1: 2012/05/22(火) 01:11:59.57 ID:jXOqGEFV0
勇者「やっぱり長旅になるからなー」

勇者「そもそもついて来てくれるか、だよなぁ」

勇者「酒場は……こっちか」

勇者「こーんにーちはー」ギィ

5: 2012/05/22(火) 01:15:11.53 ID:jXOqGEFV0
主人「勇者ちゃん! ……うう、私は淋しいよ。今日旅立ちだもんね」

勇者「えっへへ~そうそう」

主人「気をつけてね? 絶対に無事に帰ってきてね?」グスン

勇者「ご心配なく! とは流石に言えないな~。まあ、そんな訳なので仲間を探しに来たんだよ」

主人「ここにいるのは皆、勇者ちゃんに同行したくて各地から集まっている人達よ」

勇者「へ~よりどりみどりですなぁ」

6: 2012/05/22(火) 01:18:08.97 ID:jXOqGEFV0
(勇者って女?!)
(女だ! やべぇ可愛い!)
(俺だ! 俺を選べ!)
(連れてけ! 俺を! あわよくば二人旅!)

主人「す、凄い気迫っ」

勇者「まー邪なオーラが丸見えだから選びませんけどね」

(なんだとっ!)
(馬鹿な!)
(俺は健全! 俺は健全!)

主人「まーただ漏れ」

8: 2012/05/22(火) 01:21:05.93 ID:jXOqGEFV0
勇者「うーん……おっ」キョロキョロ

勇者「君、回復魔法使えるのかな?」

僧侶「は、はい! 僧侶と申します! まだまだ未熟ですが精一杯頑張ります!」

勇者(うーん、ちょっと頼りなさそうだけど、一生懸命な性格が凄いにじみ出ているなぁ)

勇者「この旅は遊びじゃないし、ましてや氏と隣り合わせだけども……覚悟はある?」

僧侶「はい! 正直に言えば怖いです……が、全力で立ち向かって行きたいと思います!」

勇者「うん、よろしい! それじゃあよろしくね、僧侶君」

9: 2012/05/22(火) 01:24:13.21 ID:jXOqGEFV0
勇者「君君、剣士か何かかな?」

戦士「俺は傭兵をやっている戦士だ」

勇者「雇うお金なんてないよ?」

戦士「いや、あんたについて行けば旨い汁が啜れそうだからな」

戦士「体張るのはいつもの事だ。それでいつも以上に稼げるなんて良い話じゃないか」

勇者「ふーん……」

勇者(別に打倒魔王に燃えている訳じゃないのか)

勇者(自分から積極的にアプローチをしてこなかったのは、同行できなくても十分やってはいける)

勇者(それだけの結果と自信があるって事かな?)

勇者「私は本気で魔王討伐を考えているんだけど、生半可な気持ちだったりするのかな?」

戦士「行くならとことん地獄まで。同行させてくれるってなら、何処までだってついて行くぜ」ニヤ

勇者「なるほどっ。うん、それじゃあ戦士君、よろしくお願いっ」

10: 2012/05/22(火) 01:27:14.04 ID:jXOqGEFV0
勇者「あと一人はー」キョロキョロ

勇者「……? 君、どういった事が得意なのかな?」

盗賊「俺は盗賊だ。盗みから鍵開け……まあ後は暗殺とかだな」

勇者「隠密かぁ」

盗賊「そういう事だ。ま、正義を掲げる勇者様の御眼鏡適うとは思っちゃあいないさ」

勇者「ふーん。じゃあ盗賊君。これから長旅になるけどよろしくね」

盗賊「……は? おいおい聞いていたのか? 俺は盗賊だぞ?」

勇者「気に入った、じゃ駄目かな?」

盗賊「な……本当に俺でいいのか? 俺なんかを必要として良いのか?」

勇者「うん、君だからいいんだっ」ニコ

盗賊「……お、おう、よろしくな」

12: 2012/05/22(火) 01:30:13.59 ID:jXOqGEFV0
勇者「とりゃああ!」ズバン

戦士「よっと」シュバ

盗賊「なんだ……結構強いんだな」

僧侶「なんか……僕とか要らなさそう」

勇者「まー子供の頃から剣を習っていたからねー」

戦士「今は良いが本気で魔王を倒すとなると回復役無しじゃやってられねーよ」

13: 2012/05/22(火) 01:31:13.55 ID:APee5vnz0
勇者「お、町が見えてきたねー」

盗賊「おー腹減ったなぁ」

戦士「初日だしな……少しくらい豪勢に行かないか?」

僧侶「旅の成功と無事を祈って、というところでしょうか?」

勇者「おーいいね。どっか美味しい料理屋さんあるかなー」

16: 2012/05/22(火) 01:36:04.63 ID:jXOqGEFV0
「「かんぱーい!」」

戦士「そういやあ盗賊はここ来る前は何をしていたんだ?」

盗賊「トレジャーハンターの真似事とかだな。後は遺跡にあるなんかを取ってきてくれとか……」

僧侶「と、盗賊ですか?」

盗賊「まあ悪さをしている富豪から色々とくすねてはいるな」

勇者「おわーやる事やってるねぇ」

盗賊「誤解を生む言い方しないでくれないか?」

17: 2012/05/22(火) 01:39:06.52 ID:jXOqGEFV0
戦士「俺はずっと傭兵として歩き回っていたからなぁ」

僧侶「どういう事をなさっていたのですか?」

戦士「ちょっとした魔物の拠点を攻撃するときの募集とか、攻められている町の援軍とか」

戦士「後は……傭兵じゃないが剣技とかの大会に出て、賞金で食い繋いでいたか」

盗賊「賞金が出るくらいの上位に入れるのか」

勇者「頼りになるなぁ」

19: 2012/05/22(火) 01:42:15.16 ID:jXOqGEFV0
僧侶「僕はずっと教会にいましたからねぇ……」

勇者「え、そうなの?」

僧侶「はい、教会が孤児院のような事をしていましたので」

戦士「それって……お前も苦労しているんだな」

僧侶「いえ、良くして下さって貰っていましたので、特別な苦労は無いですよ」

盗賊「まー俺も孤児だったから分かるわ」

勇者「それが今じゃ盗賊に……」クスン

戦士「優しい人に恵まれなかったんだな……」グズ

盗賊「おいこら」

21: 2012/05/22(火) 01:45:16.49 ID:jXOqGEFV0
勇者「あたしはまー箱入りのお嬢様だったよ」

戦士「ずっと剣を習っていたのにか」

勇者「まあ家に関しては兄も姉もいるからねー」

盗賊「つーか凄い戦い慣れしていたな……前々から戦闘も行っていたのか」

勇者「そうそう。師匠が凄い厳しい人だからねー」

戦士「まあ俺達としては勇者が強くて越した事はないがな」

僧侶「うっ……申し訳ありません」

盗賊「お前は回復をしっかり頼むぜ」

22: 2012/05/22(火) 01:48:09.28 ID:jXOqGEFV0
戦士「あ? 宿は一人部屋で取ったのか?!」

勇者「駄目だった?」

盗賊「おかしいだろ……金銭感覚どうなってやがるんだ」

勇者「えーそうかなー」

僧侶「もうキャンセルも効かないんですよね」

盗賊「っはー……勿体ねー」

戦士「お前は一人部屋でもいいがよ、俺達三人も個室って意味分かんねーよ」

勇者「あははは、ごめんごめん」

盗賊(うん? 気のせいか帳簿に勇者の名前が無かったような……)

23: 2012/05/22(火) 01:51:13.92 ID:jXOqGEFV0
僧侶「ふーっ疲れたー」

僧侶「いやいやこの程度なんて弱音を!」

僧侶「まだまだこれからが本番なんだ!」

僧侶「気合を入れていかないと!」パンパン

僧侶「皆さんの足を引っ張るような真似だけは……あれ?」コンコン

僧侶「どちら様、て勇者様?」ガチャ

勇者「こんばんは~」

25: 2012/05/22(火) 01:54:04.74 ID:jXOqGEFV0
勇者「いやー交流を深めようと思ったんだけど迷惑だったかな?」

僧侶「そ、そんなことありません!」

僧侶「し、しかしその……夜にこうして部屋に来る事は、その、あまり感心できま……」

勇者「へ~僧侶君心配してくれてるの? 優しいなぁ」ギュ

僧侶「ゆ、勇者様!」

僧侶(うわっ胸! 鎧だと分からなかったけど! 結構、うっ!)

勇者「……」ニヤァ

27: 2012/05/22(火) 01:57:13.34 ID:jXOqGEFV0
勇者「んんむ、あむ……ぷは」

僧侶「あふぅ……ゆ、勇者様? いいい、いきなり何を」

勇者「えっへへ~交友を深めるって言ったじゃん」

僧侶「え、ええ?! そ、それと接吻に関係なんか!」

勇者「ふふ~そうかなぁ」スリスリ

僧侶「あっ、ちょ、待って下さい!」

勇者「えー……こんなにおっきくしてるのにぃ?」ニヤニヤ

31: 2012/05/22(火) 02:03:06.79 ID:jXOqGEFV0
盗賊「お早うさん」

戦士「おう」

僧侶「お早う……ございます」ゲッソリ

盗賊「……おいおいどうしたんだ?」

戦士「体調不良か?」

僧侶「お気になさらずに……」

勇者「おっはよーう、皆! 今日もがんがん進むよー!」ツヤツヤ

33: 2012/05/22(火) 02:06:17.35 ID:jXOqGEFV0
勇者「く!」ガキン

戦士「そらあ!」ザン

盗賊「そらあ!」ザシュ

僧侶「回復魔法・小!」パア

勇者「ふう……ありがとう、助かったよ」

戦士「なに言ってんだ。その為の仲間だろうが」

34: 2012/05/22(火) 02:09:10.89 ID:jXOqGEFV0
勇者「次の町まではー……」

戦士「後二日くらいだな」

盗賊「僧侶は野営とか大丈夫か?」

僧侶「初めてですが大丈夫だとは思います」

勇者「そろそろ日暮れだしここまでにしておこっか」

盗賊「あいよ、じゃあ野営準備にかかるぜ」テキパキ

戦士「アウトドア派は違うな」

36: 2012/05/22(火) 02:13:04.15 ID:jXOqGEFV0
……
勇者「ふう町かー」

盗賊「久々にベッドで寝られるな」

戦士「俺は道具屋で補充してから宿に向かうから」

僧侶「あ、僕もお手伝いします」

勇者「じゃああたし達は先に部屋とっておこっか」

盗賊「だな」

37: 2012/05/22(火) 02:16:26.91 ID:jXOqGEFV0
勇者「三人部屋と一人部屋より二人部屋二つの方が安くつくね」

盗賊「まあ今時一人旅ってのも中々ないんだろうな」

勇者「うーん、すみませーん二人部屋二つお願いします」

盗賊「おいおい……いいのかよ?」

勇者「あたしは平気だよー」


戦士「で、こうなったらしい」

僧侶「は、はあ……」

僧侶(……盗賊さん)ホロリ

38: 2012/05/22(火) 02:19:40.12 ID:jXOqGEFV0
勇者「さて、と」シュルリ

盗賊「……は? おい馬鹿、こんな所で脱ぎだすな! てか恥ずかしくないのか?!」

勇者「えへへ~じゃあ盗賊君も抜けばいいんじゃない」ヌギヌギ

盗賊「は、おい、馬鹿! こら脱がすな!」バッ

勇者「きゃっ……もー乱暴だなぁ」

盗賊「く、戦士のところに逃げ……」ガチャ

盗賊「なっ」ガチャガチャ

勇者「魔法で施錠してあるに決まっているじゃん」ヌラ

40: 2012/05/22(火) 02:22:06.45 ID:jXOqGEFV0
勇者「えへへ~盗賊君つーかーまーえた」スリスリ

盗賊「くっ……あーくそ! お前がこんな好色家だったとはな!」

勇者「むーそんな言い方しなくたっていいじゃん」

盗賊「まんまじゃねーか」

勇者「むー……そんな事言っていると首にキスマークつけちゃうぞ!」

盗賊「馬鹿、やめろ……」グググ

44: 2012/05/22(火) 02:28:20.16 ID:jXOqGEFV0

盗賊「逃げねば……」

盗賊「時間はかかるが施錠魔法なら解けるし……」カチャカチャ

勇者「」ムク

盗賊「くそ、結構難しい施錠だな」カチャカチャ

勇者「」ニタァ

45: 2012/05/22(火) 02:31:45.04 ID:jXOqGEFV0
戦士「ふああ……」

僧侶「眠そうですね」

戦士「まー大して問題は無いから気にすんな」

盗賊「よう……」ゲッソリ

戦士「……お前どうした」

僧侶「……お早うございます」

盗賊「そういう事だったんだな」ナデナデ

僧侶「……はい」

戦士「おいおい、なんだってんだよ」

勇者「ぅおはよーう!」ツヤツヤ

46: 2012/05/22(火) 02:34:23.19 ID:jXOqGEFV0
勇者「だいぶ進んだねー」

僧侶「大きい町ですねー」

戦士「商業が発展している場所らしいな」

盗賊「なんかいい装備あるかねー」

戦士「じゃあ今回は盗賊に物資調達任せっかな」

勇者「!」

盗賊「じゃあ僧侶、ついてこいよ」

僧侶「あ、はい」

勇者「それじゃあ先に宿に向かっているねー」

戦士「後でなー」

盗僧「……」合掌

48: 2012/05/22(火) 02:37:12.26 ID:jXOqGEFV0
勇者「これから先なんだけど、ここのルートを通っていこうかと思うんだけどどう?」

戦士「こっちのルートの方が安全じゃないか?」

勇者「そうなんだけどさ、この町って色んな武具が集まるって話なんだよね」

戦士「あーそういえばそうだな」

勇者「戦士君やあたしはいいけど、特に僧侶君はもっとしっかりとした防具を揃えた方がいいと思うんだよね」

戦士「だろうな」

49: 2012/05/22(火) 02:40:03.23 ID:jXOqGEFV0
勇者「さて、と。ルートも決まったし、お風呂先にいいよ」

戦士「いいのか? なら先に失礼するぞ」スック

勇者「……」ニタァ

戦士「風呂はこっちか」ガチャ

勇者「……」ススー

戦士「……」バッ

勇者「あ、あら?」

戦士「お前なー……背後について何考えてんだ」

50: 2012/05/22(火) 02:43:03.53 ID:jXOqGEFV0
勇者「やだなぁあははは、ちょっと脅かそうと思っただけだよー」

戦士「盗賊と僧侶の様子見りゃあ分かるんだよ……お前、町で宿を取る時あいつら襲ったんだろ」

勇者「……」ピタ

勇者「ふーん……で、それが分かっていてこの部屋割りを受け入れたんだぁ」

戦士「どーせいつかはそーなるだろうからな」

戦士「ったく、シャワーくらい浴びさせてほしいもんだが……」

戦士「まあいい。手癖の悪い子猫にはおしおきだ」

52: 2012/05/22(火) 02:46:06.81 ID:jXOqGEFV0
勇者「アんっ! すごいぃ!」ギッシギッシ

戦士「全く、可愛い顔してとんだすきものだぜ」

勇者「あふぅ! あっくぅ! あっあアァぁぁん!!」ビクンビクン

戦士「んだよ、もうか?」

勇者「しゅごいよぉ……戦士君……獣みたいに……うぇへへ……」ピクンピクン

戦士「俺はおしおきって言っただろう」グイ

戦士「こんなんじゃすまさねーよ」グチュゥ

勇者「はひぃん! ま、イってぅぅ!」ビクン

54: 2012/05/22(火) 02:49:05.75 ID:jXOqGEFV0
戦士「……よう」ゲッソリ

盗賊「全滅か……」

僧侶「戦士さん……」

戦士「ありゃあ化け物だぜ……」

盗賊「お前ならもしやと思ったが……どうにもならんか」

勇者「皆ー! おっはよーーう!!」ツヤツヤ

55: 2012/05/22(火) 02:52:08.32 ID:jXOqGEFV0
盗賊「結構険しいルートだな……もっと楽な道は無いのか?」

戦士「迂回するルートもあったんだが、装備の調達も兼ねてこの山の向こうの町に寄っていくんだとよ」

僧侶「凄い山道ですねー」

勇者「ここら辺は鳥型の魔物が多いらしいからね。皆、頭上に注意して進んでね」

僧侶「そう言われると普通の鳥さえ怖くなってきますね……」カーカー

盗賊「つーか遠距離で攻撃できるの俺だけか?」

勇者「魔法使えそうな人が酒場にいなかったんだもん」

56: 2012/05/22(火) 02:55:06.66 ID:jXOqGEFV0
……
戦士「この山道を後四日か……」

勇者「えっへへ~鳥肉~」ジュルリ

盗賊「ま、狗肉で山越えするよかいいわな」

戦士「そういやよ……一巡した訳だが」

僧侶「一巡?」

戦士「お前、どういうつもりだよ。俺らの選考理由ってお前の好みか?」

勇者「あつっ、ふーっ」ハムハム

戦士「おいこら」ガッシ

勇者「え? あたし?!」

盗賊「むしろお前以外にいないよなぁ」

57: 2012/05/22(火) 02:58:08.10 ID:jXOqGEFV0
勇者「んーまあ若干は好みもあったかなぁ」

僧侶「ええ?! 魔王討伐を本気で考えてらっしゃると思ったのに!」

勇者「それは本気だよー。ただやっぱり溜まるものもあるし皆だってメリットだらけでしょー」

戦士「いや仲間全員と穴兄弟はメリットとは言えねーよ」

盗賊「というかお前も大丈夫なのか? 平然とヤりまくってるけど」

勇者「やだなー避妊魔法くらいかけてあるよ」

僧侶「そ、そんなのあるんですか?」

勇者「便利だよーえへへーこれで皆と好き放題やれるぅ」ギュウ

戦士「引っ付くな」グイ

58: 2012/05/22(火) 03:01:03.03 ID:jXOqGEFV0
盗賊「にしても何があったらそんなんになるんだ?」

勇者「んー……過去に色々とあったからなぁ」

戦士「い、色々……?」ゴクリ

僧侶「……何か事件に巻き込まれて」

勇者「まー事件だねー。ほら、あたしの剣の師匠が厳しい人だって言ったじゃん」

盗賊(悪党の拠点を鎮圧を命じられて捕まって……)

戦士(女なのに優秀、と他の弟子に難癖つけられて……)

僧侶(い、一体何があったんだろう……)ドキマギ

勇者「山で二週間から一ヶ月程度、一人で生き延びろ、とかよくやらされてたんだよねー」

戦士(山賊っ)

盗賊(山賊かっ)

59: 2012/05/22(火) 03:04:04.82 ID:jXOqGEFV0
勇者「ある時、野犬の群れに囲まれちゃってさー。そうしたらピーされてピーーされ」

勇者「それから一週間ほどずっとピーーーーーて挙句にピーーーーーーーーー」

戦士「うわぁっ」

盗賊「き、聞きたくなかった」

僧侶「」

勇者「まあそれで助かった後はまあ……あれが忘れられなくって」

勇者「ときどーき使用人の人達引き込んでたらこうなっちゃった」テヘ

戦士「あっけらかんと重たい話をしやがって……」

62: 2012/05/22(火) 03:07:22.07 ID:jXOqGEFV0
盗賊「けど、お前のお師匠さんとか大丈夫なのか……?」

勇者「あー大変だったよ? お父さんも師匠自身も氏んで詫びろって状態だったから」

勇者「ただあたしはこんなだからさ、お父さんはあんまりあたしの事見てくれてなくてさー」

勇者「師匠と共にする時間が長かったし師匠が大好き……あ、尊敬の意味ね。やましい気持ち無いよ? 本当だよ?」

戦士「お前の好きの大半が下心だって自覚はあるんだな」

勇者「まあね。で、まあ師匠が氏ぬくらいならって皆の前で短剣を喉にあてがって」

勇者「師匠に責はありません。私が未熟だったがゆえの事。それでも尚、責任を求められるのでしたら」

勇者「師の顔に泥を塗った私めが氏をもって償い致しましょう、ってやって円く収まった」

戦士「……お前凄いな」

僧侶「何と言うか……格好良すぎます」

勇者「へっへっへ~惚れろ惚れろー」

盗賊「いや……そういうのに繋がる話じゃないだろ」

63: 2012/05/22(火) 03:10:09.69 ID:jXOqGEFV0
勇者「ま、そんなわけだよ」

戦士「……そうして誰とでも寝る女になったのか」

勇者「いやいや、ちゃんと選んでるよ?」

盗賊「判断基準はなんだよ」

勇者「誠実そうな人」

戦士「それお前が求めるのか」

勇者「あたしだって見境なくしてるわけじゃないよー」

盗賊「駄目だ……根本的に価値観がズレてやがる」

66: 2012/05/22(火) 03:13:09.63 ID:jXOqGEFV0
勇者「まー……もう三人は逃がさないけどね」ニタァ

盗賊「ぅぉ」ゾォ

僧侶「ゆ、勇者様、そんな顔をなさってはいけません」

戦士「まー野営中は我慢するみたいだし俺はいいさ」

勇者「!」キラッ

戦士「あ、待て、宿でもう少し加減してくれればの話だ」

勇者「なんだよー……足腰立たなくしてやるぜ、くらい言ってくれたっていいじゃんかー」

盗賊「俺らがもたない」

戦士「全くだ」

僧侶「うわぁ」ドキマギ

67: 2012/05/22(火) 03:16:06.00 ID:jXOqGEFV0
勇者「でもこーして皆とただ眠るのもいいなーって最近思うようになった」ピト

戦士「そーかよ」

盗賊「今更んな事言われてもなー」

僧侶「……。あ、いえ、僕は別に軽蔑だなんてしていませんよ!」

勇者「えへへ~僧侶君優しいなぁ……次の町でもいっぱい可愛がってあげるからねぇ」

僧侶「え、えと……できればその遠慮したいような嬉しいような」ボソボソ

盗賊「はいはい、とっとと寝るぞ」

勇者「うん、おやすみ……」ギュ

68: 2012/05/22(火) 03:19:25.67 ID:jXOqGEFV0

勇者「ふぅふぅ……結構しんどかったねぇ」

戦士「つってももうちょい登るんだけどな」

盗賊「そういや装備がどうのって町は?」

勇者「この山の麓だよ」

僧侶「えーと……後五日はかかりそうですね」

勇者「できればそこで買い換えたいけど……もう剣がボロボロだなぁ」

戦士「流石にここで換えておけ。次の町までもたねーよ」

69: 2012/05/22(火) 03:22:04.24 ID:jXOqGEFV0
勇者「んふふ~僧侶君の気持ちい~」グリグリ

僧侶「そんなっ! やめっ、中でっ、うっくぅぅ!」ビクン

勇者「んむ……ん、はぁ……えへへ~まだまだいくよ~」グリュングリ


盗賊「……」

戦士「なんだ? 寝ないのか?」

盗賊「僧侶が捕まっている今、逃げ出せないだろうか」ゴクリ

戦士「頑張れよー」

盗賊「えっ」

戦士「俺は報奨金とか欲しいし」

盗賊「たくましいな」

71: 2012/05/22(火) 03:25:09.44 ID:jXOqGEFV0
勇者「へっへーい!」ズバン ズシャ

盗賊「すげーノリノリ」

戦士「前の剣に比べりゃ段違いにいいもんだからな」

戦士「あーやべ、早く麓の町で俺も買い換えてー」

勇者「できればあたしもそこで換えたかったなー」ニマニマ

僧侶「す、凄い嬉しそうですね」

戦士「剣を買い換える喜びはその手の連中しか分からねーさ」

72: 2012/05/22(火) 03:28:12.42 ID:jXOqGEFV0
戦士「うおっ結構いいもん揃ってるな」

盗賊「俺も買い換えておくかぁ」

僧侶「うわぁ……僕でも装備できそうな防具がこんなにあるなんて」

勇者「うーん……この先買い換えられそうなところってないなぁ」

勇者「せめて防具だけでも全部とっかえるかー」

73: 2012/05/22(火) 03:31:20.91 ID:jXOqGEFV0
勇者「……」
戦士「……」
盗賊「……」
僧侶「……」

戦士「おい……」

勇者「いやー……まさか四人部屋一部屋が限界な所まで使っちゃってたとはー」

盗賊「今日はいいがこれからどうするんだ?」

勇者「うーん、何とか魔物から収集品掻き集めて町で売りさばくしかないね」

戦士「魔物の拠点ってのもあまり聞かない話だしな」

僧侶「大勢で寝るの……なんだか孤児院の時みたいで懐かしいです」タハハ

勇者「僧侶君……」

75: 2012/05/22(火) 03:34:13.34 ID:jXOqGEFV0
勇者「はふぅ……充実した夜だったなぁ」ツヤツヤ

戦士「あの話から平然とやるお前がこえーよ」

盗賊「三人がかりでやっとか……」

僧侶「……何て言いますか、本当に勇者様は凄いですね」

戦士「悪い意味のベクトルだがな」

勇者「あ、この先はもう町の数も少ないから準備はしっかりね」

盗賊「山を越えてしばらくしたら魔王城か……」

僧侶「……」ゴクリ

77: 2012/05/22(火) 03:37:07.84 ID:jXOqGEFV0
勇者「何ていうか……禍々しいというより凄い立派なお城だね」

戦士「本当にここに魔王が?」

僧侶「普通に王様とかいそうな雰囲気ですね」

盗賊「とは言え適のアジトだ……細心の注意を払っていこうぜ」

勇者「だね……」


戦士「敵、いないな」キョロキョロ

盗賊「罠か……?」

勇者「むしろあたし達が魔王に誘われてるのかもね」

78: 2012/05/22(火) 03:40:21.51 ID:jXOqGEFV0
魔王「よくぞ来たな人間ども」

魔王「お前達の噂はよく聞いている……これ以上、いたずらに被害を増やすわけにもいくまい」

魔王「我が直々に相手をしてやろう」ゴゴゴ

勇者「凄いプレッシャーだね」ゴクリ

戦士「ああ、最終決戦に相応しいな」

盗賊「……正念場だな」

僧侶「皆さん……攻撃だけに注力して下さい! 回復は任せて下さい!」

勇者「うん、よろしくね!」バッ

79: 2012/05/22(火) 03:43:13.02 ID:jXOqGEFV0
勇者「はーっ! はーっ!」

戦士「ぜえ……はあ……」

盗賊「やった……のか?」

魔王「ごふ……ふ、ふふふ……見事だ……よもや人間如きに」

魔王「さあ……頃すがいい」

勇者「はー……いや、殺さない」

戦士「お、おい!」

勇者「殺せば片がつくとは思えない……魔物達に人間に対する攻撃の停止を命じろ」

80: 2012/05/22(火) 03:46:12.14 ID:jXOqGEFV0
勇者「そしてお前は国王の前に連れて行く……お前の犯した数々の罪を裁いてやる」

戦士「お、おお……」

盗賊「真面目モードの勇者は本当にいいんだがなぁ……」

僧侶「蓋を開けてはいけませんからね……」

魔王「ふっいいだろう……それもまた敗北者の定めだ」キィン

魔王「これで魔物達はこの城周辺に戻ってくる……人間達の界隈には近づきもしないだろう

勇者「そうか……よし」ゴソゴソ

戦士「なんだその宝石」

勇者「転移魔法が込められた魔石だよ……魔王討伐後の為に作ってもらったんだ」パァァ

勇者「さあ、帰るよ!」カッ

81: 2012/05/22(火) 03:49:11.91 ID:jXOqGEFV0
国王「よくぞ! よくぞ無事に帰ってきた!」

勇者「務め、果たしてまいりました」グィ

魔王「ぐぅ……」

国王「なんと……! では魔物達が大移動を始めたのもっ!」

国王「帰ってくるだけでなく……本当にお前は!」

国王「馬鹿娘が! 立派に……なりおって!」

勇者「えへへ~そんなそんな」

戦士「……うん?」

盗賊「ちょっと待て……今、え?」

僧侶「まま、まさか……」

83: 2012/05/22(火) 03:52:07.55 ID:jXOqGEFV0
国王「しかし……その者はどうする?」

勇者「もしよろしければ、あたしに委ねては頂けないでしょうかっ」キリッ

戦士「あ、こいつ……」

盗賊「あんだけ熱い事を言っておきながら……」

僧侶「魔王、さん……? 頑張って下さいね?」

魔王「な、何を言っているのだ?」

戦士「まあ……多分慣れるさ」

盗賊「先は長いんだ、のんびりな……」

魔王「待て、何故急にそんな優しく……おい、何を目尻に貯めておるのだ」

86: 2012/05/22(火) 03:54:13.84 ID:jXOqGEFV0
猪苗代湖

五色沼

廃墟が好きなら間に幽霊ペンション挟んでもいいな

早朝の五色沼えがったが雪降り積もる五色沼もまた格別なり

89: 2012/05/22(火) 03:56:17.55 ID:jXOqGEFV0
国王「して、旅に同行したその者達への褒美は如何にすると?」

勇者「あ、決めてなかった」

戦士「そういえばそうだったな……」

勇者「あ、三人とも関係済みだから婿として迎えようと思います」


ワーワー
 ギャーギャー
戦士「と、とんでもない事になった」ガクガク

盗賊「逃がさないって……逃がさないってそういう!」ガタガタ

僧侶「は、はは……どうしよう……」

91: 2012/05/22(火) 03:59:14.98 ID:jXOqGEFV0
勇者「全くもー頑固なところは変わらないなぁ」

戦士「今頃お前のトチ狂いっぷりに王様を頭を抱えているさ」

盗賊「つーかマジで言ってるのか、あれ」

勇者「えーそのつもりだよ? 旅をしてて良い人達だなーって分かってるし」

戦士「まー今逃げ出したら指名手配だ……俺は腹をくくるさ」

僧侶「僕も教会以外に行く当てが無いですし……」

盗賊「あー……こんな身の固め方があるたー……で、魔王はどうするんだよ?」

92: 2012/05/22(火) 04:02:02.41 ID:jXOqGEFV0
魔王「っふ。遂に処刑というわけか」

魔王「まあ、良い……我を負かしたお前が執行するのであれば文句も言うまい」

勇者「……ふっふふ」シュルリ

魔王「は? な、おい! 何故衣服を脱ぐのだ!」

勇者「さぁて何でだろうねぇ」スリスリ

魔王「な……貴様、色魔か! 止めぬか! だいたいにしてこういう事はもっとお互いをっ」

勇者「へ~……魔王って意外と純粋なんだね。多くの女性を組み伏せて色々やっているもんだと思ったよ~」

93: 2012/05/22(火) 04:05:29.33 ID:jXOqGEFV0
魔王「貴様ぁ! 我の威厳に泥を塗る気かっ!」

勇者「違う違う……思ったとおり『誠実そうな人』で良かったぁって事だよ」ニタァ


「な、何を言って……待て止めろ! ぬわあああああああ!」


その後、王位継承権を放棄した勇者は四人と末永く幸せに暮らしましたとさ


戦士「なんだかんだであいつ、耐久力あるな」ヌォォォォ

盗賊「王の名は伊達じゃないな……これでローテーションも少しは楽になるな」

僧侶「王宮はお茶も美味しいですねぇ……」ハフゥ


   勇者「仲間は誰にしよーかなっと」 完

95: 2012/05/22(火) 04:08:20.68 ID:gzqMbOy90

97: 2012/05/22(火) 04:10:19.37 ID:jXOqGEFV0
こんな適当な話で三時間も費やしたのか……


にしても誤爆に何もツッコミがないんだな
優しいなお前ら 一瞬ヒヤっとしたんだぞ

101: 2012/05/22(火) 04:16:38.60 ID:jXOqGEFV0
叩かれて喜ぶ豚だからなブヒィィィ

さあて寝るかな お前らも遅くまで乙

引用: 勇者「仲間は誰にしよーかなっと」