1: 2012/04/03(火) 01:36:55.43 ID:cSI0Ys+p0
妹「んー兄上大好きー!」スリスリスリスリ

兄「まったく……いつまでたっても甘えん坊だな」

兄「そんなに体を擦りつけるんじゃない。お嫁に行けなくなるぞ」

妹「兄上の妻になるからいーんですー」スリスリ

兄「せめて胸を擦るのはやめてくれないか」

妹「いやですー」

兄「そんなに俺に触って欲しいのか?」

妹「うん!」

兄「こらこら……」
魔法の高み

3: 2012/04/03(火) 01:38:26.57 ID:cSI0Ys+p0
妹「王のお仕事は大変ですか?」

兄「ああ……議会でも反対されることが多くてな」

兄「なに、近い内に信頼を勝ち取って見せるさ」

妹「まだこんなに若いのに王になることになってしまって……」

妹「私、お仕事のお手伝いは出来ませんけど」

妹「私生活では兄上を癒してさしあげますから!」

兄「ああ……俺は妹が支えてくれるから頑張れるんだ」

兄「これからも頼むよ」

妹「はい! すりすりすりすりーぃ」スリスリスリスリ

兄「体は擦りつけなくて良いぞ」

妹「だってすりすりしたいんですもの」

4: 2012/04/03(火) 01:39:39.58 ID:cSI0Ys+p0
食事

妹「はい兄上、あーん」

兄「…………」

妹「あーん!」

兄「こら……恋人同士じゃないんだから。はしたないぞ」

妹「なら恋人になれば良いではありませんか!」

兄「駄目だ」

妹「んもう。お堅いんだから。ほら、あーん!」

兄「わかったわかった。あーん」パクッ

妹「うふふ!」

6: 2012/04/03(火) 01:42:05.17 ID:cSI0Ys+p0
妹「ねえ兄上、どうして私達は付き合ってはならないのですか?」

妹「私はこんなに兄上が好きなのに」

兄「お前はまだ狭い世界しか知らない」

兄「俺を選ぶにしても、もっと多くを学んでからにすべきだ」

兄「以前からそう言っているだろう?」

妹「兄上のケチー」

執事「兄様、そろそろ会議のお時間です」

兄「そうか。なら妹、行ってくるよ」

妹「はーい。いってらっしゃいませ、兄上」

7: 2012/04/03(火) 01:46:21.16 ID:cSI0Ys+p0
兄「両親がいないからと甘やかし過ぎてしまったよ」

執事「しかし、妹様はしっかりなさっておられます」

執事「成績も非常に優秀であらせられるでしょう」

兄「でもまだまだ甘えん坊だ」

兄「これから、出来る限り妹の傍にいてやってくれないか」

兄「俺がいついなくなっても良いように」

執事「兄様……」

兄「自分の立場くらい理解している」

兄「俺はいつ暗殺されてもおかしくない」

兄「俺がいなくなったら、妹はどうなってしまうかわからないんだ」

兄「頼む」

執事「は……」

8: 2012/04/03(火) 01:48:07.84 ID:cSI0Ys+p0
妹「お帰りなさいませ兄上ー!」

兄「ああ、ただいま。勉強はもう済んだのかい」

妹「予定より早く進んだので、今日はもう自由にして良いと家庭教師に言われました」

兄「そうか。頑張ったんだな」ナデナデ

妹「えへへー!」

妹「兄上だぁい好き」ギュウウ

兄「ああ、俺も大好きだよ」

妹「本当ですか!?」

兄「兄妹として、な」

妹「まあそうですよねー」

9: 2012/04/03(火) 01:53:11.06 ID:cSI0Ys+p0
妹「今日も大変だったでしょう?」

兄「大きな組織をまとめるなんてそんな物だ」

兄「苦労は覚悟の上でやっている仕事だからな」

妹「叔父上が病氏されたために…………」

妹「ああ、父上さえ生きていらっしゃれば……」

兄「良いんだよ。そんなことより、早く改革を進めないと」

兄「議会は叔父上のやり方に染まっているけれど、そのままでは駄目なんだ」

兄「国の上層部のみが得をし、下層部が損をしてしまう制度だからね」

妹「その通りでございます!」

兄「段々と賛成派も増えてきてくれているんだ。きっとこの国を変えられる」

妹「さ、一緒にお風呂に入りましょう!」

兄「もう大きいんだから……」

10: 2012/04/03(火) 01:54:05.66 ID:cSI0Ys+p0
妹「うふふ、兄上ー」

兄「せめてタオルで前を隠してくれないか」

妹「別に良いではありませんか。兄妹でしょう」

兄「こら……」

妹「すーりすりー!」ヌチャヌチャ

兄「こ、こら! 今は裸なのだから」

兄(背中に胸が……)

妹「私を女として見ていないというのに何を仰るのです」

兄「だ、駄目だ!」

妹「えー……」

兄「………………」

妹(……あれ? 何か硬くなってる……?)

11: 2012/04/03(火) 02:01:47.18 ID:cSI0Ys+p0
妹「ん?」サワサワ

兄「ちょ、触ったら駄目だって!」

妹「この硬い物は一体なんですか?」ニギニギ

兄「……ああもう! 放してくれ!」バッ

妹「あっ……ごめんなさい」

兄(妹が後ろにいて良かった……見られはしなかった)

妹(あれは何だったのでしょう)

兄「も、もう俺上がるからな!」ガラッ

妹「兄上…………」シュン

13: 2012/04/03(火) 02:04:25.24 ID:cSI0Ys+p0
…………
……

兄「ふふ……」

妹「兄上? 嬉しそうですね」

兄「今日の演説で大分味方が増えたんだ」

妹「本当ですか!? 良かったですね!」

兄「少しずつ制度を変える準備が整ってきた」

兄「この国はきっと平和になる」

妹「ふふふ。今日、厨房に行って料理をしてきたんです」

兄「妹が?」

妹「御夕食、美味しくできていると良いのですが」

兄「美味しいよ。ありがとう、妹」

妹「えへへ。良かったです」

15: 2012/04/03(火) 02:10:13.61 ID:cSI0Ys+p0
兄「……ありがとう。俺は、妹がこうやって支えてくれるからここまでやってこれた」

妹「これからも、ずっと、ずぅっっっと一緒です、兄上!」

兄「……ああ、ずっと一緒だ」ナデナデ

妹「あにうえぇ」ギュウウウ

兄「さあ、もう寝なさい」

妹「はーい」グイッ

兄「……妹、手を放して」

妹「一緒に寝ましょうよ」

兄「後で妹の部屋に行くから、待っていて」

妹「はーい」タタッ

16: 2012/04/03(火) 02:11:21.21 ID:cSI0Ys+p0
執事「……兄様」

兄「暗殺者の数は」

執事「以前よりは減りましたが……」

兄「そうか。まったく、毎晩送りつけてくるなんて本当に迷惑だ」

兄「こういうものだとは理解しているが、命を狙われるのは良い気分ではない」

執事「真に彼等を差し向けた者を処罰しなくてよろしいのですか」

兄「ああ。特定だけしてくれれば良い」

兄「味方についている振りをしている可能性のある者もいるからね」

兄「だが、きっと彼等も説得してみせる」

兄「貴族や政治家だけが得をしていては駄目なんだ」

執事「ええ」

兄「絶対に暗殺者を此処に近づけるな」

兄「妹だけは守る」

執事「了解しました」

17: 2012/04/03(火) 02:16:25.57 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄上、遅いー」

兄「すまないね。執事と大人の話をしていたんだ」

妹「え……執事さんといやらしい会話を!?///」

兄「そっちじゃないよ」

妹「そうですかぁ」

妹「……ふふ、兄上ぎゅー」

兄「よしよし」ナデナデ

妹「……兄上に、恋人はいらっしゃらないのですか」

兄「いないよ。妹が嫉妬するだろう?」

妹「安心しました」

兄「妹がもっと大人になってからだね」

妹「私を兄上の恋人にするのがですか?」

兄「違うよ。妹じゃない、他の女の人の恋人になるのが」

妹「……ですよねー」ギュウ

18: 2012/04/03(火) 02:18:57.09 ID:cSI0Ys+p0
妹「あに……うえ……」スー

兄「妹…………愛しているよ」ナデ

兄「でも、俺はきっと長生きできない」

兄「俺が氏んだら、君が俺の……俺と父上、母上の遺志を継いでくれたら良いな」

妹「…………」スースー

兄「妹…………」ギュウ

兄「…………おやすみ」

19: 2012/04/03(火) 02:20:10.08 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄上ー! ちゅ! ちゅう! ちゅっちゅちゅっちゅ!」

兄「……いもう……うおわぁああああ!?」

兄「首筋や胸にキスするなんていつ覚えたんだい!?」

妹「覚える? 兄上が起きないのでなんとなくやっていただけです」

兄「そ、そうか……」

妹「兄上にちゅーちゅーしてると唇が気持ち良いんです」

兄「も、もうやったら駄目だからな」

妹「え? 何故ですか?」

兄「駄目なものは駄目なんだ!」

妹「気持ち悪かったですか? ならば兄上、私にも同じ事をして下さい」

20: 2012/04/03(火) 02:22:14.68 ID:cSI0Ys+p0
妹「それならおあいこでしょう」

兄「!? もう朝の支度をしに行くからな!」ダダッ バタン

妹「兄上ぇ……」

妹(どうして怒られたのかな……)



妹「兄上……先程は申し訳ございませんでした」シュン

兄「い、いや……」

妹「今度からはちゃんとした起こし方をしますので、どうかお許しください……」シューン

兄「い、良いんだ。朝食を取ろうか」

妹「はい!」

妹(もう怒ってない……のかな……)

兄(油断していたら妹を襲ってしまう……)

21: 2012/04/03(火) 02:25:59.06 ID:cSI0Ys+p0
兄「じゃあ行ってくるからな」

妹「はい、いってらっしゃいませ」

バタン

妹(兄上が王として政を行っている間は家庭教師と勉強)

妹(大変だけれど、兄上を支えるためにしっかりしないと)

妹(でも、寂しい……)ショボーン


侵入者「……姫様。我らと共に来ていただきます」

妹「な、何者ですか!?」


人いないな めげないけど

24: 2012/04/03(火) 02:30:19.33 ID:cSI0Ys+p0
侵入者「さあ」ジャキッ

妹「ひっ!」

執事「させません!」ガッ

侵入者「ぐっ……」バタン

妹「し、執事さん……」

執事「……危ない所でした」

妹「この者は一体……」

執事「貴女様を人質とし、兄様に何らかの要求をする算段だったのでしょう」

25: 2012/04/03(火) 02:31:27.24 ID:cSI0Ys+p0
執事「この頃は暗殺者は減っていたのですが……」

妹「暗殺者……? 暗殺者って……」

執事「心配されては良くないと思い、黙っていたのですが」

執事「毎晩のように暗殺者が差し向けられていたのです」

妹「毎晩……」

執事「兄様がやっておられる事は非常に危険な事なのです」

妹「……反感を抱いている者は多いでしょうね」

執事「自分達の利益が減るわけですからね……」

執事「ご安心を。貴女様と兄様はこのわたくしめが必ずお護りいたします」

妹「…………」

26: 2012/04/03(火) 02:32:32.29 ID:cSI0Ys+p0
兄「妹を人質に……そうか」

執事「妹様の私室まで侵入させてしまったのはわたくしのミスです。申し訳ございません」

兄「今後は四六時中妹の傍で護ってやってくれ」

執事「はっ」

兄「……それと、敵国からの刺客の事だが」

執事「ええ……現在こちらに向かっているとの報告があります」

兄「……そうか」

執事「相当な強者が十名ほどだそうです」

執事「早急に対処すべきだと判断し部下を送ったのですが、皆殺されてしまいました」

兄「………………そうか」

28: 2012/04/03(火) 02:34:10.39 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄上ー!」

兄「妹、大丈夫だったか?」

妹「兄上こそ、常に暗殺者に狙われているだなんて怖くないのですか?」

兄「王なんてこんなものだし、じきにほとんどいなくなるさ」

妹「うっ……うぅっ……」ギュウ

兄「お前も狙われやすい立場にいるのだから、気をつけるんだぞ」

妹「大丈夫です……私、これでもけっこう……戦えますから……」

兄「そうか」ポンポン

31: 2012/04/03(火) 02:34:46.77 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄上、氏なないでくださいね」ギュゥゥウウ

兄「……妹を残して氏んだりなんてしないさ」ナデナデ

兄(国内の暗殺者はともかく、敵国からの抹殺部隊はかなり強力)

兄(この城へ辿り着かれる前に殲滅できれば良いのだが……)

兄(……いや、殲滅よりも、敵対関係の緩和に力を入れた方が良い)

兄(どうか間に合ってくれ…………)

妹「兄上……私、兄上が心配で心配でなりません」

妹「どうかずっと隣に置いてください……」グスッ

兄「……ああ。わかったよ」ナデナデ

兄(こうやってさらに甘えさせ、妹が強くなる機会を奪っている)

兄(……悪い兄だな)

32: 2012/04/03(火) 02:35:27.94 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄上……兄上……大好き」

兄(妹……本当は后にしたい)

兄(だが、これ以上距離を近くしては、俺を失った時妹は壊れてしまうだろう)

兄(それに、妹はもっと多くを知ってから判断すべきなんだ)

兄「なあ、妹……」

妹「兄上、今日も一緒に寝てください」

兄「……そうだな。今日は怖かったもんな」

兄(一人で寝させるのは……無理か)

34: 2012/04/03(火) 02:38:15.81 ID:cSI0Ys+p0
妹「ぐすっ……兄上……」

兄「よしよし……」

兄(妹の潜在魔力は考えられないほど大きいが、父上と母上により)

兄(余程の事が起きない限り目覚めないよう封じられている)

兄(その力が目覚めるような事にならなければ良いのだが……)

妹「兄上……」ソソソ

兄「俺の筋肉の筋をなぞるのはやめてくれるかい。くすぐったいぞ」

妹「じゃあ撫でます」

兄「おいおい……」

兄(くそっ可愛いな……)

妹「ん……」ツンツン

兄「うっ……乳Oをツンツンするのもやめてくれ」

妹「じゃあおへそを……」

兄「やめてくれ」

35: 2012/04/03(火) 02:38:49.88 ID:cSI0Ys+p0
兄(そんな事をされたらこっちから襲いたくなってしまう)

妹「何かしていないと落ち着きません」

兄「じっとしていればきっとすぐに眠れるさ」

妹「うう…………」

兄「……よしよし」ナデナデ

妹「兄上……」スリスリ

兄「明日起きれなくなったら困るだろう?」

兄「……暗殺者なら執事が片付けてくれるから」

妹「…………はい」

37: 2012/04/03(火) 02:39:27.04 ID:cSI0Ys+p0
…………
……

妹「兄上、お怪我をなされたとは本当ですか!?」

兄「大丈夫、もう魔法で治したから」

妹「……将軍の一人が裏切ったと聞きました」

兄「ああ……叔父上の右腕だった南の将軍だ」

兄「仕方ないさ。戦好きで、叔父上の心酔していた者だから」

妹「っ……あに、うえぇっ…………」ブワッ

兄「大丈夫だよ。部下に殺されたりなんてしない」

兄「今の地位は強さが認められないと就けない事は知っているだろう?」

妹「でも、でもっ……」

38: 2012/04/03(火) 02:41:00.72 ID:cSI0Ys+p0
兄「大丈夫……大丈夫だよ」ナデナデ

妹「兄上っ…………」

兄「……………………」

兄(……一瞬だけ氏ぬかと思った)

兄(覚悟をしているとはいえ、妹を残して氏ぬのは流石に怖い)

妹「あに……う、え……えぐっ……」

兄「そんなに泣かなくても大丈夫だから」

妹「……………………兄上、キスして」

兄「い、妹!?」

41: 2012/04/03(火) 02:44:12.97 ID:cSI0Ys+p0
兄「そ、そんな」

妹「兄上と少しでも強くつながっていたいのです」

兄「つ、つながっ…………」

妹「兄上…………」

兄「…………っ!」ドクッ

妹「あに、うえ…………」

兄「駄目なんだっ!」ダッ

妹「兄上!」

42: 2012/04/03(火) 02:46:27.21 ID:cSI0Ys+p0
妹(最近、兄上に避けられることが多い……)

妹(兄上は、本当は私のことがお嫌いなのでしょうか)クスン



兄「…………」

執事「本当にこのままでよろしいのですか」

兄「執事……」

執事「妹様、酷く泣いていらっしゃいましたよ」

兄「だが…………」

執事「妹様は幼いながら、兄様を心の底から愛していらっしゃいます」

執事「貴方も、妹様のことを一人の女性として愛していらっしゃる」

執事「愛し合っても、罪ではないでしょう」

執事「敵国と違い、近親婚が禁止されているわけでもないのですから」

兄「…………」


>>37
×叔父上の ○叔父上に

43: 2012/04/03(火) 02:48:53.61 ID:cSI0Ys+p0
兄「…………妹」

妹「……兄上、申し訳、ござ……い、ません……でした」エグッ

兄「……いや」

妹「このような愚妹で、真に苦労してらっしゃるでしょう」

妹「もう……私のことは嫌いですか……?」

兄「そんなこと…………あるわけないだろう!!」

妹「っ!」ビクッ

45: 2012/04/03(火) 02:49:20.72 ID:cSI0Ys+p0
兄「愛しているから、一歩間違えばお前を傷付けてしまう……」

兄「だから、俺は自分の気持ちに素直に行動してはならないと……そう思っていた」

妹「兄上……」

兄「だが、拒絶した方が、お前を傷付けてしまうのだな……」

妹「では、兄上……」

兄「俺は、お前を愛している。異性として」

妹「…………あにうえぇ!」ギュッ

46: 2012/04/03(火) 02:50:11.02 ID:cSI0Ys+p0
兄(……俺は必ずしも早氏にすると決まったわけではない)

兄(このまま……妹と愛し合いたい)

兄「……キス、しても良いか」

妹「はい、喜んで……!」

兄「…………」

妹「ん…………」

49: 2012/04/03(火) 02:52:47.07 ID:cSI0Ys+p0
兄「……………………」クチュ

妹「んっんぅ!? んー!」

兄「……ごめん、大人のキスは知らなかったか」

妹「兄上の舌が、私の口の中に…………」

妹「なんだか……すごく甘かったです」

兄「…………」ドクッ ドクッ

兄(やばい……衝動が)

妹「……兄上? どうかされましたか?」

兄「妹……すまないっ」

50: 2012/04/03(火) 02:54:01.01 ID:cSI0Ys+p0
…………
……

妹「ふふふ」~♪

メイド「近頃の姫様は、なんだか幸せそうね」

召使「ええ。良い事でもあったのでしょう」

妹「ねえ、厨房をお借りしてよろしいでしょうか?」

メイド「ええ、もちろんでございます」

妹「ふふっ兄上にお菓子でも焼こうと思って」

妹(兄上……喜んで下さったら嬉しいな)

52: 2012/04/03(火) 02:55:23.96 ID:cSI0Ys+p0
…………
……

兄「だから話を聞けっ!」キィン

「お前等の所為で! お前等の所為で……!」ガガッ

兄「聞く耳を持て!」ギギギ

「結局先代から何も変わっていないじゃないか!」ガキィンッ

兄「くっ…………」

54: 2012/04/03(火) 02:57:16.84 ID:cSI0Ys+p0
兵士A「大変だー!」

兵士B「避難しろーっ!」

兵士C「上級兵は迎え撃てー!」

妹「……騒がしいですね。一体何が……」

兵士D「閣下!」

執事「……何だと」

妹「執事……?」

執事「……妹様、落ち着いて話をお聞きになってください」

妹「…………?」

執事「……敵国の抹殺部隊に、攻め込まれました」

56: 2012/04/03(火) 02:58:34.81 ID:cSI0Ys+p0
妹「では、兄上は……」

執事「直ちに避難を」

妹「兄上っ!」ダッ

執事「妹様、行ってはなりません! 妹様!」



妹「兄上っ!」


兄「ぐっ……」ドサッ


妹「あに……うえ…………?」


「……やった! ついに倒したぞ!」

「やりましたね!」

「これで平和が戻る……!」





勇者「魔王を倒したんだ!」

61: 2012/04/03(火) 03:01:14.00 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄……上……」フラフラ

勇者「……君は?」

妹「兄上…………」

兄「妹…………最期に会えて、良かっ…………た…………」

妹「兄上…………兄上…………?」

勇者「君は……魔王の妹!?」

妹「兄上、目をお開けください、兄上!」

兄「…………」

妹「焼き菓子を作ったんです。食べてください!」

兄「……………………」

妹「兄上……そんな…………」

63: 2012/04/03(火) 03:02:14.61 ID:cSI0Ys+p0
妹「……どうして兄上を頃したの」

勇者「どうしてって……魔族が人間を襲うから……」

妹「兄上は優しい魔王様だったんだよ……?」

妹「奴隷をなくして、平民も裕福な生活を送れるようにするために、ずっと頑張ってきたんだよ……?」

妹「人間との争いを止めるために、何回も何回も魔貴族達を説得して、」

妹「やっと準備が整ったところだったのに……!」

勇者「う、嘘だ! だって……代替わりしたって……」

妹「まだ兄上が魔王になってから、二か月しか経ってないんだよ……?」

妹「どうしてもう少し待ってくれなかったの……?」

64: 2012/04/03(火) 03:02:46.23 ID:cSI0Ys+p0
勇者「な、なあ賢者、今の魔王も悪い奴なんだよな? そうだよな!?」

賢者「……その小娘の言葉に耳を傾けるな」

妹「君……確か、南の将軍の息子……」

妹「そっか……魔族の暗殺者じゃ殺せなかったから、人間を利用したんだ……」

妹「たった一人で戦った兄上を、こんな大勢で……」

魔法使い「そういえば、魔王、何か言おうとしていたわね……」

勇者「その子の言ってること……本当なのか?」

67: 2012/04/03(火) 03:04:29.08 ID:cSI0Ys+p0
妹「……許さない」ボワッ

僧侶「ひっ」

魔法使い「何? あの子の纏っている魔気の大きさ……!」

妹「お前等……皆頃しだ」

…………
……

妹「ふふ……皆弱ってきたね」

妹「一人ずつ、息の根を止めようか」



執事「お待ちください!」

68: 2012/04/03(火) 03:05:48.89 ID:cSI0Ys+p0
妹「執事さん……邪魔しないで」

執事「……どうか、怒りと悲しみをお沈めください」

執事「……人間の抹殺部隊は、魔王の代替わりによって待機する予定だったと情報が入りました」

執事「彼等を突き動かしたのは、魔族である賢者です」

執事「彼は、こちらで裁きます」

妹「でも、こいつらは!」

執事「貴女様が誰かを殺めれば、兄様は悲しまれるでしょう」

69: 2012/04/03(火) 03:07:02.35 ID:cSI0Ys+p0
妹「兄上が…………」

勇者「助かった……のか……?」

賢者「くっ……」

執事「……そして、これを」

妹「これは……?」

執事「……超古代魔術の書です」

執事「この書を解読する事が出来れば、氏者を蘇生する事も可能なのです」

妹「兄上は……助かるのですか……?」

執事「解読できたとしても、相当の魔力を消費しますが……」

執事「今の妹様の魔力ならば不可能ではないでしょう」

72: 2012/04/03(火) 03:08:19.87 ID:cSI0Ys+p0
執事「ですから、兄様を蘇生できるその日まで、どうか兄様の遺志を継ぎ」

執事「平和に向けて、国をお治め下さい」




……兄上

あれから大分時間が経ってしまいました。

兄上ほど上手く政を行う事は出来ないけれど、なんとか乗り越えています。

貴方がいなくなってから、私は多くを学び、多くを知りました。

でも、貴方以外の男性に愛を覚えたことは一度もありません。


いつか書の解読を終え、再び貴方に相見える時を信じています。




「いも……うと……?」

「兄上!」


73: 2012/04/03(火) 03:08:47.63 ID:8MKSg5hG0
おつ

74: 2012/04/03(火) 03:08:58.96 ID:cSI0Ys+p0
最初はバッドエンドにしようと思っていた。
別ルートで
数ヶ月前に妹が兄にフラれて家出

勇者と一緒に旅

勇者に惚れられるけど最終的に兄とラブラブハッピーエンド
を考えていたけど長くなりそうで書く気力がない。

83: 2012/04/03(火) 03:23:16.87 ID:cSI0Ys+p0
執事「一生互いを愛し合うと誓いますか」

兄「誓います」

妹「誓います」


勇者「妹さん……可愛いな……」

魔使「何言ってんのよあんた」


妹「王位は兄上に返却します」

妹「魔族の王には貴方こそふさわしい」

兄「お前もこれまでよくやって来ていたじゃないか」

妹「貴方が土台を築いてくれていたからです」

84: 2012/04/03(火) 03:24:43.83 ID:cSI0Ys+p0
妹「では王冠を……」

兄「……ああ」

妹「兄上……愛しています」

兄「ああ、愛しているよ、妹」

今度こそ終わる

88: 2012/04/03(火) 03:32:10.19 ID:cSI0Ys+p0
敵国と違って近親婚が認められているのは
兄妹でも固有の遺伝子を持って生まれてくることが多いため
っていうのを入れ忘れた

引用: 姫妹「兄上ー! すりすりすりすりぃ」