44: 2009/08/01(土) 20:00:46.95 ID:FzBQO/ke0
「人気投票」

真紅「ねぇ、ジュン…次の人気投票はいつやるの?」

ジュン「いや、普通に考えればもうやらないことぐらいわかるだろ…」

真紅「な、なんですって?じゃあ私はずっと不人気と呼ばれ続けるというの!?」

ジュン「そういうことになるな」

真紅「くぅ…原作版の私ならこうはならなかったのに…」

ジュン「原作の真紅は本当にかわいいもんな…」

真紅「そうよ。逆に、原作の蒼星石とかは端にも棒にもかからないわよ」

蒼星石「おっと。言葉が過ぎるんじゃないか不人気」

真紅「でたわね、帽子ハサミ男…!」

蒼星石「勝ちは勝ち。それは価値のあるものだ」

蒼星石「僕は3位。君は4位。上位と下位で、明確な差があるよ」

蒼星石「原作とかアニメとかは関係ない。君は僕に負けたんだ」

真紅「ムキー!く、悔しい!」
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45: 2009/08/01(土) 20:03:55.30 ID:FzBQO/ke0
真紅「違うの!」

真紅「今は昔と情勢が違うの!今やれば私が一位に決まってるの!」

真紅「やるの!もう一回人気投票をやるの!ねぇジュン!やりましょうよ!」

ジュン「めんどい」

真紅「なああああ!」バタ

蒼星石「愚かな妹だ…」

ジュン「何でこんなにテンション高いんだよ…」

翠星石「ほいほいほいっと…おや、真紅!どうしたんですか!?」

ジュン「なああああと言って気絶したよ」

翠星石「じゅ、重病です!真紅!しっかりするですぅ!」ユサユサ

ジュン「優しい翠星石…お前とは大違いだな。お前、愚かな妹とか言ってたし」

蒼星石「くっ…」

ジュン「やはり、一位になるべくしてなっているというか…ちょっと格が違う感じがするよ」

蒼星石「…それは僕への当てつけかい?」

46: 2009/08/01(土) 20:06:20.06 ID:FzBQO/ke0
ジュン「そうだ。最近僕は思うんだが…」

ジュン「一位も取れないやつがアリスなんかになれるのかな、帽子あたりじゃ無理なんじゃないのかなって…」

蒼星石「…言ってくれるね。もうトサカに来たよ」

蒼星石「いいだろう。僕は逃げも隠れもしない。もう一回人気投票をやろう」

蒼星石「そして、真に人気があるのは誰なのかを決めようじゃないか!ねぇジュン君!」

ジュン「やだよ面倒くさい」

蒼星石「なああああ!」バタ

翠星石「そ、蒼星石まで!?」

ジュン「人が人形を言葉で頃す、目で頃す…よく言ったものだな」

翠星石「なにワケの分からんこと言ってるですか…」

ジュン「ときに翠星石、お前はもう一回人気投票やりたい?」

翠星石「人気投票?いえ、別にどっちでもいいですが…」

ジュン「おぉ…さすがに余裕だな。他のやつらとは大違いだ」

翠星石「他のやつら?大違い?」

47: 2009/08/01(土) 20:08:25.18 ID:FzBQO/ke0
水銀燈「やは」

ジュン「おう。今日もかわいいっちゃかわいいね」

水銀燈「ありがとう。…あら、この惨状は?」

ジュン「うん。僕がやった」

水銀燈「そうなの…」

翠星石「水銀燈…ちょっと聞きたいことがあるのですが」

水銀燈「何」

翠星石「おめーはもう一回人気投票やりたいですか?別にそこまででもないですよね?」

水銀燈「何言ってるの。やりたいに決まってるじゃない」

水銀燈「そしてもしもう一回やったら私の一位は揺るぎないわ。だって…」

水銀燈「私があなたをどさくさに紛れて暗頃するもの。このリボン緑頭巾娘が」

翠星石「…」

ジュン「水銀燈も思いっきり根に持ってるよな。アハハ」

水銀燈「あはは」

49: 2009/08/01(土) 20:17:25.85 ID:FzBQO/ke0
翠星石「(あれ…もしや私はすっごく妬まれている…?)」

水銀燈「あら?もしかして本当に人気投票やるの!?」

ジュン「いや、やらん」

水銀燈「なああああ!」バタ

ジュン「馬鹿どもが…チッ」

翠星石「ね、ねえジュン…」

ジュン「ん?」

翠星石「私って…みんなに恨まれてるんですか?」

ジュン「今更何を…皆この4年間、お前の寝首を掻くことばかり考えてたぞ」

ジュン「僕に言わせれば、なぜ今お前が五体満足でいるのかが不思議なほどだ」

翠星石「…」ダラダラ

ジュン「あれ?もしかして本当に気づいてなかったのか?」

翠星石「…はい」

ジュン「ありゃりゃ…」

54: 2009/08/01(土) 20:23:35.10 ID:FzBQO/ke0
翠星石「じゅ、ジュン…怖いですぅ…私はどうすれば…」ガタガタ

ジュン「方法は五つある。一つめは亡命すること」

ジュン「二つめはですです言う権利を他のやつに譲渡すること」

ジュン「三つめはひたすら他のやつらに土下座して謝ること。ただしこれは…」

ジュン「踏んづけられて唾を吐きかけられる可能性のほうが高いかもしれん」

翠星石「そんなのヤですぅ…」

ジュン「四つめはひたすら他のやつらに謝ること。ただしこれは…」

ジュン「張り倒されて踏んづけられて唾を吐きかけられる可能性のほうが高いかもしれん」

翠星石「そんなのヤですぅ…」

ジュン「そして五つめ…それは…もう一度人気投票をすることだ!!」

翠星石「!!」

ジュン「そこでぐうの音も出ないほどにやつらを叩きのめすか、もしくは…」

ジュン「…逆にお前が大敗を喫するか。それでしかやつらは納得しないだろう」

翠星石「…」

58: 2009/08/01(土) 20:28:58.93 ID:FzBQO/ke0
ジュン「あっ、でもそうすると水銀燈が暗頃しに来るのか…」

翠星石「…いえ、やりましょう。もう一回人気投票を!」

ジュン「え~、やるの~?」

翠星石「だってこのままじゃ私は不眠症になっちまいますし…」

ジュン「お前はふらふらしてるぐらいがかわいい」

翠星石「な、なにを…じゃなくて!」

翠星石「それ以上に、姉妹が人気投票の結果に異議を唱えるというのなら…」

翠星石「私は人気投票一位とツンデレオブザイヤー2005の名に懸けて、それを叩き潰さねばならんのです」

ジュン「おぉ。かっこいい…」

翠星石「それが女王たる私の責務。反逆者は、粉砕するだけ」

翠星石「無駄な争いは避けたかったのですが…あんなに根に持っているのなら仕方ないです」

ジュン「じゃあ、一位の名において第二回人気投票を開催すると言うんだな?」

翠星石「はい…」

ジュン「よし…第二回人気投票、開催!!」

61: 2009/08/01(土) 20:33:38.95 ID:FzBQO/ke0
選挙対策に各地を走り回るドールズ。
しかし外には出られないので、家の中を走り回るだけだった。

真紅「清き一票を真紅ちゃんに!」

蒼星石「うわっ…真紅ちゃんとか言ってるよ…」

真紅「むきー!頃すわ!」

蒼星石「なんだやんのかコラ!」

ジュン「いいねえ…殺伐としてきた」

ジュン「僕はこういう意味のないいざこざが大好きなのさ」

翠星石「うーん…」

ジュン「だって、適度にごちゃごちゃしてる方が面白いじゃないか」

ジュン「それにあいつら本当に意味のないことで争ってるから、本当には傷つかないんだよ」

ジュン「優しい争いは楽しいし面白い。いいじゃないですか」

翠星石「いえ、やっぱり変ですよそれ…」

金糸雀「カナがやりまーす!」ピヨ

雛苺「ヒナもやります頑張ります!」

63: 2009/08/01(土) 20:37:26.53 ID:FzBQO/ke0
水銀燈「銀です!よろしくお願いします!」

翠星石「…」ビクビク

水銀燈「…今は殺さないでいてあげる。イメージダウンになるからね」

ジュン「やるなら今やんないと意味なくないか」

翠星石「私に勝てないからって…」

水銀燈「うるさい!私より胸小さいくせに!」

翠星石「…はぁ?そんなもの関係ないじゃない」カチン

ジュン「あっ!珍しいものが見れそうな予感!みんな、こっち来い!」

一同「なになに!?」

ジュン「おっOい女子のバトルだ!」

ジュン「おっOいがあるのこいつらだけだから、貴重だぞ!」

一同「…はぁ?」カチン

翠星石「大体、ほとんど大差ないじゃないですか。おめーと私の胸なんて」

水銀燈「バカね。そのちょっとの差が大きいのよ」

64: 2009/08/01(土) 20:42:58.07 ID:FzBQO/ke0
ジュン「頑張れ!不毛な争いだぞ!」

一同「うるせーぞお前」ゲシゲシ

翠星石「その差がどれほど得票に関係あるというのですかね?」

水銀燈「うーん、あなたを負かすぐらいには関係あるんじゃないかしら」

翠星石「じゃあ何でこの前の人気投票は私が勝ったのかなあ…?」

水銀燈「…たまたまよ。たまたま」

翠星石「たまたま、ですか。胸に栄養分とられて頭が回らないからそんなこと言うんでしょうね」

水銀燈「何ですってぇ…」

翠星石「何ですってぇですってぇ」クイクイ

水銀燈「…気が変わったわ。今!今あなたをボコる!」

翠星石「いいでしょう。やれるもんならやってみなさいよ」

ジュン「翠星石のこういう言葉遣いはいいな…」ドキドキ

勝負は一瞬。だった。
水銀燈win。

66: 2009/08/01(土) 20:48:06.50 ID:FzBQO/ke0
翠星石「ふぇぇぇん…」

水銀燈「ふん、雑魚ね。弱い女…よ、弱い女?」

ジュン「大丈夫か翠星石…」ナデナデ

翠星石「怖かったですぅ…痛かったですぅ…」グスグス

ジュン「おぉ…」

翠星石「ジュン~…」

ジュン「あぁ!かわいいなほんとに!」ダキ

翠星石「…」ニヤリ

水銀燈「しまった…ベタ!ベタすぎる!そんなの時代遅れの手じゃない!」

翠星石「(その時代遅れの手すら出来ないくせに)」ニヤニヤ

水銀燈「くぅぅ…」

翠星石「(できる?できないんでしょ?この腰抜け姉ちゃん)」ニヤニヤ

水銀燈「…いいじゃない。やってやるわよ!」

一同「おぉ~!?」ドヨドヨ

67: 2009/08/01(土) 20:52:32.89 ID:FzBQO/ke0
ジュン「なんか僕の前でくねくねして気絶したな…」

真紅「あの子なりのデレ?だったのよ。察してあげて…」

蒼星石「頑張ったよね…相当恥ずかしかったんだろうに…」

翠星石「おばかですぅ」ニコ

金糸雀「党員のみんな!投票日には絶対来てね!」

党員「あ、はい」

雛苺「苺族のみんな!投票日には絶対来てね!」

ジュン「そんなんいたっけ?苺族?」

雛苺「…」ウル

巴「大丈夫。私がいるわ」

雛苺「と、…?」

巴「…トモエ」

雛苺「トモエ!何か策はあるの!?」

巴「私は剣士よ。暴力沙汰ならお手の物」

ジュン「うーん…?」

69: 2009/08/01(土) 20:55:01.88 ID:FzBQO/ke0
ジュン「開票は順調に進んでるな」

翠星石「はい。今のところ、雛苺が約五十票でトップです…」

ジュン「ほう、雛苺が…」

翠星石「それで、あのう…」ビクビク

ジュン「あぁ。水銀燈なら僕が抑え込んでおいた」

翠星石「あ、ありがとうです!!…でも、どうやって?」

ジュン「ほら。あそこにいるぞ」

翠星石「あぁ…あんな単純な罠に引っ掛かって…ほとんどネズミ捕りじゃないですか…」

ジュン「まぁ、アホの子だよね」

翠星石「水銀燈~…」トテトテ

水銀燈「…何よ」

翠星石「ばーか!」ニコ

水銀燈「なっ…ちょっと眼鏡!さっさと罠を外しなさいよ!あの子をとっちめてやるんだから!」

ジュン「イヤですぅ」

70: 2009/08/01(土) 20:57:40.73 ID:FzBQO/ke0
結果発表

一位 翠星石…約二百五十万票

二位 金糸雀…約百一票

三位 雛苺 …約五十一票

以下、泡沫候補は省略(真紅に一票は確認)

翠星石「どんなもんだい!です!」

ジュン「だってお前かわいいもんな…ほれ、抱っこしてやるよ」

翠星石「わーい!ありがとうです!」ポス

真紅「え?何これどういうこと?」

水銀燈「お、おかしいわよぉ…水銀党はなにをしていたの!?」

寝てた。

蒼星石「蒼星会は!?」

最近ガサ入れがあって身動きが取れなくなっていた。

真紅「真紅大隊は!?」

もう滅んだ。

71: 2009/08/01(土) 20:58:58.97 ID:FzBQO/ke0
金糸雀「やったー!悲願達成かしらー!」piyo

捲土重来をはかっていたピチカー党員は、投票日にもちゃんと投票に行った。

雛苺「やったのー!」

巴のお手柄である。一晩で五十人も脅迫したのだ。

ジュン「…と、いうわけだ。お前ら、もういいな?」

真紅「えぇ。いやよ」

水銀燈「よくないわぁ」

蒼星石「誰得だよ」

ジュン「よし。それじゃあ翠星石!」

翠星石「はい。えーっと…」

翠星石「第一話、完!ですぅ!」

~完~

引用: 金糸雀「ぴよ」