528: 2009/11/05(木) 02:48:52.50 ID:j+KAN7BAO

金糸雀「みっちゃん……」

みつ「?」

金糸雀「カナ……何かおかしいのかしら……」

金糸雀「なんだか……頭が……ふわふわするのかしら……」ふらふら

みつ「カナ、どうしたの?なんだか顔が赤いわよ?」

金糸雀「後……目がぐるぐる……回って……」

みつ「ちょっと、カナ!?」

金糸雀「……あぅ」バタリ

みつ「いぃーやぁぁああああ!!カナァァァアア!!」

561: 2009/11/05(木) 17:04:22.31 ID:j+KAN7BAO
>>528

プルルルル……

雛苺「ジュンー、電話ー」

JUM「わかってるよ」

ガチャッ

JUM「はい、もしもし」

みつ『ジュンジュン!?カナが!カナが!』

JUM「ちょっと、落ち着いてくださ……」

みつ『カナが倒れたのに落ち着いてられないわよ!』

JUM「!?」

562: 2009/11/05(木) 17:10:59.06 ID:j+KAN7BAO
JUM「金糸雀が倒れたってどういう事ですか?」

紅・雛・翠・蒼「!」

JUM「はい……はい……」

JUM「わかりました、待ってます」

ガチャリ

真紅「ジュン、どういう事なの?」

雛苺「カナは無事なの?」

翠星石「詳しく説明しやがれですぅ」

蒼星石「まさか水銀燈に……?」

JUM「いや、僕もよくわからないんだけど……」

JUM「急に倒れたらしい。で、熱があるとかなんとか……」

564: 2009/11/05(木) 17:16:44.62 ID:j+KAN7BAO
翠星石「ドールが熱を出すハズが無いですぅ」

JUM「でも、顔も赤いし熱があるってさ」

蒼星石「……それだけじゃ全然わからないね」

雛苺「うゆ……心配なの……」

真紅「それで、金糸雀は何処なの?」

JUM「今はみっちゃんさんの家に居るらしいけど、明日から仕事で看れないから」

JUM「今日ウチに連れてくるってさ」

真紅「なら、金糸雀が来た時の為に準備しなさい」

JUM「わかってるよ」

566: 2009/11/05(木) 17:21:23.97 ID:j+KAN7BAO
―数十分後

ぴんぽーん

JUM「はーい」

ガチャッ

みつ「ジュンジュン……」

金糸雀「うーん……」

JUM「じゃあ、治るまではウチで面倒見るんで」

みつ「お願いするわ……カナをよろしくね」


真紅「任せて頂戴、私達が責任を持って看病するわ」

みつ「真紅ちゃん……ありがとぉぉおお!!」がしっ

真紅「こら、離しなさい!」

568: 2009/11/05(木) 17:28:24.97 ID:j+KAN7BAO
―桜田家・ジュンの部屋

JUM「……とは言ったものの」

金糸雀「……」すやすや

真紅「……どうしようかしら」

雛苺「とりあえず冷えピタを貼るのー」ピタリ

翠星石「意味があるかどうかはわからんですがパジャマに着替えさせるです」

JUM「なら僕は部屋から出とくよ」

ガチャンバタン

蒼星石「鞄に寝かせても治らなかったって言うことは何か他に原因があるのかもね」

真紅「でも、その原因が何なのか……」

571: 2009/11/05(木) 17:40:02.17 ID:j+KAN7BAO
―数分後

JUM『もう終わったか?』

翠星石「終わったですよー」

ガチャリ

JUM「!」

金糸雀「……」すやすや

JUM「髪も下ろしたのか」

翠星石「髪留めは寝る時邪魔にしかならねーですから」

金糸雀「……」

JUM「ふーん……見慣れない分違和感があるな」

翠星石「チビカナといえばおでこですからね」

雛苺「下ろしている分いつもより隠れてるのよー」

573: 2009/11/05(木) 17:43:08.99 ID:j+KAN7BAO
JUM「髪を下ろした金糸雀……」

JUM「……ちょっとかわいいな」ぼそっ

翠星石「!」

真紅「!」

雛苺「……嵐の予感なの」

蒼星石「……確かにいろいろ危ないかもね」

576: 2009/11/05(木) 17:56:28.57 ID:j+KAN7BAO
JUM「で、これからどうする?」

翠星石「勝手にしやがれですぅ!」

真紅「私は下でテレビを見ているわ」

ガチャンバタン

JUM「アイツら急にどうしたんだ?」

雛苺「……あちゃーなの」

蒼星石「……あちゃーだね」

JUM「?……まぁいいや」

JUM「とりあえず金糸雀は僕のベッドに寝かせておこう」ひょいっ

金糸雀「うぅ……」

蒼星石「ジュン君はどこで寝るんだい?」

JUM「床に布団敷いて寝るよ」とさっ

金糸雀「……」

雛苺「ちょっと苦しそうなのー」

578: 2009/11/05(木) 18:03:24.39 ID:j+KAN7BAO
金糸雀「ん……」

金糸雀「うー……」

蒼星石「目を覚ましたみたいだね」

雛苺「かなりあー、おはよーなのー!」

金糸雀「……ここは……?」きょろきょろ

JUM「僕の部屋だ」

金糸雀「……ふぇ?」

金糸雀「……」

金糸雀「!」

金糸雀「う、動けないカナに何をしたのかしら!それにこの服は何かしら!?」

JUM「目を覚ました途端うるさいなぁ……」

579: 2009/11/05(木) 18:10:33.90 ID:j+KAN7BAO
JUM「その服はみっちゃんさんが持ってきたモノだ、そして着替えさせたのは翠星石だぞ」

金糸雀「……ならジュンはカナの裸を見てないのね?」

JUM「誰が見るか!」

金糸雀「ふー、翠星石が居て良かったわ……」

JUM「ちゃんとお礼を言っておけよ」

金糸雀「えぇ、勿論かしら」

金糸雀「人間の雄はえOちな事にしか興味が無いから翠星石が居なければどうなっていたかわからないし……」

JUM「……」

580: 2009/11/05(木) 18:19:20.40 ID:j+KAN7BAO
金糸雀「まぁここまでしてくれた事は感謝するのかしら、でも敵の情けは受けないのかしら」

金糸雀「それじゃあサヨナラかしらー」ふらふら

JUM「おい、大人しくしとかないと……」

金糸雀「あれっ?」ふらっ

蒼星石「危ないっ!」

雛苺「苺轍!」がしっ

金糸雀「うーん……やっぱりダメかしら……くらくらするのかしら……」

JUM「だから言ったのに……」ひょいっ

金糸雀「あうっ」

JUM「大人しくベッドで寝とけ」とさっ

金糸雀「は……はいかしら……」

582: 2009/11/05(木) 18:28:23.94 ID:j+KAN7BAO
JUM「まぁ僕達は下に居るから、何かあれば呼べよ」

金糸雀「えっ……」

JUM「じゃあな」

金糸雀「ちょっと、待って……」

JUM「ん?」

金糸雀「誰か……側に居て欲しいのかしら……」

JUM「……じゃあ蒼星石か雛苺がいてやれよ」

雛苺「はーいなのー」

蒼星石「別にいいけど……」

JUM「?」

蒼星石「うつったらどうしようかと思ってさ」

583: 2009/11/05(木) 18:33:38.98 ID:j+KAN7BAO
蒼星石「冷たいようだけど、ドールである金糸雀がこういう状態だし」

蒼星石「原因がわからない以上僕達に感染するとは誰も断定できない」

JUM「なるほど……じゃあ仕方ないな」

金糸雀「……」

JUM「金糸雀は置いといて皆で下に行こう」

金糸雀「えぇ!?」

雛苺「ジュン、ちょっと待つの」

蒼星石「その結論はおかしい」

586: 2009/11/05(木) 18:40:01.38 ID:j+KAN7BAO
JUM「仕方ないなぁ……」

蒼星石「じゃあ何かあったら呼んでね」

雛苺「早く下に行かないとくんくんSPが終わっちゃうのよー」

JUM「まさかお前ら……」

蒼星石「何の事かな?それじゃあお大事に」

ガチャンバタン

雛苺「出来れば二時間後まで呼ばないで欲しいのー」

ガチャンバタン

金糸雀「……カナよりくんくんが大事なのかしら」べすべす

JUM「泣くな!違うから!アイツらなりの冗談に決まってるだろ!」

589: 2009/11/05(木) 18:52:02.30 ID:j+KAN7BAO
金糸雀「……」

JUM(……やっぱり二人きりとか気まずいな)

金糸雀「……」

JUM「……」

金糸雀「……ねぇジュン」

JUM「ん?」

金糸雀「カナがこのまま治らなかったらどうなるのかしら」

JUM「……さぁな」

金糸雀「戦えない、ロクに動けないローゼンメイデンなんて……」

金糸雀「……手間がかかる分普通の人形以下ね」

JUM「……」

593: 2009/11/05(木) 19:04:08.74 ID:j+KAN7BAO
金糸雀「そうなったらやっぱりカナは要らないお人形かしら」

金糸雀「……そのうちみっちゃんにも要らないって言われて……捨てられちゃうのかしら?」

JUM「……そんな事無いぞ。考え過ぎだ」

金糸雀「……うん」

金糸雀「……」

JUM「みっちゃんさんは」

JUM「お前の事を本当の家族みたいに大切にしてる」

JUM「病気になったからって家族を捨てる奴は居ないよ」

金糸雀「……うん」

JUM「だから泣くなって」

金糸雀「……泣いて無いのかしら」

599: 2009/11/05(木) 20:11:57.62 ID:5fZx5LtR0
金糸雀「……」

JUM「……」

金糸雀「……ジュン」

JUM「なんだよ」

金糸雀「カナが眠るまで側にいてくれないかしら?」

JUM「わかってるよ……」

金糸雀「……ありがと」ぎゅっ

JUM「……」

―窓の外―

水銀燈「……」

603: 2009/11/05(木) 20:33:00.30 ID:j+KAN7BAO
―十数分後

JUM「……」

金糸雀「……」

JUM「寝たか」

金糸雀「……」

JUM「手握られてたら動けないじゃないか」

金糸雀「……」すやすや

JUM「……はぁ」

JUM「僕は何をやってるんだろうな」

606: 2009/11/05(木) 20:57:04.38 ID:j+KAN7BAO
水銀燈「本当に……何をやっているのかしらね」

JUM「水銀燈!?」

水銀燈「気安く呼ばないで欲しいモノね。……さぁ退きなさい」

水銀燈「私はそこのジャンクからローザミスティカを貰わなきゃいけないのよ」

JUM「……それはできないな」

水銀燈「……なんですって?」

609: 2009/11/05(木) 21:02:54.04 ID:j+KAN7BAO
JUM「ここは退けないって言ったんだよ」

JUM「金糸雀が僕の手を握ってるから動けないし、そもそも金糸雀はジャンクなんかじゃない」

JUM「どうしてもと言うのなら」

バターン!

真紅「私達を倒してからにする事ね」

翠星石「ですぅ」

雛苺「なの!」

蒼星石「君こそ、痛い目を見たくなければ去る事だよ」

水銀燈「チッ」

610: 2009/11/05(木) 21:09:35.18 ID:j+KAN7BAO
水銀燈「気に入らないわね……仲良しごっこだなんて美しくないわ」

真紅「……」

水銀燈「いいわ……まとめてジャンクにしてあげ
翠星石「あっと、手が滑ったですぅ」

水銀燈「あつっ!?」

雛苺「出来立てのお粥は熱いのよー」

水銀燈「翠星石ィ……あなた
蒼星石「あっと、手が滑ったよ」

水銀燈「きゃあっ!冷たっ!」

雛苺「秋の氷水は冷たいのよー」

水銀燈「くっ……覚えてなさい!」さっ


真紅(私だけ何もしてない……)

612: 2009/11/05(木) 21:14:27.73 ID:j+KAN7BAO
真紅「……それじゃあまた私達は下に居るから」

雛苺「CM終わっちゃうのよー」

翠星石「急がなきゃですぅ」

蒼星石「念のため録画してあるんだけどね」

ガチャンバタン

JUM「……はぁ」

613: 2009/11/05(木) 21:27:13.23 ID:j+KAN7BAO
金糸雀「……」すやすや

JUM「呑気に眠りやがって……」

JUM「あ、そうだ」

JUM「コイツの人工精霊なら何か知ってるんじゃないか?」

JUM「おーい、ピチカートー」

スイーッ

ピチカート「……」チカチカ

JUM「金糸雀を治す方法を知らないか?」

ピチカート「……」チカチカ

JUM「ふむふむ」

ピチカート「……」チカチカ

JUM「なるほどな」

ピチカート「……」チカチカ

JUM「さっぱりわからん」

ピチカート「……」

615: 2009/11/05(木) 21:36:46.84 ID:j+KAN7BAO
ピチカート「!」

JUM「……」

ピチカート「……」チカッ チカチカ

JUM「?」

JUM「なんか不規則になったな」

ピチカート「……」チカチカチカチカ

JUM「……モールス信号?」

ピチカート「……」チカチカ

JUM「ネットで調べてみるか」

616: 2009/11/05(木) 21:39:44.54 ID:j+KAN7BAO
JUM「よし、調べながら翻訳してみるか」

JUM「えーっと……」

JUM「……」

ピチカート『よぉ低偏差値』

JUM「何コレ泣きたい」

618: 2009/11/05(木) 21:43:43.50 ID:j+KAN7BAO
ピチカート『嘘ですよ』

JUM「なんだ嘘か」

ピチカート『治す方法は』

JUM「方法は?」

ピチカート『王子様のキスです』

JUM「……ごくり」

ピチカート『嘘だけど』

JUM「なんだまた嘘か」

620: 2009/11/05(木) 21:49:53.37 ID:j+KAN7BAO
ピチカート『私が治すから』

JUM「ふむふむ」

ピチカート『とりあえず一晩寝かせて置いてあげて』

JUM「なーんだ、それだけでいいのか?」

ピチカート『全裸で』

JUM「また嘘だろ?」

ピチカート『……』

JUM「なんとか言えよ」

ピチカート『……』

JUM「まさか本当なのか?」

ピチカート『嘘です』

JUM「もう飽きたぞこのパターン」

621: 2009/11/05(木) 21:56:21.29 ID:j+KAN7BAO
JUM「で、原因は何なんだ?」

ピチカート『禁則事項です☆』

JUM「叩き潰すぞ」

ピチカート『やーん、怖いですぅ』

JUM「久しぶりにイラっと来た」

ピチカート『冗談は置いといてマジメに言うと』

JUM「ふむふむ」

ピチカート『力の使いすぎ』

JUM「……なんだって?」

623: 2009/11/05(木) 22:04:14.61 ID:j+KAN7BAO
ピチカート『金糸雀は草笛みつと契約していないにも関わらず戦闘を行ったりしている』

ピチカート『その為エネルギー不足に陥っているのだ』

ピチカート『なのでしばらく安静にしつつ食事などでエネルギーを補えば何もしなくても治る』

ピチカート『水銀燈や七番目は契約無しでも他人から力を吸えるからこういう事態にならないのだが』


JUM「なるほど」

JUM「契約無しの弊害か……ならまたこういう事もあり得るんだな?」

ピチカート『このまま契約無しで戦い続ければな』

JUM「……」

625: 2009/11/05(木) 22:10:32.98 ID:j+KAN7BAO
JUM「……コイツも苦労してるんだな」

ピチカート『みっちゃんさんに負担はかけないというこの子なりの優しさだな』

JUM「……」

JUM「説明ありがとう、もう戻っていいぞ」

ピチカート『わかった、さようなら』

JUM「……」

JUM「……要するにピチカートは何もしないんだな」

626: 2009/11/05(木) 22:14:23.03 ID:j+KAN7BAO
JUM「そういえばどさくさに紛れて手を離してしまったな」

金糸雀「……」すやすや

JUM「……」ぎゅっ

金糸雀「……」

JUM「……今晩はずっとこうしておいてやるか」

627: 2009/11/05(木) 22:18:33.88 ID:j+KAN7BAO
―次の日

翠星石「ふー、ふー……」

翠星石「はい、あーん」

金糸雀「あーん」ぱくり

雛苺「ヒナもヒナもー!」

金糸雀「こら、このおかゆはカナのモノかしら!」



JUM「少しは良くなったらしいな」

真紅「えぇ、よかったわね」

蒼星石「それにしてもまさかジュン君が人工精霊とモールス信号で会話するとは思わなかったよ」

JUM「あはははは……」

628: 2009/11/05(木) 22:22:35.98 ID:j+KAN7BAO
JUM「まぁピチカート曰わく後三日は安静にさせておいた方がいいらしい」

金糸雀「そう、わかったわ」

真紅「それまでは私の部屋でゆっくりしていっていきなさい」

金糸雀「ならしばらくお言葉に甘えさせてもらうのかしら」

JUM「僕の部屋だ!」

629: 2009/11/05(木) 22:25:21.40 ID:j+KAN7BAO
とりあえず終わり

誰か俺を看病してくれよ

630: 2009/11/05(木) 22:28:07.33 ID:0/eRqSiAO

本当にいい作品だった

引用: 金糸雀「さーて、今日も桜田家に潜入かしら!」