119: 2013/11/05(火) 13:05:40 ID:mV1A6ySg
壁外遠征までの流れ

ミーナ、ナック、トーマスは調査兵団に入団。

サムエル、ハンナ、フランツ、ダズは駐屯兵団に。

トムは憲兵団へ。

エレンの巨人化能力は虚構の戦果により不問とされ、調査兵団が引き取ることに。

他の上位勢は駐屯兵になることを決意する。

暗雲立ち込める中、舞台は壁外遠征へと移るーーー

124: 2013/11/05(火) 13:22:39 ID:mV1A6ySg
酒場

ダズ「マスター、バカルディをジョッキで」

マスター「かしこまりました」

トム「お待たせしました。
ダズが先に来ているとは珍しいですね」

ダズ「…酒が飲みたいだけだ」

マスター「バカルディです」ゴトッ

トム「理由になってませんね。
何か気になる事でもあるんてしょう。
マスター、マティーニを」

マスター「かしこまりました」
進撃の巨人(34) (週刊少年マガジンコミックス)
125: 2013/11/05(火) 13:30:42 ID:mV1A6ySg
ゴク…ゴク…

ダズ「…ふー。
気になること、ねぇ…」カチッ…スパー

トム「煙草はやめてください。
百害あって一理なし、です。
私から100m離れたとこで吸ってください」

ダズ「チッ。
トーマスが泣くぜ…」ジュッ

マスター「マティーニです」コトッ

トム「ありがとうございます」

126: 2013/11/05(火) 14:16:51 ID:mV1A6ySg
ダズ「…巨人の襲撃から壁外遠征までのが早過ぎる。
盛ったフッカーみたいにがっつく必要があると思うか?」

トム「ええ。
まずは調べることがあるはずです。
兵の中に内通者がいる事に気付いたハズでしょう」

ダズ「匂うな…」

トム「次の壁外遠征は人払い、エレン・イェーガーの誘拐が目的で、上層部から出されたの命令ではないかと思います」

ダズ「…真っ黒か。確証は?」

トム「それを探るために憲兵団に入ったんです。
他に気になることもありますので」

128: 2013/11/05(火) 15:48:10 ID:mV1A6ySg
マスター「…こんな噂を聞きました。
今回の壁外遠征にウォール教が介入している…と」

トム「…!」

ダズ「…ますます臭えな」

マスター「おっと。しがない酒場のマスターの独り言ですので、聞き流してください」

ダズ「ごっそさん。ツケといてくれ」

トム「ダズ。
壁外遠征中の壁内で気を抜かないでください」

ダズ「ご忠告どうも…。
俺からも一つ忠告だ。

…俺らの中にも内通者がいる」

トム「…根拠は?」

ダズ「勘だ」

トム「…ご忠告どうも」

130: 2013/11/05(火) 17:04:21 ID:mV1A6ySg
トム(…あながち勘ではなさそうですね…。
馬鹿トリオの報告だと、次回の壁外遠征は今までとは規模が小さく、限られた精鋭で行われる、と。
そして何故か馬鹿トリオが招集された…。
もし我々の中に内通者がいるとしたら頷けますね。
理由は一つ。
彼らの実力を知り、壁内の戦力を削ぐため。
…しかし、ここで矛盾が生じますね。
馬鹿トリオを遠征に招集すると、エレン・イェーガーの誘拐に間違い無く支障が出る…。

そうか…そういうことか…。
この壁外遠征…馬鹿トリオじゃ荷が重過ぎますね。

…我々の被害も想定した方がよさそうだ)カランッ

132: 2013/11/05(火) 17:18:15 ID:3G0eJTLU
壁外遠征当日

ミーナ「んー…いい天気…」

ナック「弁当でも持ってくればよかったな。
巨大樹の上で食ったら美味いだろうぜ」

トーマス「げっ。タバコのストック忘れた…」

ミーナ「いい加減禁煙しなよ。
そんなに早氏にしたいの?」

トーマス「いつ氏んでも後悔しないようにだな…」

???「おーい!!」

ナック「あああ!!!師匠おおおお!!!」

133: 2013/11/05(火) 17:27:57 ID:3G0eJTLU
ミーナ「モブリット先生!!
お久しぶりです!」

モブリット「おーおー。自分らずいふんとデカなったなぁ!」

トーマス「当たり前じゃないですか!
五年振りですよ!」

モブリット「ミーナもずいぶん大きくなりよって…どれどれ」モミモミ

ミーナ「ぎゃああああ!!
いっ、いきなりどこ揉んでるんですかあああ!!!」ブンッ

スカッ

モブリット「…ふむ。C…いやDか?
これは中々…」モミモミモミモミ

ミーナ「ちょ…やめ…んあっ///」ピクッ

135: 2013/11/05(火) 17:59:28 ID:3G0eJTLU
ミーナ「 」グテーン

モブリット「かっかっか。
中身はガキのまんまやなぁ。
そろそろ出発の時間や。
股間の立体起動させとらんで気合入れてけや」

トーマス ナック「ギクッ」

138: 2013/11/05(火) 20:03:44 ID:3G0eJTLU
エルヴィン「今回はウォール教の方々が同伴する事になっている。
護衛などは特にいらないそうだ。
人数は10名。
馬車の中は絶対に覗くなと指示されている」

リヴァイ「何だそりゃ…。
上の奴らは何考えてやがる…」

ハンジ「どうだろうね…。
私達の仕事の視察にでもきたんじゃないかな?」

ミケ「…奴ら、普通の匂いじゃないぞ」

ハンジ「大丈夫だよ。
こっちには英雄エレンがついてるしね!」

エレン「ハイッ」

モブリット「どちらにしても目を話さない方が良さそうですね」

エルヴィン「うむ…。
時間だ。出発するぞ」

139: 2013/11/05(火) 20:11:28 ID:3G0eJTLU
モブリット「ええか?
この中間地点の巨大樹の森で部隊から抜け出すんや。
ミーナは後方。ナックは右、トーマスは左へバラけぇ。
ワイは中央でエレンを護衛しとる。
絶対にばれんなや」

馬鹿トリオ「はーい」

140: 2013/11/05(火) 20:20:59 ID:3G0eJTLU
巨大樹の森 中央

エルヴィン「おかしい…。
ここまで巨人と遭遇していない」

ハンジ「幸先いいね。
このまま地下室まで何も無いといいんだけど」

リヴァイ「…ミケはどこに行った」

ペトラ「あれ?そういえば…」

グンタ「森に入った時に馬車に警戒するように伝えに行きましたよ」

リヴァイ「その馬車も見当たらねぇぞ…」

エルヴィン「参ったな…何もなければいいんだが…」

ハンジ「ウォール教の奴らだし、巨人に食べられたらことにしちゃえば?」

リヴァイ「そうだな」

143: 2013/11/05(火) 22:18:12 ID:3G0eJTLU
巨大樹の森 入口付近

ミケ「 」

信者1「厄介な鼻はもういなくなった。行くぞ」

信者2「分隊長でこの程度とは…。
調査兵団も落ちたもんだな」

信者「注意するのはリヴァイとあの『三人』だけだ。
しくじるなよ」

145: 2013/11/05(火) 23:33:07 ID:3G0eJTLU
巨大樹の森 右

ナック「…どういうことだ」

巨人群「うー…」ワラワラ

ナック「こいつら…何で木の上にいるんだよ…。
それにあいつはウォール教の…」

信者4「…やれ」バッ

巨人群「オオオオオオオ!!!」ビリビリ

ナック「…マジかよ。
上も下も満員御礼ってか?
これだから人気者は辛いぜ…」チャキッ

巨人「オオオ!!!」ゴオッ

ナック「…悪いが」ヒュッ

ザンッ

巨人「 」シュウウウ…

ナック「途中退場は禁止だ…ぜ!!!」ゴオッ

146: 2013/11/06(水) 00:18:42 ID:9ODl8glQ
巨大樹の森 左

バシュウウウウ…

ズバァァァン

15m級「グオオ…」ズゥゥゥン…

信者5「くっ…!信者6と信者7まで…!」

カチッ…スパー

トーマス「フー……
…で、次はどいつが巨人化するんだ?
あ、タバコ持ってないか?
もう無くなりそうなんだよ」

信者8「若造が調子に乗りやがって…!」

トーマス「若造?
ちょっとデカくなれるだけの青二才がよく言うぜ。
サンドバッグ相手からやり直してきな」フー…

147: 2013/11/06(水) 00:50:47 ID:9ODl8glQ
巨大樹の森 前方

ミーナ「…ねぇ。
何か言ってよ………アニ…」

アニ「…」パチン

ミーナ「…そう。わかったよ…」

ーーーカッ

ミーナ「アニ…。
あんたはクソにもなりきれなかったクソッタレだ。
…その悲しい宿命から解き放ってあげるよ」

148: 2013/11/06(水) 01:06:18 ID:9ODl8glQ
トーマスvs信者

信者8巨人「オオオオオオオ!!」

ドオオオオン

トーマス「フッ!!」バシュウウウ

ザンッ

信者8巨人「ガアアッ!?」ガクッ

信者9巨人「アアアアア!!!」ゴオッ

トーマス「フー…。
せめて一本吸い終わるまで持たせてくれよ」シュッ

バシュウウウ……

ズババババババンッ*

信者8、9巨人「 」ズゥゥゥン…

149: 2013/11/06(水) 01:18:52 ID:9ODl8glQ
信者5「クソッ!このままじゃ…!」

信者10「キヒヒヒヒ…。
私の出番ですかねぇ…。
どれ、少し遊んで…

キュイン スパッ

信者10「…え?」ブシャアアア

トーマス「知ってるか?
ブレードの刃って飛び道具にもなるんだよ」

信者10「キヒヒ…そんな…馬鹿…な」ドサッ

151: 2013/11/06(水) 14:36:09 ID:rFTymUno
トーマス「残るあんただけだが…
どうする?巨人化するか?」

信者5「何故だ!
何故我々が巨人化できる事を知っていた!
ウォール教でも限られた者しか知らないハズだ!」

カチッ…

トーマス「フー……
ウチには怖い怖い参謀様がいるからな。
ウォール教に最近入った奴いただろ?」

信者5「…確かミリウスとかいう者が…ハッ!?」

トーマス「ご名答。
あんたら、勢力を広げようと急ぎ過ぎたな。
もう少し身元は確認した方がいいと思うぞ」

信者5「信者は皆、教団の監視下にあるはず!
そんな簡単に機密が漏れるワケが…」

トーマス「フー……
俺たちを誰だと思ってやがる…?
モブキャラの存在感を舐めるなよ」

152: 2013/11/06(水) 14:42:10 ID:rFTymUno
トーマス「…一つ聞きたい事がある」

信者5「馬鹿め!
情報を漏らすと思うか?

153: 2013/11/06(水) 14:49:35 ID:rFTymUno
トーマス「…一つ聞きたい事がある」

信者5「馬鹿め。
俺が情報を漏らすと思うか?」

トーマス「…調査兵団にいる内通者は誰だ」

信者5「!?何故それを!!」

トーマス「ビンゴか。さすがトムだ。
あんたにもう用は無い。
さっさと神様んとこに帰りな」

信者「くっ!」ガリッ

ザンッ

トーマス「…Amen」

信者5「が…速…」ドサッ

154: 2013/11/06(水) 14:57:36 ID:rFTymUno
巨大樹の森 左

ナックvs巨人の群れ(feat.信者4)

ナック「どうしたどうしたぁ!!
数だけでダメじゃねぇかっ!!」

巨人「 」シュウウウ

信者4「やるじゃないか。
これはどうだ?」バッ

ガサッ

巨人「あー」

ナック「上か!?」バッ

155: 2013/11/06(水) 16:35:43 ID:rFTymUno
信者4「下もだ」バッ

巨人「うー…」ガシッ

ナック「っ!?」グラッ

信者4「足を掴まれたら動けないだろう?
チェックメイトだ」バッ

巨人×5体「あーん」ガバッ

ナック「しまっ…!」

巨人「あー…」ガブッ

ガブガブガブガブ

156: 2013/11/06(水) 16:55:10 ID:rFTymUno
巨大樹の森 前方

ミーナvs女型

ミーナ「巨大樹を背にうなじを硬化、そして徹底したカウンター攻撃…。
考えたね、アニ」

女型「…」
アニ(…あの馬鹿ップルに散々踊らされたからね。
こうでもしないと勝てる気がしないよ…しかし…)

ミーナ「…いくよ」チャキッ

バシュウウウウ!!

女型「アアッ!!」ブォン!

ミーナ「遅いよっ!」ヒュッ

ズバババン!

女型「アアアアッ!?」ブシャアアア
アニ(くっ…!右手が…!
こいつは馬鹿ップルとは桁違いだ!
こっちの攻撃が当たる気がしない…!)

158: 2013/11/06(水) 17:14:54 ID:rFTymUno
ミーナ「…ねぇアニ。
脳のリミッターって知ってる?」

アニ(…?)

ミーナ「人間の体はね、脳のリミッターによって動きを制限されてるんだ。
リミッターを外すことによって、本来の人間ではできない動きが出来るようになるの」

アニ(それってミカサの…)

ミーナ「ミカサも出来てたけど、あれってリミッター解除とは少し違うんだ」

アニ(…違う?)

159: 2013/11/06(水) 17:17:12 ID:rFTymUno
ミーナ「ミカサはリミッターじゃなくて、ストッパーを外しているの。
ストッパーを外すことで、人体の100%の動きを引き出せるんだ」

アニ(…何が違うんだい)

ミーナ「リミッター解除っていうのはね、要するに限界突破なんだよ」

アニ(…は?)

ミーナ「…つまり、100%以上の力が出せるようになるの。
できる人にも個人差はあるんだけどね」

アニ(ちょっと待って)

ミーナ「ちなみに私の突破率は…

200%だよ」ニコッ

アニ(…ワーオ)

161: 2013/11/06(水) 17:24:15 ID:rFTymUno
ミーナ「あと、私はまだリミッター解除はしてないよ」

女型「オアッ!?」

ミーナ「それとストッパー解除も、ね」ニコォ…

女型「\(^o^)/」

アニ(…どうあがいても絶望)

165: 2013/11/06(水) 23:13:45 ID:rFTymUno
ミーナ「これ以上アニを傷付けたくないから…」ビキ

ビギッビキッ

ミーナ「すぐに終わらせてあげる」

ゴォッ!!

アニ(…速っ!?)

168: 2013/11/08(金) 14:37:58 ID:bzw/w41.
ウォール教会 礼拝堂

トム「やはり…ここですね」

???「待て。憲兵団の者が何をしている」

トム「…余りにも美しい建物なので中を拝見しようかと」

???「臭い芝居はよせ。
貴様だな?
最近教団を嗅ぎ回っている者とは」

トム「私じゃありませんよ?
それはミリウスです。
全く…バレバレじゃないですか」

???「ふん…どちらにしろ貴様はここで消えてもらう。
だが、その前に嗅ぎ回っている目的を教えてもらおうか」

トム「構いませんよ?
その目的も今日で終わる予定なので」

???「終わる?バレてもう諦めたのか。
ずいぶんと潔いのだな」

トム「いえいえ…今日で嗅ぎ回る必要も無くなりますから、ね」

???「…何?」

177: 2013/11/09(土) 06:16:56 ID:/IqkmQpk
トム「私達の目的は市民兵士の保護、及び害虫駆除です」

???「害虫駆除だと…?」

トム「その発生源の特定、そして破壊。
それが私達の目的です」

???「…どこまで知っている」

トム「お恥ずかしいながら、巨人を人口的に作り出してることくらいまでしか…」

???「…最高機密ではないか。
ふざけおって…」ギリッ

178: 2013/11/09(土) 06:32:31 ID:/IqkmQpk
トム「…ユミル」

???「っ…!?」

トム「…やはり彼女を使いましたか。
あなた方はポーカーフェイスを練習した方いい」

???「何の…ことだ…」

トム「彼女は先日の超大型の襲撃以降行方不明になってます。
おかしいですねぇ…氏者は0のはずなのですが」

???「…逃げたしたんだろう」

トム「いえ、彼女の性格からそれはあり得ないでしょう」

???「…我々が攫ったという証拠もなかろう!」

トム「攫ったとは一言も言ってませんが」

???「ぬ…ぐ…!貴様ぁ…」

179: 2013/11/09(土) 08:08:40 ID:/IqkmQpk
トム「超大型の襲撃…
あれはあなた方の計画の始まりだった。
超大型によって壁を破壊し、
巨人を侵入させて壁内を制圧する予定だったのでしょう」

???「…知らんな」

トム「しかしエレン・イェーガーにより超大型は討伐。
計画はほんの一部で止められてしまった」

???「面白い。
随分と妄想が上手いじゃないか」

トム「だが」

???「…」

トム「あなた方の真の狙いは壁の破壊では無く解放。
違いますか?」

???「…何のことだ」

トム「壁の中の大型巨人。
それがあなた方の狙いだった」

???「…!」

180: 2013/11/09(土) 08:40:26 ID:/IqkmQpk
???「どこで…その話を…」

トム「おかしいと思いました。
壁を神と崇めるあなた方が、壁を破壊するということが。
ですが本当の神はその中身で、破壊ではなく解放なら辻褄が合います」

???「くっ…」

182: 2013/11/09(土) 09:26:05 ID:/IqkmQpk
トム「超大型は討伐され、オマケに鎧、隠し球の女型までも撃墜。
おそらく鎧と女型は単独行動でしょうか。
計画は完全に破綻し、あなたは窮地に立たされた。
しかし、あなたは一つの奇跡に出会った。
それがユミルです」

???「…」

トム「ユミルは以前から我々に監視されていました。
理由は一つ。
彼女が『始祖』である可能性があったからです。
彼女は襲撃の際に巨人化してしまった。
おそらく友人を助けるため、でしょうね。
ウォール教はユミルの友人、クリスタ…いえ、ヒストリア・レンズを監視していたため、それを目撃。
そこであなた方も気付いた。
彼女が『始祖』である可能性に」

183: 2013/11/09(土) 11:37:30 ID:/IqkmQpk
トム「そして計画は変更した。
外部からの巨人の侵攻では無く、内部からの侵攻へ」

???「…く…くく…」

トム「あなた方は『始祖』の力を使い、普通の人間を巨人化に成功。
その巨人を量産して放つつもりですね。
…そう、壁外遠征で調査兵団がいないこの日に」

???「ククク…」

トム「そうでしょう?
…ニック司祭」

184: 2013/11/09(土) 11:58:38 ID:/IqkmQpk
ニック「…ククク…クハッ…ハーハッハッハァ!!!」

トム「…」

ニック「そうだ!その通りだ!
我々は神の力を手に入れたのだ!
始祖の力は実に素晴らしい!!
だが、この事を知ってどうする!?
一介の憲兵ごときに何ができる!
巨大な流れに蟻一匹が逆らえると思っているのか!」

ズゥゥゥン…

ニック「始まったようだな…。
今、この時より計画は始動した。
もう誰にも止められはせんぞ。
人類は滅び、我々ウォール教が神となる!
ここで貴様もゴミのように氏ぬのだ!」

信者群「…」ワラワラ

トム「遊びが過ぎたなウォール教…。
神の祈る暇も無いと思え」チャキッ

187: 2013/11/09(土) 20:23:51 ID:/IqkmQpk
ダズサイド

ダズ「フー…」スパー

ジャン「勤務中に一服してんじゃねぇ!」

ダズ「…上官のお手本通りにしてるだけだ」スパー

ジャン「チッ…。
まぁいつもみたいに寝てないだけマシか…。
それより奴を見つけたぞ」

ダズ「…奴?」

ジャン「お前がライナー探せって言ったんだろ!」

188: 2013/11/09(土) 20:38:34 ID:/IqkmQpk
ダズ「…二日酔いがヒデェんだ。
チェスター・ベニントンみたいに吠えないでくれ」

ジャン「誰だよ…。
ライナーは裏町にいる。
お前に言われた通り、訓練生だけでばれない程度に奴を奴を包囲した」

ダズ「上出来だ。
奴をネバーランドから引きずり戻してやろうぜ」

ジャン「…ああ」

190: 2013/11/09(土) 23:40:58 ID:/IqkmQpk
ライナー「ベルトルト…今、仇を…取る…からな…。
全部壊して、一からやり直そう…」

ダズ「ヘイ、ライナー」

ライナー「…ダズ」

ダズ「ネバーランドの居心地はどうだい。
ピーターパンとティンカーベルには会えたか?」

ライナー「ワケのわからねぇことを…。
…お前も知っているんだろう?
俺の正体が鎧の巨人だってことによ」

ダズ「ああ。
ついでにとびっきりの馬鹿ってこともな」

ライナー「…そうさ。
俺は馬鹿野郎だ。
自分が巨人か人間かの区別もつかんくらいにな」

191: 2013/11/10(日) 09:25:22 ID:V4jhg0Sw
ライナー「…俺は人頃しだ。
前回はお前らに邪魔されたが、
五年前に何人…間接的には何万の人を頃したかすらわからねぇ…。
大義のため。
俺たちはそのためだけに人を頃してきた。
今更止まれねぇんだ…だから…」

ダズ「大義?
人頃しに大義もクソもあるか。
人頃し分別なんかありゃしねぇ。
全員一致で燃えるゴミ。
皆まとめて焼却炉、だ。
お前は大義って言葉に甘えただけだ」

ライナー「…うるせぇ。
俺がやらなきゃ誰かがやった!
もう帰るとこなんてねぇっ!!!」ガリッ

193: 2013/11/10(日) 11:35:44 ID:V4jhg0Sw
鎧「グオオオオオッ!!!」ビリビリ

ジャン「…あ、ああ…」

コニー「ライナーが鎧って本当だったのか…」

アルミン「巨人から逃れるために駐屯兵になったっていうのに…くっ…」

ミカサ「主席でごめんなさい。
ライナー、あなたこそが主席に相応しいいいいいい」ガタガタ

194: 2013/11/10(日) 11:41:12 ID:V4jhg0Sw
ダズ「…ジャン、作戦通り行くぞ。
お前が指示を出せ。
俺はあくまでモブだ。
メインステージには上がれねぇ」

ジャン「わ、分かった…」

ダズ「俺はフードで顔を隠す。
適当に駐屯兵の精鋭とかってことにしといてくれ…」

鎧「オオオオオオオ!!!」ドオオオン

ダズ「さて、と…。
他の駐屯兵が来るまでに終らせるとしようか…。

踊るぜ、ジャン」

197: 2013/11/10(日) 17:26:18 ID:V4jhg0Sw
ジャン「作戦通り行くぞ!
成績上位だった奴とアルミンは立体機動に移るぞ!」パシュッ

ジャン「うおおおおお!!!
ライナアアアアアア!!!」ギュイイイイイン

ジャン「って、おおおおおおい!!
何で俺一人何だよ!!!」

コニー「怖い」

マルコ「無理」

サシャ「それよりパンか何かありませんかね」

ミカサ「あばばばば」ガタガタガタガタ

アルミン「僕は上位じゃないし」

ジャン(駄目だこいつら…)

198: 2013/11/10(日) 17:33:43 ID:V4jhg0Sw
ジャン「出番無いからって拗ねてんじゃ…うおっ!?」

鎧「オオオオオオオ!!」ブンッ

コニー「あ、ジャンが氏ぬぞ」

サシャ「出番が多い奴はいなくなればええんや」

ダズ「…」ギュイン

シュパッ

スガガガガガガ!!!

鎧「グオオオオオッ!?」ヨロッ

ジャン「あぶねぇ…助かったぜダ…精鋭の人…」

アルミン「チッ」

ジャン「てめぇ!!」

200: 2013/11/10(日) 19:31:33 ID:V4jhg0Sw
壁上

ピクシス「グーグー」

女側近「おら、起きろ」ドコッ

ピクシス「ぐふっ!」

女側近「壁内に巨人が出現。数は100体程度だ。
さっさと指示を出せ」

ピクシス「すまんが酒を持ってきてくれんかのぉ…」

女側近「呆けたかジジイ。
ここがスウィートルームに見えるか?」

ピクシス「酒が…酒が美味いんじゃ…」

女側近「使えねぇな…さっさと立てクソジジイ」グイッ

ピクシス「漏らしてもうた…」

女側近「知るかよ」

201: 2013/11/10(日) 19:39:08 ID:V4jhg0Sw
ザワザワ…

兵士1「壁内に巨人だと…」

兵士2「しかも数は100を超えてるらしいぞ…」

兵士3「もう駄目だ…お終いだぁ…」


女側近「チッ。すっかりビビってやがる…。
さっさと喝をいれてやれ」ドンッ

ピクシス「年寄りをいじめないでおくれ…」


兵士1「ピクシス指令だ…」

兵士3「あの人ならきっとこの危機を乗り越えてくれる!」

兵士2「馬鹿言うな…いずれここにも奴らが来ちまう…」


ピクシス「スゥ…ちゅうm女側近「ちゅうううううもおおおおおおくっっ!!!!!」

202: 2013/11/10(日) 19:44:43 ID:V4jhg0Sw
女側近「壁内巨人が多数出現!!!
てめぇらには殲滅をしてもらう!!!
できないならここで氏ねっっ!!
ここで氏ねないなら前線で氏ねっっ!!
奴らぶっ潰して生を掴みとりやがれ!!!」

サムエル「げっ…姐さん」

ハンナ「珍しくやる気ね…」

203: 2013/11/10(日) 19:50:42 ID:V4jhg0Sw
女側近「作戦の指揮はキッツ大隊長に行ってもらう!!!
氏にたくなければ逆らうんじゃねぇぞ!!!」

キッツ「任せておけ!
奴らに鉄槌を降してやろうぞ!」


サムエル「うわ…キッツの親父まで出るのか…」

ハンナ「フフッ。もう引退して隠居じゃー!とか言ってたのにね」

フランツ「親父が出るなら僕らの出番は無いね」

ハンナ「そんなこと言わないの。
キッチリこなしましょ!」

フランツ「もちろんさ」

208: 2013/11/10(日) 23:23:28 ID:V4jhg0Sw
アンカ「おいサムエル」

サムエル「ハイッ」ビクッ

アンカ「さっき言った通り、キッツ大隊長に指揮は任せる。
お前は最前線で戦え。
絶対に顔を見られるなよ」

サムエル「姐さんは?」

アンカ「大隊長の補佐だ。
あのおっさん、どうせ指揮は丸投げして前線に出るだろ」

サムエル「…でしょうね」

アンカ「ハンナとフランツは市民を守れ。
必要とあらば前に出てくれ」

ハンナ「はーい」

フランツ「了解しました」

アンカ「よし、散れ」

サムフラハンナ「ハッ!」


アンカ「坊や達…氏ぬんじゃないよ」

209: 2013/11/10(日) 23:45:02 ID:V4jhg0Sw
キッツ「ぬぅりゃあああ!!」ズバァァァン

サムエル「さすが軍神キッツ…。
衰えねぇなぁ」

アンカ「あのおっさんは生涯現役だろ。
案の定、指揮してねぇし」

兵士1「大隊長殿!!
前方より巨人の群が出現いたしました!距離400!」

キッツ「丁度いい!
『アレ』をぶち込んでやれいっ!!」

兵士1「使うのですか!?
あの兵器は試作段階です!」

キッツ「構うものか!
今使わずしていつ使うのだ!!
エネルギー充填急げ!!!」

兵士2「エネルギー充填!
いつでも行けます!!」

キッツ「よぅし!
目標!前方巨人の群!!
試作型立体機動砲用意!!
撃てえええええええ!!!!」

210: 2013/11/10(日) 23:51:54 ID:V4jhg0Sw
兵士1「ヤー!!
立体機動砲ファイア!!」

兵士2「ヤー!!
ファイアアアアアアア!!!」

キュイイイイン…

カッ!!

ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

212: 2013/11/11(月) 01:06:19 ID:TnNsWuUo
アンカ「…!おい、サムエル。
あそこの壁の上を見てみろ」

サムエル「!?なんだ…あいつ…」

アンカ「あたしの目が腐ってるわけじなゃいみたいだな。
あんなデカイ猿は初めて見たぞ」

サムエル「奇行種…?
いや、中にいますね。確実に」


ドオオオン

兵士1「ぐあああ!!」

兵士2「な、何だ!?砲弾がいきなり…」

兵士3「また来たぞ!退避だ!!」

ドオオオン…

213: 2013/11/11(月) 01:16:28 ID:TnNsWuUo
アンカ「野郎…固定砲台の球を投げてきてやがる。
しかも狙立体機動砲をな」

サムエル「…俺が行きます。
このままじゃ滅多打ちにされちまう」

アンカ「…オーライ。
目標は1km先だ。
途中まであたしが道を開いてやる。
あのエテ公にピッチャー返し食らわせてやれ」

サムエル「…ヤー」

216: 2013/11/11(月) 13:21:57 ID:TnNsWuUo
兵士3「大隊長殿!!
砲弾の出処が判明しました!
およそ1km先の壁上から、特殊な巨人が投擲してます!
被害増加!負傷者多数!」

兵士2「他巨人勢も息を吹き返したようです!
各所で押され始めました!」

キッツ「ぬぅ!小癪な!
ワシがうなじを削いでやるわ!」

兵士3「無茶です!
巨人の群の更に奥ですよ!?」

キッツ「ワシが先陣を切らんとしてなんとする!!
撃鉄を鳴らせ!!
声を上げろ!!
行くぞおおお!!!」

兵士達「おおおおおおお!!!!」ビリビリ

ドドドドドドドドド

217: 2013/11/11(月) 13:30:54 ID:TnNsWuUo
信者A「くそっ!こいつら全然ビビってないぞ!
本当にあの駐屯兵なのか!?」

信者B「獣様の援護で陣形が崩れ始めてる!!
我らも行くぞおおお!!!」ガリッ

ーーーカッ

巨人群「オオオオオオオ!!!」


兵士3「前方に巨人が多数出現!!」

キッツ「知らんっ!!
このまま突っ込めえええ!!」

兵士達「オオオオオオオ!!!」

ドオオオン…

アンカ「オヤジが敵を引きつけているウチに行くぞ!」

サムエル「ヤー!」バシュウウウ

218: 2013/11/11(月) 13:39:58 ID:TnNsWuUo
巨人「ガアアアッ!!」ゴオッ

アンカ「邪魔だ!」ズバァァン

巨人「 」ズゥゥゥン…

アンカ「道は開けた!
行けっ!サムエル!」

サムエル「ヤー。
後は任せてください」

アンカ「ハッ。随分とたくましくなったもんだ」

サムエル「姐さんほどじゃないですよ」

アンカ「うるせぇ。…サムエル、氏ぬなよ」

サムエル「姐さんに心配されちゃあ氏ねませんよ。
また後で会いましょう」

アンカ「いってこい!」ドンッ

サムエル「…ヤー!」バシュウウウ

219: 2013/11/11(月) 13:46:26 ID:TnNsWuUo
獣「…」ブンッ

ドオオオン…

バシュウウウ…

獣「…!」

サムエル「ハロー、エテ公。
猿回しの時間だぜ」スタッ

獣「…あれ。
全然計画進んでないんだけど、どういうことか知らない…?」

サムエル「!?」

獣「おっかしいなぁ…。
調査兵団と厄介な奴はいないハズなのに…」

サムエル「おい…巨人が喋るなんて聞いてねぇぞ…」

222: 2013/11/11(月) 20:21:27 ID:TnNsWuUo
サムエル「…何者だお前」

獣「あ、君も厄介な人の1人なのか。
悪いけど、氏ぬか情報吐いてもらうかしてもらおう」ブンッ

サムエル「聞く耳は持たねぇか…!」

ドオオオン!!

獣「あれ…潰したはずなんだけど…」

タンッ タンッ タンッ

バシュウウウ!!!

サムエル「随分と速いじゃねぇか…」スタッ

獣「うーん…確かに厄介だなぁ…」

225: 2013/11/13(水) 23:55:12 ID:USun/v2Y
巨大樹の森 後方 ミーナvs女型

アニ・レオンハートは後悔した。

例えミーナが、リヴァイ兵長並の実力者でもタイマンなら勝てる。
そう思っていた。

しかし相手が悪かった。否、悪過ぎた。
ミーナ・カロライナとは決して戦ってはいけない。

リミッターを完全に解除したミーナはもはや人外。

あらゆる木々をブレード一振りでなぎ倒し、手を出そうものなら瞬く間に細切れにされる。

長い髪を振り乱し、高速で空を駆ける姿はまさに鬼神そのものであった。

226: 2013/11/13(水) 23:57:21 ID:USun/v2Y
女型「アアアッ!!(泣」ブンッ

アニは追い払うように手を振り回すことしかできなかった。
だが、その刹那ーーー

ドンッ!!!

数秒前まであった自分の腕が空を舞う。

アニ(…私は…いったい…)

ミーナ「……」ゴオッ

ザシュッ
ザンッ
ズバババンッ

アニ(…いったい…何と戦っていたんだろう…)

ミーナ「バイバイ、アニ」

ズバァァン…

アニ「……バイバイ、ミーナ」

アニ・レオンハートは笑顔で長旅を終えた。

232: 2013/11/16(土) 12:22:25 ID:nFMoFoaE
巨大樹の森 右方 ナックvs巨人群

信者4「他愛も無い…私はハズレを引いたようだな」

巨人「…」ガブッガブッ

信者4「どれ、氏に顔でも見てやろう」クイッ

巨人「うー…」スッ

信者4「…どけと命令している」

巨人「あー…?」キョトン

信者4「チッ…まだ使いこなせんか…」

ザクッ

信者4「……あ?」

233: 2013/11/16(土) 12:23:50 ID:nFMoFoaE
ナック「…確かにてめぇはハズレを引いたみたいだな」

信者4「貴…様…!何故生きて…!」ゴフッ

ナック「上から降って来た奴に身代わりになってもらったんだよ。
…左腕と引き換えにな」

信者4「……私の負けか…。
だが…!貴様も道連れにしてやろう…!」バッ

ナック「…!」

信者4「クク…私を倒しても巨人共は消えん…。
片腕ではうなじも削げまい…!」

234: 2013/11/16(土) 12:24:52 ID:nFMoFoaE
ザンッ

ナック「…うるせぇよ」

信者4「ガ…ハ…」

ナック「…片腕じゃうなじが削げない?
そんなこと…やってみなきゃ分かんねぇだろうが…」

235: 2013/11/16(土) 12:30:04 ID:nFMoFoaE
ズシン…ズシン…

巨人の数はおよそ50体。
片腕ではブレードで鋭角を作れない。
ガスもアンカーも片方しか使えない。

しかしナックは冷静だった。

236: 2013/11/16(土) 12:31:06 ID:nFMoFoaE
ナック・ティアス。
その実力は並の兵士とは次元が違うが、モブの中ではダズやミーナに比べると遥かに劣る。

しかし、ナックには誰よりも強くなることができた。

窮地。
ナックにとって窮地とは、もっとも真価を発揮できる状況だった。

ナックは五感を研ぎ澄まし、静かに燃えた。
アドレナリンが大量分泌し、即座に切断面を止血。
同時に痛覚も遮断される。

目の前の巨人を殲滅。
ナックはその事だけに全神経を注ぎ込んだ。

237: 2013/11/16(土) 12:35:37 ID:nFMoFoaE
「オオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

ナックは吼えた。
巨人と間違うほどの声で吼え、自らを奮い立たせる。

ナック「腕の一本くらい無くても何も変わらねぇんだよ…
俺がまとめて相手してやる…
……かかってきやがれ!!」

238: 2013/11/16(土) 12:46:51 ID:nFMoFoaE
ナックはブレードを咥え飛んだ。

ナック「ガアアッ!!」

ズバンッ!!

ブレードを咥えることで鋭角を作り出すことに成功。

巨人「あー…」アーン

大口を開け、迫り来る巨人。
片腕では回避は不可ーーーー

ナック「…!」パシュッ

カッ

アンカーを巨人の背後に打ち込みーーー

ナック「フッ!」グルンッ

巨人「あー」スカッ

ナック「オラアアアッ!」ズバァン

ガスを片方だけ吹かし、体を反転させ最小限の動きで回避。

普段のナックからは想像できない潜在な動きであった。

239: 2013/11/16(土) 12:48:06 ID:nFMoFoaE
潜在→繊細

240: 2013/11/16(土) 12:53:11 ID:nFMoFoaE
一体、また一体と倒れゆく巨人。
ナックは動きを止めることはなかった。

ナック「オオオオオッ!!!」

巨人「ガアアアアアッ!!」

ナックは巨人の群へ再び飛び込んだーーー

245: 2013/11/17(日) 12:56:21 ID:.Atrrj46
壁上 サムエルvs獣

サムエル「チィッ!」バシュッ

獣「なかなか素早いね。
捕まえられるかなぁ」ブンッ

サムエル「くっ…!」

246: 2013/11/17(日) 13:00:50 ID:.Atrrj46
戦況最悪だった。

理由は一つ。
壁上のため、アンカーを打ち込む場所が獣と壁の側面しか無かったからだ。

サムエルは回避するだけで反撃に出れない。
サムエルほどの実力者でも立体機動が満足に使えない状況では攻めあぐねていた。

248: 2013/11/17(日) 17:21:06 ID:.Atrrj46
獣きアンカーを打ち込もうものなら即座に掴まれてしまうだろう。

だからと言って側面を使いま回りこもうにも、獣のスピードには追いつけない。

サムエルは回避にガスを使い続けるだけだった。

249: 2013/11/17(日) 17:29:06 ID:.Atrrj46
そんな中、サムエルは一つの才覚に目覚め始める。

獣「なんか…ずいぶんと余裕に見えるけど」

サムエル「お前が疲れてきたんじゃねぇか?」バシュ

獣「そうなのかなぁ…」ドコォォォ

先程まではギリギリの回避をしていたサムエルだが、今のサムエルには獣の攻撃が当たる気配が無い。

サムエル「フンッ!」バシュッ

ズババン!

獣「うわっ」ヨロッ

目覚めた才覚。

それは先見の才であった。

250: 2013/11/17(日) 17:34:23 ID:.Atrrj46
先見。
それは相手の筋肉の動き、動向から動きを先読みする能力である。

極限の状況下でサムエルは集中力のピークに達す。
そして開花した才覚。

サムエルには獣の動きが手に取るように読めていた。

サムエル「右腕の振り下ろし…か」スッ

ドコオオオ!

獣「あれぇ…?」

251: 2013/11/17(日) 17:39:52 ID:.Atrrj46
獣「めんどくさいなぁ…。
もう氏んでいいよ」ブンブン!

サムエル「!」

当たれば勝ち。
獣はそう考え両手をサムエルを叩き潰すためだけに振り回した。

しかしーーー

サムエル「そんなに振り回していいのか?」

獣の足に打ち込まれたアンカー。
攻撃に夢中になるあまり、獣はアンカーを打ち込まれたことに気付いていなかった。

252: 2013/11/17(日) 17:50:58 ID:.Atrrj46
バシュウウウウ!!

サムエルは目一杯にガスを吹かし、スライディングしながら足下に接近。

獣「うわっ、いつの間に…」ブンッ

獣はサムエルを振り払おうと、手を振り払う。

カシュッ

だが、サムエルは当たる瞬間にもう一本のアンカーを逆足に打ち込み、方向転換した。

サムエル「ハアアッ!」バシュウウウ!

スバァァン!

獣「くっ…」グラッ

サムエルは獣のアキレス腱を切り裂く。

253: 2013/11/17(日) 17:57:43 ID:.Atrrj46
踏ん張りの効かなくなった獣はゆっくりと壁伝いに落下していく。

サムエル「紐なしバンジーだ。お供するぜ」

サムエルは落下していく獣をめがけてダイブ。

獣「ちょこまかと…!」ブンブンッ

サムエル「丸見えだ」バシュッ

攻撃をガスを吹かして回避。
そして獣の眼前に躍り出る。

サムエル「次は噛み付きか?」

獣「ガアアッ!」グオッ

254: 2013/11/17(日) 18:02:08 ID:.Atrrj46
サムエル「フッ!」グルン

反転して噛み付きも回避。
同時にガスを使い加速。
そしてうなじにたどり着く。

サムエル「動物園で大人しくしてやがれ」

獣「ぐっ…ちくしょおおおお!!!」

ズバァァァン…

255: 2013/11/17(日) 18:10:59 ID:.Atrrj46
アンカ「オヤジ!サムエルが猿をやった!
こっちも盛り返すぞ!」

キッツ「分かっておるわ!!
皆のもの!行くぞおおお!!!」

アンカ「一匹の巨人に五人以上で戦え!
一匹ずつ確実にうなじ削げ!!
野郎共!!
人類の底力を見せてやれ!!」

兵士「おおおおお!!!」

256: 2013/11/17(日) 18:17:05 ID:.Atrrj46
ウォール教 礼拝堂

トム「どうやら祭りも終わりのようですね。
ニック司祭」

ニック「ば、馬鹿な…」

無数の屍の上に佇むトム。
その姿には返り血、埃一つ付いていない。

ニック「この人数を1人で…!
貴様!何者なんだ!!
この化物めが!」

トム「ただのモブですよ」

ザンッ

ニ/ック「あっ」

トム「さようならニック司祭」

257: 2013/11/17(日) 18:21:33 ID:.Atrrj46
トム(こっちは終わりましたよ…。
あとは壁外の三人ですね。
内通者を上手く炙り出してくれるといいんですけど…。
私に氏亡報告書なんて書かせないでくださいよ?
ダズではありませんが面倒くさいので。)

259: 2013/11/17(日) 20:12:55 ID:.Atrrj46
ダズ&104期生vs鎧

鎧「オオオオオ!」

ドコオオオオ!

ジャン「どうしたライナー!!
俺一人に手こずる程度なら、人類滅亡なんて到底無理だな!」

ライナー(うるせぇ…うるせぇうるせぇうるせぇうるせぇえええええ!!!)

鎧「オオオオオッ!!!」ドコオオオオ!

ジャン「チィッ!無茶苦茶に暴れ出しやがった!」

ヒュウウウ…

ダズ「…!」

ジャン「瓦礫が…なっ!?」

幼女「きゃああああ!!」

ジャン「何で子供がここに!?
くそっ!避難してなかったのか!
ここからじゃ間に合わねぇっ!」バシュウウウ

ドォォォン…

ジャン「くっそおおおお!!」

260: 2013/11/17(日) 20:20:46 ID:.Atrrj46
ダズ「大丈夫か?お嬢さん」

幼女「え、うん…」

ジャン「ダズ…!」

ダズ「…いいかお嬢さん。
ここはお嬢さんのようなレディに相応しい場所じゃない。
シンデレラの舞踏会場はあっちだ。
ほら、皆お嬢さんを待っている。
ホットミルクでも飲んでのんびりしててくれ」

幼女「ありがとう…///」

266: 2013/11/19(火) 17:36:00 ID:l3D68DAk
ダズ「おい」

104期生「ビクッ」

ダズ「…シンデレラが来たってのに誰もエスコートはねぇのか?
あまりにもキュートで手がだせねぇのか?
それとも…」

104期生「…」

ダズ「ただのルーザー・ドッグか?」

104期生「イラッ」

268: 2013/11/19(火) 17:50:54 ID:l3D68DAk
ダズ「いや、それじゃワンコ失礼か?
お前らは吠えることすらできないしな。
あぁそうかい。
ガタガタ震えてるからな。
お前らは子鹿ーーーー

ブチッ

104期生「うるせぇこの老け顔が!!」

269: 2013/11/19(火) 17:55:19 ID:l3D68DAk
アルミン「フードで顔隠してばれてないと思ってるだろうけど、あんたダズだろ!」

コニー「そんな喋り方するのダズしかいねぇよ!馬鹿!」

サシャ「誰が負け犬や!誰が子鹿や!
調子乗っとるといてまうぞゴラァ!」

ミカサ「ふふふふるえててててなんかかかいないいいいい…」

271: 2013/11/19(火) 19:31:51 ID:l3D68DAk
ダズ「…オーライ。
やればできるじゃねぇか…」パサッ

アルミン「!?」

コニー「お前…その傷…」

ダズ「擦り傷だ。
シンデレラを守るためなら安いもんだろ…」ポタポタ

サシャ「掠めたって…血塗れやないかい!」

※ここからは流血で片目が塞がったダズをイメージしてください。

272: 2013/11/19(火) 19:43:16 ID:l3D68DAk
ダズ「お前らは騎士(ナイト)だ。
あのクソゴリラに触らせるな。
いいか?髪一本血一滴も、だ。
守れ。
決して純潔を汚すんじゃねぇ」

ミカサ「…わわわわかったたた」ガシッ

幼女「おおおおおお姉ちゃんんんんん。
ふふふふふふ震え過ぎぎぎぎ」ガタガタガタガタ

ダズ「オーライ。
お姫さまはお前に任せた」

ミカサ「まままままかせてててててて」ガタガタガタガタ

幼女「あばばばばば」ガタガタガタガタ

273: 2013/11/19(火) 19:47:14 ID:l3D68DAk
ダズ「さて、と…。
よぉライナー」

鎧「……」

ダズ「…俺は氏ぬほど許せないことがある。
一つはレディに手を出す奴。
そして二つは…

仲間に手を出す奴だ」

鎧「……」

274: 2013/11/19(火) 19:49:51 ID:l3D68DAk
ダズ「…お前はこの世で1番やっちゃならねぇ事をやっちまいやがった。
おかげでハザードが鳴りっぱなしだ…。

固定砲準備。目標はあのピーチボーイ。
全員下がっていろ。邪魔だ。

……奴と灼熱のタンゴを踊ってやる」


鎧「オオオオオ!!!」

276: 2013/11/19(火) 19:51:49 ID:l3D68DAk
勝負は一瞬だった。

ライナーは本当の恐怖を覚えることになった。

279: 2013/11/19(火) 23:22:39 ID:l3D68DAk
ダズ「ジャン。動き回られるとめんどくせぇ。
固定砲で足を止めさせろ」

ジャン「足を止めろって言ったって、あいつの鎧はそう簡単には…」

ダズ「…あいつを狙えとは言ってねぇよ」

ジャン「…!
オーライ…。俺が指示を出す。
チャンスは一度だ。
しくじるんじゃねぇぞ」

ダズ「はっ…頼もしいな」

280: 2013/11/19(火) 23:51:44 ID:l3D68DAk
鎧「グオオオオッ!!」ドシンドシン

ジャン「来たぞ!!
固定砲六番!指示通り撃てぇ!!」

サシャ「氏ねやライナァァァ!!!」

ドォン!

ライナー(砲弾如きで止まるかよ!!)

鎧の巨人は砲弾では止まらない。
その事は五年前に証明されていた。
しかしーーー

ズドォォン!

鎧「オオッ!?」ガクッ

固定砲で狙ったのは鎧ではなく、
鎧の足下であった。

ライナー(くっ…!体制が…)

足場のが崩れたことで鎧は体制を崩し、その場に膝をついた。

その一瞬をダズは見逃さなかった。

281: 2013/11/20(水) 00:02:51 ID:YAHn/kZM
ライナーが異変を感じる。
体制を立て直そうとするも、足が動かない。

ライナー(何で動かねぇんだ…っ!?)

ライナーが自身のアキレス腱が大きく削がれている事に気付く。

ライナー(馬鹿…な…いつの間に…)

シュパッ

地面に着いた手を何か通り過ぎた。

ブシャアアア

ライナー(!?指がいきなり…!)

出血と同時に鎧の五指が吹き飛ぶ。

ザザザンッ!

282: 2013/11/20(水) 00:19:47 ID:YAHn/kZM
ライナー(今度は何が…!)

両肩の関節部分が削がれ、ぶらりと腕が垂れ下がる。

ザザザンッ!

ライナー(うあッ!?)

ザンッ!
ザンッ!
ザザザンッ!

ライナー(あ…ああ…や、やめて…くれ…)

ズバァン!

ライナー(う…うおおおおお!!!)

肩、肘、手首、股。
次々と鎧の関節部分が削がれていく。

鎧「アアアアアアアア!!」

283: 2013/11/20(水) 00:36:57 ID:YAHn/kZM
ライナー(ベルトルト!アニ!!
誰が、誰か助けてくれえええ!!)

ダズ「叫んでもベルトルトもアニも来ねぇよ。
休暇とってバカンスに行ってる」

鎧の眼前に現れたダズ。

ライナー(ひっ!?)

鎧は動けなかった。
当然である。
もはや、鎧には体を動かせる腱がないのだから。

284: 2013/11/20(水) 00:44:02 ID:YAHn/kZM
ズバァン!

ライナーは突如暗転。
ダズの放った回転切りで両目が潰される。
ここまで砲撃から約10秒。

ライナー(く、首回りを最大まで硬化すれば…)ビキビキ

ライナーは首を硬化。
だがーーーー

ドンッ!

無情にも鎧の首が空を舞った。

285: 2013/11/20(水) 00:52:18 ID:YAHn/kZM
ライナー(な…んで…硬化…して…いたのに…)

ダズ「…巨人の口の中ってのは最悪だ。
臭ぇし汚ぇ…」

切断面からダズが出てくる。

ライナー「てめぇ…ワザと口に入って内側から…」

ダズ「内部は流石に硬化できなかったみてぇだな…。
終わりだ。ライナー」

288: 2013/11/20(水) 13:26:45 ID:l2e1n.Oo
ライナー(くっ…巨人体と同化してて動けない…!)

ダズ「…」ヒュッ

ライナー(切られる…っ!!)

バキィッ!

ライナー「!?」

ライナー(な、殴られたのか…?)

ダズ「…よぉ。ちっとは目が覚めたか?」

289: 2013/11/20(水) 13:32:38 ID:l2e1n.Oo
ライナー「ぐっ…早く殺せ…」

ダズ「…まだ起きてねぇみたいだな」

バキィッ!

ライナー「がはっ!」

ダズ「どうだ?妖精がまだ見えるか?」

ライナー「てめぇ…何を」

バキィッ!

ライナー「ぐっ…!」

ダズ「…今のはお前が頃しかけたお嬢さんの分だ」

ライナー「が…あ…」

バキィッ!

290: 2013/11/20(水) 13:36:55 ID:l2e1n.Oo
ダズ「今のはてめぇが裏切った仲間の分」

バキィッ!

ダズ「…五年前の分」

バキィッ!バキィッ!

ダズ「今のは…

てめぇが自分自身を裏切り続けたライナー・ブラウンの分だ」

ライナー「…!」

バキィッ!

291: 2013/11/20(水) 13:42:06 ID:l2e1n.Oo
ダズ「今のは……
これから街を直す人の分…って事でいいか」

ライナー「おぉい!特に理由の無い暴力を振るうんじゃねぇ!!」

ダズ「…目が覚めたみてぇだな」

ライナー「……」

ダズ「…いい加減、その臭え着ぐるみ脱いだらどうだ。
たまには何も隠さねぇで舞台に上がって見せろ」

292: 2013/11/20(水) 13:53:49 ID:l2e1n.Oo
ライナー「……」

サシャ「ライナー…」

パンッ

ライナー(平手!?)

パキッ!

ライナー(からの肘っ!?)

サシャ「どんだけ心配したと思っとるんや!」

ライナー「…!!」

サシャ「…ライナーが鎧の巨人って聞いてから…皆どんだけライナーを心配したか分かっとるんかい!」

ライナー「お前はさっき氏ねとか言ってたじゃねぇか!!」

サシャ「…チッ。聞こえてましたか」

ライナー「この芋女が…!」

293: 2013/11/20(水) 14:13:41 ID:l2e1n.Oo
ダズ「……随分と楽しそうだな」

ライナー「…ダズ」

ダズ「クソホ〇ゴリラと普通のホ〇ゴリラか、どっちが本当のお前かは知らねぇが…」

ダズ「そっちの方が似合ってるんじゃねえか?」ニッ

ライナー「…うるせぇよ」

296: 2013/11/20(水) 23:49:06 ID:l2e1n.Oo
巨大樹の森 中央

ハンジ「でさー、ソニーとビーンったら私がいなくなると唸るんだよ。
やっぱり巨人にも甘え心があるんじゃないかなぁ」

リヴァイ「奇行種が何言ってやがる…」

ハンジ「奇行種!いい響きだね!
褒め言葉として受け取っておくよ!」

ペトラ「ハンジ分隊長ったら…」

ハハハ…

モブリット(…ケイジ、トウマ。
作戦の確認するからちょっと離れるで)

ケイジ(…分かった)

297: 2013/11/21(木) 00:09:55 ID:D646NaiM
トウマ「モブリット。
隊から離れ過ぎじゃねぇか?」

モブリット「…せやな。
ここらでええか…」

トウマ「それで、確認って何だ?」

モブリット「…内通者のことやねんけど、目星が着いたで」

トウマ「本当か…?」

モブリット「恐らく…トーマスや」

298: 2013/11/21(木) 00:18:03 ID:D646NaiM
ケイジ「トーマス…あいつが?」

モブリット「…せや。
あいつが1番怪しいと思うんやけど」

ケイジ「…裏は取れてるのか?」

モブリット「…まぁ嘘やねんけど」

トウマ「……おい。ふざけてる場合じゃ…」

モブリット「軽いダウパリアンジョークや。
そんな睨まんでもええやろ」

299: 2013/11/21(木) 00:23:27 ID:D646NaiM
モブリット「内通者はナックや」

トウマ「…お前いい加減しろよ」

ケイジ「あの単細胞ができるわけないだろ!」

モブリット「可哀想なこと言うなや。
ナックはただアホなだけやろ。
本当の内通者はな…トムや」

300: 2013/11/21(木) 00:26:35 ID:D646NaiM
ケイジ「…トムか!あいつが情報を流してたのか…」

トウマ「怪しい奴だとは思っていたが…やはりそうか…」

モブリット「嘘や」

トウマ「…」
ケイジ「…」

301: 2013/11/21(木) 00:37:03 ID:D646NaiM
モブリット「怪しいと言えばミリウスもサムエルも怪しいわ。
あの馬鹿ップルもきな臭いと思わへんか?
それにキッツのオヤジもアンカもなんか臭うでぇ…!
ダズの老け顔も怪しい…年齢を偽ってるに違いないわ!
あとはミーナ!
あいつの乳は大したもんや!
あの乳になにか重要な秘密が隠されとるんや!
帰ったら乳揉み遠征せな!
ああああ!!
誰が内通者なんや!
どいつもこいつも怪しくてしょうもないわ!」

ケイジ「…おい」

モブリット「でもな!1番怪しいのは…」

トウマ「ふざけるのもいい加減に…」

モブリット「お前らやけどな」

トウマ「っ!?」

302: 2013/11/21(木) 00:42:04 ID:D646NaiM
ケイジ「はっ…それもダウパリアンジョークか?
全く笑えないな」

モブリット「いま笑ったやんけ。
オモロかったか?
ほんなら、もう一度言ったるわ」

モブリット「内通者はお前らや。このドアホが」

トウマ「…」

306: 2013/11/24(日) 00:09:31 ID:Jl16djdE
ケイジ「何を根拠にいってるんだ?」

モブリット「ケイジィィ…そのセリフは自供してるみたいなもんやで?
まぁええ。
こっちから質問させてもらうわ。
自分ら、前回の壁外遠征のときなにしとったん?
いつも遠征メンバーにおるはずなのに、何であの日だけおらんかったんや?」

ケイジ「ただメンバーから外れてただけだ」

トウマ「ああ。調査兵団の本部で待機してたぞ」

モブリット「ふーん…そうかい」

307: 2013/11/24(日) 00:26:41 ID:Jl16djdE
モブリット「超大型の襲撃の時にも待機しとった、と?」

ケイジ「あれは俺らの任務じゃない。
ミーナ達の任務だろう。
勝手に動いてたら他の調査兵団に怪しまれちまうからな」

モブリット「おっかしいなぁ…。
サムエルが戦闘中にトロスト区で見かけたって言ってたんやけど」

ケイジ「っ!?」

308: 2013/11/24(日) 00:36:19 ID:Jl16djdE
モブリット「嘘、や」

ケイジ「お前…っ!」

モブリット「怪しいトコは腐るほどあるんやけどなぁ…。
とりあえずブレードしまったらどうや?
怪しく無いなら臨戦体制になんなや。
せやろ?」

ガササッ

モブリット「のう…リーネ、ヘニング」

リーネ「…!」シュッ
ヘニング「…チッ」シュッ

ガキィィィィン!

309: 2013/11/24(日) 00:52:44 ID:Jl16djdE
トウマ「背後からのダブルアタックを見もせず難なく受け止めるか…」

ケイジ「…ふん。流石は最強、と言ったところか」

モブリット「はっ…最強の名は…ダズにくれてやった…わ!!」キィン!

ズババンッ!

ヘニング「ぬぅ!」

ババッ

モブリット「チッ。掠めただけかい。
ちったぁやるようになったみたいやなぁ」

ヘニング「へっ!いつまでも最強気取ってんじゃねえ!ここでその看板降ろしっ!?」

ザンッ

ヘニング「うおっ!?危なっ!!
最後まで喋らせろ!!」

モブリット「相変わらずやかましいやっちゃのう。
最強の看板なんざとうに降ろしたって言うてるやろ」

リーネ「目標捕捉…直ちに駆逐…」バシュウウウ!

モブリット「貧Oに用は無いわ!」ヒュッ

ガキィィィン!!

318: 2013/11/24(日) 12:35:18 ID:ek7vkUsw
モブリット「…お前ら何考えてん…
まさか他の奴ら消して日の本に出よとか考えとるんか?」

ケイジ「……何が悪い。
俺たち実力のある者が光を浴びて何が悪い!!
黒子はもうごめんなんだよ!!」

トウマ「俺らだってどうせ氏ぬなら見開きいっぱい使って氏にたいんだ!
誰も気付かないところで氏んでたまるか!」

ヘニング「モブリット!
てめぇもそう考えてんだろ!!
リヴァイなんてちょっと強い小っさいおっさんの下にいておかしいと思わねぇのか!?」

モブリット「…どうしようもないアホやな。
そんなことお前らができるわけないやろが」

319: 2013/11/24(日) 12:49:02 ID:ek7vkUsw
モブリット「だってお前ら地味やもん。
ビジュアル的にもキャラ的にも」

トーマケイジヘニングリーネ「……」ブチッ

モブリット「トウマとトーマもどっちだか分からへんし」

トーマ「……」ブチブチッ

ケイジ「…全員リミッター外せ。
…こいつを殺るぞ…」ビキッビキッ

リーネ「…リミッター解除…目標を殲滅する」ビキッ

ヘニング「髪の毛一本残さねぇぞおおお!!」ビキッビキッ

トーマ「…殺れ」ビキビキッ


モブリット「おお怖い怖い。
…悪いが手加減はせぇへん。
氏んでも文句言うなや」チャキッ

322: 2013/11/24(日) 17:40:21 ID:ek7vkUsw
ガキィィン!

ガキィィン!

一閃、また一閃と高速の刃がモブリットを襲う。
モブリットはそれをブレード一本で軽くいなしーーーー

ザクッ

ヘニング「ぐっ…!」ブシャァ

一瞬の隙を狙い反撃に出る。

モブリット「リミッター外してもその程度か?
刺してくださいって突っ込んで来てるだけやん」

トウマ「この化け物が…!」

ケイジ「四人でかかるぞ!」

リーネ「…了解した」

323: 2013/11/24(日) 17:49:24 ID:ek7vkUsw
四人はモブリットの四方に散り、
全速でモブリットに向かう。

バシュウウウウウ!

ヘニング「氏にやがれ!」ゴオッ

モブリット「…ホンマにアホやな」

モブリットは半歩下がりーーーー

ガシッ

ヘニング「!?」

ヘニングの手を掴み後ろへいなす。

モブリット「ほれっ」グイッ

リーネ「!?」

ドコッ!

ヘニング「ぐっ…がっ…」

リーネ「あっ…!」

ヘニングとリーネが正面衝突する。

トウマ「殺ったぁぁ!!」ゴオッ!

324: 2013/11/24(日) 17:55:25 ID:ek7vkUsw
モブリット「ワイは殺れへんが、笑いは取れたで」ヒュッ

バキィィ!!

トウマ「ぐはっ!」

トウマを鉄拳で叩き落とす。

ケイジ「後ろがガラ空きだぜ!」ゴオッ!

モブリット「ご忠告おーきに」バッ

ドッコォォ!

ケイジ「ぐ…おっ」

モブリットの後ろ蹴りがケイジの鳩尾に深く食い込む。

325: 2013/11/24(日) 17:59:50 ID:ek7vkUsw
モブリット「なんや、ブレード使うまでもあらへんな。
さっさと終わらせたろか」

ヘニング「ガアアッ!!」シュッ

モブリット「遅いわ」パシッ

片手ブレードを弾き、ヘニングの首を掴む。

ヘニング「ぐっ…!」

モブリット「ほなさいなら」ググッ

バキッ

327: 2013/11/24(日) 20:13:05 ID:ek7vkUsw
ダランと手を降ろすと同時に、ヘニングは巨大樹から落ちていく。

モブリット「よっしゃ。
次。かかってこんかい」ボキボキ

リーネ「…っ!」ゴオッ!

ケイジ「うかつに飛び込むな!」

リーネは巨大樹の枝を滑空するように低く走った。
狙いは足ーーーー

リーネ「フッ!」バシュッ!

モブリット「おおっ?」

ガスを一瞬吹かし、モブリットの頭上を超え背後に回り込む、がーーーー

モブリット「ま、及第点やな」

リーネ「!?」

しかし、リーネの目に映ったのはモブリットの足の裏。
背後に回り込んだのに何故、リーネは一瞬反応が遅れた。

バキャアッ!

モブリットが放った飛び蹴りにより、リーネは数十メートル吹き飛び、巨大樹に打ち付けられる。

リーネの首は在らぬ方向に曲がり、目の光を失った。

328: 2013/11/24(日) 21:42:49 ID:ek7vkUsw
モブリット「次」

トーマ「くそがあああっ!!!」バシュウウウ!!

モブリット「…」

ゴキッ

トーマ「躱されたか…え?」

トーマがモブリットを通り過ぎる。
そして自身の異変に気付く。

何故首だけ真後ろを向いているのか、と。

トーマの意識はそこで途切れた。

330: 2013/11/25(月) 00:01:19 ID:Tm99OmYE
モブリット「つ・ぎ」クイクイ

ケイジ「…くっ!」シュウウウ…

モブリット「…!お前…」

ケイジの顔の傷から発生する蒸気。
モブリットは悟る。

こいつはもう人間じゃない、と。

モブリット「…人の道を外してまでもスポットライトを浴びたい…か。
大した覚悟やな」

ケイジ「必要なのは個性だ!
巨人化できるという個性があれば俺だって…」

ザンッ

ケ/イジ「あっ」

モブリット「…アホ。
巨人化なんざバーゲンセール状態やろうが…」

332: 2013/11/25(月) 00:15:54 ID:Tm99OmYE
ハンジ「あ!モブリット!どこ行ってたんだい!もうすぐ出発だよ!」

リヴァイ「…糞でもつまってたんだろ」

モブリット「すいません。ケツの固定砲の調子が悪くて…」

ペトラ「もー!モブリット!
汚い話はやめてよ!」

モブリット「いや、最初に振ってきたのはリヴァイ兵長やろ…」

ペトラ「やろ?モブリット、なんか訛ってない?」

モブリット「気のせい気のせい!」

ペトラ「?…そう」

オルオ「兵長!!壁内から緊急の信号弾です!
至急戻るように、と!!」

エルヴィン「…またか。今度はいったい何が…」

リヴァイ「答えはみてから考えればいい。とりあえず戻るぞ」

グンタ「撤収だ!!急いで引き返すぞ!!」

モブリット(やはり来よったか…。
まぁ、ダズにトム。それとオヤジもいるし問題無いやろ。
それより…あの三人が戻らん。
やられることは無いと思うが…)

333: 2013/11/25(月) 00:37:25 ID:Tm99OmYE
トーマス「…おい…ナック。
何…寝てんだよ…」

おびただしい数の巨人の氏骸。
その蒸気によって辺りが蒸し暑い。
そんな中、樹を背中にナックは目を瞑って座っていた。

ナック「……あ?トー…マス…か?
悪ぃ…もう目が…見えねぇんだ…」

片手には刃の無いブレード。
もう一本のブレードは柄の部分が血塗れになっていた。

334: 2013/11/25(月) 00:48:18 ID:Tm99OmYE
トーマス「…片手と片足無くしてイメチェンか?
時代を先駆け過ぎだぜ。
ふざけてないでさっさと…」

ナック「討伐…数…92…3だっけか…。
どうだ…ミーナを…抜いてやったぜ…」

トーマス「…そいつは凄いな。
帰ったらミーナに自慢してやれ。
あいつ、悔しがるぜ。
違反かもしれねぇが、調査兵団にみてもらう。
そこまで踏ん張れよ」

ナック「…マジか。
またトム…に…説教され…ちまうな…」

トーマス「あぁ。
お前も一緒に説教だからな。
クソッタレ」

ナック「…あぁ…最悪だな…クソッタレ」

336: 2013/11/25(月) 00:53:53 ID:Tm99OmYE
トーマス「手ぇ貸せ。運んでやる」

ナック「…悪ぃ」

トーマス「…よっ…と。
立体機動使うぞ。振り落とされんなよ」

ナック「…悪ぃ…」

トーマス「…気にすんなよ」バシュッ

337: 2013/11/25(月) 01:06:10 ID:Tm99OmYE
トーマスは自身が出せる最高速度で駆けた。

トーマス「…おい。ちゃんと掴まってくれ。
支えながらじゃ上手く飛べねぇ」

ナック「…悪…ぃ…」

ナックは今にも消えそうな声で呟く。
だが、トーマスに掴まる手に力が入ることはなかった。

トーマス「…そうだナック。
お前に用事があるからこっち来たんだ。
タバコ持ってねぇか?」

ナック「…わ…ぃ…」

トーマス「…聞こえねぇよ。
はっきり喋ってくれ」

ナックが徐々に重くなっていく。
トーマスは不安をかき消すように立体機動を飛ばす。

ナック「……ぃ…」

トーマス「…ふざけてんなら捨ててくぞ」

338: 2013/11/25(月) 01:20:23 ID:Tm99OmYE
徐々にナックから力が抜けていく。
そして体温すらも無くなりつつあった。

トーマス「ふざけんじゃねぇぞ…。
もうすぐ着く。お前の大好きなミーナも待ってるぜ」

ナック「…み…ぃな…」

トーマス「あぁ。
あいつを悔しがらせてやれ。
馬鹿みてぇに悔しがるぜ」

ナック「と…ます…」

トーマス「どうした。タバコでも吸いたいか?
生憎だが俺も今切らしてるんだよ」

ナック「じゃあな」 ニッ

ナックはそう笑うと静かに眠った。

トーマス「じゃあな…馬鹿野郎」

燃える男、ナック・ティアス ここに沈む

343: 2013/11/25(月) 13:23:29 ID:Tm99OmYE
巨大樹の森 後方

アニ「……う。
…え…生き…てる?」

ミーナ「あ、目が覚めたみたいだね」

アニ「ミ、ミーナ…!」ビクッ

ミーナ「ちょっと!そんなに怯えないでよ!
傷つくじゃない!もう!」

アニ「…なんで殺さなかったんだい」

ミーナ「…親友を殺せるわけないでしょ」

アニ「親…友…」

ミーナ「でもなぁ…アニをこのまま連れて帰るわけにも行かないし…どうしようかなぁ」

アニ「…置いてってくれ。
私の正体は割れてるんだろう?
このままここで野垂れ氏ぬさ」

ミーナ「あ、トムに相談してみよう!
きっとどうにかしてくれるよ!」

アニ「話聞けよ…まったく…」

344: 2013/11/25(月) 13:34:55 ID:Tm99OmYE
アニ「あんた、服がボロボロじゃないか」

ミーナ「あはは…本気出すと服が動きに耐えられなくて破けちゃうんだよね」

アニ「…ったく…しょうがないね。ほら」ヌギヌギ

ミーナ「ちょっ、アニ!?」

アニ「ジャケットは厚手だから破けてないけど、インナーがボロボロじゃマズイだろ。
私のパーカーあげるよ」

ミーナ「ありがと…」

アニ「…あんた、いい体してるね」

ミーナ「やめてよ!おっさんじゃないんだから!」

アニ「パーカー…少し小さいね」

ミーナ「…うん。胸回りが特に…」

ゲシッ

ミーナ「痛っ!いきなり蹴らないでよ!」

アニ「悪かったね」

ミーナ「えへへ…アニの匂いがする」モフモフ

アニ「…そうかい」

345: 2013/11/25(月) 13:44:28 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…やばっ」

アニ「…どうしたんだい?」

ミーナ「囲まれてるよ。三人かな…。
アニ、立体機動は使える?
先に逃げてて」

アニ「…馬鹿言うんじゃないよ。
あんたに拾われた命だ。
私も一緒に…」

ミーナ「私が心配に見える?」

アニ「…わかった。
邪魔にならないように避難しておくよ」

ミーナ「うん。気を付けてね」

バシュウウウ…

346: 2013/11/25(月) 13:46:45 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…出てきなよ。信者さん」

347: 2013/11/25(月) 13:56:20 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…出てきなよ。信者さん」

ガサッ

信者1「女型の奴は逃がしたか…」

信者2「おさげちゃんの相手できるなんてラッキーだな。
ヒィヒィ言わせてやるよ」

ミーナ「あれ、もう1人は?
まさか逃げたわけじゃないよね」

信者1「裏切り者を逃がすと思うか?」

信者2「消耗した状態じゃ逃げきれないだろ。
女型も捕まえて一緒に楽しもうぜぇ」

ミーナ「…ダスト・トゥー・ダスト。
ゴミはゴミ箱へ捨ててあげないとね…」

349: 2013/11/25(月) 17:38:18 ID:Tm99OmYE
信者1巨人「オオオオッ!!」

ドゴオォン!

ミーナ「…っ!ちょっとマズったかなぁ…」

ミーナは苦戦を強いられていた。
たかが知能巨人が二体。
それもアニほど手練れでもない。

普段のミーナなら瞬頃していただろう。

大きな力には反動がある。
アニとの戦いでミーナの体は限界を超えた。
通常の人間の体ではとても耐えられる動きではない。
ミーナとてそれは同じことだった。

酷使した肉体が徐々に悲鳴をあげ始めていた。

351: 2013/11/25(月) 20:38:00 ID:Tm99OmYE
ミーナは自分のコンディション、ガスの残量を考えると短期決戦しか残されていなかった。

巨人の攻撃を掻い潜り、背後からうなじを狙う。

ミーナ「ハアアアッ!!」

ザンッ

ミーナの斬撃は巨人のうなじを削ぐことに成功。
しかしーーーー

352: 2013/11/25(月) 21:05:22 ID:Tm99OmYE
ズキンッ

ミーナ「痛っ…!」

巨人1「ガアアッ!」

ミーナ(浅かった!?しまっ…)

ガシッ!

体の痛みで反応が遅れたミーナは、巨人の手を回避することができなかった。

ミーナ「あ…ぐっ…!」ギリギリ

信者2「ようやく捕まえたか。
随分と手間かかったがお楽しみタイムと行くか。
手離すんじゃねぇぞ」

354: 2013/11/25(月) 23:37:27 ID:Tm99OmYE
ミーナ「…どうせ…工口い事でもするんでしょ…工口同人誌みたいに…!」ギリギリ

信者2「その通りだ。
まずはその邪魔な服を…」グイッ

ミーナ「あっ…」

信者2「キツくて中々脱げねぇな…。
おー予想通りいい体してるじゃねぇか」

ミーナ「やめ…て…」

信者2「しかし邪魔なパーカーだな。
破いちまうか」

ミーナ「…アニの…」ビキッ

信者2「ほーら。ご開帳だ」ググッ

ミーナ「アニのパーカーに汚い手で触るなああああッ!!!」

356: 2013/11/25(月) 23:51:22 ID:Tm99OmYE
ドンッ!!

信者2「あ?」

信者2の目の前にいたミーナが突如消える。
同時に自分の手が消し飛んだ事に気付く。

信者2「あれ?俺の手ーーーー

ズバンッ!

一瞬。
信者2の体が細切れにされ、無惨に崩れ落ちる。

358: 2013/11/26(火) 12:38:38 ID:Fnzl8KKs
ミーナ「ぐっ……ああああああッ!!!」ゴオッ!

信者1(なっ、なんだこの動き!?
信者2が一瞬で肉塊になっただと!)

ミーナは選んだ。

自分の体が壊れてもいい。
氏んだって構わない。
親友に手をかけようとしたこの2人を許さない。

ミーナは再びリミッターを解除した。

359: 2013/11/26(火) 12:54:07 ID:Fnzl8KKs
巨人1「オオオッ!!」ブンッ

ミーナの気迫にたじろぎながらも反撃にでる。

ズガガガガガッ!!

ミーナに向けた拳がミンチになる。

巨人1「ッ!?」

ミーナ「~~~ッ!!」ミシッ

ブレードを振る度に自身の筋肉が割ける音が聞こえる。
しかしミーナが止まる事はない。

歯を食いしばり巨人の首に一直線に突っ込む。

ミーナ(…このまま中身ごと首を…!!)バシュウウウ!!

360: 2013/11/26(火) 12:59:48 ID:Fnzl8KKs
現実は残酷であった。

プシュッ

ミーナ「!?」ガクッ

体より先に限界を迎えたものがあった。
そうーーー
ガスの残量が底をついたのだ。

ミーナ「…あっ」

眼前に迫る巨人の口。
空中に投げ出されたミーナは身動きを取ることができなかった。

バクッ…

366: 2013/11/26(火) 16:55:50 ID:Fnzl8KKs
アニ「ハァッ…ハァッ…!」

アニは出せる限りの速度で逃走を試みた。
しかし、ミーナとの戦いで消耗しきった体力は回復していない。
信者3との距離が徐々に縮まっていく。

アニ(巨人化する体力も無い…。
立体機動で奴を倒せる実力も無い…。
ここまでか…)

ガシッ

アニ「!!」

信者3「…ツカアエタ」ガパッ

アニの片足を掴み大口を開けて迫る信者3。

アニは抵抗する事も無く目を瞑った。

アニ「…ごめん、ミーナ」

醜悪な笑みを浮かべ、ゆっくりとアニを口へ運びーーー

ゴクン

アニを丸呑みした。

367: 2013/11/26(火) 17:08:23 ID:Fnzl8KKs
信者3「…ゴチソウサマ」

「…まだデザートが残っとるでぇ」

信者3「!?」

仲間の元へ引き返そうした信者3は背後からの殺気に気付き振り向く。

ズバンッ!

信者3「オッ…ア…!」ズルッ…

振り向くと同時に胴体が切断される。
信者3は切断面に佇む1人の男に目を向けた。

モブリット「よっしゃ、まだ消化されてないみたいやな。
ギリギリセーフや」

アニ「……う…?」

モブリット「安心せぇ。今、あのゴミを片付けたるわ」

信者「ウ…ガアアッ!!」ブンッ!

上半身を崩れ落ちながらも、モブリット目掛けて拳を放つ。

369: 2013/11/26(火) 17:27:40 ID:Fnzl8KKs
モブリット「おいおい。この子に当たってまうやろ」シュッ

ズバァァァッ!

モブリットの振り上げたブレードが信者3の拳を腕ごと裂く。
その切り口は肩まで届き、拳がモブリットにかすることは無かった。

タンッタンッタンッ

裂けた腕を伝い、モブリットは信者3の頭上高くまで跳びーーーー

モブリット「激甘スイーツ奢ったるわ。
残さず食べや」バシュウウウ!!

ザンッ!!

一刀両断。
信者3は砂煙を巻き上げて沈んだ。

370: 2013/11/26(火) 17:34:29 ID:Fnzl8KKs
砂煙→土煙

371: 2013/11/26(火) 17:49:47 ID:Fnzl8KKs
モブリット「立てるか?
ベトベトやけど外傷はなさそうやな」

アニ「私は大丈夫…でもミーナが…」

モブリット「ミーナ?
あいつならこんな雑魚何匹いても平気…」

アニ「ミーナが化け物みたいに強い
のは知ってるよ…。
…でも別れ際のミーナは様子がおかしかったんだ」

モブリット「…おかしい…やと」

アニ「…なんか体を動かすのも辛そうだった。
それに服もボロボロに…」

モブリット「…まさか…!あのアホ…!」

アニ「お願いだ…ミーナを頼む…!」

モブリット「……任せとき」ビキッ

372: 2013/11/26(火) 17:59:37 ID:Fnzl8KKs
モブリット「とりあえず嬢ちゃんはここにおるんや。
あとでトーマスに拾いに行かせたる。
ほな、また後でな」

ドンッ!!

アニ「うわっ!?
速っ…もうあんな所に…」


モブリット「粘れや…ミーナ」

ゴオッ!!

374: 2013/11/26(火) 19:42:14 ID:Fnzl8KKs
ミーナ(…短い人生だったなぁ。
やりたい事もあったし、恋だってしたかった。
結局ダズには一度も勝てなかったし…。
ま、楽しかったからいいや。

アニ…絶対逃げ切ってね)

ミーナ「…皆、元気でね」

バクッーーーー

375: 2013/11/26(火) 19:51:23 ID:Fnzl8KKs
信者1は勝利を確信し、ゆっくりと咀嚼する。

信者1(信者2はやられたが…まぁいい。
今頃、他の奴らも片付いた頃だろう。
合流して調査兵団を壊滅しに……ん?)

信者1は異変を感じる。
噛み頃したはずなのに血が出ていない。
それどころか口の中に何もいないことに気付く。

信者1(馬鹿な…!あの状態で回避など…)

「悪い。遅れてすまなかったな」

信者1「!?」

376: 2013/11/26(火) 19:56:20 ID:Fnzl8KKs
ミーナが噛み砕かれる寸前、
信者1の眼前を高速で横切った者がいた。

信者1(なっ…!?一体どこから…)

ミーナ「…ごめん。もう氏ぬかと思ったよ……。
もうちょっと早く来てよね。

ミリウス」

ミリウス「ヒーローは遅れてくるもんだ。
…後は任せときな」ニカッ

378: 2013/11/26(火) 23:32:49 ID:Fnzl8KKs
ミリウス「ーーーウチのアイドルに手を出したらどうなるか思い知らせて…」

グシャッ!

ミリウス「えっ」

ミーナ「えっ」

突如、巨人の頭が消し飛ぶ。

モブリット「お、どうにか間に合ったみたいやな」

ミーナ「せ、先生…!」

モブリット「ミーナ…リミッター解除にはあれほど気をつけぇ言うたのに…ん?
ミリウス、こんな所で何しとるんや?」

ミリウス「…返せ」

モブリット「は?」

ミリウス「俺の見せ場を返せえええええ!!」

モブリット「うおっ!?」

379: 2013/11/26(火) 23:45:40 ID:Fnzl8KKs
モブリット「あー…今日で1番焦ったわ…。
いきなり襲ってこんでもええやろ…」

ミリウス「…だって…せっかくミーナをカッコ良く助けて…これからだったのに…」グスン

ミーナ「よしよし。ミリウスのおかげで助かったんだから。
ほら、元気出して。ね?」

ミリウス「…オーライ」グスン


ミリウス・ぜムルスキー

本気で忘れられるほどの屈指の存在感を持つ。
まさにモブの中のモブである。

実力はモブの中のでもそこそこ強い。

380: 2013/11/27(水) 00:42:28 ID:/kgERjeE
ミリウス「ここに来たのはトムの指示ですり
ユミルを奪還したら直ぐにこっちに向かうように、と」

モブリット「お見通しってわけか。
…末恐ろしいやっちゃのう」

ミーナ「そうだ!アニは!?
ここへ来る途中で会いませんでしたか!?」

モブリット「安心せぇ。
追手を始末して避難させといたわ」

ミーナ「よかったぁ…」

モブリット「俺はとりあえず本隊に戻るで。
ミリウス。アニとミーナは任せるわ」

ミーナ「両手に花だよ。頑張って!」

ミリウス「今度こそ任せときな」

382: 2013/11/27(水) 01:46:44 ID:/kgERjeE
壁内

ハンナ「…どうやらあなたが最後みたいよ。
何か言い残す事はある?」

巨人「ウ…ウ……ウオオオ!!」

ハンナ「クスッ…そんなに焦らないで。
直ぐにあなたも逝かせてあげる…」

ガシッ

ハンナ「あら?」

巨人はハンナの放ったアンカーを掴んだ。
偶然ではあったが、千載一遇のチャンスと感じた巨人はワイヤーを力いっぱい引き寄せたーーーが。

ギシッ

巨人「!?」

動かない。何故?
あの小柄な少女にそんな力があるはずがない。
引いても引いてもピクリと動かない。
巨人の頭によぎったイメージ。

それは山。

ハンナ「ふふっ。力比べかしら?
…いいわ。全力で来なさい」

384: 2013/11/27(水) 12:09:17 ID:D4ygUxxo
巨人「~~~ッ!!」ギリギリ

力いっぱいワイヤーを引っ張る。
しかし、ハンナは微動だにしない。
踏ん張る様子も見せず、ただ片手でワイヤーを持っている。
それだけに見えた。

ハンナ「気は済んだかしら?
それじゃ…終わりにしようね」グイッ

巨人「!?」グオッ

釣り上げられた魚のように宙を舞う巨人。

これは夢か。
巨人の頭では理解できない事だった。

ズゥゥゥン…

385: 2013/11/27(水) 12:20:12 ID:D4ygUxxo
ハンナ「さて…中身はどんな人かな…」

背後から聞こえる少女の声。
可愛らしい声には似合わぬ言葉。

信者は股間に生温かさを感じた。

グチャッ

ハンナ「んー…この辺かな?」グチャグチャ

巨人のうなじに手を突きたて、中身を掻き回す。

信者は無意識に肛門が緩んでしまった。

グチャッ…グチャッ…

…ガシッ

ハンナ「見ーつけた」ニコッ

ブチブチブチ…

ズル…

ハンナ「んー…フランツの方が断然かっこいいわね」

信者は体中の穴という穴から液体が溢れ出た。

386: 2013/11/27(水) 12:23:05 ID:D4ygUxxo
信者「ご、ごめんなさい…許してくださ…」

ハンナ「聞こえないよ」ニコッ

信者「…ひっ」

グシャッ

387: 2013/11/27(水) 12:27:52 ID:D4ygUxxo
ハンナ「制圧完了…。
早く撤退しないとね。
…あれ?フランツ…?
どこに行ったのかな…」

カンカンカンカン

ハンナ「撤退の鐘鳴っちゃったな…。
フランツったら…勝手にいなくならないでって言ってるのに」

388: 2013/11/27(水) 12:41:48 ID:D4ygUxxo
壁内 某所

フランツ「……」

「フランツ。何処へ行くんですか?
もう撤退の鐘は鳴ってますよ」

フランツ「!…やあ。トム」

トム「こんにちわ。フランツ」

フランツ「悪いけど、僕は少し遅れるよ。
まだ仕事が残ってるんだ」

トム「それはいけない。
私も手伝いましょう」

フランツ「…大丈夫だよ。僕1人で充分さ」

トム「おや、そうですか?
参謀として聞きますが、その仕事の内容はなんでしょう?」

フランツ「…君は本当に厄介だね」

トム「…答えになってませんね。
命令です。仕事の内容を答えなさい。
いや…答えろ。
王政府直轄暗殺部隊兵長のフランツ」

389: 2013/11/27(水) 12:53:44 ID:D4ygUxxo
フランツ「…いつから気付いていたんだい?」

トム「三年前。
あなたに出会った時から歳を重ねる毎に不自然に思いました。
最初は体格が良いだけだと思いましたが、確信に変わりました。
あなたの容姿が三年経っても一切変わっていないことに、ね」

フランツ「……」

トム「おかしいでしょう?
人間でいう成長期のはずなのに、変わらない体格。
あなたは人間ではありませんね?」

390: 2013/11/27(水) 13:18:19 ID:D4ygUxxo
フランツ「…失敗したなあ。
やはり君は危険だった。
早いうち始末するべきだったよ」

トム「…今からでも遅くないと思いますが」

フランツ「…そうだね」

トム「…」

フランツ「でも今の君とやり合うと、僕も無傷じゃ済まなそうだ。
大人しく引き上げさせてもらうよ」

トム「…見逃すと思いますか?」

フランツ「…強がるなよトム。
手が震えてるじゃないか」

トム「…試してみますか?」

391: 2013/11/27(水) 14:30:34 ID:D4ygUxxo
フランツ「…後悔しないでくれよ」バシュッ!

放たれたアンカーがトムの背後に突き刺さる。
同時にフランツがトムの首元にブレードを突きたてた。

トム「……!」バッ

咄嗟に体を反転させて回避。
しかしーーー

ドコッ!

トムの腹部にフランツの膝食い込む。

トム「…甘いですよ」

フランツの膝を掴みトムは直撃を防ぐ。

シュッ

フランツ「…っ!」ババッ

高速の斬撃がフランツを狙うも、難なく回避される。

トム「…掠っただけですか」

フランツ「…皮一枚。痛み分けさ」

トムは首、フランツは頬から血が流れ落ちた。

392: 2013/11/27(水) 14:36:02 ID:D4ygUxxo
フランツ「…潮時かな。
それじゃ、また会おう」

トム「逃がさないと言ってるでしょう?」

フランツ「…折れた腕じゃ僕には勝てないよ」

膝を防いだトムの腕がだらりと下がる。

トム「…何のことやら分かりませんね」

フランツ「また今度相手してあげるよ。
じゃあね」

393: 2013/11/27(水) 15:18:31 ID:D4ygUxxo
トム「…次は手加減しませんからね」



鐘の音が戦いの終わりを告げる。
人類は物的被害はあるものの、負傷が多数、氏者は0という大勝であった。

397: 2013/11/27(水) 16:58:04 ID:D4ygUxxo
数日後

ウォール教のクーデターによる混乱も次第に収まり、復興が進むに連れて壁内は徐々に活気を取り戻しつつあった。

ウォール教は壊滅し、王政への黒い繋がりも明るみに。
調査兵団や駐屯兵団による調査で上層部の人間が摘発され、事態は終結へ向かいつつある。

398: 2013/11/27(水) 17:18:44 ID:D4ygUxxo
モブリット「よっしゃ、全員揃ったみたいやな。
そろそろ行くで」

トーマス「やべっ、煙草持ったっけ…」

ミリウス「禁煙するんじゃなかったのか?」

トーマス「俺の分じゃねぇよ」

ミリウス「ああ…そういうことか」

アンカ「ミーナ、まだ回復してないんだから無理するんじゃないよ」

ミーナ「…無理してでも行きたいんです。
行かなきゃ寂しがると思うし…」

アンカ「…そうか。あんたが1番長い付き合いだったね」

モブリット「さて…会いに行ったろか。
ナックの所へな」

399: 2013/11/27(水) 17:24:25 ID:D4ygUxxo
巨大樹の森

トーマス「…よう。会いに来たぜ」

ミリウス「随分でかい墓だな…」

高くそびえる巨大樹には大きくこう刻まれていた。


最高の馬鹿野郎 ここに眠る


ーーーと。

400: 2013/11/27(水) 17:59:24 ID:D4ygUxxo
ミーナ「あれ?あそこになんかあるよ?」

モブリット「…酒、やな」

トーマス「…あいつ…めんどくせぇとか言ってたくせに…」

ミリウス「こっちにも何かあるぞ」

アンカ「…始末書だな」

ミーナ「トムって…鬼だね」

モブリット「かっかっか!
あいつららしいわ!」

401: 2013/11/27(水) 18:45:25 ID:D4ygUxxo
モブリット「ほなそろそろ戻るでー」

ミーナ「…はい」

アンカ「…巨人の気配がするな」

トーマス「…本当ですか?俺には何も……?
…いや、いますね」

モブリット「…せやな。
ぎょーさんおるわ。
ちと片付けてくるから、ミーナはここで待っとれや」

ミリウス「え?そんな気配はどこにも…」

トーマス「いいから行くぞ。おら」グイッ

ミリウス「???」

ミーナ「ちょっ、立体機動つけてないのに…」

モブリット「んなもんいらんわ。
留守番任せたで。
…ナックと2人でな」

ミーナ「…!」

402: 2013/11/27(水) 18:47:58 ID:D4ygUxxo
ミリウス「で、巨人はどこにいるんですか?」

トーマス「お前なぁ…空気のくせに空気読めないってどうなんだよ…」

モブリット「アホやな」
アンカ「馬鹿だな」

ミリウス「えええ…?」

403: 2013/11/27(水) 18:51:27 ID:D4ygUxxo
ミーナ「…ねぇナック。
私もっと強くなるから。
強くなってナックの記録抜くんだ。

そしたらさ…。
また、報告しに来るから。
…待っててね」



409: 2013/11/27(水) 19:22:38 ID:D4ygUxxo
ここまで読んでくれてありがとう。

変な伏線張っといて続編は考えてないけど、モブ達の訓練兵時代とか考えてたり。

序盤と比べるとノリもダズの性格もブレまくっていて、続編書いて後悔した…。

後日談とか嘘予告とか、今夜投下できたらしようと思うからよろしくね。

引用: サムエル「全員立体機動に移れッ!!」