1: 2014/05/15(木) 18:05:02 ID:CJfRvDLQ
美木杉「…そういや、皐月さまって、どうして光るんだろうね?」
黄長瀬「お前だって光ってるだろうが」
美木杉「いやぁ、僕のとは仕組みが違うんじゃないのかなぁ」
黄長瀬「逆にお前のはどういう仕組みなんだ。LEDでも埋め込んでるのか?」
美木杉「…紬になら…教えてあげても、いいよ…」ファサッ
黄長瀬「…やめろ」
2: 2014/05/15(木) 18:05:36 ID:CJfRvDLQ
黄長瀬「…普通に考えたら、親の遺伝じゃないか?」
美木杉「羅暁のは、あれは生命繊維の輝きだと思うよ」
黄長瀬「纏流子は光らないぞ」
美木杉「…本人は気づいてないだけで、実は光るんじゃないだろうか」
黄長瀬「というか、そもそもお前らは何をどうしたらそんな光を出せるんだ?」
美木杉「…自然に?」
黄長瀬「まじか」
3: 2014/05/15(木) 18:06:10 ID:CJfRvDLQ
美木杉「という訳で皐月様と流子くんの平和な学校生活を観察してみようか」望遠鏡スチャッ
黄長瀬「覗きのために俺を呼び出したのか」
美木杉「覗きじゃない。調査だ」
黄長瀬「覗きだろ。そんな指令出てないだろ」
美木杉「僕の僕による僕のための調査だ。…あ、僕のためって言っちゃった」
黄長瀬「帰らせてもらう」
猿投山「…待ちな」
黄長瀬「!」
4: 2014/05/15(木) 18:07:37 ID:CJfRvDLQ
美木杉「あちゃー、ばれてた?」
猿投山「心眼通を会得した俺に、貴様らのせこい計画がばれないとでも思ったか」
美木杉「思ってた」
猿投山「…なめられたもんだなぁ」
黄長瀬「で? 鬼龍院に報告するのか? 言っとくが俺は止めたんだぞ」
猿投山「止めるだと? ふっ、誰がそんなことを言った」
美木杉「…まさか、君も」
猿投山「ああ。皐月様のあの光…。あの光の正体だけは、この俺の心眼通をもってしてもわからなかった…」
5: 2014/05/15(木) 18:08:26 ID:CJfRvDLQ
――がたっ
黄長瀬「――誰だっ!」チャキッ
犬牟田「待った、待った。…その話、僕も乗らせてもらおうか」
猿投山「さすがデータの鬼…。犬牟田、お前もあの光の正体を知りたいのか」
犬牟田「皐月様のカリスマ性の表れ、ということになっているが…無理があるよね。絶対裏に何かあるはずだ」
美木杉「…照明部とか?」
蟇郡「そんな部は無い」むくむくっ
黄長瀬「…お前、よくそんなところに隠れられたな」
蟇郡「ふん。貴様らも知ってのとおり、俺は際限なく大きくなれる」
美木杉「うん。そだね」
蟇郡「…つまり、その逆もまた然りという事…!」シュルシュル
猿投山「すげぇ。ハムスターサイズの蟇郡だ。すげぇ」
犬牟田「なるほど。その特性を生かし、皐月様の隅々まで調べてくれるという訳だね?」
蟇郡「いや、武士道に反する」
犬牟田「それは残念」
6: 2014/05/15(木) 18:09:03 ID:CJfRvDLQ
蟇郡「光るといえば…満艦飾マコも、ある意味光っていると言えるのではないだろうか」
犬牟田「あのスポットライトのこと? あれこそ照明部の仕業じゃないの?」
蟇郡「だからそんな部はないと言っているだろうが」
猿投山「…なぁ、今思いついたんだが…」
犬牟田「なんだい?」
蟇郡「言ってみろ」
猿投山「…俺らも、本気出したら光るんじゃね?」
7: 2014/05/15(木) 18:09:53 ID:CJfRvDLQ
黄長瀬「…本気?」
猿投山「こう、光るぜ! みたいな」
犬牟田「君は馬鹿か」
美木杉「…一理あるかもしれないよ。それに、研究者として、一度立った仮説を試しもせずに否定することはポリスィーに反する」
蟇郡「では、言い出しっぺの猿投山から試してみろ」
猿投山「俺はすでに光ってるだろ。11話とか、他の話とかで」
黄長瀬「ああ、そういや光ってたな」
美木杉「え? 気づかなかったな。どこが光ってたの?」
黄長瀬「……どうでもいいだろう」フイッ
犬牟田「…もしかして、俺たちは今も、自覚がないだけで実は光っているんじゃないだろうか」
8: 2014/05/15(木) 18:10:41 ID:CJfRvDLQ
蟇郡「なるほど。服を着ているから気づかないが、確かに光っているのかもしれん」
美木杉「確かめてみよう。…紬、電気消してカーテン閉めて」
黄長瀬「なんでこういう展開になるんだ…」パチッ シャーッ
猿投山「じゃ、脱ぐぞー」脱ぎっ
美木杉「…まぁ、僕はいつも光るから」ポワー
黄長瀬「……俺は脱がないぞ」
犬牟田「言いだしといて悪いけど、俺も脱ぐ気はないね」
蟇郡(バカ正直に脱いでしまった…)
猿投山「――! ま、まずい! みんな服を着ろ!」
美木杉「?」
9: 2014/05/15(木) 18:11:25 ID:CJfRvDLQ
ドア ギィッ
流子「おい美木杉、父さんの発明の特許とかってどうなって――」
流子「」
美木杉「…やぁ、よく来たね流子くん」
流子「…えっと……」
猿投山「誤解だ。お前は今、物凄い勘違いをしているぞ纏」
黄長瀬「だから嫌だったんだ…」
蟇郡「満艦飾は一緒じゃないのか?」
犬牟田「俺は違うからね。俺は違うからね」
流子「………」
美木杉「……君も脱ぐ?」
――バタンッ!! (ドアを閉める音)
ダダダダダッ・・・・・(階段を下りる音)
10: 2014/05/15(木) 18:12:16 ID:CJfRvDLQ
蟇郡(…纏流子が力いっぱい閉めたせいで、ドアが曲がっている…)
美木杉「……ふっ。帰っちゃったか」
黄長瀬「…お前って奴は…」
美木杉「…ねぇ、さっき流子くんちょっと光ってなかった?」
一同「「もう黙れよ!!!
38: 2014/05/19(月) 15:47:35 ID:OaiMpWWU
美木杉愛九郎「どうして光るんだろうね?」その2
前回まで:鬼龍院皐月さまの光の謎を追ううちに、纏流子にホ〇ダチだと思われてしまったNB二人と四天王三匹。はたして、彼らは無事に誤解と謎を解くことができるのだろうか。
美木杉「で、皐月様はどうして光るんだろうね?」
黄長瀬「その前に纏の誤解を解いたほうがいいと思うが」
美木杉「…ほんとのことにしちゃおっか?」スルッ・・・
黄長瀬「やめろ」
39: 2014/05/19(月) 15:48:17 ID:OaiMpWWU
蟇郡「誤解とはなんのことだ」
犬牟田「君は元から変Oだから大丈夫だろうけど、俺はノーマルで通ってるんだ。巻き込まないでくれ」
美木杉「ノーマル?違うね。この世には、ホ〇とレOとストレートしか居ないよ」
猿投山「それ以外は無いのか?」
美木杉「…それ以上は、僕の口からは言えないなぁ…」ファサッ☆
黄長瀬「……美木杉のことはあきらめるとしてだ。お前ら二人は服を着ろ」
猿投山「前は脱げ脱げ言ってたのにな」
蟇郡「纏に出くわすたび、脱げ脱げ脱げ脱げと」
40: 2014/05/19(月) 15:48:50 ID:OaiMpWWU
黄長瀬「…目のやり場に困るんだよ」
美木杉「僕は?」
黄長瀬「お前はどうでもいい」
美木杉「お前『は』ってどういうことだい?」
黄長瀬「」
美木杉「」ポワー
41: 2014/05/19(月) 15:49:26 ID:OaiMpWWU
犬牟田「…よし、忘れよう。今あった一連の出来事をすべて忘れて、新しいスタートを切るべきだと俺は思う」
猿投山「そうだな。俺もそう思う」
蟇郡(…な、なんだ、この気持ちは…!?)
黄長瀬(……俺は…)
猿投山「やめるんだ蟇さん。蟇さんは公式で決まっちゃってるからやめるんだ」
犬牟田「俺はそういうの見たくないんだ。トラウマを増やさないでくれ」
美木杉「…もう、どうにも止まらない…」ガリガリガリガリ
42: 2014/05/19(月) 15:50:11 ID:OaiMpWWU
猿投山「さ、皐月様の光ってなんなんだろーねー犬牟田ー」
犬牟田「そうだねーなんなんだろねー」
蟇郡「む。そういえばそうだったな」
美木杉「コーヒー入れたけど飲む?」こぽこぽ
黄長瀬「さっきの妙な音はコーヒー豆を挽いていたのか」
犬牟田「コーヒーの香りで男臭さが和らいだね」
猿投山「……犬牟田。俺は今とんでもない事実に気付いてしまった」
犬牟田「なんだい?」
猿投山「皐月様は光ってない」
蟇郡「貴様いきなり何を言い出すかぁ!」
43: 2014/05/19(月) 15:51:31 ID:OaiMpWWU
猿投山「皐月様じゃない。皐月様の背後の、二、三メートル離れたあたりくらいから強烈なライトで照らされているような後光が差しているだけで、皐月様自身は光っていない」
犬牟田「確かに」
美木杉「…そうか、やはり照明部が」
蟇郡「そんな部は無い」
黄長瀬「実は専属の黒子がいるとか」
犬牟田「…あり得るね」
猿投山「実は羅暁が皐月様をストーキングしてたとか」
蟇郡「そしたらお前が気づくだろう」
猿投山「ほんとだ」
44: 2014/05/19(月) 15:52:12 ID:OaiMpWWU
美木杉「…わからないねぇ」
猿投山「…どういうことなんだ」
犬牟田「…データには載ってないね」
黄長瀬「…もう帰っていいか?」
蟇郡「…逆に考えてみるのは、どうだろうか」
犬牟田「逆?」
蟇郡「皐月様が光っているのではなく、皐月様のあまりのカリスマ性ゆえに周りの景色が光を失っているのだ、と」
猿投山「そっちのが無理じゃないか?」
美木杉「…いや、まさか」
黄長瀬「何かわかったのか」
美木杉「…僕たちは、とんでもない勘違いをしていたのかもしれない…っ」
45: 2014/05/19(月) 15:53:56 ID:OaiMpWWU
美木杉「結論から言おう…皐月様は実は光っていない!」
三天王「「な、なんだってぇ!?」」
美木杉「『生命繊維』は、纏ったものの精神電流を喰らい繁殖する。…そして同時に、精神電流を調整し、生体の記憶や認識さえも操ることが可能だっ」
黄長瀬「それがどうやったら、光る光らないにつながるんだ」
美木杉「もし、鬼龍院皐月の光が、現実のものではなかったとしたら?生命繊維の電流による、脳内に直接流されたイメェージだとしたら…?」
一同「「!」」
46: 2014/05/19(月) 15:54:59 ID:OaiMpWWU
美木杉「…そう、今まで光を発してきた者たちは、生命繊維を纏った際に、常人以上のシンクロ率を出せる者ばかりだ…。満艦飾くん然り、羅暁然り、皐月様然り、四天王然り!」
美木杉「『生命繊維への耐性が強い』ということは、『その電流に耐え切れる、ある程度自分の中で調節できる』ということとイコォールだ…」
美木杉「つまぁり。彼女ら、もとい彼らはっ、自身の電流を用いて、我々の脳に直接『光ってるぅー』というイメェージを植え付けていたのだぁあああ!」ばばーんっ
犬牟田「…なるほど。説明はつくね」
猿投山「そうか…そういう事だったのか…」
蟇郡「つまり、極制服や神衣がなくなった今、皐月様は前ほど眩しくは光らないという訳か…?」
黄長瀬「確かに、最近控えめになったな」
47: 2014/05/19(月) 15:55:41 ID:OaiMpWWU
美木杉「……これで、全ての問題は解決した…」
猿投山「いや、まだ纏のが残ってる」
犬牟田「むしろそっちのが重要だと思う」
蟇郡「…そうすると、美木杉愛九郎」
美木杉「なんだい?」
蟇郡「貴様も、もしかして道頓堀ロボより極制服を着た方が戦力になったんじゃ」
美木杉「DTR!」
犬牟田「…確かに。っていうか道頓堀ロボ自体がそもそも失敗だった気が」
美木杉「ディーティーアァールゥッ!!」
猿投山「どうでもいいけどよ。とりあえず纏探そうぜ。埒が明かねぇよこのままじゃ」
美木杉「…DTR!!!」
完
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