし!)フリフリ

虎娘(毛先、枝毛無し!よし!)ツヤツヤ

虎娘(体、汗臭くない!よし!)クンクン

虎娘(お茶!よし!)タプン


虎娘(しっぽ隠しのロングスカート、今日も男が誉めてくれたチェック柄!よし!)フリンフリン



虎娘(…いきなり晒すのはアレだから、最初は…隠しておこう…うん)

17: 2014/04/25(金) 16:46:57 ID:o6kRIRas

虎娘(しっかし、遅ぇなぁ…)

虎娘(アイツが遅れるなんて、今までなかったのに…)

虎娘(珍しいこともあるもんだ)





男「よう…」

虎娘「!」パア

男「遅れて、すまね…」

虎娘(?)

男「じゃあ、今日も、ふぅ、採取、しますか」

虎娘(なんか変だな)

18: 2014/04/25(金) 16:47:37 ID:o6kRIRas

男「…」ブチ

虎娘「…」ブチブチ

男「はあ…」ブチ

虎娘「…」ブチブチ



虎娘「…」ブチブチ

虎娘「…」ブチブチ

虎娘「…?」ブチブチ?

虎娘(静か、だな…)

19: 2014/04/25(金) 16:49:04 ID:o6kRIRas


虎娘「あれ?お、お、とこ~?」キョロキョロ

虎娘「あっ!!」



男「はあ、はあ、はあ…」グッタリ




虎娘「おっ、男ぉっ!?」ダッ


虎娘「おいっ!なんで倒れてんだよ!!」

男「はあはあ」

虎娘「顔色が悪い…」

ヒタ

虎娘「ね、熱があるじゃねぇか!」

虎娘「なんで来たんだよ!?」

20: 2014/04/25(金) 16:51:12 ID:o6kRIRas

男「村娘…が、待ってると…」

虎娘「バカタレぇっ!アタシのために、無茶するなよ!」

男「わり…」

虎娘「おいっ、アンタん家はここからどれくらいだ!?」

男「少し、行ったところ…の…川沿いに下って…40分ぐらい…」

虎娘「そっちの方が近いな!」

虎娘「おぶってやるから、少しだけ我慢しろよ!ヨイショー!」

男「む、村…娘?」グイン

虎娘「詳しくはアンタが落ち着いてから話す。今は黙ってろ」

虎娘「薬屋が熱出して倒れんなよ…はぁ」

虎娘「行くよ!」ダダッ


 

21: 2014/04/25(金) 16:52:21 ID:o6kRIRas

ダダダダッ…

虎娘(スカートが長いから…走りにくい…)

虎娘(それ以前に、ヒールのサンダルなんか履いてくるんじゃなかった…!)

虎娘(帽子も、どっかに落としちまった!)

ガクン

虎娘「おだっ!?」

虎娘「くそ、ヒールが折れた…」

虎娘「さすがに、裸足は痛いし」

22: 2014/04/25(金) 16:53:21 ID:o6kRIRas

虎娘「布で足をくるんで…」

虎娘「布…」

チラ↓



『…そのスカート、かわいいな』

『良く似合ってるよ』



虎娘「少し待っててくれな」ソッ

男「はあはあ」

虎娘「誉めてくれて、スッゲー嬉しかったよっ!」

ビリッビリッビリビリ

ビリビリビリッ

23: 2014/04/25(金) 16:54:14 ID:o6kRIRas

グルグルグルギュッ

グルグルグルギュッ

虎娘「よいしゃ!短くなって走り易くなった!」

虎娘「よっ、と」

男「む、村むす、め…」

虎娘「オッケ、足もちゃんとくるめてる」

虎娘「飛ばしぎみで行くからな!」

ダダダダッ!





 

24: 2014/04/25(金) 16:54:39 ID:o6kRIRas

虎娘「ここか!」

男「ん…」グッタリ

虎娘「カギ貸しな」

男「ん…」


ガチャ


虎娘「お邪魔するよ」

虎娘「ベッドは奥か?」

男「ああ…」グッタリ



虎娘「よっと」

男「はあ…」

虎娘「おい、解熱剤は?あるだろ?」

男「引き出し…薬草の効能を貼って、仕分けして…ある」

虎娘「薬取ってくるから、そのまま横になってな」

27: 2014/04/25(金) 22:27:21 ID:o6kRIRas
レスいただきありがとうごさいます。

今更ながら、かつ、些細ではありますが、タイトルに脱字がありました。『に』が抜けておりました


正式タイトル↓

虎娘「アタシはアンタ達の嫁になるつもりは無ぇっ!」


引き続き、お楽しみ頂けると幸いです

28: 2014/04/25(金) 22:29:59 ID:o6kRIRas

虎娘(すげぇ種類だな…)

虎娘(これ全部、男一人で調合したのか…?)

虎娘(いかんいかん!感心してる場合じゃねぇや)

虎娘「解熱剤…解熱剤…」

虎娘(あった!て、おわっ!?解熱剤だけでどんだけ種類あるんだよ!)

虎娘(とりあえず胃に優しくて、早くよく効くやつ…)ガラッ

虎娘(引き出しごとに、効能、用法用量、副作用まで全部まとめてある…あらためて、すごいな、男は)

29: 2014/04/25(金) 22:31:01 ID:o6kRIRas


虎娘「男、これでいいか?」

男「ああ、それが一番汎用性が高い…はあ…」

虎娘「じゃ、少しだけ体起こしてくれ」

グッ

虎娘「水、飲めるだろ?」

男「ホント…すまない」

ゴクゴクリ

虎娘「少し寝てな」

男「ふぅ…はあ…」

虎娘「ちょっと台所借りるよ」

---
--

30: 2014/04/25(金) 22:32:23 ID:o6kRIRas


--

男「うー…ん…」

男「ん…」

男「…あれ?…家?そうだ…」

ズキン

男「あづっ…」

虎娘「目ぇ覚めたかい?薬が効いてよく眠れたみたいだね」

男「!」

男「む、村娘…」

虎娘「虎娘って呼んでくれ。それが本当の名前だ」


男「虎…娘」

虎娘「気分はどうだい?」

男「あ、うん、頭が少し痛む…」

虎娘「取ってくる」

31: 2014/04/25(金) 22:34:00 ID:o6kRIRas



虎娘「はいよ」

男「ありがとう」

ゴクリ

虎娘「無理せず寝ててもいいんだよ?」

男「大丈夫、それより…スカート…」

ボロッ

虎娘「あ、ああ…走りにくかったし、色々あって破っちったよ、ははは…」

男「かなり迷惑かけたみたいだな。本当にありがとう」ペコリ

虎娘「はははっ、いいよ気にしなくて」

虎娘「それよか、アンタは…どれどれ」ヒタ

虎娘「熱、下がったみたいだな」

男「俺の調合した薬をなめんなよ?」

32: 2014/04/25(金) 22:35:00 ID:o6kRIRas

虎娘「はははっ、それだけ大口叩けるなら大丈夫だろ」

虎娘「食欲は?あるか?」

男「少しだけなら」

虎娘「よかった。米とか勝手に使ったけど…おかゆ作っといたんだ」

虎娘「少しでも食べた方がいいだろうしな」

男「おお、ありがたい」

虎娘「それと、あの…」

虎娘「今まで…色々嘘ついて、騙してて…悪かった…」

男「そうだな…獣人なのも、性格も全くちがうのも…驚いたな…」

虎娘「だから…もう会わない」

33: 2014/04/26(土) 00:57:01 ID:IhR/M.fc

男「ええっ!?なんで!?」

虎娘「だって、男…ずっとアンタを欺いてたんだよ?会わせるツラがねぇよ」シュン

男「い、いや別にそれで何か実害被ったワケでもないし…」

男「それに…」

虎娘「?」

男「村むす…じゃない、虎娘がよく話す子で安心したよ」

虎娘「どゆこと?」

34: 2014/04/26(土) 00:58:18 ID:IhR/M.fc

男「二人で会うとき、いつも静かだったから、俺と居るのが嫌だったんじゃないかってさ」

虎娘「バカだね、嫌なら律儀に毎回毎回来るもんか」

男「ま、そうだな」




虎娘「なあ…少し、話…していいか?」

男「ああ、大丈夫」

虎娘「アンタは…、」ゴソゴソ

虎娘「このハンカチ、覚えてるか?」

男「それはっ…、俺のハンカチ!」

虎娘「そうだ」

男「なんで虎娘が持ってるんだ?」

虎娘「アンタが昔、アタシに包帯代わりに巻いてくれたんだ…」

35: 2014/04/26(土) 01:02:04 ID:IhR/M.fc

男「え?」

虎娘「あのときはまだ小さい体だった…」

男「もしかして…」

虎娘「3年程前、森でケガしちゃって、そのとき、アンタが薬草とこのハンカチで手当てしてくれたんだ…」

男「あの時の、仔猫娘…!?」

虎娘「ネコじゃねぇっ!!虎だ!とーら!」


男「見違えた…」ホケー

虎娘「獣人族は長寿だから、40手前から急激に成長するんだ」

虎娘「ちなみにアタシは今年、41歳だ」

男「俺より歳上…」

36: 2014/04/26(土) 01:03:49 ID:IhR/M.fc

虎娘「見た目は人間で言うところの…ハタチ前後ってところだけどな」

男「いやぁ、あのお嬢ちゃんがこんなきれいなお姉さんになるとは…」

虎娘「あ、ありがとう…////」

虎娘「うん、で、まあ…それから、またアンタを…、たまたま薬草採りに来ているアンタを見たのが半年前ってワケだ」

虎娘「全然変わってなくて、一目見て男だってわかった」

男「すぐに言ってくれれば良かったのに…」

虎娘「そうなんだけど…」

37: 2014/04/26(土) 07:23:37 ID:IhR/M.fc

虎娘「その…あのな?////」モジモジ

虎娘「あの、まぁ…なんだ…////」モジモジ

男「なんだよ、モジモジして。トイレなら…」

虎娘「バァカァ!!違うわい!!」

男「わ、わりぃ…」

虎娘「ふん!ま、まあ…その、仔虎娘は…」



虎娘「そのとき手当てしてくれた青年を、好きになってしまいましたとさ////」




男「え?お?」

虎娘「男…」

虎娘「アタシ…アンタの事…好きだ!!」

38: 2014/04/26(土) 07:24:56 ID:IhR/M.fc

男「あぅ…」

虎娘「友達とかじゃなく、アンタを一人の男として好きだ!」

男「おお…」

虎娘「手当てしてくれたあの時から、ずっと好きで!」

虎娘「また会えた時は、めっちゃくちゃ嬉しかった!」

虎娘「でも…」

虎娘「こんなガサツなしゃべり方だから、気にしちゃってさ…」

虎娘「何より獣人ってのが、な?」

男「それで、帽子とかスカートで体を隠して」

男「喋り方も気にして、あんまり喋らなかったのか…」

男「まあ、俺は獣人に偏見はねぇけど」

虎娘「今のアンタを見てればわかるよ」

虎娘「でも、こんなんでも乙女なんだ////」

虎娘「不安なものはできるだけ、取り除きたかったんだよ」

42: 2014/04/26(土) 21:11:27 ID:IhR/M.fc

虎娘「少しでも、良く見せたかった…」

虎娘「少しでも、近くで過ごしたかった…」ポロ

虎娘「それで、嘘をついちゃったんだ」ポロポロ

男「いいじゃないか、それぐらい」

虎娘「ぐす、ひく…ありがとう」ポロポロ

男「泣くなよ」

虎娘「うぐ…だって…」

男「その…正直、嬉しい」

虎娘「ひっく、え?」

男「好きだって言ってくれた事だよ」

虎娘「え?」

男「ただ…」

43: 2014/04/26(土) 21:17:11 ID:IhR/M.fc

虎娘「ちょっ、ちょっと待った!」

虎娘「ひくっ、明日に返事を、聞きたい、ずずー」

男「え、明日!?」

虎娘「ぐずっ、アタシから急に好きだって言っておいて、ワガママかもしれねぇ」

虎娘「でもアンタはまだ体調悪いだろ?元気な時に、ハッキリちゃんと返事を聞きたい!」

男「あ、ああ…」

虎娘「じゃ帰る!」スクッ

男「えっ!でももう夜…」

虎娘「バッカ、獣人にとっちゃ昼も夜も大して変わんねぇよ」

虎娘「それに…」

男「ん?」

44: 2014/04/26(土) 23:14:20 ID:IhR/M.fc

虎娘(こんな状況だと、長居してたらドキドキして頭がおかしくなっちまう!////)

虎娘「なんでもない。心配してくれてありがとう」

虎娘「じゃあ、いくよ」

男「ああ…わかった、また明日」

虎娘「うん。しっかり休んでくれ」

虎娘「明日…また来くるから…」

虎娘「じゃあ、な////」

男「ちょい待ち」

45: 2014/04/26(土) 23:15:39 ID:IhR/M.fc

虎娘「なんだよ////」ドキドキ

男「靴、これ履いていけよ。巻いてあったスカートも、もうボロボロだろ?」

虎娘「ああ確かに」

男「サイズ違うと思うけど…」

男「あっ!水虫じゃないから安心して履けよ!!」

虎娘「はははっ、じゃあ借りていくよ」

スポ

虎娘「ちょっとでかいかな。でもありがとう助かったよ!」

虎娘「また明日」ダダダッ

男「ああ」


 

46: 2014/04/26(土) 23:16:51 ID:IhR/M.fc

虎娘「あ!」キュキュー!

男「ん?」

虎娘「おかゆー!まだ残ってるからー!食べれるならー、食べてしっかり休んでくれー!」

虎娘「じゃー!」

ダダダダッ…


男「はははっ…ホント、いい子だよな」





 

47: 2014/04/26(土) 23:18:19 ID:IhR/M.fc



虎娘(いいい言っちゃった…!////)

虎娘(男は…アタシの事、どう思ってんだろ…)

虎娘(さっき、何を言おうとしたんだろ…)




虎娘(ヤベェ…今更ながら怖くなってきた…)

虎娘(でも、明日…明日だ…!)

ダダダダ…




 

48: 2014/04/26(土) 23:19:09 ID:IhR/M.fc

-翌日-

虎娘(みんな見せたんだし、普段のカッコで来たけど…)ミミピクピクシッポフリフリ

虎娘(ああああ…ドキドキする…こんなにドキドキしたこと、今まであったっけな…)

虎娘(もうすぐ男ん家だ…)



虎娘「お?」


子供「栄養薬と少し強めの解熱剤下さい」

男「よう、お使いか?」

子供「そうなんだ。ママが熱出して、ここのお薬が一番効くから買いに来たんだ」

男「ああ、ありがとうな」

男「待ってな」

49: 2014/04/27(日) 00:09:03 ID:j2vGSJ9U

男「お待たせ

男「使い方のメモ、中に入れてあるから、ちゃんと読んで使ってくれな?」

男「と、これ」

子供「わあ!でっかいアメだ!」

男「お使いできたイイコにご褒美だ」

子供「ありがとう!」

子供「はい!これお金」

男「まいどあり」

男「早く帰って、お母さん看てやれよ。待ってんだろ?」

子供「うん、ありがとう!薬屋さん!!」

虎娘「…」

50: 2014/04/27(日) 06:26:32 ID:j2vGSJ9U



おばあさん「男ちゃん、こないだの薬あるかい?」

男「おう、ばあちゃん。どう?あの調合薬効いた?」

おばあさん「ああ、よく効いて腰の痛みもすぐに無くなったし、副作用もなかったよ」

男「そうかそうか!じゃあ、コレ」

男「多めに作っといたからさ、持っていきなよ。頻繁に来るのは大変だろ?」

おばあさん「でもお金足りるかねぇ」

男「いつもの値段でいいよ。ばあちゃんにはひいきにしてもらってるから、日頃のお礼だ」

おばあさん「そうかい?いつもありがとうね」

男「いやいや、こちらこそ!今後ともごひいきに!」

虎娘「…」ジー

51: 2014/04/27(日) 06:30:44 ID:j2vGSJ9U

虎娘(ふふっ、これだよ、これ!アタシは男のこういうところに惚れたんだ!)


おばあさん「お先に」ペコ

虎娘「あっ…ども」ペコリ


男「お、虎娘」

虎娘「や」

虎娘「ふふ、体にもお客さんにも優しい薬屋さん、か」

男「見てたのか。ま、稼ぐだけが商売じゃないってコトさ」

虎娘「アンタらしい考えだな」クスクス

男「そうかな?あ、今から休憩するからあがってくれよ」

虎娘「うん」


 

52: 2014/04/27(日) 06:33:53 ID:j2vGSJ9U

[只今休憩中]


男「お茶どうぞ」コト

虎娘「ありがとう」ズズ

男「うん、その格好も…いいな」

虎娘「ぶほっ!」

男「うおわっ!」

虎娘「んがっほっ、けへっ、いきなり何を…こほっ」

男「いや、脚も長くて綺麗だし、健康的な二の腕も…」

虎娘「え、えOち////」

男「ちがっ、その方が今の虎娘に似合ってるってことだよ!」

虎娘「そ、そか、ありがと////」

男・虎娘「…」シーーーン

 

53: 2014/04/27(日) 07:22:53 ID:j2vGSJ9U

虎娘「み、店、繁盛してんだな」

男「あ、ん、まあ、じいちゃんがやってた頃の馴染み客も多いけどな」

虎娘「男って…家族は?」

男「ああ、両親は俺がまだ子供のときに事故で亡くなっちまって」

男「じいちゃんばあちゃんが育ててくれたんだ」

男「今は二人とも亡くなって俺一人だよ」

虎娘「そ、か。…なんか、ごめん」

男「気にするなよ。今の現状に満足してるよ!薬屋もやりがいある仕事だしな」



虎娘「そうか」

54: 2014/04/27(日) 07:23:40 ID:j2vGSJ9U



男・虎娘「…」ズズー


男・虎娘「…」


男・虎娘「「あのっ…!!」」

虎娘「あ…////」

男「あ、そっちからどうぞ」

虎娘「いや、多分アタシが聞きたいことを言おうとしてくれたんだろ?」

男「あ、ああ…」

65: 2014/04/27(日) 20:32:19 ID:j2vGSJ9U

男「うん、そうだな…」

男「昨日の返事…」

虎娘「あ、ああ…」ドキドキ



男「俺も虎娘、お前に惚れた」



虎娘「おああ!」パア

男「あんなに俺のために一生懸命になってくれたんだ」

男「惚れないワケないだろう?////」

虎娘「へへっ////」

男「ただ、俺も虎娘が好きだという返事をして…」

男「俺は…お前が心配になった…」

虎娘「…うん」


55: 2014/04/27(日) 12:45:24 ID:j2vGSJ9U

男「虎娘は…いいのか?」

男「お互い、好き同士なんだ。その…これから先のことも色々考えるだろ?」


虎娘「ああ…」

虎娘「元より覚悟は出来てる」

虎娘「人間のアンタを好きになったとき、全部覚悟を決めたよ」


男「そうか」

虎娘「人間と獣人だと、人間の子供しか生まれねぇ」

虎娘「獣人の証で、誇りの、獣耳、獣尾は絶対に遺伝しない…」

虎娘「でも、アタシの血は子供に流れるから、それだけで十分だよ」

虎娘「耳、尻尾うんぬんは獣人族の誇りってだけだから、男は気にするな」

男「ああ」

男「一番の問題は…」

56: 2014/04/27(日) 12:57:47 ID:j2vGSJ9U

虎娘「寿命、だな」

男「…うん、そう…だな」

虎娘「アタシたち獣人は、人間の倍くらいの寿命がある」

虎娘「だから…」

男「当然、俺より長く生きるし、子供よりも…もしかしたら、孫より…長く生きる」

男「虎娘…お前は辛くないか?」

虎娘「ああ…」


虎娘「考えただけで…」ポロ…

虎娘「涙が出てくるよ…」ポロポロ


男「…」

57: 2014/04/27(日) 12:58:34 ID:j2vGSJ9U

虎娘「ひぐっ…だからって…あぐぅ、アンタを諦めるなんてできねぇっ!」

虎娘「アンタがアタシより早く氏んでも、えぐっ…」



虎娘「アンタと一緒に過ごす時間が、きっとアタシを支えてくれる!」



男「虎娘…」

虎娘「それだけアンタに心の底から惚れたんだ…!ひっく」


ガタンッ


ギュッ

58: 2014/04/27(日) 12:58:52 ID:j2vGSJ9U

虎娘「ふあ」

男「虎娘は強いな…」

虎娘「アンタが相手だからだよ…ぐす」

男「へへへ」

虎娘「ふふふ」

男「俺は強い女が好きだ」

虎娘「アタシじゃん」ニコニコ

ギュ

男「お」

バッ

虎娘「さ、そろそろ休憩も終わりじゃないか?」

男「そうだな」

虎娘「お客さんが待ってるぜ?」

男「おうよ」

虎娘「続きは、閉店後のお楽しみにしておくか!」

66: 2014/04/27(日) 20:36:14 ID:j2vGSJ9U


[営業中]


男「ありがとうごさいましたー」

男「お待たせしました。どんな薬をお探しでしょうか?」

男「はい、どうぞー」

男「いらっしゃいませー!」

67: 2014/04/27(日) 20:37:04 ID:j2vGSJ9U

虎娘(働きモンだなぁ)

虎娘(旦那にするには、申し分ねぇな)ニヘラー

ホワンホワンホワンホワン

~~~~~~

68: 2014/04/27(日) 20:37:54 ID:j2vGSJ9U


男「あー、今日も忙しかった。ふー」

虎娘「あなたー、お疲れさまっ!」パタパタ

ダキッ

男「おう、虎娘」

虎娘「ねぇ、あなた」

虎娘「先にアタシにする?それともアタシ?あ、それともア・タ・シ?」

男「うおーっ!虎娘ーっ!」ガバッ

69: 2014/04/27(日) 20:39:13 ID:j2vGSJ9U

虎娘「あんっ、こんなところで!?ちょっと待ってよぅ////」

男「こんな世界一の嫁さんを前にして、待てとは…、ヒドイな」

虎娘「いやん、あなたったら////」

虎娘「では、二人の愛の部屋にエスコートして下さるかしら?」

男「姫の仰せのままに」ダッコ

男「では、参りませうか」キリッ

虎娘「姫はこのまま、あなたに包まれとうごさいます////」

男「私に身を任せたまへ」キリッ

虎娘「ああ、王子…////」

クンズホグレツ…

~~~~~~

ホワンホワン

虎娘(にょへへ~)ニヘラー

70: 2014/04/27(日) 20:41:00 ID:j2vGSJ9U


男(なんだ、あのゆるゆるの顔は…)


女性客「いつもの薬、お願いね」

男「あ、はい」

ゴソゴソ

男「どうぞ」

女性客「いつも、ありがとうね」

女性客「あら、奥のお嬢さんは?」

虎娘「!はっ」ミミピーン

ダダッ

男「おわっ!」

虎娘「男のっ…男さんの嫁に、じゃない!お嫁さんになる予定の!」

虎娘「虎娘だっ…です!」フカブカ

71: 2014/04/27(日) 20:42:16 ID:j2vGSJ9U


男「」

女性客「」


ザワッ

虎娘「あれ?」

おじいさん客「お、おおお!仕事一筋だった薬屋のせがれに…!」

おじさん客「ついに春が…!!」

虎娘「お?」

おばさん客「男ちゃん!おめでとう!」

お客さん達「「「わーやー、あーやー!!」」」パチパチパチパチ!

男「お前なぁ…////」

虎娘「ははは…すまねぇ////」

72: 2014/04/27(日) 20:44:07 ID:j2vGSJ9U

男「悪い気はしない、けど…」

虎娘「へへっ!!」

お客さん達「「「おめでとー!」」」パチパチパチパチー!

男「どうすんだよ…この状況…」

虎娘「いいじゃんか!みんな祝ってくれてるんだし」

虎娘「ほら!」

虎娘「お客さん、待ってるよ?」

男「ったく…」

男「お待たせしてすいません」ペコリ

73: 2014/04/27(日) 20:57:55 ID:j2vGSJ9U


おじいさん客「ほっほっほっ、お前さんもついに所帯持ちか!」

男「う…」

男「ま、まだ気が早ぇよ」

おじいさん客「まあまあ、そう言わんと!天国の家族にもいい報告ができるじゃないか!」

男「ま、そだな」

おじいさん客「ところでお嬢さん」


虎娘「なんすか?…や、なんでしょう?」


おじいさん客「お嬢さん、獣人じゃが、その…いいのかい?」

おじいさん客「一族の事とか、寿命とか…、色々あるだろう?」

虎娘「…うん」

74: 2014/04/27(日) 21:02:03 ID:j2vGSJ9U

虎娘「でも、覚悟は出来て、ます!」


おじいさん客「…男君」

男「はい」

おじいさん客「いい娘さんに出会えてよかったな」

男「…ああ////」

虎娘「へへっ////」

おじいさん客「じゃ、行くとするよ」

男「帰り道、気を付けてな」

虎娘「気を付けて!」

おじいさん客「ありがとよ」

75: 2014/04/27(日) 21:13:27 ID:j2vGSJ9U


男「次の方どうぞー!」

虎娘「どうぞー!」

虎娘「アタシも手伝うよ」

男「ああ、うん。じゃあ頼む」

虎娘「任せな!」

虎娘「はい、いらっしゃーい!」


---
--

76: 2014/04/29(火) 01:20:59 ID:xRdXYWfg


男「ありがとうございましたー!」

虎娘「ありがとうございました!」



[本日終了]パタ



虎娘「はあ…」

男「ん、お疲れさん」

虎娘「けっこう大変だな…ふぅ」

虎娘「いつも、アンタ一人でこなしてるのか」

男「まあ、慣れたらどうって事ないさ」

虎娘「そうか、んー…」ノビー

男「明日はどうする?」

虎娘「これからアンタと相談して決めるよ」

77: 2014/04/29(火) 01:22:10 ID:xRdXYWfg

男「これから?夜だけど、帰らなくていいのか?」

虎娘「んー、あー、そのなんだ…」

虎娘「アンタは…、自分の彼女を…夜に一人で家に帰すのか?」

男「いや、昨日は『バッカ、獣人にとっちゃ昼も夜も大して変わんねぇよ』って言って、帰ったじゃないか」

虎娘「えと、あの、んー、そのー////」モジモジ

男「?」

虎娘「もうっ…、察して…くれよ////」

虎娘「せっかく両想いになれたんだ…」

虎娘「アンタと…離れたくねぇ…////」


男「うえぃっ!?」

78: 2014/04/29(火) 01:24:25 ID:xRdXYWfg

ギュウ

虎娘「ダメか?」ウワメヅカイ

男「あうあうあー」キュゥゥン

虎娘「ずっとってワケじゃないよ。アタシも家族に男の事、話さなきゃなんねぇし」


虎娘「でも…」

虎娘「お願い、今日は…そばに…居させて、くれ////」

男「ぐっ…」

男「大した、おもてなしはできねぇけど…」

男「か、彼女に…そんなこと、言われたら…!」

男「俺も…離れたくないっ!」

79: 2014/04/29(火) 01:25:17 ID:xRdXYWfg

ギュウゥゥッ

虎娘「ふわっ////」

虎娘「ふふふっ」

虎娘「晩ご飯はアタシが作るよ」

虎娘「アンタが作った薬がいくら優秀でも、病み上がりには変わりないんだ」

虎娘「男はソファでくつろいでてくれな?」

男「いや、調理器具がどこにあるとか、説明要るだろ?」

虎娘「昨日、おかゆ作ったときにだいたい把握した」

男「え?」

虎娘「アタシ、料理は得意なんだ」

男「すげぇな、一回見て道具把握するって、得意ってレベルじゃないな」

80: 2014/04/29(火) 01:25:50 ID:xRdXYWfg

虎娘「まあ、他は…掃除とか裁縫とかは…てんでダメなんだけど////」

虎娘「あ、エプロン借りるよー」

キュ

虎娘「ま、世の男性方は、胃袋掴んでたら、大体コロッといくだろ?」

男「否定はしないな」

虎娘「ふふふっ、待っててくれな?」

虎娘「ふんふーん♪」カチャカチャ



男(ずっとひとりだったから…。いいな…こういうの)

虎娘「ふふっふぅー♪」

81: 2014/04/29(火) 01:27:16 ID:xRdXYWfg


--
---


男「ごちそうさま」

虎娘「はいよ。どうだった?」

男「そうだな…お袋の味!」

虎娘「そうかそうか!でも、だからって、きんぴらごぼう食べて泣いた時はホントにびっくりしたよ」クスクス

男「言わないでくれよ////」

虎娘「はっはっは…」

虎娘「…そうだよな…」

虎娘「しばらくひとりだったもんな…」

男「ああ…」

82: 2014/04/29(火) 01:28:26 ID:xRdXYWfg

虎娘「これからはアタシがいるから!」ニコッ

男「そうだな」ニコ



虎娘「さ、男は風呂でも入ってきてくれよ」

男「いや、片付け…」

虎娘「いいからいいから」

男「そこまでは悪いよ」

虎娘「片付け片付け~♪」

男「聞いちゃいねぇ…」

男「…甘えさせてもらうか…」


 

83: 2014/04/29(火) 01:29:33 ID:xRdXYWfg


カポーン

男「はー、極楽じゃー」

男(なんだかんだで、恋人になったけど…)

男(俺にはもったいないな、虎娘は)

男「ぷはー」

男(だからこそ、俺も虎娘を幸せにできるように頑張らねーと!)




 

84: 2014/04/29(火) 01:30:36 ID:xRdXYWfg

ゴシゴシ

男「ふはー、お先に」

虎娘「おう」

男「虎娘も入ってこいよ。バスタオル、脱衣場に置いてあるから」

虎娘「うん…は、入ってくるよ」トタトタ

男「?おう」



男(あ、着替えとかどうすんだろ?)

男(荷物なんて持ってきてなかったし…)

男(なんとかするだろ)


---
--

85: 2014/04/29(火) 01:31:55 ID:xRdXYWfg



カリカリ

男(最近、売り上げが上がってきてるから、もう少し薬の単価、下げれるな)

カリカリ

虎娘「お、おとこ…あがったよ…」



男「おう」

男「そういや、着替えどう…」クル

男「!!!!!!!」

虎娘「/////」

男「おまっちょ!きっどっ!ばっちっ!」

虎娘「ちょちょっと落ち着け、男!」

男「おままお前、バババスタオルいい一枚って…!!」

虎娘「へへへー、どうだ?////」クルン

男「いやっどうだも、何もっ////」

87: 2014/04/30(水) 01:30:04 ID:p0mgRZEY

虎娘「…なあ」

男「はいっ!?」

虎娘「アタシは…男…、アンタが…欲しい…」

虎娘「アンタに、抱いてほしい////」

男「いやっ、そういうのはもっと大事なときに…!」

虎娘「…イヤか?」

男「そうじゃないけど!」

虎娘「アタシにとっちゃ今が大事なときなんだよ…」

虎娘「積極的な…破廉恥な女は…ダメか?」ソソッ

男(あっれー!?いつもと同じシャンプーのハズなのに…!)

男「すっげー、いいにおい…」スンスン

虎娘「ふにゃあ…」

88: 2014/04/30(水) 01:31:29 ID:p0mgRZEY


男「…本気か?」

虎娘「誰のために純潔を守ってたと思ってんだ?」

虎娘「アタシは狙った獲物は逃さねぇ主義なんだ////」

虎娘「だから…ベッドに…行こうぜ?////」

男「お、おう…」





 

107: 2014/04/30(水) 01:58:10 ID:p0mgRZEY




…その後、二人は沢山の子宝に恵まれ、良き伴侶を得た男は益々薬屋を繁盛させ、家族仲良く暮らしたという…






-そして100年後-


 

108: 2014/04/30(水) 01:59:25 ID:p0mgRZEY

子供「虎ばあちゃん!」トテトテー

虎娘「やあやあ、大きくなったねぇ」

女性「おばあさん、お元気ですか?」

虎娘「もう歳だからな、色々としんどいや」

男性「虎ばあちゃん、いくつだっけか?」

虎娘「もう140だよ」

男性「はっはっは、さすが獣人!」

男性「リアルおばあちゃんの知恵袋だな」

虎娘「そうかい。こんな年寄でも役に立ってると思うと嬉しいよ」

女性「そうですよ」

109: 2014/04/30(水) 02:00:34 ID:p0mgRZEY

女性「ひいひいおじいさん…虎おばあちゃんの旦那さんと虎ばおあちゃん、二人で守り立てた薬屋も、私たちが継いでいるけど…」

男性「まだまだ俺も半人前だから、虎ばあちゃんにはいつも助けてもらってるよ」

虎娘「アンタも結婚して子供も出来て、しっかりやってんだから、もう一人前だよ」

男性「そうかな////」

虎娘「ひ孫やら玄孫達もみんないい子達だし、アタシも安心だね」

女性「だって」ニコ

男性「照れるな///」


男性「そうそう、また今度、一族みんなで集まるから」

女性「騒がしくなるけど、覚悟しておいてくださいね」

虎娘「はっはっは、楽しみにしているよ!」

110: 2014/04/30(水) 02:01:55 ID:p0mgRZEY





虎娘(なあ、男…)

虎娘(アンタが亡くなって、もう随分経つけど)

虎娘(改めて思うと…)



『アンタと一緒に過ごす時間が、きっとアタシを支えてくれる!』


虎娘(…これは間違ってたね)

111: 2014/04/30(水) 02:03:13 ID:p0mgRZEY


虎娘(それ以上に)

虎娘(二人で残したもの…)

虎娘(子供達や、その子供、みんなが居てくれるから)

虎娘(ずっと、楽しく過ごせたよ)



虎娘(ホント、アンタの嫁になってアタシはしあわせだった)

虎娘(だから生まれ変わっても)


「アタシはアンタ『以外』の嫁になるつもりは無ぇっ!」






おわり

112: 2014/04/30(水) 02:08:26 ID:p0mgRZEY

タイトル脱字や、レス抜けと不手際が複数ありましたが、最後までお付き合いいただき、改めてお礼申し上げます

ありがとうございました

引用: 虎娘「アタシはアンタ達の嫁なるつもりは無ぇっ!」