真紅「きゃっ、豊真将よ！」

豊真将「……」

翠星石「ホーマショー？なんですかそれ」

蒼星石「日馬富士が白鵬に言われて壊してしまったお相撲さんだよ、ほらそこに
　　　　協会のジャンパー着て座ってる色黒の大きい人」

雛苺「ヒナ知ってるの！わざと上から覆いかぶさったのよ！」

薔薇水晶「私はあれでモンゴル勢が嫌いになりました」

雪華綺晶「あら、白鵬たちモンゴル勢の傲慢こそ批判されてらっしゃるけど、あの相撲自体は
　　　　　故意ではないと親方連中も結論づけてらしたはずですよ」

ジュン「でもなー、理事長が日和見だし、揉め事嫌いだから話題を終わらせたような気も……」

真紅「まあ過ぎた事だしね、膝が元に戻るわけでもなし、現役に復帰出来る制度もなし。しょうがないわ。
　　　さ、水銀燈、豊真将改め立田川親方に皆の分のサイン貰って来なさい」

水銀燈「ちょっとあんたたち！何で私が！」

水銀燈「……全く何で私が……あの～ぉ、すみません、あ、お、親方。
　　　　サイン！……いただけませんか？」

豊真将「すいません、今は仕事中なのでサイン出来ないんですよ、すいません」

ジュン「あっ、いえ、すいません。当たり前だろ馬鹿！」

水銀燈「なぁんで私が怒られなきゃいけないの！」

真紅「しょうがないじゃない。あっ、あそこで旭豊と巌雄がアイスクリーム食べてるわ。
　　　見たところ休憩中みたいだし、今ならサイン貰えるんじゃない？」

雪華綺晶「そうですわね。お姉さま、次は私もご一緒しましょう」

水銀燈「……まあ誰か一緒に言ってくれるなら構わないけど」

水銀燈「あ、あのぉ～、えっと、………誰…でしたっけ」

旭豊「…………」

雛苺「松平健と帰化組おごご」

ジュン「ち、違うだろ！現立浪親方と山響親方だよ！」

水銀燈「タツナミ親方とヤマヒビキ親方ね。分かったわ」

水銀燈「あのぉ～、もしよろしかったらサイン、いただけませんか？」ﾆﾍﾗﾆﾍﾗ

旭豊「…………」

水銀燈「…………」

雪華綺晶「あの、お写真撮らさせていただいても宜しいですか？親方」

巌雄「いいよ」

ﾊﾟｼｬｰ




水銀燈「……何あのイケメン、感じ悪いじゃない」

雛苺「しょうがないのよ、入った部屋がそもそも問題あった人だから」

翠星石「？」

蒼星石「それより、早く相撲観に行こうよ。せっかく席取ったんだし」

ざわざわざわざわ


翠星石「ここがマス席ですか？」

蒼星石「そうだよ。僕らは小さいから、全員ゆったり出来ていいね」

雛苺「ヒナ溜席がホントはいいな」

真紅「無茶言わないで頂戴。あそこは私たちじゃ到底入れない場所だもの」

薔薇水晶「土俵入りまで暇ですね……」

ジュン「じゃあこれでも見てようよ。ほら、誰か言ってたろ。可愛い力士がいるって
　　　(千代丸の画像)」

蒼星石「へぇ～、千代丸って言うんだ…………ブフッ！！！」

薔薇水晶「えっ、どうし……ブフォッ！！！」

雪華綺晶「うぷぷぷぷぷ」

真紅「くふふふふふ」

ジュン「面白いだろ？こんなん相撲協会が発信するようになったんだなぁ」

蒼星石「ハヒハヒ……千代丸ってあれでしょ、千代鳳の兄さんだよね。稽古嫌いの兄がどうとか言われてた」

ジュン「そうなの？それはよく知らないけど、19歳で関取昇進した千代鳳の兄だね」

蒼星石「そうそう。結構若手で楽しみな人が出てきたから、あと2年くらいで
　　　　一気に世代交代するかもね」

真紅「そういえばジュンが生まれる前から幕内にいた人が何人かいるみたいね。
　　　そういういぶし銀みたいな力士も入り混じって、意外と最近面白いわ」

翠星石「へぇ～、そんな人がいるんですか。じゃあ今いる関取陣が生まれる前から
　　　　関取やってるような化石みたいな人もいるんですかね」

雛苺「あっ、噂をすれば阿武咲が出てきたの！！」



水銀燈「た、ただいま……」ｾﾞｰｾﾞｰ

真紅「まあ水銀燈！どこへ行っていたの！もう十両の取組が始まろうってのに！」

水銀燈「あ、あんたねぇ……焼き鳥買いに行ってたのよ！焼き鳥！！」

ジュン「え、あっ、本当だ！水銀燈、悪いな、何か色々してもらって」

水銀燈「あ、あぁら、いいのよ別に」

雛苺「ほえ？なんかジュンが来てから水銀燈の機嫌がいいの」

水銀燈「うるさいわね!別にいいでしょ！ほら、皆食べて」

薔薇水晶「いいのです、お姉さまからどうぞ」

雪華綺晶「これが国技館名物の焼き鳥工場の焼き鳥ですのね。おいしそうですわ」ﾊﾟｸｰ

雛苺「うゆ？あっ、阿武咲が勝ったみたいなの！わーいわーい」

翠星石「そのオーノショーってのは何ですか？ホーマショーと言い何かのショーですか？」

蒼星石「稀勢と白鵬以来の18歳関取だよ。知らないの？旭天鵬が関取昇進した後に
　　　　生まれたって話題の」

翠星石「キョクテンホーって何ですか？」

ジュン「なんだお前、旭天鵬も知らないのか」

翠星石「な、なんだとは何ですか！相撲に興味ない翠星石からしたら、知らなくても
　　　　当然なんです！翠星石が知ってるのは若貴曙くらいです！」

蒼星石「まあ若の里みたいに大関寸前まで行ったわけでもないし、安美錦みたいに
　　　　丸8年、4枚目以下で負け越した事がないわけでもないからね。ちょっと地味なのは
　　　　否定出来ないかな」

薔薇水晶「旭天鵬関は、あの優勝で一躍知名度を上げましたわね」

雪華綺晶「あの優勝する前の場所で、順当なら部屋継承のために引退してたくらい
　　　　　年齢がいってましたしね。あれはラッキーというか何というか……」

雛苺「うゆ、あれは旭天鵬を褒める場所じゃなくて、稀勢の里が極限まで
　　　しばき上げられるべき夏場所なの」

ジュン「ひでー言い方だな」

館内放送「ただいまの決まり手はー、突き落としー、突き落としてー、
　　　　　玉飛鳥の勝ちー」

真紅「きゃっ！こうしちゃいられないわ！」ｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

雛苺「うゆ？真紅どうしたの？どこ行くの……あ、いなくなっちゃった」

薔薇水晶「今取組を観てらしたわね」

雪華綺晶「まさか花道に行くんじゃ……」

ジュン「今勝ったの翔天狼と玉飛鳥どっち？」

蒼星石「玉飛鳥だよ」

ジュン「ああ、あいつそれで……玉飛鳥のファンなんだよ。何故か。
　　　　昔巡業で優しくしてもらったとか何とか」

翠星石「へぇ～、強いんですか？」

ジュン「いや……」

花道

真紅「ああ、間に合わなかったかしら……もう行ってしまったかしら……」

ﾄﾞｽﾄﾞｽ

玉飛鳥「ハァハァ」

真紅「きゃっ！来たわ！」

真紅「あっ、あの！！」

玉飛鳥「はぁはぁ……うん？」

真紅「あの、あの、い、す、素晴らしい取組でした！応援してます！が、
　　　頑張って下さい！」

玉飛鳥「あ、あざっす！！」

翠星石「今頃握手くらいしてるんですかね」

水銀燈「さあねぇ……でも真紅が相撲取りのファンだったなんてねえ。ちょっと笑っちゃうわ」

蒼星石「何言ってるんだよ水銀燈。鞄の中に安美錦とのツーショット入れてるくせに」

雪華綺晶「！！！？？？」

雛苺「ほえっ！？」

水銀燈「ちょ、ちょっと蒼星石ィー！！！」

ジュン「そうだったのか……気にするなよ水銀燈。僕だって成瀬心美の……」

翠星石「何ですって？」

翠星石「チビ人間！！この翠星石という美少女がそばにいながら……」ｸﾞｷﾞｸﾞｷﾞ

ジュン「おごごごごご！！し、氏ぬおごっ」

薔薇水晶「ちょ、ちょっと」

蒼星石「翠星石！やめなって！成瀬心美は引退して新潟に帰ったじゃないか。
　　　　ただの思い出だよ！」

ジュン「う、ゲホゲホ……い、いいから相撲観ようよ……高い金払ってんだからさ」

水銀燈「払ってるのは私なんだけどそれは……」

雛苺「あ、賭博破壊王松谷とあややが出てきたのー！！」

薔薇水晶「雛苺、結構詳しいんですね……」

ジュン「誰だ賭博破壊王とあややって」

蒼星石「ごめん、松谷は苗字で分かるけど、あややは分かんない。でも顔を見る限り、
　　　　安芸乃島の部屋の輝だと思う。なんであやや？」

雛苺「名前が達　綾哉だからなのー！」

ジュン「ふうん、珍しい名前だな。強いの？」

蒼星石「入門した時から期待されてる若手だよ。5年前入門の。6月で21歳になるけど
　　　　十両昇進してからもメキメキ伸びてるし期待は大きいね。あとは、幕下に同期の
　　　　照強がいるね。阪神大震災の当日に淡路島で生まれたので有名だね」

ジュン「へえ、さっきの阿武咲もそうだけど、若手が上がってくると活気があって
　　　　いいもんなんだよな」

翠星石「うーん、若手は分かったです。今強いのは誰なんですか？」

水銀燈「そりゃ白鵬よぉ。誰も異論はないはずよ」

蒼星石「僕は異論があるなあ」

ジュン「ほう、どうして」

雪華綺晶「今の白鵬の強さに異論なんて、興味深いですわね」

蒼星石「まずね、白鵬は一番強いんじゃなくて、『土俵の上で白星を
　　　　並べるのが歴代の誰よりも上手い』と考える方が自然なんだ」

翠星石「よく分からないです」

蒼星石「たとえば。今は十両に下がってるけど、昔大晦日にネットに降臨して
　　　　有名になった力士がいるの知ってる？」

薔薇水晶「？？？？？？」

雛苺「26歳で糖尿と緑内障と両足血行障害を併発した千代大龍の事なの！」

蒼星石「そう。彼は2年前は躍進を重ね、初の幕内上位の場所前の花相撲で、
　　　　白鵬を破った」

ジュン「うん、確か憶えてる」

蒼星石「当時、千代大龍はノリにノッていて、横綱だろうが正面から
　　　　倒してやると息巻いていた。悪く言えば調子に乗っていた」

雪華綺晶「へえ、じゃあ白鵬に翌場所リベンジされたとか？」

雛苺「腕を折られたのよ」

薔薇水晶「ふぁっ！？」

翠星石「うえー！！」

ジュン「あー……そうだったなあ。それから千代大龍は、素人目から見ても、
　　　　白鵬戦は力抜いて、さっさと負けるようになったんだ。まるで、
　　　　『こいつに勝とうとしたりしたらわざと怪我させられるから負けよう』みたいに」

水銀燈「あー……私も思い出したわぁ。あったわねぇ、そんな事」

蒼星石「そう。時津風事件の直前、新小結の豊ノ島を、場所前に朝青龍が破壊したのも
　　　　そうなんだけど、モンゴル勢は自分の安泰のために、牙城を揺るがしそうな力士が
　　　　出てきたら壊しちゃうんだよ。でも同じモンゴル人だったら、むしろ子分にする為に
　　　　あの手この手で懐柔しようとしてるね。鶴竜の大関昇進、横綱昇進がまさにそうでしょ」

雛苺「す、凄い考察なの……でも実際本当なのね」

蒼星石「ただ、日馬富士と白鵬を見比べたら分かるように、親方の力量
　　　　一つで、秩序を守れるかどうかって決まると思うんだよね。
　　　　モンゴル人だからどうたらこうたらって話じゃなくて」

ジュン「まあ、朝青龍の暴走は、親方が旭富士だったら無かった話ではあるな」

蒼星石「それかいっそ途中で目を摘むかだよ」

水銀燈「ねぇ、もうそういうのいいから、最初の話題に戻りましょうよ。
　　　　強いのは白鵬で分かったけど、あと強くて面白い力士って誰がいるの？
　　　　日馬富士、稀勢の里、照ノ富士、逸ノ城、安美錦、でロートルの琴奨菊に豪栄道？」

蒼星石「まあ、あとは忘れちゃいけない横綱鶴竜に、栃煌山、妙義龍、それに
　　　　伸びてきた若手の宝富士と佐田の海。復活してから相撲っぷりが明らかに
　　　　変わった栃ノ心。あと個人的には蒼國来と千代鳳が幕内の期待。
　　　　十両以下なら阿武咲、輝、照強、阿炎、錦木かな。
　　　　遠藤くんは今場所は休んでほしいね。妙義龍みたいに、三段目まで
　　　　落ちた2年後に関脇で10番勝つ事は出来るわけだし」

ジュン「遠藤は休んでほしいな。興行だからって強行出場はしてほしくないな」

雛苺「でも出場させられそうな気もするの……」

薔薇水晶「まあトップ3の理事長、事業部長、広報部長とも、現役終盤は休んでたわけだし、
　　　　　強くは言えないんじゃないですかね」

雪華綺晶「もっとドぎつい事を言うなら、師匠の最高位は越えてるわけだし、
　　　　　大翔山なんて現役生活7年だから偉そうは言えないはずなんですけど」

雛苺「でもヒナ、何より日本人横綱出てきてほしいなー」

蒼星石「白鵬がいる以上は無理だよ。何としてでも日本人の優勝と横綱は阻止するはず」

翠星石「何でですか？」

ジュン「まあ日本人が優勝したら、世代交代の流れが一気に増えるし、
　　　　まして横綱に昇進したら、明らかに自分が悪玉に祭り上げられるわけだから、
　　　　ヒーロー気分でいつまでも崇められる事が目的の白鵬としては、
　　　　絶対にあげたくはないわな」

蒼星石「そうなんだよね。だから僕、白鵬嫌いなんだよ」

雛苺「そういえば、真紅なかなか戻ってこないなー」

相撲大好きスレかと思ったら角界批判スレだった

朝青龍に真紅が届くやつ思い出した